JP2822037B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2822037B2 JP63011774A JP1177488A JP2822037B2 JP 2822037 B2 JP2822037 B2 JP 2822037B2 JP 63011774 A JP63011774 A JP 63011774A JP 1177488 A JP1177488 A JP 1177488A JP 2822037 B2 JP2822037 B2 JP 2822037B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体に関する。
先行技術とその問題点 非磁性基板上に、γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3等の酸
化物系磁性粉と結合剤とを主体とする磁性層を形成した
磁気記録媒体が出現してすでに久しい。
また、最近では、記録密度をさらに向上す目的で、F
e、Co、Ni、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Co−
B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等の
強磁性粉と結合剤等からなる塗布膜を磁性層とする磁気
記録媒体が一般に多く用いられている。
これらの塗布型の磁気記録媒体においては、特に磁気
テープおよび磁気ディスクの用途では、摩擦係数が小さ
く、円滑で安定な走行性を示すこと、耐摩耗性、耐久性
に優れ、長時間にわたって安定走行を行いうること、機
械的強度にも優れ、耐久性、および耐久クラッチ性が高
く、カールが少なく、スキューやベースケズレが少ない
こと、帯電性の低いこと、おかれた環境、条件に対して
安定であること等が強く求められる。
このような要求に応じるため、従来から種々のバック
コート層が磁性層を塗設した面とは反対側の基板面に設
けられている。
しかし、従来のバックコート層は、いずれも塗布型の
ものであり、塗布後の乾燥に時間とコストを要する。
他方、特開昭58−29119号公報には、ベースフィルム
にプラズマ重合膜を設ける旨の提案がなされている。
同公報では、その効果として帯電防止性のみを評価し
ている。
しかし、このものは、原料ソースとして例えば、有機
アミノ化合物、有機珪素化合物、有機不飽和化合物等の
ものを用いており、これらのものは帯電防止性と耐スク
ラッチ性等の耐久性とを同時に満足するものではない。
また、同公報ではプラズマ重合膜の膜厚を0.01〜1μ
mとしている。
しかし、このような厚い膜厚ではバックコート層とし
ての適用がむずかしい。
すなわち、0.01μm以上であると、逆に耐久性に劣
り、ドロップアウトが増大してしまう。
さらに、同公報では、プラズマ重合膜形成の原料ソー
スとして、非常に多くの有機化合物が適用可能であると
している。
しかしながら、これらのものの中には、帯電防止剤に
は優れた効果を有しても、バックコート層として用いた
際には、耐スクラッチ性、耐ドロップアウト性等の点で
使用不可能なもが多い。
また、金属磁性薄膜を磁性層とするいわゆる蒸着薄膜
型の媒体でも、特開昭59−79425号公報にプラズマ重合
膜をバックコート層として設ける旨が記載されている。
しかし、その効果は、蒸着薄膜の磁性層を有する媒体
で特に問題となっているカーリングの改善である。
そして、このものはエチレン等の炭素−水素系の重合
性ガスを用いるので、帯電防止性の点で不十分である。
II 発明の目的 本発明の主たる目的は、バックコート層を特定のプラ
ズマ重合膜で形成することにより、帯電防止性に優れ、
摩擦係数が小さい上に、耐摩耗性、機械的強度、耐久
性、耐スクラッチ性が良好で、カールが少なく、スキュ
ーやベースケズレが少なく、走行安定性にすぐれ、しか
も生産性が高く、製造コストを低廉とすることのできる
磁気記録媒体を提供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち、本発明は、基板の一方の面上に磁性層を有
し、他方の面上に、Cと、Fと、Si、BおよびPの1種
以上とを含み、Fと、Si、BおよびPの含有量の合計が
膜中に含有される全元素の5〜40at%であり、(Si+B
+P)/Fの原子比が0.2〜5であるプラズマ重合膜バッ
クコート層を形成したことを特徴とする磁気記録媒体で
ある。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
本発明のプラズマ重合膜は、Cと、Fと、Si、Bおよ
びPの1種以上、より好ましくはCと、Hと、Fと、S
i、BおよびPの1種以上とを含有する。
このとき、F、Si、BおよびPの含有量の合計は、膜
中の5〜40at%、より好ましくは10〜35at%である。
この値が5at%未満であると後述の(Si+B+P)/F
の比をコントロールしても十分な帯電防止性が発現せ
ず、40at%を超えるとテープとしての耐久性が不十分と
なるからである。
また、(Si+B+P)/Fの原子比は0.2〜5、より好
ましくは0.3〜13である。
