JP2819977B2 - 受像機の電源回路 - Google Patents

受像機の電源回路

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JP2819977B2
JP2819977B2 JP4359329A JP35932992A JP2819977B2 JP 2819977 B2 JP2819977 B2 JP 2819977B2 JP 4359329 A JP4359329 A JP 4359329A JP 35932992 A JP35932992 A JP 35932992A JP 2819977 B2 JP2819977 B2 JP 2819977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機に
おいて、水平偏向回路もしくは高圧出力回路に直流動作
電源を供給する電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水平出力回路の一部と、それに直
流動作電源を供給する電源回路の一例を図4に示す。図
4において、1は図示せぬ水平発振段からの励振パルス
Vdによって、ダンパーダイオード2と共にスイッチン
グ動作を行う水平出力トランジスタ、3は帰線共振コン
デンサ、4は水平偏向コイル、5はS字補正コンデン
サ、6はフライバックトランス(トランス)、7は高圧
整流ダイオードである。
【0003】このような回路構成で、フライバックトラ
ンス6の1次巻線6aの一端に直流電源電圧Ebを加え
る。すると、周知の原理により、水平出力トランジスタ
1のコレクタ端子には正弦半波の帰線パルスVcが生
じ、同時に水平偏向コイル4には水平周期のノコギリ波
電流が流れ、図示せぬ受像管の電子ビームを水平方向に
偏向する。また、帰線パルスVcは、フライバックトラ
ンス6の1次巻線6aの他端に加えられて、これが2次
巻線6bに高圧パルスVhvとして昇圧され、さらにこの
高圧パルスVhvは高圧整流ダイオード7で整流されて、
直流高圧HVとなり、受像管の陽極に導かれる。
【0004】一方、8は電源チョッパー用スイッチ素子
としてのPチャネルMOS形FET、9はフライホイー
ルダイオードであって、FET8のソースに直流入力電
圧Eiを加え、ゲートには駆動パルス発生回路11から
得た駆動パルス(ゲートパルス)Vgを加える。このよ
うにすると、FET8のドレインには、駆動パルスVg
に応じた矩形波パルスVswが生じ、同時にチョークコイ
ル10にはノコギリ波電流Iswが流れ、これによって、
平滑コンデンサ(コンデンサ)12には直流電圧Ebが
発生する。この直流電圧Ebは、駆動パルスVgのパル
ス幅によって制御されるので、駆動パルス発生回路11
で、このパルスを目的に応じて動かし、直流電圧Ebひ
いては水平偏向及び高圧発生動作の制御を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したようなチョッ
パー型の電源回路は、A級動作のトランジスタを使用し
たシリーズレギュレータ型電源回路に比べて、回路中の
損失が少ない代わりに、チョークコイル10を必要とす
るため、大型で重量やコストがかさむという欠点があっ
た。
【0006】ここで、図4に示す回路の各部の波形を図
5に示す。まず、水平出力回路の帰線パルスVcを図5
(A)に示す。図5(B)は駆動パルスVgであるが、
これは通常駆動パルス発生回路11において、水平発振
段からの励振パルスVdあるいは帰線パルスVcに基づ
いて生成され、その繰り返し周期は水平偏向周期と一致
し、パルス幅の方は変化して電圧Ebを動かすようにし
ている。図5(C)はFET8のドレインに発生する矩
形波パルスVswであって、これもやはり駆動パルスVg
とほぼ同じパルス幅を持ち、電圧値はゼロと入力電圧E
iの間を往復する。そして、その平均電圧が出力の電圧
値Ebとなり、パルス幅toff が短ければ高く、長けれ
ば低くなる。
【0007】図5(D)はチョークコイル10に流れる
電流Iswを示すが、FET8がオフする期間toff で下
降し、オンする期間tonで上昇するノコギリ波波形とな
る。そして、そのピーク値をI1、ボトム値をI2とす
ると、それらの平均値Ioが出力の直流電流値となる。
さらに、図5(E)はFET8のドレイン電流Idrを実
線で、フライホイールダイオード9の電流Ifdを破線で
示し、この両者の合成したものが先のチョークコイル電
流Iswと一致する。
【0008】ここで、図5(D)、あるいは図5(E)
