JP2815117B2 - 安定化されたカゼイン含有物質 - Google Patents

安定化されたカゼイン含有物質

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、腐敗、発酵、凝集、成分分離等の変質の生
じにくい安定化されたカゼイン含有物質に関する。更に
本発明はカゼイン含有物質用の安定剤に関する。
[従来の技術] 子豚、子牛等の幼動物幼の哺乳人工ミルクとして脱脂
粉乳に油脂を添加した代用乳や全脂粉乳を主成分とした
代用乳等が使用されている。これらの代用乳は水や温水
に溶かして幼動物に給与されているが、多数の幼動物を
育成する畜産業においては、溶解後直ちに給与するとは
限らず、場合によっては溶解後10数時間以上経った後に
幼動物に給与されることも多い。しかしながら、溶解後
室温等に長時間置くと、腐敗や発酵等が生じて凝集や分
離を招き易く、凝集や分離の生じたものを幼動物に給与
すると下痢やその他の疾病を誘発して順調な成育が阻害
されるという弊害が生じていた。
また、幼動物に限らず乳幼児にも粉ミルク等の乳製品
を温水等に溶解して与えることが行われており、更に病
人に対しても乳製品やカゼイン含有栄養剤を水や温水等
に溶解して給与されている。その際に一回分の給与量を
給与のたびごとに溶解して給与するのが困難な場合には
数回分の給与量を一度に多量の温水等に溶解して給与す
ることが行われているが、この場合にも後者の給与方法
では溶解後長時間経過することによって変質の問題が生
じていた。
そして、上記のような変質の問題は上記以外にも乳製
品やカゼインを使用する種々の食品の製造に際しても生
じていた。
脱脂粉乳、粉ミルク等の乳製品、すなわちカゼイン含
有製品における上記のような変質を防止するために、従
来プロピオン酸およびその塩のような防黴剤が使用され
ているが、プロピオン酸およびその塩のような防黴剤は
法律でその添加量が厳しく規制されており、規制値以下
で使用した場合には充分な変質防止効果を示さなかっ
た。また、乳製品の変質は主としてそこに含まれている
カゼインにより生じることから、変質の元となるカゼイ
ンを除いた飼料や食品等も製造されているが、栄養価の
高いカゼインを除いた製品は栄養バランスを欠いたもの
となり望ましくなく、またカゼインの除去に余分の手間
や設備を要するために製品の価格も高いものになり不経
済であった。更に、凝集の原因となる遊離のカゼインの
生成をなくすために、カゼインをペプチドに分解して使
用することも行われているが、その場合には苦味を呈す
るようになって食感が低下し、また低分子化によって浸
透圧の上昇を招き飼料、食品、栄養剤等において使用す
るには適切ではなかった。
[発明の内容] 上記の点から、本発明者等は、腐敗、発酵、凝集、分
離等の変質が生じにくく、かつ食感が良好でしかも人間
や動物の自然な消化吸収生理に合致した安定化されたカ
ゼイン含有物質を求めて研究を続けてきた。その結果、
プロピオン酸またはその塩とともに、グリシンおよび第
二リン酸塩を更に組合せて使用すると上記の目的にかな
った変質のない安定なカゼイン含有物質が得られること
を見出した。
したがって、本発明は、(a)第二リン酸塩、(b)
グリシンならびに(c)プロピオン酸またはその塩を含
有することを特徴とするカゼイン含有物質である。
更に、本発明は、(a)第二リン酸塩、(b)グリシ
ンならびに(c)プロピオン酸またはその塩からなるカ
ゼイン含有物質用安定剤をも包含する。
上記本発明における「カゼイン含有物質」とは、カゼ
インを含有する物質であればいずれでもよく特に限定さ
れない。
カゼイン含有物質は、動物および人間に給与されるカ
ゼイン含有物質であることができ、更に動物や人には給
与されない工業的にまたは実験上使用されるカゼイン含
有物質であってもよい。
また、ガゼイン含有物質は液状、ペースト状、固体状
(粉末状、粒子状、塊状等)等のいずれの形態であって
もよい。カゼイン含有物質が液状、ペースト状等の元々
多量の液体(特に水分)を含有する変質の生じ易い形態
である場合には、第二リン酸塩、、グリシンおよびプロ
ピオン酸またはその塩の存在により、長期間腐敗、発
酵、凝集、分離等の変質を生じずそのまま安全な液状や
ペースト状を保ち得る。また、カゼイン含有物質が液体
(水分)含量の低い固体状の場合には液状物やペースト
状物に比べてそれ自体安定ではあるが、第二リン酸塩、
グリシンおよびプロピオン酸またほその塩の存在により
固体重カゼイン含有物質を水や温水等の液体と混合した
り、液体に溶解して使用する場合に変質の生じにくい安
定な液状物、ペースト状物質の液状含有物を得ることが
できる。
本発明で対象としているカゼイン含有物質の例を挙げ
ると、カゼイン自体;牛乳、加工乳、乳飲料等の液状
乳;全脂粉乳、脱脂粉乳調製、粉等の粉乳;クリーム
類;練乳類;その他の乳製品含有食品や菓子類;経腸栄
養剤、経腸栄養食をはじめとするカゼインまたは乳製品
含有栄養剤;動物用の液状または固体状代用乳等が含ま
れる。それらのカゼイン含有物質のうちでも、本発明
は、幼動物用の代用乳等に対して適している。
上記したように、本発明ではカゼイン含有物質に対し
て(a)第二リン酸塩、(b)グリシンならびに(c)
プロピオン酸またはその塩の3者を組合わせて使用する
ことが必要であり、(a)〜(c)のうちのいずれか一
つを欠いても上記した目的を達成できない。
本発明で使用する第二リン酸塩(a)は、リン酸−水
素塩とも称され、リン酸の3個の水素原子のうちの2個
が塩形成に関与しているが、該第二リン酸塩としては、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等の第
二リン酸アルカリ金属塩;リン酸水素二アンモニウム;
リン酸−水素カルシウム、リン酸−水素マグネシウム等
の第二リン酸アルカリ土類金属塩等を使用することがで
き、それらのうちでもリン酸水素二ナトリウム、リン酸
水素二カリウム等が好ましい。
また、本発明では(c)成分としてプロピオン酸およ
びその塩のいずれもが使用でき、(c)成分はプロピオ
ン酸単独、プロピオン酸塩単独またはプロピオン酸とそ
の塩との混合物であってもよい。プロピオン酸塩を使用
する場合には、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸
カリウム等のプロピオン酸のアルカリ金属塩:プロピオ
ン酸カルシウム、プロピオン酸マグネシウム等のプロピ
オン酸のアルカリ土類金属等が使用できる。それらのう
ちで、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピ
オン酸カルシウム等が好ましい。
そして、本発明では、カゼイン含有物質中に第二リン
酸塩を0.1〜5%、グリシンを0.5〜5%、そしてプロピ
オン酸またはその塩を0.05〜0.5%で使用するのがよ
く、またカゼイン含有溶液とした場合には第二リン酸塩
を0.02〜1%、グリシンを0.1〜1%、そしてプロピオ
ン酸またはその塩を0.01〜0.1%で使用するのが好まし
い。
第二リン酸塩、グリシンならびにプロピオン酸または
その塩の使用量が多いほど安定化作用は一般に増加する
傾向にあるが、それらのいずれもが低分子量化合物であ
るために添加量が多すぎるとカゼイン含有物質の浸透圧
が高くなって動物や人間に給与した場合に下痢等を誘発
し易くなり、またカゼイン含有物質の嗜好性を低下させ
るので、上記の範囲が望ましい。
カゼイン含有物質への第二リン酸塩、グリシンならび
にプロピオン酸またはその塩の添加は任意の方法で行う
ことができる。それらは同時に添加しても、または逐次
に添加してもよく、カゼイン含有物質が例えば液状で使
用される場合には、液状にする前の固体状態の時に添加
しても、または液状にした後に添加してもよい。
上記したように、第二リン酸塩、グリシンならびにプ
ロピオン酸またはその塩を含有する本発明のカゼイン含
有物質は、液状、ペースト状および固体状等の任意の形
態で保存、流通、販売、使用することができる。
更に、上記のように本発明は、(a)第二リン酸塩、
(b)グリシンならびに(c)プロピオン酸またはその
塩からなるカゼイン含有物質用の安定剤をも包含してい
るが、その場合には前記(a)、(b)および(c)の
3者からなる混合物を形成し、それをカゼイン含有物質
とは別個のものとして保存、流通、販売することができ
る。