この値がこの範囲を外れると、テープとしての十分な
帯電防止性が発揮できなくなってしまう。
なお、Si、BおよびPの2種または3種が含有される
場合その量比は任意である。
Si、BおよびPの1種以上とF以外の残部はC単独で
あっても、CとHとから構成されていてもよい。
CとHとを含有する場合、H/Cの原子比は通常2以
下、特に0.05〜2程度である。
なお、プラズマ重合膜中のC、Si、B、P、F、Hお
よびその他の元素の含有量の分析は、SIMS(2次イオン
質量分析)等に従えばよい。SIMSを用いる場合、本発明
のプラズマ重合膜は膜厚5〜200Åにて好適に用いられ
るので、プラズマ重合膜表面にて、C、Si、B、P、
F、Hおよびその他の元素をカウントして算出すればよ
い。
あるいは、Ar等でイオンエッチングを行いながら、
C、Si、B、P、F、Hおよびその他の元素のプロファ
イルを測定して算出してもよい。
SIMSの測定については、表面科学基礎講座 第3巻
(1984)表面分析の基礎と応用(P70)“SIMSおよびLAM
MA"の記載に従えばよい。
このような組成で形成されるプラズマ重合膜バックコ
ート層の膜厚は、5〜200Å、より好ましくは20〜100Å
であることが好ましい。
この膜厚が200Åを超えると、成膜時の内部応力が膜
中に残留し、膜自体の強度が低下し、媒体の破断強度が
低下し、しかもプラズマ重合膜自体が硬いためフレキシ
ブルな媒体としての耐久性に劣り、バックコートケズレ
が生じ、ドロップアウトが発生し易い。
また、バックコート層を設けないか、設けたとしても
その膜厚が5Å未満であると、本発明の実効がなく、耐
久性や耐スクラッチ性が低下し、ベースケズレないしバ
ックコートケズレを生じ、ドロップアウトが発生し易
い。また、機械的強度、破断強度も不十分であり、面状
態の悪化等の不都合を生じる。
なお、膜厚の測定は、エリプソメーター等を用いれば
よい。
また、このような膜厚の制御は、プラズマ重合膜形成
時の反応時間、原料ガス流量等を制御すればよい。
本発明のプラズマ重合膜に用いる原料ソースとして
は、通常、上記の各元素を含むソースを複数組み合せて
用いればよい。
使用可能なソースとしては下記のものが挙げられる。
(1)シロキサン テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロ
シロキサン、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエト
キシジシキサン、トリエトキシビニルシラン、ジメチル
エトキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、メ
チルトリメトキシシラン、ジメトキシメチルクロロシラ
ン、ジメトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、ジ
メチルエトキシシラン、トリメトキシシラノール、ハイ
ドロキシメチルトリメチルシラン、メトキシトリメチル
シラン、ジメトキシジメチルシラン、エトキシトリメト
キシシラン、ビス(2−クロロエトキシ)メチルシラ
ン、アセトキシトリメチルシラン、クロロメチルジメチ
ルエトキシシラン、2−クロロエトキシトリメチルシラ
ン、エトキシトリメチルシラン、ジエトキシメチルシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、トリス(2−クロロエ
トキシ)シラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフル
オロプロピルシラン、1−クロロメチル−2−クロロエ
トキシトリメチルシラン、アリルオキシトリメチルシラ
ン、エトキシジメチルビニルシラン、イソプロフェノキ
シトリメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメ
チルシラン、クロロメチルジエトキシメチルシラン、ト
リエトキシクロロシラン、3−クロロプロピルトリメト
キシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシ−
3−メルカプトプロピルメチルシラン、トリエトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシメチ
ルビニルシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、タ
ーシャリーブトキシトリメチルシラン、ブチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、3−(N−メ
チルアミノプロピル)トリエトキシシラン、ジエトキシ
ジビニルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エチルト
リエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシ
シラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、
