JP3422787B1 - 画像の類似度検出方法及びその検出値を用いた画像認識方法、並びに、音声の類似度検出方法及びその検出値を用いた音声認識方法、並びに、振動波の類似度検出方法及びその検出値を用いた機械の異常判定方法、並びに、動画像の類似度検出方法及びその検出値を用いた動画像認識方法、並びに、立体の類似度検出方法及びその検出値を用いた立体認識方法 - Google Patents

画像の類似度検出方法及びその検出値を用いた画像認識方法、並びに、音声の類似度検出方法及びその検出値を用いた音声認識方法、並びに、振動波の類似度検出方法及びその検出値を用いた機械の異常判定方法、並びに、動画像の類似度検出方法及びその検出値を用いた動画像認識方法、並びに、立体の類似度検出方法及びその検出値を用いた立体認識方法

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    • G10L15/08Speech classification or search
    • G10L15/10Speech classification or search using distance or distortion measures between unknown speech and reference templates

Abstract

【要約】 【課題】 画像等の正確な類似度検出値を得る方法を提
供する。 【解決手段】 画像の特徴量を成分とする標準及び入力
パターン原始行列を作成し(Sb1,Sb3)、基準形状より成
る基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とす
る加重ベクトルを作成し、加重ベクトルの成分値と標準
パターン原始行列の成分値との積和演算により標準パタ
ーン原始加重行列を算出し(Sb2)、同加重ベクトルの成
分値と入力パターン原始行列の成分値との積和演算によ
り入力パターン原始加重行列を算出し(Sb4)、標準及び
入力パターン原始加重行列間の角度の余弦として標準及
び入力パターン原始行列間の形状距離値を算出する(Sb
5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、標準情報と入力情
報との間の類似度を検出する方法と、その類似度検出値
を用いて入力情報が標準情報であるか否かの認識、ある
いは、入力情報が異常であるか否かの判定を行う方法に
関する。より詳しくは、本発明は、文字や模様について
標準画像と入力画像との間の類似度を検出する方法と、
その類似度検出値を用いて画像を認識する方法に関し、
また、人間が発声する音声についての音声の類似度検出
方法と、その類似度検出値を用いて音声を認識する方法
に関し、そして、運転中の設備等が発する音や振動につ
いての振動波の類似度検出方法と、その類似度検出値に
基づいて機械の異常を判定する方法にも関する。また、
動画像の類似度検出方法と、その類似度検出値を用いて
動画像を認識する方法に関し、そして、立体の類似度検
出方法と、その類似度検出値を用いて立体を認識する方
法にも関する。
【0002】
【従来の技術】文字や模様などの画像をコンピュータが
自動認識する画像認識装置においては、予めコンピュー
タに登録した既知の画像を標準画像とし、新たにコンピ
ュータに入力した未知の画像を入力画像としたとき、標
準画像と入力画像との間の類似度を検出し、その類似度
の検出値により入力画像を認識する手段が装備されてい
る。
【0003】[従来技術」:標準音声と入力音声間等の
類似度を形状距離として検出する技術として、特開平1
0−253444号公報(特願平9−61007号:発
明の名称:異常音の検出方法及びその検出値を用いた機
械の異常判定方法、並びに、振動波の類似度検出方法及
びその検出値を用いた音声認識方法)が知られている。
以下、これを従来技術と呼ぶ。 [関連技術」出願人は、標準情報と入力情報との間の類
似度を形状距離として検出する改良された技術として、
特願2000−277749号(発明の名称:音声の類
似度検出方法及びその検出値を用いた音声認識方法、並
びに、振動波の類似度検出方法及びその検出値を用いた
機械の異常判定方法、並びに、画像の類似度検出方法及
びその検出値を用いた画像認識方法、並びに、立体の類
似度検出方法及びその検出値を用いた立体認識方法、並
びに、動画像の類似度検出方法及びその検出値を用いた
動画像認識方法)を特許出願している。以下、特願20
00−277749号は未だ公開されてなく、公知の先
行技術ではないので、関連技術と呼ぶ。関連技術(特願
2000−277749号)における画像の類似度検出
方法では、標準画像の濃度などの特徴量を成分とする標
準パターン行列を予め登録しておき、入力画像の特徴量
を成分とする入力パターン行列を作成し、標準パターン
行列と入力パターン行列との間の形状距離を算出する方
法を採っている。また、関連技術の画像認識方法では、
上記形状距離の算出値と任意に設定した許容値とを比較
して画像の認識を行う方法を採っている。
【0004】即ち、関連技術(特願2000−2777
49号)の方法は、第1に、文字などの2値画像であっ
ても一律に、各画素の濃度を全画素の濃度の合計で除算
して各画素の正規化濃度とするものであり、それを用い
て標準パターン行列と入力パターン行列とを作成し、標
準パターン行列と入力パターン行列との類似の程度を形
状距離値として検出している。
【0005】更に、第2に、関連技術(特願2000−
277749号)の方法では、パターン行列の指定成分
と各成分との間の長さの最大値を、定数1.4で除算し
た比の値の2乗を以て、正規分布の分散の値としてい
る。また、基準パターンベクトルのすべての成分番号に
それぞれ定数1の重みをつけ、標準パターン行列の成分
値と入力パターン行列の成分値との間の変化量の絶対値
を、基準パターンベクトルの成分番号にかかわらず、そ
のまま基準パターンベクトルの増加量に置き換えてい
る。即ち、固定的な分散の値をもつ正規分布を用いて基
準パターンベクトルを作成し、また、固定的な重みの値
をもつ増加手段を用いて基準パターンベクトルを増加さ
せている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、第1に、2
値画像を扱う手書き文字認識においては、一般に、同じ
文字であっても筆記ごとに文字部分の画素数が異なる画
像が多く出現し、このような2値画像を全画素の濃度の
合計で正規化した場合には画像ごとに文字部分の正規化
濃度が異なる値になり、このことが画像の類似度検出を
不正確にする要因となっている。
【0007】例えば、図71(a)は、アルファベット
“E”の2値画像の2つの例であり、これらを標準画像
31及び入力画像32としたものである。また、図71
(b)は、標準画像31及び入力画像32において文字
部分の濃度を1、背景部分の濃度を0とし、この濃度を
成分とする標準パターン原始行列31Ao及び入力パタ
ーン原始行列32Aoを作成したものである。ここで、
標準パターン原始行列31Ao及び入力パターン原始行
列32Aoの全画素の濃度の合計はそれぞれ28及び3
0である。また、図71(c)は、標準パターン原始行
列31Ao及び入力パターン原始行列32Aoにおいて
各画素の濃度を全画素の濃度の合計で除算して各画素の
正規化濃度とし、この正規化濃度を成分とする標準パタ
ーン行列31A及び入力パターン行列32Aを作成した
ものである。
【0008】図71(a)において、例えば、標準画像
31の第1行・第1列の濃度と入力画像32の第1行・
第1列の濃度は同じであるが、図71(c)では、標準
パターン行列31Aの第1行・第1列の正規化濃度は1
/28(=ε)になり、入力パターン行列32Aの第1
行・第1列の正規化濃度は1/30(=ζ)になる。従
って、標準パターン行列31Aの成分値h11と入力パ
ターン行列32Aの成分値n11との間の変化量の絶対
値|n11−h11|に、0でない値が現われる。この
ように画像の濃度パターンを全画素の濃度の合計で正規
化した場合、標準画像と入力画像の同じ位置で、かつ、
同じ濃度の部分において、標準パターン行列の成分値と
入力パターン行列の成分値との間に変化量が現われるこ
とになり、このため形状距離値に誤差を生じさせること
になる。
【0009】上記の問題に対処するため、関連技術(特
願2000−277749号)の代わりに、各画素の濃
度を全画素の濃度の最大値で除算して各画素の正規化濃
度とする方法が考えられる。この場合には、2値画像の
文字部分の正規化濃度は1、背景部分の正規化濃度は0
になり、従って、図71(c)において、標準パターン
行列31Aの成分値h11と入力パターン行列32Aの
成分値n11との間の変化量の絶対値|n11−h11
|は0になる。このように2値画像の場合には、画像の
濃度パターンを全画素の濃度の最大値で正規化すれば、
上記の問題が改善できると考えられる。
【0010】しかしながら、2値画像、及び、それ以外
の画像が混在する画像認識においては、一般に、入力画
像が2値画像、または、それ以外の画像のどちらである
か予め分かっていないことが多く、このような場合に
は、画像の濃度パターンを全画素の濃度の最大値で正規
化する方法、または、全画素の濃度の合計で正規化する
方法のどちらを用いて入力画像を処理すべきか判断でき
ないことになる。
【0011】第2に、手書き文字認識においては、同じ
文字であっても筆記ごとに変形した文字が出現するた
め、通常、多数の人間が同じ文字を繰り返し筆記して、
各文字ごとに複数個の標準画像を登録する方法が採られ
ている。
【0012】例えば、図72は、アルファベット“E”
の2値画像の2つの例、及び、アルファベット“F”の
2値画像の2つの例であり、これらをそれぞれ“E”の
標準画像33、34、及び、“F”の標準画像35、3
6としたものである。アルファベット“E”とアルファ
ベット“F”はカテゴリが異なる。また、図72では、
各標準画像間の形状距離をd33−34、d35−3
6、d33−35、d33−36、d34−35、d3
4−36として模式的に示している。但し、実線矢印で
示すd33−34は同じカテゴリ“E”の標準画像3
3、34間の形状距離であり、実線矢印で示すd35−
36は同じカテゴリ“F”の標準画像35、36間の形
状距離である。破線矢印で示すd33−35、d33−
36は異なるカテゴリ“E”の標準画像33と“F”の
標準画像35、36間の形状距離であり、破線矢印で示
すd34−35、d34−36は異なるカテゴリ“E”
の標準画像34と“F”の標準画像35、36間の形状
距離である。
【0013】ここで、同じカテゴリの標準画像間の距離
が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標準画像間の距
離が遠くなるようにできれば、結果として、同じカテゴ
リの標準画像と異なるカテゴリの標準画像の分離が良く
なり、入力画像が与えられたときの認識性能が向上す
る。
【0014】ところが、関連技術(特願2000−27
7749号)の方法では、固定的な分散の値をもつ正規
分布を用いて基準パターンベクトルを作成し、また、固
定的な重みの値をもつ増加手段を用いて基準パターンベ
クトルを増加させるため、同じカテゴリの標準画像と異
なるカテゴリの標準画像の分離が固定化され、入力画像
が与えられたときの認識性能を向上することができな
い。
【0015】上記第1、第2の課題に示すように、関連
技術(特願2000−277749号)の画像の類似度
検出方法では、画像の類似度を正確に検出することがで
きず、画像を認識する上で十分に満足のいく精度が得ら
れないという問題がある。
【0016】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、第1の目的は標準パターン行列と入力
パターン行列(或いは、それらが正規化される前のパタ
ーン行列である、標準パターン原始行列と入力パターン
原始行列)から、2つのパターン行列間(或いはパター
ン原始行列間)の正確な形状距離値を求めることができ
る画像の類似度検出方法を提供することにある。また、
本発明の第2の目的は画像の類似度検出値から高い精度
で画像認識を行うことができる方法を提供することにあ
る。
【0017】また、本発明の第3の目的は標準パターン
行列と入力パターン行列(或いは標準パターン原始行列
と入力パターン原始行列)から、2つのパターン行列間
(或いはパターン原始行列間)の正確な形状距離値を求
めることができる音声の類似度検出方法を提供すること
にある。また、本発明の第4の目的は音声の類似度検出
値から高い精度で音声認識を行うことができる方法を提
供することにある。
【0018】本発明の第5の目的は標準パターン行列と
入力パターン行列(或いは標準パターン原始行列と入力
パターン原始行列)から、2つのパターン行列間(或い
はパターン原始行列間)の正確な形状距離値を求めるこ
とができる振動波の類似度検出方法を提供することにあ
る。また、本発明の第6の目的は振動波の類似度検出値
から高い精度で機械の異常判定を行うことができる判定
方法を提供することにある。
【0019】本発明の第7の目的は標準パターン行列層
と入力パターン行列層(或いは標準パターン原始行列層
と入力パターン原始行列層)から、2つのパターン行列
層間(或いはパターン原始行列層間)の正確な形状距離
値を求めることができる動画像の類似度検出方法を提供
することにある。また、本発明の第8の目的は動画像の
類似度検出値から高い精度で動画像認識を行うことがで
きる方法を提供することにある。
【0020】本発明の第9の目的は標準パターン行列層
と入力パターン行列層(或いは標準パターン原始行列層
と入力パターン原始行列層)から、2つのパターン行列
層間(或いはパターン原始行列層間)の正確な形状距離
値を求めることができる立体の類似度検出方法を提供す
ることにある。また、本発明の第10の目的は立体の類
似度検出値から高い精度で立体認識を行うことができる
方法を提供することにある。
【0021】本発明の第11の目的は標準パターンベク
トルと入力パターンベクトル(或いは標準パターン原始
ベクトルと入力パターン原始ベクトル)から、2つのパ
ターンベクトル間(或いはパターン原始ベクトル間)の
正確な形状距離値を求めることができる音声の類似度検
出方法を提供することにある。また、本発明の第12の
目的は音声の類似度検出値から高い精度で音声認識を行
うことができる方法を提供することにある。
【0022】本発明の第13の目的は標準パターンベク
トルと入力パターンベクトル(或いは標準パターン原始
ベクトルと入力パターン原始ベクトル)から、2つのパ
ターンベクトル間(或いはパターン原始ベクトル間)の
正確な形状距離値を求めることができる振動波の類似度
検出方法を提供することにある。また、本発明の第14
の目的は振動波の類似度検出値から高い精度で機械の異
常判定を行うことができる判定方法を提供することにあ
る。
【0023】なお、本発明は、関連技術(特願2000
−277749号)、並びに、従来技術(特開平10−
253444号公報)において説明されている形状距離
値の算出方法を改良したものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、第1発明は画像の類似度検出方法であり、(a)標
準画像の特徴量を成分とする標準パターン行列と、入力
画像の特徴量を成分とする入力パターン行列とを作成す
ること、(b)パターン行列の指定成分ごとに異なる分
散の値を持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作
成し、上記基準形状の値を成分とする基準パターンベク
トルを作成し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化
率の値を成分とする加重ベクトルを作成すること、
(c)標準パターン行列の指定成分と各成分との間の長
さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた
位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重
ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パターン行列の
各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パ
ターン行列の各成分について加算した積和値を算出する
こと、(d)上記積和値を算出するに際し、標準パター
ン行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値
を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パタ
ーン加重行列を作成すること、(e)入力パターン行列
の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトル
の中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベク
トルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号
の成分値と入力パターン行列の各成分の成分値との積の
値を求め、上記積の値を入力パターン行列の各成分につ
いて加算した積和値を算出すること、(f)上記積和値
を算出するに際し、入力パターン行列の指定成分を各成
分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指
定成分の成分値とする入力パターン加重行列を作成する
こと、(g)標準パターン加重行列と入力パターン加重
行列の各成分ごとの差の値の2乗和、あるいは同2乗和
の平方根を、標準パターン行列と入力パターン行列との
間の形状距離値とすることを特徴とする。
【0025】第2発明の画像の類似度検出方法は、第1
発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテゴリ
の標準画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの標
準画像間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値を
求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の値を
成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とする。
【0026】また、第3発明は画像認識方法であり、第
1発明と第2発明いずれかの画像の類似度検出方法で、
標準画像の特徴量を成分とする標準パターン行列と入力
画像の特徴量を成分とする入力パターン行列との間の形
状距離を求め、求めた形状距離値と任意に設定した許容
値を比較し、形状距離値が許容値より大きいとき入力画
像は標準画像でないと判定し、形状距離値が許容値以下
のとき入力画像が標準画像であると判定することを特徴
とする。
【0027】次に、第4発明は他の画像の類似度検出方
法であり、(a)標準画像の特徴量を成分とする標準パ
ターン原始行列と、入力画像の特徴量を成分とする入力
パターン原始行列とを作成すること、(b)パターン原
始行列の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分
布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の
値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上記基
準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加
重ベクトルを作成すること、(c)標準パターン原始行
列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクト
ルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベ
クトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番
号の成分値と標準パターン原始行列の各成分の成分値と
の積の値を求め、上記積の値を標準パターン原始行列の
各成分について加算した積和値を算出すること、(d)
上記積和値を算出するに際し、標準パターン原始行列の
指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を求め、
上記積和値を指定成分の成分値とする標準パターン原始
加重行列を作成すること、(e)入力パターン原始行列
の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトル
の中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベク
トルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号
の成分値と入力パターン原始行列の各成分の成分値との
積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始行列の各
成分について加算した積和値を算出すること、(f)上
記積和値を算出するに際し、入力パターン原始行列の指
定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上
記積和値を指定成分の成分値とする入力パターン原始加
重行列を作成すること、(g)標準パターン原始加重行
列と入力パターン原始加重行列の各成分ごとの積の和の
値を、標準パターン原始加重行列の各成分の2乗和の平
方根と入力パターン原始加重行列の各成分の2乗和の平
方根で除算した比の値を以て、標準パターン原始行列と
入力パターン原始行列との間の形状距離値とすることを
特徴とする。
【0028】第5発明の画像の類似度検出方法は、第4
発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテゴリ
の標準画像間の形状距離平均値から、異なるカテゴリの
標準画像間の形状距離平均値を減算した平均値の差の値
を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数の値
を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とす
る。
【0029】また、第6発明は画像認識方法であり、第
4発明と第5発明いずれかの画像の類似度検出方法で、
標準画像の特徴量を成分とする標準パターン原始行列と
入力画像の特徴量を成分とする入力パターン原始行列と
の間の形状距離を求め、求めた形状距離値と任意に設定
した許容値を比較し、形状距離値が許容値より小さいと
き入力画像は標準画像でないと判定し、形状距離値が許
容値以上のとき入力画像が標準画像であると判定するこ
とを特徴とする。
【0030】次に、第7発明は音声の類似度検出方法で
あり、(a)標準音声の特徴量を成分とする標準パター
ン行列と、入力音声の特徴量を成分とする入力パターン
行列とを作成すること、(b)パターン行列の指定成分
ごとに異なる分散の値を持つ、正規分布や矩形など任意
の基準形状を作成し、上記基準形状の値を成分とする基
準パターンベクトルを作成し、上記基準パターンベクト
ルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成
すること、(c)標準パターン行列の指定成分と各成分
との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さ
だけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算
出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パタ
ーン行列の各成分の成分値との積の値を求め、上記積の
値を標準パターン行列の各成分について加算した積和値
を算出すること、(d)上記積和値を算出するに際し、
標準パターン行列の指定成分を各成分の位置に移動しな
がら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とす
る標準パターン加重行列を作成すること、(e)入力パ
ターン行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加
重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近
い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上
記成分番号の成分値と入力パターン行列の各成分の成分
値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン行列の
各成分について加算した積和値を算出すること、(f)
上記積和値を算出するに際し、入力パターン行列の指定
成分を各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記
積和値を指定成分の成分値とする入力パターン加重行列
を作成すること、(g)標準パターン加重行列と入力パ
ターン加重行列の各成分ごとの差の値の2乗和、あるい
は同2乗和の平方根を、標準パターン行列と入力パター
ン行列との間の形状距離値とすることを特徴とする。
【0031】第8発明の音声の類似度検出方法は、第7
発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテゴリ
の標準音声間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの標
準音声間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値を
求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の値を
成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とする。
【0032】また、第9発明は音声認識方法であり、第
7発明と第8発明いずれかの音声の類似度検出方法で、
標準音声の特徴量を成分とする標準パターン行列と入力
音声の特徴量を成分とする入力パターン行列との間の形
状距離を求め、求めた形状距離値と任意に設定した許容
値を比較し、形状距離値が許容値より大きいとき入力音
声は標準音声でないと判定し、形状距離値が許容値以下
のとき入力音声が標準音声であると判定することを特徴
とする。
【0033】次に、第10発明は他の音声の類似度検出
方法であり、(a)標準音声の特徴量を成分とする標準
パターン原始行列と、入力音声の特徴量を成分とする入
力パターン原始行列とを作成すること、(b)パターン
原始行列の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規
分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形状
の値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上記
基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする
加重ベクトルを作成すること、(c)標準パターン原始
行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベク
トルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重
ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分
番号の成分値と標準パターン原始行列の各成分の成分値
との積の値を求め、上記積の値を標準パターン原始行列
の各成分について加算した積和値を算出すること、
(d)上記積和値を算出するに際し、標準パターン原始
行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パター
ン原始加重行列を作成すること、(e)入力パターン原
始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベ
クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成
分番号の成分値と入力パターン原始行列の各成分の成分
値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始行
列の各成分について加算した積和値を算出すること、
(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン原始
行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パター
ン原始加重行列を作成すること、(g)標準パターン原
始加重行列と入力パターン原始加重行列の各成分ごとの
積の和の値を、標準パターン原始加重行列の各成分の2
乗和の平方根と入力パターン原始加重行列の各成分の2
乗和の平方根で除算した比の値を以て、標準パターン原
始行列と入力パターン原始行列との間の形状距離値とす
ることを特徴とする。
【0034】第11発明の音声の類似度検出方法は、第
10発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
ゴリの標準音声間の形状距離平均値から、異なるカテゴ
リの標準音声間の形状距離平均値を減算した平均値の差
の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数
の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴と
する。
【0035】また、第12発明は音声認識方法であり、
第10発明と第11発明いずれかの音声の類似度検出方
法で、標準音声の特徴量を成分とする標準パターン原始
行列と入力音声の特徴量を成分とする入力パターン原始
行列との間の形状距離を求め、求めた形状距離値と任意
に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容値より小
さいとき入力音声は標準音声でないと判定し、形状距離
値が許容値以上のとき入力音声が標準音声であると判定
することを特徴とする。
【0036】次に、第13発明は振動波の類似度検出方
法であり、(a)標準振動波の特徴量を成分とする標準
パターン行列と、入力振動波の特徴量を成分とする入力
パターン行列とを作成すること、(b)パターン行列の
指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分布や矩形
など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の値を成分
とする基準パターンベクトルを作成し、上記基準パター
ンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクト
ルを作成すること、(c)標準パターン行列の指定成分
と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から
上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分
番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と
標準パターン行列の各成分の成分値との積の値を求め、
上記積の値を標準パターン行列の各成分について加算し
た積和値を算出すること、(d)上記積和値を算出する
に際し、標準パターン行列の指定成分を各成分の位置に
移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成
分値とする標準パターン加重行列を作成すること、
(e)入力パターン行列の指定成分と各成分との間の長
さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた
位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重
ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パターン行列の
各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パ
ターン行列の各成分について加算した積和値を算出する
こと、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パター
ン行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値
を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パタ
