JP2817210B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はバイポーラ・トランジスタの製造方法に関
し、特にバイポーラ・トランジスタのベースの製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
従来のバイポーラ・トランジスタの第1の例を第3図
に示す。
第3図は、単体NPNトランジスタの例を示している。
ここで、1は高濃度のn型シリコン基板、2はn型シリ
コンエピタキシャル層、3は分離用酸化膜、4は絶縁
膜、5は高濃度のp型領域、6はp型ベース、7は熱酸
化膜、8はエミッタ拡散用のn型多結晶シリコン膜、9
はn型エミッタ、10は絶縁膜、11aはエミッタ電極、11b
はベース電極、11cはコレクタ電極である。
上述の従来のバイポーラ・トランジスタにおいては、
p型ベース6の形成は、通例としてボロン(11B+)のイ
オン注入法が用いられてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、近年、高速,高周波化が進むにつれ、
より高速,高周波のバイポーラ・トランジスタが要求さ
れるようになった。
バイポーラ・トランジスタの高速,高周波化には、次
の2点が重要になる。即ち、第1に設計ルールの縮小化
による寄生容量の低減、第2により浅いベース,エミッ
タ接合の形成によるfTの向上である。
第1の点に関しては、ステッパーを始めとする露光技
術やセルフ・アライン構造により、顕著な進歩が見られ
てきたが、第2の点については、充分な進歩があったと
はいえず、特に、前述のベース形成を11B+のイオン注入
による方法で行なうと、接合近傍で11B+のチャンネリン
グが生じるために、大略,0.3μm以下の浅い接合を得る
のは非常に困難である。その結果、ベース中のキャリア
走行時間を充分低減できないため、fTの大幅な向上は望
めない。
一方、特にこの数年の成果として、浅いベース領域
を、例えばSi−MBEや気相分解法によるp型シリコン・
エピタキシャル膜で形成することが、可能となってき
た。この方法をNPNトランジスタに適用した第2の従来
例を第4図に示す。この方法によれば、イオン注入法と
異なり、チャンネリングがなく、0.1μm以下の極く浅
いベースが形成できることから、バイポーラ・トランジ
スタの性能向上、特にfTの向上に大きく寄与することが
できる。
第4図において、12はp型多結晶シリコン膜、13はp
型ベースであり、両者はp型シリコン・エピタキシャル
膜の成長の際、同時に形成される。すなわち、成長膜の
下地が単結晶シリコンであればp型シリコン・エピタキ
シャル膜に、下地が非晶質であればp型多結晶シリコン
膜になる。
しかしながら、第4図のようなNPNトランジスタで
は、ベース抵抗(rbb′)を低減できないという問題点
がある。即ち、従来のNPNトランジスタでは、第3図に
示したように、rbb′を減じるために高濃度のp型領域
5を形成するのが一般的であるが、第4図のようなシリ
コンエピタキシャル膜をベースに用いるNPNトランジス
タでは、p型ベース13が非常に浅いため、高濃度のp型
領域の形成に必要な高温の熱処理を行なうと、p型不純
物のプロファイルが拡がり、浅いベースの維持が不可能
になる。
一方、rbb′を減じるため、p型多結晶シリコン膜12
およびp型ベース13(すなわちシリコンエピタキシャル
膜)の比抵抗を下ようとすると、n型エミッタ9からの
キャリアの注入効率が落ち、充分な電流増幅率を得るこ
とが困難となる。
〔課題を解決するための手段〕 本発明は、所定部分が第1導電型のシリコン半導体基
板上に、第1導電型のシリコンエピタキシャル層を形成
する工程と、このシリコンエピタキシャル層の所定部分
に分離用酸化膜を形成する工程と、シリコンエピタキシ
ャル層および分離用酸化膜とからなる表面上に絶縁膜と
第2導電型の非単結晶シリコン層を積層し、絶縁膜およ
