JP3556317B2 - リン酸エステルの製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は有機ヒドロキシ化合物をリン酸化してリン酸エステルを製造する方法に関する。さらに詳しくは、リン酸モノエステル純度が高いリン酸エステルを容易に製造でき、かつニオイおよび色相がよいリン酸エステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
有機ヒドロキシ化合物のリン酸エステルは洗浄剤、繊維処理剤、乳化剤、防錆剤、液状イオン交換体、または医薬品等として幅広い分野で利用されている。
従来、リン酸エステルを工業的に製造する方法としては有機ヒドロキシ化合物に五酸化リンを反応させる方法があるが、この方法によるとその生成物は下記式(A) で表されるリン酸モノエステルと、下記式(B) で表されるリン酸ジエステルの等モル混合物(以下この混合物をセスキホスフェートと称する)である。
【0003】
【化1】
【0004】
(式中、R は有機ヒドロキシ化合物残基を示す)
しかしながら、リン酸モノエステルとリン酸ジエステルとは物性において大きな差異を有する。例えば、長鎖アルキルアルコール(例えば、ラウリルアルコール)のリン酸モノエステルのアルカリ金属塩及びアルカノールアミン塩は水溶性で起泡力、洗浄力が良好で、毒性が低く、皮膚刺激が少ないので洗浄剤として優れているのに対し、リン酸ジエステルのアルカリ金属塩及びアルカノールアミン塩は水にほとんど溶解せず、起泡力はほとんどなく、むしろ抑泡性を示す。従ってリン酸ジエステルの含有量が大きい上記セスキホスフェートでは高起泡性洗浄剤としては使用できない。
【0005】
そこで、リン酸モノエステル含量の高いリン酸エステルを工業的に安全かつ容易に製造することが強く要望されており、次にあげるようないくつかの方法が報告されている。
▲1▼ 有機ヒドロキシ化合物にあらかじめ五酸化リン1モルに対し 0.5〜3モルの水を添加し、次いで五酸化リンを反応させて得る方法(特公昭41−14416 号)。
▲2▼ 有機ヒドロキシ化合物にオルトリン酸及び五酸化リンを反応させて得る方法(特公昭42−6730号)。
▲3▼ 有機ヒドロキシ化合物を五酸化リン、リン酸およびポリリン酸からなるリン酸化剤とリン酸分が過剰の状態で第一段目のリン酸化反応を行い、次いで化学量論量になるように有機ヒドロキシ化合物を加えて第二段目の反応を行って得る方法(特公昭57−61358 号)。
▲4▼ 水の存在下において有機ヒドロキシ化合物と五酸化リンとを反応させる際に水蒸気を吹き込みながらリン酸化反応を行って得る方法(特公平5−66958号)。
▲5▼ ポリリン酸と有機ヒドロキシ化合物とを特定の条件で反応させ、次いで化学量論になるように五酸化リンを加えて反応させる方法(特願平6−224593号) 。
▲6▼ 五酸化リンを、水、リン酸、ポリリン酸またはこれらの混合物と混合させて得られるリン酸化剤と、有機ヒドロキシ化合物とを特定の条件で反応させ、必要に応じ五酸化リンを加えて反応させる方法(特願平6−306364号) 。
【0006】
しかしながら、このような五酸化リンをリン酸化剤として用いてリン酸エステルを製造する場合、五酸化リンの添加方法によっては、得られたリン酸エステルの品質を著しく悪くしたり、さらには収率の低下を招くことがあった。
従って、本発明の目的は、色相およびニオイが良くて、リン酸モノエステルを選択的かつ高収率で得られるリン酸エステルの工業的製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯かる実状において、本発明者らは、リン酸エステルの工業的製造法について鋭意研究を行った結果、五酸化リンの少なくとも一部を、五酸化リン、水、リン酸、ポリリン酸またはそれらの混合物と、有機ヒドロキシ化合物との混合物に添加してリン酸エステルを製造する方法において、五酸化リンの添加に伴い増加する反応系内のピロリン酸結合を有する化合物量を制御しながら反応させることにより、色相およびニオイが良く、リン酸モノエステルが収率よく得られることを見い出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、五酸化リンの少なくとも一部を、五酸化リン、水、リン酸、ポリリン酸またはそれらの混合物と、有機ヒドロキシ化合物との混合物に添加してリン酸エステルを製造する方法において、反応系内のピロリン酸結合を有する化合物の量が全リン化合物に対して55モル%以下になるように五酸化リンの添加速度を制御して反応させることを特徴とするリン酸エステルの製造法を提供するものである。
【0009】
本発明において、五酸化リンとは無水リン酸で分子式はP4O10 あるいはP2O5で表される。
本発明において、リン酸とは下記式(C) で表されるオルトリン酸を含む水溶液であり、オルトリン酸当量で100 重量%未満のリン酸水溶液であり、その濃度については特に限定されないが、好ましくは70〜90重量%のリン酸水溶液である。本発明において、ポリリン酸とは下記式(D)で表されるピロリン酸、下記式(E)で表されるトリポリリン酸等のオルトリン酸が縮合した形でピロ結合をもったもので、下記式(F) で表される直鎖の縮合リン酸や、分岐鎖および環状鎖の縮合リン酸から選ばれる1種あるいは2種以上の混合物で、オルトリン酸当量で 100重量%以上のリン酸である。その濃度については特に限定されないが、好ましくは100〜120 重量%のポリリン酸である。濃度がオルトリン酸当量で 120重量%を越えるとポリリン酸が高粘度になり取り扱いが困難になる。