p−クロロフェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラ
ン、アリルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルト
リエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメト
キシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキサトリ
メトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、3−メチルアクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
ジエトキシメチルフェニルシラン、p−クロロフェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テ
トラアリルオキシシラン、テトラプロポキシシラン、テ
トライソプロポキシシラン、ジメトキシジフェニルシラ
ン、ジエトキシジフェニルシラン、テトラフェノキシシ
ラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメ
チルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、1,1,
1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、ヘキサエチ
ルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−
トリフェニルシクロトリシロキサン、オクタメチルシク
ロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロシロキサン
等。
(2)シラン シラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロ
シラン、メチルチオトリメチルシラン、ジメチルプロピ
ルクロロシラン、ジアリルジクロロシラン、ブチルジメ
チルシラン、テトラエチルシラン、ヘキサメチルジシラ
ン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、エチニルト
リメチルシラン、アリルジメチルクロロシラン、トリメ
チルビニルシラン、ジエチルメチルシラン、ジメチルア
ミノトリメチルシラン、トリエチルシラン、アリルトリ
メチルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニル
シラン、フェニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシ
ラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,3,3,
5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,5,5,5,
7,7−オクトメチルシクロテトラシラザン等。
(3)炭化水素 通常操作性の良いことから、常温で気体のメタン、エ
タン、プロパン、ブタン、ペンタン、エチレン、プロピ
レン、ブテン、ブタジエン、アセチレン、メチルアセチ
レン、その他の飽和ないし不飽和の炭化水素の1種以
上。
(4)フッ化炭素あるいはフッ化炭化水素 テトラフロロメタン、オクタフロロプロパン、オクタ
フロロシクロブタン、テトラフロロエチレン、ヘキサフ
ロロプロピレン、トリフロロクロロメタン、ジフロロメ
タン、トリフロロブロメタン、ジフロロエタン、テトラ
フロロエタン等の1種以上。
(5)リン化合物 ホスフィン、リン酸エステル等。
(6)ボロン化合物 ジボラン、トリフッ化ボラン等。
(7)その他 H2、O2、O3、H2O、N2、NO、N2O、NO2などのNOx、N
H3、CO、CO2等の1種以上をソースに加えて用いても好
適である。
上記したように、ソース中にはO、Br、Cl等が含有さ
れていてもよい。
さらに必要に応じて、原料にS、N等のソースを微量
成分として添加することもできる。
これらソースの使用量比は、目的とするプラズマ重合
膜組成に応じ、適宜設定することができる。
プラズマ重合膜は、前述の原料ガスの放電プラズマを
基板に接触させることにより重合膜を形成するものであ
る。
プラズマ重合の原理について概説すると、気体を低圧
に保ち電場を作用させると、気体中に少量存在する自由
電子は、常圧に比べ分子間距離が非常に大きいため、電
界加速を受け5〜10eVの運動エネルギー(電子温度)を
獲得する。
この加速電子が原子や分子に衝突すると、原子軌道や
分子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカ
ルなど、通常の状態では不安定の化学種に解離させる。
解離した電子は再び電界加速を受けて、別の原子や分
子を解離させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度
の電離状態となる。そしてこれはプラズマガスと呼ばれ
ている。
気体分子は電子との衝突の機会が少ないのでエネルギ
ーをあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
このように、電子の運動エネルギー(電子温度)と、
分子の熱運動(ガス温度)が分離した系は低温プラズマ
と呼ばれ、ここでは化学種が比較的原型を保ったまま重
合等の加成的化学反応を進めうる状況を創出しており、
本発明はこの状況を利用して基板上にプラズマ重合膜を
形成しようとするものである。なお低温プラズマを利用
するため、基板への熱影響は全くない。
基板表面にプラズマ重合膜を形成する装置例が第1図
に示してある。第1図は、周波数可変型の電源を用いた
プラズマ重合装置である。
第1図において、反応容器Rには、原料ガス源511ま
たは512から原料ガスがそれぞれマスフローコントロー
ラ521および522を経て供給される。ガス源511または512
から別々のガスを供給する場合は、混合器53において混
合して供給する。
原料ガスは、各々1〜250ml/分の流量範囲をとりう
る。
反応容器R内には、基板支持装置が設置され、ここで
は磁気テープ用の基板の処理を目的として、繰出しロー
ル561と巻取りロール562が示してある。
基板を間に挟んで対向する電極551、552が設けられて
おり、一方の電極551は例えば周波数可変型の電源54に
接続され、他方の電極552は接地されている。
さらに、反応容器R内には、容器内を排気するための
真空系統が配備され、そしてこれは液体窒素トラップ5
7、油回転ポンプ58および真空コントローラ59を含む。
これら真空系統は反応容器内を0.01〜10Torrの真空度の
範囲に維持する。
操作においては、反応容器R内がまず10-3Torr以下に
なるまで油回転ポンプにより容器内を排気し、その後原
料ガスが所定の流量において容器内に混合状態で供給さ
れる。
このとき、反応容器内の真空は0.01〜10Torrの範囲に
管理される。
基板の移行速度ならびに原料ガスの流量が安定する
と、電源がオンにされる。こうして、移行中の基板両面
にプラズマ重合膜が形成される。
なお、電極の形状により基板片面にプラズマ重合膜を
形成することもできる。
また、キャリアガスとして、Ar,N2,He,H2などを使用
してもよい。
なお、印加電流、処理時間等は通常の条件とすればよ
い。
プラズマ発生源としては、高周波数放電の他に、マイ
クロ波放電、直流放電、交流放電等いずれでも利用でき
る。
このようなプラズマ重合膜は、基板上、特にプラズマ
処理された基板上に形成されることが好ましい。
基板表面をプラズマ処理することによって、基板とプ
ラズマ重合膜との接着力が向上する。
基板表面のプラズマ処理方の原理、方法および形成条
件等は前述したプラズマ重合方のそれと基本的には、ほ
ぼ同一である。
ただし、プラズマ処理は原則として、無機ガスを処理
ガスとして用い、他方、前述したプラズマ重合法による
プラズマ重合膜の形成には原則として、有機ガス(場合
によっては無機ガスを混入させてもよい)を原料ガスと
して用いる。
本発明のプラズマ処理ガスとしては、特に制限はな
い。
さらに、プラズマ処理電源の周波数については、特に
制限はなく、直流、交流、マイクロ波等いずれであって
もよい。
このように、より好ましい態様としてプラズマ処理さ
れた基板上には、前述のプラズマ重合膜が形成される。
また、本発明の磁気記録媒体には、基板と磁性層との
間に下地層を有することが好ましい、この下地層は公知
の原料をプラズマ重合、スパッタリング等の方法で形成
したものでよい。
本発明の磁気記録媒体に用いる磁性層は従来公知のも
のでよく、磁性粒子、バインダー、そして必要なその他
の成分を含有する。
磁性粒子としては、通常の磁気記録媒体に用いられる
ものはいずれも適用可能であり、金属磁性粒子、コバル
ト被着酸化鉄粒子、γ−Fe2O3粒子、バリウムフェライ
ト粒子、CrO2等いずれのものを用いてもよい。
また、バインダーも通常の磁気記録媒体に用いられて
いるのはいずれも適用可能であり、放射線硬化性樹脂、
熱硬化性樹脂、反応型樹脂、熱可塑性樹脂等いずれのも
のを用いてもよい。
このような磁性層については、特開昭62−38522号公
報等に詳述されている。
なお、磁性層としては、上記の塗布型の磁性層の他、
場合によっては、公知の各種金属薄膜型の磁性層を用い
てもよい。
また、このような磁性層は、基板上に直接、あるいは
前述のプラズマ重合膜層等の下地層を介して形成され
る。
なお、本発明の磁気記録媒体に用いられる基板の材質
としては、非磁性プラスチックであれば特に制限はない
が、通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン2,6−ナフタレート等のポリエステル等を用いる。ま
た、その形状、寸法、厚さには制限はなく、用途に応じ
たものとすればよい。
V 発明の具体的作用効果 本発明の磁気記録媒体は、種々の用途に用いられ、有
用である。
本発明によれば、基板上に、Cと、Fと、Si、Bおよ
びPの1種以上の元素とを含むプラズマ重合膜バックコ
ート層を設け、これと他方の面上に、直接あるいは下地
層、中間層を介して好ましくは塗布膜からなる磁性層を
形成して磁気記録媒体が構成される。
