JPH0920789A - 非対称型リン酸トリエステルの製造方法 - Google Patents

非対称型リン酸トリエステルの製造方法

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JPH0920789A
JPH0920789A JP16854795A JP16854795A JPH0920789A JP H0920789 A JPH0920789 A JP H0920789A JP 16854795 A JP16854795 A JP 16854795A JP 16854795 A JP16854795 A JP 16854795A JP H0920789 A JPH0920789 A JP H0920789A
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carbon atoms
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Takashi Mizooku
隆司 溝奥
Shinji Yano
真司 矢野
Katsumi Kita
克己 喜多
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度、高収率で非対称型リン酸トリエステ
ルを効率よく製造する方法の提供。 【構成】 アルキルリン酸ハライドとアルコール又はア
ルコラートとを反応させて、非対称型リン酸トリエステ
ル(III) を得る際に、アルコール又はアルコラートにア
ルキルリン酸ハライドを添加して反応させるか、アルキ
ルリン酸ハライドとして、オキシハロゲン化リンと、有
機ヒドロキシル化合物を有機アミン存在下反応させた後
アミンの塩酸塩を除去して得られたものを用いる。 【化1】 〔ZはR2(OA2)bO-又は R3(OA3)dO-、R1,R2,R3はC1-36
アルキル基等、A1,A2,A3はC2-3のアルキレン基、a,b,d
は0〜20で、R1とR3は異なる基である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止剤、潤滑剤、
繊維油剤及び化粧料、外用剤等として有用な非対称型リ
ン酸トリエステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
非対称型リン酸トリエステルの製造法としては、オキシ
塩化リンに有機ヒドロキシル化合物と有機3級アミンの
混合物を順次滴下していく方法があり、その改良法とし
てその滴下速度を細かく規定した方法が開示されている
(特開平3−123790号)。また、オキシ塩化リン
に有機ヒドロキシル化合物を添加する方法においても、
その改良法として細かく反応温度を制御する方法(特開
平4−41498号)も知られていた。しかしながら、
前者の滴下速度を細かく規定した方法でも、反応の進行
とともに大量の3級アミン塩酸塩が析出するため、ピロ
リン酸エステルが生成する問題、後者の細かく反応温度
を制御する方法でも反応副生物である塩酸と未反応の有
機ヒドロキシル化合物が反応してアルキルクロライドが
副生し、収率が低下する問題が依然解決されていない。
【0003】従って、本発明の目的は、高純度、高収率
で非対称型リン酸トリエステルを効率よく製造する方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、アルキルリン酸
ハライドとアルコール又はアルコラートとを反応させる
際に、アルコール又はアルコラートにアルキルリン酸ハ
ライドを添加して反応させるか、アルキルリン酸ハライ
ドとして、オキシハロゲン化リンと、有機ヒドロキシル
化合物を有機アミン存在下反応させた後アミンの塩酸塩
を除去して得られたものを用いることにより、上記目的
を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。即ち本発明は、下記(i) 及び(ii)に示す非対称型リ
ン酸トリエステルの製造方法を提供するものである。 (i) 式(I)
【0005】
【化4】
【0006】〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜
36のアルキル基又はアルケニル基を示し、A1は炭素数2
〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、a はアル
キレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜20の数を
示し、a 個のA1は同一でも異なっていても良い。X は R
2(OA2)bO-(R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜36のアルキ
ル基又はアルケニル基を示し、R1とR2は同一でも異なっ
ていてもよい。A2は炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のア