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、nは2以上の数を示す。)
本発明において、有機ヒドロキシ化合物としては炭素数6〜30、好ましくは8〜24の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪族アルコール、あるいは当該脂肪族アルコールまたはアルキルフェノール(アルキル基の炭素数6〜20)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜4)付加物(付加モル数1から100 )等が挙げられる。
具体的な有機ヒドロキシ化合物としては、例えば、オクタノール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、イソノナノール、イソデカノール、イソトリデカノール等のアルコールが挙げられ、さらに合成アルコールとして、商品名オキソアルコール(日産化学工業(株)製)、ダイヤドール(三菱化成工業(株)製)、ドバノール(三菱油化(株)製)、リネボール(昭和シェル化学(株)製)、ネオドール(Shell 製)、ライアール(Eni Chem. 製)等が挙げられ、これらの有機ヒドロキシ化合物の単独または混合物を使用することができる。
【0012】
本発明においては、五酸化リン、水、リン酸、ポリリン酸またはそれらの混合物と、有機ヒドロキシ化合物との混合物に五酸化リンを添加してリン酸化反応を行うが、その際、反応系内のピロリン酸結合を有する化合物の量が全リン化合物に対して55モル%以下、好ましくは50モル%以下、更に好ましくは47モル%以下になるように五酸化リンの添加速度を制御して反応を行う。
【0013】
本発明者らは五酸化リン系の反応について鋭意検討した結果、過剰のピロリン酸結合が残存するように五酸化リンと有機ヒドロキシ化合物を反応させると、生成したリン酸エステルが経時的に分解するが、化学量論的に五酸化リンと有機ヒドロキシ化合物を反応させると、生成したリン酸エステルの分解はほとんど起こらないことが判った。
また、五酸化リンの反応性については、五酸化リン(P2O5) が下式(G) で表されるように一分子内に3モルのピロリン酸結合を有している化合物であると模式的に考えると、これと有機ヒドロキシ化合物との反応性が高く、水とは3モル全量がほぼ瞬時に反応してピロリン酸結合が開裂してオルトリン酸に変換するが、有機ヒドロキシ化合物との反応では、1モル目のピロリン酸結合は瞬時に反応してリン酸エステルを生成し、2モル目のピロリン酸結合の反応も比較的早いが、3モル目の反応は比較的遅いことが判った。すなわち、有機ヒドロキシ化合物2モルと水1モルの混合物に五酸化リン1モルを反応させると、五酸化リンを全量添加直後は、反応系中には全リン化合物に対して60〜80モル%のピロリン酸結合が残存していることになる。
【0014】
【化3】
【0015】
しかしながら、上述したようにピロリン酸結合が過剰な状態で反応すると、リン酸エステルの分解反応も併発するため好ましくない。
以上のことより、反応系内のピロリン酸結合を有する化合物が全リン化合物に対して55モル%以下、好ましくは50モル%以下、更に好ましくは47モル%以下になるように五酸化リンを添加すれば、品質の優れたリン酸エステルが収率よく得られるが、55モル%を越えるような速度で五酸化リンを短時間で多量に反応系に投入すると、通常の冷却方法では発熱を制御できず系内の温度が上昇し、有機ヒドロキシ化合物の劣化またはリン酸エステルの分解反応が併発するだけでなく、過剰のピロリン酸結合を有する化合物とリン酸エステルとの接触により、リン酸エステルの品質の劣化を招くため好ましくない。
本発明においては、特に反応系内の温度を40〜100 ℃、好ましくは50〜95℃、更に好ましくは60〜90℃に制御して反応を行うのが良い。
【0016】
なお、本発明において、ピロリン酸結合を有する化合物の確認は、例えば31P−NMRにより容易に測定でき(油化学、39巻、第4号、250〜258 頁、1990年)、ケミカルシフトの違いによりオルト体とピロ体の識別ができ、しかも、定量的に測定できる。
【0017】
本発明においては、五酸化リンは、水、リン酸、ポリリン酸、五酸化リンまたはこれらの混合物と、有機ヒドロキシ化合物との混合物中に、添加速度を上記のように制御して添加されるが、有機ヒドロキシ化合物と、水、リン酸、ポリリン酸、五酸化リンとの混合比率および該混合物の調製方法は特に限定されない。
また、本発明においては、五酸化リンの添加速度を、下記式(I)で表される値が0.2 〜2.0 、好ましくは 0.3〜1になるように制御して反応を行うことが好ましい。この値が 0.2未満すなわち添加時間が5時間を越えるとリン酸エステルの分解が起こり、2.0 を超えるすなわち添加時間が30分未満では五酸化リンが十分分散されないために局部的に反応してニオイおよび色相の悪化を招く。