そのため、帯電防止性が高く、摩擦係数が小さく、円
滑で安定な走行性を示し、耐摩耗性、機械的強度、耐久
性、耐スクラッチ性が高く、カールが少ないなどの特性
に優れ、スキューやペースケズレが少なく、おかれた環
境、条件に対して安定である。しかもプラズマ重合膜は
乾燥工程を必要としないため、製造上も有利であり、製
造コストも低廉となる。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 厚さ14μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製
の基板を第1図に示される真空チャンバ中に入れ、連続
搬送しながら、一旦10-3Torrの真空に引いた後、処理ガ
スとしてO2、キャリアガスとしてArを用い、O2含有量:1
0%、流量:50ml/分にてガス圧0.1Torrに保ちながら100K
Hzの高周波電圧をかけてプラズマを発生させ、基板表面
をプラズマ処理した。
その後、さらに表1に示す条件にてプラズマ重合膜バ
ックコート層を形成した。
なお、サンプルNo9はバックコート層を形成しないも
のである。
これらのプラズマ重合膜の元素分析はSIMSで測定し、
また膜厚はエリプソメーターにて測定した。
結果を第1表に示す。
また、このようなバックコート層を形成した他方の面
上に、下記に示される磁性層を形成した。
(磁性層の形成) コバルト被着γ−Fe2O3(長軸0.4μm、短軸0.005μ
m、Hc 600 Oe) 120重量部 カーボンブラック(帯電防止用、三菱カーボンブラッ
クMA−600) 5重量部 α−Al2O3粉末(0.5μm粒状) 2重量部 分散剤(大豆精製レシチン) 3重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50) 100重量部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、針状磁
性酸化鉄を分散剤によりよく湿潤させた。
アクリル二重結合導入飽和ポリエステル樹脂 10重量部(固型分換算) アクリル二重結合導入塩酢ビ共重合体 10重量部(固型分換算) アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラスト
マー 10重量部(固型分換算) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50) 200重量部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコーンオイル)3重量部 上記バインダーの混合物をよく混合溶解させた。
これを先の磁性粉処理を行ったボールミル中に投入
し、再び42時間混合分散させた。
このようにして得られた磁性塗料を上記のPETフィル
ム上に塗布し、永久磁石(1600ガウス)上で配向させ、
赤外線ランプにより溶剤を乾燥させた後、表面平滑化処
理を行い、ESI社製エレクトロカーテンタイプ電子線加
速装置を使用して、加速電圧150KeV、電極電流20mA、全
照射量10Mradの条件でN2雰囲気下にて電子線を照射し、
塗膜を硬化させた。
得られたテープを1/2インチ巾に切断し、ビデオテー
プを得た。
これら各サンプルについて特性を測定した。
特性の測定は以下のとおりである。
(1)走行摩擦(μ) 初期の摩擦係数μを測定した。
(2)帯電量半減期 サンプルに5000Vにて電荷をチャージし、帯電量の半
減期を測定した。
また、20℃、60%RHにて24時間保存後、同様の測定を
行った。
結果を表1に示す。
これらの結果から、本発明の効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は直流、交流および周波数可変型電源を使用した
プラズマ処理装置の概略図である。 符号の説明 53……混合器、 54……直流、交流および周波数可変型電源、 57……液体窒素トラップ、 58……油回転ポンプ、 511,512……処理ガス源、 521,522……マスフローコントローラ、 561,562……繰り出しおよび巻取りロール

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の一方の面上に磁性層を有し、他方の
    面上に、Cと、Fと、Si、BおよびPの1種以上とを含
    み、Fと、Si、BおよびPの含有量の合計が膜中に含有
    される全元素の5〜40at%であり、(Si+B+P)/Fの
    原子比が0.2〜5であるプラズマ重合膜バックコート層
    を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】プラズマ重合膜バックコート層がさらにH
    を含む請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】プラズマ重合膜バックコート層の膜厚が5
    〜200Åである請求項1または2に記載の磁気記録媒
    体。
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