JP3859888B2 - リン酸トリエステルの製造法 - Google Patents

リン酸トリエステルの製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP3859888B2
JP3859888B2 JP35309198A JP35309198A JP3859888B2 JP 3859888 B2 JP3859888 B2 JP 3859888B2 JP 35309198 A JP35309198 A JP 35309198A JP 35309198 A JP35309198 A JP 35309198A JP 3859888 B2 JP3859888 B2 JP 3859888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphoric acid
acid triester
weight
hydroxy compound
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35309198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000178288A (ja
Inventor
隆司 溝奥
真司 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP35309198A priority Critical patent/JP3859888B2/ja
Publication of JP2000178288A publication Critical patent/JP2000178288A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3859888B2 publication Critical patent/JP3859888B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤との反応によるリン酸トリエステルの製造の際、副生するハロゲン化アルカリ金属を効率良く除去精製するリン酸トリエステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
アルキルオキシアルキレン基を有するリン酸トリエステルは、高極性で皮膚親和性に優れ、しかも低粘度、低沸点でありかつ安全性に優れるため、化粧料、外用剤等の用途が知られている(特開平9-241119号公報)。かかるアルキルオキシアルキレン基を有するリン酸トリエステルの製法としては、アルキルオキシアルキレン基を有する有機ヒドロキシ化合物とオキシハロゲン化リン等のリン酸化剤を反応させる方法等が知られている。
【0003】
上記反応においては、反応系中にハロゲン化水素が副生するが、このハロゲン化水素は、目的物であるリン酸トリエステルが高極性であるため、これに対する溶解度が高く、反応系中に残存する。従って、次の中和工程においてハロゲン化アルカリ金属が生成する。このハロゲン化アルカリ金属はリン酸トリエステルに不溶であるため、目的物中に残存すると得られる最終品が不均一となってしまい、好ましくない。そこで、リン酸トリエステルの製造工程において、ハロゲン化アルカリ金属をろ過等の手段により除去することが必要となる。
【0004】
しかしながら、特に中和前のハロゲン化水素の残存率が25重量%を超える場合には、中和後のハロゲン化アルカリ金属の含有量が10重量%以上となり、ろ過による除去が困難となる。
【0005】
従って、本発明は、リン酸トリエステルの製造時に副生するハロゲン化水素由来のハロゲン化アルカリ金属を、その含有率が高い場合にも効率良く除去できる、リン酸トリエステルの製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の一般式(1)
R1-O(AO)n-H (1)
〔式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Aは炭素数2又は3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数である1〜10の数を示し、n個のAは同一でも異なってもよい。〕
で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤を反応させた後、中和して得られるリン酸トリエステルを含有する反応混合物を、無機塩の水溶液で洗浄するリン酸トリエステルの製造法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
一般式(1)中、R1としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。これらのうち炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のもの、特にエチル基及びn-ブチル基が好ましい。
【0008】
また、一般式(1)中のAは、具体的にはエチレン基、トリメチレン基又はプロピレン基であるが、なかでもエチレン基が好ましい。nとしては、1〜4、特に2〜3が好ましい。n個のAは同一でも異なってもよいが、同一であることが好ましい。
【0009】
上記有機ヒドロキシ化合物(1)と反応させるリン酸化剤としては、例えばオキシハロゲン化リン、三ハロゲン化リン等が挙げられるが、このうちオキシハロゲン化リン、特にオキシ塩化リンが好ましい。
【0010】