【0018】
【数2】
【0019】
さらに本発明において、五酸化リンの添加方法は回分式または半回分式のいずれでもよいが、局部的な反応による温度上昇を避けるためにも半回分式が好ましい(半回分式の場合は間欠式あるいは連続式あるいは間欠式および連続式を組み合わせた方法のいずれでもよい)。
また、最終的な反応混合物の組成は下記式(II)で表されるの値が 2.8〜3.2 になるのが好ましい。2.8 未満ではオルトリン酸含量が増加し、3.2 を超えると反応が完結できず有機ヒドロキシ化合物が残存して好ましくない。
【0020】
【数3】
【0021】
以上のようにして反応を行った後、要すれば、下記の条件で熟成を行う。
即ち、上記のような割合で調製された混合物は、40〜120 ℃、好ましくは60〜100 ℃で、1〜24時間好ましくは2〜12時間攪拌し混合することが好ましい。40℃未満では有機ヒドロキシ化合物の反応速度が急減し、120 ℃を越えると生成したリン酸エステルの分解が進行する。また、熟成時間が1時間未満では有機ヒドロキシ化合物の反応率が低くなり、24時間を越えるとリン酸エステルの分解が進行する。
【0022】
これらの方法で得られたリン酸エステルは、そのまま洗浄剤等の用途に用いてもよいが、使用用途によっては、更に以下の後処理を加えることが好ましい。
すなわち、香粧品用途に用いるリン酸エステルは、下記式(H) で表されるピロリン酸結合を有する化合物を含有すると製品物性が損なわれるため、完全にピロリン酸結合を加水分解するのが好ましく(特公平3−33160 号) 、また、匂いについてはできるだけ異臭を有しないことが好ましい。そこで、本発明において製造されるリン酸エステル中にもピロリン酸結合を有する化合物が含まれるため、加水分解するのが好ましい。加水分解の方法としては、該リン酸エステル成績体に対して1〜10重量%の添加水を加えて反応温度60〜100 ℃で加水分解すれば、ピロリン酸結合をピロリン酸に換算して1.0 重量%以下にすることができる。
【0023】
【化4】
【0024】
(式中、X は水素または有機ヒドロキシ化合物残基を示す)
一方、匂いについては、本発明で得られるリン酸エステルは、比較的匂いのよいものであるが、アルキル鎖長によっては該リン酸エステル成績体をさらに脱臭することが好ましい。脱臭方法は水蒸気蒸留、抽出および晶析等いずれの方法でもよいが、特に水蒸気蒸留が好ましい。さらに薄膜による水蒸気蒸留が好ましい。
【0025】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
尚、例中の%は特記しない限り重量基準である。
【0026】
実施例1
1000mlの反応容器に75%リン酸19.7g〔P2O5=10.7g(0.075モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕に五酸化リン(有効分98.5%)37.2g(0.258 モル)を加え、50℃で0.5 時間攪拌した。次いでラウリルアルコール(Mw=186.3)186.3 g(1.00モル)加えた後、80℃で1時間反応させた。この反応液に五酸化リン(有効分98.5%)24.0g(0.167 モル) を80℃にて0.5 時間毎に3回に分けて(五酸化リン 8.0g(0.056 モル) ずつ)加えた。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して3回の五酸化リン添加後には、それぞれ35.5、38.2、41.0モル%存在していた。さらに90℃で6時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して 5.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で2時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノラウリルリン酸76.8%、ジラウリルリン酸13.0%、オルトリン酸 5.9%、未反応アルコール4.3 %(反応率93.8%)であった。また、色相はクレット2であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノラウリルリン酸80.0%、ジラウリルリン酸13.6%、オルトリン酸6.2 %、未反応アルコール0.24%であった。また、色相はクレット3で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0027】
尚、生成物の組成分析はリン酸モノエステル、リン酸ジエステルおよびオルトリン酸については、ジエチルエーテル抽出により水層にオルトリン酸、エーテル層にリン酸モノエステルおよびジエステルを分離し、各層を電位差滴定することにより求めた。また、未反応アルコールについては、石油エーテルで抽出する方法で行った。また、色相はエタノール、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いて10重量/容量%に希釈した溶液の420nm における吸光度に1000を乗じた値をクレットとして表した。この値が高い程、黄色着色していることを示し、この値が低い程無色で好ましい。ニオイは官能試験で判定した。