ルキレン基を示し、b はアルキレンオキサイドの平均付
加モル数を示す0〜20の数を示し。b 個のA2は同一でも
異なっていても良い。)で表される基、又はハロゲン原
子を示す。Y はハロゲン原子を示す。〕で表されるアル
キルリン酸ハライドと、式(II) R3(OA3)dOM (II) (式中、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜36のアルキル
基又はアルケニル基を示し、A3は炭素数2〜3の直鎖又
は分岐鎖のアルキレン基を示し、d はアルキレンオキサ
イドの平均付加モル数を示す0〜20の数を示し、d 個の
A3は同一でも異なっていても良い。M は水素原子、アル
カリ金属又はアルカリ土類金属を示す。)で表されるア
ルコール又はアルコラートとを反応させて、式(II
I)
【0007】
【化5】
【0008】〔式中、R, R, A, A
a 及びd は前記の意味を示し、R1とR3は異なる基で
ある。Z は R2(OA2)bO-又は R3(OA3)dO- (R2, R3, A2,
A3, b 及びd は前記の意味を示す)で表される基を示
す。〕で表される非対称型リン酸トリエステルを製造す
るに際し、式(II)で表されるアルコール又はアルコラ
ートに式(I)で表されるアルキルリン酸ハライドを添
加することを特徴とする非対称型リン酸トリエステルの
製造方法。
【0009】(ii)式 (IV)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Y は前記の意味を示す。)で表さ
れるオキシハロゲン化リンと、式(V) R1(OA1)aOH (V) (式中、R1, A1及び aは前記の意味を示す。)で表され
る有機ヒドロキシル化合物、又はこれと式 (VI) R2(OA2)bOH (VI) (式中、R2, A2及び bは前記の意味を示す。)で表され
る有機ヒドロキシル化合物との混合物を有機アミン存在
下反応させ、次いでアミンの塩酸塩を除去して、前記式
(I)で表されるアルキルリン酸ハライドを得、得られ
た式(I)で表されるアルキルリン酸ハライドと、前記
式(II)で表されるアルコール又はアルコラートとを反
応させることを特徴とする、前記式(III) で表される非
対称型リン酸トリエステルの製造方法。
【0012】本発明で使用される式(I)で表されるア
ルキルリン酸ハライドにおいて、R1は直鎖又は分岐鎖の
炭素数1〜36のアルキル基又はアルケニル基を示すが、
好ましくは炭素数6〜36のアルキル基又はアルケニル
基、更に好ましくは炭素数6〜20のアルキル基である。
このようなアルキル基又はアルケニル基の具体例として
は、例えば、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
タデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタ
デシル基、オレイル基、エライジル基、エイコシル基、
イソステアリル基、もしくはオキソ法、チーグラー法、
ゲルベ法によって得られる高級アルコール等の炭素数6
〜36の直鎖もしくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のアル
コールより水酸基を除いた残基が挙げられる。
【0013】R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜36のアル
キル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数1
〜20のアルキル基又はアルケニル基、更に好ましくは炭
素数6〜20のアルキル基である。このようなアルキル基
又はアルケニル基の具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、
ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オ
レイル基、エライジル基、エイコシル基、イソステアリ
ル基、もしくはオキソ法、チーグラー法、ゲルベ法によ
って得られる高級アルコール等の炭素数1〜36の直鎖も
しくは分岐鎖の飽和もしくは不飽和のアルコールより水
酸基を除いた残基が挙げられる。
【0014】A1, A2は炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖の
アルキレン基を示し、a 及びb はアルキレンオキサイド
の平均付加モル数を示す0〜20の数を示すが、a 及びb
はそれぞれ0〜5の数が好ましく、0が特に好ましい。
また、a 個のA1、及びb 個のA2は同一でも異なっていて
も良い。また、X 及びY で示されるハロゲン原子として
は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる
が、塩素原子が好ましい。
【0015】本発明で使用される式(II)で表されるア
ルコール又はアルコラートにおいて、 R3 は直鎖又は分
岐鎖の炭素数1〜36のアルキル基又はアルケニル基を示
すが、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基又はアルケ
ニル基、更に好ましくは1〜4のアルキル基である。こ
のようなアルキル基又はアルケニル基の具体例として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エ
チルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基、オレイル基、エライジ
ル基、エイコシル基、イソステアリル基、もしくはオキ
ソ法、チーグラー法、ゲルベ法によって得られる高級ア
ルコール等の炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の飽和
もしくは不飽和のアルコールより水酸基を除いた残基が
挙げられ、特にメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基が好ましい。
【0016】A3は炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアル
キレン基を示し、d アルキレンオキサイドの平均付加モ
ル数を示す0〜20の数を示すが、d は0〜5の数が好ま
しく、0が特に好ましい。また、d 個のA3は同一でも異
なっていても良い。また、M は水素原子、Na, K, Li 等
のアルカリ金属、又はCa等のアルカリ土類金属を示す
が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、ア
ルカリ金属が特に好ましい。
【0017】本発明の上記(i) に示す方法において、式
(I)で表されるアルキルリン酸ハライドとしては、前
記式 (IV) で表されるオキシハロゲン化リンと、前記式
(V)で表される有機ヒドロキシル化合物、又はこれと
式 (VI) で表される有機ヒドロキシル化合物との混合物
を有機アミン存在下反応させて得られるものを用いるこ
とができるが、上記(ii)に示す方法のようにオキシハロ
ゲン化リンと有機ヒドロキシル化合物との反応後にアミ
ンの塩酸塩を除去したものを用いた方が高純度のリン酸
トリエステルが得られるので好ましい。
【0018】本発明に用いられる前記式 (IV) で表され
るオキシハロゲン化リンとしてはオキシ塩化リンが好ま
しく、前記式(V)又は (VI) で表される有機ヒドロキ
シル化合物としては、上記R1及びR2として例示したアル
キル基又はアルケニル基を有するアルコールが挙げられ
る。本発明の上記(i) に示す方法において、式(I)で
表されるアルキルリン酸ハライドを得る際には、いずれ
の公知の方法により合成したものでもよいが、例えば、
オキシハロゲン化リン1モルに対し、有機ヒドロキシル
化合物 0.8〜2.2 モルを用い、反応温度−50〜50℃、反
応時間2〜16時間で行うのが好ましい。この反応に用い
られる有機アミンとしては、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン
等が挙げられる。オキシハロゲン化リンと有機ヒドロキ
シル化合物との反応後にアミンの塩酸塩を除去する方法
としては、水洗、濾過、遠心分離等の方法が挙げられ
る。
【0019】上記(ii)で示す方法においては、オキシハ
ロゲン化リンと有機ヒドロキシル化合物との反応後にア
ミンの塩酸塩を除去して得られる式(I)で表されるア
ルキルリン酸ハライドと、式(II)で表されるアルコー
ル又はアルコラートとの反応は、アルキルリン酸ハライ
ドにアルコール又はアルコラートを添加しても、アルコ
ール又はアルコラートにアルキルリン酸ハライドを添加
してもいずれでもよいが、アルコール又はアルコラート
にアルキルリン酸ハライドを添加するのが好ましい。即
ち、上記(i) で示す方法と、(ii)に示す方法とを組み合
わせた方法が最も好ましい。
【0020】本発明において、式(I)で表されるアル
キルリン酸ハライドは、上記のような方法で得られたも
のをそのまま用いることができるが、有機溶媒に溶解し
た溶液の形で用いてもよい。ここで用いられる有機溶媒
としては、反応に対して不活性でアルキルリン酸ハライ
ドを溶解するものであれば任意のものを使用しうるが、
好ましくは炭化水素系溶媒、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタンのような脂肪族炭化水素、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂
環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼンのような芳香族炭化水素や、テトラヒドロフラ
ンのようなエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの
有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0021】本発明において、式(II)で表されるアル