における上昇部分の電流iは、チョークコイルのインダ
クタンスをLとすれば、i=ktで表される直線であ
り、この場合の傾きkは、k=(Ei−Eb)/Lとな
る。従って、もしチョークコイル10の小型化を図っ
て、インダクタンス値Lを小さくしようとすると、当然
この式から電流の傾斜は急峻にならざるを得ない。しか
し、この部分の電流傾斜が大きくなれば、出力電流Io
が定まっている以上、そのピーク値I1が増大してしま
う。これは図5(E)からも分かるように、FET8及
びダイオード9の最大電流値を増やしてしまう結果とな
り、その分両者とも定格の大きいものを使う必要が生じ
るので好ましくない。
【0009】また、もしFET8やダイオード9の定格
に余裕があっても、インダクタンス値Lが小さくなるた
め、電流iの傾斜が急になり、図6に示すように、FE
T8のオン期間tonの最初の時点で電流値がゼロになっ
てしまうと、これが動作上の限界となり、これ以上イン
ダクタンス値Lを低下させることはできない。本発明
は、従来回路における電源回路中のチョークコイルを簡
単な方法で、小型軽量化でき、コストの課題も解決する
方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、第1のスイッチ素子のオ
フ時の共振作用によって周期的な帰線パルス列を発生す
る受像管の水平偏向回路、又は高圧発生回路と、前記パ
ルス列をその1次巻線の一端に加え、他端はコンデンサ
を介して実質的に接地してなるトランスと、直流入力電
圧を、前記第1のスイッチ素子のスイッチング周期と同
一周期の駆動パルスによって、スイッチングして出力す
る第2のスイッチ素子と、前記第2のスイッチ素子の出
力電圧を平滑して、前記1次巻線の他端と前記コンデン
サの接続点へ供給するチョークコイルとを備える受像機
の電源回路において、前記チョークコイルの出力端と、
前記1次巻線の前記他端と前記コンデンサの接続点との
間に、前記チョークコイルのリップル電流が減少する方
向に巻回された前記トランスの他の巻線の両端を接続す
ると共に、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッ
チ素子の各々のオフ期間の時間幅と位相を略一致させる
よう構成したことを特徴とする受像機の電源回路を提供
するものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の受像機の電源回路について、
添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例
を示す回路図である。なお、従来回路を示した図4と同
一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
【0012】図1において、水平出力トランジスタ(第
1のスイッチ素子)1、ダンパーダイオード2、水平偏
向コイル4、S字補正コンデンサ5の動作は図4と同一
であり、水平出力トランジスタ1のコレクタ端子には、
正弦半波の帰線パルスVcが発生する。この帰線パルス
Vcがその1次巻線6aに加わり、その2次巻線6bか
ら高圧パルスVhvを取り出すフライバックトランス(ト
ランス)6は、ここでは新たに3次巻線(他の巻線)6
cが設けられており、その一端は電源回路の平滑コンデ
ンサ(コンデンサ)12と1次巻線6aとの接続点に接
続される。
【0013】一方、図4と同様に、電源回路は駆動パル
ス発生回路11からの駆動パルスVgをゲートに加える
ことにより、FET(第2のスイッチ素子)8がスイッ
チング動作を行い、フライホイールダイオード9と共働
して矩形波パルスVswを生じる。しかし、チョークコイ
ル13の一端には、この矩形波パルスVswを加えること
は従来回路と同じであるが、他端には前述の3次巻線6
cから、ここに発生する負のパルスVnと直流電圧Eb
との合成電圧を加える点が異なっている。なお、3次巻
線6cは、チョークコイル13のリップル電流が減少す
る方向に巻回されている。
【0014】図2は図1に示す回路の動作を説明するた
めの波形図である。図2(A)は帰線パルスVcを表し
たものであって、これは本質的には従来回路の帰線パル
スVcと変わらない。図2(B)は駆動パルスVgを示
し、これは図5(B)に示したものと若干異なり、パル
スのスタート時期T3を極力帰線パルスVcのスタート
時期T1に近付けたものである。そして、駆動パルスV
gの終了時期T4も、ほぼ帰線パルスVcの終了時期T
2の前後に位置するように回路設計を定める。すると、