また、本発明の安定化されたカゼイン含有物質および
前記(a)〜(c)の3者からなる安定剤は、カゼイン
含有物質の変質を招かない限りは、上で挙げた種々のカ
ゼイン含有物質において通常使用されているビタミン、
ミネラル、増粘剤等の他の種々の成分、添加剤等を必要
に応じて含むことができる。
[発明の効果] カゼイン含有物質に対して、第二リン酸塩、グリシン
ならびにプロピオン酸またはその塩を使用する本発明で
は、カゼイン含有物質の腐敗、発酵、凝集、分離等の変
質を防止し、カゼイン含有物質を長期間安定に保存可能
にし、これはカゼイン含有物質が液状やペースト状等の
変質し易い水分含量の多い製品である場合に特に有効で
ある。
そして、カゼイン含有物質の変質を防止できる結果と
して、栄養価に優れたカゼイン含有物質を動物や人間等
に下痢等の疾病を発生することなく給与することがで
き、その成育や体力の回復等を大幅に促進することがで
きる。
また、本発明のカゼイン含有物質は食感も良好であり
摂取し易い。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが本発
明はそれによって限定されるものではない。
実施例 1 下記の表−1に示した成分をミキサーでよく混合して
幼豚用代用乳1〜8を調製した。該代用乳1〜8の各々
200gを45℃の温水800mlに各々溶かして37℃で24時間保
存し、そのときの凝集状態を下記の表−2に示した評価
基準にしたがって調べた。
その結果を表−1に示す。
[表−2:凝集状態の評価基準] 4……硬いゲル状に凝固する 3……ゲル状に凝固する 2……のり状に凝固する 1……全く凝固せず、液状を呈している 表−1の結果から、リン酸水素ナトリウム、グリシン
およびプロピオン酸ナトリウムの3者を含有する本発明
の代用乳1は37℃で24時間保存した後も凝集を生じてお
らず安定な液状を呈し幼豚に対して安心して給与できる
のに対して、リン酸水素二ナトリウム、グリシンおよび
プロピオン酸ナトリウムを何ら含まない、或はそれらの
うちの1者または2者のみを含む代用乳2〜8は凝集を
生じており幼豚に給与することができないことがわか
る。
実際に上記本発明の代用乳1を初生豚6頭(0日令1.
0kg/頭)に300ml/日・頭の割合で3日間に亘って給与し
た場合には初生豚による摂餌性が良好で下痢の発生も見
られず体重が1.2kg/頭に増加していた。
実施例 2 下記の表−3に示した配合からなる混合物を調製し
た。
[表−3] 全脂粉乳 600g 脱脂粉乳 200g 動物性油脂 50g ブドウ糖 25g ホエイ蛋白 50g デキストリン 25g リン酸−水素二ナトリウム 5g グリシン 40g プロピオン酸カルシウム 5g 上記の混合物をミキサーで充分に混合した後、その20
0gを採り、45℃の温水800mlに溶かして子牛用の代用乳
を調製した。
これを37℃で24時間保存したが凝集物は何ら生じてお
らず安定な液状を呈していた。
この代用乳を子牛5頭(1週令:45kg/頭)に3.6/
日・頭の割合で給与し、更に市販子牛用人工乳飼料(粗
蛋白18%、TDN76%)と乾草、水は自由に摂取できる状
態にして5週間に亘って飼育した場合には子牛による摂
餌性が良好で下痢の発生も見られず体重が65kg/頭に増
加していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23K 1/18 A23K 1/18 B D A23L 1/305 A23L 1/305 A61K 38/17 A61K 47/02 K 47/02 47/12 K 47/12 47/18 K 47/18 37/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)第二リン酸塩、(b)グリシンなら
    びに(c)プロピオン酸またはその塩を含有することを
    特徴とするカゼイン含有物質。
  2. 【請求項2】(a)第二リン酸塩、(b)グリシンなら
    びに(c)プロピオン酸またはその塩からなることを特
    徴とするカゼイン含有物質用安定剤。
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