コール又はアルコラートとしては、いずれでもよいが、
アルコラートを用いるのが好ましい。アルコラートとし
ては、市販のものをそのまま用いてもよいが、アルコー
ルにアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を添
加することによって調製したアルコラートのアルコール
溶液を用いるのが工業上好ましい。ここで用いられるア
ルコールは、アルコラートの有するアルキル基又はアル
ケニル基と同様のアルキル基又はアルケニル基を有する
ものが好ましい。またアルカリ金属又はアルカリ土類金
属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等が挙げら
れ、特にアルカリ金属水酸化物、更に特に水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムが好ましい。また、アルコラート
のアルコール溶液を調製する際に使用するアルコールの
量は、アルコラートを溶解するのに十分な量が好まし
く、具体的には、アルコール、アルコラートの種類等に
より適宜決めれば良いが、例えば式(I)で表されるア
ルキルリン酸ハライドの等重量倍以上、10重量倍以下の
使用が経済上好ましい。アルコールにアルカリ金属水酸
化物を添加してアルコラートを調製する際には水が副生
するが、ブタノールのように水と混じり合わないアルコ
ールを使用する際は、共沸脱水により水を系外に出すこ
とが好ましい。
【0022】本発明における式(I)で表されるアルキ
ルリン酸ハライドと、式(II)で表されるアルコール又
はアルコラートとの反応は、アルキルリン酸ハライド1
モルに対し、アルコール又はアルコラートを 1.0〜5.0
モル用いるのが好ましい。反応温度は0℃以上、アルコ
ールの沸点以下が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
反応時間は特に制限はないが、1〜5時間程度、好まし
くは1〜2時間がよい。反応終了後、過剰のアルコール
を留出後、濾過等により無機塩を除き、水洗、乾燥によ
り精製して、高収率、高純度の式(III) で表される非対
称リン酸エステルを得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0024】実施例1 オキシ塩化リン14.6g(0.095モル)のヘキサン溶液に2
−ヘプチルウンデシルアルコール51.4g(0.190モル)、
トリエチルアミン19.2g(0.190モル)のヘキサン溶液を
0℃以下に冷却しながら滴下した。25℃で熟成した後、
水洗によりトリエチルアミンの塩酸塩を除去し、溶媒を
留去して、ビス(2−ヘプチルウンデシル)リン酸クロ
ライド59.1g(0.095モル;31P−NMRより純度99%以
上)を得た。得られたリン酸クロライドをエタノール 2
95g(リン酸クロライドの5倍重量)に水酸化ナトリウ
ム4.56g(0.114モル;リン酸クロライドの 1.2倍当量)
を加えることにより得たナトリウムエチラートのエタノ
ール溶液に、20〜30℃で滴下した。滴下終了後、さらに
20〜30℃で1時間反応を続けた後、過剰のエタノールを
留去し、無機塩を濾過、水洗により除いた後、乾燥を行
い、リン酸ビス(2−ヘプチルウンデシル)エチル58.4
g(収率97%)を得た。また、31P−NMRにおいて、
副生成物であるリン酸ジエステルやそのピロ体のシグナ
ルは観測されず、高純度の非対称型リン酸トリエステル
が得られていることを確認した。
【0025】実施例2 ビス(2−ヘプチルウンデシル)リン酸クロライドの代
わりに、2−ヘプチルウンデシルリン酸ジクロライドを
用い、実施例1と同様にして反応を行った結果、目的と
するリン酸(2−ヘプチルウンデシル)ジエチルを収率
98%で得た。31P−NMRにおいて、副生成物であるリ
ン酸ジエステルやそのピロ体のシグナルは観測されず、
高純度の非対称型リン酸トリエステルが得られているこ
とを確認した。
【0026】実施例3 ビス(2−ヘプチルウンデシル)リン酸クロライドの代
わりに、ジドデシルリン酸クロライドを用い、実施例1
と同様にして反応を行った結果、目的とするリン酸ジド
デシルエチルを収率97%で得た。31P−NMRにおい
て、副生成物であるリン酸ジエステルやそのピロ体のシ
グナルは観測されず、高純度の非対称型リン酸トリエス
テルが得られていることを確認した。
【0027】実施例4 実施例1において、ナトリウムエチラートのエタノール
溶液の代わりに、n−ブタノールと水酸化ナトリウムか
ら共沸脱水により得られるナトリウムブチラートのブタ
ノール溶液を用いて反応を行った結果、目的とするリン
酸ビス(2−ヘプチルウンデシル)ブチルを収率95%で
得た。31P−NMRにおいて、副生成物であるリン酸ジ
エステルやそのピロ体のシグナルは観測されず、高純度
の非対称型リン酸トリエステルが得られていることを確
認した。
【0028】実施例5 実施例1において、エタノールと水酸化ナトリウムから
得られるナトリウムエチラートのエタノール溶液の代わ
りに、市販の粉末ナトリウムエチラートのエタノール溶
液を用いて反応を行った結果、目的とするリン酸ビス
(2−ヘプチルウンデシル)エチルを収率99%で得た。
31P−NMRにおいて、副生成物であるリン酸ジエステ
ルやそのピロ体のシグナルは観測されず、高純度の非対
称型リン酸トリエステルが得られていることを確認し
た。
【0029】実施例6 実施例1において、ビス(2−ヘプチルウンデシル)リ
ン酸クロライドをヘキサンに溶解した溶液を、ナトリウ
ムエチラートのエタノール溶液に滴下して反応を行った
結果、目的とするリン酸ビス(2−ヘプチルウンデシ
ル)エチルを収率96%で得た。31P−NMRにおいて、
副生成物であるリン酸ジエステルやそのピロ体のシグナ
ルは観測されず、高純度の非対称型リン酸トリエステル
が得られていることを確認した。
【0030】実施例7 実施例1において、エタノールの使用量をリン酸クロラ
イドの5倍重量用いる代わりに等重量用いて反応を行っ
た結果、目的とするリン酸ビス(2−ヘプチルウンデシ
ル)エチルを収率95%で得た。31P−NMRにおいて、
副生成物であるリン酸ジエステルやそのピロ体のシグナ
ルは観測されず、高純度の非対称型リン酸トリエステル
が得られていることを確認した。
【0031】実施例8 実施例1において、用いるリン酸クロライドをビス(2
−ヘプチルウンデシル)リン酸クロライドの代わりに、
(2−ヘプチルウンデシル)ヘキシルリン酸クロライド
を用いた反応を行った結果、目的とするリン酸(2−ヘ
プチルウンデシル)エチルヘキシルを収率94%で得た。
31P−NMRにおいて、副生成物であるリン酸ジエステ
ルやそのピロ体のシグナルは観測されず、高純度の非対
称型リン酸トリエステルが得られていることを確認し
た。
【0032】実施例9 実施例1において、エタノールと水酸化ナトリウムから
得られたナトリウムエチラートのエタノール溶液の代わ
りに、エタノールを用いて反応を行った結果、反応の終
結まで24時間を必要としたが、目的とするリン酸ビス
(2−ヘプチルウンデシル)エチルを収率96%で得た。
31P−NMRにおいて、副生成物であるリン酸ジエステ
ルやそのピロ体のシグナルは観測されず、高純度の非対
称型リン酸トリエステルが得られていることを確認し
た。
【0033】実施例10 実施例1において、ナトリウムエチラートのエタノール
溶液にリン酸クロライドを滴下する代わりに、リン酸ク
ロライドにナトリウムエチラートのエタノール溶液を滴
下して反応を行った結果、目的とするリン酸ビス(2−
ヘプチルウンデシル)エチルを収率94%で得た。31P−
NMRにおいて、副生成物であるリン酸ジエステル及び
そのピロ体のシグナルが観測され、非対称型リン酸トリ
エステルのシグナルとの面積比より非対称型リン酸トリ
エステルの純度は86%であった。
【0034】実施例11 実施例1において、用いるリン酸クロライドをトリエチ
ルアミン塩酸塩を除かずに含有したままで反応行った結
果、目的とするリン酸ビス(2−ヘプチルウンデシル)
エチルを収率93%で得た。31P−NMRにおいて、副生
成物であるリン酸ジエステル及びそのピロ体のシグナル
が観測され、非対称型リン酸トリエステルのシグナルと
の面積比より非対称型リン酸トリエステルの純度は82%
であった。
【0035】実施例12 実施例1において、ビス(2−ヘプチルウンデシル)リ
ン酸クロライドの代わりに、ビス(2−(2−ヘキシロ
キシエトキシ)エチル)リン酸クロライドを用い、実施
例1と同様にして反応を行った結果、目的とするリン酸
ビス(2−(2−ヘキシロキシエトキシ)エチル)エチ
ルを収率97%で得た。31P−NMRにおいて、副生成物
であるリン酸ジエステルやそのピロ体のシグナルは観測
されず、高純度の非対称型リン酸トリエステルが得られ
ていることを確認した。
【0036】比較例1 オキシ塩化リン25g(0.163モル)のヘキサン溶液に2−
ヘプチルウンデシルアルコール88.2g(0.326モル)、ト
リエチルアミン33.0g(0.326モル)のヘキサン溶液を0
℃以下に冷却しながら滴下した。滴下終了後、25℃で熟
成し、さらにエタノール 7.6g(0.163モル)、トリエチ
ルアミン16.5g(0.163モル)を加え、50℃で17時間熟成
後、濾過によりトリエチルアミンの塩酸塩を除去し、ヘ
キサンを留去してリン酸ビス(2−ヘプチルウンデシル)
エチル98.8g(収率96%)を得た。31P−NMRにおい
て、副生成物であるリン酸ジエステルのピロ体のシグナ
ルは観測され、非対称型リン酸トリエステルのシグナル
との面積比より非対称型リン酸トリエステルの純度は66
%で、上記実施例よりかなり低純度であることを確認し
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜36のアルキル
    基又はアルケニル基を示し、A1は炭素数2〜3の直鎖又
    は分岐鎖のアルキレン基を示し、a はアルキレンオキサ
    イドの平均付加モル数を示す0〜20の数を示し、a 個の