【0028】
比較例1
1000mlの反応容器に75%リン酸19.7g〔P2O5=10.7g(0.075モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕に五酸化リン(有効分98.5%)37.2g(0.258 モル)を加え、50℃で0.5 時間攪拌した。次いでラウリルアルコール(Mw=186.3) 186.3g(1.00モル)加えた後、60℃で1時間反応させた。この反応液に五酸化リン(有効分98.5%)24.0g(0.167 モル) を60℃にて10分で加えたところ、一時的に115 ℃まで温度が上昇した。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して58.7モル%存在していた。冷却後、さらに90℃で6時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して 5.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で2時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノラウリルリン酸73.0%、ジラウリルリン酸12.5%、オルトリン酸 7.4%、未反応アルコール7.1 %(反応率89.7%)であった。また、色相はクレット20であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノラウリルリン酸78.4%、ジラウリルリン酸13.4%、オルトリン酸7.9 %、未反応アルコール0.25%であった。また、色相はクレット25で、ニオイの官能評価結果は異臭が認められた。
【0029】
実施例2
1000mlの反応容器にラウリルアルコール(Mw=186.3)186.3 g(1.0 モル)および75%リン酸19.7g〔P2O5=10.7g(0.075モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕を加え、60℃で0.5 時間攪拌した。次いで五酸化リン(有効分98.5%)61.2g(0.425 モル)を60℃にて0.5 時間毎に4回に分けて(五酸化リン15.3g(0.106 モル)ずつ)加えた。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は全リン化合物に対して38.0モル%存在していた。さらに80℃で12時間反応させた。その後、イオン交換水13.4gを加え、90℃で2時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノラウリルリン酸73.9%、ジラウリルリン酸16.9%、オルトリン酸 5.7%、未反応アルコール3.5 %(反応率94.9%)であった。また、色相はクレット3であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノラウリルリン酸76.4%、ジラウリルリン酸17.5%、オルトリン酸5.9 %、未反応アルコール0.24%であった。また、色相はクレット5で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0030】
比較例2
1000mlの反応容器にラウリルアルコール(Mw=186.3)186.3 g(1.0 モル)および75%リン酸19.7g〔P2O5=10.7g(0.075モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕を加え、50℃で0.5 時間攪拌した。次いで五酸化リン(有効分98.5%)61.2g(0.425 モル)を50℃で10分間で加えたところ、一時的に110 ℃まで温度が上昇した。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して62.3モル%存在していた。冷却後、さらに90℃で8時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して 5.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で2時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノラウリルリン酸68.0%、ジラウリルリン酸16.0%、オルトリン酸 8.2%、未反応アルコール7.8 %(反応率88.7%)であった。また、色相はクレット20であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノラウリルリン酸73.4%、ジラウリルリン酸17.3%、オルトリン酸8.9 %、未反応アルコール0.38%であった。また、色相はクレット30で、ニオイの官能評価結果は異臭が認められた。
【0031】
実施例3