ーン加重行列を作成すること、(g)標準パターン加重
行列と入力パターン加重行列の各成分ごとの差の値の2
乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標準パターン行列
と入力パターン行列との間の形状距離値とすることを特
徴とする。
【0037】第14発明の振動波の類似度検出方法は、
第13発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を、異なるカテ
ゴリの標準振動波間の形状距離平均値で除算した平均値
の比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重
係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特
徴とする。
【0038】また、第15発明は機械の異常判定方法で
あり、第13発明と第14発明いずれかの振動波の類似
度検出方法で、標準振動波の特徴量を成分とする標準パ
ターン行列と入力振動波の特徴量を成分とする入力パタ
ーン行列との間の形状距離を求め、求めた形状距離値と
任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容値よ
り大きいとき異常と判定し、形状距離値が許容値以下の
とき正常と判定することを特徴とする。
【0039】次に、第16発明は他の振動波の類似度検
出方法であり、(a)標準振動波の特徴量を成分とする
標準パターン原始行列と、入力振動波の特徴量を成分と
する入力パターン原始行列とを作成すること、(b)パ
ターン原始行列の指定成分ごとに異なる分散の値を持
つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記
基準形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成
し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成
分とする加重ベクトルを作成すること、(c)標準パタ
ーン原始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、
加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も
近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの
上記成分番号の成分値と標準パターン原始行列の各成分
の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パターン
原始行列の各成分について加算した積和値を算出するこ
と、(d)上記積和値を算出するに際し、標準パターン
原始行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パ
ターン原始加重行列を作成すること、(e)入力パター
ン原始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加
重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近
い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上
記成分番号の成分値と入力パターン原始行列の各成分の
成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン原
始行列の各成分について加算した積和値を算出するこ
と、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン
原始行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
ターン原始加重行列を作成すること、(g)標準パター
ン原始加重行列と入力パターン原始加重行列の各成分ご
との積の和の値を、標準パターン原始加重行列の各成分
の2乗和の平方根と入力パターン原始加重行列の各成分
の2乗和の平方根で除算した比の値を以て、標準パター
ン原始行列と入力パターン原始行列との間の形状距離値
とすることを特徴とする。
【0040】第17発明の振動波の類似度検出方法は、
第16発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を減算した平均
値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加
重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを
特徴とする。
【0041】また、第18発明は機械の異常判定方法で
あり、第16発明と第17発明いずれかの振動波の類似
度検出方法で、標準振動波の特徴量を成分とする標準パ
ターン原始行列と入力振動波の特徴量を成分とする入力
パターン原始行列との間の形状距離を求め、求めた形状
距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が
許容値より小さいとき異常と判定し、形状距離値が許容
値以上のとき正常と判定することを特徴とする。
【0042】次に、第19発明は動画像の類似度検出方
法であり、(a)標準動画像の特徴量を成分とする標準
パターン行列層と、入力動画像の特徴量を成分とする入
力パターン行列層とを作成すること、(b)パターン行
列層の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分布
や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の値
を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上記基準
パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重
ベクトルを作成すること、(c)標準パターン行列層の
指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの
中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクト
ルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の
成分値と標準パターン行列層の各成分の成分値との積の
値を求め、上記積の値を標準パターン行列層の各成分に
ついて加算した積和値を算出すること、(d)上記積和
値を算出するに際し、標準パターン行列層の指定成分を
各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値
を指定成分の成分値とする標準パターン加重行列層を作
成すること、(e)入力パターン行列層の指定成分と各
成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記
長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号
を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入力
パターン行列層の各成分の成分値との積の値を求め、上
記積の値を入力パターン行列層の各成分について加算し
た積和値を算出すること、(f)上記積和値を算出する
に際し、入力パターン行列層の指定成分を各成分の位置
に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の
成分値とする入力パターン加重行列層を作成すること、
(g)標準パターン加重行列層と入力パターン加重行列
層の各成分ごとの差の値の2乗和、あるいは同2乗和の
平方根を、標準パターン行列層と入力パターン行列層と
の間の形状距離値とすることを特徴とする。
【0043】第20発明の動画像の類似度検出方法は、
第19発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準動画像間の形状距離平均値を、異なるカテ
ゴリの標準動画像間の形状距離平均値で除算した平均値
の比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重
係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特
徴とする。
【0044】また、第21発明は動画像認識方法であ
り、第19発明と第20発明いずれかの動画像の類似度
検出方法で、標準動画像の特徴量を成分とする標準パタ
ーン行列層と入力動画像の特徴量を成分とする入力パタ
ーン行列層との間の形状距離を求め、求めた形状距離値
と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容値
より大きいとき入力動画像は標準動画像でないと判定
し、形状距離値が許容値以下のとき入力動画像が標準動
画像であると判定することを特徴とする。
【0045】次に、第22発明は他の動画像の類似度検
出方法であり、(a)標準動画像の特徴量を成分とする
標準パターン原始行列層と、入力動画像の特徴量を成分
とする入力パターン原始行列層とを作成すること、
(b)パターン原始行列層の指定成分ごとに異なる分散
の値を持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成
し、上記基準形状の値を成分とする基準パターンベクト
ルを作成し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率
の値を成分とする加重ベクトルを作成すること、(c)
標準パターン原始行列層の指定成分と各成分との間の長
さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた
位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重
ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パターン原始行
列層の各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を
標準パターン原始行列層の各成分について加算した積和
値を算出すること、(d)上記積和値を算出するに際
し、標準パターン原始行列層の指定成分を各成分の位置
に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の
成分値とする標準パターン原始加重行列層を作成するこ
と、(e)入力パターン原始行列層の指定成分と各成分
との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さ
だけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算
出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パタ
ーン原始行列層の各成分の成分値との積の値を求め、上
記積の値を入力パターン原始行列層の各成分について加
算した積和値を算出すること、(f)上記積和値を算出
するに際し、入力パターン原始行列層の指定成分を各成
分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指
定成分の成分値とする入力パターン原始加重行列層を作
成すること、(g)標準パターン原始加重行列層と入力
パターン原始加重行列層の各成分ごとの積の和の値を、
標準パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方根
と入力パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方
根で除算した比の値を以て、標準パターン原始行列層と
入力パターン原始行列層との間の形状距離値とすること
を特徴とする。
【0046】第23発明の動画像の類似度検出方法は、
第22発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準動画像間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準動画像間の形状距離平均値を減算した平均
値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加
重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを
特徴とする。
【0047】また、第24発明は動画像認識方法であ
り、第22発明と第23発明いずれかの動画像の類似度
検出方法で、標準動画像の特徴量を成分とする標準パタ
ーン原始行列層と入力動画像の特徴量を成分とする入力
パターン原始行列層との間の形状距離を求め、求めた形
状距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値
が許容値より小さいとき入力動画像は標準動画像でない
と判定し、形状距離値が許容値以上のとき入力動画像が
標準動画像であると判定することを特徴とする。
【0048】次に、第25発明は立体の類似度検出方法
であり、(a)標準立体の特徴量を成分とする標準パタ
ーン行列層と、入力立体の特徴量を成分とする入力パタ
ーン行列層とを作成すること、(b)パターン行列層の
指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分布や矩形
など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の値を成分
とする基準パターンベクトルを作成し、上記基準パター
ンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクト
ルを作成すること、(c)標準パターン行列層の指定成
分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心か
ら上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成
分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値
と標準パターン行列層の各成分の成分値との積の値を求
め、上記積の値を標準パターン行列層の各成分について
加算した積和値を算出すること、(d)上記積和値を算
出するに際し、標準パターン行列層の指定成分を各成分
の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定
成分の成分値とする標準パターン加重行列層を作成する
こと、(e)入力パターン行列層の指定成分と各成分と
の間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだ
け離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パター
ン行列層の各成分の成分値との積の値を求め、上記積の
値を入力パターン行列層の各成分について加算した積和
値を算出すること、(f)上記積和値を算出するに際
し、入力パターン行列層の指定成分を各成分の位置に移
動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成分
値とする入力パターン加重行列層を作成すること、
(g)標準パターン加重行列層と入力パターン加重行列
層の各成分ごとの差の値の2乗和、あるいは同2乗和の
平方根を、標準パターン行列層と入力パターン行列層と
の間の形状距離値とすることを特徴とする。
【0049】第26発明の立体の類似度検出方法は、第
25発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
ゴリの標準立体間の形状距離平均値を、異なるカテゴリ
の標準立体間の形状距離平均値で除算した平均値の比の
値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の
値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とす
る。
【0050】また、第27発明は立体認識方法であり、
第25発明と第26発明いずれかの立体の類似度検出方
法で、標準立体の特徴量を成分とする標準パターン行列
層と入力立体の特徴量を成分とする入力パターン行列層
との間の形状距離を求め、求めた形状距離値と任意に設
定した許容値を比較し、形状距離値が許容値より大きい
とき入力立体は標準立体でないと判定し、形状距離値が
許容値以下のとき入力立体が標準立体であると判定する
ことを特徴とする。
【0051】次に、第28発明は他の立体の類似度検出
方法であり、(a)標準立体の特徴量を成分とする標準
パターン原始行列層と、入力立体の特徴量を成分とする
入力パターン原始行列層とを作成すること、(b)パタ
ーン原始行列層の指定成分ごとに異なる分散の値を持
つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記
基準形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成
し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成
分とする加重ベクトルを作成すること、(c)標準パタ
ーン原始行列層の指定成分と各成分との間の長さを求
め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に
最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクト
ルの上記成分番号の成分値と標準パターン原始行列層の
各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パ
ターン原始行列層の各成分について加算した積和値を算
出すること、(d)上記積和値を算出するに際し、標準
パターン原始行列層の指定成分を各成分の位置に移動し
ながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成分値と
する標準パターン原始加重行列層を作成すること、
(e)入力パターン原始行列層の指定成分と各成分との
間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ
離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パター
ン原始行列層の各成分の成分値との積の値を求め、上記
積の値を入力パターン原始行列層の各成分について加算
した積和値を算出すること、(f)上記積和値を算出す
るに際し、入力パターン原始行列層の指定成分を各成分
の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定
成分の成分値とする入力パターン原始加重行列層を作成
すること、(g)標準パターン原始加重行列層と入力パ
ターン原始加重行列層の各成分ごとの積の和の値を、標
準パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方根と
入力パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方根
で除算した比の値を以て、標準パターン原始行列層と入
力パターン原始行列層との間の形状距離値とすることを
特徴とする。
【0052】第29発明の立体の類似度検出方法は、第
28発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
ゴリの標準立体間の形状距離平均値から、異なるカテゴ
リの標準立体間の形状距離平均値を減算した平均値の差
の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数
の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴と
する。
【0053】また、第30発明は立体認識方法であり、
第28発明と第29発明いずれかの立体の類似度検出方
法で、標準立体の特徴量を成分とする標準パターン原始
行列層と入力立体の特徴量を成分とする入力パターン原
始行列層との間の形状距離を求め、求めた形状距離値と
任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容値よ
り小さいとき入力立体は標準立体でないと判定し、形状
距離値が許容値以上のとき入力立体が標準立体であると
判定することを特徴とする。
【0054】次に、第31発明は他の音声の類似度検出
方法であり、(a)標準音声の特徴量を成分とする標準
パターンベクトルと、入力音声の特徴量を成分とする入
力パターンベクトルとを作成すること、(b)パターン
ベクトルの指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規
分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形状
の値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上記
基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする
加重ベクトルを作成すること、(c)標準パターンベク
トルの指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベク
トルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重
ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分
番号の成分値と標準パターンベクトルの各成分の成分値
との積の値を求め、上記積の値を標準パターンベクトル
の各成分について加算した積和値を算出すること、
(d)上記積和値を算出するに際し、標準パターンベク
トルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パター
ン加重ベクトルを作成すること、(e)入力パターンベ
クトルの指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベ
クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成
分番号の成分値と入力パターンベクトルの各成分の成分
値との積の値を求め、上記積の値を入力パターンベクト
ルの各成分について加算した積和値を算出すること、
(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターンベク
トルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パター
ン加重ベクトルを作成すること、(g)標準パターン加
重ベクトルと入力パターン加重ベクトルの各成分ごとの
差の値の2乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標準パ
ターンベクトルと入力パターンベクトルとの間の形状距
離値とすることを特徴とする。
【0055】第32発明の音声の類似度検出方法は、第
31発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
ゴリの標準音声間の形状距離平均値を、異なるカテゴリ
の標準音声間の形状距離平均値で除算した平均値の比の
値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の
値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とす
る。
【0056】また、第33発明は音声認識方法であり、
第31発明と第32発明いずれかの音声の類似度検出方
法で、標準音声の特徴量を成分とする標準パターンベク
トルと入力音声の特徴量を成分とする入力パターンベク
トルとの間の形状距離を求め、求めた形状距離値と任意
に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容値より大
きいとき入力音声は標準音声でないと判定し、形状距離
値が許容値以下のとき入力音声が標準音声であると判定
することを特徴とする。
【0057】次に、第34発明は更に他の音声の類似度
検出方法であり、(a)標準音声の特徴量を成分とする
標準パターン原始ベクトルと、入力音声の特徴量を成分
とする入力パターン原始ベクトルとを作成すること、
(b)パターン原始ベクトルの指定成分ごとに異なる分
散の値を持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作
成し、上記基準形状の値を成分とする基準パターンベク
トルを作成し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化
率の値を成分とする加重ベクトルを作成すること、
(c)標準パターン原始ベクトルの指定成分と各成分と
の間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだ
け離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パター
ン原始ベクトルの各成分の成分値との積の値を求め、上
記積の値を標準パターン原始ベクトルの各成分について
加算した積和値を算出すること、(d)上記積和値を算
出するに際し、標準パターン原始ベクトルの指定成分を
各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値
を指定成分の成分値とする標準パターン原始加重ベクト
ルを作成すること、(e)入力パターン原始ベクトルの
指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの
中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクト
ルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の
成分値と入力パターン原始ベクトルの各成分の成分値と
の積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始ベクト
ルの各成分について加算した積和値を算出すること、
(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン原始
ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
ターン原始加重ベクトルを作成すること、(g)標準パ
ターン原始加重ベクトルと入力パターン原始加重ベクト
ルの各成分ごとの積の和の値を、標準パターン原始加重
ベクトルの各成分の2乗和の平方根と入力パターン原始
加重ベクトルの各成分の2乗和の平方根で除算した比の
値を以て、標準パターン原始ベクトルと入力パターン原
始ベクトルとの間の形状距離値とすることを特徴とす
る。
【0058】第35発明の音声の類似度検出方法は、第
34発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
ゴリの標準音声間の形状距離平均値から、異なるカテゴ
リの標準音声間の形状距離平均値を減算した平均値の差
の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数
の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴と
する。
【0059】また、第36発明は音声認識方法であり、
第34発明と第35発明いずれかの音声の類似度検出方
法で、標準音声の特徴量を成分とする標準パターン原始
ベクトルと入力音声の特徴量を成分とする入力パターン
原始ベクトルとの間の形状距離を求め、求めた形状距離
値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容
値より小さいとき入力音声は標準音声でないと判定し、
形状距離値が許容値以上のとき入力音声が標準音声であ
ると判定することを特徴とする。
【0060】次に、第37発明は他の振動波の類似度検
出方法であり、(a)標準振動波の特徴量を成分とする
標準パターンベクトルと、入力振動波の特徴量を成分と
する入力パターンベクトルとを作成すること、(b)パ
ターンベクトルの指定成分ごとに異なる分散の値を持
つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記
基準形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成
し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成
分とする加重ベクトルを作成すること、(c)標準パタ
ーンベクトルの指定成分と各成分との間の長さを求め、
加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も
近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの
上記成分番号の成分値と標準パターンベクトルの各成分
の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パターン
ベクトルの各成分について加算した積和値を算出するこ
と、(d)上記積和値を算出するに際し、標準パターン
ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パ
ターン加重ベクトルを作成すること、(e)入力パター
ンベクトルの指定成分と各成分との間の長さを求め、加
重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近
い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上
記成分番号の成分値と入力パターンベクトルの各成分の
成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パターンベ
クトルの各成分について加算した積和値を算出するこ
と、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン
ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
ターン加重ベクトルを作成すること、(g)標準パター
ン加重ベクトルと入力パターン加重ベクトルの各成分ご
との差の値の2乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標
準パターンベクトルと入力パターンベクトルとの間の形
状距離値とすることを特徴とする。
【0061】第38発明の振動波の類似度検出方法は、
第37発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を、異なるカテ
ゴリの標準振動波間の形状距離平均値で除算した平均値
の比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重
係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特
徴とする。
【0062】また、第39発明は機械の異常判定方法で
あり、第37発明と第38発明いずれかの振動波の類似
度検出方法で、標準振動波の特徴量を成分とする標準パ
ターンベクトルと入力振動波の特徴量を成分とする入力
パターンベクトルとの間の形状距離を求め、求めた形状
距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が
許容値より大きいとき異常と判定し、形状距離値が許容
値以下のとき正常と判定することを特徴とする。
【0063】次に、第40発明は更に他の振動波の類似
度検出方法であり、(a)標準振動波の特徴量を成分と
する標準パターン原始ベクトルと、入力振動波の特徴量
を成分とする入力パターン原始ベクトルとを作成するこ
と、(b)パターン原始ベクトルの指定成分ごとに異な
る分散の値を持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状
を作成し、上記基準形状の値を成分とする基準パターン
ベクトルを作成し、上記基準パターンベクトルの尖度の
変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成すること、
(c)標準パターン原始ベクトルの指定成分と各成分と
の間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだ
け離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パター
ン原始ベクトルの各成分の成分値との積の値を求め、上
記積の値を標準パターン原始ベクトルの各成分について
加算した積和値を算出すること、(d)上記積和値を算
出するに際し、標準パターン原始ベクトルの指定成分を
各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値
を指定成分の成分値とする標準パターン原始加重ベクト
ルを作成すること、(e)入力パターン原始ベクトルの
指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの
中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクト
ルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の
成分値と入力パターン原始ベクトルの各成分の成分値と
の積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始ベクト
ルの各成分について加算した積和値を算出すること、
(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン原始
ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
ターン原始加重ベクトルを作成すること、(g)標準パ
ターン原始加重ベクトルと入力パターン原始加重ベクト
ルの各成分ごとの積の和の値を、標準パターン原始加重
ベクトルの各成分の2乗和の平方根と入力パターン原始
加重ベクトルの各成分の2乗和の平方根で除算した比の
値を以て、標準パターン原始ベクトルと入力パターン原
始ベクトルとの間の形状距離値とすることを特徴とす
る。
【0064】第41発明の振動波の類似度検出方法は、
第40発明における前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を減算した平均
値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加
重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを
特徴とする。
【0065】また、第42発明は機械の異常判定方法で
あり、第40発明と第41発明いずれかの振動波の類似
度検出方法で、標準振動波の特徴量を成分とする標準パ
ターン原始ベクトルと入力振動波の特徴量を成分とする
入力パターン原始ベクトルとの間の形状距離を求め、求
めた形状距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状
距離値が許容値より小さいとき異常と判定し、形状距離
値が許容値以上のとき正常と判定することを特徴とす
る。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0067】[原理説明]基準形状として正規分布を用
いる場合について、本発明の原理を説明する。また、パ
ターン行列(或いはパターン原始行列)、パターン行列
層(或いはパターン原始行列層)、パターンベクトル
(或いはパターン原始ベクトル)を代表して、標準パタ
ーン行列と入力パターン行列(或いは標準パターン原始
行列と入力パターン原始行列)との間の形状距離につい
て、本発明の原理を説明する。
【0068】[原理その1]第1に、関連技術(特願2
000−277749号)、並びに、従来技術(特開平
10−253444号公報)においては、標準パターン
行列と入力パターン行列との間の形状変化を、正規分布
の値を成分とする基準パターンベクトルの形状変化に置
き換え、この基準パターンベクトルの形状変化の大きさ
を尖度の変化量として数値化することにより、標準パタ
ーン行列と入力パターン行列との類似の程度を形状距離
値として検出している。
【0069】即ち、これらの方法では、パターン行列の
各成分ごとに標準パターン行列の成分値と入力パターン
行列の成分値との大小比較を行い、標準パターン行列に
対して入力パターン行列が変化した全ての成分について
基準パターンベクトルを形状変化させ、形状変化した基
準パターンベクトルの尖度値を直接的に求めて形状変化
量を算出している。
【0070】本発明では、第1の課題を解決するため、
上述の直接的な方法に代えて、基準パターンベクトルの
尖度の変化率と同ベクトルの変化量との積の値を求め、
上記積の値を標準パターン行列に対して入力パターン行
列が変化した全ての成分について加算した積和値を求め
ることにより形状変化量を算出しても近似的に同じ結果
が得られることを示す。次に、上記形状変化量は、基準
パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重
ベクトルの成分値と標準パターン行列の成分値との積和
演算、及び、同加重ベクトルの成分値と入力パターン行
列の成分値との積和演算に分解できることを示す。
【0071】従って、加重ベクトルの成分値と標準パタ
ーン行列の成分値との積和演算により標準パターン加重
行列を作成すること、及び、同加重ベクトルの成分値と
入力パターン行列の成分値との積和演算により入力パタ
ーン加重行列を作成することが独立して行えるようにな
り、結果として、これら標準パターン加重行列及び入力
パターン加重行列を用いて従来のユークリッド距離の計
算を行うことにより形状距離値を算出することができ
る。
【0072】一方、画像の濃度パターンを正規化しない
で作成した標準パターン原始行列及び入力パターン原始
行列についても、上記と同様に、加重ベクトルの成分値
と標準パターン原始行列の成分値との積和演算により標
準パターン原始加重行列を作成し、同加重ベクトルの成
分値と入力パターン原始行列の成分値との積和演算によ
り入力パターン原始加重行列を作成し、これら標準パタ
ーン原始加重行列及び入力パターン原始加重行列を用い
て従来の角度の余弦の計算を行うことにより形状距離値
を算出することができる。
【0073】具体的には、パターン行列の指定成分ごと
に異なる分散の値をもつ正規分布を作成し、上記正規分
布の値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上
記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とす
る加重ベクトルを予め作成しておく。そして、標準パタ
ーン行列(或いは標準パターン原始行列)の指定成分と
各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上
記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番
号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と標
準パターン行列(或いは標準パターン原始行列)の各成
分の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パター
ン行列(或いは標準パターン原始行列)の各成分につい
て加算した積和値を算出する。
【0074】その際、標準パターン行列(或いは標準パ
ターン原始行列)の指定成分を各成分の位置に移動しな
がら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とす
る標準パターン加重行列(或いは標準パターン原始加重
行列)を作成する。
【0075】同様に、入力パターン行列(或いは入力パ
ターン原始行列)の指定成分と各成分との間の長さを求
め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に
最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクト
ルの上記成分番号の成分値と入力パターン行列(或いは
入力パターン原始行列)の各成分の成分値との積の値を
求め、上記積の値を入力パターン行列(或いは入力パタ
ーン原始行列)の各成分について加算した積和値を算出
する。
【0076】その際、入力パターン行列(或いは入力パ
ターン原始行列)の指定成分を各成分の位置に移動しな
がら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とす
る入力パターン加重行列(或いは入力パターン原始加重
行列)を作成する。
【0077】次に、標準パターン加重行列と入力パター
ン加重行列の各成分ごとの差の値の2乗和の平方根、或
いは、2乗和自身を標準パターン行列と入力パターン行
列との間の形状距離値として検出する。一方、標準パタ
ーン原始加重行列と入力パターン原始加重行列の各成分
ごとの積の和の値を、標準パターン原始加重行列の各成
分の2乗和の平方根と入力パターン原始加重行列の各成
分の2乗和の平方根で除算した比の値を以て、標準パタ
ーン原始行列と入力パターン原始行列との間の形状距離
値とする。
【0078】[原理その2]第2に、関連技術(特願2
000−277749号)においては、パターン行列の
指定成分と各成分との間の長さの最大値を、定数1.4
で除算した比の値の2乗を以て、正規分布の分散の値と
している。また、同関連技術、並びに、従来技術(特開
平10−253444号公報(特願平9−61007
号))においては、基準パターンベクトルのすべての成
分番号にそれぞれ定数1の重みを付け、標準パターン行
列の成分値と入力パターン行列の成分値との間の変化量
の絶対値を、基準パターンベクトルの成分番号にかかわ
らず、そのまま基準パターンベクトルの増加量に置き換
えている。
【0079】即ち、これらの方法では、固定的な分散の
値をもつ正規分布を用いて基準パターンベクトルを作成
し、また、固定的な重みの値をもつ増加手段を用いて基
準パターンベクトルを増加させている。
【0080】本発明では、第2の課題を解決するため、
上述の固定的な方法に代えて、可変的な分散の値をもつ
正規分布を用いて基準パターンベクトルを作成し、ま
た、可変的な重みの値をもつ増加手段を用いて基準パタ
ーンベクトルを増加させた場合には、パターン行列間
(或いはパターン原始行列間)の形状距離値に変化が現
われることを示す。従って、分散の値及び重みの値を調
整することにより、同じカテゴリの標準パターン行列間
(或いは標準パターン原始行列間)の距離が近くなり、
同時に、異なるカテゴリの標準パターン行列間(或いは
標準パターン原始行列間)の距離が遠くなるようにでき
る。その結果として、同じカテゴリの標準パターン行列
(或いは標準パターン原始行列)と異なるカテゴリの標
準パターン行列(或いは標準パターン原始行列)の分離
が良くなり、入力パターン行列(或いは入力パターン原
始行列)が与えられたときの認識性能が向上する。
【0081】具体的には、同じカテゴリの標準パターン
行列間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの標準パタ
ーン行列間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値
を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の値
を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベクトル
を用いて標準パターン行列と入力パターン行列との間の
形状距離値を検出する。一方、同じカテゴリの標準パタ
ーン原始行列間の形状距離平均値から、異なるカテゴリ
の標準パターン原始行列間の形状距離平均値を減算した
平均値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にす
る加重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、こ
の加重ベクトルを用いて標準パターン原始行列と入力パ
ターン原始行列との間の形状距離値を検出する。
【0082】なお、基準形状が矩形など、正規分布以外
のものであっても、上記の説明は成立する。また、パタ
ーン行列層(或いはパターン原始行列層)、及び、パタ
ーンベクトル(或いはパターン原始ベクトル)について
も、上記の説明は成立する。ここで、パターン行列層
(或いはパターン原始行列層)は、動画像や立体など3
次元の場合に、複数個のパターン行列(或いはパターン
原始行列)で構成されるものである。
【0083】このような形状距離値は、標準画像と入力
画像との間のパターン行列形状変化(或いはパターン原
始行列形状変化)を正確に検出するものであり、標準音
声と入力音声との間の類似度を正確に検出するものであ
り、標準振動波と入力振動波との間の類似度を正確に検
出するものである。また、標準動画像と入力動画像との
間のパターン行列層形状変化(或いはパターン原始行列
層形状変化)を正確に検出するものであり、標準立体と
入力立体との間の類似度を正確に検出するものである。
また、標準音声と入力音声との間のパターンベクトル形
状変化(或いはパターン原始ベクトル形状変化)を正確
に検出するものであり、標準振動波と入力振動波との間
の類似度を正確に検出するものである。
【0084】従って、上記のように得られる形状距離値
を用いて画像認識を行うことにより、標準パターン行列
と入力パターン行列(或いは標準パターン原始行列と入
力パターン原始行列)との間の形状変化を正確に検出す
ることができ、画像認識の精度を著しく向上させること
ができる。また、このような形状距離値を用いて音声認
識を行うことにより、標準パターン行列と入力パターン
行列(或いは標準パターン原始行列と入力パターン原始
行列)との間の形状変化を正確に検出することができ、
音声認識の精度を著しく向上させることができる。ま
た、このような形状距離値を用いて機械の異常判定を行
うことにより、標準パターン行列と入力パターン行列
(或いは標準パターン原始行列と入力パターン原始行
列)との間の形状変化を正確に検出することができ、機
械の異常検知の精度を著しく向上させることができる。
また、このような形状距離値を用いて動画像認識を行う
ことにより、標準パターン行列層と入力パターン行列層
(或いは標準パターン原始行列層と入力パターン原始行
列層)との間の形状変化を正確に検出することができ、
動画像認識の精度を著しく向上させることができる。ま
た、このような形状距離値を用いて立体認識を行うこと
により、標準パターン行列層と入力パターン行列層(或
いは標準パターン原始行列層と入力パターン原始行列
層)との間の形状変化を正確に検出することができ、立
体認識の精度を著しく向上させることができる。また、
このような形状距離値を用いて音声認識を行うことによ
り、標準パターンベクトルと入力パターンベクトル(或
いは標準パターン原始ベクトルと入力パターン原始ベク
トル)との間の形状変化を正確に検出することができ、
音声認識の精度を著しく向上させることができる。ま
た、このような形状距離値を用いて機械の異常判定を行
うことにより、標準パターンベクトルと入力パターンベ
クトル(或いは標準パターン原始ベクトルと入力パター
ン原始ベクトル)との間の形状変化を正確に検出するこ
とができ、機械の異常検知の精度を著しく向上させるこ
とができる。
【0085】以下、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。本実施例では、2つのパターン行列間(或
いは、正規化する前のパターン原始行列間)の類似度検
出値を用いた画像認識方法、音声認識方法、機械の異常
判定方法について、また、2つのパターン行列層間(或
いは、正規化する前のパターン原始行列層間)の類似度
検出値を用いた動画像認識方法、立体認識方法につい
て、また、2つのパターンベクトル間(或いは、正規化
する前のパターン原始ベクトル間)の類似度検出値を用
いた音声認識方法、機械の異常判定方法について順を追
って説明する。
【0086】[実施例(I):画像認識方法(2次
元)]2つのパターン行列間(或いはパターン原始行列
間)の類似度検出値を用いた画像認識方法について述べ
る。本実施例(I)では、画像認識を行うために、画像
の濃度パターンを全画素の濃度の合計、または、全画素
の濃度の最大値で正規化して標準パターン行列と入力パ
ターン行列とを作成し、また、基準パターンベクトルの
尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成す
る。そして、加重ベクトルの成分値と標準パターン行列
の成分値との積和演算により標準パターン加重行列を作
成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力
パターン行列の成分値との積和演算により入力パターン
加重行列を作成する。次に、これら標準パターン加重行
列及び入力パターン加重行列を用いて従来のユークリッ
ド距離の計算を行うことにより画像の類似度を検出す
る。
【0087】一方、画像の濃度パターンを正規化しない
で標準パターン原始行列と入力パターン原始行列とを作
成する。そして、上記加重ベクトルの成分値と標準パタ
ーン原始行列の成分値との積和演算により標準パターン
原始加重行列を作成し、これと独立して、同加重ベクト
ルの成分値と入力パターン原始行列の成分値との積和演
算により入力パターン原始加重行列を作成する。次に、
これら標準パターン原始加重行列及び入力パターン原始
加重行列を用いて従来の角度の余弦の計算を行うことに
より画像の類似度を検出する。このように、画像の類似
度検出には、画像の濃度パターンを正規化する場合と、
しない場合の2通りがある。
【0088】更に、同じカテゴリの標準パターン行列間
(或いは標準パターン原始行列間)の距離が近くなり、
同時に、異なるカテゴリの標準パターン行列間(或いは
標準パターン原始行列間)の距離が遠くなるように上記
加重ベクトルの成分値を調整し、調整後の加重ベクトル
を用いて画像の類似度を検出し、その検出値を用いて画
像認識を行うものとする。もっとも、このような加重ベ
クトルの調整は必ずしも必要ではなく、省略することが
できる。
【0089】図1は、アルファベット“E”の画像の一
例である。同図に示されるように、画像はx方向及びy
方向をそれぞれm1個及びm2個に区切ったm1×m2個の
画素により構成される。ここで、x方向にi1番目、か
つ、y方向にi2番目の画素における画像の濃度をPi1
2とする。
【0090】次に、標準画像の濃度Pi12(i1
1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)を成分
とする標準パターン原始行列Hoと、入力画像の濃度P
12(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・
・,m2)を成分とする入力パターン原始行列Noを作成
する。この標準パターン原始行列Ho及び入力パターン
原始行列Noを、次の数1のように表現しておく。ただ
し、数1は、標準画像及び入力画像の濃度の形状を、パ
ターン原始行列のm1×m2個の成分値で表現したもので
ある。
【0091】
【数1】
【0092】また、図2(a)は、標準パターン原始行
列Hoを(x−y)平面で表現したものであり、同図
(b)は、入力パターン原始行列Noを同じく(x−
y)平面で表現したものである。ここで、hoi1i2はH
oの(xi1,yi2)における成分、noi1i2はNoの
(xi1,yi2)における成分を示す。
【0093】関連技術(特願2000−277749
号)では、画像の濃度Pi12(i1=1,2,・・・,m
1)(i2=1,2,・・・,m2)を全画素の濃度の合計で
正規化する処理を行っている。即ち、x方向にi1
目、かつ、y方向にi2番目の画素における画像の正規
化濃度pi12を、次の数2により算出している。
【0094】
【数2】
【0095】また、2値画像の場合などでは、画像の濃
度Pi12(i1=1,2,・・・,m 1)(i2=1,2,
・・・ ,m2)を全画素の濃度の最大値で正規化する。即
ち、x方向にi1番目、かつ、y方向にi2番目の画素に
おける画像の正規化濃度pi 12は、次の数3により算
出できる。ただし、数3中の記号max{Pj12}は
画像の濃度Pj12(j1=1,2,・・・,m1)(j2
1,2,・・・,m2)において、その中の最大値を意味す
る。
【0096】
【数3】
【0097】ここで、数2による正規化濃度の形状と数
3による正規化濃度の形状とは相似形であるため、数2
または数3のどちらを用いた場合でも、同様に以下の議
論が成り立つ。
【0098】次に、標準画像の正規化濃度pi12(i
1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)を成
分とする標準パターン行列Hと、入力画像の正規化濃度
pi 12(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・
・,m2)を成分とする入力パターン行列Nを作成する。
この標準パターン行列H及び入力パターン行列Nを、次
の数4のように表現しておく。ただし、数4は、標準画
像及び入力画像の正規化濃度の形状を、パターン行列の
1×m2個の成分値で表現したものである。
【0099】
【数4】
【0100】また、図3(a)は、標準パターン行列H
を(x−y)平面で表現したものであり、同図(b)
は、入力パターン行列Nを同じく(x−y)平面で表現
したものである。ここで、hi1i2はHの(xi1,yi2
における成分、ni1i2はNの(xi1,yi2)における成
分を示す。
【0101】関連技術(特願2000−277749
号)においては、図4(a)に示すように、平均値μ=
0、分散σj12 2の値をもつ正規分布のグラフ(正規
曲線)を作成し、また、図4(b)、(c)に示すよう
に、同正規分布の値を成分とする基準パターン正ベクト
ルKj12 (+)及び基準パターン負ベクトルKj12 (-)
を作成している。
【0102】次に、関連技術(特願2000−2777
49号)においては、標準パターン行列Hと入力パター
ン行列Nとの間の形状変化を、基準パターン正ベクトル
Kj 12 (+)及び基準パターン負ベクトルKj12 (-)
形状変化に置き換えている。即ち、パターン行列のi1
2成分(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・
・,m2)について、標準パターン行列Hの成分値hi1
2と入力パターン行列Nの成分値ni12との間の変
化量の絶対値は|ni12−hi12|であるが、次の
数5に示すように、ni12がhi12より大きいとき
基準パターン正ベクトルKj12 (+)の成分値kj12
(+)0をこの変化量の絶対値|ni12−hi12|だ
け増加させ、ni12がhi12より小さいとき基準パ
ターン負ベクトルKj12 (-)の成分値kj12 (-)0
をこの変化量の絶対値|ni12−hi12|だけ増加
させるようにしている。
【0103】
【数5】
【0104】そして、関連技術(特願2000−277
749号)においては、数5により形状変化した一対の
基準パターンベクトル(基準パターン正ベクトルKj1
2 (+ )と基準パターン負ベクトルKj12 (-) )につい
て、それぞれの形状変化の大きさを、尖度の変化量とし
て数値化している。即ち、基準パターン正ベクトルKj
12 (+)の尖度Aj12 (+)、及び、基準パターン負ベク
トルKj12 (-)の尖度Aj12 (-)を、それぞれ次の数
6により算出している。
【0105】
【数6】
【0106】ここで、図5〜図7に示す典型例を用い
て、基準パターンベクトルの尖度の変化率について説明
する。これら図5〜図7の各(a)は模式図であって、
標準パターン行列に対して入力パターン行列のi12
分(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,
2)だけがδ増加したことにより基準パターン正ベク
トルKj12 (+)の1個の成分が同じ値δだけ増加した
例を示したものである。
【0107】また、これら図5〜図7の各(b)は、各
図の(a)のように形状変化した基準パターン正ベクト
ルKj12 (+)の尖度Aj12 (+)を、数6により直接的
に求めて記号(i)〜(iii)の各グラフで示したもの
である。図5〜図7の各(b)では、標準パターン行列
の成分値と入力パターン行列の成分値との間の変化量の
絶対値を|ni12−hi12|として、δ=|ni1
2−hi12|とおき、δの値を0.0から0.1ま
で増加させたときに、尖度の算出値Aj12 (+)が変化
する様子を示している。
【0108】(1)図5(a)は、基準パターン正ベク
トルの中央部分の第(m0+1)/2成分だけがδ増加
した例を示したものである。この場合、図5(b)にお
いて、δの変化に対する尖度Aj12 (+)の変化を記号
(i)のグラフで示しているが、図より、記号(i)の
グラフは直線で近似できることが分かる。ここで、記号
(i)のグラフの平均の傾きをgj12(m0+1)/
2とすると、この傾きgj12(m0+1)/2の値は
基準パターン正ベクトルの第(m0+1)/2成分にお
ける尖度の変化率になる。(2)図6(a)は、基準パ
ターン正ベクトルの中間部分の第i0成分だけがδ増加
した例を示したものである。この場合、図6(b)にお
いて、δの変化に対する尖度Aj12 (+)の変化を記号
(ii)のグラフで示しているが、図より、記号(ii)の
グラフは直線で近似できることが分かる。ここで、記号
(ii)のグラフの平均の傾きをgj120とすると、
この傾きgj120の値は基準パターン正ベクトルの
第i0成分における尖度の変化率になる。(3)図7
(a)は、基準パターン正ベクトルの端の部分の第2成
分だけがδ増加した例を示したものである。この場合、
図7(b)において、δの変化に対する尖度Aj12
(+)の変化を記号(iii)のグラフで示しているが、図よ
りδの値が小さいときには、記号(iii)のグラフは直
線で近似できることが分かる。ここで、記号(iii)の
グラフの平均の傾きをgj122とすると、この傾きg
122の値は基準パターン正ベクトルの第2成分にお
ける尖度の変化率になる。
【0109】なお、基準パターン正ベクトルKj12
(+)及び基準パターン負ベクトルKj12 (-)が相等なベ
クトルであることにより、図5〜図7に係る上記の説明
は、基準パターン負ベクトルKj12 (-)についても成
り立つ。また、図5〜図7に係る上記の説明は、正規分
布の分散σj12 2の値にかかわらず、常に成り立つ。
【0110】前述したように、関連技術や従来技術の方
法では、数5により基準パターンベクトルを形状変化さ
せ、形状変化した基準パターンベクトルの尖度値を数6
により直接的に求めている。以上の説明より図5〜図7
の各(a)の場合には、上記の直接的な方法に代えて、
次の数7の上側の条件式により、尖度Aj12 (+)の近
似値を算出できることが分かる。即ち、予め基準パター
ン正ベクトルKj12 (+)の各成分における尖度の変化
率を算出しておき、標準パターン行列に対して入力パタ
ーン行列のi12成分だけが増加したことにより基準パ
ターン正ベクトルの第i0成分(i0=1,2,・・・,
0)が同じ値だけ増加した場合には、基準パターン正
ベクトルの第i0成分における尖度の変化率をgj12
0とし、標準パターン行列の成分値と入力パターン行
列の成分値との間の変化量の絶対値を|ni12−hi
12|として、gj120と|ni12−hi12
との積の値を求めて尖度値Aj12 (+)を算出できる。
【0111】同様に、標準パターン行列に対して入力パ
ターン行列のi12成分だけが減少したことにより基準
パターン負ベクトルの第i0成分(i0=1,2,・・・,
0)が同じ値だけ増加した場合には、次の数7の下側
の条件式により、gj120と|ni12−hi12
|との積の値を求めて尖度値Aj12 (-)を算出でき
る。なお、数7は、基準パターン正ベクトルまたは基準
パターン負ベクトルの1個の成分だけが増加した場合に
限って成り立つものである。
【0112】
【数7】
【0113】数7において、符号を考慮しながら、|n
12−hi12|を(ni12−hi12)に置き換
えることにより、次の数8を得る。
【0114】
【数8】
【0115】次に、図8〜図13に示す典型例を用い
て、基準パターンベクトルの尖度の変化の性質について
説明する。図8〜図10の各(a)は模式図であって、
標準パターン行列に対して入力パターン行列の2個の成
分が同時にδ増加したことにより基準パターン正ベクト
ルKj12 (+)の2個の成分が同時に同じ値δだけ増加
した例を示したものである。図11〜図13の各(a)
は模式図であって、標準パターン行列に対して入力パタ
ーン行列の1個の成分がδ増加し、これと同時に、他の
1個の成分が0.1増加したことにより、基準パターン
正ベクトルKj12 (+)の1個の成分がδ増加し、これ
と同時に、他の1個の成分が0.1増加した例を示した
ものである。
【0116】また、これら図8〜図13の各(b)は、
各図の(a)のように形状変化した基準パターン正ベク
トルKj12 (+)の尖度Aj12 (+)を、数6により直接
的に求めて記号(iv)〜(ix)の各グラフで示したもの
である。図8〜図13の各(b)では、標準パターン行
列の成分値と入力パターン行列の成分値との間の変化量
の絶対値を|ni12−hi12|として、δ=|ni
12−hi12|とおき、δの値を0.0から0.1ま
で増加させたときに、尖度の算出値Aj12 (+ )が変化
する様子を示している。
【0117】(1)図8(a)は、基準パターン正ベク
トルの中央部分の第(m0+1)/2成分と中間部分の
第i0成分が同時にδ増加した例を示したものである。
この場合、図8(b)において、δの変化に対する尖度
Aj12 (+)の変化を記号(iv)のグラフで示し、ま
た、図5中の記号(i)のグラフと図6中の記号(ii)
のグラフを加算した結果を記号(i)+(ii)のグラフ
で示しているが、図より、記号(iv)のグラフは、近似
的に、記号(i)+(ii)のグラフに等しいことが分か
る。 (2)図9(a)は、基準パターン正ベクトルの中間部
分の第i0成分と端の部分の第2成分が同時にδ増加し
た例を示したものである。この場合、図9(b)におい
て、δの変化に対する尖度Aj12 (+)の変化を記号
(v)のグラフで示し、また、図6中の記号(ii)のグ
ラフと図7中の記号(iii)のグラフを加算した結果を
記号(ii)+(iii)のグラフで示しているが、図よ
り、記号(v)のグラフは、近似的に、記号(ii)+
(iii)のグラフに等しいことが分かる。 (3)図10(a)は、基準パターン正ベクトルの中央
部分の第(m0+1)/2成分と端の部分の第2成分が
同時にδ増加した例を示したものである。この場合、図
10(b)において、δの変化に対する尖度Aj12
(+)の変化を記号(vi)のグラフで示し、また、図5中
の記号(i)のグラフと図7中の記号(iii)のグラフ
を加算した結果を記号(i)+(iii)のグラフで示し
ているが、図より、記号(vi)のグラフは、δの値が小
さいときには近似的に、記号(i)+(iii)のグラフ
に等しいことが分かる。 (4)図11(a)は、基準パターン正ベクトルの中央
部分の第(m0+1)/2成分がδ増加し、これと同時
に、中間部分の第i0成分が0.1増加した例を示した
ものである。この場合、図11(b)において、δの変
化に対する尖度Aj12 (+)の変化を記号(vii)のグラ
フで示し、また、図5中の記号(i)のグラフを示して
いるが、図より、記号(vii)のグラフは、近似的に、
記号(i)のグラフを平行移動したものであり、その移
動量は、図6中の記号(ii)のグラフにおけるδ=0.
1のときの尖度の変化量に等しいことが分かる。 (5)図12(a)は、基準パターン正ベクトルの中間
部分の第i0成分がδ増加し、これと同時に、端の部分
の第2成分が0.1増加した例を示したものである。こ
の場合、図12(b)において、δの変化に対する尖度
Aj12 (+)の変化を記号(viii)のグラフで示し、ま
た、図6中の記号(ii)のグラフを示しているが、図よ
り、記号(viii)のグラフは、近似的に、記号(ii)の
グラフを平行移動したものであり、その移動量は、図7
中の記号(iii)のグラフにおけるδ=0.1のときの
尖度の変化量に等しいことが分かる。 (6)図13(a)は、基準パターン正ベクトルの端の
部分の第2成分がδ増加し、これと同時に、中央部分の
第(m0+1)/2成分が0.1増加した例を示したも
のである。この場合、図13(b)において、δの変化
に対する尖度Aj12 (+)の変化を記号(ix)のグラフ
で示し、また、図7中の記号(iii)のグラフを示して
いるが、図より、記号(ix)のグラフは、近似的に、記
(iii)のグラフを平行移動したものであり、その移
動量は、図5中の記号(i)のグラフにおけるδ=0.
1のときの尖度の変化量に等しいことが分かる。
【0118】なお、基準パターン正ベクトルKj12
(+)及び基準パターン負ベクトルKj12 (-)が相等なベ