    A1は同一でも異なっていても良い。X は R2(OA2)bO-(R2
    は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜36のアルキル基又はアル
    ケニル基を示し、R1とR2は同一でも異なっていてもよ
    い。A2は炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基
    を示し、b はアルキレンオキサイドの平均付加モル数を
    示す0〜20の数を示し。b 個のA2は同一でも異なってい
    ても良い。)で表される基、又はハロゲン原子を示す。
    Y はハロゲン原子を示す。〕で表されるアルキルリン酸
    ハライドと、式(II) R3(OA3)dOM (II) (式中、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜36のアルキル
    基又はアルケニル基を示し、A3は炭素数2〜3の直鎖又
    は分岐鎖のアルキレン基を示し、d はアルキレンオキサ
    イドの平均付加モル数を示す0〜20の数を示し、d 個の
    A3は同一でも異なっていても良い。M は水素原子、アル
    カリ金属又はアルカリ土類金属を示す。)で表されるア
    ルコール又はアルコラートとを反応させて、式(III) 【化2】 〔式中、R1, R3, A1, A3, a 及びd は前記の意味を示
    し、R1とR3は異なる基である。Z は R2(OA2)bO-又は R3
    (OA3)dO- (R2, R3, A2, A3, b 及びd は前記の意味を示
    す)で表される基を示す。〕で表される非対称型リン酸
    トリエステルを製造するに際し、式(II)で表されるア
    ルコール又はアルコラートに式(I)で表されるアルキ
    ルリン酸ハライドを添加することを特徴とする非対称型
    リン酸トリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 式 (IV) 【化3】 (式中、Y は前記の意味を示す。)で表されるオキシハ
    ロゲン化リンと、式(V) R1(OA1)aOH (V) (式中、R1, A1及び aは前記の意味を示す。)で表され
    る有機ヒドロキシル化合物、又はこれと式 (VI) R2(OA2)bOH (VI) (式中、R2, A2及び bは前記の意味を示す。)で表され
    る有機ヒドロキシル化合物との混合物を有機アミン存在
    下反応させ、次いでアミンの塩酸塩を除去して、前記式
    (I)で表されるアルキルリン酸ハライドを得、得られ
    た式(I)で表されるアルキルリン酸ハライドと、前記
    式(II)で表されるアルコール又はアルコラートとを反
    応させることを特徴とする、前記式(III) で表される非
    対称型リン酸トリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記式 (IV) で表されるオキシハロゲン
    化リンと、前記式(V)で表される有機ヒドロキシル化
    合物、又はこれと式 (VI) で表される有機ヒドロキシル
    化合物との混合物を有機アミン存在下反応させ、次いで
    アミンの塩酸塩を除去して、前記式(I)で表されるア
    ルキルリン酸ハライドを得、得られた式(I)で表され
    るアルキルリン酸ハライドを、式(II)で表されるアル
    コール又はアルコラートに添加して反応させることを特
    徴とする、前記式(III) で表される非対称型リン酸トリ
    エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 式(II)において、R3が炭素数1〜4の
    直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、M がアルカリ金属
    である請求項1〜3のいずれか一項に記載の非対称型リ
    ン酸トリエステルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022185843A1 (ja) * 2021-03-03 2022-09-09 国立大学法人東京工業大学 非対称型リン酸トリエステルの製造方法、対称型リン酸トリエステルの製造方法、リン酸エステルの製造方法、及び、有機リン化合物の製造方法

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WO2022185843A1 (ja) * 2021-03-03 2022-09-09 国立大学法人東京工業大学 非対称型リン酸トリエステルの製造方法、対称型リン酸トリエステルの製造方法、リン酸エステルの製造方法、及び、有機リン化合物の製造方法

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