1000mlの反応容器にラウリルアルコール(Mw=186.3)111.8 g(0.6 モル)および75%リン酸19.7g〔P2O5=10.7g(0.075モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕50℃で0.5 時間攪拌した。次いで五酸化リン(有効分98.5%)61.2g(0.425 モル)を70℃にて0.5 時間毎に3回に分けて(五酸化リン20.4g(0.142 モル)ずつ)加えた。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して45.3モル%存在していた。さらに70℃で0.5 時間反応させた。この反応液にラウリルアルコール74.5g(0.4 モル)を加え、さらに80℃で10時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して 5.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で2時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノラウリルリン酸75.0%、ジラウリルリン酸15.4%、オルトリン酸 5.6%、未反応アルコール4.0 %(反応率94.4%)であった。また、色相はクレット3であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノラウリルリン酸は77.9%、ジラウリルリン酸16.0%、オルトリン酸5.8 %、未反応アルコール0.30%であった。また、色相はクレット5で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0032】
比較例3
1000mlの反応容器にラウリルアルコール(Mw=186.3)111.8 g(0.6 モル)および75%リン酸19.7g〔P2O5=10.7g(0.075モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕50℃で0.5 時間攪拌した。次いで五酸化リン(有効分98.5%)61.2g(0.425 モル)を50℃にて10分間で加えたところ、一時的に110 ℃まで温度が上昇した。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して65.0モル%存在していた。冷却後、70℃で0.5 時間反応させた。この反応液にラウリルアルコール74.5g(0.4 モル)を加え、さらに80℃で10時間反応させた。その後、イオン交換水13.4gを加え、90℃で2時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノラウリルリン酸70.6%、ジラウリルリン酸15.6%、オルトリン酸 7.2%、未反応アルコール6.6 %(反応率90.6%)であった。また、色相はクレット25であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノラウリルリン酸75.3%、ジラウリルリン酸16.6%、オルトリン酸7.7 %、未反応アルコール0.36%であった。また、色相はクレット30で、ニオイの官能評価結果は異臭が認められた。
【0033】
実施例4
1000mlの反応容器にステアリルアルコール(Mw=272.5)238.4g(0.875モル)および85%リン酸29.4g〔P2O5=18.1g(0.128 モル)、水=11.3g(0.625 モル)〕を加え、80℃で0.5 時間攪拌した。次いで五酸化リン(有効分98.5%)53.6g(0.372 モル)を80℃にて0.5 時間毎に4回に分けて(五酸化リン13.4g(0.093 モル)ずつ)加えた。このときの反応混合物中にはピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して35.0モル%存在していた。さらに90℃で10時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して 5.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で3時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノステアリルリン酸77.0%、ジステアリルリン酸11.8%、オルトリン酸 7.1%、未反応アルコール4.1 %(反応率94.5%)であった。また、色相はクレット5で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0034】
比較例4
1000mlの反応容器にステアリルアルコール(Mw=272.5)238.4g(0.875モル)および85%リン酸29.4g〔P2O5=18.1g(0.128 モル)、水=11.3g(0.625 モル)〕を加え、80℃で0.5 時間攪拌した。次いで五酸化リン(有効分98.5%)53.6g(0.372 モル)を80℃で10分間で加えたところ、一時的に120 ℃まで温度が上昇した。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して60.0モル%存在していた。冷却後、さらに90℃で10時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して 5.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で3時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノステアリルリン酸71.6%、ジステアリルリン酸13.4%、オルトリン酸 8.0%、未反応アルコール7.0 %(反応率90.5%)であった。また、色相はクレット30で、ニオイの官能評価結果は異臭が認められた。