有機ヒドロキシ化合物(1)とリン酸化剤の反応方法としては、例えばG. M. Kosolapoffの「Organophosphorus Compounds」(John Wiley & Sons. Inc., New York, 1950)に記載されているように、(a)有機ヒドロキシ化合物(1)のナトリウムアルコキシドとオキシハロゲン化リン等とを反応させる方法、(b)過剰の有機ヒドロキシ化合物(1)とオキシハロゲン化リン等とを反応させる方法、(c)有機ヒドロキシ化合物(1)と三ハロゲン化リン等とを反応させてホスファイトとし、次いで適当な酸化剤で酸化する方法等が挙げられ、これらのいずれの方法を用いることもできる。
【0011】
上記反応において、リン酸トリエステルの3個の有機ヒドロキシ化合物残基が同一のものを合成する場合は、1種類の有機ヒドロキシ化合物(1)を用い、異なるものを合成する場合は2種類以上の有機ヒドロキシ化合物を用いる。得られるリン酸トリエステルは、3個の有機ヒドロキシ化合物残基が同一でも異なっても、化粧料等に配合した場合の性能に差異はないが、合成の容易さの点で同一であることが好ましい。
【0012】
有機ヒドロキシ化合物(1)とリン酸化剤との反応モル比は、3:1〜30:1、特に6:1〜9:1が好ましい。有機ヒドロキシ化合物(1)を2種類以上用いる場合は、その合計が上記モル比となることが好ましい。反応は、例えば非極性溶媒中又は無溶媒で、有機ヒドロキシ化合物(1)にリン酸化剤を添加し、好ましくは40〜90℃、特に好ましくは40〜80℃で、好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜18時間行われる。次いで反応混合物中に含有する酸を中和し、過剰の有機ヒドロキシ化合物を留去し、必要に応じ水蒸気との接触を経て、粗リン酸トリエステルを得ることができる。
【0013】
ここで、中和に使用される中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられるが、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
【0014】
本発明においては、上記粗リン酸トリエステルを無機塩の水溶液で洗浄することにより、上記中和で反応物中に生成したハロゲン化アルカリ金属を、効率良く除去することができる。かかる無機塩としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩が好ましく、特に塩化ナトリウムが好ましい。
【0015】
無機塩の水溶液の濃度は、分層性の観点から、1重量%以上、特に5重量%以上が好ましく、無機塩の析出性の観点から、26重量%以下、特に20重量%以下が好ましい。従ってその好ましい濃度範囲は、1〜26重量%、特に5〜20重量%である。
【0016】
粗リン酸トリエステルの洗浄における無機塩の水溶液の使用量は、無機塩の有機層への残存性の観点から、粗リン酸トリエステルの0.1重量倍以上、特に0.5重量倍以上が好ましく、有機物が水層に分配することによる収率低下を回避する観点から、粗リン酸トリエステルの10重量倍以下、特に2重量倍以下が好ましい。従ってその好ましい範囲は、粗リン酸トリエステル0.1〜10重量倍、特に0.5〜2重量倍である。
【0017】
無機塩水溶液による洗浄後、更に必要に応じて脱水、ろ過を行うことにより、ハロゲン化アルカリ金属を実質的に含有しないリン酸トリエステルが得られる。
【0018】
【実施例】
実施例1
フラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテル600g(4.47mol)を入れ、窒素を50ml/minで吹き込みながら、減圧(20kPa)下で撹拌した。そこへ、反応液を室温に保ちながらオキシ塩化リン114g(0.745mol)を滴下し、40〜60℃で5時間熟成した。次いでこの反応終了物に16重量%水酸化ナトリウム水溶液149.0g(0.596mol)を添加して中和し、過剰のジエチレングリコールモノエチルエーテルを留去し、水蒸気と接触させ、粗リン酸トリエステル366.9gを得た。この粗リン酸トリエステルは、塩化ナトリウムを10重量%含有する不均一な液体であった。
次いで、この粗リン酸トリエステルに16重量%塩化ナトリウム水溶液300gを加えて洗浄した。その後、脱水及びろ過を経て、目的とするトリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェート266.1gを得た(収率80%)。
このものは無色透明で均一の液体であり、またクロルイオン分析を行った結果、クロルイオン含量は10mg/kg以下で、塩化ナトリウムを実質的に含んでいないものであった。
【0019】
実施例2
ジエチレングリコールモノエチルエーテルの代わりにジエチレングリコールモノブチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様にして反応、精製を行い、目的とするトリス(n-ブトキシエトキシエチル)ホスフェートを収率82%で得た。
このものは無色透明で均一の液体であり、またクロルイオン分析を行った結果、クロルイオン含量は10mg/kg以下で、塩化ナトリウムを実質的に含んでいないものであった。
【0020】
比較例1
実施例1において得られた粗リン酸エステルに水300gを加えて洗浄しようとしたが、系は均一となり、塩化ナトリウムを除去することができなかった。
【0021】
比較例2
実施例1において得られた粗リン酸エステルをそのままろ過に付したところ、目詰まりが生じて時間を著しく要し、また得られた目的物は173.0g(収率52%)であり、収率が低下した。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、リン酸トリエステルの製造の際に副生するハロゲン化アルカリ金属を効率的に除去することができる。

