JPS5819814Y2 - 金属蒸気放電灯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、発光管内にナトリウム等のアルカリ金属を封
入した金属蒸気放電灯特に高圧ナトリウム灯の改良に関
するものである。

高圧ナトリウム灯は、高圧水銀灯に比べ、始動電圧が高
いために、高圧パルス電圧を発生させるイグナイタを内
蔵させた特別の安定器を用いているので、安定器が高価
となる等の欠点がある。

高圧ナトリウム灯においても、高圧水銀灯に用いられて
いるチョーク形安定器で点灯できれば、安定器が安価で
軽量となり、また灯も高圧水銀灯と互換性が得られる。

この目的の達成のために、従来、第１図に示すごとく、
バイメタルスイッチＳ１が開路する時に発生するサージ
電圧によって灯を始動させる方式が知られている。

すなわち、チョーク形安定器ＣＨを通じて電圧が印加さ
れると、フィラメント又は低抵抗Ｆ１、バイメタル加熱
用フィラメントＦ２、およびバイメタルスイッチＳ】を
通じて電流が流れ、この際のフィラメントＦ２の発熱に
よってバイメタルスイッチＳ】が開路すると、チョーク
形安定器ＣＨの両端にサージ電圧が発生する。

この電圧が発光管１に印加されて灯を始動させる方式で
ある。

しかしながら、この方式を高圧す） ＩＪウム灯に適用
した場合は、次のような不都合が生じる。

すなわち、バイメタルスイッチＳ】が開路し、発光管１
が始動すると、フイラメン）Ｆ２に電流が流れなくなる
のでフィラメントＦ２の発熱が中止される。

一般に、高圧ナトリウム灯の発光管の安定化時間は長く
、安定点灯に移行するまでに約７分を要するほどである
ため、発光管の始動直後の発熱がバイメタルスイッチＳ
】を加熱するまでに至らず、バイメタルスイッチＳ１は
再び閉路する。

その結果、発光管１と、フィラメント又は低抵抗Ｆ】と
フィラメントＦ２とバイメタルスイッチＳ１の直列接続
体からなる始動ユニフトとが並列接続体を形成して、発
光管の立消えが発生しやすくなるし、バイメタルスイッ
チＳ１が開閉をくり返すので、発光からつき、灯の安定
化時間をさらに長くする等の欠点を有している。

本考案はかかる欠点を除去するためになされたもので、
以下その一実施例を図面とともに説明する。

第２図に示すごとく、電流制御用のフイラメント又は低
抵抗Ｆ１と常閉形の熱応動スイッチであるバイメタルス
イッチＳＩとの直列接続体からなる始動ユニフトが内部
にナトリウム等のアルカリ金属、水銀等の緩衝ガス用金
属および希ガスを封入した発光管１と並列に接続され、
この並列接続体には、安定器の出力側端子が、バイメタ
ル加熱用フィラメントＦ２を介して接続され、かつ、発
光管始動後、フィラメントＦ２を短絡するように、常開
形の熱応動スイッチであるバイメタルスイッチＳ２が発
光管１の近傍にマウントされた電気回路が外管２内に設
けられている。

なお、図中１ａ、ｌｂは発光管１の両端部に封着された
電極を示す。

かかる回路では、チョーク形安定器ＣＨを通じて電圧が
印加されるとフィラメントＦ１、バイメタルスイッチＳ
ｌ、フィラメントＦ２の直列接続体に電流が流れ、フィ
ラメントＦ２の発熱によってバイメタルスイッチＳｌが
開路する。

この時に発生するサージ電圧によって発光管１を始動さ
せる。

この時、この回路構成では、発光管１とフィラメントＦ
２とがそのまま直列に接続された状態を維持するので、
フィラメントＦ２の発熱が継続し、これによってバイメ
タルスイッチＳ】が再び閉路することが防止されるので
、従来例のごとき、立消え、ちらつき、長安定化時間等
の不都合が解消サレる。

しかし、フィラメントＦ２は発光管１と直列に接続され
ているため、灯の安定点灯時でもフィラメントＦ２に電
流が流れるので、ここで電力を消費して、灯の効率を低
下させる。

この欠点を除去するために、フィラメントＦ２と並列に
熱応動スイッチである第２のバイメタルスイッチＳ２を
設ける。

このバイメタルスイッチＳ２は第３図に示すごとく、発
光管が始動し、この発熱が十分に得られる時点ｔ２で閉
路するごとく設定されねばならない。

第３図はバイメタルスイッチＳｌ、Ｓ２、フィラメント
ＦＪ、Ｆ２の動作状態を図式化したものである。

ｔｏはスインチオンの時点、 ｔｌはバイメタルスイ
ッチＳ】が開路する時点、ｔ３はバイメタルスイッチＳ
２が閉路する時点をそれぞれ示している。

フィラメントＦ２の状態を従来回路と比較すると、従来
回路ではｔＯ〜ｔ ］ 間のみ通電されているにすぎな
いが、本考案回路では、ｔｏ〜ｔ２間で通電状態にある
。

したがって、バイメタルスイッチ８１が開閉をくり返す
ことが防止され、チョーク形安定器で点灯できる高圧ナ
トリウム灯を提供することができる。

次に本考案の具体的な実施例を説明する。

内径８．５ｍｍ、電極間距離８２ｒＩｒｒｎの４００Ｗ
で動作する多結晶体アルミナ製発光管にアマガム比９／
４０のナトリウムと水銀のアマルカムと室温で約３５０
ｔｏｒｒのキセノンガムを封入した。

この発光管の外周には始動補助導体が巻回されて、コン
デンサＣを介して片方電位に接続されている。

ここで、コンデンサＣを挿入したのは、安定点灯中に始
動補助導体に電位が印加されると、発光管内のナトリウ
ムとアルミナとが反応を起すと云う不者附を防止するた
めであり、また、バイメタルスイッチＳ１が開路する際
のサージ電圧は高周波であるため、コンデンサＣを容易
に導通して始動補助導体に電位を印加することができる
ようにしたためである。

フィラメントＦ１は約１００Ωのタングステンコイルを
用いたが、１００Ω程度の低抵抗でも良い。

フィラメントＦ２は３６２μのタングステ槽ヲ１，３ｍ
ｍφのマンドレルに３４回巻回したものでフィラメント
長約１７ｍｍのものを用いた。

この灯をチョーク形安定器に接続して点灯すると、灯は
１７０〜１８０Ｖで点灯した。

２００ｖ印加時のバイメタルスイッチＳ１の開路時間
は約１０ ｓｅｃであり、一方バイメタルスイッチＳ２
の閉路時間は約３分であった。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の金属蒸気放電灯を示す回路図、第２図
は本考案の一実施例である金属蒸気放電灯を示す回路図
、第３図は同金属蒸気放電灯の動作状態を示す図である
。 １・・・・・・発光管、２・・・・・・外管、Ｓ ］
、Ｓ ２・・・・・・バイメタルスイッチ、Ｆ’ｌ・・
・・・・フィラメント又は低抵抗、Ｆ２・・・・・・バ
イメタル加熱用フィラメント、ＣＨ・・・・・・チョー
ク形安定器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端部に電極が封着され、内部にアルカリ金属、緩衝ガ
   ス用金属および希ガスが封入された発光管を外管内に保
   持し、フィラメント又は低抵抗と常閉形熱応動スインチ
   とを直列に接続した始動ユニフトを前記発光管と並列に
   接続した並列接続体を、常閉湿熱応動スインチ加熱用フ
   ィラメントを介して安定器出力側端子に接続し、かつ発
   光管始動後、前記常閉湿熱応動スインチ加熱用フィラメ
   ントを短絡するように作動する常開湿熱応動スイッチを
   設けてなる電気回路を前記外管内に組込んだことを特徴
   とする金属蒸気放電灯。