【0035】
実施例5
1000mlの反応容器に85%リン酸23.5g〔P2O5=14.5g(0.102モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕に五酸化リン(有効分98.5%)33.3g(0.234 モル)を加え、50℃で0.5 時間攪拌した。次いでウンデカノール(シェル製ネオドール1,Mw=172.9 )172.9 g(1.00モル)を加えた後、50℃で3時間反応させた。この反応液に五酸化リン(有効分98.5%)24.0g(0.167 モル)を50℃にて0.5 時間毎に3回に分けて(五酸化リン8.0 g(0.056 モル)ずつ)加えた。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して48.2モル%存在していた。さらに90℃で8時間反応させた。その後、この反応混合物100 gに対して 5.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で3時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノウンデシルリン酸75.9%、ジウンデシルリン酸13.6%、オルトリン酸 6.6%、未反応アルコール3.9 %(反応率94.1%)であった。また、色相はクレット3であった。更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノウンデシルリン酸78.8%、ジウンデシルリン酸14.1%、オルトリン酸6.9 %、未反応アルコール0.20%であった。また、色相はクレット4で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0036】
実施例6
1000mlの反応容器に75%リン酸19.7g〔P2O5=10.7g(0.075モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕に五酸化リン(有効分98.5%)37.2g(0.258 モル)を加え、60℃で0.5 時間攪拌した。次いでダイヤドール115L(三菱化成製,Mw=190.7)190.7 g(1.00モル)を加えた後、60℃で2時間反応させた。この反応液に五酸化リン(有効分98.5%)24.0g(0.167 モル)を60℃にて0.5 時間毎に3回に分けて(五酸化リン8.0 g(0.056 モル)ずつ)加えた。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して48.0モル%存在していた。さらに80℃で10時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して10.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で2時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノアルキルリン酸76.0%、ジアルキルリン酸13.8%、オルトリン酸 6.1%、未反応アルコール4.1 %(反応率94.2%)であった。また、色相はクレット2であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノアルキルリン酸79.1%、ジアルキルリン酸14.4%、オルトリン酸6.3 %、未反応アルコール0.25%であった。また、色相はクレット3で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0037】
実施例7
1000mlの反応容器にダイヤドール115L(三菱化成製,Mw=190.7)190.7 g(1.00モル)および116 %ポリリン酸56.3g〔P2O5=47.3g(0.333モル)、水=9.0g(0.5 モル)〕を加えた後、60℃で2時間反応させた。この反応液に五酸化リン(有効分98.5%)24.0g(0.167 モル)を60℃にて0.5 時間毎に3回に分けて(五酸化リン8.0 g(0.056 モル)ずつ)加えた。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して46.5モル%存在していた。さらに90℃で8時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して5.0 gの割合でイオン交換水を加え、90℃で3時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノアルキルリン酸75.8%、ジアルキルリン酸14.0%、オルトリン酸 6.0%、未反応アルコール4.2 %(反応率94.0%)であった。また、色相はクレット3であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノアルキルリン酸79.1%、ジアルキルリン酸14.4%、オルトリン酸6.3 %、未反応アルコール0.25%であった。また、色相はクレット3で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0038】
