JP2815045B2 - 画像特徴抽出装置,画像特徴解析装置,および画像照合システム - Google Patents

画像特徴抽出装置,画像特徴解析装置,および画像照合システム

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JP2815045B2 JP8353220A JP35322096A JP2815045B2 JP 2815045 B2 JP2815045 B2 JP 2815045B2 JP 8353220 A JP8353220 A JP 8353220A JP 35322096 A JP35322096 A JP 35322096A JP 2815045 B2 JP2815045 B2 JP 2815045B2
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
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    • G06V10/40Extraction of image or video features
    • G06V10/48Extraction of image or video features by mapping characteristic values of the pattern into a parameter space, e.g. Hough transformation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋や掌紋などの
皮膚紋様等に関する画像の特徴を抽出する画像特徴抽出
装置,当該画像の特徴を解析する画像特徴解析装置,お
よび当該画像の照合を行う画像照合システムに関する。
なお、以下においては、皮膚紋様の画像を対象とした上
記の装置およびシステム(皮膚紋様特徴抽出装置,皮膚
紋様特徴解析装置,皮膚紋様照合システム)で代表させ
て、各種の説明を行う。ただし、所定の特徴量を有する
画像であれば、皮膚紋様の画像に限定されることなく、
本願発明の対象とすることができることは、いうまでも
ない。
【0002】
【従来の技術】従来の「指紋や掌紋などの皮膚紋様の画
像」を照合する技術としては、特公昭63−34508
号公報に記載された「指紋照合装置」における指紋の特
徴点に基づく照合方式、いわゆるマニューシャ照合方式
がある。しかし、マニューシャ照合方式には、データ量
が多く処理時間がかかるという問題がある。
【0003】この問題を解決するために、例えば、内田
らの文献(内田ほか「大規模指紋データベース照合のた
めの照合候補選択」(電子情報通信学会技術報告,PR
U95−201(1996−01),1996年1月刊
行))に開示された十指カードの照合候補絞り込み方法
等が提案されている。
【0004】このような文献に記載された技術における
「指紋カード絞り込み」では、マニューシャ照合の前段
階として、指紋の大分類やコアやデルタなどの特異点間
の距離などの指紋の特徴が用いられて、マニューシャ照
合の照合候補を絞り込むための高速な粗照合が行われ
る。当該技術では、各指毎の渦状紋,右流てい状紋,左
流てい状紋,および弓状紋等の指紋紋様の大分類,なら
びに指紋のコアとデルタとの間の距離,コアとデルタと
の間を交差する隆線数が特徴量とされ、さらにそれらの
特徴量の確信度が用いられて、前記の粗照合が行われ
る。このような粗照合で用いられる特徴量は、データ量
でカード当たり高々数百バイトであり、カード当たり数
千バイト必要なマニューシャを用いた照合に比較してデ
ータ量も演算量も少なく、高速な照合が可能となる。こ
のために、内田らの文献の照合候補絞り込み技術は、マ
ニューシャ照合の前段階として照合候補を絞り込むこと
ができ、照合システム全体としてのコストパフォーマン
スを向上させることができる。
【0005】しかし、コアとデルタとの間の距離やその
間の交差隆線数などの特徴は、デルタが指紋の端にある
ために、回転押捺が十分でない場合にはその特徴を正確
に抽出することが難しいことが少なくない。ここで、回
転押捺とは、指紋を回転させながら指紋の印象を押捺す
ることであり、警察における指紋採取では一般的に行わ
れている。また、弓状紋の紋様の場合には、もともと指
紋印象の中にデルタが存任しないために、弓状紋に対す
る絞り込み性能は良くない。
【0006】絞り込み性能を向上させるための1つの方
法は、このような粗照合を行うための特徴量に加えて、
あるいは代替可能な良い特徴量を用いることである。こ
のような特徴量の1つとして、指紋の隆線の方向パター
ンがある。方向パターンを粗照合に利用している例とし
ては、笹川らの文献(笹川ほか「低品質画像への対応能
力を高めた個人確認用指紋照合装置」,電子情報通信学
会論文誌,Vol.J72−D−II,No.5,pp.
707−714,1989))に示されている「指紋照
合装置」がある。
【0007】しかし、指紋の隆線方向パターンのように
特数量の次元が多いと、高速な照合を行うことが困難で
あり、このような特徴量を用いる場合には次元の削減効
果があり、かつよい特徴量を抽出することが可能な特徴
抽出を行う必要がある。このような手段の1つとして、
主成分分析を用いた手法が良く知られている。例えば、
指紋の隆線方向に適用した例としては、C.L.Wil
sonらの文献(C.L.Wilson et.a
l.,“Massively ParallelNeu
ral Network Fingerprint C
lassification System”,NIS
TIR 4880,1992,Jul.,Nation
al Institute of Standards
andTechnology発行))に記載されてい
る方法がある。
【0008】この文献に記載された方法では、以下のよ
うに処理が行われる。まず、N個の学習用の指紋画像デ
ータが用意される。次に、局所的な隆線の流れの特徴で
ある隆線方向が特徴ベクトルとされ、その特徴ベクトル
の分布の主成分分析が行われ、固有値の大きい主成分ベ
クトルが予め求められる。この主成分ベクトルが用いら
れて、末学習の画像の特徴ベクトルのKarhunen
Lo
【外1】 ve展開(以下、「KL展開」と記す)が行われ、上位
次元の特徴が用いられて指紋画像の特徴が抽出される。
【0009】ここで、C.L.Wilsonらの文献に
も記されている「KL展開を用いた特徴抽出」につい
て、より詳しく説明する。
【0010】この方法では、まず学習データの特徴ベク
トル
【外2】 が用いられて次式で表される分散共分散行列
【外3】 が求められる。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、
【外4】 はM次元の列ベクトルとし、
【外5】 は特徴ベクトル
【外6】 の平均ベクトルである。tは行列の転置を意味する。ま
た、この分散共分散行列
【外7】 の固有値をλi (i=1,…,M;λi >λi+1 )と
し、固有値λi に対応する固有ベクトルを
【外8】 とする。この固有ベクトル
【外9】 は主成分ベクトルであり、固有値が大きいものから順に
第1主成分ベクトル,第2主成分ベクトル,…,第M主
成分ベクトルと一般に呼ばれる。処理対象となる未学習
の画像データの特徴ベクトル
【外10】 に対しては、1つまたは複数の固有値の大きい主成分ベ
クトル
【外11】 によって張る部分空間への
【外12】 の射影成分を用いる。この射影成分として、次式で表さ
れる平均値
【外13】 まわりの射影成分vi を用いている。
【0013】
【数2】
【0014】以上により得られるvi がKL展開により
得られる特徴量である。C.L.Wilsonらは、固
有値の大きな主成分ベクトルに対する上記の射影成分v
i を複数用いて、vi を要素とする特徴ベクトルを入力
特徴としてニューラルネットワークを用いた指紋分類を
行っている。しかし、彼らは、分類のみにこの特徴を利
用し、照合への応用については述べていない。
【0015】皮膚紋様画像に適用した例ではないが、こ
のようにKL展開を用いて抽出した特徴量を照合に用い
た例として、顔画像照合に適用した例がA.Pentl
andらの文献(M.Turk,A.Pentlan
d,“Eigenfacesfor Recognit
ion”,MIT Media Lab Vision
and Modeling Group,Techn
ical Report No.154およびB.Mo
ghaddam,A.Pentland,“Proba
bilistic Visual Learning
for Object Detection”,Pro
ceedings of the 5th Inter
national Conference on Co
mputer Vision,pp.786−793,
1995))に示されている。この文献では、顔画像の
各画素を要素とするベクトルを特徴ベクトルと見倣し
て、その特徴ベクトルをKL展開し、得られた特徴ベク
トルを用いて、ユークリッド距離やマハラノビス距離を
用いて顔画像の照合を行う方法が、述べられている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、内田
らの文献に記載された方法では、コアやデルタ間の距離
やその間の交差隆線数などの特徴は、デルタが指紋の端
にあるために、回転押捺が十分でない場合にはその特徴
を正確に抽出することが難しいことが少なくない。ま
た、弓状紋の紋様の場合には、もともと指紋印象の中に
デルタが存在しないために、弓状紋の絞り込み性能は良
くない。
【0017】さらに、前述のC.L.Wilsonらの
文献には、指紋分類に適用したKL展開による特徴抽出
方法については記述されているものの、この特徴を利用
して前述の内田らの文献に記載された方法のような照合
候補の絞り込み方式などの照合に適用した使用例は示さ
れていない。
【0018】KL展開により抽出した特徴量を皮膚紋様
の照合に利用した例はないが、KL展開を用いた特徴量
に対しては、例えば、前述のA.Pentlandらの
示した方法のようにユークリッド距離やマハラノビス距
離などを利用して顔画像と同様に処理することが可能で
ある。しかしながら、指紋などの皮膚紋様画像には非常
に低品質な画像が多く混在し、A.Pentlandら
の方法のように単純に特徴ベクトルのみを利用しても良
い情度は得られない。
【0019】これは、内田らの方法でも同様に言えるこ
とであるが、出力されている特徴量に対する信頼性の評
価が十分に行なわれていないがためである。内田らの方
法では、特徴量と確信度とを用いてパターン間の距離が
定義されているが、確信度がヒューリスティックに与え
られており、その効果は理論的に裏付けされているもの
ではない。
【0020】本発明は、このような問題を解決するべく
なされたものであり、その技術的課題は皮膚紋様画像等
の画像を効率良く照合するための照合技術を提供するこ
とにある。すなわち、本発明の目的は、精度が良く高速
な処理を可能ならしめる画像照合システム(皮膚紋様画
像等の画像の照合システム),ならびに画像特徴抽出装
置および画像特徴解析装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の構成 本発明は、以下に示すような構成(機能を含む)を有し
ている。
【0022】本発明の第1の画像特徴抽出装置は、画像
(皮膚紋様画像等)から特徴量を抽出する画像特徴抽出
装置において、画像の特徴ベクトルを抽出する特徴ベク
トル抽出手段と、画像の品質指標を抽出する品質指標抽
出手段と、前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出され
た特徴ベクトルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によ
って抽出された品質指標との間の相対関係を誤差分布情
報として記憶する誤差分布情報記憶手段と、前記品質指
標抽出手段から得られる品質指標を用いて、前記誤差分
布情報記憶手段に記憶される誤差分布情報を参照し、前
記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベクト
ルに対応する信頼度情報を特徴量に付与する信頼度付与
手段とを少なくとも備え、少なくとも特徴ベクトルと信
頼度情報とを画像の特徴量として抽出する。
【0023】また、本発明の第2の画像特徴抽出装置
は、画像(皮膚紋様画像等)から特徴量を抽出する画像
特徴抽出装置において、画像の特徴ベクトルを抽出する
特徴ベクトル抽出手段と、前記特徴ベクトル抽出手段に
よって抽出された特徴ベクトルのベクトル展開に必要な
パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記パラ
メータ記憶手段に記憶されているパラメータを用いて、
前記特徴ベクトル抽出手段から得られる特徴ベクトルを
ベクトル展開するベクトル展開手段と、画像の品質指標
を抽出する品質指標抽出手段と、前記ベクトル展開手段
によるベクトル展開後の特徴ベクトルの誤差分布と前記
品質指標抽出手段によって抽出された品質指標との間の
相関関係を誤差分布情報として記憶する誤差分布情報記
憶手段と、前記品質指標抽出手段から得られる品質指標
を用いて、前記誤差分布情報記憶手段に記憶される誤差
分布情報を参照し、前記ベクトル展開手段によるベクト
ル展開後の特徴ベクトルに対応する信頼度情報を特徴量
に付与する信頼度付与手段とを少なくとも備え、少なく
とも特徴ベクトルと信頼度情報とを画像の特徴量として
抽出する。
【0024】本発明の第1の画像特徴解析装置は、上記
の第1の画像特徴抽出装置における誤差分布情報記憶手
段に記憶される誤差分布情報を算出する画像特徴解析装
置であって、複数の画像(皮膚紋様画像等)の特徴ベク
トルを抽出する特徴ベクトル抽出手段と、複数の画像の
品質指標を抽出する品質指標抽出手段と、前記特徴ベク
トル抽出手段によって抽出された特徴ベクトルの誤差分
布と前記品質指標抽出手段によって抽出された品質指標
との間の相関関係を誤差分布情報として算出する誤差分
布情報解析手段とを少なくとも備える。
【0025】また、本発明の第2の画像特徴解析装置
は、上記の第2の画像特徴抽出装置における誤差分布情
報記憶手段に記憶される誤差分布情報を算出する画像特
徴解析装置であって、複数の画像(皮膚紋様画像等)か
ら特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出手段と、前