クトルであることにより、図8〜図13に係る上記の説
明は、基準パターン負ベクトルKj12 (-)についても
成り立つ。また、図8〜図13に係る上記の説明は、正
規分布の分散σj12 2の値にかかわらず、常に成り立
つ。
【0119】以上の説明より図8〜図13の各(a)の
場合には、直接的な方法に代えて、図5〜図7の各
(b)から得られる尖度の各変化量を加算することによ
り尖度Aj12 (+)の近似値を算出できることが分か
る。即ち、基準パターン正ベクトルが増加した2個の成
分について図5〜図7の各(b)を用いてそれぞれの尖
度の変化量を求め、上記尖度の各変化量を加算した和の
値を求めて尖度値Aj12 (+ )を算出できる。同様にし
て、尖度値Aj12 (-)を算出できる。
【0120】このことは、標準パターン行列に対して入
力パターン行列の3個以上の成分が同時に増加したこと
により、基準パターン正ベクトルKj 1 2 (+) の3個以
上の成分が同時に増加した場合にも成り立つ。同様に、
このことは、標準パターン行列に対して入力パターン行
列の3個以上の成分が同時に減少したことにより、基準
パターン負ベクトルKj12 (-)の3個以上の成分が同
時に増加した場合にも成り立つ。
【0121】従って、標準パターン行列に対して入力パ
ターン行列の複数の成分が同時に増加したことにより基
準パターン正ベクトルの複数の成分が同時に増加した場
合には、次の数9の上側の条件式により、尖度値Aj1
2 (+)を算出できる。即ち、基準パターン正ベクトルの
第i0成分における尖度の変化率をgj120とし、標
準パターン行列の成分値と入力パターン行列の成分値と
の間の変化量を(ni 12−hi12)として、gj1
20と(ni12−hi12)との積の値を求め、上
記積の値を標準パターン行列に対して入力パターン行列
が増加した全ての成分について加算した和の値を求めて
尖度値Aj12 (+)を算出する。
【0122】同様に、標準パターン行列に対して入力パ
ターン行列の複数の成分が同時に減少したことにより基
準パターン負ベクトルの複数の成分が同時に増加した場
合には、次の数9の下側の条件式により、gj120
と(ni12−hi12)との積の値を求め、上記積の
値を標準パターン行列に対して入力パターン行列が減少
した全ての成分について加算した和の値を求めて尖度値
Aj12 (-)を算出する。
【0123】
【数9】
【0124】ところで、関連技術(特願2000−27
7749号)では、数6により算出した基準パターン正
ベクトルKj12 (+)の尖度Aj12 (+)、及び、基準パ
ターン負ベクトルKj12 (-)の尖度Aj12 (-)を用い
て、次の数10より、形状変化量Dj12を算出してい
る。即ち、正規分布形状に初期設定された2つの基準パ
ターンベクトルKj12 (+)及びKj12 (-)の尖度の値
は、共に3に等しく、そのため、数5により形状変化し
た基準パターン正ベクトル及び基準パターン負ベクトル
の尖度の変化量は、それぞれ{Aj12 (+)−3}及び
{Aj12 (-)−3}となり、従って、正方向の変化量
は{Aj12 (+)−3}、また負方向の変化量は{Aj1
2 (-)−3}となり、全体の変化量はこの差の値になる
として形状変化量Dj12を算出している。
【0125】
【数10】
【0126】従って、数9を数10に代入して、次の数
11を得る。即ち、標準パターン行列に対して入力パタ
ーン行列の複数の成分が同時に増加及び減少したことに
より基準パターン正ベクトル及び基準パターン負ベクト
ルの複数の成分が同時に増加した場合には、数11によ
り、形状変化量Dj12を算出できる。
【0127】
【数11】
【0128】数11より、形状変化量Dj12は、基準
パターンベクトルの尖度の変化率gj120と標準パ
ターン行列の成分値hi12との積和演算、及び、同変
化率gj120と入力パターン行列の成分値ni12
との積和演算に分解できることが分かる。そこで、次の
数12に示すように、それぞれの積和値をhgj12
びngj12とおいておく。
【0129】
【数12】
【0130】次に、数12中の尖度の変化率gj12
0(i0=1,2,・・・,m0)の算出方法、及び、成分番
号i0の算出方法について説明する。なお、基準パター
ン正ベクトルKj12 (+)及び基準パターン負ベクトル
Kj12 (-)が相等なベクトルであることにより、基準
パターン正ベクトルKj12 (+)の尖度の変化率、及
び、基準パターン負ベクトルKj12 (-)の尖度の変化
率は等しく(算出方法が等しい)、また、数12に示さ
れるように、これらを区別する必要もない。従って、以
下の説明では、基準パターン正ベクトル及び基準パター
ン負ベクトルに代えて、単に基準パターンベクトルと表
記し、また、記号(+)及び(-)を除いて表記する。
【0131】図14(a)は模式図であって、基準パタ
ーンベクトルKj12の第i0成分だけが1.0増加し
た例を示したものである。また、図14(b)は、同図
(a)のように形状変化した基準パターンベクトルの尖
度Aj12の変化量ΔAj12を、数6により直接的に
求めて図中のi0の位置にプロットし、次に、このi 0
1からm0まで変化させたときに、尖度の変化量の算出
値ΔAj12が変化する様子をグラフ(加重曲線)で示
したものである。ここで、この加重曲線は、基準パター
ンベクトルの第i0成分だけが1.0増加したときの尖
度の変化量をプロットしたものであるから、加重曲線の
関数値は、基準パターンベクトルの第i 0成分(i0
1,2,・・・,m0)における尖度の変化率gj120
に等しくなる。また、この図14(b)において加重曲
線の関数値に等しい高さの棒グラフも示しているが、こ
の棒グラフの高さの値を成分とする加重ベクトルGj1
2を図14(b)のように作成し、次の数13のよう
に表現しておく。数13は、基準パターンベクトルの尖
度の変化率をベクトルのm0個の成分値で表現したもの
であり、数1及び数4は、行列(2次元)であるのに対
し、数13はベクトル(1次元)である。
【0132】
【数13】
【0133】図15(a)、(b)は、正規曲線と加重
曲線との関係を示し、また、基準パターンベクトルKj
12と加重ベクトルGj12との関係を示したものであ
る。図15(a)は、分散σj12 2の値をもつ正規曲
線、及び、この正規曲線の関数値を成分とする基準パタ
ーンベクトルKj12を示し、図15(b)は、上記基
準パターンベクトルの尖度の変化率に基づき作成した加
重曲線、及び、この加重曲線の関数値を成分とする加重
ベクトルGj12を示している。
【0134】図15(a)、(b)より、正規曲線と加
重曲線が対応し、また、基準パターンベクトルKj12
と加重ベクトルGj12が対応し、基準パターンベクト
ルKj12の添数j12、i0、m0と、加重ベクトルG
12の添数j12、i0、m0はそれぞれ同じ値をもつ
ことが分かる。
【0135】また、図16及び図17は、正規曲線と加
重曲線との関係を3次元で示したものであり、図16は
(x−y)正規化平面上の正規曲線を示し、図17は同
じく(x−y)正規化平面上の加重曲線を示している。
図16では、2つの正規曲線を示している。その1つは
正規曲線の中心線が点(j1,j2)を通り、かつ、(x
−y)正規化平面に垂直であり、また、正規曲線のu軸
が点(m1,1)を通るものである。別の1つは、正規
曲線の中心線が点(j1,j2)を通り、かつ、上記平面
に垂直であり、また、正規曲線のu軸が点(i1,i2
を通るものである。ここで、これら2つの正規曲線の分
散σj12 2は、同じ値であるものとする。従って、上
記中心線を軸として正規曲線を回転したとき、これら2
つの正規曲線は一致する。図16では、点(j1,j2
と点(i1,i2)との間の長さλi1212を求め、
正規曲線の中心から上記長さだけ離れた位置を算出する
様子を示している。
【0136】同様に、図17では、2つの加重曲線を示
している。その1つは加重曲線の中心線が点(j1
2)を通り、かつ、(x−y)正規化平面に垂直であ
り、また、加重曲線のu軸が点(m1,1)を通るもの
である。別の1つは、加重曲線の中心線が点(j1
2)を通り、かつ、上記平面に垂直であり、また、加
重曲線のu軸が点(i1,i2)を通るものである。ここ
で、これら2つの加重曲線は、図16に示す2つの同じ
正規曲線の尖度の変化率に基づき作成したものとする。
従って、上記中心線を軸として加重曲線を回転したと
き、これら2つの加重曲線は一致する。図17では、点
(j1,j2)と点(i1,i2)との間の長さλi12
12を求め、加重曲線の中心から上記長さだけ離れた位
置を算出する様子を示している。図16及び図17よ
り、正規曲線と加重曲線が対応することが分かる。
【0137】また、図18及び図19は、正規曲線の中
心の移動と加重曲線の中心の移動との関係を示したもの
である。図18は、正規曲線の中心が点(j1,j2
(j1=1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2
の位置に移動したときのそれぞれの場合について、異な
る分散の値をもつ正規曲線を示し、また、正規曲線の中
心と点(i1,i2)との間の長さλi1212(j1
=1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)を求
め、正規曲線の中心から上記長さだけ離れた位置を算出
する様子を示している。
【0138】同様に、図19は、加重曲線の中心が点
(j1,j2)(j1=1,2,・・・,m 1)(j2=1,
2,・・・,m2)の位置に移動したときのそれぞれの場合
について、図18に示すそれぞれの正規曲線の尖度の変
化率に基づき作成した加重曲線を示し、また、加重曲線
の中心と点(i1,i2)との間の長さλi121
2(j 1=1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,
2)を求め、加重曲線の中心から上記長さだけ離れた
位置を算出する様子を示している。
【0139】図18及び図19より、正規曲線の中心の
移動と加重曲線の中心の移動が対応し、また、基準パタ
ーンベクトルの中心から長さλi1212だけ離れた
位置に最も近い基準パターンベクトルの成分番号i0
算出する方法と、加重ベクトルの中心から長さλi12
12だけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番
号i0を算出する方法は同じであることが分かる。従っ
て、数12中のi0は、パターン行列のj12成分とi1
2成分が与えられたとき、(x−y)正規化平面上の
これら2点間の長さに基づき算出されることが分かる。
【0140】即ち、数12の左辺に示すhgj12は、
標準パターン行列の指定成分と各成分との間の長さを求
め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に
最も近い加重ベクトルの成分番号i0を算出し、加重ベ
クトルの上記成分番号の成分値gj120と標準パタ
ーン行列の各成分の成分値hi12との積の値を求め、
上記積の値を標準パターン行列の各成分について加算し
た積和値として算出できる。また、数12の左辺に示す
ngj12は、入力パターン行列の指定成分と各成分と
の間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだ
け離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号i0
算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値gj12
0と入力パターン行列の各成分の成分値ni12との
積の値を求め、上記積の値を入力パターン行列の各成分
について加算した積和値として算出できる。
【0141】次に、数12中のhgj12(j1=1,
2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)を成分とす
る標準パターン加重行列Hgと、数12中のngj12
(j1=1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2
を成分とする入力パターン加重行列Ngを作成する。こ
の標準パターン加重行列Hg及び入力パターン加重行列
Ngを、次の数14のように表現しておく。
【0142】
【数14】
【0143】また、数12を数11に代入して、次の数
15を得る。数15より、形状変化量Dj12は、入力
パターン加重行列Ngの成分値ngj12から標準パタ
ーン加重行列Hgの成分値hgj12を減算して得られ
ることが分かる。
【0144】
【数15】
【0145】関連技術(特願2000−277749
号)では、数15により算出したm1×m2個の形状変化
量Dj12の2乗和の平方根を形状距離値としている。
従って、次の数16より、形状距離値dEを算出でき
る。
【0146】
【数16】
【0147】また、関連技術(特願2000−2777
49号)では、数15により算出したm1×m2個の形状
変化量Dj12の2乗和自身を形状距離値としている。
従って、次の数17により、形状距離値dEを算出する
こともできる。
【0148】
【数17】
【0149】一方、数12において、標準パターン行列
の成分値hi12及び入力パターン行列の成分値ni1
2を、それぞれ標準パターン原始行列の成分値hoi1
2及び入力パターン原始行列の成分値noi12に置
き換え、次の数18に示すように、基準パターンベクト
ルの尖度の変化率gj120と標準パターン原始行列
の成分値hoi12との積和値をhogj12とおき、
同変化率gj120 と入力パターン原始行列の成分値
noi12との積和値をnogj12とおく。
【0150】
【数18】
【0151】次に、数18中のhogj12(j1
1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)を成分
とする標準パターン原始加重行列Hogと、数18中の
nogj 12(j1=1,2,・・・,m1)(j2=1,
2,・・・,m2)を成分とする入力パターン原始加重行列
Nogを作成する。この標準パターン原始加重行列Ho
g及び入力パターン原始加重行列Nogを、次の数19
のように表現しておく。
【0152】
【数19】
【0153】ここで、数1に示す標準パターン原始行列
Ho及び入力パターン原始行列Noを、数2により全画
素の濃度の合計で正規化して、数4に示す標準パターン
行列H及び入力パターン行列Nを作成した場合には、次
の数20が成り立つ。
【0154】
【数20】
【0155】また、数1に示す標準パターン原始行列H
o及び入力パターン原始行列Noを、数3により全画素
の濃度の最大値で正規化して、数4に示す標準パターン
行列H及び入力パターン行列Nを作成した場合には、次
の数21が成り立つ。
【0156】
【数21】
【0157】数20における右辺の分母の値は、それぞ
れ標準画像及び入力画像の全画素の濃度の合計であり、
これらはそれぞれ定数である。また、数21における右
辺の分母の値は、それぞれ標準画像及び入力画像の全画
素の濃度の最大値であり、これらもそれぞれ定数であ
る。従って、Ch及びCnをそれぞれ定数とし、数20
及び数21をまとめて、次の数22のように表記する。
【0158】
【数22】
【0159】数22を数12に代入し、次に、数18を
用いて、次の数23を得る。
【0160】
【数23】
【0161】数23より、j1(j1=1,2,・・・,
1)とj2(j2=1,2,・・・,m2)について、標準
パターン加重行列の成分値hgj12は、標準パターン
原始加重行列の成分値hogj12を定数Chで除算し
たものであり、また、入力パターン加重行列の成分値n
gj12は、入力パターン原始加重行列の成分値nog
12を定数Cnで除算したものであることが分かる。
【0162】図20は、数23の関係を示した模式図で
あって、m1×m2次元パターン空間において、原点Oか
ら、それぞれ標準パターン加重行列Hgの点、入力パタ
ーン加重行列Ngの点、標準パターン原始加重行列Ho
gの点、入力パターン原始加重行列Nogの点へ向かう
矢印を示したものである。数23の関係より、図20で
は、原点O、標準パターン加重行列Hgの点、及び、標
準パターン原始加重行列Hogの点は1つの直線上に並
び、また、原点O、入力パターン加重行列Ngの点、及
び、入力パターン原始加重行列Nogの点は別の直線上
に並ぶ様子を示している。
【0163】また、数16より、形状距離dEは、標準
パターン加重行列の成分値hgj1 2、及び、入力パタ
ーン加重行列の成分値ngj12を用いて従来のユーク
リッド距離の計算を行うことにより算出できることが分
かる。そこで、図20において、形状距離dEは、標準
パターン加重行列Hgの点と入力パターン加重行列Ng
の点との間のユークリッド距離になることを示してい
る。
【0164】一方、2値画像、及び、それ以外の画像が
混在する画像認識においては、一般に、入力画像が2値
画像、または、それ以外の画像のどちらであるか予め分
かっていないことが多く、このような場合には、画像の
濃度パターンを全画素の濃度の最大値で正規化する方
法、または、全画素の濃度の合計で正規化する方法のど
ちらを用いて入力画像を処理するのか判断できない問題
があり、従って、数16に示す形状距離値dEを利用で
きないことになる。
【0165】そこで、画像の濃度パターンを正規化しな
いで作成した標準パターン原始加重行列及び入力パター
ン原始加重行列について、これら2つのパターン原始加
重行列間の角度、即ち、図20において、直線OHog
と直線ONogとの間の角度を類似性尺度として用いる
ことができれば都合が良い。従って、標準パターン原始
加重行列Hogと入力パターン原始加重行列Nogとの
間の角度の余弦として、次の数24により、形状距離値
Aを算出できる。数24において、形状距離値dAは、
−1≦dA≦+1の範囲の値になり、また、標準パター
ン原始行列Hoの形状と入力パターン原始行列Noの形
状が似ているとき、従って、標準パターン原始加重行列
Hogの形状と入力パターン原始加重行列Nogの形状
が似ているとき、これら2つのパターン原始加重行列間
の角度の値は小さくなるため、形状距離値dAは+1に
近い値になる。
【0166】
【数24】
【0167】本発明の第1の課題について以上をまとめ
ると、数16及び図20に示すように、標準パターン行
列Hと入力パターン行列Nとの間の形状距離dEは、標
準パターン加重行列Hgと入力パターン加重行列Ngと
の間のユークリッド距離として算出でき、一方、数24
及び図20に示すように、標準パターン原始行列Hoと
入力パターン原始行列Noとの間の形状距離dAは、標
準パターン原始加重行列Hogと入力パターン原始加重
行列Nogとの間の角度の余弦として算出できる。な
お、図20より分かるように、標準パターン原始加重行
列Hogと入力パターン原始加重行列Nogとの間の角
度の値は、標準パターン加重行列Hgと入力パターン加
重行列Ngとの間の角度の値に等しいため、標準パター
ン加重行列Hgと入力パターン加重行列Ngとの間の角
度の余弦として形状距離dAを算出しても良い。
【0168】以上で形状距離値dE及び形状距離値dA
算出方法を述べたが、次に、この方法を用いて標準画像
と入力画像との間の形状距離値dE及び形状距離値dA
実際に算出することを考えてみる。
【0169】関連技術(特願2000−277749
号)においては、標準音声及び3個の入力音声の例を示
している。図21、図22は、これらと同じ形状を持つ
標準画像及び3個の入力画像を示したものである。即
ち、図21、図22は、平坦な濃度形状を持つ標準画像
1、及び、この標準画像1と全画素の濃度の合計が同じ
であるが濃度形状の特徴が異なる入力画像2、3、4に
ついて、標準画像1の濃度を成分とする7行9列の標準
パターン原始行列1Aoを予め登録しておき、各入力画
像2、3、4の濃度を成分とする7行9列の入力パター
ン原始行列2Ao、3Ao、4Aoを作成し、標準画像
1と各入力画像2、3、4との間の類似性尺度として、
形状距離値dE2、dE3、dE4、及び、形状距離値dA
2、dA3、dA4を算出する様子を模式的に示したもの
である。
【0170】ただし、形状距離値dEの算出において
は、画像の濃度パターンを全画素の濃度の合計で正規化
することが予め指示されているものとして、数2を用い
て正規化濃度を求め、標準画像1の正規化濃度を成分と
する標準パターン行列を予め登録しておき、各入力画像
2、3、4の正規化濃度を成分とするそれぞれの入力パ
ターン行列を作成する。
【0171】ここで、各入力画像2、3、4は、変数α
について、図22中に示されるγ、δ、ε、ζ、η、θ
の関係を持っているものとする。つまり、標準画像1の
濃度形状に対する各入力画像2、3、4の濃度形状の変
化が、図22に示す関係で、変数αにより規定されるも
のとしている。
【0172】また、関連技術(特願2000−2777
49号)においては、標準音声及び3個の入力音声の例
を示している。図23、図24は、これらの例と同じ形
状を持つ標準画像及び3個の入力画像を示したものであ
る。即ち、図23、図24は、濃度形状に2個のピーク
を持つ標準画像5、及び、この標準画像5と全画素の濃
度の合計が同じであるがピークの位置が異なる入力画像
6、7、8について、標準画像5の濃度を成分とする7
行9列の標準パターン原始行列5Aoを予め登録してお
き、各入力画像6、7、8の濃度を成分とする7行9列
の入力パターン原始行列6Ao、7Ao、8Aoを作成
し、標準画像5と各入力画像6、7、8との間の類似性
尺度として、形状距離値dE6、dE7、dE 8、及び、
形状距離値dA6、dA7、dA8を算出する様子を模式
的に示したものである。
【0173】ただし、形状距離値dEの算出において
は、画像の濃度パターンを全画素の濃度の合計で正規化
することが予め指示されているものとして、数2を用い
て正規化濃度を求め、標準画像5の正規化濃度を成分と
する標準パターン行列を予め登録しておき、各入力画像
6、7、8の正規化濃度を成分とするそれぞれの入力パ
ターン行列を作成する。
【0174】ここで、標準画像5、及び、各入力画像
6、7、8は、変数βについて、図24中に示される
ω、φの関係を持っているものとする。つまり、標準画
像5の濃度形状に対する各入力画像6、7、8の濃度形
状の変化が、図24に示す関係で、変数βにより規定さ
れるものとしている。
【0175】図25は、図22における変数αの値を0
から1まで増加させたとき、形状距離値dE2、dE3、
E4が変化する様子を示したものである。この図25
から、図21、図22の例では、形状距離値は常にdE
2=dE3<dE4であり、αの値が増加するにつれて、
形状距離値dE2、dE3、dE4も増加することが分か
る。即ち、図25の結果は、近似的に、関連技術(特願
2000−277749号)の結果に等しいことが分か
る。従って、以上の結果より、数7及び数9による近似
が適切であったことが確認できる。
【0176】一方、図26は、図22における変数αの
値を0から1まで増加させたとき、形状距離値dA2、
A3、dA4が変化する様子を示したものである。この
図26から、図21、図22の例では、形状距離値は常
にdA2=dA3>dA4であり、αの値が増加するにつ
れて、形状距離値dA2、dA3、 dA4が減少すること
が分かる。形状距離値dA2、dA3、dA4が減少する
ことは、角度の値が増加することである。即ち、標準パ
ターン原始行列1Aoと入力パターン原始行列4Aoと
の間の角度の値は、標準パターン原始行列1Aoと入力
パターン原始行列2Aoまたは3Aoとの間の角度の値
より、常に大きいことが分かる。角度の値が大きいこと
は、距離が遠いことである。従って、関連技術(特願2
000−277749号)に示されるように、従来の角
度の余弦では標準パターン原始行列1Aoに対して各入
力パターン原始行列2Ao、3Ao、4Aoを区別でき
なかったものが、図26に示すように、形状距離値dA
では入力パターン原始行列2Ao、3Aoと入力パター
ン原始行列4Aoとを区別できることが分かる。
【0177】また、図27は、図24における変数βの
値を0から1まで増加させたとき、形状距離値dE6、
E7、dE8が変化する様子を示したものである。この
図27から、図23、図24の例では、形状距離値は常
にdE6<dE7<dE8であり、βの値が増加するにつ
れて、形状距離値dE6、dE7、dE8も増加すること
が分かる。即ち、図27の結果は、近似的に、関連技術
(特願2000−277749号)の結果に等しいこと
が分かる。従って、以上の結果より、数7及び数9によ
る近似が適切であったことが確認できる。
【0178】一方、図28は、図24における変数βの
値を0から1まで増加させたとき、形状距離値dA6、
A7、dA8が変化する様子を示したものである。この
図28から、図23、図24の例では、形状距離値は常
にdA6>dA7>dA8であり、βの値が増加するにつ
れて、形状距離値dA6、dA7、dA8が減少すること
が分かる。形状距離値dA6、dA7、dA8が減少する
ことは、角度の値が増加することである。即ち、標準パ
ターン原始行列5Aoと各入力パターン原始行列6A
o、7Ao、8Aoとの間の角度の値は、入力パターン
原始行列6Ao、7Ao、8Aoの順に大きくなってい
ることが分かる。角度の値が大きいことは、距離が遠い
ことである。従って、関連技術(特願2000−277
749号)に示されるように、従来の角度の余弦では標
準パターン原始行列5Aoに対して各入力パターン原始
行列6Ao、7Ao、8Aoを区別できなかったもの
が、図28に示すように、形状距離値dAではこれらを
区別できることが分かる。
【0179】図21〜図24では、標準画像の全画素の
濃度の合計、及び、各入力画像の全画素の濃度の合計が
すべて等しい例を示し、図25〜図28において、標準
画像と各入力画像との間の形状距離値dE及び形状距離
値dAを算出した。次に、標準画像の全画素の濃度の合
計、及び、各入力画像の全画素の濃度の合計がそれぞれ
異なる例について、標準画像と各入力画像との間の形状
距離値dE及び形状距離値dAを算出し、従来のユークリ
ッド距離値及び角度の余弦値と比較してみる。
【0180】[実験例]図29、図30、図31
(a)、(b)及び図32(a)、(b)を参照して実
験例を説明する。図29、図30は、アルファベット
“E”の濃度形状を持つ標準画像9、及び、それぞれア
ルファベット“E”、“F”、“G”の濃度形状を持つ
入力画像10、11、12について、標準画像9の濃度
を成分とする7行9列の標準パターン原始行列9Ao、
及び、標準画像9の正規化濃度を成分とする7行9列の
標準パターン行列9Aを予め登録しておき、また、各入
力画像10、11、12の濃度を成分とする7行9列の
入力パターン原始行列10Ao、11Ao、12Ao、
及び、各入力画像10、11、12の正規化濃度を成分
とする7行9列の入力パターン行列10A、11A、1
2Aを作成し、標準画像9と各入力画像10、11、1
2との間の類似性尺度として、ユークリッド距離(従
来)eE10、eE11、eE12、角度の余弦(従来)
A10、eA11、eA12、形状距離dE10、dE
1、dE12、及び、形状距離dA10、dA11、dA
2を算出する様子を模式的に示したものである。
【0181】ただし、図29に示す標準画像9と各入力
画像10、11、12は2値画像であり、画像の文字部
分の濃度を1、背景部分の濃度を0とする。また、形状
距離dEの算出においては、画像の濃度パターンを全画
素の濃度の最大値で正規化することが予め指示されてい
るとして、数3を用いて正規化濃度を求める。このと
き、画像の文字部分の正規化濃度は1、背景部分の正規
化濃度は0になる。従って、図30に示すように、標準
パターン行列9A及び各入力パターン行列10A、11
A、12Aは、それぞれ標準パターン原始行列9Ao及
び各入力パターン原始行列10Ao、11Ao、12A
oに等しくなる。なお、図30において、標準パターン
原始行列9Aoの全画素の濃度の合計は31であり、各
入力パターン原始行列10Ao、11Ao、12Aoの
全画素の濃度の合計はそれぞれ27、23、29であ
り、それぞれが異なっている。
【0182】図31(a)、(b)は、それぞれ実験で
得られたユークリッド距離値eE10、eE11、eE
2、及び、形状距離値dE10、dE11、dE12を棒
グラフで示したものである。
【0183】上述の如く、図31(a)、(b)は同一
の測定データからユークリッド距離値eE、及び、形状
距離値dEを算出し、標準画像と入力画像との間のそれ
ぞれの距離値を棒グラフで表したものであり、図31
(a)、(b)によれば、以下のことがいえる。 (1)図31(a)において、ユークリッド距離eE
0、eE11、eE12の中でeE12の値が最も小さく
なっている。即ち、標準パターン行列9Aと各入力パタ
ーン行列10A、11A、12Aとの間のユークリッド
距離値の中で、標準パターン行列9Aと入力パターン行
列12Aとの間のユークリッド距離値eE12が最も小
さいことが分かる。また、図31(b)において、形状
距離dE10、dE11、dE12の中でdE10の値が最
も小さくなっている。即ち、標準パターン行列9Aと各
入力パターン行列10A、11A、12Aとの間の形状
距離値の中で、標準パターン行列9Aと入力パターン行
列10Aとの間の形状距離値dE10が最も小さいこと
が分かる。 (2)図29、図30において、入力画像10は標準画
像9と同じカテゴリの文字であって、その縦線に「位置
のずれ」が発生したものであり、入力画像11と入力画
像12は標準画像9とは異なるカテゴリの文字である。
ここで、ユークリッド距離を用いたときは、図31
(a)において許容値をどのような位置(値)に設定し
ても、入力画像12が標準画像であると誤って判定され
るか、または、3個の入力画像がともに標準画像でない
と判定されることになる。これに対して、形状距離dE
を用いたときは、図31(b)に示す位置に許容値を設
定したならば、入力画像10は標準画像であり、入力画
像11、12は標準画像でないと判定することができ
る。
【0184】一方、図32(a)、(b)は、それぞれ
実験で得られた角度の余弦値eA10、eA11、eA
2、及び、形状距離値dA10、dA11、dA12を棒
グラフで示したものである。
【0185】上述の如く、図32(a)、(b)は同一
の測定データから角度の余弦値eA、及び、形状距離値
Aを算出し、標準画像と入力画像との間のそれぞれの
距離値を棒グラフで表したものであり、図32(a)、
(b)によれば、以下のことがいえる。 (1)図32(a)において、角度の余弦値eA10、
A11、eA12の中でeA12の値が最も大きくなっ
ている。即ち、標準パターン原始行列9Aoと各入力パ
ターン原始行列10Ao、11Ao、12Aoとの間の
角度の余弦値の中で、標準パターン原始行列9Aoと入
力パターン原始行列12Aoとの間の角度の余弦値eA
12が最も大きいことが分かる。角度の余弦値が大きい
ことは、距離が近いことである。また、図32(b)に
おいて、形状距離値dA10、dA11、dA12の中で
A10の値が最も大きくなっている。即ち、標準パタ
ーン原始行列9Aoと各入力パターン原始行列10A
o、11Ao、12Aoとの間の形状距離値の中で、標
準パターン原始行列9Aoと入力パターン原始行列10
Aoとの間の形状距離値dA10が最も大きいことが分
かる。形状距離が大きいことは、距離が近いことであ
る。 (2)図29、図30において、入力画像10は標準画
像9と同じカテゴリの文字であって、その縦線に「位置
のずれ」が発生したものであり、入力画像11と入力画
像12は標準画像9とは異なるカテゴリの文字である。
ここで、角度の余弦値を用いたときは、図32(a)に
おいて許容値をどのような位置(値)に設定しても、入
力画像12が標準画像であると誤って判定されるか、ま
たは、3個の入力画像がともに標準画像でないと判定さ
れることになる。これに対して、形状距離値dAを用い
たときは、図32(b)に示す位置に許容値を設定した
ならば、入力画像10は標準画像であり、入力画像1
1、12は標準画像でないと判定することができる。
【0186】以上の実験結果より、画像の濃度パターン
を正規化する方法が予め指示されている場合には、ユー
クリッド距離を用いるよりも形状距離dEを用いる方
が、より正確に画像の類似度の検出が行えることが理解
できる。一方、画像の濃度パターンを正規化する方法が
予め指示されていない場合には、角度の余弦を用いるよ
りも形状距離dAを用いる方が、より正確に画像の類似
度の検出が行えることが理解できる。
【0187】次に、以上で述べた画像の類似度検出方法
を用いてコンピュータが連続的に画像の類似度を検出
し、画像を認識する例を図33〜図42を参照して説明
する。ただし、図33〜図37は、形状距離dEを用い
て画像を認識する例であり、図38〜図42は、形状距
離dAを用いて画像を認識する例である。
【0188】図33は、形状距離dEを用いてコンピュ
ータが画像を認識するためのフローチャートである。図
33において、ステップSa1では標準画像から標準パ
ターン行列Hを予め作成しておき、ステップSa2では
標準パターン行列Hから標準パターン加重行列Hgを予
め算出しておく。ここで、ステップSa2の標準パター
ン加重行列Hgの算出手順は、図34に示すステップS
a2−1からステップSa2−8により構成される。次
のステップSa3では入力画像から入力パターン行列N
を作成し、ステップSa4では入力パターン行列Nから
入力パターン加重行列Ngを算出する。ここで、ステッ
プSa4の入力パターン加重行列Ngの算出手順は、図
35に示すステップSa4−1からステップSa4−8
により構成される。そして、ステップSa5では標準パ
ターン加重行列Hgと入力パターン加重行列Ngの間の
ユークリッド距離、即ち、標準パターン行列Hと入力パ
ターン行列Nの間の形状距離値dEを算出し、ステップ
Sa6では許容値と比較して判定を行う。判定の後、再
び、ステップSa3からの処理を繰り返す。
【0189】このような処理手順により、画像を連続的
に認識することができる。形状距離値dEが許容値より
大きいとき、ステップSa7で入力画像は標準画像でな
いと判定し、形状距離値dEが許容値以下のとき、ステ
ップSa8で入力画像は標準画像であると判定する。
【0190】ところで、一般に、画像認識においては、
例えばアルファベット“A”、“B”、“C”、
“D”、“E”という画像のように、入力画像が複数の
画像のうちのどれであるかを認識することが多い。この
ような場合には、“A”、“B”、“C”、“D”、
“E”というそれぞれの画像を別々の標準画像と考え、
これらの標準画像から5個の標準パターン行列を作成し
ておく。
【0191】次に、入力画像からは1個の入力パターン
行列を作成し、この入力パターン行列と上記5個の各標
準パターン行列との間の形状距離値dEを算出し、これ
らの形状距離値dEのうちの最小値と、任意に設定した
許容値とを比較し、最小の形状距離値dEが許容値以下
のときには、入力画像は最小の形状距離値dEを与える
標準画像であると判定し、許容値より大きいときには入
力画像は5個の標準画像のいずれでもないと判定する。
【0192】図34は、標準パターン加重行列Hgのm
1×m2個の成分値hgj12を算出する処理手順を示し
たフローチャートである。ここでは、数4により標準パ
ターン行列Hを作成した後の処理手順を示しており、図
34中のステップSa2−1〜Sa2−8は図33中の
ステップSa2の詳細でもある。
【0193】図34において、最初のステップSa2−
1では、j1=1,j2=1と初期設定しておき、次のス
テップSa2−2からステップSa2−6では、j2
2までj2を1ずつ増加し、ステップSa2−2からス
テップSa2−8では、j1=m1までj1を1ずつ増加
して標準パターン加重行列Hgの成分値hgj12を算
出するループに入る。
【0194】この成分値算出ループ内のステップSa2
−2では、ループを回る毎に、基準パターンベクトルK
12を、次の数25、数26、数27、数28を順に
用いて作成する。即ち、数25により点(j1,j2)と
各点との間の長さの最大値を求め、数26により正規分
布の分散の値を算出し、数27及び数28により正規分
布の値を成分とする基準パターンベクトルを作成する。
ステップSa2−3では、数6、数13を順に用いて加
重ベクトルGj12を作成する。即ち、数6により図1
4(a)に示す基準パターンベクトルの尖度の変化率を
求め、数13により尖度の変化率の値を成分とする加重
ベクトルを作成する。次に、ステップSa2−4では、
次の数29、先の数12を順に用いて標準パターン加重
行列Hgの成分値hgj12を算出する。即ち、数29
により点(j1,j2)と各点との間の長さを求め、加重
ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い
加重ベクトルの成分番号i0を算出し、数12を用いて
標準パターン加重行列Hgの成分値hgj12を算出す
る。
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
【0195】このような処理手順により、j12成分
(j1=1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2
に対応するそれぞれの場合について、標準パターン加重
行列Hgのm1×m2個の成分値hgj12を算出するこ
とができる。
【0196】同様に、図35は、入力パターン加重行列
Ngのm1×m2個の成分値ngj12を算出する処理手
順を示したフローチャートである。ここでは、数4によ
り入力パターン行列Nを作成した後の処理手順を示して
おり、図35中のステップSa4−1〜Sa4−8は図
33中のステップSa4の詳細でもある。
【0197】図35において、図34中の標準パターン
加重行列Hgの成分値hgj12を入力パターン加重行
列Ngの成分値ngj12に置き換え、図34と同じ処
理手順を実行する。
【0198】また、図36は、標準パターン行列Hの成
分値hi12(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,
2,・・・,m2)、及び、加重ベクトルGj12の成分値
gj120(i0=1,2,・・・,m0)から標準パター
ン加重行列Hgの成分値hgj12を算出する処理手順
を示したものであり、図34中のステップSa2−4の
模式図でもある。
【0199】図36では、標準パターン行列Hのj12
成分とi12成分との間の長さλi 1212を求め、
加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も
近い加重ベクトルの成分番号i0を算出し、加重ベクト
ルの上記成分番号の成分値gj120と標準パターン
行列のi12成分の成分値hi12との積の値を求め、
上記積の値を標準パターン行列の全ての成分について加
算した積和値を算出し、この積和値を標準パターン加重
行列Hgの成分値hgj12とする様子を示している。
ただし、図36中の記号▽(逆三角形)は乗算器であ
り、また、記号Σ(総和記号)は加算器である。図36
及び図17より、長さλi1212に基づく加重係数
gj120を標準パターン行列の成分値hi12に乗
算することが分かる。
【0200】同様に、図37は、入力パターン行列Nの
成分値ni12(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,
2,・・・,m2)、及び、加重ベクトルGj12の成分値
gj 120(i0=1,2,・・・,m0)から入力パター
ン加重行列Ngの成分値ngj12を算出する処理手順
を示したものであり、図35中のステップSa4−4の
模式図でもある。図37中の記号▽は乗算器であり、ま
た、記号Σは加算器である。
【0201】図37では、図36中の標準パターン行列
Hの成分値hi 1 2 (i 1 =1,2, ・・・ ,m 1 )(i 2
1,2, ・・・ ,m 2 、及び、標準パターン加重行列Hg
の成分値hgj12を、それぞれ入力パターン行列Nの
成分値ni 1 2 (i 1 =1,2, ・・・ ,m 1 )(i 2 =1,
2, ・・・ ,m 2 、及び、入力パターン加重行列Ngの成
分値ngj12に置き換え、図36と同じ処理手順を実
行する。
【0202】従って、図34〜図37に示した処理手順
により、j12成分(j1=1,2,・・・,m1)(j2
1,2,・・・,m2)に対応するそれぞれの場合につい
て、標準パターン加重行列Hgのm1×m2個の成分値h
gj12、及び、入力パターン加重行列Ngのm1×m2
個の成分値ngj12を算出することができる。
【0203】一方、図38は、形状距離dAを用いてコ
ンピュータが画像を認識するためのフローチャートであ
る。図38において、ステップSb1では標準画像から
標準パターン原始行列Hoを予め作成しておき、ステッ
プSb2では標準パターン原始行列Hoから標準パター
ン原始加重行列Hogを予め算出しておく。ここで、ス
テップSb2の標準パターン原始加重行列Hogの算出
手順は、図39に示すステップSb2−1からステップ
Sb2−8により構成される。次のステップSb3では
入力画像から入力パターン原始行列Noを作成し、ステ
ップSb4では入力パターン原始行列Noから入力パタ
ーン原始加重行列Nogを算出する。ここで、ステップ
Sb4の入力パターン原始加重行列Nogの算出手順
は、図40に示すステップSb4−1からステップSb
4−8により構成される。そして、ステップSb5では
標準パターン原始加重行列Hogと入力パターン原始加
重行列Nogの間の角度の余弦、即ち、標準パターン原
始行列Hoと入力パターン原始行列Noの間の形状距離
値dAを算出し、ステップSb6では許容値と比較して
判定を行う。判定の後、再び、ステップSb3からの処
理を繰り返す。
【0204】このような処理手順により、画像を連続的
に認識することができる。形状距離値dAが許容値より
小さいとき、ステップSb7で入力画像は標準画像でな
いと判定し、形状距離値dAが許容値以上のとき、ステ
ップSb8で入力画像は標準画像であると判定する。
【0205】ところで、一般に、画像認識においては、
例えばアルファベット“A”、“B”、“C”、
“D”、“E”という画像のように、入力画像が複数の
画像のうちのどれであるかを認識することが多い。この
ような場合には、“A”、“B”、“C”、“D”、
“E”というそれぞれの画像を別々の標準画像と考え、
これらの標準画像から5個の標準パターン原始行列を作
成しておく。
【0206】次に、入力画像からは1個の入力パターン
原始行列を作成し、この入力パターン原始行列と上記5
個の各標準パターン原始行列との間の形状距離値dA
算出し、これらの形状距離値dAのうちの最大値と、任
意に設定した許容値とを比較し、最大の形状距離値dA
が許容値以上のときには、入力画像は最大の形状距離値
Aを与える標準画像であると判定し、許容値より小さ
いときには入力画像は5個の標準画像のいずれでもない
と判定する。
【0207】図39は、標準パターン原始加重行列Ho
gのm1×m2個の成分値hogj12を算出する処理手
順を示したフローチャートである。ここでは、数1によ
り標準パターン原始行列Hoを作成した後の処理手順を
示しており、図39中のステップSb2−1〜Sb2−
8は図38中のステップSb2の詳細でもある。
【0208】図39において、最初のステップSb2−
1では、j1=1、j2=1と初期設定しておき、次のス
テップSb2−2からステップSb2−6では、j2
2までj2を1ずつ増加し、ステップSb2−2からス
テップSb2−8では、j1=m1までj1を1ずつ増加
して標準パターン原始加重行列Hogの成分値hogj
12を算出するループに入る。
【0209】この成分値算出ループ内のステップSb2
−2では、ループを回る毎に、基準パターンベクトルK
12を、数25、数26、数27、数28を順に用い
て作成する。即ち、数25により点(j1,j2)と各点
との間の長さの最大値を求め、数26により正規分布の
分散の値を算出し、数27及び数28により正規分布の
値を成分とする基準パターンベクトルを作成する。ステ
ップSb2−3では、数6、数13を順に用いて加重ベ
クトルGj12を作成する。即ち、数6により図14
(a)に示す基準パターンベクトルの尖度の変化率を求
め、数13により尖度の変化率の値を成分とする加重ベ
クトルを作成する。次に、ステップSb2−4では、数
29、数18を順に用いて標準パターン原始加重行列H
ogの成分値hogj12を算出する。即ち、数29に
より点(j1,j2)と各点との間の長さを求め、加重ベ
クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
重ベクトルの成分番号i0を算出し、数18を用いて標
準パターン原始加重行列Hogの成分値hogj12
算出する。
【0210】このような処理手順により、j12成分
(j1=1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2
に対応するそれぞれの場合について、標準パターン原始
加重行列Hogのm1×m2個の成分値hogj12を算
出することができる。
【0211】同様に、図40は、入力パターン原始加重
行列Nogのm1×m2個の成分値nogj12を算出す
る処理手順を示したフローチャートである。ここでは、
数1により入力パターン原始行列Noを作成した後の処
理手順を示しており、図40中のステップSb4−1〜
Sb4−8は図38中のステップSb4の詳細でもあ
る。
【0212】図40において、図39中の標準パターン
原始加重行列Hogの成分値hogj12を入力パター
ン原始加重行列Nogの成分値nogj12に置き換
え、図39と同じ処理手順を実行する。
【0213】また、図41は、標準パターン原始行列H
oの成分値hoi12(i1=1,2,・・・,m1)(i2
=1,2,・・・,m2)、及び、加重ベクトルGj12
成分値gj120(i0=1,2,・・・,m0)から標準
パターン原始加重行列Hogの成分値hogj12を算
出する処理手順を示したものであり、図39中のステッ
プSb2−4の模式図でもある。
【0214】図41では、標準パターン原始行列Hoの
12成分とi12成分との間の長さλi1212
求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置
に最も近い加重ベクトルの成分番号i0を算出し、加重
ベクトルの上記成分番号の成分値gj120と標準パ
ターン原始行列のi12成分の成分値hoi12との積
の値を求め、上記積の値を標準パターン原始行列の全て
の成分について加算した積和値を算出し、この積和値を
標準パターン原始加重行列Hogの成分値hogj12
とする様子を示している。ただし、図41中の記号▽は
乗算器であり、また、記号Σは加算器である。図41及
び図17より、長さλi1212に基づく加重係数g
120を標準パターン原始行列の成分値hoi12
に乗算することが分かる。
【0215】同様に、図42は、入力パターン原始行列
Noの成分値noi12(i1=1,2,・・・,m1
(i2=1,2,・・・,m2)、及び、加重ベクトルGj1
2の成分値gj120(i0=1,2,・・・,m0)か
ら入力パターン原始加重行列Nogの成分値nogj1
2を算出する処理手順を示したものであり、図40中
のステップSb4−4の模式図でもある。図42中の記
号▽は乗算器であり、また、記号Σは加算器である。
【0216】図42では、図41中の標準パターン原始
行列Hoの成分値hoi 1 2 (i 1 =1,2, ・・・
1 )(i 2 =1,2, ・・・ ,m 2 、及び、標準パターン
原始加重行列Hogの成分値hogj12を、それぞれ
入力パターン原始行列Noの成分値noi 1 2 (i 1
1,2, ・・・ ,m 1 )(i 2 =1,2, ・・・ ,m 2 、及
び、入力パターン原始加重行列Nogの成分値nogj
12に置き換え、図41と同じ処理手順を実行する。
【0217】従って、図39〜図42に示した処理手順
により、j12成分(j1=1,2,・・・,m1)(j2
1,2,・・・,m2)に対応するそれぞれの場合につい
て、標準パターン原始加重行列Hogのm1×m2個の成
分値hogj12、及び、入力パターン原始加重行列N
ogのm1×m2個の成分値nogj12を算出すること
ができる。
【0218】図43及び図44は、それぞれ形状距離値
E及び形状距離値dAの算出手順を実現するため、画像
の類似度検出装置としてブロック図で示したものであ
る。
【0219】図43において、13はパターンベクトル
生成器、14は加重ベクトル生成器、15、16はパタ
ーン行列生成器、17、18、19は計算器である。
【0220】パターンベクトル生成器13は、正規分布
の値を成分とする基準パターンベクトルKj12を生成
し、加重ベクトル生成器14は、基準パターンベクトル
Kj 12の尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトル
Gj12を生成し、パターン行列生成器15は、標準画
像の特徴量を成分とする標準パターン行列Hを生成し、
パターン行列生成器16は、入力画像の特徴量を成分と
する入力パターン行列Nを生成する。計算器17は、標
準パターン行列の指定成分と各成分との間の長さを求
め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に
最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクト
ルGj12の上記成分番号の成分値と標準パターン行列
Hの各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を標
準パターン行列の各成分について加算した積和値を算出
する。ここで、積和値を算出するに際し、標準パターン
行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パター
ン加重行列Hgを生成する。計算器18は、入力パター
ン行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベ
クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルGj12
の上記成分番号の成分値と入力パターン行列Nの各成分
の成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン
行列の各成分について加算した積和値を算出する。ここ
で、積和値を算出するに際し、入力パターン行列の指定
成分を各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記
積和値を指定成分の成分値とする入力パターン加重行列
Ngを生成する。計算器19は、上記計算器17により
生成された標準パターン加重行列Hgと、上記計算器1
8により生成された入力パターン加重行列Ngの間のユ
ークリッド距離値を算出することにより、標準パターン
行列Hと入力パターン行列Nの間の形状距離値dEを得
る。
【0221】一方、図44において、20はパターンベ
クトル生成器、21は加重ベクトル生成器、22、23
はパターン行列生成器、24、25、26は計算器であ
る。
【0222】パターンベクトル生成器20は、正規分布
の値を成分とする基準パターンベクトルKj12を生成
し、加重ベクトル生成器21は、基準パターンベクトル
Kj 12の尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトル
Gj12を生成し、パターン行列生成器22は、標準画
像の特徴量を成分とする標準パターン原始行列Hoを生
成し、パターン行列生成器23は、入力画像の特徴量を
成分とする入力パターン原始行列Noを生成する。計算
器24は、標準パターン原始行列の指定成分と各成分と
の間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだ
け離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
し、加重ベクトルGj12の上記成分番号の成分値と標
準パターン原始行列Hoの各成分の成分値との積の値を
求め、上記積の値を標準パターン原始行列の各成分につ
いて加算した積和値を算出する。ここで、積和値を算出
するに際し、標準パターン原始行列の指定成分を各成分
の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定
成分の成分値とする標準パターン原始加重行列Hogを
生成する。計算器25は、入力パターン原始行列の指定
成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心
から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの
成分番号を算出し、加重ベクトルGj12の上記成分番
号の成分値と入力パターン原始行列Noの各成分の成分
値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始行
列の各成分について加算した積和値を算出する。ここ
で、積和値を算出するに際し、入力パターン原始行列の
指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を求め、
上記積和値を指定成分の成分値とする入力パターン原始
加重行列Nogを生成する。計算器26は、上記計算器
24により生成された標準パターン原始加重行列Hog
と、上記計算器25により生成された入力パターン原始
加重行列Nogの間の角度の余弦値を算出することによ
り、標準パターン原始行列Hoと入力パターン原始行列
Noの間の形状距離値dAを得る。
【0223】以上で本発明の第1の課題について解決手
段を述べたが、次に、本発明の第2の課題について解決
手段を説明する。
【0224】手書き文字認識においては、同じ文字であ
っても筆記ごとに変形した文字が出現するため、通常、
多数の人間が同じ文字を繰り返し筆記して、各文字ごと
に複数個の標準画像を登録する方法が採られている。
【0225】例えば、図45は、アルファベット“E”
の2値画像の2つの例、及び、アルファベット“F”の
2値画像の2つの例であり、これらをそれぞれ“E”の
標準画像27、28、及び、“F”の標準画像29、3
0としたものである。アルファベット“E”とアルファ
ベット“F”はカテゴリが異なる。ただし、これらの標
準画像において文字部分の濃度を1、背景部分の濃度を
0とする。また、図45では、各標準画像間の形状距離
EをdE27−28、dE29−30、dE27−29、
E27−30、dE28−29、dE28−30として
模式的に示している。但し、実線矢印で示すdE27−
28は同じカテゴリ“E”の標準画像27、28間の形
状距離であり、実線矢印で示すdE29−30は同じカ
テゴリ“F”の標準画像29、30間の形状距離であ
る。破線矢印で示すdE27−29、dE27−30は異
なるカテゴリ“E”の標準画像27と“F”の標準画像
29、30間の形状距離であり、破線矢印で示すdE
8−29、dE28−30は異なるカテゴリ“E”の標
準画像28と“F”の標準画像29、30間の形状距離
である。
【0226】一方、図45では、各標準画像間の形状距
離dAをdA27−28、dA29−30、dA27−2
9、dA27−30、dA28−29、dA28−30と
して模式的に示している。但し、実線矢印で示すdA
7−28は同じカテゴリ“E”の標準画像27、28間
の形状距離であり、実線矢印で示すdA29−30は同
じカテゴリ“F”の標準画像29、30間の形状距離で
ある。破線矢印で示すd A27−29、dA27−30は
異なるカテゴリ“E”の標準画像27と“F”の標準画
像29、30間の形状距離であり、破線矢印で示すdA
28−29、dA28−30は異なるカテゴリ“E”の
標準画像28と“F”の標準画像29、30間の形状距
離である。
【0227】ここで、同じカテゴリの標準画像間の距離
が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標準画像間の距
離が遠くなるようにできれば、結果として、同じカテゴ
リの標準画像と異なるカテゴリの標準画像の分離が良く
なり、入力画像が与えられたときの認識性能が向上す
る。
【0228】ところが、数26では、パターン行列の指
定成分と各成分との間の長さの最大値λm11j1
2を、定数1.4で除算した比の値の2乗を以て、正規
分布の分散の値としている。即ち、関連技術(特願20
00−277749号)の方法では、固定的な分散の値
をもつ正規分布を用いて基準パターンベクトルを作成し
ているため、同じカテゴリの標準画像と異なるカテゴリ
の標準画像の分離が固定化され、入力画像が与えられた
ときの認識性能を向上することができない。
【0229】この問題を解決するため本発明では、関連
技術の固定的な方法に代えて、可変的な分散の値をもつ
正規分布を用いて基準パターンベクトルを作成する。こ
のため、上記定数1.4を変数に置き換えて正規曲線の
分散の値を変化させたとき、加重曲線が変化する様子を
調べることにする。
【0230】図46(a)は、数26において、定数
1.4をそれぞれ定数2.1、1.4、0.7に置き換
えた場合について、それぞれの正規曲線を示したもので
ある。また、図46(b)は、これらの正規曲線の尖度
の変化率に基づき作成したそれぞれの加重曲線を示した
ものである。図46(a)、(b)より、分散σj12
2の値が大きくなるにつれて、正規曲線はなだらかにな
り、加重曲線はu軸に平行な方向に伸びることが分か
る。なお、上記の定数2.1、1.4、0.7は、下記
の説明に基づく数値である。即ち、平均値μ=0、分散
σ2としたとき、正規曲線の尖度値は「3」に等しい。
そして、曲線f(y)の値がy=−0.7σ〜+0.7
σの範囲において正規曲線の値より増加したとき、尖度
値は「3」より大きくなり、曲線f(y)の値がy=−
2.1σ〜−0.7σ或いはy=+0.7σ〜+2.1
σの範囲において正規曲線の値より増加したとき、尖度
値は「3」より小さくなる。また、曲線f(y)の値が
y=−0.7σの近傍或いはy=+0.7σの近傍にお
いて正規曲線の値より増加したとき、尖度値の変化量は
少なく、尖度値は「3」に近い値となる。一方、曲線f
(y)の値がy=−2.1σ以下、或いは、y=+2.
1σ以上の範囲において正規曲線の値より増加したと
き、尖度値は「3」より大きくなったり小さくなったり
する不安定な動きになる。このことは、正規分布の分散
σ2の値にかかわらず、常に成り立つ。
【0231】次に、図46(a)、(b)に示すよう
に、正規曲線の分散の値を変化させることにより加重曲
線をu軸に平行な方向に伸縮させたとき、図45に示し
た標準画像27、28、29、30について、各標準画
像間の形状距離値dE及び形状距離値dAが変化する様子
を調べてみる。なお、これまでの説明では、標準画像と
入力画像との間の形状距離値dE及び形状距離値dAの算
出方法を示したが、入力画像を標準画像に置き換え、こ
れまでの説明と同様な方法により、2つの標準画像間の
形状距離値dE及び形状距離値dAを算出することができ
る。
【0232】ここでは、形状距離dEを用いる場合につ
いて考える。各標準画像間の形状距離値が変化する様子
を調べるために、次の数30に示すように、同じカテゴ
リの標準画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの
標準画像間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値
E(Cg)を算出する。ただし、図46中の定数2.
1、1.4、0.7を変数Cgに置き換え、0.7≦C
g≦2.1の範囲において変数Cgの値を変化させ、こ
のときの平均値の比の値RE(Cg)を算出するものと
する。また、形状距離dEの算出においては、画像の濃
度パターンを全画素の濃度の最大値で正規化することが
予め指示されているとして、数3を用いて正規化濃度を
求めるものとする。
【0233】
【数30】
【0234】数30において、変数Cgの値が増加する
につれて、分散σj12 2の値は減少し、従って、加重
曲線はu軸に平行な方向に縮まり、各標準画像間の形状
距離dE27−28、dE29−30、dE27−29、
E27−30、dE28−29、dE28−30も、dE
≧0の範囲において値が変化する。ここで、数30中の
E(Cg)の分子は同じカテゴリの標準画像間の形状
距離平均値であり、分母は異なるカテゴリの標準画像間
の形状距離平均値であるから、平均値の比の値RE(C
g)が最小になったとき、同じカテゴリの標準画像間の
距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標準画像間
の距離が遠くなる。従って、平均値の比の値RE(C
g)を最小にする変数Cgの値に基づき作成した加重曲
線が最適なものとなる。
【0235】図47は、図45に示した標準画像27、
28、29、30について、変数Cgの値を0.7から
2.1まで増加させたとき、平均値の比の値RE(C
g)が変化する様子を示したものである。図47より、
Cg=1.65のとき平均値の比の値RE(Cg)は最
小値0.163をとることが分かる。
【0236】従って、図45に示した標準画像27、2
8、29、30については、図47の結果より、Cg=
1.65の値に基づき作成した加重曲線が最適なものと
なり、このとき、RE(Cg)=0.163になる。な
お、図45に示した標準画像27、28、29、30に
従来のユークリッド距離を用いた場合、同じカテゴリの
標準画像間のユークリッド距離平均値を、異なるカテゴ
リの標準画像間のユークリッド距離平均値で除算した平
均値の比の値は0.472となる。以上の結果より、ユ
ークリッド距離を用いるよりも形状距離dEを用いる方
が、同じカテゴリの標準画像と異なるカテゴリの標準画
像の分離が良くなり、入力画像が与えられたときの認識
性能が向上することが理解できる。
【0237】一方、形状距離dAを用いる場合について
考える。各標準画像間の形状距離値が変化する様子を調
べるために、次の数31に示すように、同じカテゴリの
標準画像間の形状距離平均値から、異なるカテゴリの標
準画像間の形状距離平均値を減算した平均値の差の値R
A(Cg)を算出する。ただし、図46中の定数2.
1、1.4、0.7を変数Cgに置き換え、0.7≦C
g≦2.1の範囲において変数Cgの値を変化させ、こ
のときの平均値の差の値RA(Cg)を算出するものと
する。
【0238】
【数31】
【0239】数31において、変数Cgの値が増加する
につれて、分散σj12 2の値は減少し、従って、加重
曲線はu軸に平行な方向に縮まり、各標準画像間の形状
距離dA27−28、dA29−30、dA27−29、
A27−30、dA28−29、dA28−30も、−
1≦dA≦+1の範囲において値が変化する。ここで、
数31中のRA(Cg)の第1項は同じカテゴリの標準
画像間の形状距離平均値であり、第2項は異なるカテゴ
リの標準画像間の形状距離平均値であるから、平均値の
差の値RA(Cg)が最大になったとき、同じカテゴリ
の標準画像間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴ
リの標準画像間の距離が遠くなる。従って、平均値の差
の値RA(Cg)を最大にする変数Cgの値に基づき作
成した加重曲線が最適なものとなる。
【0240】図48は、図45に示した標準画像27、
28、29、30について、変数Cgの値を0.7から
2.1まで増加させたとき、平均値の差の値RA(C
g)が変化する様子を示したものである。図48より、
Cg=1.28のとき平均値の差の値RA(Cg)は最
大値0.389をとることが分かる。
【0241】従って、図45に示した標準画像27、2
8、29、30については、図48の結果より、Cg=
1.28の値に基づき作成した加重曲線が最適なものと
なり、このとき、RA(Cg)=0.389になる。な
お、図45に示した標準画像27、28、29、30に
従来の角度の余弦を用いた場合、同じカテゴリの標準画
像間の角度の余弦平均値から、異なるカテゴリの標準画
像間の角度の余弦平均値を減算した平均値の差の値は
0.129となる。以上の結果より、角度の余弦を用い
るよりも形状距離dAを用いる方が、同じカテゴリの標
準画像と異なるカテゴリの標準画像の分離が良くなり、
入力画像が与えられたときの認識性能が向上することが
理解できる。
【0242】これまで、図46(b)に示すように、加
重曲線をu軸に平行な方向に伸縮させた場合について、
各標準画像間の形状距離値が変化する様子を調べてきた
が、次に、加重曲線をu軸に垂直な方向にも変化させる
ことを考える。ただし、本実施例では、加重曲線をu軸
に平行な方向に伸縮させ、同時に、u軸に垂直な方向に
変化させたとき、図46(b)に示した曲線と同様に、
変化した加重曲線のu=0のときの関数値が正になり、
変化した加重曲線がu軸と2点で交差し、かつ、u=0
に関して対称になる場合に限って考える。
【0243】関連技術(特願2000−277749
号)では、次の数32により、基準パターン正ベクトル
及び基準パターン負ベクトルのすべての成分番号にそれ
ぞれ定数1の重みをつけ、パターン行列のi12成分
(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2
について、標準パターン行列の成分値hi12と入力パ
ターン行列の成分値ni12との間の変化量の絶対値|
ni12−hi12|を、基準パターンベクトルの成分
番号にかかわらず、そのまま基準パターン正ベクトルま
たは基準パターン負ベクトルの増加量に置き換えてい
る。即ち、関連技術の方法では、固定的な重みの値をも
つ増加手段を用いて基準パターンベクトルを増加させて
いるため、同じカテゴリの標準画像と異なるカテゴリの
標準画像の分離が固定化され、入力画像が与えられたと
きの認識性能を向上することができない。
【数32】
【0244】この問題を解決するため本発明では、関連
技術の固定的な方法に代えて、可変的な重みの値をもつ
増加手段を用いて基準パターンベクトルを増加させる。
このため、次の数33に示すように、基準パターン正ベ
クトル及び基準パターン負ベクトルの成分番号i0(i0
=1,2,・・・,m0)に変数wj120の重みをつ
け、変数wj120と変化量の絶対値|ni12−h
12|との積の値を、基準パターン正ベクトルまたは
基準パターン負ベクトルの増加量に置き換えることにす
る。ここで、変数wj120は、成分番号i0ごとに異
なる値をもつものとする。ただし、成分番号i0(i0
1,2,・・・,m0 )について、wj120=wj12
(m0−i0+1)、かつ、wj120>0であるもの
とする。
【0245】
【数33】
【0246】ここで、数33に示すように、基準パター
ン正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの成分番号i
0(i0=1,2,・・・,m0)に変数wj120の重み
をつけることは、図14(a)より分かるように、基準
パターンベクトルの成分番号i0における尖度の変化率
gj120に変数wj120の重みをつけることと等
価であり、従って、加重ベクトルの成分番号i0の成分
値gj120に変数wj120の重みをつけることに
も等価である。このため、数33に示す増加手段と、加
重曲線をu軸に垂直な方向に変化させることは同じ効果
が得られることになる。ここでは、前者に比べて計算処
理が簡単である後者を調べることにする。
【0247】図49は、それぞれ定数1.2π、0.8
π、0.5πを長さλm11j12で除算した角度の係
数値をもつ余弦関数に基づき作成した加重曲線を示した
ものである。ただし、πは円周率であり、λm11j1
2はパターン行列の指定成分と各成分との間の長さの最
大値である。図49より、角度の係数値が小さくなるに
つれて、加重曲線はu軸に平行な方向に伸びることが分
かる。また、図46(b)に示すように、正規曲線の尖
度の変化率に基づき作成した加重曲線では、u軸から加
重曲線の最大値までの長さはu軸から加重曲線の最小値
までの長さよりも短いが、図49に示すように、余弦関
数に基づき作成した加重曲線では、両者は等しいことが
分かる。従って、正数の重みの値を乗算することによ
り、正規曲線の尖度の変化率に基づき作成した加重曲線
をu軸に垂直な方向に変化させた結果、余弦関数に基づ
き作成した加重曲線になったと言える。
【0248】そこで次に、正規曲線の尖度の変化率に基
づき作成した加重曲線に代えて、余弦関数に基づき作成
した加重曲線を用いて形状距離値dE及び形状距離値dA
を算出してみる。具体的には、図49に示すように、余
弦関数に基づき作成した加重曲線をu軸に平行な方向に
伸縮させたとき、図45に示した標準画像27、28、
29、30について、各標準画像間の形状距離値dE
び形状距離値dAが変化する様子を調べる。
【0249】ここでは、形状距離dEを用いる場合につ
いて考える。各標準画像間の形状距離値が変化する様子
を調べるために、数30と同様に、同じカテゴリの標準
画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの標準画像
間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値RE(C
g)を算出する。ただし、図49中の定数1.2π、
0.8π、0.5πを変数Cgに置き換え、0.5π≦
Cg≦1.2πの範囲において変数Cgの値を変化さ
せ、このときの平均値の比の値RE(Cg)を算出する
ものとする。また、形状距離dEの算出においては、画
像の濃度パターンを全画素の濃度の最大値で正規化する
ことが予め指示されているとして、数3を用いて正規化
濃度を求めるものとする。
【0250】図50は、図45に示した標準画像27、
28、29、30について、変数Cgの値を0.5πか
ら1.2πまで増加させたとき、平均値の比の値R
E(Cg)が変化する様子を示したものである。図50
より、Cg=1.07πのとき平均値の比の値RE(C
g)は最小値0.193をとることが分かる。
【0251】このように、図45に示した標準画像2
7、28、29、30については、図47及び図50に
おいて、平均値の比の値RE(Cg)の最小値はそれぞ
れ0.163及び0.193となる。従って、これら平
均値の比の値RE(Cg)の最小値の中の最小値は前者
であるため、図47に示すCg=1.65の値に基づき
作成した加重曲線が最適なものとなる。即ち、図46
(b)に示した加重曲線において、σj12=λm1
12/1.65としたとき最適なものとなる。
【0252】一方、形状距離dAを用いる場合について
考える。各標準画像間の形状距離値が変化する様子を調
べるために、数31と同様に、同じカテゴリの標準画像
間の形状距離平均値から、異なるカテゴリの標準画像間
の形状距離平均値を減算した平均値の差の値RA(C
g)を算出する。ただし、図49中の定数1.2π、
0.8π、0.5πを変数Cgに置き換え、0.5π≦
Cg≦1.2πの範囲において変数Cgの値を変化さ
せ、このときの平均値の差の値RA(Cg)を算出する
ものとする。
【0253】図51は、図45に示した標準画像27、
28、29、30について、変数Cgの値を0.5πか
ら1.2πまで増加させたとき、平均値の差の値R
A(Cg)が変化する様子を示したものである。図51
より、Cg=0.90πのとき平均値の差の値RA(C
g)は最大値0.387をとることが分かる。
【0254】このように、図45に示した標準画像2
7、28、29、30については、図48及び図51に
おいて、平均値の差の値RA(Cg)の最大値はそれぞ
れ0.389及び0.387となる。従って、これら平
均値の差の値RA(Cg)の最大値の中の最大値は前者
であるため、図48に示すCg=1.28の値に基づき
作成した加重曲線が最適なものとなる。即ち、図46
(b)に示した加重曲線において、σj12=λm1
12/1.28としたとき最適なものとなる。
【0255】以上の説明では、正規曲線の尖度の変化率
に基づき作成した加重曲線をu軸に垂直な方向に変化さ
せた後に、u軸に平行な方向に伸縮させる例を示した
が、上記の例は、可変的な分散の値をもつ正規分布を用
いて基準パターンベクトルを作成した後に、可変的な重
みの値をもつ増加手段を用いて基準パターンベクトルを
増加させることと等価である。
【0256】ところで、これまでの説明では、図46
(b)において、(x−y)正規化平面全体を覆う加重
曲線の範囲を変化させるために加重曲線をu軸に平行な
方向に伸縮させる方法を示し、また、図19において、
加重曲線の中心が(x−y)正規化平面上を移動するに
つれて加重曲線をu軸に平行な方向に伸縮させる方法を
示したが、これらのことは、加重曲線とu軸との相対的
な伸縮の問題である。従って、実際の計算では、u軸に
対して加重曲線を伸縮させる代わりに、逆に、加重曲線
に対してu軸を伸縮しても良く、両者は等価である。
【0257】そこで、後者の場合について、次の4つの
例を用いて、パターン行列の指定成分と各成分との間の
長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れ
た位置に最も近い加重ベクトルの成分番号i0を算出す
る方法を説明する。
【0258】なお、数26では、正規曲線の−1.4σ
≦u≦+1.4σの範囲が(x−y)正規化平面全体を
覆うようにしているが、これに対して第1及び第2の例
では、1.4σを変数Cgに置き換え、加重曲線の−C
g≦u≦+Cgの範囲が(x−y)正規化平面全体を覆
うようにして、変数Cgの値が変化するにつれて、1つ
の加重曲線に対してu軸を伸縮する。また、第3及び第
4の例では、加重曲線の中心が(x−y)正規化平面上
を移動するにつれて、1つの加重曲線に対してu軸を伸
縮する。このとき、これら4つの例について、成分番号
0を算出する方法を示す。
【0259】第1の例として、図52(a)、(b)、
(c)は、(a)、(b)、(c)の順に変数Cgの値
が増加するにつれて、u軸が伸びる様子を示したもので
ある。ただし、図52(a)、(b)、(c)では、σ
12=1.0の分散の値をもつ正規曲線の尖度の変化
率に基づき作成した加重曲線を示しており、それぞれの
加重曲線は同じものであり、また、それぞれの点
(m1,1)、点(j1,j2)、点(i1,i2)は、
(x−y)正規化平面上の同じ座標であるものとする。
【0260】図52(a)、(b)、(c)の各グラフ
は、図46(b)に示したσj12=λm11j12
0.7の加重曲線、σj12=λm11j12/1.4
の加重曲線、σj12=λm11j12/2.1の加重
曲線にそれぞれ対応するものである。即ち、図46
(b)に示した各加重曲線は、u軸上の固定した長さλ
11j12に対して加重曲線を伸縮させたものであ
り、逆に、図52(a)、(b)、(c)の各グラフ
は、1つの加重曲線に対してu軸上の長さλm11j1
2を伸縮したものであり、両者は等価である。
【0261】図52(a)、(b)、(c)において、
それぞれ−Cg=−0.7、−Cg=−1.4、−Cg
=−2.1と表示しているが、これは、長さλm11j1
2がそれぞれ−0.7≦u≦0、−1.4≦u≦0
−2.1≦u≦0の範囲に対応することを示している。
また、図中に、点(i1,i2)に対応するu軸上の位置
0を表示している。ここで、図52(a)、(b)、
(c)に示すu軸の伸縮に関して、点(j1,j2)と点
(i1,i2)との間の長さλi1212は、点
(j1,j2)と点(m1,1)との間の長さλm11j1
2と同じ割合で伸縮されるため、長さλi1212
を長さλm11j12で除算した比の値は、u軸の伸縮
にかかわらず、常に一定の値になる。従って、次の数3
4より、位置u0を算出できる。
【0262】
【数34】
【0263】第2の例として、図53(a)、(b)、
(c)は、(a)、(b)、(c)の順に変数Cgの値
が増加するにつれて、u軸が伸びる様子を示したもので
ある。ただし、図53(a)、(b)、(c)では、
1.0の角度の係数値をもつ余弦関数に基づき作成した
加重曲線を示しており、それぞれの加重曲線は同じもの
であり、また、それぞれの点(m1,1)、点(j1,j
2)、点(i1,i2)は、(x−y)正規化平面上の同
じ座標であるものとする。
【0264】図53(a)、(b)、(c)の各グラフ
は、図49に示したcos(0.5πu/λm11j12
の加重曲線、cos(0.8πu/λm11j12)の加重
曲線、cos(1.2πu/λm11j12)の加重曲線に
それぞれ対応するものである。即ち、図49に示した各
加重曲線は、u軸上の固定した長さλm11j12に対
して加重曲線を伸縮させたものであり、逆に、図53
(a)、(b)、(c)の各グラフは、1つの加重曲線
に対してu軸上の長さλm11j12を伸縮したもので
あり、両者は等価である。
【0265】図53(a)、(b)、(c)において、
それぞれ−Cg=−0.5π、−Cg=−0.8π、−
Cg=−1.2πと表示しているが、これは、長さλm
11j12がそれぞれ−0.5π≦u≦0、−0.8π
≦u≦0、−1.2π≦u≦0の範囲に対応することを
示している。また、図中に、点(i1,i2)に対応する
u軸上の位置u0を表示している。ここで、図53
(a)、(b)、(c)に示すu軸の伸縮に関して、点
(j1,j2)と点(i1,i2)との間の長さλi12
12は、点(j1,j2)と点(m1,1)との間の長さ
λm11j12と同じ割合で伸縮されるため、長さλi1
212を長さλm11j12で除算した比の値は、u
軸の伸縮にかかわらず、常に一定の値になる。従って、
数34より、位置u0を算出できる。
【0266】第3の例として、図54(a)、(b)
は、加重曲線の中心が(x−y)正規化平面上を移動す
るにつれて、u軸が伸縮する様子を示したものであり、
図54(b)におけるu軸上の2点間の長さが、同図
(a)におけるそれの2分の1に縮まっていることを示
している。ただし、図54(a)、(b)では、任意形
状の加重曲線を示しており、それぞれの加重曲線は同じ
ものであり、また、それぞれの変数Cgの値は、加重曲
線の中心の移動にかかわらず、同じであるものとする。
【0267】図54(a)では、加重曲線の中心が点
(j1,j2)=((m1+1)/2,(m2+1)/2)
の位置に移動したときの長さλi1212、及び、長
さλm11j12を示し、図54(b)では、加重曲線
の中心が点(j1,j2)=(1,m2)の位置に移動し
たときの長さλi1212、及び、長さλm11j1
2を示している。また、図中に、点(i1,i2)に対応
するu軸上の位置u0を表示している。従って、数34
より、位置u0を算出できる。
【0268】第4の例として、図55(a)、(b)
は、図54(a)、(b)中の変数Cgを変数Cg*
置き換えることにより、(x−y)正規化平面全体を覆
う加重曲線の範囲を図54(a)、(b)よりも広げた
ものである。ただし、0<Cg<Cg*の関係があり、
また、図55(a)、(b)のそれぞれの変数Cg*
値は、加重曲線の中心の移動にかかわらず、同じである
ものとする。従って、数34においてCgをCg*に置
き換えることにより、位置u0を算出できる。
【0269】以上の4つの例より、1つの加重曲線に対
してu軸を伸縮する場合には、加重曲線の−Cg≦u≦
+Cgの範囲が(x−y)正規化平面全体を覆うように
変数Cgの値を設定しておき、パターン行列の指定成分
と各成分との間の長さλi1212、及び、指定成分
と各成分との間の長さの最大値λm11j12を求め、
これらの長さを数34に代入して位置u0を求め、上記
位置u0に最も近い加重ベクトルの成分番号としてi0
算出できることが分かる。また、このような処理方法に
より、j12成分(j1=1,2,・・・,m1)(j2
1,2,・・・,m2)に対応するそれぞれの場合について
加重ベクトルをm1×m2個作成しておかなくても、1個
の加重ベクトルを作成するだけで標準パターン加重行列
のm1×m2個の成分値hgj12、及び、入力パターン
加重行列のm1×m2個の成分値ngj12(或いは標準
パターン原始加重行列のm1×m2個の成分値hogj1
2、及び、入力パターン原始加重行列のm1×m2個の
成分値nogj12)を算出することができる。
【0270】これまでの説明では、具体的な加重曲線と
して、σj12=1.0の分散の値をもつ正規曲線の尖
度の変化率に基づき作成した加重曲線、及び、1.0の
角度の係数値をもつ余弦関数に基づき作成した加重曲線
の2つの例を示し、これらの中から最適な加重曲線を求
めてきた。しかしながら、最適な加重曲線は、登録した
すべての標準画像の濃度形状に関係するものであるた
め、登録した標準画像が異なる場合には最適な加重曲線
も異なることになる。従って、一般には、上記の2つの
例で示した加重曲線の中に必ず最適な加重曲線があると
は限らず、任意形状の加重曲線の中から最適な加重曲線
を見つける必要がある。
【0271】そこで次に、任意形状の加重曲線の中か
ら、最適な加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る変数
Cgの最適値を求める方法を図56〜図59を参照して
説明する。なお、図56〜図59は、標準画像を登録し
た後の処理手順を示したものであり、また、図56〜図
59では、1つの加重曲線に対してu軸を伸縮する方法
を用いることとする。
【0272】図56は、各標準画像間の類似性尺度とし
て形状距離dEを用いる場合について、最適な加重曲
線、及び、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適値を算
出する処理手順を示したフローチャートである。図56
において、最初のステップSc1では、分散の値が1で
ある正規曲線の尖度の変化率に基づいて加重曲線を作成
し、これを1番目(count=1)の加重曲線とす
る。ステップSc2では、1番目の加重曲線に正数の重
みの値を乗算して(規定数−1)個の重み付き加重曲線
を作成し、これらをcount番目(count=2〜
規定数)の加重曲線とする。前述したように、図52に
示す1つの加重曲線は、u軸の伸縮により図46(b)
に示す複数の加重曲線を生成することができ、また、図
53に示す別の1つの加重曲線は、u軸の伸縮により図
49に示す複数の加重曲線を生成することができる。こ
のため、ステップSc1、及び、ステップSc2では、
代表的な1つの加重曲線を作成しておけばよい。ステッ
プSc3では、count=1と初期設定しておき、次
のステップSc4からステップSc8では、count
=規定数までcountを1ずつ増加して最適な加重曲
線、及び、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適値を算
出するループに入る。ただし、規定数には、コンピュー
タの処理時間の許す範囲で十分に大きい値を用いるもの
とする。
【0273】この最適値算出ループ内のステップSc4
では、ループを回る毎に、count番目の加重曲線の
関数値を成分とする加重ベクトルを作成する。次に、ス
テップSc5では、変数Cgの値を変化させながら、同
じカテゴリの標準画像間の形状距離平均値を、異なるカ
テゴリの標準画像間の形状距離平均値で除算した平均値
の比の値RE(Cg)を算出する。ここで、ステップS
c5の平均値の比の値RE(Cg)の算出手順は、図5
7に示すステップSc5−1からステップSc5−6に
より構成される。なお、図47及び図50は、ステップ
Sc5において算出した平均値の比の値RE(Cg)を
グラフで示したものである。そして、ステップSc6で
は、平均値の比の値RE(Cg)の最小値をminR
E[count]とし、これに対応する変数Cgの値を
minCg[count]とする。図47では、min
E[count]=0.163、minCg[cou
nt]=1.65となり、図50では、minRE[c
ount]=0.193、minCg[count]=
1.07πとなっている。
【0274】ループを出た後、ステップSc9では、最
小値minRE[count](count=1〜規定
数)の中の最小値に対応する加重曲線を最適なものと
し、それに対応するminCg[count]を最適な
加重曲線に係る変数Cgの最適値とする。なお、規定数
=2として、図52及び図53に示した加重曲線を用い
た場合には、図47及び図50より、最小値minRE
[count]の中の最小値は0.163となり、それ
に対応するminCg[count]は1.65とな
る。即ち、図52に示した加重曲線を最適なものとし、
1.65を変数Cgの最適値とする。
【0275】図57は、変数Cgの値を変化させなが
ら、平均値の比の値RE(Cg)を算出する処理手順を
示したフローチャートである。ここでは、数13により
加重ベクトルを作成した後の処理手順を示しており、図
57中のステップSc5−1〜Sc5−6は図56中の
ステップSc5の詳細でもある。
【0276】図57において、最初のステップSc5−
1では、変数Cgの値の範囲をc1≦Cg≦c2、変数
Cgの増分をΔcと設定しておき、ステップSc5−2
では、Cg=c1と初期設定しておく。次のステップS
c5−3からステップSc5−6では、Cg=c2まで
CgをΔcずつ増加して平均値の比の値RE(Cg)を
算出するループに入る。ただし、変数Cgの増分Δcに
は、コンピュータの処理時間の許す範囲で十分に小さい
値を用いるものとする。
【0277】この平均値の比の値算出ループ内のステッ
プSc5−3では、ループを回る毎に、数4、数34、
数12、数14、数16を順に用いて、すべての標準画
像間の形状距離値dEを算出する。即ち、数4において
標準パターン行列及び入力パターン行列を2つの標準パ
ターン行列に置き換えたものを作成し、数34により点
(i1,i2)に対応するu軸上の位置u0及び加重ベク
トルの成分番号i0を算出し、その結果を用いて、数1
2及び数14において標準パターン加重行列及び入力パ
ターン加重行列を2つの標準パターン加重行列に置き換
えたものを作成し、数16により2つの標準画像間の形
状距離値dEを算出する。そして、数4、数34、数1
2、数14、数16を繰り返し用いることにより、すべ
ての標準画像間の形状距離値dEを算出する。次に、ス
テップSc5−4では、同じカテゴリの標準画像間の形
状距離平均値を、異なるカテゴリの標準画像間の形状距
離平均値で除算した平均値の比の値RE(Cg)を算出
する。即ち、数30と同様に、同じカテゴリの標準画像
間の形状距離の和の値を形状距離値の個数で除算した形
状距離平均値を分子とし、異なるカテゴリの標準画像間
の形状距離の和の値を形状距離値の個数で除算した形状
距離平均値を分母として、分子を分母で除算した平均値
の比の値RE(Cg)を算出する。
【0278】このような処理手順により、c1≦Cg≦
c2の範囲において、Δc毎の変数Cgの値について、
平均値の比の値RE(Cg)を算出することができる。
従って、各標準画像間の類似性尺度として形状距離dE
を用いる場合には、図56及び図57に示した処理手順
により、最適な加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る
変数Cgの最適値を算出することができる。
【0279】一方、図58は、各標準画像間の類似性尺
度として形状距離dAを用いる場合について、最適な加
重曲線、及び、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適値
を算出する処理手順を示したフローチャートである。図
58において、最初のステップSd1では、分散の値が
1である正規曲線の尖度の変化率に基づいて加重曲線を
作成し、これを1番目(count=1)の加重曲線と
する。ステップSd2では、1番目の加重曲線に正数の
重みの値を乗算して(規定数−1)個の重み付き加重曲
線を作成し、これらをcount番目(count=2
〜規定数)の加重曲線とする。前述したように、図52
に示す1つの加重曲線は、u軸の伸縮により図46
(b)に示す複数の加重曲線を生成することができ、ま
た、図53に示す別の1つの加重曲線は、u軸の伸縮に
より図49に示す複数の加重曲線を生成することができ
。このため、ステップSd1、及び、ステップSd2
では、代表的な1つの加重曲線を作成しておけばよい。
ステップSd3では、count=1と初期設定してお
き、次のステップSd4からステップSd8では、co
unt=規定数までcountを1ずつ増加して最適な
加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適
値を算出するループに入る。ただし、規定数には、コン
ピュータの処理時間の許す範囲で十分に大きい値を用い
るものとする。
【0280】この最適値算出ループ内のステップSd4
では、ループを回る毎に、count番目の加重曲線の
関数値を成分とする加重ベクトルを作成する。次に、ス
テップSd5では、変数Cgの値を変化させながら、同
じカテゴリの標準画像間の形状距離平均値から、異なる
カテゴリの標準画像間の形状距離平均値を減算した平均
値の差の値RA(Cg)を算出する。ここで、ステップ
Sd5の平均値の差の値RA(Cg)の算出手順は、図
59に示すステップSd5−1からステップSd5−6
により構成される。なお、図48及び図51は、ステッ
プSd5において算出した平均値の差の値RA(Cg)
をグラフで示したものである。そして、ステップSd6
では、平均値の差の値RA(Cg)の最大値をmaxRA
[count]とし、これに対応する変数Cgの値をm
axCg[count]とする。図48では、maxR
A[count]=0.389、maxCg[coun
t]=1.28となり、図51では、maxRA[co
unt]=0.387、maxCg[count]=
0.90πとなっている。
【0281】ループを出た後、ステップSd9では、最
大値maxRA[count](count=1〜規定
数)の中の最大値に対応する加重曲線を最適なものと
し、それに対応するmaxCg[count]を最適な
加重曲線に係る変数Cgの最適値とする。なお、規定数
=2として、図52及び図53に示した加重曲線を用い
た場合には、図48及び図51より、最大値maxRA
[count]の中の最大値は0.389となり、それ
に対応するmaxCg[count]は1.28とな
る。即ち、図52に示した加重曲線を最適なものとし、
1.28を変数Cgの最適値とする。
【0282】図59は、変数Cgの値を変化させなが
ら、平均値の差の値RA(Cg)を算出する処理手順を
示したフローチャートである。ここでは、数13により
加重ベクトルを作成した後の処理手順を示しており、図
59中のステップSd5−1〜Sd5−6は図58中の
ステップSd5の詳細でもある。
【0283】図59において、最初のステップSd5−
1では、変数Cgの値の範囲をc1≦Cg≦c2、変数
Cgの増分をΔcと設定しておき、ステップSd5−2
では、Cg=c1と初期設定しておく。次のステップS
d5−3からステップSd5−6では、Cg=c2まで
CgをΔcずつ増加して平均値の差の値RA(Cg)を
算出するループに入る。ただし、変数Cgの増分Δcに
は、コンピュータの処理時間の許す範囲で十分に小さい
値を用いるものとする。
【0284】この平均値の差の値算出ループ内のステッ
プSd5−3では、ループを回る毎に、数1、数34、
数18、数19、数24を順に用いて、すべての標準画
像間の形状距離値dAを算出する。即ち、数1において
標準パターン原始行列及び入力パターン原始行列を2つ
の標準パターン原始行列に置き換えたものを作成し、数
34により点(i1,i2)に対応するu軸上の位置u0
及び加重ベクトルの成分番号i0を算出し、その結果を
用いて、数18及び数19において標準パターン原始加
重行列及び入力パターン原始加重行列を2つの標準パタ
ーン原始加重行列に置き換えたものを作成し、数24に
より2つの標準画像間の形状距離値dAを算出する。そ
して、数1、数34、数18、数19、数24を繰り返
し用いることにより、すべての標準画像間の形状距離値
Aを算出する。次に、ステップSd5−4では、同じ
カテゴリの標準画像間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準画像間の形状距離平均値を減算した平均値
の差の値RA(Cg)を算出する。即ち、数31と同様
に、同じカテゴリの標準画像間の形状距離の和の値を形
状距離値の個数で除算した形状距離平均値を第1項と
し、異なるカテゴリの標準画像間の形状距離の和の値を
形状距離値の個数で除算した形状距離平均値を第2項と
して、第1項から第2項を減算した平均値の差の値RA
(Cg)を算出する。
【0285】このような処理手順により、c1≦Cg≦
c2の範囲において、Δc毎の変数Cgの値について、
平均値の差の値RA(Cg)を算出することができる。
従って、各標準画像間の類似性尺度として形状距離dA
を用いる場合には、図58及び図59に示した処理手順
により、最適な加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る
変数Cgの最適値を算出することができる。
【0286】以上に述べたことを一般化して表現すれ
ば、最適な加重曲線、及び、変数Cgの最適値を求める
問題は、平均値の比の値RE(Cg)、或いは、平均値
の差の値RA(Cg)を目的関数とし、加重ベクトルの
成分値gj120(i0=1,2,・・・,m0)、及び、
変数Cgの値を(m0+1)個の変数としたとき、目的
関数を最小、或いは、最大にする(m0+1)個の変数
の値を求める最適化問題を解くことに帰着する。最適化
問題については、数値計算法の分野において、最急降下
法やニュートン法などの数値解法が提案されている。こ
れらの数値解法は、目的関数が急速に減少、或いは、増
加する方向に変数の値を変化させるものであり、少ない
計算回数で変数の最適値を算出しようとするものであ
る。本発明においても、これらの数値解法を用いること
により、最適な加重曲線、及び、変数Cgの最適値を能
率良く算出することが可能となる。そこで、図56中の
ステップSc2または図58中のステップSd2におい
て、予め重み付き加重曲線を作成しておく代わりに、図
56中のステップSc4または図58中のステップSd
4において、ループを回る毎に重み付き加重曲線を作成
するように変更し、上記の数値解法を利用するようにし
ても良い。即ち、平均値の比の値RE(Cg)、或い
は、平均値の差の値RA(Cg)が急速に減少、或い
は、増加する方向にcount番目の重み付き加重曲
線、及び、count番目の変数Cgの値を変化させて
(count+1)番目の重み付き加重曲線、及び、
(count+1)番目の変数Cgの値を求めるように
しても良い。
【0287】また、以上に述べたことを一般化して考え
るため、次に、従来のユークリッド距離と本発明による
形状距離dEとの関係について述べる。本実施例では、
加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させたとき、図46
(b)に示した曲線と同様に、変化した加重曲線のu=
0のときの関数値が正になり、変化した加重曲線がu軸
と2点で交差し、かつ、u=0に関して対称になる場合
に限って考えている。ここで、この制限を緩め、形状距
離dEにおいて加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させ
た結果、加重曲線が特に、Dirac(ディラック)の
デルタ関数になった場合を考える。即ち、加重ベクトル
において、i0=(m0+1)/2のときgj120
1、かつ、i0≠(m0+1)/2のときgj120
0である場合には、数12は、hgj12=hj12
ngj12=nj12(j1=1,2,・・・,m1)(j2
=1,2,・・・,m2)となる。このとき、標準パターン
加重行列及び入力パターン加重行列は、それぞれ標準パ
ターン行列及び入力パターン行列に等しくなる。従っ
て、上記の特別な場合には、数16に示す形状距離d E
は、従来のユークリッド距離に等しくなる。即ち、形状
距離dEは、従来のユークリッド距離を拡張し、一般化
したものとして位置付けられる。
【0288】一方、従来の角度の余弦と本発明による形
状距離dAとの関係について述べる。本実施例では、加
重曲線をu軸に垂直な方向に変化させたとき、図46
(b)に示した曲線と同様に、変化した加重曲線のu=
0のときの関数値が正になり、変化した加重曲線がu軸
と2点で交差し、かつ、u=0に関して対称になる場合
に限って考えている。ここで、この制限を緩め、形状距
離dAにおいて加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させ
た結果、加重曲線が特に、Diracのデルタ関数にな
った場合を考える。即ち、加重ベクトルにおいて、i0
=(m0+1)/2のときgj120=1、かつ、i0
≠(m0+1)/2のときgj120=0である場合に
は、数18は、hogj12=hoj12、nogj1
2=noj12(j1=1,2,・・・,m1)(j2
1,2,・・・,m2)となる。このとき、標準パターン原
始加重行列及び入力パターン原始加重行列は、それぞれ
標準パターン原始行列及び入力パターン原始行列に等し
くなる。従って、上記の特別な場合には、数24に示す
形状距離dAは、従来の角度の余弦に等しくなる。即
ち、形状距離dAは、従来の角度の余弦を拡張し、一般
化したものとして位置付けられる。
【0289】また、以上に述べたことを従来技術と比較
して考えてみる。形状距離dEの計算処理においては、
加重ベクトルの成分値と標準パターン行列の成分値との
積和演算により標準パターン加重行列を作成し、これと
独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パターン行列
の成分値との積和演算により入力パターン加重行列を作
成し、次に、これら標準パターン加重行列及び入力パタ
ーン加重行列を用いて従来のユークリッド距離の計算を
行っている。ここで、この計算処理について別の表現を
するならば、標準パターン行列に対し加重ベクトルによ
るデジタルフィルタ処理を行うことにより標準パターン
加重行列を作成し、これと独立して、入力パターン行列
に対し同加重ベクトルによるデジタルフィルタ処理を行
うことにより入力パターン加重行列を作成し、次に、こ
れら標準パターン加重行列及び入力パターン加重行列を
用いて従来のユークリッド距離の計算を行っているとも
言える。従って、形状距離dEの計算処理は、形式的に
は、デジタルフィルタ処理とユークリッド距離の結合で
あると表現できる。しかしながら、従来のデジタルフィ
ルタやユークリッド距離は、それぞれが単独で別々のも
のとして考えられているのに対し、形状距離dEの計算
処理では、図56に示したように、平均値の比の値RE
(Cg)が最小になるように加重ベクトルを作成してい
る。即ち、形状距離dEの計算処理は、形式的には、デ
ジタルフィルタ処理とユークリッド距離の結合であって
も、実質的には、両者が密接に関連した従来技術とは異
なる処理方法であると言える。
【0290】一方、形状距離dAの計算処理において