実施例8
1000mlの反応容器にダイヤドール115L(三菱化成製,Mw=190.7)190.7g(1.00モル)および116 %ポリリン酸56.3g〔P2O5=47.3g(0.333 モル)、水=9.0 g(0.5 モル)〕を加えた後、60℃で2時間反応させた。この反応液に五酸化リン(有効分98.5%)24.0g(0.167 モル)を60℃にて0.5 時間毎に3回に分けて(五酸化リン8.0 g(0.056 モル)ずつ)加えた。このときの反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して45.1モル%存在していた。さらに80℃で10時間反応させた。その後、この反応混合物 100gに対して10.0gの割合でイオン交換水を加え、90℃で3時間加水分解を行った。このようにして得られた反応物の水分を除いて計算した組成は、モノアルキルリン酸75.8%、ジアルキルリン酸14.0%、オルトリン酸 6.0%、未反応アルコール4.2 %(反応率94.0%)であり、この反応混合物中には、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して0.15モル%存在していた。また、色相はクレット3であった。
更にこの反応物を強制薄膜による水蒸気蒸留装置を用いて脱臭を行った。得られた残渣の水分を除いた組成はモノアルキルリン酸79.1%、ジアルキルリン酸14.4%、オルトリン酸6.3 %、未反応アルコール0.25%であり、ピロリン酸結合を有する化合物は、全リン化合物に対して0.12モル%存在していた。また、色相はクレット3で、ニオイの官能評価結果は良好であった。
【0039】
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた結果をまとめて表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
注)
*1:反応終了物のリン酸モノエステル純度で、下記式で表される値である。
【0042】
【数4】
【0043】
*2:反応終了物のオルトリン酸量で、下記式で表される値である。
【0044】
【数5】
【0045】
*3:反応終了物の色相
*4:脱臭処理なし
水存在下での有機ヒドロキシ化合物と五酸化リンの反応により得られるリン酸エステルの組成は、有機ヒドロキシ化合物と水との割合において、水が多くなるとモノエステル含量が増加するが、同時にオルトリン酸の副生も増加する特徴を有している。また、有機ヒドロキシ化合物と水の割合が同じでも、反応様式によってもリン酸エステルの組成は異なる。本発明の製造法では、反応様式の違いに関わらず、比較例と比べ実施例で得られたリン酸エステルは、色相およびニオイの品質面および収率面において優位性を発揮し、品質の優れたリン酸エステルを収率よく得られることが判った。
【0046】
また、脱臭を行ったものおよび脱臭を行っていないものについてもニオイ評価は比較例と比べ良好な結果が得られている。この原因については、現時点でははっきりしたことは判っていないが、活性の高い五酸化リンが直接有機ヒドロキシ化合物と反応すると、組成面ではジエステルおよびトリエステルが生成し、さらに発熱により分解反応も併発するが、五酸化リンの添加速度を上記のように制御することにより五酸化リンが分散されリン酸モノエステルが優先的に生成しているものと推察でき、また、品質面においては、局部的に活性の高い五酸化リンと有機ヒドロキシ化合物またはリン酸エステルとの接触が制御されているため、ニオイおよび色相が良好なものが得られていると推察される。
従って、本発明の方法により、モノエステル純度の高いリン酸エステルが収率よく製造でき、ニオイおよび色相においても良好なリン酸エステルの製造方法を提供できることが判った。
【0047】
【発明の効果】
本発明によって、モノエステル純度の高いリン酸エステルを極めて容易に製造することができ、ニオイおよび色相においても良好なリン酸エステルを工業的に製造することが可能となった。
Claims (4)
- 五酸化リンの少なくとも一部を、五酸化リン、水、リン酸、ポリリン酸またはそれらの混合物と、有機ヒドロキシ化合物との混合物に添加してリン酸エステルを製造する方法において、反応系内のピロリン酸結合を有する化合物の量が全リン化合物に対して55モル%以下になるように五酸化リンの添加速度を制御して反応させることを特徴とするリン酸エステルの製造法。
- 反応系内温度を40〜100 ℃に制御して反応を行うことを特徴とする請求項1記載のリン酸エステルの製造法。
- 五酸化リンを半回分的に加えて反応させることを特徴とする請求項1、2または3記載のリン酸エステルの製造法。
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