記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベクト
ルの分布を解析し、ベクトル展開に必要なパラメータを
算出するパラメータ算出手段と、前記パラメータ算出手
段によって算出されたパラメータを記憶するパラメータ
記憶手段と、前記パラメータ記憶手段に記憶されるパラ
メータを用いて、前記特徴ベクトル抽出手段から得られ
る特徴ベクトルをベクトル展開するベクトル展開手段
と、複数の画像の品質指標を抽出する品質指標抽出手段
と、前記ベクトル展開手段によるベクトル展開後の特徴
ベクトルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽
出された品質指標との間の相関関係を誤差分布情報とし
て算出する誤差分布情報解析手段とを少なくとも備え
る。
【0026】本発明の画像照合システムは、画像(皮膚
紋様画像等)から特徴量を抽出し、その特徴量を用いて
入力された画像と登録された画像との同一性を判定する
ことにより、画像の照合を行う画像照合システムにおい
て、上記の第1または第2の画像特徴抽出装置から得ら
れる特徴ベクトル,および当該特徴ベクトルに対する信
頼度情報を照合に必要な特徴量として少なくとも用い、
照合対象となる画像間の類似度を算出することによって
画像の同一性の判定を行う。
【0027】(2) 以上の構成等の基礎となる本発明
の考え方を以下に示す。
【0028】ある2つの特徴ベクトルが与えられたとき
に、その特徴ベクトル間の距離はさまざまな形で定義さ
れる。例えば、「画像解析ハンドブック」(高木ほか監
修,東京大学出版会,1991)のpp.652−65
8には、以下のユークリッド距離,重み付きユークリッ
ド距離,およびマハラノビス距離などが紹介されてい
る。例えば、n次元の2つの特徴ベクトルを
【外14】
【外15】 とすると、それぞれの距離は以下のように記述できる。
特に、マハラノビス距離は、特徴ベクトルが正規分布に
従うと仮定した場合には、もっとも自然な距離を与える
ことが知られている。
【0029】
【数3】
【0030】ここで、xi およびyi は、それぞれ、ベ
クトル
【外16】 および
【外17】 の要素である。また、wi は重み係数である。さらに、
【外18】 は特徴ベクトルの分布の分散共分散行列である。
【0031】特徴ベクトル
【外19】 および
【外20】 がKL展開された特徴ベクトルである場合には、式
(6)は次式のように書き直すことができる。このこと
は、前述のA.Pentlandらの文献にも示されて
いる。
【0032】
【数4】
【0033】ここで、λi は分散共分散行列
【外21】 の固有値であり、この固有値λi は特徴ベクトル全体の
分布またはその中の特徴ベクトルのクラス毎に計算され
る量である。KL展開を行った特徴に対するマハラノビ
ス距離は、式(7)に示されるように、行列演算を必要
とせず、式(5)と同じ形式の二乗和程度の演算を行え
ば良く、演算量の軽減が可能である。
【0034】ここで、特徴ベクトルの分布を特徴ベクト
ルの誤差と相関のある特徴量Qを基準にクラスC(Q)
に分ける場合を考える。「特徴ベクトルの誤差との相関
のある特徴量」をここでは「品質指標」と呼ぶことにす
る。
【0035】特徴ベクトルを判別するための距離値と品
質指標との関係を説明するために、まずここでは品質指
標Qに対応した同じ対象物から得られる異なる特徴ベク
トルについて考える。この特徴ベクトルはもともとの特
徴ベクトルの分布の分散共分散行列を用いてKL展開し
たものとする。展開後の特徴ベクトルのクラスC(Q)
毎の各次元iの分散値をλi (C(Q))とする。特徴
ベクトルの
【外22】
【外23】 とが同じクラスC(Q)に属すとするならば、2つの特
徴ベクトル
【外24】 および
【外25】 の間のマハラノビス距離は次式で表される。
【0036】
【数5】
【0037】ここで、λi (C(Q))は、同じ対象物
から得られる異なる特徴ベクトルの分布の分散値である
ので、これは特徴ベクトルの誤差分散を意味する。ただ
し、上式でマハラノビス距離と呼ぶためには、厳密には
クラスC(Q)の分布として正規分布を仮定し、その分
布の分散共分散行列の固有ベクトルがKL展開に用いた
分散共分散行列の固有ベクトルと等しい必要がある。
【0038】さて、品質指票Qと誤差分散λi (C
(Q))とに対して、図22に示すように、「品質指標
が良い程、誤差分散が小さい」という相関関係があると
する(図22ではある次元iの相関についてのみ示して
いる)。同じ画像から得られた異なった特徴ベクトルの
【外26】
【外27】 との距離を測るときに、特徴ベクトル
【外28】 と特徴ベクトル
【外29】 との品質指標が同じである場合を考える。
【0039】まず、品質指標が図22に示す 1Qであ
り、それに対応する誤差分散が 1λiである場合には、
2つの特徴ベクトルの距離D1
【外30】
【外31】 )は次式となる。
【0040】
【数6】
【0041】一方、上記と同じ特徴ベクトル
【外32】 および
【外33】 に対する品質指標が 2Qである場合には、2つの特徴ベ
クトルの距離D2
【外 【外34】
【外35】 )は次式となる。
【0042】
【数7】
【0043】ここで、各次元iの誤差分散が 1λi 2
λi であるとすれば、これらの2つの距離の大小関係
は、D1
【外36】
【外37】 )<D2
【外38】
【外39】 )となる。つまり、ユークリッド距離の意味では同じ距
離差である2つの特徴ベクトル
【外40】 および
【外41】 の間の距離に対して、品質指標が悪い(誤差分散 1λi
が大きい)場合には距離差を小さめに見積り、品質指標
が良い場合には距離差を信頼できるものとして大きめに
見積もるというように、品質指標に対して適応的に距離
値を変化させることが可能となる。
【0044】このように品質指標に応じて適応的に距離
差を変換できるということは重要である。これにより、
例えば、低品質な画像から得られたデータでも、誤った
棄却を少なくすることが効果的に達成される。
【0045】このように特徴抽出の精度を距離値に対し
て反映させる例として、前述の内田らの方法のように確
信度という値(これは特徴抽出の精度を反映させる量と
してヒューリスティックに決めた値)を用いて距離値を
定義する場合がある。しかし、この例では確信度と特徴
量差との積をとることによって距離値を定義しており、
確信度と特徴量との次元が全く異なっており、例えて言
えば身長に体重の差を乗じて距離値を定義しているよう
なものである。このような方法では、良好な結果を得ら
れる場合はあったとしても、統計的・理論的に精度が良
くなる保証は全くない。
【0046】一方、上記の説明のように、品質指標(確
信度と言ってもよい)を特徴ベクトルの誤差分散という
形で特徴ベクトルと同じ次元の値に変換することによ
り、特徴ベクトルと同じ次元の値による距離尺度の定義
が可能となる。その1つの形態として、正規分布などの
仮定すべき条件はあるものの統計的に裏付けのあるマハ
ラノビス距離を定義できるのである。このように、統計
的に裏付けのある距離値を定義することによって、良い
判別性能が得られるのである。
【0047】上記の例では、同じ対象物から得られた異
なる特徴ベクトルに対する距離について説明した。しか
し、これは、同一対象物に対する特徴ベクトルの場合に
は、特徴ベクトルの分布に対して正規分布となるという
仮定を行うことで厳密な意味でのマハラノビス距離とい
う統計的に意味のある距離値を与えることができること
を、説明したかったがためである。上記の品質指標を用
いることの本質的な利点は、図22に示したような品質
指標と特徴ベクトルの誤差分布との相関関係を距離定義
に反映することであり、厳密な意味でのマハラノビス距
離を定義することではない。
【0048】上記の品質指標に応じた適応的なマハラノ
ビス距離の定義は、同じ対象物に属する異なる特徴ベク
トルの品質指標毎の特徴ベクトルの誤差分散を求めるこ
とによって算出できる量である。このような量を求める
ことは、対象物の種類が少数であり、かつ同一性を確認
する場合のような特殊な場合の照合では適用可能であ
る。しかし、犯罪捜査で用いられる遺留指紋照合のよう
に未知の対象物の同定を行う場合には、このような距離
の定義では不適当であり、対象物が異なるときの距離も
定義する必要がある。
【0049】このような場合には、例えば、以下に述べ
るような距離値を定義すればよいであろう。
【0050】距離定義において最も重要な要素は、品質
指標(あるいは確信度)に対して誤差分散を関連付ける
ことであるので、距離値の定義においては次の〜に
示す条件を仮定する。
【0051】 特徴ベクトルに重畳する誤差は、品質
指標に依存し、特徴ベクトルには依存しない。
【0052】 特徴ベクトルに重畳する誤差の分布
は、正規分布である。
【0053】 2つの特散ベクトルの差に対応する誤
差は、それぞれの特徴ベクトルの誤差から推定してもよ
い。
【0054】以上の条件をもとに、マハラノビス距離に
類似した距離関数として次式に示す距離関数
【外42】
【外43】
【外44】 )を定義する。
【0055】
【数8】
【0056】ここで、 xλi および yλi はそれぞれ特
徴ベクトルの要素xi およびyi の品質指標に対応した
誤差分布の分散であり、
【外45】 はxi −yi に重畳する誤差の推定量である。誤差分散
xλi および yλi は、それぞれ予め図22に示したよ
うな相関関係を調べておくことで求めることができる。
【0057】しかし、通常のマハラノビス距離は固有値
(λi )の小さい部分でノイズの影響を大きく受けやす
いために識別性能が劣化するという問題点が指摘されて
いる(例えば、加藤ほか「改良マハラノビス距離を用い
た高精度な手書き文字認識」,電子情報通信学会論文
誌,Vol.J79−D−II,No.1,pp.45−
52,1996)。この問題を解決するために、次式を
利用して距離関数を定義してもよい。
【0058】
【数9】
【0059】ここで、αは同一のパターンから得られた
特徴ベクトルの差の集合であり、P(di |α)はその
集合における差の分布、つまり誤差分布である。また、
βは個別の対象物によらずパターン全体から得られる特
徴ベクトルの差の集合であり、P(di |β)はそのベ
クトル差の分布である。分布関数P(di |α)および
P(di |β)として正規分布を仮定すると、まず分布
関数として次式が得られる。
【0060】
【数10】
【0061】ただし、
【外46】 および
【外47】 は、それぞれ分布関数P(di |α)およびP(di
β)の分散である。この分布関数に基づいて、式(1
3)を展開すると、次式の距離関数が得られる。
【0062】
【数11】
【0063】すなわち、式(19)の右辺の第1項の平
方根を求めれば、式(11)で定義したマハラノビス距
離に類似した距離関数を構成することができる。両者の
違いは、式(19)では特徴ベクトルの各次元毎に重み
係数
【数12】 が付与されている点である。この重み係数は、誤差分布
と全体のパターンの分布とに応じて求められるものであ
る。誤差分布が全体のパターン分布に比較して十分小さ
い場合には、重み係数は大きな値となり、その次元を重
視することを意味する。一方、誤差分布と全体のパター
ン分布とが同程度であるような場合には、重み係数は小
さな値となり、相対的にその次元を無視する効果を得る
ことができ、ノイズの影響を受けやすい固有値λi が小
さい特徴量を含んでいても良好な結果が得られる。
【0064】以上のような考え方に基づいて、上記の
(1)に示す構成が導出される。ただし、以上述べた点
は、主にKL展開を特徴量とした場合における効果であ
る。このような効果を述べた理由は、品質指標に応じて
誤差分布を求め、それを照合に反映させる本発明の有効
性を統計的・理論的に示すことが容易にできるためであ
る。本発明の対象となる特徴量が、必ずしもKL展開を
行った特徴量に限られるものではない。本発明において
最も重要な点は、品質指標に応じて適応的に特徴量の誤
差を測定し、その誤差に基づく信頼性によって画像の照
合を行う枠組を提供する点にある。KL展開を用いて特
徴量を抽出するのは、その効果的な実現形態の1つに過
ぎない。
【0065】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げ、図面を参
照し、本発明について詳細に説明する。なお、先にも述
べたが、ここでは、画像特徴抽出装置,画像特徴解析装
置,および画像照合システムのうちで、皮膚紋様特徴抽
出装置(皮膚紋様画像を処理対象の画像とする画像特徴
抽出装置),皮膚紋様特徴解析装置(皮膚紋様画像を処
理対象の画像とする画像特徴解析装置),および皮膚紋
様照合システム(皮膚紋様画像を処理対象の画像とする
画像照合システム)に特化させて、説明を行う。
【0066】
【実施例】下記の(1)〜(7)に、皮膚紋様照合シス
テムおよび皮膚紋様特徴解析装置について、いくつかの
実施例を示す。なお、皮膚紋様特徴抽出装置は皮膚紋様
照合システムの構成要素として組み込まれるものである
ので、以下では、皮膚紋様特徴抽出装置の実施例を独立
して挙げることはしない(皮膚紋様照合システムの構成
要素として組み込まれる皮膚紋様特徴抽出装置は「特徴
抽出部」と呼ぶことにする)。
【0067】(1) 本発明の皮膚紋様照合システムの
第1の実施例 図1は、本発明の皮膚紋様照合システムの第1の実施例
の基本構成を示すブロック図である。
【0068】図1に示すように、本実施例の皮膚紋様照
合システムは、皮膚紋様(皮膚紋様画像)からその皮膚
紋様の特徴データを抽出する特徴抽出部11と、特徴抽
出部11から抽出される特徴データをデータベース化し
て管理するデータベース部12と、特徴抽出部11から
抽出される特徴データを用いて当該特徴データとデータ
ベース部12に保存される各特徴データとの照合を行う
照合部13と、全体を制御するための制御部14(図1
では図面が複雑になるためにその接続関係を省略してい
る)とを含んで構成されている。なお、先に述べたよう
に、特徴抽出部11が、皮膚紋様特徴抽出装置に該当す
る。
【0069】特徴抽出部11は、指紋または掌紋などの
皮膚紋様を画像として入力する画像入力手段101と、
画像入力手段101から入力された皮膚紋様画像から特
徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出手段102と、
特徴ベクトル抽出手段102で抽出された特徴ベクトル
を主成分ベクトル記憶手段104に記憶された主成分ベ