は、加重ベクトルの成分値と標準パターン原始行列の成
分値との積和演算により標準パターン原始加重行列を作
成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力
パターン原始行列の成分値との積和演算により入力パタ
ーン原始加重行列を作成し、次に、これら標準パターン
原始加重行列及び入力パターン原始加重行列を用いて従
来の角度の余弦の計算を行っている。ここで、この計算
処理について別の表現をするならば、標準パターン原始
行列に対し加重ベクトルによるデジタルフィルタ処理を
行うことにより標準パターン原始加重行列を作成し、こ
れと独立して、入力パターン原始行列に対し同加重ベク
トルによるデジタルフィルタ処理を行うことにより入力
パターン原始加重行列を作成し、次に、これら標準パタ
ーン原始加重行列及び入力パターン原始加重行列を用い
て従来の角度の余弦の計算を行っているとも言える。従
って、形状距離dAの計算処理は、形式的には、デジタ
ルフィルタ処理と角度の余弦の結合であると表現でき
る。しかしながら、従来のデジタルフィルタや角度の余
弦は、それぞれが単独で別々のものとして考えられてい
るのに対し、形状距離d Aの計算処理では、図58に示
したように、平均値の差の値RA(Cg)が最大になる
ように加重ベクトルを作成している。即ち、形状距離d
Aの計算処理は、形式的には、デジタルフィルタ処理と
角度の余弦の結合であっても、実質的には、両者が密接
に関連した従来技術とは異なる処理方法であると言え
る。
【0291】本発明の第2の課題について以上をまとめ
ると、各標準画像間の類似性尺度として形状距離dE
用いる場合には、加重曲線をu軸に垂直な方向、及び、
u軸に平行な方向に変化させながら、同じカテゴリの標
準画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの標準画
像間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値を求
め、上記平均値の比の値を最小にする加重曲線を算出す
る。そして、上記加重曲線の関数値を加重係数とし、上
記加重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し形状
距離値を算出することにより、同じカテゴリの標準画像
間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標準画
像間の距離が遠くなるようにできる。その結果として、
同じカテゴリの標準画像と異なるカテゴリの標準画像の
分離が良くなり、入力画像が与えられたときの認識性能
が向上する。
【0292】一方、各標準画像間の類似性尺度として形
状距離dAを用いる場合には、加重曲線をu軸に垂直な
方向、及び、u軸に平行な方向に変化させながら、同じ
カテゴリの標準画像間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準画像間の形状距離平均値を減算した平均値
の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重
曲線を算出する。そして、上記加重曲線の関数値を加重
係数とし、上記加重係数の値を成分とする加重ベクトル
を作成し形状距離値を算出することにより、同じカテゴ
リの標準画像間の距離が近くなり、同時に、異なるカテ
ゴリの標準画像間の距離が遠くなるようにできる。その
結果として、同じカテゴリの標準画像と異なるカテゴリ
の標準画像の分離が良くなり、入力画像が与えられたと
きの認識性能が向上する。
【0293】以上要するに、標準画像の特徴量を成分と
する標準パターン原始行列と入力画像の特徴量を成分と
する入力パターン原始行列とを作成し、画像の濃度パタ
ーンを正規化する方法が予め指示されている場合には、
画像の濃度パターンを指示された方法で正規化して標準
パターン行列と入力パターン行列とを作成する。また、
基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする
加重ベクトルを作成する。そして、加重ベクトルの成分
値と標準パターン行列の成分値との積和演算により標準
パターン加重行列を作成し、これと独立して、同加重ベ
クトルの成分値と入力パターン行列の成分値との積和演
算により入力パターン加重行列を作成する。次に、これ
ら標準パターン加重行列及び入力パターン加重行列を用
いて従来のユークリッド距離の計算を行うことにより、
標準パターン行列と入力パターン行列との間の形状距離
値を算出する。
【0294】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴ
リの標準画像間の形状距離平均値で除算した平均値の比
の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数
の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベク
トルを用いて標準パターン行列と入力パターン行列との
間の形状距離値を算出することができる。
【0295】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
大きいとき入力画像は標準画像でないと判定し、形状距
離値が許容値以下のとき入力画像が標準画像であると判
定する。
【0296】一方、標準画像の特徴量を成分とする標準
パターン原始行列と入力画像の特徴量を成分とする入力
パターン原始行列とを作成し、画像の濃度パターンを正
規化する方法が予め指示されていない場合には、画像の
濃度パターンを正規化しないで標準パターン原始行列と
入力パターン原始行列とをそのまま用いる。また、基準
パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重
ベクトルを作成する。そして、加重ベクトルの成分値と
標準パターン原始行列の成分値との積和演算により標準
パターン原始加重行列を作成し、これと独立して、同加
重ベクトルの成分値と入力パターン原始行列の成分値と
の積和演算により入力パターン原始加重行列を作成す
る。次に、これら標準パターン原始加重行列及び入力パ
ターン原始加重行列を用いて従来の角度の余弦の計算を
行うことにより、標準パターン原始行列と入力パターン
原始行列との間の形状距離値を算出する。
【0297】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準画像間の形状距離平均値から、異なるカテ
ゴリの標準画像間の形状距離平均値を減算した平均値の
差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係
数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベ
クトルを用いて標準パターン原始行列と入力パターン原
始行列との間の形状距離値を算出することができる。
【0298】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
小さいとき入力画像は標準画像でないと判定し、形状距
離値が許容値以上のとき入力画像が標準画像であると判
定する。
【0299】[実施例(II):音声認識方法(2次
元)]次に、2つのパターン行列間(或いはパターン原
始行列間)の類似度検出値を用いた音声認識方法につい
て述べる。本実施例では、音声認識を行うために、音声
のパワースペクトルパターン(声紋)をパワースペクト
ルの全エネルギー、または、パワースペクトルの最大値
で正規化して標準パターン行列と入力パターン行列とを
作成し、また、基準パターンベクトルの尖度の変化率の
値を成分とする加重ベクトルを作成する。そして、加重
ベクトルの成分値と標準パターン行列の成分値との積和
演算により標準パターン加重行列を作成し、これと独立
して、同加重ベクトルの成分値と入力パターン行列の成
分値との積和演算により入力パターン加重行列を作成す
る。次に、これら標準パターン加重行列及び入力パター
ン加重行列を用いて従来のユークリッド距離の計算を行
うことにより音声の類似度を検出する。
【0300】一方、音声のパワースペクトルパターンを
正規化しないで標準パターン原始行列と入力パターン原
始行列とを作成する。そして、上記加重ベクトルの成分
値と標準パターン原始行列の成分値との積和演算により
標準パターン原始加重行列を作成し、これと独立して、
同加重ベクトルの成分値と入力パターン原始行列の成分
値との積和演算により入力パターン原始加重行列を作成
する。次に、これら標準パターン原始加重行列及び入力
パターン原始加重行列を用いて従来の角度の余弦の計算
を行うことにより音声の類似度を検出する。
【0301】更に、同じカテゴリの標準パターン行列間
(或いは標準パターン原始行列間)の距離が近くなり、
同時に、異なるカテゴリの標準パターン行列間(或いは
標準パターン原始行列間)の距離が遠くなるように上記
加重ベクトルの成分値を調整し、調整後の加重ベクトル
を用いて音声の類似度を検出し、その検出値を用いて音
声認識を行うものとする。
【0302】関連技術「特願2000−277749
号」では、音声の周波数分布の時間変化の特徴を抽出す
るため、次の数35により、i1番目の周波数帯域にお
けるi2番目の時刻のパワースペクトルPi12(i1
1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)を算出
する方法を示している。
【数35】
【0303】そこで次に、標準音声のパワースペクトル
Pi12(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・
・,m2)を成分とする標準パターン原始行列Hoと、入
力音声のパワースペクトルPi12(i1= 1,2,・・
・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)を成分とする入力
パターン原始行列Noを作成する。この標準パターン原
始行列Ho及び入力パターン原始行列Noを、数1のよ
うに表現しておく。ただし、数1は、標準音声及び入力
音声のパワースペクトルの形状を、パターン原始行列の
1×m2個の成分値で表現したものであると読み替え
る。
【0304】ところで、音声認識においては、同じ音声
であっても発声ごとにパワースペクトルパターン(声
紋)が変動した音声が出現するため、通常、多数の人間
が同じ音声を繰り返し発声して、各音声ごとに複数個の
標準音声を登録する方法が採られている。本実施例で
は、上記のように登録した同じ音声を同じカテゴリの標
準音声とし、これらとは異なる音声を異なるカテゴリの
標準音声とする。
【0305】そして、以上で述べた画像の類似度検出手
順を、上記で作成した音声の標準パターン原始行列Ho
及び入力パターン原始行列Noに適用し、音声認識を行
う。
【0306】具体的には、標準音声の特徴量を成分とす
る標準パターン原始行列と入力音声の特徴量を成分とす
る入力パターン原始行列とを作成し、音声のパワースペ
クトルパターンを正規化する方法が予め指示されている
場合には、音声のパワースペクトルパターンを指示され
た方法で正規化して標準パターン行列と入力パターン行
列とを作成する。また、基準パターンベクトルの尖度の
変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成する。そし
て、加重ベクトルの成分値と標準パターン行列の成分値
との積和演算により標準パターン加重行列を作成し、こ
れと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パターン
行列の成分値との積和演算により入力パターン加重行列
を作成する。次に、これら標準パターン加重行列及び入
力パターン加重行列を用いて従来のユークリッド距離の
計算を行うことにより、標準パターン行列と入力パター
ン行列との間の形状距離値を算出する。
【0307】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準音声間の形状距離平均値を、異なるカテゴ
リの標準音声間の形状距離平均値で除算した平均値の比
の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数
の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベク
トルを用いて標準パターン行列と入力パターン行列との
間の形状距離値を算出することもできる。
【0308】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
大きいとき入力音声は標準音声でないと判定し、形状距
離値が許容値以下のとき入力音声が標準音声であると判
定する。
【0309】一方、標準音声の特徴量を成分とする標準
パターン原始行列と入力音声の特徴量を成分とする入力
パターン原始行列とを作成し、音声のパワースペクトル
パターンを正規化する方法が予め指示されていない場合
には、音声のパワースペクトルパターンを正規化しない
で標準パターン原始行列と入力パターン原始行列とをそ
のまま用いる。また、基準パターンベクトルの尖度の変
化率の値を成分とする加重ベクトルを作成する。そし
て、加重ベクトルの成分値と標準パターン原始行列の成
分値との積和演算により標準パターン原始加重行列を作
成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力
パターン原始行列の成分値との積和演算により入力パタ
ーン原始加重行列を作成する。次に、これら標準パター
ン原始加重行列及び入力パターン原始加重行列を用いて
従来の角度の余弦の計算を行うことにより、標準パター
ン原始行列と入力パターン原始行列との間の形状距離値
を算出する。
【0310】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準音声間の形状距離平均値から、異なるカテ
ゴリの標準音声間の形状距離平均値を減算した平均値の
差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係
数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベ
クトルを用いて標準パターン原始行列と入力パターン原
始行列との間の形状距離値を算出することもできる。
【0311】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
小さいとき入力音声は標準音声でないと判定し、形状距
離値が許容値以上のとき入力音声が標準音声であると判
定する。
【0312】[実施例(III):機械の異常判定方法
(2次元)]次に、2つのパターン行列間(或いはパタ
ーン原始行列間)の類似度検出値を用いた機械の異常判
定方法について述べる。本実施例では、機械の異常判定
を行うために、振動波のパワースペクトルパターンをパ
ワースペクトルの全エネルギー、または、パワースペク
トルの最大値で正規化して標準パターン行列と入力パタ
ーン行列とを作成し、また、基準パターンベクトルの尖
度の変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成する。
そして、加重ベクトルの成分値と標準パターン行列の成
分値との積和演算により標準パターン加重行列を作成
し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パ
ターン行列の成分値との積和演算により入力パターン加
重行列を作成する。次に、これら標準パターン加重行列
及び入力パターン加重行列を用いて従来のユークリッド
距離の計算を行うことにより振動波の類似度を検出す
る。
【0313】一方、振動波のパワースペクトルパターン
を正規化しないで標準パターン原始行列と入力パターン
原始行列とを作成する。そして、上記加重ベクトルの成
分値と標準パターン原始行列の成分値との積和演算によ
り標準パターン原始加重行列を作成し、これと独立し
て、同加重ベクトルの成分値と入力パターン原始行列の
成分値との積和演算により入力パターン原始加重行列を
作成する。次に、これら標準パターン原始加重行列及び
入力パターン原始加重行列を用いて従来の角度の余弦の
計算を行うことにより振動波の類似度を検出する。
【0314】更に、同じカテゴリの標準パターン行列間
(或いは標準パターン原始行列間)の距離が近くなり、
同時に、異なるカテゴリの標準パターン行列間(或いは
標準パターン原始行列間)の距離が遠くなるように上記
加重ベクトルの成分値を調整し、調整後の加重ベクトル
を用いて振動波の類似度を検出し、その検出値を用いて
機械の異常判定を行うものとする。
【0315】関連技術(特願2000−277749
号)では、振動波の周波数分布の時間変化の特徴を抽出
するため、数35により、i1番目の周波数帯域におけ
るi2番目の時刻のパワースペクトルPi12(i1
1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)を算出
する方法を示している。
【0316】そこで次に、標準振動波のパワースペクト
ルPi12(i1=1,2,・・・,m 1)(i2=1,2,
・・・,m2)を成分とする標準パターン原始行列Hoと、
入力振動波のパワースペクトルPi12(i1=1,
2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)を成分とす
る入力パターン原始行列Noを作成する。この標準パタ
ーン原始行列Ho及び入力パターン原始行列Noを、数
1のように表現しておく。ただし、数1は、標準振動波
及び入力振動波のパワースペクトルの形状を、パターン
原始行列のm1×m2個の成分値で表現したものであると
読み替える。
【0317】ところで、機械の異常判定においては、同
じ機械であっても運転モードごとに異なる振動波が測定
され、また、同じ運転モードであっても測定ごとにパワ
ースペクトルパターンが変動した振動波が出現するた
め、通常、同じ運転モードの振動波を繰り返し測定し
て、各運転モードごとに複数個の標準振動波を登録する
方法が採られている。本実施例では、上記のように登録
した同じ運転モードの振動波を同じカテゴリの標準振動
波とし、これらとは異なる運転モードの振動波を異なる
カテゴリの標準振動波とする。
【0318】そして、先に述べた画像の類似度検出手順
を、上記で作成した振動波の標準パターン原始行列Ho
及び入力パターン原始行列Noに適用し、機械の異常判
定を行う。
【0319】具体的には、標準振動波の特徴量を成分と
する標準パターン原始行列と入力振動波の特徴量を成分
とする入力パターン原始行列とを作成し、振動波のパワ
ースペクトルパターンを正規化する方法が予め指示され
ている場合には、振動波のパワースペクトルパターンを
指示された方法で正規化して標準パターン行列と入力パ
ターン行列とを作成する。また、基準パターンベクトル
の尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成す
る。そして、加重ベクトルの成分値と標準パターン行列
の成分値との積和演算により標準パターン加重行列を作
成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力
パターン行列の成分値との積和演算により入力パターン
加重行列を作成する。次に、これら標準パターン加重行
列及び入力パターン加重行列を用いて従来のユークリッ
ド距離の計算を行うことにより、標準パターン行列と入
力パターン行列との間の形状距離値を算出する。
【0320】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を、異なるカテ
ゴリの標準振動波間の形状距離平均値で除算した平均値
の比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重
係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重
ベクトルを用いて標準パターン行列と入力パターン行列
との間の形状距離値を算出することもできる。
【0321】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
大きいとき機械は異常であると判定し、形状距離値が許
容値以下のとき正常であると判定する。
【0322】一方、標準振動波の特徴量を成分とする標
準パターン原始行列と入力振動波の特徴量を成分とする
入力パターン原始行列とを作成し、振動波のパワースペ
クトルパターンを正規化する方法が予め指示されていな
い場合には、振動波のパワースペクトルパターンを正規
化しないで標準パターン原始行列と入力パターン原始行
列とをそのまま用いる。また、基準パターンベクトルの
尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成す
る。そして、加重ベクトルの成分値と標準パターン原始
行列の成分値との積和演算により標準パターン原始加重
行列を作成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分
値と入力パターン原始行列の成分値との積和演算により
入力パターン原始加重行列を作成する。次に、これら標
準パターン原始加重行列及び入力パターン原始加重行列
を用いて従来の角度の余弦の計算を行うことにより、標
準パターン原始行列と入力パターン原始行列との間の形
状距離値を算出する。
【0323】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を減算した平均
値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加
重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加
重ベクトルを用いて標準パターン原始行列と入力パター
ン原始行列との間の形状距離値を算出することもでき
る。
【0324】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
小さいとき機械は異常であると判定し、形状距離値が許
容値以上のとき正常であると判定する。
【0325】[実施例(IV):動画像認識方法(3次
元)]次に、2つのパターン行列層間(或いはパターン
原始行列層間)の類似度検出値を用いた動画像認識方法
について述べる。本実施例では、動画像認識を行うため
に、動画像の濃度パターンを全画素の濃度の合計、また
は、全画素の濃度の最大値で正規化して標準パターン行
列層と入力パターン行列層とを作成し、また、基準パタ
ーンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベク
トルを作成する。そして、加重ベクトルの成分値と標準
パターン行列層の成分値との積和演算により標準パター
ン加重行列層を作成し、これと独立して、同加重ベクト
ルの成分値と入力パターン行列層の成分値との積和演算
により入力パターン加重行列層を作成する。次に、これ
ら標準パターン加重行列層及び入力パターン加重行列層
を用いて従来のユークリッド距離の計算を行うことによ
り動画像の類似度を検出する。
【0326】一方、動画像の濃度パターンを正規化しな
いで標準パターン原始行列層と入力パターン原始行列層
とを作成する。そして、上記加重ベクトルの成分値と標
準パターン原始行列層の成分値との積和演算により標準
パターン原始加重行列層を作成し、これと独立して、同
加重ベクトルの成分値と入力パターン原始行列層の成分
値との積和演算により入力パターン原始加重行列層を作
成する。次に、これら標準パターン原始加重行列層及び
入力パターン原始加重行列層を用いて従来の角度の余弦
の計算を行うことにより動画像の類似度を検出する。
【0327】更に、同じカテゴリの標準パターン行列層
間(或いは標準パターン原始行列層間)の距離が近くな
り、同時に、異なるカテゴリの標準パターン行列層間
(或いは標準パターン原始行列層間)の距離が遠くなる
ように上記加重ベクトルの成分値を調整し、調整後の加
重ベクトルを用いて動画像の類似度を検出し、その検出
値を用いて動画像認識を行うものとする。
【0328】ここでは、先に述べた画像、音声、振動波
等に関する標準パターン行列と入力パターン行列(或い
は標準パターン原始行列と入力パターン原始行列)との
間の類似度検出方法を、標準パターン行列層と入力パタ
ーン行列層(或いは標準パターン原始行列層と入力パタ
ーン原始行列層)との間の類似度検出方法に拡張する。
【0329】図60は、アルファベット“E”を筆記す
るペンの動きを時間を追って撮影した動画像の一例であ
る。同図に示されるように、動画像は時間を追って撮影
したm3枚の画像により構成され、各画像はx方向及び
y方向をそれぞれm1個及びm 2個に区切ったm1×m2
の画素により構成される。ここで、x方向にi1番目、
かつ、y方向にi2番目、かつ、i3番目の時刻の画素に
おける動画像の濃度をPi123とする。
【0330】次に、標準動画像の濃度Pi123(i1
=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)(i3
=1,2,・・・,m3)を成分とする標準パターン原始行
列層Hoと、入力動画像の濃度Pi123 (i1
1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)(i3
1,2,・・・,m3)を成分とする入力パターン原始行列
層Noを作成する。この標準パターン原始行列層Ho及
び入力パターン原始行列層Noを、数1の代わりに、次
の数36、数37のように表現しておく。ただし、数3
6、数37はそれぞれ、標準動画像及び入力動画像の濃
度の形状を、パターン原始行列層のm1×m2×m3個の
成分値で表現したものである。
【0331】
【数36】
【0332】
【数37】
【0333】また、図61は、標準パターン原始行列層
Hoを(x−y−時間)空間で表現したものであり、図
62は、入力パターン原始行列層Noを同じく(x−y
−時間)空間で表現したものである。
【0334】関連技術(特願2000−277749
号)では、動画像の濃度Pi123(i1=1,2,・・
・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)(i3=1,2,・・
・,m 3)を全画素の濃度の合計で正規化する処理を行っ
ている。即ち、x方向にi1番目、かつ、y方向にi2
目、かつ、i3番目の時刻の画素における動画像の正規
化濃度pi123を、数2の代わりに、次の数38に
より算出している。
【0335】
【数38】
【0336】また、2値動画像の場合には、動画像の濃
度Pi123(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,
2,・・・,m2)(i3=1,2,・・・,m3)を全画素の
濃度の最大値で正規化する。即ち、x方向にi1番目、
かつ、y方向にi2番目、かつ、i3番目の時刻の画素に
おける動画像の正規化濃度pi123は、数3の代わ
りに、次の数39により算出できる。ただし、数39中
の記号max{Pj123}は動画像の濃度Pj12
3(j1=1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m
2)(j3=1,2,・・・,m3)において、その中の最大
値を意味する。
【0337】
【数39】
【0338】ここで、数38による正規化濃度の形状と
数39による正規化濃度の形状とは相似形であるため、
数38または数39のどちらを用いた場合でも、同様に
以下の議論が成り立つ。
【0339】次に、標準動画像の正規化濃度pi12
3(i1=1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,
2 )(i3=1,2,・・・,m3)を成分とする標準パ
ターン行列層Hと、入力動画像の正規化濃度pi12
3(i1=1,2,・・・,m1)(i 2=1,2,・・・,
2)(i3=1,2,・・・,m3)を成分とする入力パタ
ーン行列層Nを作成する。この標準パターン行列層H及
び入力パターン行列層Nを、数4の代わりに、次の数4
0、数41のように表現しておく。ただし、数40、数
41はそれぞれ、標準動画像及び入力動画像の正規化濃
度の形状を、パターン行列層のm1×m2×m3個の成分
値で表現したものである。
【0340】
【数40】
【0341】
【数41】
【0342】また、図63は、標準パターン行列層Hを
(x−y−時間)空間で表現したものであり、図64
は、入力パターン行列層Nを同じく(x−y−時間)空
間で表現したものである。
【0343】関連技術(特願2000−277749
号)においては、図65(a)に示すように、平均値μ
=0、分散σj123 2の値をもつ正規分布のグラフ
(正規曲線)を作成し、また、図65(b)、(c)に
示すように、同正規分布の値を成分とする基準パターン
正ベクトルKj123 (+)及び基準パターン負ベクトル
Kj123 (-)を作成している。
【0344】次に、関連技術(特願2000−2777
49号)では、次の数42において、標準パターン行列
層Hと入力パターン行列層Nとの間の形状変化を、基準
パターン正ベクトルKj123 (+)及び基準パターン負
ベクトルKj123 (-)の形状変化に置き換えている。
即ち、パターン行列層のi123成分(i1=1,2,
・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)(i3=1,2,
・・・,m3)について、標準パターン行列層Hの成分値h
123と入力パターン行列層Nの成分値ni123
との間の変化量の絶対値は|ni123−hi123
|であるが、数42に示すように、ni123がhi1
23より大きいとき基準パターン正ベクトルKj12
3 (+)の成分値kj123 (+)0をこの変化量の絶対
値|ni123−hi123|だけ増加させ、ni1
23がhi123より小さいとき基準パターン負ベ
クトルKj123 (-)の成分値kj123 (-)0をこ
の変化量の絶対値|ni123−hi123|だけ増
加させるようにしている。
【数42】
【0345】そして、関連技術(特願2000−277
749号)では、次の数43において、数42により形
状変化した一対の基準パターンベクトル(基準パターン
正ベクトルKj123 (+)と基準パターン負ベクトルK
123 (-) )について、それぞれの形状変化の大き
さを、尖度の変化量として数値化している。即ち、基準
パターン正ベクトルKj123 (+)の尖度Aj123
(+)、及び、基準パターン負ベクトルKj123 (-)
尖度Aj123 (-)を、それぞれ数43により算出して
いる。
【数43】
【0346】ここで、基準パターンベクトルの尖度の変
化率について説明する。図65(b)、(c)に示した
基準パターン正ベクトルKj123 (+)及び基準パター
ン負ベクトルKj123 (-)は、図4(b)、(c)に
示した基準パターン正ベクトルKj12 (+)及び基準パ
ターン負ベクトルKj12 (-)と同じく、ベクトル(1
次元)であり、かつ、正規分布の形状をベクトルのm0
個の成分値で表現したものである。従って、図5〜図7
に係る基準パターン正ベクトルKj12 (+)及び基準パ
ターン負ベクトルKj12 (-)の尖度の変化率の説明
は、基準パターン正ベクトルKj123 (+)及び基準パ
ターン負ベクトルKj123 (-)についても成り立つ。
【0347】従って、予め基準パターン正ベクトルKj
123 (+)の各成分における尖度の変化率を算出してお
き、標準パターン行列層に対して入力パターン行列層の
123成分だけが増加したことにより基準パターン
正ベクトルの第i0成分(i0=1,2,・・・,m0)が同
じ値だけ増加した場合には、基準パターン正ベクトルの
第i0成分における尖度の変化率をgj1230
し、標準パターン行列層の成分値と入力パターン行列層
の成分値との間の変化量の絶対値を|ni12 3−h
123|として、数7の上側の条件式の代わりに、
次の数44の上側の条件式により、gj1230と|
ni123−hi123|との積の値を求めて尖度値
Aj123 (+)を算出できる。
【0348】同様に、標準パターン行列層に対して入力
パターン行列層のi123成分だけが減少したことに
より基準パターン負ベクトルの第i0成分(i0=1,
2,・・・,m0)が同じ値だけ増加した場合には、数7の
下側の条件式の代わりに、次の数44の下側の条件式に
より、gj1230と|ni123−hi123
との積の値を求めて尖度値Aj123 (-)を算出でき
る。なお、数44は、基準パターン正ベクトルまたは基
準パターン負ベクトルの1個の成分だけが増加した場合
に限って成り立つものである。
【0349】
【数44】
【0350】数44において、符号を考慮しながら、|
ni123−hi123|を(ni123−hi1
23)に置き換えることにより、数8の代わりに、次の
数45を得る。
【0351】
【数45】