図2(C)に示すような、FET8のドレインに生じる
矩形波パルスVswの始点と終点は、同じくT3とT4に
なり、やはり帰線パルスVcの始点T1と終点T2にほ
ぼ一致する。この時、矩形波パルスVswの平均値はEb
となり、これが1次巻線6aの一端に現れて水平出力回
路の動作用直流電源電圧となる。
【0015】さらに、新たに設けられた3次巻線6cの
チョークコイル13に接続された方の一端には、図2
(D)のように、帰線パルスVcと相似で極性の逆な負
パルスVnが得られる。ここで、もしこの3次巻線6c
のチョークコイル13に接続された方の一端の電圧波形
が矩形波で、完全にドレイン電圧波形である矩形波パル
スVswと完全に一致したと仮定する。すると、このチョ
ークコイル13に流れるリップル電流はチョークコイル
両端間の電圧差に比例するので、この場合は完全にリッ
プル電流がゼロになり、チョークコイル電流Iswは直流
成分のみになる。従って、この場合は従来例のようにイ
ンダクタンスLを減らしてもリップル分が増えることは
考えなくても良いので、チョークコイル13のインダク
タンスは極限まで減らすことができるはずである。
【0016】しかし、実際の図1の回路においては、チ
ョークコイル13と3次巻線6cとの接続点に生じる電
圧は、先に説明したように、図2(D)に示すような正
弦半波の負パルスVnであって矩形波でなく、しかもそ
の始点及び終点はチョークコイル13の他端の矩形波パ
ルスVswと若干ずれるのは避けられないので、完全に
チョークコイル13両端の交流電圧の差がなくなるわけ
ではない。パルスVnとパルスVswの形が似通ってい
るので、図4のようにチョークコイル10の一端が完全
に直流電圧Ebになっている場合と比較すると、大幅に
両端の電位差が少なくなっている。このチョークコイル
13の電位差が少ないとうことは流れるリップル電流
も少ないということである。従って、この場合は、チョ
ークコイル13のインダクタンスLを小さくしても充分
リップル電流の値を少ない値で抑えることが可能であ
る。
【0017】図2(E)は、この回路におけるチョーク
コイル13中を流れる電流Iswのリップル波形を示
す。この時、負パルスVnの走査期間ts中の電圧Eb
1の値は、ほぼ入力直流電圧Eiに一致させるように、
負パルスVnの値を定めておくと、走査期間中のチョー
クコイル13の両端の電位差はなくなるので、この間、
リップル電流の傾斜は平らになる。従って、このリップ
ル分として帰線期間中のごく僅かの分が残るだけにな
り、従来例の図5(D)と比べて大幅に減少しており、
FET8のピーク電流値を抑えることも、また、チョー
クコイル13のインダクタンス値Lも減少させて、小型
化を図ることも可能である。
【0018】また、このように、電源電圧Ebを直流入
力電圧Eiに揃えた時の負パルスVnのpp値を考えて
みる。これは負パルスVnの形状や矩形波パルスVsw
のパルス幅toffの値によっても若干変わるが、負パ
ルスVnのピーク−ピーク値(pp値)はほぼ矩形波パ
ルスVswのpp値にほぼ同程度にすると、電源電圧E
bと直流入力電圧Eiの差がなくなり、電流iの傾斜が
ゼロ近くになる。この負パルスVnの大きさは、勿論3
次巻線6cの巻数で調整するが、もしもこの負パルスV
nが大きすぎると、チョークコイル13を流れる電流波
形は、図3(A)に示すように、走査期間ts中の電流
傾斜が負となり、負パルスVnが小さいと、図3(B)
に示すように、この傾斜が正となる。
【0019】また、この場合、FET8のオフ期間tof
f を帰線期間trに略一致させる関係上、電源電圧Eb
の入力直流電圧Eiに対する比率は、あまり大きく動か
すことはできず、帰線時間率tr/(tr+ts)と同
じ割合のほぼ20パーセント低下した電圧値の前後で制
御することになる。しかし、この制御によって、水平偏
向の振幅その他を調整するような目的には、この程度の
降圧比が丁度良く、ダイナミックレンジも十分であり問
題はない。
【0020】矩形波パルスVswのオフ期間toff を短く
して、出力の電源電圧Ebを入力直流電圧Eiより高く
した場合でも、走査期間ts中の電流iの傾斜は、図3
(A)に示すように左上がりとなり、オフ期間toff を
長くして電源電圧Ebを直流電圧Eiよりも低くする
と、図3(B)に示すように右上がりとなる。従って、
制御の要求から出力の電源電圧Ebの変化範囲を比較的
広く取りたい場合も、電源電圧Ebが高い方から低い方
に変化するのに応じて、図3(A)から図3(B)のよ