び非単結晶シリコン層上のベースとなるべき部分を開口
した後、第2導電型のシリコン膜を堆積することによ
り、非単結晶シリコン層上には第2導電型の非単結晶シ
リコン膜を、ベースとなるべき開口部上には第2導電型
のシリコンエピタキシャル膜によるベースを形成する工
程を有する。
〔実施例〕
本発明の第1の実施例の工程順概略縦断面図を第1図
(a)〜(e)に示す。本実施例は、単体のNPNトラン
ジスタの例である。
まず、第1図(a)に示すように、高濃度のn型シリ
コン基板1上にn型シリコンエピタキシャル層2を成長
し、分離用酸化膜3を形成した後、絶縁膜4および高濃
度のp型非単結晶シリコン層14(p型多結晶シリコン層
もしくはp型非晶質シリコン層)を成長させる。このと
き、p型非単結晶シリコン層14は、成長中にボロンをド
ープしたものでもよいし、ノン・ドープの非単結晶シリ
コン層にボロン(11B+)をイオン注入するがBCl3等のガ
ス拡散を行なって形成してもよい。
次に、第1図(b)に示すように、ベースとなるべき
領域のみを選択的に開口し、p型シリコンエピタキシャ
ル成長を行なう。この時、この成長により、p型非単結
晶シリコン層14上にはp型非単結晶シリコン膜14a(p
型多結晶シリコン膜もしくはp型非晶質シリコン膜)
が、ベースとなるべき開口部上にはシリコンエピタキシ
ャル膜からなるp型ベース13が形成される。このp型シ
リコンエピタキシャルの成長方法は、Si−MBE法もしく
は、通常のSiH4,Si2H6,SiH2Cl2等の気相分解法である。
p型非単結晶シリコン膜14aならびにp型ベース13の
膜厚および不純物濃度は、成長方法により異なるが、概
ね、必要とするデバイス特性を基に決定すればよい。例
えば、p型ベース13に0.1μm厚のエピタキシャル膜を
使用するとしても、スイッチング素子の場合にはfT重視
するためにベースの不純物濃度はたかだか1017〜1018cm
-3とすればよいし、アナログ素子の場合にはrbb′を重
視するためベースの不純物濃度は1018〜1019cm-3程度に
するとよい。
同様のことは、p型非単結晶シリコン膜14aの下の高
濃度のp型非単結晶シリコン層14についても言え、必要
の応じて、厚さならびに濃度を変化させればよい。
p型非単結晶シリコン膜14aならびにp型ベース13を
形成した後、第1図(c)に示すように、選択的にp型
非単結晶シリコン膜14aならびにp型非単結晶シリコン
層14を、例えばCCl4のガスでエッチングし、絶縁膜10を
成長させる。本実施例では、絶縁膜4も同時にエッチン
グした例を示したが、これはエッチングしなくてもさし
つかえない。
次に、第1図(d)に示すように、エミッタ形成予定
部分上の絶縁膜10をエッチング除去し、エミッタ拡散用
のn型多結晶シリコン膜8を形成し、高温アニールによ
りn型エミッタ9を形成する。
最後に、第1図(e)に示すように、絶縁膜10aを成
長させ、エミッタ・コンタクトおよびベース・コンタク
トの開口を行ない、エミッタ電極11a,ベース電極11b,コ
レクト電極11cを形成し、単体のNPNトランジスタを完成
する。
第2図(a),(b)は、本発明の第2の実施例であ
る半導体集積回路に用いるNPNトランジスタの工程順概
略縦断面図である。
まず、第2図(a)に示すように、p型シリコン基板
1aの所定の部分に高濃度のn型埋込み層15を形成した
後、n型シリコンエピタキシャル層2を成長する。n型
シリンコンエピタキシャル層2の所定箇所を分離用酸化
膜3に交換した後、拡散マスク用の絶縁膜4aを形成し、
選択的に高濃度のn型不純物の拡散を行ない高濃度のn
型コレクタ引き上げ部16を形成する。
しかる後、拡散マスク用の絶縁膜4aを全面除去してか
ら絶縁膜4および高濃度のp型非単結晶シリコン層14
(p型多結晶シリコン層もしくはp型非晶質シリコン
層)を積層し、ベースとなるべき領域を開口した後、p
型シリコンエピタキシャル成長を行ない、第2図(b)
に示す構造となる。この時、この成長により、p型非単
結晶シリコン層14上にはp型非単結晶シリコン膜14a
(p型多結晶シリコン膜もしくはp型非晶質シリコン
膜)が、ベースとなるべき開口部上にはシリコンエピタ
キシャル膜からなるp型ベース13が形成される。
以後の製造工程は、コレクタ電極を裏面には形成せず
に表面に形成することを除いて、第1の実施例と同じで
ある。
なお、第1ならびに第2の実施例ではNPNトランジス
タの場合について述べたが、PNPトランジスタにおいて
も、不純物の極性を逆転させるだけで容易に実現できる
ことは明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、シリコンエピタキシ
ャル層でベースを形成する前に、予め、ベースとベース
電極とを結びつける部分に、低抵抗の非単結晶シリコン
層(NPNトランジスタの場合はp型,PNPトランジスタの
場合はn型)を形成することにより、電流増幅率の低下
を招くことなく、大幅にベース抵抗を低減することがで
きる。
シリコンエピタキシャル層をp型ベースに用いた本発
明の一実施例と第2の従来例(第4図)との比較をし、
数値により改善の効果を示す。p型多結晶シリコン膜12
(従来例におけるp型ベースとベース電極とを結びつけ
る膜)の層抵抗ρs1=3kΩ/□,p型多結晶シリコン膜12
の幅S=3μm,p型ベース13の幅(=エミッタ幅)W=
1μm,p型ベース13の層抵抗ρs2=10kΩ/□,p型非単結
晶シリコン層14の層抵抗ρs3=300Ω/□,p型非単結晶
シリコン膜14aの層抵抗はp型多結晶シリコン膜12の層
抵抗とほぼ同じ,エミッタ長=10μm,ダブル・ベース構
造,とすると、従来のNPNトランジスタのベース抵抗は
bb′1≒530Ω、本実施例のNPNトランジスタのベース
抵抗はrbb′2≒125Ωとなり、ほぼ80%のベース抵抗
の低減効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(e),第2図(a),(b)は本発明
の実施例の工程順概略縦断面図、第3図,第4図は従来
のバイポーラ・トランジスタの概略縦断面図である。 1……p型シリコン基板、1a……n型シリコン基板、2
……n型シリコンエピタキシャル層、3……分離用酸化
膜、4,4a,10,10a……絶縁膜、5……高濃度のp型領
域、6,13……p型ベース、7……熱酸化膜、8……n型
多結晶シリコン膜、9……n型エミッタ、11a……エミ
ッタ電極、11b……ベース電極、11c……コレクタ電極、
12……p型多結晶シリコン膜、14……p型非単結晶シリ
コン膜、14a……p型非単結晶シリコン層、15……n型
埋込み領域、16……n型コレクト引き上げ部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定部分が第1導電型のシリコン半導体基
    板上に、第1導電型のシリコンエピタキシャル層を形成
    する工程と、前記第1導電型のシリコンエピタキシャル
    層の所定部分に分離用酸化膜を形成する工程と、前記第
    1導電型のシリコンエピタキシャル層および前記分離用
    酸化膜とからなる表面上に絶縁膜と第2導電型の非単結
    晶シリコン層を積層し、前記絶縁膜および前記第1の非
    単結晶シリコン層上のベースとなるべき部分を開口した
    後、第2導電型のシリコン膜を堆積することにより、前
    記非単結晶シリコン層上には第2導電型の非単結晶シリ
    コン膜を形成し、前記のベースとなるべき開口部上には
    第2導電型のシリコンエピタキシャル膜を形成する工程
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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