JP2819788B2

JP2819788B2 - 高圧放電ランプ装置

Info

Publication number: JP2819788B2
Application number: JP15951690A
Authority: JP
Inventors: 和彦吉川
Original assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Current assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date: 1990-06-18
Filing date: 1990-06-18
Publication date: 1998-11-05
Anticipated expiration: 2013-11-05
Also published as: JPH0451497A

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の目的〕（産業上の利用分野）本発明は、希ガスおよびハロゲン化金属が封入される
とともに実質的に水銀が封入されない高圧放電ランプを
点灯させる高圧放電ランプ装置に関する。

（従来の技術）従来、この種のハロゲン化金属が封入されたランプを
瞬時に点灯させるには、ランプ内に封入された封入物の
蒸気圧を上げた後に、10000V以上の始動電圧を印加し、
点灯させている。

ところが、ランプ内の封入物の蒸気圧を上昇させるに
は、点灯前に、あらかじめランプを加熱しておかなけれ
ばならず、また、10000V以上の始動電圧を得る電源装置
では、制御回路が複雑になり、小型、軽量が困難であ
る。

一方、あらかじめ加熱することなく、瞬時に点灯させ
るものとして、高圧の希ガスランプとメタルハライドラ
ンプとを組み合わせたものが考えられている。そして、
このランプは、ランプの点灯直後は希ガスのみの発行で
照射し、定常状態では発光金属の発光で照射している。

ところが、このものの場合も、始動時にも定常時と略
同一の明るさを得ようとすると、ランプ電流は定常時の
数倍必要となり、電源装置の制御回路等が複雑となる。

また、水銀を封入して定常状態の出力電流、および、
出力電圧を制御することも考えられるが、水銀を封入す
る場合、水銀の温度が上昇すると、消灯直後の再起動が
困難となる。

（発明が解決しようとする課題）上述のように、通常の瞬時点灯させるものの場合は、
始動時に10000V以上の電圧を要するため、電源回路の制
御装置等が複雑となる。

また、希ガスランプとメタルハライドランプとを組み
合わせたものの場合は、封入物に水銀を持つので定常状
態での制御は容易となるが、水銀は蒸気圧が高いため、
消灯後、すぐに再起動することは困難である問題を有し
ている。

本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、再始動
特性を低下させることなく、始動時の光量を増加させる
とともに、電源装置も簡単にすることができる高圧放電
ランプ装置を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段）本発明の高圧放電ランプ装置は、透光性耐熱材料で形
成されたチューブを有し、このチューブ内にハロゲン化
金属および室温時に封入圧力が３気圧以上である希ガス
が封入されるとともに、実質的に水銀が封入されていな
い高圧放電ランプと；この高圧放電ランプに接続された
インダクタを有し、高圧放電ランプの点灯始動時の点灯
周波数を安定点灯時の点灯周波数よりも低周波数に変化
させる制御手段を備えた点灯装置とを具備したものであ
る。

（作用）本発明の高圧放電ランプ装置は、高圧放電ランプの点
灯直後から安定点灯時までの始動時の点灯周波数を、安
定点灯時の点灯周波数よりも低く変化させて、インダク
タのインピーダンスを小さくすることにより、点灯電流
を増加させ、高圧に封入した希ガスを有効に放電発生さ
せた後、ハロゲン化金属の蒸気圧上昇に伴い点灯周波数
を高く変化させ、水銀が含まれていないため蒸気圧を抑
えることができ、再起動も容易であり、点灯電流を減少
させて不安定点灯に移行させる。

（実施例）以下、本発明の高圧放電ランプ装置の一実施例を図面
を参照して説明する。

図において、１は商用交流電源で、この商用交流電源
１には、可変電圧可変周波数（VVVF形）のインバータ２
が接続され、このインバータ２の両端には、インダクタ
であるコイル３を介して高圧放電ランプである高輝度放
電ランプ（HIDランプ）４が接続されている。そして、
この高輝度放電ランプ４は、たとえば石英製の等価性お
よび耐熱性を有する材料にて気密に封着されたチューブ
に、融点の高い物質、たとえばタングステンなどからな
る電極を設け、気密封止用にモブリデン箔が取り付けら
れている。また、不活性ガスである希ガスとしてキセノ
ン（Xe）が５気圧で封入され、発光金属としての封入物
として、ヨウ化スカンジウム（ScI₃）またはヨウ化ナト
リウム（NaI）が封入されている。

そして、高輝度放電ランプ４の両端間には、高輝度放
電ランプ４のランプ電圧を検出する電圧検出回路５が接
続され、この電圧検出回路５のワンチップマイコンでラ
ンプ電圧の変化を検出し、そのランプ電圧の変化に従っ
て、インバータ２の出力周波数を制御する制御手段とし
ての制御回路６が接続されている。また、これらインバ
ータ２、電圧検出回路５および制御回路６にて点灯装置
７が構成されている。

この状態で、インバータ２から、周波数50Hzで、パル
ス幅１〜10μｓ、電圧5000Vのパルスを印加すると、封
入された希ガスは絶縁破壊を起こし、放電を開始し、す
ぐに、希ガスは放射を始める。

そして、定常状態に至るまでの間、ランプ電圧の変化
に応じて点灯周波数を上昇させる。

すなわち、インバータ２からの出力周波数が低いラン
プ始動時には、コイル３のインピーダンスが低くなるた
め、高輝度放電ランプ４に流れる電流は大きくなり、高
圧で封入された希ガスを速やかに絶縁破壊させ、希ガス
の放電による光出力を有効に得ることができる。

また、ランプ電圧の変化に伴いインバータ２の出力周
波数が上昇するので、コイル３のインピーダンスが高く
なり、その結果、高輝度放電ランプ４に流れる電流が小
さく変化し、スカンジウムやナトリウムなどの発光金属
によるアーク放電に移行し、安定点灯となる。

なお、実験によれば、始動時の希ガスの放電を円滑に
するためには、始動時の電流値を3A以上とすることが好
ましく、また、安定点灯時の点灯周波数は、ちらつきを
防止するために、18kHz以上とすることが望ましい。

また、瞬時点灯が可能で、しかも、高輝度放電ランプ
４の始動直後から安定点灯時の90％以上の光出力が得ら
れるこの種の証明装置を、たとえば屋内照明や自動車用
ヘッドランプに適用する場合には、その放射光の演色性
などを良好にするために、アーク温度が3000Kないし500
0Kで、チューブの管壁温度が600Kないし1500Kの状態で
ハロゲンサイクルを生じるようなハロゲン化金属を選択
してランプに封入すれば良い。

上記実施例によれば、緩衝ガスに水銀（Hg）を含んで
いないので、高輝度放電ランプ４の高温時の再始動電圧
を、大幅に減少させることができる。

また、実効電圧を高くすることなく、周波数のみを変
化させるのみで、始動から常圧まで制御するので、装置
の小型、軽量化を図ることができる。

〔発明の効果〕

本発明の高圧放電ランプ装置によれば、高圧放電ラン
プの点灯直後から安定点灯時までの始動時の点灯周波数
を、安定点灯時の点灯周波数よりも低く変化させて、イ
ンダクタのインピーダンスを小さくすることにより、点
灯電流を増加して高圧に封入した希ガスを有効に放電発
光させ、また、ハロゲン化金属の蒸気圧上昇に伴い点灯
周波数を高く変化させることにより、点灯電流を減少さ
せて安定点灯に移行させることができるため、電源装置
を簡単にできる。さらに、水銀が高圧放電ランプに封入
されていないため、再点弧電圧の上昇を誘発するを防止
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示す回路図である。３……インダクタとしてのコイル、４……高圧放電ラン
プとしての高輝度放電ランプ、６……制御手段としての
制御回路、７……点灯装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平３−152852（ＪＰ，Ａ) 特開平３−236151（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−195944（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−195945（ＪＰ，Ａ) 特開昭56−7392（ＪＰ，Ａ) 特開平２−278695（ＪＰ，Ａ) 特開平３−138894（ＪＰ，Ａ) 実開昭60−177499（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H05B 41/24 H01J 61/16

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】透光性耐熱材料で形成されたチューブを有
し、このチューブ内にハロゲン化金属および室温時に封
入圧力が３気圧以上である希ガスが封入されるととも
に、実質的に水銀が封入されていない高圧放電ランプ
と；この高圧放電ランプに接続されたインダクタを有し、高
圧放電ランプの点灯始動時の点灯周波数を安定点灯時の
点灯周波数よりも低周波数に変化させる制御手段を備え
た点灯装置と；を具備したことを特徴とする高圧放電ランプ装置。