クトルを用いてKL展開して特徴情報を生成するベクト
ル展開手段103と、特徴ベクトルの特徴量に対応する
主成分ベクトルを記憶する主成分ベクトル記憶手段10
4と、特徴ベクトルの特徴量と品質指標との間の相関量
を表す誤差分布情報を記憶する誤差分布情報記憶手段1
05と、画像入力手段101で入力された品質指標を抽
出する品質指標抽出手段106と、品質指標抽出手段1
06で抽出された品質指標と誤差分布情報記憶手段10
5に記憶された誤差分布情報とを用いてベクトル展開手
段103により抽出される特徴量の信頼度を付与する信
頼度付与手段107とを備え、ベクトル展開手段103
で得られる特徴情報および信頼度付与手段107で得ら
れる信頼度情報を皮膚紋様の特徴データとして出力す
る。
【0070】データベース部12は、データ記憶手段1
09に記憶させる特徴データを登録や照会に応じて管理
するデータベース管理手段108と、特徴抽出部11か
ら得られる特徴データを記憶するデータ記憶手段109
とを備える。
【0071】照合部13は、特徴抽出部11から得られ
る特徴データとデータベース部12に保存されている各
データとの類似度を算出する類似度算出手段110と、
類似度算出手段110の算出結果から一致/不一致の判
定を行う判定手段111とを備え、皮膚紋様の照合を行
い照合結果を出力する。
【0072】図2は、本実施例の皮膚紋様照合システム
の動作を説明するための図である。
【0073】図3は、品質指標抽出手段106の構成の
一例を示すブロック図である。
【0074】図4は、誤差分布情報記憶手段105内の
2次元のテーブルの一例を示す図である。
【0075】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様照合システムの動作について説明する。ここで
は、本実施例の皮膚紋様照合システムを用いて指紋照合
を行う場合を例に説明する。
【0076】第1に、特徴抽出部11の処理について説
明する。
【0077】特徴抽出部11内の画像入力手段101
は、スキャナや2次元CCD(Charge Coup
led Device)カメラなどを用いて、ディジタ
ル二次元画像として指紋紋様を入力する。近年ではネッ
トワークを介して遠隔地に画像を伝送する技術も発達し
ているため、必要があれば遠隔地からの指紋画像を電子
的なネットワークを利用して入力するように構成しても
よい。なお、ここでは500DPI(Dot Per
Inch)の解像度で撮像された512×512画素の
大きさの画像を取り扱うものとして説明する。
【0078】特徴ベクトル抽出手段102は、画像入力
手段101から入力された皮膚紋様の画像(ここでは、
指紋画像)から特徴ベクトルを抽出する。特徴ベクトル
として抽出する特徴は、隆線方向や隆線ピッチなどさま
ざまな特徴が考えられるが、ここでは隆線方向特徴に注
目し、特開平8−7097号公報に記載された隆線方向
抽出装置を利用して特徴ベクトルを抽出する場合につい
て説明する。
【0079】ここでの説明では、画像入力手段101か
ら入力された指紋画像(ディジタル画像)の水平・垂直
座標をx,yと表し、画像データをf(x,y)(x=
1,2,…,512;y=1,2,…,512)と表す
ことにする。特開平8−7097号公報に記載された隆
線方向抽出装置では、画像データf(x,y)内に予め
設定された局所領域C毎にその局所領域Cの隆線方向を
抽出することができる。抽出される隆線方向θ(C)
は、ラジアン単位で0≦θ(C)<πの範囲の値であ
る。局所領域Cとしては、512×512画素の画像の
水平・垂直方向それぞれ32画素おきに設定され、計2
56(=16×16)個の局所領域C(C=1,2,
…,256)が設定される。
【0080】図2に、隆線方向の抽出例を図示する。図
2では、線分の向きによって隆線方向を表現しており、
その線分の長さによってその信頼度を表現している。隆
線方向を特開平8−7097号公報のように0≦θ
(C)<πの範囲の角度で表現すると、本来θ=0とθ
=πとが同じ隆線方向を意味するものであるにもかかわ
らず、数値としてはθ=0とθ=πとで不連続となるの
で、特徴ベクトルとしては不都合である。このため、抽
出された隆線方向θ(C)を次式に従って演算し、ベク
トル形式の表現に変換する。
【0081】
【数13】
【0082】ここで、ux (C)およびuy (C)は変
換後の隆線方向データを表す。
【0083】以上のようにして、特徴ベクトル抽出手段
102は、全局所領域Cのベクトル形式の隆線方向デー
タux (C)およびuy (C)を要素とする512次元
のベクトルを特徴ベクトル
【外48】 として出力する。つまり、特徴ベクトル
【外49】 の要素は、次式で表すことができる。
【0084】
【数14】
【0085】ベクトル展開手段103は、主成分ベクト
ル記憶手段104に記憶された主成分ベクトルに基づい
て、特徴ベクトル抽出手段102より抽出された特徴ベ
クトル
【外50】 をKL展開する。主成分ベクトル記憶手段104に記憶
される主成分ベクトルとしては、例えば、後述の「皮膚
紋様特徴解析装置の第1の実施例」によって算出された
結果が用いられる。ここでは、L個の主成分ベクトルが
記憶されているとし、これらをベクトル
【外51】 (i=1,2,…,L)と表すことにする。このベクト
【外52】 は、特徴ベクトル
【外53】 と同じ次元数を持つベクトルであり、以下では列ベクト
ルとして表記する。
【0086】ベクトル展開手段103は、特徴ベクトル
【外54】 と主成分ベクトル
【外55】 とを用いて、L個の各主成分ベクトル毎に次式に従って
演算を行い特徴ベクトル
【外56】 をKL展開する。
【0087】
【数15】
【0088】したがって、KL展開には、式(24)で
表されるL次元の特徴ベクトル
【外57】 を得ることができる。後述の「皮膚紋様特徴解析装置の
第1の実施例」の説明でも述べるが、次元数Lとして
は、数次程度で精度が得られるので、例えば5次元の場
合でも、もともとの隆線方向特徴の次元数512次元に
比較してデータ量を約100分の1程度に減少させるこ
とができる。
【0089】
【数16】
【0090】また、予め複数の画像から採取した特徴ベ
クトル
【外58】 の平均値である平均値ベクトル
【外59】 を求めてある場合には、式(23)の代わりに前述の式
(3)に従って演算することによって特徴ベクトル
【外60】 を展開しても構わない。
【0091】次に、品質指標抽出手段106は、以下に
示すような処理を行って、品質指標を抽出する。
【0092】この品質指標は、特徴ベクトル
【外61】 に加わっている誤差と相関があるデータであれば、どの
ようなデータであっても構わない。ここでは、前述の特
開平8−7097号公報に示されている隆線方向の抽出
時の信頼度を利用して品質指標を計算する場合を例に説
明する。
【0093】図3に、隆線方向の信頼度を用いて品質指
標データを計算する場合の品質指標抽出手段106の構
成例を示す。この品質指標抽出手段106は、画像デー
タ31を入力として隆線方向の信頼度を抽出する隆線方
向信頼度抽出手段301と、主成分ベクトルを記憶する
第2の主成分ベクトル記憶手段302と、隆線方向信頼
度抽出手段301から得られる信頼度データと第2の主
成分ベクトル記憶手段302に記憶される主成分ベクト
ルとを用いて品質指標データ32を生成するデータ変換
手段303とを備える。
【0094】隆線方向信頼度抽出手段301は、特開平
8−7097号公報に記載された隆線方向抽出装置によ
って構成される。この隆線方向抽出装置では、前述の各
局所領域Cに対する隆線方向θ(C)と共に、その隆線
方向θ(C)の抽出の信頼度(以下、これをq(C)と
記す)を算出することができる。したがって、隆線方向
信頼度抽出手段301は、この信頼度データを出力する
ことで、隆線方向の信頼度q(C)を抽出する。なお、
この場合の隆線方向信頼度抽出手段301の構成は、特
徴ベクトル抽出手段102の構成と重複する部分がある
ので、両者を共通化しても構わない。
【0095】第2の主成分ベクトル記憶手段302は、
主成分ベクトル記憶手段104に記憶される前述のL個
の主成分ベクトル
【外62】 と同じデータを記憶している。これもまた、特徴抽出部
11としては構成が重複するので、主成分ベクトル記憶
手段104と第2の主成分ベクトル記憶手段302とを
共通化しても構わない。
【0096】データ変換手段303は、前述の方向の信
頼度q(C)と主成分ベクトル
【外63】 とを利用して、次式によって表される値を品質指標Qi
として算出する。
【0097】
【数17】
【0098】ここで、Ψi (C)は主成分ベクトル
【外64】 の各要素である。画像の品質指標Qi は、L個の主成分
ベクトル
【外65】 に各々対応してL個計算される。次式のように、L個の
i を要素とするベクトルを
【外66】 と表す。
【0099】
【数18】
【0100】データ変換手段303は、このベクトル量
【外67】 を品質指票データ32として出力する。
【0101】誤差分布情報記憶手段105は、予め誤差
分布情報(後述の皮膚紋様特徴解析装置の第1の実施例
等によって算出しておいた誤差分布情報)を記憶してい
る。後述の特徴解析装置の第1の実施例は、特徴ベクト
【外68】 の各要素vi に対応するベクトル
【外69】 の要素Qi が与えられたときのvi の誤差の標準偏差σ
(vi ;Qi )を算出するものである。誤差分布情報記
憶手段105は、離散化したQi に対するvi の標準偏
差を図4に示すような2次元のテーブルとして格納して
いる。
【0102】信頼度付与手段107は、品質指標抽出手
段106から得られる品質指標ベクトル
【外70】 に対応する標準偏差の値を誤差分布情報記憶手段105
内のテーブル値を参照することで算出し、信頼度を表す
ベクトルを出力する。例えば、品質指標データのベクト
【外71】 の要素Q1 が、α1 ≦Q1 <α2 であるならば、図4の
σ1,2 の標準偏差の値を出力する。同様に、他の要素Q
i についてもQi の値に応じてテーブル値を参照し、標
準偏差の値を出力する。出力される値を各要素Qi に応
じてσi と表すことにすると、信頼度付与手段107は
信頼度を表すベクトルとして次式のベクトル
【外72】 を出力することになる。
【0103】
【数19】
【0104】第2に、データベース部12の処理につい
て説明する。データベース部12は、制御部14から送
られる制御信号に従って、データを登録したり、照会要
求に応じてデータを照合部13に送ったりする。
【0105】データの登録の時には、データベース管理
手段108は、例えばデータID(IDentific
ation)などのデータの管理情報と共に特徴抽出部
11から得られる特徴ベクトル
【外73】 および信頼度ベクトル
【外74】 をデータ記憶手段109に登録する。
【0106】データ記憶手段109は、DRAM(Dy
namic Random Access Memor
y)などの半導体メモリとハードディスクなどの記憶媒
体とが用いられて構成される。
【0107】通常の指紋照合装置では、1指あたりの指
紋のデータ量が大きいために(例えば、浅井ほか「マニ
ューシャネットワーク特徴による自動指紋照合−照合過
程−」(電子情報通信学会論文誌,vol.J72−D
−II,No.5,pp.733−740,1989)に
記載されている照合方式では1指あたりおよそ1000
バイトのデータ量となる)、全てのデータをDRAM上
に登録させておくことはコスト的に難しく、ハードディ
スクなどのアクセスが遅い記憶媒体を用いざるを得なか
った。また、DRAMなどのメモリを用いて高速化して
も、データ転送量が多くなるためにデータの転送が処理
のボトルネックとなる場合が多かった。
【0108】しかし、本実施例、ひいては本発明の皮膚
紋様照合システムでは、登録する特徴ベクトル
【外75】 および信頼度ベクトル
【外76】 の次元数Lを5次元としても、1つの指紋あたりのデー
タ量は10次のデータだけであり、1次元あたり1バイ
トとすれば10バイトのデータ登録量で済ませられる。
例えば、一千万指(=107 指)のデータを登録した場
合でも、高々100Mバイト程度の容量にしかならな
い。このため、データ記憶手段109においては、DR
AMなどのアクセスが高速な半導体メモリ上に照合対象
となる全てのデータを登録することがコスト的に可能と
なる。データ記憶手段109において、ハードディスク
も合わせて記憶媒体とするのは、あくまでバックアップ
用であり、障害時の復旧用として用いるためである。ま
た、DRAMとハードディスクとの代わりにフラッシュ
メモリなどの不揮発性メモリを用いた半導体ディスクを
用いてもよい。
【0109】照会時には、データベース管理手段108
は、データ記憶手段109に登録されている各特徴ベク
トル
【外77】 および信頼度ベクトル
【外78】 を照合部13に送る。
【0110】第3に、照合部13の処理について説明す
る。
【0111】照合部13は、制御部14からの要求(照
会要求)に応じて、特徴抽出部11から送られるデータ
とデータベース部12から送られる各データとの一致/
不一致を判定し、一致と見做されたデータのデータID
などの管理情報を照合結果として出力する。以下に、こ
の照合部13について詳しく説明する。
【0112】照合部13内の類似度算出手段110は、
特徴抽出部11から送られる特徴ベクトルおよび信頼度
ベクトルと、データベース部12から送られる特徴ベク
トルおよび信頼度ベクトルのデータとを用いて、その間
の類似度を算出する。ここでは、特徴抽出部11から送
られる特徴ベクトルおよび信頼度ベクトルをそれぞれ
【外79】 および
【外80】 と表記し、データベース部12から送られる特徴ベクト
ルおよび信頼度ベクトルのデータをそれぞれ
【外81】 および
【外82】 と表記することにする。
【0113】類似度算出手段110は、先に説明した式
(19)に基づいて定義した次式の類似度z(
【外83】
【外84】
【外85】
【外86】 )の値を算出する。
【0114】
【数20】
【0115】ここで、
【外87】 および
【外88】 はそれぞれ特徴ベクトル
【外89】 および
【外90】 の要素を表し、
【外91】 および
【外92】 はそれぞれ信頼度ベクトル
【外93】 および
【外94】 の要素を表す。
【0116】この計算で得られる類似度z(
【外95】
【外96】
【外97】
【外98】 )は、値が小さい程類似していることを示す尺度であ
り、値が小さい程2つのデータが似ていることを意味す
る。
【0117】なお、類似度算出手段110は、上記の式
によらず次式のように計算することによって類似度を算
出することもできる。
【0118】
【数21】
【0119】式(29)を用いて類似度を計算する場合
には、予め照会側(特徴抽出部11から送られてくる
側)の信頼度ベクトル
【外99】 やデータベース側(データベース部12から送られてく
る側)の信頼度ベクトル
【外100】 の各要素を平方根の逆数1/(σi 1/2 )の形で予め計
算しておくことによって、より演算量を少くすることが
可能であり、速度を向上させることができる。なお、式
(29)は分布関数として、正規分布ではなく双指数分
布(kexp(−a x )の関数形をしている)を仮
定したときに導くことができる距離の定義式である。双
指数分布は、特異なノイズが多い場合の推定に用いられ
ることがあり、式(29)による方が式(28)による
よりも、低品質な画像を取り扱う場合には、良い精度で
識別を行うことができる。
【0120】また、
【外101】 および
【外102】 はそれぞれパラメータである。これらのパラメータは、
予め定めておくものである。その定め方の1つの方法と
しては、次のように計算すれば、容易に定めることがで
きる。
【0121】すなわち、同一の指紋から得られた個別の
画像のK個の対(例えば、K=10000で一万指の
対)を用意する。用意されたデータから、特徴抽出部1
1によって演算される特徴ベクトル
【外103】 と信頼度ベクトル
【外104】 とを各データに対して算出しておく。対となるデータを
【外105】
【外106】 および
【外107】
【外108】 (j=1,2,…,K)と表記するとして、例えば次式
に従ってパラメータ
【外109】 および
【外110】 を算出する。
【0122】
【数22】
【0123】判定手段111は、類似度算出手段110
によって得られた類似度z(
【外111】
【外112】
【外113】
【外114】 )に基づき、データベース部12に登録されているデー
タについて同一と見倣せるデータの情報を照合結果とし
て出力する。
【0124】なお、類似度算出手段110における式
(28)や式(29)の累積の計算では、累積計算の各
ステップにおいて予めしきい値よりも大きい距離値にな
った場合には「同一と見倣せないデータ」と判定し累積
計算を打ち切ってもよい。このように処理を打ち切るこ
とによって、演算量の大幅な削減が可能となる。
【0125】(2) 本発明の皮膚紋様特徴解析装置の
第1の実施例 図5は、本発明の皮膚紋様特徴解析装置の第1の実施例
(皮膚紋様特徴解析装置51)の基本構成を示すブロッ
ク図である。
【0126】本実施例の皮膚紋様特徴解析装置51は、
皮膚紋様画像のデータセットからその特徴ベクトルを抽
出し、その特徴ベクトルの分布情報を解析するものであ
って、特徴ベクトルの分布の主成分ベクトルおよび品質
指標と特徴ベクトルとの誤差の相関関係の情報である誤
差分布情報を算出する。
【0127】図5に示すように、この皮膚紋様特徴解析
装置51は、皮膚紋様の画像データから特徴ベクトルを
抽出する特徴ベクトル抽出手段501と、特徴ベクトル
抽出手段501から得られる特徴ベクトルの皮膚紋様画
像のデータ分布の主成分ベクトルを算出する主成分ベク
トル算出手段502と、主成分ベクトル算出手段502
によって得られる主成分ベクトルを記憶する主成分ベク
トル記憶手段503と、主成分ベクトル記憶手段503
の主成分ベクトルを用いて、特徴ベクトル抽出手段50
1によって得られる特徴ベクトルをKL展開するベクト
ル展開手段504と、皮膚紋様画像から品質指標情報を
抽出する品質指標抽出手段505と、品質指標抽出手段
505から得られる品質指標情報とベクトル展開手段5
04によって得られた特徴ベクトルとの誤差分布の相関
関係を解析する誤差分布情報解析手段506とを含んで
構成されている。
【0128】図6は、本実施例の皮膚紋様特徴解析装置
51の処理を示す流れ図である。この処理は、画像デー
タ特徴ベクトル抽出ステップ601と、分散共分散行列
算出用統計計算ステップ602と、全データ終了判定ス
テップ603と、平均値ベクトルおよび分散共分散行列
算出ステップ604と、主成分ベクトル算出ステップ6
05と、品質指標算出ステップ606と、特徴ベクトル
抽出ステップ607と、特徴ベクトルKL展開ステップ
608と、特徴ベクトル誤差算出ステップ609と、誤
差分布情報算出用統計計算ステップ610と、全データ
終了判定ステップ611と、誤差分布情報出力ステップ
612とからなる。
【0129】図7は、本実施例の皮膚紋様特徴解析装置
51の解析結果(品質指標に対する誤差の標準偏差の実
験結果)の一例を示す図である。
【0130】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様特徴解析装置51の動作について説明する。ここ
では、先に説明した皮膚紋様照合システムの第1の実施
例(指紋を対象とした皮膚紋様照合システム)の主成分
ベクトル記憶手段104および誤差分布情報記憶105
に記憶させておく主成分ベクトルおよび誤差分布情報の
データを算出する場合の動作を例に説明する。
【0131】本発明の皮膚紋様特徴解析装置では、皮膚
紋様画像のデータセットを用意する必要があり、ここで
の説明では先に説明した指紋の照合を行う皮膚紋様照合
システムの第1の実施例に対応させて指紋画像のデータ
を用意する。この指紋データとして、N指の対の指紋デ
ータ計2N(=N′)指分のデータがあるとする。Nと
しては、一万指程度あれば比較的良好な結果が得られる
が、多ければ多い程よりよい結果が得られる。これらの
画像データセットは、皮膚紋様照合システムの第1の実
施例で述べたようなスキャナなどの適当な画像入力手段
を用いて入力しても構わないが、市販の指紋画像データ
ベースを画像データセットとして用いても構わない。例
えば、米国のNational Institute
of Standards and Technolo
gy(以下、NISTと略す)が発行している指紋画像
データベースNIST Special Databa
se 14などが利用可能である。ただし、NISTの
データベースを利用する場合には、512×512画素
に指紋を切り出す必要がでてくる。これは、特開平1−
271884号公報に開示されている指紋中心検出方式
によって、指紋画像中の中心位置を定め、その点を基準
に切り出しておけばよい。
【0132】以下、図6の流れ図を用いて説明する。
【0133】まず、主成分ベクトルの抽出動作について
説明する(図6ステップ601〜605参照)。
【0134】ステップ601〜605の処理では、K個
のデータの各々について指紋画像データの特徴ベクトル
が抽出され、そのベクトルの分布の分散共分散行列を求
めるための演算が行われ、得られた分散共分散行列から
主成分ベクトルが求められる。
【0135】特徴ベクトル抽出手段501は、図1中の
特徴ベクトル抽出手段102と同様に、式(22)で表
される指紋の隆線方向をM次元の特徴ベクトル
【外115】 (i=1,2,…,M)として抽出する(ステップ60
1)。
【0136】主成分ベクトル算出手段502は、得られ
た特徴ベクトル
【外116】 について、まず式(1)で述べた分散共分散行列
【外117】 を求めるための演算を行う(ステップ602)。この演
算は、式(1)を用いると、まずN′個の
【外118】 について式(2)により平均値
【外119】 を計算した後に、もう一度N′個の
【外120】 を用いて式(1)によって分散共分散行列を計算する必
要がある。したがって、2N個の
【外121】 データをメモリ上に保持するか、あるいは、特徴ベクト
【外122】 の抽出を画像データから再度行う必要がでてくる。この
ため、主成分ベクトル算出手段502は、ここでは、式
(1)を変形して得られる次の式(34)に従って演算
を行う。
【0137】
【数23】
【0138】つまり、ステップ602の処理では、平均
値ベクトル
【外123】 を求めるためのベクトルの累和演算と、式(34)の右
辺第1項の
【数24】 を算出するためのM×M行列である
【外124】
【外125】 の累和の演算とを行えばよい。これらの演算は1つ1つ
の特徴ベクトル
【外126】 が抽出された時点で計算可能であるので、全データの特
徴ベクトル
【外127】 を同時に保持したり、画像データから特徴ベクトル
【外128】 を再度抽出したりする必要はない。
【0139】主成分ベクトル算出手段502は、データ
セットの全ての画像についてステップ601および60
2の処理が繰り返された後に(ステップ603参照)、
得られた結果に基づいて、平均値ベクトル
【外129】 および分散共分散行列
【外130】 をそれぞれ式(35)および式(34)に基づいて算出
する(ステップ604)。
【0140】次に、主成分ベクトル算出手段502は、
ステップ604の処理において得られた分散共分散行列
【外131】 から特徴ベクトル
【外132】 の分布の主成分分析を行い、主成分ベクトルを求める
(ステップ605)。なお、主成分分析は、広く知られ
ている方法であり、例えば、前述のC.L.Wilso
nらの文献でも簡単に記述されており、前述の「画像解
析ハンドブック」(pp.40−42)にも解説されて
いる。
【0141】M×M次元の分散共分散行列
【外133】 に対して、M個の主成分ベクトル
【外134】 (i=1,2,…,M;主成分ベクトルに対応する固有
値が大きい順に第1主成分ベクトル,第2主成分ベクト
ル,…,第M主成分ベクトルと呼ぶ)を計算することが
できる。このうち数個のベクトルを用いればよく、この
主成分ベクトルの選定は、KL展開した後の特徴ベクト
ルを用いて実際に照合処理を行うなどして実験的に定め
ればよい。指紋画像の場合には、上位の2つの主成分ベ
クトルが特に良好な特性を持っており、主成分ベクトル
の固有値が大きい上位5〜6個の主成分ベクトルを用い
れば十分である。以下では、L個の主成分ベクトルを選
択した場合について説明する。
【0142】主成分ベクトル算出手段502は、L個の
主成分ベクトル
【外135】 を、主成分ベクトル記憶手段503に保存する。
【0143】以上により、主成分ベクトル
【外136】 の抽出が終了する。
【0144】次に、誤差分布の解析動作について説明す
る(図6ステップ606〜612参照)。
【0145】誤差分布の解析では、対のデータセットか
ら得られるKL展開後の特徴ベクトルの対の間での誤差
分布と品質指標との間の相関関係が解析される。
【0146】この誤差分布の解析では、対のデータセッ
トは前述のN個の対の指紋画像データセットが用いられ
る。もっとも、このデータセットは主成分ベクトルの抽
出の際に用いたデータセットと同じである必要はなく、
ある程度大量の同一指紋から得られた異なる画像データ
のセットであればよい。
【0147】ステップ606〜611の処理では、対と
なる各画像データの品質指標とKL展開とにより特徴ベ
クトルが抽出され、その誤差分布情報が求められる。
【0148】品質指標抽出手段505は、前述の「皮膚
紋様照合システムの第1の実施例」における処理と同様
に、対となるデータの品質指標を算出する(ステップ6
06)。得られる品質指標を
【外137】 (i=1,2,…,N;j=1,2)とすると、次式で
表される量となる。
【0149】
【数25】
【0150】なお、ここで、qi,j,l (C)およびΨl
(C)は、それぞれ式(25)で説明した隆線方向信頼
度およびKL展開に用いる主成分ベクトルである。算出
された品質指標
【外138】 は、誤差分布情報解析手段506に送られる。
【0151】一方、特徴ベクトル抽出手段501は、対
となる画像データの特徴ベクトルを抽出する(ステップ
607)。抽出された対の特徴ベクトルを
【外139】 (i=1,2,…,N;j=1,2)とする。
【0152】ベクトル展開手段504は、得られたM次
元の特徴ベクトル
【外140】 に対して、KL展開を行う(ステップ608)。すなわ
ち、主成分ベクトル記憶手段503に記憶されたL個の
主成分ベクトル
【外141】 (l=1,2,…,L)を用いて、式(38)に従って
KL展開を行い、KL展開後の特徴ベクトル
【外142】 を得る。
【0153】
【数26】
【0154】得られた特徴ベクトル
【外143】 は、誤差分布情報解析手段506に送られる。
【0155】誤差分布情報解析手段506は、品質指標
抽出手段505から送られる対の各データの品質指標
【外144】 およびベクトル展開手段504から送られる特徴ベクト
【外145】 を用いて、品質指標と誤差分布との相関関係を解析す
る。より具体的には、対の特徴ベクトル
【外146】 と品質指票
【外147】 とが送られたときに、前述の図4に示した品質指標
【外148】 の値と各要素(この各要素は
【外149】 の各要素と対応している)とに応じた
【外150】 の誤差の標準偏差のテーブルを作成する。つまり、品質
指標
【外151】 の各要素k毎に、その値を離散化し、離散化した品質指
標値に対応するテーブルエントリ毎に式(40)に示す
誤差の標準偏差を計算する(ステップ609)。
【0156】
【数27】
【0157】ここで、Nk,l は各テーブルエントリ毎の
データ数であり、式(40)の2つの総和記号のうち右
辺のはじめの総和記号Σi の演算は、テーブルエントリ
毎の対のデータにわたる和である。式(40)では、同
じ指紋から得られる異なった特徴ベクトルvi,j,l の平
均値からのずれを誤差と定義しており、対のデータの
(つまり2つのデータしかない)場合には式(41)に
示すように単に値の差vi,1,l −vi,2,l を2つのデー
タの差の誤差と見倣していることになる。同じ画像から
複数得られる場合には、平均値の推定精度は良くなり誤
差の推定精度も向上するので、できるだけデータセット
は多い方が望ましい。
【0158】誤差分布情報解析手段506は、実際に
は、以下のように処理を行う。
【0159】まず、予め品質指標の
【外152】 の値の分布幅を調べておいて、その分布から
【外153】 の各要素を離散化するためのしきい値を求めておく。例
えば、品質指標ベクトル
【外154】 の各要素の値域がQmin からQmax の範囲に分布する場
合には、この値域を例えば等間隔に256(=n)区分
するようにしきい値を求める。このしきい値を、それぞ
れα1 ,α2 ,…,αn-1 とする。
【0160】次に、品質指標
【外155】 の各要素k毎に、値をαi と比較した上で離散化し、ど
のテーブルエントリに対応するか調べる。対応するエン
トリ毎に、式(41)の誤差の総和部分Σi (vi,1,l
−vi,2,l 2 を求めるための演算を行う(ステップ6
10)。なお、データエントリ中に標準偏差を求めるた
めのデータが1個以下しかない場合には、式(41)の
演算を実施できないので、この場合には適当な規定値を
標準偏差としてセットする。規定値としてセットする値
としては、誤差が大きいものと推測して、計算して得ら
れるσi,j の最大値程度にしておけばよい。また、前述
のように「256段階」というように品質指標の値を細
かく離散化した場合には、標準偏差を計算するときに、
データ不足を補うために前後の品質指標値に対応する統
計量を平均化して標準偏差を求めた方がよい。
【0161】データセット中の全ての対データについて
ステップ606〜611の処理が終了し場合には(ステ
ップ611参照)、誤差の標準偏差のテーブルエントリ
毎に式(40)で定義される標準偏差を計算し、計算結
果を誤差分布情報として出力する(ステップ612)。
【0162】以上により、先に説明した皮膚紋様照合シ
ステムの第1の実施例に用いられる主成分ベクトルや誤
差分布情報を算出することができる。図7に、特徴ベク
トルのある次元iにおける品質指標値に対する誤差の標
準偏差の実験結果のグラフを示す。
【0163】(3) 本発明の皮膚紋様照合システムの
第2の実施例および本発明の皮膚紋様特徴解析装置の第
2の実施例
【0164】上記の(1)および(2)で述べた皮膚紋
様照合システムの第1の実施例および皮膚紋様特徴解析
装置の第1の実施例では、品質指標として隆線方向抽出
における固有値の値を用いた場合について説明した。こ
こで説明する実施例では、これとは別に、入力された特
徴ベクトルと特徴ベクトル本来の分布からの距離とを用
いて品質指標を算出する場合の皮膚紋様照合システムお
よび皮膚紋様特徴解析装置について説明する。
【0165】まず、本実施例における品質指標の測定の
原理について説明する。
【0166】本実施例では、ノイズがない状態で特徴ベ
クトルが分布する閉空間までの距離を特徴ベクトルの品
質を測る尺度基準として採用し、特徴ベクトルが分布す
る閉空間をサンプル点によって代表させ、最も近いサン
プル点までの距離を品質指標として定義する。
【0167】以下、品質指標抽出の原理について具体的
に説明する。ノイズの重畳がなく品質が良いパターンか
ら得られた特徴ベクトルの分布は、その特徴ベクトルと
同じ次元数を持つベクトルが張る空間内のある一定の範
囲の閉空間中に局在する。例えば、図8に示したΩが特
徴パターンが分布する閉空間であるとする。品質指標が
十分に良く、特徴ベクトルに対してノイズが重畳してい
ないと見倣せる特徴ベクトルのデータサンプルが与えら
れる場合を考える。このようなデータサンプルを、図8
の中では閉空間Ω内のサンプル点として表している。
【0168】閉空間中Ω中のデータサンプル数ns が十
分大きければ、閉空間Ω中にはデータサンプルが密に存
在し、最も近い特徴ベクトルとの間の距離は0に近づ
く。つまり、サンプルデータ数が無限に多い理想的な極
限状態では、閉空間Ω中の任意の特徴ベクトル
【外156】 について、次式が成り立つ。
【0169】
【数28】
【0170】ここで、本来ノイズがない状態では閉空間
Ω中の特徴ベクトル
【外157】 となるパターンが、ノイズ
【外158】 の重畳により、図8に示すように閉空間Ωの外側の特徴
ベクトル
【外159】 として抽出された場合を、考える。
【0171】本実施例で定義する品質指標の値は、特徴
ベクトル分布空間Ω中の
【外160】 に最も近いサンプル点
【外161】 との距離
【数29】 である。この距離は、サンプル数が無限に多い理想的な
極限状態では、閉空間Ωまでの距離と同値となる。
【0172】したがって、予めノイズが少ない特徴ベク
トルをデータベースに登録しておき、そのデータベース
中のデータとの間の距離の最小値を求めることで、近似
的に特徴ベクトルが分布する閉空間Ωまでの距離を測定
することができる。
【0173】次に、具体的な実施例について説明する。
本実施例の皮膚紋様照合システムまたは皮膚紋様特徴解
析装置では、(1)または(2)で述べた皮膚紋様照合
システムまたは皮膚紋様特徴解析装置の第1の実施例に
おける品質指標抽出手段106または505,信頼度付
与手段107,誤差分布情報記憶手段105,および誤
差分布情報解析手段506についてその構成や動作に変
更を加えるものであり、それ以外の部分に関しては、基
本的な構成や動作に変更はない。ただし、図1または図
5ではベクトル展開手段103または504と品質指標
抽出手段106または505との間の接続関係を示して
いないが、本実施例における品質指標抽出手段はKL展
開後の特徴ベクトルを入力するものとし、ベクトル展開
手段103または504からその特徴ベクトルを入力す
るものとする。
【0174】図9は、本実施例における品質指標抽出手
段90の構成を示すブロック図である。この品質指標抽
出手段90は、データベース903内の特徴ベクトルと
入力の特徴ベクトルとの間の距離を算出する距離算出手
段901と、距離算出手段901から得られる距離の中
で最も距離が小さい値を更新・保持する距離更新手段9
02と、KL展開した特徴ベクトルを入力として予めK
L展開した特徴ベクトルを複数登録してあるデータベー
ス903と、全体を制御する制御手段904とを備え
る。
【0175】図10は、品質指標抽出手段90の処理を
示す流れ図である。この処理は、特徴ベクトル距離算出
ステップ1001と、距離最小値更新ステップ1002
と、全データ処理終了判定ステップ1003とからな
る。
【0176】図11および図12は、本実施例の動作を
説明するための図である。
【0177】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様照合システムまたは皮膚紋様特徴解析装置におけ
る品質指標抽出手段90の動作について説明する。ここ
では、図10に示した品質指標抽出手段90の処理のフ
ローに従って説明を行う。
【0178】まず、距離算出手段901は、入力された
特徴ベクトルとデータベース903中の特徴ベクトルと
の類似度(距離)を計算する(ステップ1001)。
【0179】データベース903中に登録しておく特徴
ベクトルは、予め高品質な複数の画像を用いて抽出した
KL展開後の特徴ベクトルである。高品質か否かの判定
は、目視によって選んでも構わないが、次のような基準
により自動的に判定しても構わない。つまり、同一紋様
から少なくとも2つ以上の画像から得られるKL展開後
の特徴ベクトルの誤差の標準偏差を調べ、誤差の標準偏
差が十分に小さい画像をノイズが少ない高品質な画像と
判定する。データベース903中に登録しておく特徴ベ
クトルの数は、指紋の場合には一万指程度あればよい。
【0180】特徴ベクトルの距離は、例えば式(4)に
示したユークリッド距離を用いて算出される。
【0181】距離更新手段902は、距離算出手段90
1で算出された距離の大きさが最小であれば、距離の最
小値として更新・保持する(ステップ1002)。
【0182】制御手段904は、データベース903中
の全ての特徴ベクトルについての距離算出および最小値
の更新が終了しているか否かを判断し(ステップ100
3)、全てのデータに対する処理が終了するまでステッ
プ1001および1002の処理を繰り返す制御を行
う。
【0183】品質指標抽出手段90は、最終的に得られ
た距離の最小値を品質指標値Qとして出力する。本実施
例の場合の品質指標は、皮膚紋様照合システムまたは皮
膚紋様特徴解析装置の第1の実施例で示した品質指標と
は違い、ベクトル量ではなくスカラ量である。
【0184】本実施例の皮膚紋様特徴解析装置は、前述
の品質指標抽出手段90から得られる品質指標値Qを用
いて、誤差分布情報解析手段により品質指標に対する誤
差分布のテーブルを作成する。これは、皮膚紋様特徴解
析装置の第1の実施例での説明における各品質指標ベク
トル
【外162】 の各要素Qi を同一の品質指標値Qであると見倣して品
質指標値に対する誤差の標準偏差を算出することによっ
て実現される。
【0185】もっとも、この演算によって得られるテー
ブルは、図4に示したような2次元テーブルである必要
はなく、図11に示すような1次元テーブルで十分であ
るので、誤差分布情報としてはこの1次元テーブルを出
力する。前述のようにして実際に得られた誤差の標準偏
差の1次元テーブルの例をグラフ表現した図を、図12
に示す。
【0186】本実施例の皮膚紋様照合システムは、前述
の品質指標抽出手段90によって得られる品質指標値Q
を用いて、照合を行う。この場合の動作について、図1
を用いて説明する。
【0187】図1中の品質指標抽出手段106における
処理は、品質指標抽出手段90によって行われる。ただ
し、図1では、品質指標抽出手段106の入力は画像入
力手段101であるが、品質指標抽出手段90はベクト
ル展開手段103から得られるKL展開された特徴ベク
トルを入力とする。
【0188】誤差分布情報記憶手段105は、前述の皮
膚紋様特徴解析装置によって得られる誤差分布情報を1
次元テーブルとしてメモリ上に記憶しておく。
【0189】信頼度付与手段107は、品質指標抽出手
段106(ここでは品質指標抽出手段90によって実現
される)から得られるスカラ量の品質指標値Qをテーブ
ル参照のエントリとして用いて、誤差分布情報記憶手段
105に1次元テーブルとして記憶されている誤差分布
情報を参照し、品質指標値に対する誤差の標準偏差を出
力する。
【0190】上記で説明した以外の処理は、先に述べた
皮膚紋様照合システムの第1の実施例と同様に処理を行
うことで、照合処理を実現することができる。
【0191】(4) 本発明の皮膚紋様照合システムの
第3の実施例および本発明の皮膚紋様特徴解析装置の第
3の実施例
【0192】ここでは、隆線方向パターンの標準パター
ンとの距離を用いた品質指標を用いる場合の皮膚紋様照
合システムおよび皮膚紋様特徴解析装置(それぞれの第
3の実施例)について説明する。
【0193】図13は、本実施例における品質指標抽出
手段の基本構成を示すブロック図である。
【0194】本実施例における品質指標抽出手段130
は、入力される隆線方向パターンおよびその信頼度を記
憶する第1方向パターン記憶手段1301と、第1方向
パターン記憶手段1301および第3方向パターン記憶
手段1306に記憶されている方向パターンおよびその
信頼度を用いて2つのパターン間の距離を算出する距離
算出手段1302と、距離算出手段1302によって算
出された距離値が最適値であるか否を判定し距離値およ
びそのときのアフィンパラメータを更新・保持するパラ
メータ更新手段1303と、隆線方向の標準パターンお
よびその信頼度を記憶する第2方向バターン記憶手段1
304と、第1方向パターン記憶手段1301または第
2方向パターン記憶手段1304に記憶される方向パタ
ーンおよびその信頼度をアフィン変換するアフィン変換
手段1305と、アフィン変換手段1305によって変
換された方向パターンおよびその信頼度を記憶する第3
方向パターン記憶手段1306と、アフィン変換のパラ
メータをはじめとして全体の動作を制御する制御手段1
307とを備える。
【0195】図14は、本実施例における品質指標抽出
手段130の処理を示す流れ図である。この処理は、ア
フィン変換ステップ1401と、距離算出ステップ14
02と、距離およびアフィンパラメータ更新・保持ステ
ップ1403と、全探索範囲処理終了判定ステップ14
04とからなる。
【0196】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様照合システムまたは皮膚紋様特徴解析装置におけ
る品質指標抽出手段130の動作について説明する(図
14参照)。
【0197】入力されるパターンは、皮膚紋様照合シス
テムの第1の実施例で説明した降線方向パターンθ
(C)と、その隆線方向抽出の信頼度q(C)とする。
第2方向パターン記憶手段1304に記憶する標準パタ
ーンΘ(C)およびその信頼度Q(C)は、例えば一万
(=n)指の隆線方向パターンθi (i=1,2,…,
n)からその平均値を次式により予め算出しておく。
【0198】
【数30】
【0199】アフィン変換手段1305は、予め設定し
た並進・回転の変位量の探索範囲内の値(Δx,Δy,
Δθ)に応じて、アフィンパラメータを定め、方向パタ
ーンおよびその信頼度をアフィン変換する(ステップ1
401)。
【0200】アフィン変換は広く知られたアルゴリズム
であり、例えば前述の「画像ハンドブック」(pp.4
23−429)にも解説があるので、ここでは詳しい説
明は省略する。ただし、方向パターンのアフィン変換
は、通常の画像のアフィン変換と比べて異なる点があり
注意が必要である。それは、隆線方向パターンθ(C)
の各要素の値は、座標系に対して相対的に定義される方
向であり、アフィン変換のような座標系の回転に対して
その値は不変ではない。したがって、座標系の回転Δθ
に対しては、方向パターンの要素値θ(C)にΔθの補
正を加える。
【0201】アフィン変換後の隆線方向パターンおよび
信頼度は、第3方向パターン記憶手段1306に記憶さ
れる。アフィン変換し第3方向パターン記憶手段130
6に登録しておく部分は、第1方向パターン記憶手段1
301に記憶される方向パターンと同じ大きさとする。
アフィン変換する際に参照点がない部分に関しては、信
頼度を0の値に設定する。なお、予め第2方向パターン
記憶手段1304に登録しておく隆線方向パターンおよ
びその信頼度の標準パターンを大きめに作っておくと、
参照点がない部分を少なくすることができ、精度を向上
させることができる。
【0202】並進・回転の変位量(Δx,Δy,Δθ)
の範囲としては、隆線方向パターンθ(C)が16×1
6の大きさであるので、例えば並進の変位量Δx,Δy
として[−4,−3,…,+3,+4]の範囲とし、回
転Δθとして[−30,−20,…,+20,+30]
の範囲として、9×9×7=567個の変位について探
索すればよい。また、特開平1−271884号公報に
開示された指紋中心検出方式などを利用して、指紋の中
心点を基準に並進の探索範囲を限定すれば、探索範囲を
狭められるので高速化することができる。
【0203】距離算出手段1302は、第1方向パター
ン記憶手段1301上の隆線方向パターンθ(C)およ
びその信頼度q(C)と、標準パターンΘx (C),Θ
y (C)およびその信頼度Q(C)とを用いて、次式に
従って距離Dを算出する(ステップ1402)。
【0204】
【数31】
【0205】ただし、
【数32】
【0206】ここで、F(・)はアフィン変換を表し、
γはパラメータで例えば0.5程度の値とすればよい。
【0207】パラメータ更新手段1303は、対象パタ
ーンに対する距離値Dが最小値であるか否かを判定し、
最小値であればその距離値とアフィンパラメータとを更
新・保持する(ステップ1403)。
【0208】品質指標抽出手段130は、制御部130
7の制御に従って、ステップ1401〜1403の処理
を繰り返し(ステップ1404参照)、並進・回転の変
位量の全ての探索範囲について式(47)の計算を行
い、その値の最小値を品質指標として出力する。
【0209】本実施例の皮膚紋様照合システムまたは皮
膚紋様特徴解析装置は、上述のような動作を行う品質指
標抽出手段130を構成要素として備えることによって
実現される。品質指標抽出手段130から出力された品
質指標はスカラ量であり、「品質指標抽出手段から得ら
れるデータの形式」としては皮膚紋様照合システムまた
は皮膚紋様特徴解析装置の第2の実施例と全く同様な形
式にすることが可能である。このため、本実施例の皮膚
紋様照合システムまたは皮膚紋様特徴解析装置における
他の動作はそれぞれの第2の実施例と同様に行えばよい
ので、その説明は省略する。
【0210】なお、最小値を与えるアフィンパラメータ
を利用して、入力パターンをアフィン変換すれば入力隆
線方向パターンの座標整合を行うことができるので、皮
膚紋様照合システムおよび皮膚紋様特徴解析装置におけ
る第1の実施例における入力画像あるいは特徴抽出した
方向パターンなどの特徴量に対して、アフィン変換を加
えて座標整合を行っても構わない。
【0211】本実施例では、並進・回転の変位量に対す
る距離算出に対してその都度アフィン変換を行うように
しているが、探索範囲の全ての変位量に対してアフィン
変換を行ったデータを予め作成しデータベースを作成し
ておき、皮膚紋様照合システムまたは皮膚紋様特徴解析
装置の第2の実施例のように登録されたデータベース内
のデータとの距離差を算出して処理を行っても構わな
い。このように、処理時間のかかるアフィン変換の処理
を予め済ませておくことで、高速化を図ることができ
る。
【0212】(5) 本発明の皮膚紋様照合システムの
第4の実施例 複数の処理手段で得られた複数の品質指標を用いて指紋
の照合を行う場合の皮膚紋様照合システムの実施例(第
4の実施例)について、図15を用いて説明する。
【0213】本実施例の皮膚紋様照合システムは、第1
〜第3の実施例で説明した各種の品質指標抽出手段を利
用して照合を行い、各品質指標抽出において共通利用で
きる処理手段などは共有化して実現している。
【0214】図15は、本実施例の皮膚紋様照合システ
ムの基本構成を示すブロック図である。
【0215】本実施例の皮膚紋様照合システム(指紋の
照合システム)は、皮膚紋様からその画像の特徴データ
を抽出する特徴抽出部151と、その特徴データをデー
タベースとして持ちかつ管理するデータベース部152
と、データベースに登録された特徴データと照会にかけ
られたデータの特徴データとを照合する照合部153
と、全体を制御する制御部154とを含んで構成されて
いる。
【0216】上記の中で、特徴抽出部151以外の構成
は、第1の実施例で述べた構成と全く同一で構わないの
で、説明は省略する。
【0217】特徴抽出部151は、指紋を入力する画像
入力手段1501と、画像入力手段1502から入力さ
れた画像の隆線方向パターンとその隆線方向抽出の信頼
度とを抽出する隆線方向抽出手段1502と、座標整合
手段1508から得られる方向パターンを特徴ベクトル
としてその分布の主成分ベクトルを記憶する主成分ベク
トル記憶手段1503と、主成分ベクトル記憶手段15
03を用いて特徴ベクトルをKL展開するベクトル展開
手段1504と、ベクトル展開手段1504から得られ
る特徴ベクトルに基づいて予め登録しておいた特徴ベク
トルとの距離の最小値を求めることにより第2の品質指
標を求める空間距離算出手段1505と、座標整合手段
1508から得られる位置合わせを行った隆線方向パタ
ーンの信頼度と主成分ベクトルとを用いて特徴ベクトル
の各次元毎にその信頼度の寄与を調べて第3の品質指標
を求める寄与度算出手段1506と、指紋の中心を検出
する中心点検出手段1507と、中心点検出手段150
7から得られる指紋の中心座標を基準にして隆線方向パ
ターンおよびその信頼度の座標整合を行いかつその時の
適合度から第1の品質指標を算出する座標整合手段15
08と、第1誤差分布情報記憶手段1513に記憶され
る誤差の標準偏差を第1の品質指標をエントリとして参
照する第1信頼度付与手段1509と、第2誤差分布情
報記憶手段1514に記憶される誤差の標準偏差を第2
の品質指標をエントリとして参照する第2信頼度付与手
段1510と、第3誤差分布情報記憶手段1515に記
憶される誤差の標準偏差を第3の品質指標をエントリと
して参照する第3信頼度付与手段1511と、第1信頼
度付与手段1509,第2信頼度付与手段1510,お
よび第3信頼度付与手段1511から得られる3つの誤
差の標準偏差に基づいて誤差の標準偏差を推定し特徴ベ
クトルの信頼度として出力する信頼度推定手段1512
と、第1の品質指標に対応した特徴ベクトルの誤差の標
準偏差をルックアップテーブルとして記憶しておく第1
誤差分布情報記憶手段1513と、第2の品質指標に対
応した特徴ベクトルの誤差の標準偏差をルックアップテ
ーブルとして記憶しておく第2誤差分布情報記憶手段1
514と、第3の品質指標に対応した特徴ベクトルの誤
差の標準偏差をルックアップテーブルとして記憶してお
く第3誤差分布情報記憶手段1515とを備え、皮膚紋
様画像から特徴ベクトルと推定した誤差の標準偏差とを
特徴データとして出力する。
【0218】上述の各処理手段は、信頼度推定手段15
12を除いて、第1〜第3の実施例で述べたものによっ
て容易に実現できるので、以下では信頼度推定手段15
12以外は簡略に説明する。
【0219】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様照合システムの動作について説明する。
【0220】隆線方向抽出手段1502は、第1の実施
例と同様に、特開平8−7097号公報に開示された方
式により隆線方向パターンとその信頼度とを抽出する。
【0221】座標整合手段1508は、第3の実施例で
述べた品質指標抽出手段130と同様に、方向パターン
を入力として、隆線方向の標準パターン位置合わせを行
い、最も標準パターンと整合するときの標準パターンと
の距離値(式(47)による距離の最小値)を第1の品
質指標として出力する。なお、座標整合における並進・
回転の変位の探索範囲は、中心点検出手段1507を基
準に設定する。また、最も座標整合するときのアフィン
変換係数に基づいて方向パターンとその信頼度とをアフ
ィン変換し、隆線方向パターンと信頼度の位置を正規化
しておく。なお、座標整合手段1508から出力される
方向パターンは、第1の実施例の説明における式(2
2)で示したように、ベクトル形式で表現した特徴ベク
トルとする。
【0222】ベクトル展開手段1504は、第1の実施
例で説明したように、式(23)に従って主成分ベクト
ル記憶手段1503の主成分ベクトルを用いてKL展開
を行う。
【0223】空間距離算出手段1505は、第2の実施
例で説明した品質指標抽出手段90と同様に、特徴ベク
トルと予め登録してあるデータベース中の特徴ベクトル
との最小距離を求めることで、第2の品質指標を抽出す
る。
【0224】寄与度算出手段1506は、第1の実施例
に示した品質指標抽出手段106と同様に、特徴ベクト
ルの各次元毎の隆線方向パターンの信頼度を式(25)
に従って算出し、得られる寄与度を第3の品質指標とし
て出力する。
【0225】第1信頼度付与手段1509,第2信頼度
付与手段1510,および第3信頼度付与手段1511
のそれぞれは、上述のようにして得られた第1,第2,
および第3の品質指標のそれぞれを用いて、特徴ベクト
ルの各次元毎の誤差の標準偏差をテーブルルックアップ
により求め、信頼度としてそれぞれ出力する。
【0226】第1信頼度付与手段1509,第2信頼度
付与手段1510,および第3信頼度付与手段1511
によって参照される誤差の標準偏差のテーブルは、それ
ぞれ第1誤差分布情報記憶手段1513,第2誤差分布
情報記憶手段1514,および第3誤差分布情報記憶手
段1515に記憶しておく。これらはそれぞれ、第3の
実施例,第2の実施例,および第1の実施例において説
明したのと同様に、特徴ベクトルの誤差分布を解析する
ことで得られる。
【0227】さて、このように第1信頼度付与手段15
09、第2信頼度付与手段1510,および第3信頼度
付与手段1511から得られた特徴ベクトルの各次元の
誤差の標準偏差である信頼度をベクトル表記し、それぞ
【外163】
【外164】 ,および
【外165】 とする。
【0228】信頼度推定手段1512は、与えられた3
つの信頼度ベクトルから1つの信頼度ベクトル
【外166】 を推定する。この推定は、以下の演算に従って行われ
る。
【0229】
【数33】
【0230】なお、
【外167】 は、推定した信頼度ベクトル
【外168】 の各要素を表し、 jσi は、信頼度ベクトル
【外169】 の各要素を表す。
【0231】ところで、上式の代わりに以下の式に従っ
て信頼度ベクトル
【外170】 を推定しても構わない。
【0232】
【数34】
【0233】したがって、信頼度推定手段1512は、
得られた信頼度ベクトル
【外171】 とKL展開した特徴ベクトルとを特徴抽出部151の処
理結果として出力する。
【0234】このように複数の品質指標値から得られた
信頼度を統合して用いることで、互いの品質指標抽出の
欠点を補い良好な結果を得ることができる。
【0235】(6) 本発明の皮膚紋様照合システムの
第5の実施例 次に、特徴ベクトルとして画像のフーリエ特徴を用いた
場合の本発明の皮膚紋様照合システム(指紋の照合シス
テム)の実施例(第5の実施例)について説明する。
【0236】まず、図16を用いて、その原理について
説明する。
【0237】指紋の代表的な紋様として、弓状紋,てい
状紋,および渦状紋などがある。これらの紋様は独自な
形状をしており、それらの画像のフーリエ変換の2次元
パワースペクトラムは、図16に示すような特徴を有し
ている。
【0238】図16のa1は弓状紋であり、b1はてい
状紋であり、c1は渦状紋である。a2,b2,および
c2はそれぞれ弓状紋,てい状紋,および渦状紋の指紋
画像のフーリエパワースペクトラム(直流成分がスペク
トラムの中心)の特徴的な部分を模式化して示す図であ
る。
【0239】図16のa2,b2,およびc2に示した
低周波成分は指紋の押捺ムラや指紋の全体印象や背景に
起因するもので、指紋を識別する上では重要な特徴量で
はない。また、水平周波数が0の部分と、垂直周波数が
0の部分とは、画像端における画像の不連続性に起因す
るノイズであって、これもまた指紋を識別する上では無
関係な特徴である。一方、a2では「こ」の字状に、c
2ではリング状に現われる特徴は、指紋の隆線に起因す
る特徴であり、次の〜に示す特徴をおおよそ意味し
ている。
【0240】 スペクトラム分布中心の直流成分から
の距離は、平均的な隆線ピッチを表している。
【0241】 スペクトラム分布中心の向きは、指紋
紋様が右流れの傾向にあるか左流れの傾向にあるかを示
している。
【0242】 スペクトラムの分布形状がピーク状で
あるかリング状であるかということは、弓状紋に近い紋
様か渦状紋に近い紋様かを表している。
【0243】したがって、例えば、パワースペクトラム
のうち、指紋隆線の特徴を表すバンド帯域をサンプリン
グし、低周波成分や高周波成分を除去することで、指紋
の紋様の全体的な特徴量を抽出することができる。
【0244】図16のa3,b3,およびc3は、例え
ば、極座標形式(動径ρ,角φ)で表した特徴量のう
ち、ある動径ρを一定にしたときの特徴量(0≦φ<
π)を摸式的に表現したグラフである。
【0245】次に、上述の原理をふまえて、本実施例の
皮膚紋様照合システムについて説明する。
【0246】図17は、本実施例の皮膚紋様照合システ
ムにおける特徴ベクトル抽出手段(図1中の特徴ベクト
ル抽出手段102に該当する処理手段であり、前述の特
徴量を抽出するための特徴ベクトル抽出手段)の基本構
成の例を示すブロック図である。
【0247】この特徴ベクトル抽出手段は、指紋画像を
フーリエ変換するフーリエ変換手段1701と、フーリ
エ変換されたフーリエ成分のパワースペクトラムを算出
するパワー算出手段1702と、パワースペクトラムを
平滑化する平滑化手段1703と、平滑化したパワース
ペクトラムのスペクトル成分をサンプリングし特徴ベク
トルを出力するサンプリング手段1704とを備える。
【0248】図18は、本実施例の皮膚紋様照合システ
ムの動作を説明するための図である。
【0249】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様照合システムにおける特徴ベクトル抽出手段の動
作について説明する。
【0250】フーリエ変換手段1701は、2次元画像
に対してデジタルフーリエ変換を行う。デジタルフーリ
エ変換は良く知られた方法であり、例えば前述の「画像
解析ハンドブック」(pp.5−11)に解説があるの
で、ここでは説明を省略する。指紋画像をh(x,y)
と表し、フーリエ変換をF(・)と表し、フーリエ変換
手段1701によって変換されたフーリエ成分をH
(u,v)と表すことにする。なお、(x,y)は実空
間上での座標を表し、(u,v)は周波数領域での座標
を表す。したがって、フーリエ変換手段1701におけ
る操作は、次式で表現される。
【0251】 H(u,v)=F(h(x,y)) (52)
【0252】パワー算出手段1702は、複素数である
フーリエ成分H(u,v)の絶対値‖H(u,v)‖を
算出する。したがって、パワー算出手段1702の操作
は次式で表現される。
【0253】
【数35】
【0254】ここで、
【外172】 および
【外173】 はそれぞれフーリエ成分の実成分と虚成分とを表す。
【0255】平滑化手段1703は、例えばよく知られ
た2次元ガウス関数G(u,v;σ)を用いてフーリエ
パワースペクトラム‖H(u,v)‖の畳み込み演算
(ガウシアンフィルタリング)を行うことによって平滑
化する。平滑化した画像をJ(u,v)と表すと、平滑
化手段1703の操作は次式で表現される。
【0256】
【数36】
【0257】なお、2次元ガウス関数のパラメータσ
は、入力画像が512×512の場合には、約3〜7画
素(単位は周波数領域(u,v)の2次元画像の画素)
に設定すればよい。
【0258】サンプリング手段1704は、得られたJ
(u,v)の画素を周波数領域で帯域制限をかけるよう
にするため、次式の条件を満たす座標(u,v)の画素
を図18に示すように適当な間隔でサンプリングする。
【0259】 r1 < u2 +v2 < r2 (56) v ≧ 0 (57)
【0260】なお、r1=20とし、r2=80とし、
サンプリングの間隔dを10×10画素程度として、2
00弱の点を参照し、特徴ベクトル
【外174】 を作成し出力する。
【0261】また、得られた特徴ベクトル
【外175】 の大きさ
【外176】 は、目的とする指紋紋様の信号成分の強弱を反映してお
り、特徴ベクトル抽出の品質指標値として用いることも
できる。
【0262】特徴ベクトルに関する処理以外の処理は、
これまでに説明したきた実施例などと同様に処理するこ
とで、本実施例の皮膚紋様照合システムを構築すること
ができる。
【0263】なお、このように得られた隆線方向パター
ン以外の特徴に基づく特徴抽出から得られる特徴量を隆
線方向パターンと合わせて用いても構わない。
【0264】(7) 本発明の皮膚紋様照合システムの
第6の実施例および本発明の皮膚紋様特徴解析装置の第
4の実施例
【0265】これまでの実施例では、KL展開を行った
特徴ベクトルを用いた場合の照合や解析について説明を
行ったが、本発明の皮膚紋様照合システムおよび皮膚紋
様特徴解析装置は必ずしもKL展開による特徴を用いた
照合技術や解析技術に限定されるものではない。ここで
は、その例として、指紋紋様中のコアやデルタなどの特
異点間特徴を利用した場合の実施例について説明する。
【0266】指紋紋様中のコアやデルタの数は、通常は
渦状紋で最大数を取り、その数は各々2個の計4個であ
る。この4個の特異点を結ぶ線分は 42 =6本あり、
その長さやその線分と隆線とが交わる交点の数(交差隆
線数)の計12次元の特徴が特徴量として用いられる。
また、これらの特徴量に対しては確信度を付与すること
ができる。確信度は、本発明でいう品質指標とすること
ができるので、以下では品質指標と呼ぶことにする。こ
れらの特徴量およびその特徴量に対応する品質指標を、
ここでは以下のようにベクトル表記する。
【0267】
【数37】
【0268】ただし、てい状紋のようにコアやデルタの
数が各2個に達せずに特異点間の特徴量がない場合や、
コアやデルタを検出できなかった場合には、確信度の値
域外の値(例えば−1)を品質指標値とする(ここで、
確信度の値は、0〜1の値とする)。
【0269】図19は、本発明の皮膚紋様照合システム
(指紋照合システム)の第6の実施例の基本構成を示す
ブロック図である。第1の実施例(図1参照)の構成と
の主な相違は、KL展開を行うためのベクトル展開手段
等を備えていない点である。
【0270】すなわち、本実施例の皮膚紋様照合システ
ムは、画像入力手段1901,特徴ベクトル抽出手段1
902,誤差分布情報記憶手段1903,品質指標抽出
手段1904,および信頼度付与手段1905を備える
特徴抽出部191と、データベース管理手段1906お
よびデータ記憶手段1907を備えるデータベース部1
92と、類似度算出手段1908および判定手段190
9を備える照合部193とを含んで構成されている。
【0271】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様照合システムの動作について説明する。
【0272】特徴ベクトル抽出手段1902は、コアや
デルタ間の特異点間の距離や交差隆線数による特徴量
【外177】 を抽出する。
【0273】品質指標抽出手段1904は、上述の確信
度を品質指標として抽出する。
【0274】誤差分布情報記憶手段1903は、誤差分
布情報として特徴ベクトル
【外178】 の各要素vi 毎に、品質指標に応じた誤差の標準偏差σ
i (qi )をルックアップテーブル形式で格納する。た
だし、品質指標値が−1である場合、つまりデータが欠
損している場合には、予め定めた定数を与える。この値
は、通常の得られる誤差の標準偏差の1000倍程度の
大きさにしておけばよい(あるいは、予め標準偏差の逆
数を出力するような場合には0を与えればよい)。
【0275】信頼度付与手段1905は、品質指標をエ
ントリとして誤差分布情報記憶手段1903のテーブル
を参照することで、信頼度のベクトル
【外179】 を出力する。
【0276】以降の処理は、第1の実施例における処理
と同様に行えばよい。
【0277】誤差分布情報記憶手段1903に登録して
おく誤差の標準偏差のテーブルは、図20に示す皮膚紋
様特徴解析装置201を用いて処理すればよい。
【0278】この皮膚紋様特徴解析装置201が、本発
明の皮膚紋様特徴解析装置の第4の実施例に該当する。
【0279】本実施例の皮膚紋様特徴解析装置201
は、特徴ベクトル抽出手段2001と、品質指標抽出手
段2002と、誤差分布情報解析手段2003とを含ん
で構成されている。
【0280】次に、このように構成された本実施例の皮
膚紋様特徴解析装置201の動作について説明する。
【0281】特徴ベクトル抽出手段2001は、データ
セットの画像から、式(68)の特徴ベクトル
【外180】 を抽出する。また、品質指標抽出手段2002は、デー
タセットの画像から、式(59)の品質指標を抽出す
る。
【0282】誤差分布情報解析手段2003は、皮膚紋
様特徴解析装置の第1の実施例における誤差分布情報解
析手段506と同様に、誤差分布を解析し、特徴ベクト
ルの各次元毎に品質指標
【外181】 に応じた誤差の標準偏差を求め、2次元のルックアップ
テーブルを作成する。この際に、データに対する品質指
標が−1であるとき、つまり特徴量に欠損があるときに
は、そのデータのその特徴次元を無視して誤差の統計計
算には含めないようにしておく。
【0283】以上のように、必ずしもKL展開を必要と
せずとも、精度のよい皮膚紋様照合システムや皮膚紋様
特徴解析装置を構成することが可能となる。
【0284】ところで、上述の(1)〜(7)に示した
実施例の説明では、1指の指紋を対象にして説明を行っ
たが、本発明を10指指紋カードに適用することができ
ることはいうまでもない。本発明を10指指紋カードに
適用した場合には、特徴抽出部に関しては上述の(1)
や(5)などで述べた処理と全く同様に、1指に対する
処理を10指に対して繰り返し行えばよい。データベー
ス部や照合部に関しては、10指分の特徴ベクトルと信
頼度ベクトルとを1つのデータのまとまりとして取り扱
えば、1指の場合と全く同様に処理を行うことができ
る。なお、10指の場合には、KL展開によって展開し
た1指の特徴量(例えば、5次元特徴ベクトル)を10
指分集めて50次元特徴ベクトルと見倣し、この特徴ベ
クトルに対してさらに主成分分析を行い、KL展開を再
び行い、上位の1〜2次元だけを用いることで、10指
分のデータを削減することができる。この場合の信頼度
としては、例えば各指の信頼度ベクトルを
【外182】 (C)として式(25)に従って演算を行えばよい。こ
のようにKL展開をカード単位の特徴量に繰り返すこと
で、さらに特徴次元数を削減できる。特に、カード単位
の特徴量は、上述の(1)で述べたように途中で処理を
打ち切る場合に有効であり、カード単位の特徴をはじめ
の段階で処理することで、少ない演算の段階で多くの指
紋カードを不一致判定できるので、照合に関する平均演
算量を大幅に削減することができる。
【0285】また、これまでの説明では指紋に関する処
理について述べたが、例えば掌紋の場合にも指紋の場合
と同様に皮膚隆線があり本発明を適用することが可能で
ある。掌紋の場合には、例えば、図21に示すように拇
指を除いた4指の付け根部分に隆線によるデルタが存在
する。紙に押捺された掌紋内の4つのデルタ部分を例え
ば500dpiで512×512画素に対応する大きさ
に切り出して画像入力すれば、これらの掌紋の部分画像
を(10指ではなく)4指の指紋カードのように見倣し
て全く同様に処理できる。
【0286】なお、本発明は以上に述べた実施例にのみ
限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例え
ば、図1の皮膚紋様照合システムをはじめとした各実施
例の各装置は、汎用コンピュータを用いて上記のように
動作するようにプログラムすることによっても実現でき
る。
【0287】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像照合
システム(皮膚紋様照合システム等),ならびに画像特
徴抽出装置(皮膚紋様特徴抽出装置等)および画像特徴
解析装置(皮膚紋様特徴解析装置等)によれば、統計的
な裏付けがある信頼度抽出が可能になり、照合の識別性
能を向上させることができ、かつ高速でコストパフォー
マンスがよい照合システムを実現することができるとい
う効果が生じる。
【0288】また、本発明の画像特徴解析装置を用いる
ことにより、上記の照合システムに必要な各種パラメー
タを容易に精度よく求めることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像照合システム(皮膚紋様照合シス
テム)の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】隆線方向パターンとその信頼度とをグラフ的に
表した図(線分の向きが隆線方向を表し、線分の大きさ
が信頼度を表す)である。
【図3】図1中の品質指標抽出手段の一例の構成を示す
ブロック図である。
【図4】図1中の誤差分布情報記憶手段に記憶される誤
差の標準偏差テーブルを説明するための図である。
【図5】本発明の画像特徴解析装置(皮膚紋様特徴解析
装置)の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す皮膚紋様特徴解析装置の処理を示す
流れ図である。
【図7】図5に示す皮膚紋様特徴解析装置における誤差
の標準偏差テーブルの一例をグラフ表現した図である。
【図8】本発明の画像照合システム(皮膚紋様照合シス
テム)または画像特徴解析装置(皮膚紋様特徴解析装
置)の第2の実施例における品質指標抽出手段の原理を
説明するための図である。
【図9】本発明の画像照合システム(皮膚紋様照合シス
テム)または画像特徴解析装置(皮膚紋様特徴解析装
置)の第2の実施例における品質指標抽出手段の構成を
示すブロック図である。
【図10】図9に示す品質指標抽出手段の処理を示す流
れ図である。
【図11】本発明の画像特徴解析装置(皮膚紋様特徴解
析装置)の第2の実施例における誤差の標準偏差テーブ
ルを説明するための図である。
【図12】本発明の画像特徴解析装置(皮膚紋様特徴解
析装置)の第2の実施例における誤差の標準偏差テーブ
ルの一例をグラフ表現した図である。
【図13】本発明の画像照合システム(皮膚紋様照合シ
ステム)または画像特徴解析装置(皮膚紋様特徴解析装
置)の第3の実施例における品質指標抽出手段の構成を
示すブロック図である。
【図14】図13に示す品質指標抽出手段の処理を示す
流れ図である。
【図15】本発明の画像照合システム(皮膚紋様照合シ
ステム)の第4の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図16】指紋画像のフーリエ変換による特徴を説明す
るための図である。
【図17】本発明の画像照合システム(皮膚紋様照合シ
ステム)の第5の実施例における特徴ベクトル抽出手段
の構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示す特徴ベクトル抽出手段を説明す
るための図である。
【図19】本発明の画像照合システム(皮膚紋様照合シ
ステム)の第6の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図20】本発明の画像特徴解析装置(皮膚紋様特徴解
析装置)の第4の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図21】本発明を掌紋に適用する場合の例を説明する
ための図である。
【図22】本発明の考え方を説明するための図である。
【符号の説明】
11,151,191 特徴抽出部 12,152,192 データベース部 13,153,193 照合部 14,154,194 制御部 31 画像データ 32 品質指標データ 51,201 皮膚紋様特徴解析装置 90,106,130,505,1904,2002
品質指標抽出手段 101,1501,1901 画像入力手段 102,501,1902,2001 特徴ベクトル抽
出手段 103,504,1504 ベクトル展開手段 104,503,1503 主成分ベクトル記憶手段 105,1903 誤差分布情報記憶手段 107,1905 信頼度付与手段 108,1518,1906 データベース管理手段 109,1519,1907 データ記憶手段 110,1516,1908 類似度算出手段 111,1517,1909 判定手段 301 隆線方向信頼度抽出手段 302 第2の主成分ベクトル記憶手段 303 データ変換手段 502 主成分ベクトル算出手段 506,2003 誤差分布情報解析手段 901,1302 距離算出手段 902 距離更新手段 903 データベース 904,1307 制御手段 1301 第1方向パターン記憶手段 1303 パラメータ更新手段 1304 第2方向パターン記憶手段 1305 アフィン変換手段 1306 第3方向パターン記憶手段 1502 隆線方向抽出手段 1505 空間距離算出手段 1506 寄与度算出手段 1507 中心点検出手段 1508 座標整合手段 1509 第1信頼度付与手段 1510 第2信頼度付与手段 1511 第3信頼度付与手段 1512 信頼度推定手段 1513 第1誤差分布情報記憶手段 1514 第2誤差分布情報記憶手段 1515 第3誤差分布情報記憶手段 1701 フーリエ変換手段 1702 パワー算出手段 1703 平滑化手段 1704 サンプリング手段

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚紋様画像から特徴量を抽出する画像
    特徴抽出装置において、 皮膚紋様画像の特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽
    出手段と、 皮膚紋様画像の品質指標を抽出する品質指標抽出手段
    と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相対関係を誤差分布情報として記
    憶する誤差分布情報記憶手段と、 前記品質指標抽出手段から得られる品質指標を用いて、
    前記誤差分布情報記憶手段に記憶される誤差分布情報を
    参照し、前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された
    特徴ベクトルに対応する信頼度情報を特徴量に付与する
    信頼度付与手段とを少なくとも備え、 少なくとも特徴ベクトルと信頼度情報とを皮膚紋様画像
    の特徴量として抽出すること特徴とする画像特徴抽出装
    置。
  2. 【請求項2】 皮膚紋様画像から特徴量を抽出する画像
    特徴抽出装置において、 皮膚紋様画像の特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽
    出手段と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルのベクトル展開に必要なパラメータを記憶するパラ
    メータ記憶手段と、 前記パラメータ記憶手段に記憶されているパラメータを
    用いて、前記特徴ベクトル抽出手段から得られる特徴ベ
    クトルをベクトル展開するベクトル展開手段と、 皮膚紋様画像の品質指標を抽出する品質指標抽出手段
    と、 前記ベクトル展開手段によるベクトル展開後の特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相関関係を誤差分布情報として記
    憶する誤差分布情報記憶手段と、 前記品質指標抽出手段から得られる品質指標を用いて、
    前記誤差分布情報記憶手段に記憶される誤差分布情報を
    参照し、前記ベクトル展開手段によるベクトル展開後の
    特徴ベクトルに対応する信頼度情報を特徴量に付与する
    信頼度付与手段とを少なくとも備え、 少なくとも特徴ベクトルと信頼度情報とを皮膚紋様画像
    の特徴量として抽出すること特徴とする画像特徴抽出装
    置。
  3. 【請求項3】 予め設定した画像の局所領域毎に皮膚紋
    様の流れ特徴を抽出し、その各局所領域の流れ特徴を特
    徴ベクトルとして算出する特徴ベクトル抽出手段を備え
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像
    特徴抽出装置。
  4. 【請求項4】 品質指標をエントリとしてその品質指標
    に対する特徴ベクトルの誤差分布の標準偏差や分散をル
    ックアップテーブルとして参照できるように構成されて
    いる誤差分布情報記憶手段を備えることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の画像特徴抽出装置。
  5. 【請求項5】 特徴ベクトルの主成分分析によって得ら
    れる主成分ベクトルを1つないし複数記憶する主成分ベ
    クトル記憶手段を少なくとも有するパラメータ記憶手段
    を備えることを特徴とする請求項2記載の画像特徴抽出
    装置。
  6. 【請求項6】 予め用意した複数の特徴ベクトルを登録
    するデータベース部と、入力された特徴ベクトルと前記
    データベース部中の各特徴ベクトルとの距離を算出する
    距離算出部とを少なくとも備え、前記データベース部中
    の各特徴ベクトルとの距離の最小値を品質指標として抽
    出する品質指標抽出手段を備えることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の画像特徴抽出装置。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載した特徴ベクトル抽出手
    段,請求項4に記載した誤差分布情報記憶手段,請求項
    5に記載したパラメータ記憶手段,および請求項6に記
    載した品質指標抽出手段のうちの全てまたはいずれか複
    数の手段を備えることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の画像特徴抽出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,請求項3,請求項4,請求項
    6,または請求項7に記載した誤差分布情報記憶手段に
    記憶される誤差分布情報を算出する画像特徴解析装置で
    あって、 複数の皮膚紋様画像の特徴ベクトルを抽出する特徴ベク
    トル抽出手段と、 複数の皮膚紋様画像の品質指標を抽出する品質指標抽出
    手段と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相関関係を誤差分布情報として算
    出する誤差分布情報解析手段とを少なくとも備えること
    を特徴とする画像特徴解析装置。
  9. 【請求項9】 請求項2,請求項4,請求項5,請求項
    6,または請求項7に記載した誤差分布情報記憶手段に
    記憶される誤差分布情報を算出する画像特徴解析装置で
    あって、 複数の皮膚紋様画像から特徴ベクトルを抽出する特徴ベ
    クトル抽出手段と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルの分布を解析し、 ベクトル展開に必要なパラメータを算出するパラメータ
    算出手段と、 前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータ
    を記憶するパラメータ記憶手段と、 前記パラメータ記憶手段に記憶されるパラメータを用い
    て、前記特徴ベクトル抽出手段から得られる特徴ベクト
    ルをベクトル展開するベクトル展開手段と、 複数の皮膚紋様画像の品質指標を抽出する品質指標抽出
    手段と、 前記ベクトル展開手段によるベクトル展開後の特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相関関係を誤差分布情報として算
    出する誤差分布情報解析手段とを少なくとも備えること
    を特徴とする画像特徴解析装置。
  10. 【請求項10】 予め設定した画像の局所領域毎に皮膚
    紋様の流れ特徴を抽出し、その各局所領域の流れ特徴を
    特徴ベクトルとして算出する特徴ベクトル抽出手段を備
    えることを特徴とする請求項8または請求項9記載の画
    像特徴解析装置。
  11. 【請求項11】 特徴ベクトルの誤差分布の標準偏差や
    分散を離散化した品質指標毎に算出し、品質指標をエン
    トリとしてその品質指標に対する誤差分布の標準偏差や
    分散をルックアップテーブルとして出力する誤差分布情
    報解析手段を備えることを特徴とする請求項8または請
    求項9記載の画像特徴解析装置。
  12. 【請求項12】 ベクトル展開に必要なパラメータを算
    出する際に、特徴ベクトル分布解析を主成分分析によっ
    て行い、得られる主成分ベクトルの1つないし複数を少
    なくともパラメータとして算出するパラメータ算出手段
    を備えることを特徴とする請求項9記載の画像特徴解析
    装置。
  13. 【請求項13】 予め用意した複数の特徴ベクトルを登
    録するデータベース部と、入力された特徴ベクトルと前
    記データベース部中の各特徴ベクトルとの距離を算出す
    る距離算出部とを少なくとも備え、前記データベース部
    中の特徴ベクトルと入力された特徴ベクトルとの距離の
    最小値を品質指標として抽出する品質指標抽出手段を備
    えることを特徴とする請求項8または請求項9記載の画
    像特徴解析装置。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載した特徴ベクトル抽
    出手段,請求項11に記載した誤差分布情報解析手段,
    請求項12に記範したパラメータ算出手段,および請求
    項13に記載した品質指標抽出手段のうちの全てまたは
    いずれか複数の手段を備えることを特徴とする請求項8
    または請求項9記載の画像特徴解析装置。
  15. 【請求項15】 皮膚紋様画像から特徴量を抽出し、そ
    の特徴量を用いて入力された皮膚紋様画像と登録された
    皮膚紋様画像との同一性を判定することにより、皮膚紋
    様画像の照合を行う画像照合システムにおいて、 請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,
    請求項6,および請求項7記載の画像特徴抽出装置のい
    ずれかから得られる特徴ベクトル,ならびに当該特徴ベ
    クトルに対する信頼度情報を照合に必要な特徴量として
    少なくとも用い、照合対象となる皮膚紋様画像間の類似
    度を算出することによって皮膚紋様画像の同一性の判定
    を行うことを特徴とする画像照合システム。
  16. 【請求項16】 画像から特徴量を抽出する画像特徴抽
    出装置において、 画像の特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出手段
    と、 画像の品質指標を抽出する品質指標抽出手段と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相対関係を誤差分布情報として記
    憶する誤差分布情報記憶手段と、 前記品質指標抽出手段から得られる品質指標を用いて、
    前記誤差分布情報記憶手段に記憶される誤差分布情報を
    参照し、前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された
    特徴ベクトルに対応する信頼度情報を特徴量に付与する
    信頼度付与手段とを少なくとも備え、 少なくとも特徴ベクトルと信頼度情報とを画像の特徴量
    として抽出すること特徴とする画像特徴抽出装置。
  17. 【請求項17】 画像から特徴量を抽出する画像特徴抽
    出装置において、 画像の特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出手段
    と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルのベクトル展開に必要なパラメータを記憶するパラ
    メータ記憶手段と、 前記パラメータ記憶手段に記憶されているパラメータを
    用いて、前記特徴ベクトル抽出手段から得られる特徴ベ
    クトルをベクトル展開するベクトル展開手段と、 画像の品質指標を抽出する品質指標抽出手段と、 前記ベクトル展開手段によるベクトル展開後の特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相関関係を誤差分布情報として記
    憶する誤差分布情報記憶手段と、 前記品質指標抽出手段から得られる品質指標を用いて、
    前記誤差分布情報記憶手段に記憶される誤差分布情報を
    参照し、前記ベクトル展開手段によるベクトル展開後の
    特徴ベクトルに対応する信頼度情報を特徴量に付与する
    信頼度付与手段とを少なくとも備え、 少なくとも特徴ベクトルと信頼度情報とを画像の特徴量
    として抽出すること特徴とする画像特徴抽出装置。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載した誤差分布情報記
    憶手段に記憶される誤差分布情報を算出する画像特徴解
    析装置であって、 複数の画像の特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出
    手段と、 複数の画像の品質指標を抽出する品質指標抽出手段と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相関関係を誤差分布情報として算
    出する誤差分布情報解析手段とを少なくとも備えること
    を特徴とする画像特徴解析装置。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載した誤差分布情報記
    憶手段に記憶される誤差分布情報を算出する画像特徴解
    析装置であって、 複数の画像から特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽
    出手段と、 前記特徴ベクトル抽出手段によって抽出された特徴ベク
    トルの分布を解析し、ベクトル展開に必要なパラメータ
    を算出するパラメータ算出手段と、 前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータ
    を記憶するパラメータ記憶手段と、 前記パラメータ記憶手段に記憶されるパラメータを用い
    て、前記特徴ベクトル抽出手段から得られる特徴ベクト
    ルをベクトル展開するベクトル展開手段と、 複数の画像の品質指標を抽出する品質指標抽出手段と、 前記ベクトル展開手段によるベクトル展開後の特徴ベク
    トルの誤差分布と前記品質指標抽出手段によって抽出さ
    れた品質指標との間の相関関係を誤差分布情報として算
    出する誤差分布情報解析手段とを少なくとも備えること
    を特徴とする画像特徴解析装置。
  20. 【請求項20】 画像から特徴量を抽出し、その特徴量
    を用いて入力された画像と登録された画像との同一性を
    判定することにより、画像の照合を行う画像照合システ
    ムにおいて、 請求項16または請求項17記載の画像特徴抽出装置か
    ら得られる特徴ベクトル,および当該特徴ベクトルに対
    する信頼度情報を照合に必要な特徴量として少なくとも
    用い、照合対象となる画像間の類似度を算出することに
    よって画像の同一性の判定を行うことを特徴とする画像
    照合システム。
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