うに、傾斜が負から正に変化するように、3次巻線6c
の巻数を設定すれば、チョークコイル電流Iswのリップ
ル電流分は少ない値に抑えることができ、FET8のド
レイン電流Idrやフライホイールダイオード9の電流I
fdの電流値も小さくて済む。
【0021】なお、図1は水平偏向と高圧発生とを共通
の回路で行う例を示したが、本発明は特にこの例に限る
ものではない。例えば、図1で2次巻線6bと高圧整流
ダイオード7が無い水平偏向専門の回路であっても同様
であり、この場合は駆動パルスVgの幅による電源電圧
Ebの制御は、水平偏向コイル4に流れるノコギリ波電
流の大きさの制御、即ち水平振幅の制御に用いられる。
また、図1において、水平偏向コイル4の代わりに、い
わゆるダミーコイルを用いたり、あるいは水平偏向コイ
ルが全く無い場合には、この回路は高圧発生の専用回路
になり、電源電圧Ebの制御は高圧HVの調整や安定化
に用いられることになるが、このような場合において
も、本発明は好適なものである。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の
像機の電源回路は、上述のような構成により、チョーク
コイルのインダクタンス従来の回路のそれよりも小さ
くすることができるので、小型軽量化及びコストダウン
が可能になる。また、スイッチングのためのFETやフ
ライホイールダイオードの最大定格が小さくて済むの
で、さらにコストダウンが可能になるという実用上極め
て優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図である。
【図2】本発明の動作を説明するための波形図である。
【図3】本発明の動作を説明するための波形図である。
【図4】従来の回路の一例を示す図である。
【図5】従来の回路の動作を説明するための波形図であ
る。
【図6】従来の回路の動作を説明するための波形図であ
る。
【符号の説明】
1 水平出力トランジスタ(第1のスイッチ素子) 2 ダンパーダイオード 6 フライバックトランス(トランス) 6a 1次巻線 6c 3次巻線(他の巻線) 8 PチャネルMOS形FET(第2のスイッチ素子) 12 平滑コンデンサ(コンデンサ) 13 チョークコイル Ei 直流入力電圧 Vg 駆動パルス Vc 帰線パルス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 3/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のスイッチ素子のオフ時の共振作用に
    よって周期的な帰線パルス列を発生する受像管の水平偏
    向回路、又は高圧発生回路と、 前記パルス列をその1次巻線の一端に加え、他端はコン
    デンサを介して実質的に接地してなるトランスと、 直流入力電圧を、前記第1のスイッチ素子のスイッチン
    グ周期と同一周期の駆動パルスによって、スイッチング
    して出力する第2のスイッチ素子と、 前記第2のスイッチ素子の出力電圧を平滑して、前記1
    次巻線の他端と前記コンデンサの接続点へ供給するチョ
    ークコイルとを備える受像機の電源回路において、 前記チョークコイルの出力端と、前記1次巻線の前記
    端と前記コンデンサの接続点との間に、前記チョークコ
    イルのリップル電流が減少する方向に巻回された前記ト
    ランスの他の巻線の両端を接続すると共に、前記第1の
    スイッチ素子と前記第2のスイッチ素子の各々のオフ期
    間の時間幅と位相を略一致させるよう構成したことを特
    徴とする受像機の電源回路
  2. 【請求項2】前記トランスの前記他の巻線の両端に発生
    する帰線パルスの電圧振幅を、前記第2のスイッチ素子
    の出力電圧の電圧振幅と略一致させるようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の受像機の電源回路
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JPS5228607A (en) * 1975-08-29 1977-03-03 Nippon Denso Co Ltd Generator for car
JPS63309069A (ja) * 1987-06-11 1988-12-16 Murata Mfg Co Ltd 水平偏向装置

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