Claims (1)

  1. 次の一般式(1)
    R1-O(AO)n-H (1)
    〔式中、R1は炭素数1〜の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Aは炭素数2又は3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数である1〜の数を示し、n個のAは同一でも異なってもよい。〕
    で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤を反応させた後、中和して得られるリン酸トリエステルを含有する反応混合物を、粗リン酸トリエステルの 0.5 〜2重量倍量の5〜 20 重量%無機塩水溶液で洗浄するリン酸トリエステルの製造法。
JP35309198A 1998-12-11 1998-12-11 リン酸トリエステルの製造法 Expired - Fee Related JP3859888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35309198A JP3859888B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 リン酸トリエステルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35309198A JP3859888B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 リン酸トリエステルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000178288A JP2000178288A (ja) 2000-06-27
JP3859888B2 true JP3859888B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=18428508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35309198A Expired - Fee Related JP3859888B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 リン酸トリエステルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3859888B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007036188A1 (de) 2007-08-02 2008-06-19 Clariant International Limited Verfahren zur Herstellung alkoxylierter Phosphorsäuretriester
CN101802097B (zh) 2007-08-02 2012-11-14 科莱恩金融(Bvi)有限公司 含有通过二醇单元桥接的磷原子的磷酸酯

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000178288A (ja) 2000-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101882517B1 (ko) 알킬 포스페이트의 제조 방법
JPH10508021A (ja) ヒドロカルビル ビス(ヒドロカルビルホスフェート)の製造方法
JP7104480B2 (ja) メチルホスフィン酸ブチルエステルの調製方法
JP3859888B2 (ja) リン酸トリエステルの製造法
JP3526940B2 (ja) リン酸エステルの製造法
KR100252572B1 (ko) 인산모노에스테르의제조방법
KR960034209A (ko) 트리브로모네오펜틸 클로로알킬 포스페이트의 제조방법
US4034023A (en) Process for preparing mixed phosphate ester compositions
US4482506A (en) Process for the manufacture of alkyl diaryl phosphate esters
KR101609404B1 (ko) 플루오르화 설포네이트 에스테르를 제조하기 위한 수성 방법
JP3384932B2 (ja) リン酸トリエステルの製造方法
JP3859889B2 (ja) リン酸トリエステルの製造法
EP1526137A1 (en) Process to prepare alkyl phenyl phosphates
JPS5838435B2 (ja) リン酸モノエステルの製造法
KR960004357A (ko) 포스포노카복실산 유도체의 디에스테르의 제조방법
JPH09268193A (ja) リン酸トリエステルの製造方法
KR20120083236A (ko) 알킬 포스페이트의 제조 방법
JP2645101B2 (ja) アリファチルホスフィン酸誘導体の製造方法
JP3596768B2 (ja) リン酸エステルの製造法
JP2007039470A (ja) リン酸トリエステルの製造法
US4507501A (en) Process for preparing tertiary phosphines
US4507502A (en) Process for preparing tertiary phosphines
JP2003160589A (ja) リン酸エステルの製造法
JPH0242837B2 (ja)
JP2815121B2 (ja) リン酸モノエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060920

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees