JP2815121B2 - リン酸モノエステルの製造方法 - Google Patents

リン酸モノエステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、洗浄剤,乳化剤,帯電防止剤などにおいて
広く利用されるリン酸モノエステルを高純度かつ高収率
で製造する方法に関する。
(従来の技術) 従来から,リン酸エステル類は,界面活性剤として例
えば洗浄剤,乳化剤,帯電防止剤等の用途に広く利用さ
れている。これらの中でもリン酸モノエステルは生体類
似物質であるので,低刺激性で,かつ安全性が高いとい
う特長を有する。リン酸モノエステル系の界面活性剤
は,この他にも洗浄性能,泡質,皮膚感触に優れる特長
を有することから,近年では低刺激性の化粧用発泡性洗
浄基材として,および,皮革処理剤としても用いられる
ようになっている。
このようなリン酸モノエステルは,通常は,オキシ塩
化リン,五酸化リン,ポリリン酸等のリン化合物と有機
ヒドロキシル化合物とを無溶媒もしくは有機溶媒中で反
応させ,反応混合物を加水分解した後,生成したリン酸
モノエステルを単離する方法によって製造される。しか
し,これらの方法においては,生成物の収率が低い(約
70%)うえに,生成物の純度が低いために着色しやすい
という欠点がある。更に,リン酸モノエステルは,精製
するための水洗工程において乳化し易いという本質的な
問題点を有している。
これらの問題点を解決するために,例えば,アルコー
ルと,オルトリン酸と,五酸化リンとを同時に反応させ
るか,またはアルコールと,オルトリン酸または五酸化
リンとを別々に反応させる方法(特公昭42−6730号),
アルカンやシクロアルカンなどの溶媒中においてアルコ
ールとオキシ塩化リンとを反応させた後,中間生成物を
加水分解する方法(特開昭50−64226号),有機溶媒中
のオキシ塩化リンと有機ヒドロキシル化合物との混合物
中に有機三級アミンを滴下して反応させた後に,中間生
成物を加水分解するする方法(特開平1−143880)等が
提案されている。しかしながら,いずれの方法によって
も,上記問題点のすべてが解決されるわけではない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の課題を解決するものであり,その
目的とするところは,高純度で着色の無いリン酸モノエ
ステルを高収率で製造し得る方法を提供することであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは鋭意研究の結果,上記の高純度で着色の
無いリン酸モノエステルを高収率で製造し得る方法を見
い出し,本発明を完成するに至った。
本発明は,オキシ塩化リンと脂肪族アルコールとを反
応させて中間体であるホスホロジクロリデートを生成さ
せる工程,該中間体を加水分解する工程,および該加水
分解により生成するリン酸モノエステルを分離する工程
を包含するリン酸モノエステルの製造方法であって,該
加水分解工程および該分離工程において使用される有機
溶媒が,不活性な炭化水素系溶媒およびケトン類を含む
混合溶媒であるリン酸モノエステルの製造方法であり,
そのことにより上記目的が達成される。
好適な実施態様においては、上記混合溶媒は,不活性
な炭化水素系溶媒100重量部に対してケトン類を50〜200
重量部の割合で含有する混合溶媒である。
本発明におけるリン酸エステルの反応は,基本的に,
以下の式で表わされる: P(O)Cl3+ROH→ROP(O)Cl2+HCl (1) ROP(O)Cl2+2H2O→ROP(O)(OH)+2HCl (2) ここで,Rは炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基である。
本発明に用いられる脂肪族アルコール(上記ROH)
は,飽和もしくは不飽和アルコールであり,直鎖アルコ
ールであっても分岐アルコールであってもよい。このよ
うな化合物の例としては,2−エチルヘキシルアルコー
ル,n−オクチルアルコール,ノニルアルコール,デシル
アルコール,ウンデシルアルコール,ドデシルアルコー
ル,トリデシルアルコール,テトラデシルアルコール,
ペンタデシルアルコール,ヘキサデシルアルコール,ヘ
プタデシルアルコール,オクタデシルアルコール,オレ
イルアルコール,セチルアルコール,イソステアリルア
ルコール,ステアリルアルコール等の炭素数が8〜18の
脂肪族アルコール類がある。この脂肪族アルコールは,
オキシ塩化リン1モルに対して,0.90〜1.00モルの割合
で使用される。有機ヒドロキシル化合物の量が0.90モル
を下まわる場合は,未反応のオキシ塩化リンの量が比較
的多くなるために収率が低下する。逆に,有機ヒドロキ
シル化合物の量が1.00モルを超える場合には,副生成物
であるリン酸ジエステルの生成量が増加するため,得ら
れる生成物の純度が低下する。
本発明で用いられる溶媒のうち不活性な炭化水素系溶
媒としては,例えば,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキ
サン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレ
ン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
さらに,本発明で用いられる溶媒のうちケトン類とし
ては,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,
シクロヘキサノン,等が挙げられる。
通常,炭化水素系溶媒100重量部に対してケトン類が5
0〜200重量部の割合で混合される。このような混合溶媒
の使用量については特に制限されないが,通常,生成す
るリン酸モノエステルと等重量〜その10培量の範囲で使
用され得る。
加水分解の際に使用される水の量は,オキシ塩化リン
と脂肪族アルコールとの反応により生成する中間体であ
るホスホロジクロリデートを加水分解するための理論モ
ル量〜その10倍量の範囲である。
本発明の方法に従って上記リン酸モノエステルを製造
するためには,例えば,まず,低温に保たれた上記オキ
シ塩化リンに,脂肪族アルコールを加える。このときの
反応温度は10〜50℃となるように制御することが好まし
い。生成した塩化水素を減圧下において除去することに
より,反応がさらに進行し,中間体であるホスホロジク
ロリデートが生成する。このようにして調製された上記
中間体を,上記炭化水素溶媒およびケトン類の混合溶媒
中に滴下し,加水分解を行なう。加水分解の温度は50〜
100℃の温度とすることが好ましい。加水分解を充分に
進行させるために,さらに加熱状態において反応を行な
うことが好ましい。次いで,反応混合物から有機層を分
取し,水洗,乾燥後,濃縮などの通常の方法によりリン
酸モノエステルが得られる。
本法においては,上記加水分解および生成物の分離工
程において所定の有機溶媒が使用される。溶媒に含有さ
れるケトン類は上記加水分解反応の際に中間体であるホ
スホロジクロリデートと水との親和性を高めて該反応を
円滑に行なわせる。さらに,水洗工程における生成リン
酸モノエステルの乳化を抑制する効果を有する。従っ
て,本法により高純度のリン酸モノエステルが高収率で
製造され得る。
(実施例) 以下に,本発明を実施例について説明する。
実施例1 温度計,撹拌棒,冷却管,および滴下ロートを備えた
4つ口フラスコに,オキシ塩化リン30.6g(0.2モル)を
仕込み,セチルアルコール46g(0.19モル)を,10〜20℃
の温度条件において,2時間にわたって滴下した。滴下終
了後,このフラスコを水流式アスピレーターに連結し,3
0℃,真空度100〜200torr.の条件下で,生成する塩化水
素を除去しながら,3時間にわたって反応を続けた。その
結果,中間体であるセチルホスホロジクロリデートが69
g得られた。
次に,温度計,撹拌棒,冷却管,および滴下ロートを
備えた4つ口フラスコに,キシレン30g,メチルイソブチ
ルケトン30g,水60gを仕込み,この中へ上記中間体を,60
〜70℃の温度条件において,3時間にわたって滴下し,加
水分解を行なった。滴下の後,反応混合物を120℃に昇
温し,さらに1時間,反応を続けた。次いで,この反応
混合物を分液ロートに移し,有機層を水層から分取し
た。この有機層から溶媒であるキシレンおよびメチルイ
ソブチレンを留去し,目的生成物(主成分:リン酸モノ
セチル)を得た。収量は52.2g,収率は90%であった。
このようにして得られた目的生成物の組成を電位差滴
定法(平沼産業株式会社,COM−101S型自動滴定記録装
置)によって分析した。結果を以下の表に示す。
この表から,上記目的生成物は純度が90%のリン酸モ
ノセチルであることが確認された。
実施例2 セチルアルコールの代わりにミリスチルアルコール4
0.7gを用いたこと以外は,実施例1と同様にして目的生
成物(主成分:リン酸モノミリスチル)を得た。収率は
95%,純度は90%であった。
実施例3 セチルアルコールの代わりにステアリルアルコール5
1.3gを用いたこと以外は,実施例1と同様にして目的生
成物(主成分:リン酸モノステアリル)を得た。収率は
95%,純度は90%であった。
比較例 実施例1と同様にして中間体であるモノセチルホウホ
ロジクロリデートを得た。次に,温度計,撹拌棒,冷却
管,および滴下ロートを備えた4つ口フラスコに,キシ
レン60gおよび水60gを仕込み,これに上記中間体を60〜
70℃の温度条件において,3時間にわたって滴下し,加水
分解を行った。滴下の後,このフラスコを120℃に昇温
し,1時間,さらに反応を続けた。この反応混合物は完全
に乳化しており,分液することができなかった。従って
目的生成物(主成分:リン酸モノセチル)を得ることが
できなかった。
(発明の効果) このように,本発明によれば,良好な水溶性を示す界
面活性剤として洗浄剤,乳化剤,帯電防止剤等に広く用
いられるリン酸モノエステルを,高純度かつ良好な色相
で,しかも高収率で製造することが可能である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシ塩化リンと脂肪族アルコールとを反
    応させて中間体であるホスホロジクロリデートを生成さ
    せる工程、該中間体を加水分解する工程、および該加水
    分解により生成するリン酸モノエステルを分離する工程
    を包含するリン酸モノエステルの製造方法であって、 該加水分解工程および該分離工程において使用される有
    機溶媒が、不活性な炭化水素系溶媒およびケトン類を含
    む混合溶媒である、 リン酸モノエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記混合溶媒が、不活性な炭化水素系溶媒
    100重量部に対してケトン類を50〜200重量部の割合で含
    有する混合溶媒である、請求項1に記載のリン酸モノエ
    ステルの製造方法。
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