【0352】次に、基準パターンベクトルの尖度の変化
の性質について説明する。図65(b)、(c)に示し
た基準パターン正ベクトルKj123 (+)及び基準パタ
ーン負ベクトルKj123 (-)は、図4(b)、(c)
に示した基準パターン正ベクトルKj12 (+)及び基準
パターン負ベクトルKj12 (-)と同じく、ベクトル
(1次元)であり、かつ、正規分布の形状をベクトルの
0個の成分値で表現したものである。従って、図8〜
図13に係る基準パターン正ベクトルKj12 (+)及び
基準パターン負ベクトルKj12 (-)の尖度の変化の性
質の説明は、基準パターン正ベクトルKj123 (+)
び基準パターン負ベクトルKj123 (-)についても成
り立つ。
【0353】従って、基準パターン正ベクトルが増加し
た2個の成分について図5〜図7の各(b)と同じ方法
を用いてそれぞれの尖度の変化量を求め、上記尖度の各
変化量を加算した和の値を求めて尖度値Aj123 (+)
を算出できる。同様にして、尖度値Aj123 (-)を算
出できる。
【0354】このことは、標準パターン行列層に対して
入力パターン行列層の3個以上の成分が同時に増加した
ことにより、基準パターン正ベクトルKj 1 2 3 (+)
3個以上の成分が同時に増加した場合にも成り立つ。同
様に、このことは、標準パターン行列層に対して入力パ
ターン行列層の3個以上の成分が同時に減少したことに
より、基準パターン負ベクトルKj123 (-)の3個以
上の成分が同時に増加した場合にも成り立つ。
【0355】従って、標準パターン行列層に対して入力
パターン行列層の複数の成分が同時に増加したことによ
り基準パターン正ベクトルの複数の成分が同時に増加し
た場合には、数9の上側の条件式の代わりに、次の数4
6の上側の条件式により、尖度値Aj123 (+)を算出
できる。即ち、基準パターン正ベクトルの第i0成分に
おける尖度の変化率をgj1230とし、標準パター
ン行列層の成分値と入力パターン行列層の成分値との間
の変化量を(ni123−hi123)として、gj
1230と(ni123−hi123)との積の値
を求め、上記積の値を標準パターン行列層に対して入力
パターン行列層が増加した全ての成分について加算した
和の値を求めて尖度値Aj123 (+)を算出する。
【0356】同様に、標準パターン行列層に対して入力
パターン行列層の複数の成分が同時に減少したことによ
り基準パターン負ベクトルの複数の成分が同時に増加し
た場合には、数9の下側の条件式の代わりに、次の数4
6の下側の条件式により、gj1230と(ni12
3−hi123)との積の値を求め、上記積の値を標
準パターン行列層に対して入力パターン行列層が減少し
た全ての成分について加算した和の値を求めて尖度値A
123 (-)を算出する。
【0357】
【数46】
【0358】ところで、関連技術(特願2000−27
7749号)では、数43により算出した基準パターン
正ベクトルKj123 (+)の尖度Aj123 (+)、及
び、基準パターン負ベクトルKj123 (-)の尖度Aj
123 (-)を用いて、数10の代わりに、次の数47よ
り、形状変化量Dj123を算出している。即ち、正
規分布形状に初期設定された2つの基準パターンベクト
ルKj123 (+)及びKj123 (-)の尖度の値は、共
に3に等しく、そのため、数42により形状変化した基
準パターン正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの尖
度の変化量は、それぞれ{Aj123 (+)−3}及び
{Aj123 (-)−3}となり、従って、正方向の変化
量は{Aj123 (+)−3}、また負方向の変化量は
{Aj123 ( -)−3}となり、全体の変化量はこの差
の値になるとして形状変化量Dj12 3を算出してい
る。
【0359】
【数47】
【0360】従って、数46を数47に代入して、数1
1の代わりに、次の数48を得る。即ち、標準パターン
行列層に対して入力パターン行列層の複数の成分が同時
に増加及び減少したことにより基準パターン正ベクトル
及び基準パターン負ベクトルの複数の成分が同時に増加
した場合には、数48により、形状変化量Dj12 3
を算出できる。
【0361】
【数48】
【0362】数48より、形状変化量Dj123は、
基準パターンベクトルの尖度の変化率gj1230
標準パターン行列層の成分値hi123との積和演
算、及び、同変化率gj1230と入力パターン行列
層の成分値ni123との積和演算に分解できること
が分かる。そこで、数12の代わりに、次の数49に示
すように、それぞれの積和値をhgj123及びng
123とおいておく。
【0363】
【数49】
【0364】次に、数49中の尖度の変化率gj12
30(i0=1,2,・・・,m0)の算出方法、及び、成
分番号i0の算出方法について説明する。なお、基準パ
ターン正ベクトルKj123 (+)及び基準パターン負ベ
クトルKj123 (-)が相等なベクトルであることによ
り、基準パターン正ベクトルKj123 (+)の尖度の変
化率、及び、基準パターン負ベクトルKj123 (-)
尖度の変化率は等しく、また、数49に示されるよう
に、これらを区別する必要もない。従って、以下の説明
では、基準パターン正ベクトル及び基準パターン負ベク
トルに代えて、単に基準パターンベクトルと表記し、ま
た、記号(+)及び(-)を除いて表記する。
【0365】図66(a)は模式図であって、基準パタ
ーンベクトルKj123の第i0成分だけが1.0増加
した例を示したものである。また、図66(b)は、同
図(a)のように形状変化した基準パターンベクトルの
尖度Aj123の変化量ΔAj123を、数43によ
り直接的に求めて図中のi0の位置にプロットし、次
に、このi0を1からm0まで変化させたときに、尖度の
変化量の算出値ΔAj123が変化する様子をグラフ
(加重曲線)で示したものである。ここで、この加重曲
線は、基準パターンベクトルの第i0成分だけが1.0
増加したときの尖度の変化量をプロットしたものである
から、加重曲線の関数値は、基準パターンベクトルの第
0成分(i0=1,2,・・・,m0)における尖度の変化
率gj1230に等しくなる。また、この図66
(b)において加重曲線の関数値に等しい高さの棒グラ
フも示しているが、この棒グラフの高さの値を成分とす
る加重ベクトルGj123を図66(b)のように作
成し、数13の代わりに、次の数50のように表現して
おく。数50は、基準パターンベクトルの尖度の変化率
をベクトルのm0個の成分値で表現したものであり、数
36、数37、数40、数41は、行列層(3次元)で
あるのに対し、数50はベクトル(1次元)である。
【0366】
【数50】
【0367】次に、正規曲線と加重曲線との関係を示
し、また、基準パターンベクトルKj 123と加重ベ
クトルGj123との関係を示す。図65(b)、
(c)に示した基準パターン正ベクトルKj123 (+)
及び基準パターン負ベクトルKj123 (-)は、図4
(b)、(c)に示した基準パターン正ベクトルKj1
2 (+)及び基準パターン負ベクトルKj12 (-)と同じ
く、ベクトル(1次元)であり、かつ、正規分布の形状
をベクトルのm0個の成分値で表現したものである。ま
た、図66(b)に示した加重ベクトルGj12
3は、図14(b)に示した加重ベクトルGj12と同
じく、ベクトル(1次元)であり、かつ、基準パターン
ベクトルの尖度の変化率をベクトルのm0個の成分値で
表現したものである。従って、図66に係る正規曲線と
加重曲線との関係、及び、基準パターンベクトルKj1
23と加重ベクトルGj123との関係は、それぞ
れ図15〜図19に係る正規曲線と加重曲線との関係、
及び、基準パターンベクトルKj12と加重ベクトルG
12との関係に等しい。
【0368】即ち、正規曲線と加重曲線が対応し、ま
た、基準パターンベクトルKj12 3と加重ベクトル
Gj123が対応し、基準パターンベクトルKj12
3の添数j123、i0、m0と、加重ベクトルGj1
23の添数j123、i0、m 0はそれぞれ同じ値を
もつ。
【0369】そして、正規曲線の中心の移動と加重曲線
の中心の移動が対応し、また、基準パターンベクトルの
中心から長さλi123123だけ離れた位置に最
も近い基準パターンベクトルの成分番号i0を算出する
方法と、加重ベクトルの中心から長さλi1231
23だけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号
0を算出する方法は同じである。従って、数49中の
0は、パターン行列層のj123成分とi123
分が与えられたとき、(x−y−時間)正規化空間内の
これら2点間の長さに基づき算出される。
【0370】即ち、数49の左辺に示すhgj123
は、標準パターン行列層の指定成分と各成分との間の長
さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた
位置に最も近い加重ベクトルの成分番号i0を算出し、
加重ベクトルの上記成分番号の成分値gj1230
標準パターン行列層の各成分の成分値hi123との
積の値を求め、上記積の値を標準パターン行列層の各成
分について加算した積和値として算出できる。また、数
49の左辺に示すngj123は、入力パターン行列
層の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクト
ルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベ
クトルの成分番号i0を算出し、加重ベクトルの上記成
分番号の成分値gj1230と入力パターン行列層の
各成分の成分値ni123との積の値を求め、上記積
の値を入力パターン行列層の各成分について加算した積
和値として算出できる。
【0371】次に、数49中のhgj123(j1
1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)(j3
1,2,・・・,m3)を成分とする標準パターン加重行列
層Hgと、数49中のngj123(j1=1,2,・・
・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)(j3=1,2,・・
・,m3)を成分とする入力パターン加重行列層Ngを作
成する。この標準パターン加重行列層Hg及び入力パタ
ーン加重行列層Ngを、数14の代わりに、次の数5
1、数52のように表現しておく。
【0372】
【数51】
【0373】
【数52】
【0374】また、数49を数48に代入して、数15
の代わりに、次の数53を得る。数53より、形状変化
量Dj123は、入力パターン加重行列層Ngの成分
値ngj123から標準パターン加重行列層Hgの成
分値hgj123を減算して得られることが分かる。
【0375】
【数53】
【0376】関連技術(特願2000−277749
号)では、数53により算出したm1×m2×m3個の形
状変化量Dj123の2乗和の平方根を形状距離値と
している。従って、数16の代わりに、次の数54よ
り、形状距離値dEを算出できる。
【0377】
【数54】
【0378】また、関連技術(特願2000−2777
49号)では、数53により算出したm1×m2×m3
の形状変化量Dj123の2乗和自身を形状距離値と
している。従って、数17の代わりに、次の数55によ
り、形状距離値dEを算出することもできる。
【0379】
【数55】
【0380】一方、数49において、標準パターン行列
層の成分値hi123及び入力パターン行列層の成分
値ni123を、それぞれ標準パターン原始行列層の
成分値hoi123及び入力パターン原始行列層の成
分値noi123に置き換え、数18の代わりに、次
の数56に示すように、基準パターンベクトルの尖度の
変化率gj1230と標準パターン原始行列層の成分
値hoi123との積和値をhogj123とおき、
同変化率gj1230と入力パターン原始行列層の成
分値noi123との積和値をnogj123とお
く。
【0381】
【数56】
【0382】次に、数56中のhogj123(j1
1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)(j3
1,2,・・・,m3)を成分とする標準パターン原始加重
行列層Hogと、数56中のnogj123(j1
1,2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)(j3
1,2,・・・,m3)を成分とする入力パターン原始加重
行列層Nogを作成する。この標準パターン原始加重行
列層Hog及び入力パターン原始加重行列層Nogを、
数19の代わりに、次の数57、数58のように表現し
ておく。
【0383】
【数57】
【0384】
【数58】
【0385】ここで、数36、数37に示す標準パター
ン原始行列層Ho及び入力パターン原始行列層Noを、
数38により全画素の濃度の合計で正規化して、数4
0、数41に示す標準パターン行列層H及び入力パター
ン行列層Nを作成した場合には、数20の代わりに、次
の数59が成り立つ。
【0386】
【数59】
【0387】また、数36、数37に示す標準パターン
原始行列層Ho及び入力パターン原始行列層Noを、数
39により全画素の濃度の最大値で正規化して、数4
0、数41に示す標準パターン行列層H及び入力パター
ン行列層Nを作成した場合には、数21の代わりに、次
の数60が成り立つ。
【0388】
【数60】
【0389】数59における右辺の分母の値は、それぞ
れ標準動画像及び入力動画像の全画素の濃度の合計であ
り、これらはそれぞれ定数である。また、数60におけ
る右辺の分母の値は、それぞれ標準動画像及び入力動画
像の全画素の濃度の最大値であり、これらもそれぞれ定
数である。従って、Ch及びCnをそれぞれ定数とし、
数59及び数60をまとめて、数22の代わりに、次の
数61のように表記する。
【0390】
【数61】
【0391】数61を数49に代入し、次に、数56を
用いて、数23の代わりに、次の数62を得る。
【0392】
【数62】
【0393】数62より、(j1=1,2,・・・,m1
(j2=1,2,・・・,m2)(j3=1,2,・・・,m3
について、標準パターン加重行列層の成分値hgj12
3は、標準パターン原始加重行列層の成分値hogj1
23を定数Chで除算したものであり、また、入力パ
ターン加重行列層の成分値ngj123は、入力パタ
ーン原始加重行列層の成分値nogj123を定数C
nで除算したものであることが分かる。
【0394】図20は、数62の関係を示した模式図で
あって、m1×m2×m3次元パターン空間において、原
点Oから、それぞれ標準パターン加重行列層Hgの点、
入力パターン加重行列層Ngの点、標準パターン原始加
重行列層Hogの点、入力パターン原始加重行列層No
gの点へ向かう矢印を示したものであると読み替える。
数62の関係より、図20では、原点O、標準パターン
加重行列層Hgの点、標準パターン原始加重行列層Ho
gの点は1つの直線上に並び、また、原点O、入力パタ
ーン加重行列層Ngの点、入力パターン原始加重行列層
Nogの点は別の直線上に並ぶ様子を示している。
【0395】また、数54より、形状距離dEは、標準
パターン加重行列層の成分値hgj123、及び、入
力パターン加重行列層の成分値ngj123を用いて
従来のユークリッド距離の計算を行うことにより算出で
きることが分かる。そこで、図20において、形状距離
Eは、標準パターン加重行列層Hgの点と入力パター
ン加重行列層Ngの点との間のユークリッド距離になる
ことを示している。
【0396】一方、2値動画像、及び、それ以外の動画
像が混在する動画像認識においては、一般に、入力動画
像が2値動画像、または、それ以外の動画像のどちらで
あるか予め分かっていないことが多く、このような場合
には、動画像の濃度パターンを全画素の濃度の最大値で
正規化する方法、または、全画素の濃度の合計で正規化
する方法のどちらを用いて入力動画像を処理するのか判
断できない問題があり、従って、数54に示す形状距離
値dEを利用できないことになる。
【0397】そこで、動画像の濃度パターンを正規化し
ないで作成した標準パターン原始加重行列層及び入力パ
ターン原始加重行列層について、これら2つのパターン
原始加重行列層間の角度、即ち、図20において、直線
OHogと直線ONogとの間の角度を類似性尺度とし
て用いることができれば都合が良い。従って、標準パタ
ーン原始加重行列層Hogと入力パターン原始加重行列
層Nogとの間の角度の余弦として、数24の代わり
に、次の数63により、形状距離値dAを算出できる。
数63において、形状距離値dAは、−1≦dA≦+1の
範囲の値になり、また、標準パターン原始行列層Hoの
形状と入力パターン原始行列層Noの形状が似ていると
き、従って、標準パターン原始加重行列層Hogの形状
と入力パターン原始加重行列層Nogの形状が似ている
とき、これら2つのパターン原始加重行列層間の角度の
値は小さくなるため、形状距離値dAは+1に近い値に
なる。
【0398】
【数63】
【0399】本発明の第1の課題について以上をまとめ
ると、数54及び図20に示すように、標準パターン行
列層Hと入力パターン行列層Nとの間の形状距離d
Eは、標準パターン加重行列層Hgと入力パターン加重
行列層Ngとの間のユークリッド距離として算出でき、
一方、数63及び図20に示すように、標準パターン原
始行列層Hoと入力パターン原始行列層Noとの間の形
状距離dAは、標準パターン原始加重行列層Hogと入
力パターン原始加重行列層Nogとの間の角度の余弦と
して算出できる。なお、図20より分かるように、標準
パターン原始加重行列層Hogと入力パターン原始加重
行列層Nogとの間の角度の値は、標準パターン加重行
列層Hgと入力パターン加重行列層Ngとの間の角度の
値に等しいため、標準パターン加重行列層Hgと入力パ
ターン加重行列層Ngとの間の角度の余弦として形状距
離dAを算出しても良い。
【0400】以上で本発明の第1の課題について解決手
段を述べたが、次に、本発明の第2の課題について解決
手段を説明する。
【0401】オンライン手書き文字認識は、筆記するペ
ンの動きから、書かれた文字を認識する技術である。こ
のオンライン手書き文字認識においては、同じ文字であ
っても筆記ごとに変形した文字が出現するため、通常、
多数の人間が同じ文字を繰り返し筆記して、各文字ごと
に複数個の標準動画像を登録する方法が採られている。
本実施例では、上記のように登録した同じ文字を同じカ
テゴリの標準動画像とし、これらとは異なる文字を異な
るカテゴリの標準動画像とする。
【0402】ここで、同じカテゴリの標準動画像間の距
離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標準動画像間
の距離が遠くなるようにできれば、結果として、同じカ
テゴリの標準動画像と異なるカテゴリの標準動画像の分
離が良くなり、入力動画像が与えられたときの認識性能
が向上する。
【0403】ところが、関連技術(特願2000−27
7749号)では、次の数64により、パターン行列層
の指定成分と各成分との間の長さの最大値λm111j1
23を、定数1.4で除算した比の値の2乗を以て、
正規分布の分散の値としている。また、関連技術(特願
2000−277749号)では、先の数42により、
基準パターン正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの
すべての成分番号にそれぞれ定数1の重みをつけ、パタ
ーン行列層のi123成分(i1=1,2,・・・,m1
(i2=1,2,・・・,m2)(i3=1,2,・・・,m3
について、標準パターン行列層の成分値hi123
入力パターン行列層の成分値ni123との間の変化
量の絶対値|ni123−hi123|を、基準パタ
ーンベクトルの成分番号にかかわらず、そのまま基準パ
ターン正ベクトルまたは基準パターン負ベクトルの増加
量に置き換えている。
【数64】
【0404】即ち、関連技術の方法では、固定的な分散
の値をもつ正規分布を用いて基準パターンベクトルを作
成し、また、固定的な重みの値をもつ増加手段を用いて
基準パターンベクトルを増加させるため、同じカテゴリ
の標準動画像と異なるカテゴリの標準動画像の分離が固
定化され、入力動画像が与えられたときの認識性能を向
上することができない。
【0405】この問題を解決するため本発明では、関連
技術の固定的な方法に代えて、可変的な分散の値をもつ
正規分布を用いて基準パターンベクトルを作成し、ま
た、可変的な重みの値をもつ増加手段を用いて基準パタ
ーンベクトルを増加させる。
【0406】その際、可変的な分散の値をもつ正規分布
を用いて基準パターンベクトルを作成し、同時に、可変
的な重みの値をもつ増加手段を用いて基準パターンベク
トルを増加させることは、正規曲線の尖度の変化率に基
づき作成した加重曲線をu軸に平行な方向に伸縮させ、
同時に、u軸に垂直な方向に変化させることと等価であ
り、このため、前者と後者は同じ効果が得られることに
なる。ここでは、前者に比べて計算処理が簡単である後
者を用いることにする。そして、後者は、同じカテゴリ
の標準動画像と異なるカテゴリの標準動画像の分離が最
も良くなる加重曲線、即ち、最適な加重曲線を見つける
問題に帰着する。
【0407】ここで、後者の場合について、(x−y−
時間)正規化空間全体を覆う加重曲線の範囲を変化させ
るために加重曲線をu軸に平行な方向に伸縮させるこ
と、及び、加重曲線の中心が(x−y−時間)正規化空
間内を移動するにつれて加重曲線をu軸に平行な方向に
伸縮させることは、加重曲線とu軸との相対的な伸縮の
問題である。従って、実際の計算では、u軸に対して加
重曲線を伸縮させる代わりに、逆に、加重曲線に対して
u軸を伸縮しても良く、両者は等価である。
【0408】そこで次に、加重曲線に対してu軸を伸縮
する場合について、パターン行列層の指定成分と各成分
との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さ
だけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号i0
を算出する方法を説明する。
【0409】第1に、先に示した図52及び図53を、
3次元の(x−y−時間)正規化空間に拡張して考え
る。先の数64では、正規曲線の−1.4σ≦u≦+
1.4σの範囲が(x−y−時間)正規化空間全体を覆
うようにしているが、これに対してここでは、1.4σ
を変数Cgに置き換え、加重曲線の−Cg≦u≦+Cg
の範囲が(x−y−時間)正規化空間全体を覆うように
して、変数Cgの値が変化するにつれて、1つの加重曲
線に対してu軸を伸縮する。
【0410】このとき、u軸の伸縮に関して、点
(j1,j2,j3)と点(i1,i2,i3)との間の長さ
λi123123は、点(j1,j2,j3)と点
(m1,1,1)との間の長さλm111j123と同
じ割合で伸縮されるため、長さλi123123
長さλm111j123で除算した比の値は、u軸の伸
縮にかかわらず、常に一定の値になる。従って、点(i
1,i2,i3)に対応するu軸上の位置をu0としたと
き、数34の代わりに、次の数65より、位置u0を算
出できる。
【0411】
【数65】
【0412】第2に、先に示した図54及び図55を、
3次元の(x−y−時間)正規化空間に拡張して考え
る。ここでは、加重曲線の中心が(x−y−時間)正規
化空間内を移動するにつれて、1つの加重曲線に対して
u軸を伸縮する。このとき、変数Cg(或いは変数Cg
*)の値は、加重曲線の中心の移動にかかわらず、同じ
である。従って、数65より、位置u0を算出できる。
【0413】以上の説明より、1つの加重曲線に対して
u軸を伸縮する場合には、加重曲線の−Cg≦u≦+C
gの範囲が(x−y−時間)正規化空間全体を覆うよう
に変数Cgの値を設定しておき、パターン行列層の指定
成分と各成分との間の長さλi123123、及
び、指定成分と各成分との間の長さの最大値λm111
123を求め、これらの長さを数65に代入して位
置u0を求め、上記位置u 0に最も近い加重ベクトルの成
分番号としてi0を算出できることが分かる。また、こ
のような処理方法により、j123成分(j1=1,
2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)(j3=1,
2,・・・,m3)に対応するそれぞれの場合について加重
ベクトルをm1×m2×m3個作成しておかなくても、1
個の加重ベクトルを作成するだけで標準パターン加重行
列層のm1×m2×m3個の成分値hgj123、及び、
入力パターン加重行列層のm1×m2×m3個の成分値n
gj123(或いは標準パターン原始加重行列層のm1
×m2×m3個の成分値hogj123、及び、入力パ
ターン原始加重行列層のm1×m2×m3個の成分値no
gj123)を算出することができる。
【0414】ところで、最適な加重曲線は、登録したす
べての標準動画像の濃度形状に関係するものであるた
め、登録した標準動画像が異なる場合には最適な加重曲
線も異なることになる。従って、任意形状の加重曲線の
中から最適な加重曲線を見つける必要がある。
【0415】そこで次に、任意形状の加重曲線の中か
ら、最適な加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る変数
Cgの最適値を求める方法を図56〜図59を参照して
説明する。ただし、図56及び図57において、標準画
像を標準動画像に読み替え、また、図56中のステップ
Sc4において、数13を数50に読み替え、図57中
のステップSc5−3において、数4、数34、数1
2、数14、数16を、それぞれ数40及び数41、数
65、数49、数51及び数52、数54に読み替え
る。このとき、図56及び図57は、各標準動画像間の
類似性尺度として形状距離dEを用いる場合について、
最適な加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る変数Cg
の最適値を算出する処理手順を示したフローチャートと
なる。
【0416】即ち、図56及び図57に示すように、予
め、分散の値が1である正規曲線の尖度の変化率に基づ
いて加重曲線を作成し、また、上記加重曲線に正数の重
みの値を乗算して複数個の重み付き加重曲線を作成す
る。そして、これらのうちの1つの加重曲線の関数値を
成分とする加重ベクトルを作成し、変数Cgの値を変化
させながら、同じカテゴリの標準動画像間の形状距離平
均値を、異なるカテゴリの標準動画像間の形状距離平均
値で除算した平均値の比の値RE(Cg)を算出し、上
記平均値の比の値RE(Cg)の最小値を求める。これ
を上記すべての加重曲線について繰り返して求め、これ
ら平均値の比の値RE(Cg)の最小値の中の最小値に
対応する加重曲線を最適なものとし、それに対応する変
数Cgの値を、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適値
とする。
【0417】また、上記で得られた最適な加重曲線の関
数値を加重係数とし、上記加重係数の値を成分とする加
重ベクトルを作成することにより、同じカテゴリの標準
動画像間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの
標準動画像間の距離が遠くなるようにできる。その結果
として、同じカテゴリの標準動画像と異なるカテゴリの
標準動画像の分離が良くなり、入力動画像が与えられた
ときの認識性能が向上する。
【0418】一方、図58及び図59において、標準画
像を標準動画像に読み替え、また、図58中のステップ
Sd4において、数13を数50に読み替え、図59中
のステップSd5−3において、数1、数34、数1
8、数19、数24を、それぞれ数36及び数37、数
65、数56、数57及び数58、数63に読み替え
る。このとき、図58及び図59は、各標準動画像間の
類似性尺度として形状距離dAを用いる場合について、
最適な加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る変数Cg
の最適値を算出する処理手順を示したフローチャートと
なる。
【0419】即ち、図58及び図59に示すように、予
め、分散の値が1である正規曲線の尖度の変化率に基づ
いて加重曲線を作成し、また、上記加重曲線に正数の重
みの値を乗算して複数個の重み付き加重曲線を作成す
る。そして、これらのうちの1つの加重曲線の関数値を
成分とする加重ベクトルを作成し、変数Cgの値を変化
させながら、同じカテゴリの標準動画像間の形状距離平
均値から、異なるカテゴリの標準動画像間の形状距離平
均値を減算した平均値の差の値RA(Cg)を算出し、
上記平均値の差の値RA(Cg)の最大値を求める。こ
れを上記すべての加重曲線について繰り返して求め、こ
れら平均値の差の値RA(Cg)の最大値の中の最大値
に対応する加重曲線を最適なものとし、それに対応する
変数Cgの値を、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適
値とする。
【0420】また、上記で得られた最適な加重曲線の関
数値を加重係数とし、上記加重係数の値を成分とする加
重ベクトルを作成することにより、同じカテゴリの標準
動画像間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの
標準動画像間の距離が遠くなるようにできる。その結果
として、同じカテゴリの標準動画像と異なるカテゴリの
標準動画像の分離が良くなり、入力動画像が与えられた
ときの認識性能が向上する。
【0421】以上に述べたことを一般化して表現すれ
ば、最適な加重曲線、及び、変数Cgの最適値を求める
問題は、平均値の比の値RE(Cg)、或いは、平均値
の差の値RA(Cg)を目的関数とし、加重ベクトルの
成分値gj1230(i0=1,2,・・・,m0)、及
び、変数Cgの値を(m0+1)個の変数としたとき、
目的関数を最小、或いは、最大にする(m0+1)個の
変数の値を求める最適化問題を解くことに帰着する。最
適化問題については、数値計算法の分野において、最急
降下法やニュートン法などの数値解法が提案されてい
る。これらの数値解法は、目的関数が急速に減少、或い
は、増加する方向に変数の値を変化させるものであり、
少ない計算回数で変数の最適値を算出しようとするもの
である。本発明においても、これらの数値解法を用いる
ことにより、最適な加重曲線、及び、変数Cgの最適値
を能率良く算出することが可能となる。そこで、図56
中のステップSc2または図58中のステップSd2に
おいて、予め重み付き加重曲線を作成しておく代わり
に、図56中のステップSc4または図58中のステッ
プSd4において、ループを回る毎に重み付き加重曲線
を作成するように変更し、上記の数値解法を利用するよ
うにしても良い。即ち、平均値の比の値RE(Cg)、
或いは、平均値の差の値RA(Cg)が急速に減少、或
いは、増加する方向にcount番目の重み付き加重曲
線、及び、count番目の変数Cgの値を変化させて
(count+1)番目の重み付き加重曲線、及び、
(count+1)番目の変数Cgの値を求めるように
しても良い。
【0422】また、以上に述べたことを一般化して考え
るため、次に、従来のユークリッド距離と本発明による
形状距離dEとの関係について述べる。本実施例では、
加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させたとき、図46
(b)に示した曲線と同様に、変化した加重曲線のu=
0のときの関数値が正になり、変化した加重曲線がu軸
と2点で交差し、かつ、u=0に関して対称になる場合
に限って考えている。ここで、この制限を緩め、形状距
離dEにおいて加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させ
た結果、加重曲線が特に、Diracのデルタ関数にな
った場合を考える。即ち、加重ベクトルにおいて、i0
=(m0+1)/2のときgj1230=1、かつ、
0≠(m0+1)/2のときgj1230=0である
場合には、数49は、hgj123=hj123、n
gj123=nj123(j1=1,2,・・・,m1
(j2=1,2,・・・,m2)(j3=1,2,・・・,m3
となる。このとき、標準パターン加重行列層及び入力パ
ターン加重行列層は、それぞれ標準パターン行列層及び
入力パターン行列層に等しくなる。従って、上記の特別
な場合には、数54に示す形状距離dEは、従来のユー
クリッド距離に等しくなる。即ち、形状距離dEは、従
来のユークリッド距離を拡張し、一般化したものとして
位置付けられる。
【0423】一方、従来の角度の余弦と本発明による形
状距離dAとの関係について述べる。本実施例では、加
重曲線をu軸に垂直な方向に変化させたとき、図46
(b)に示した曲線と同様に、変化した加重曲線のu=
0のときの関数値が正になり、変化した加重曲線がu軸
と2点で交差し、かつ、u=0に関して対称になる場合
に限って考えている。ここで、この制限を緩め、形状距
離dAにおいて加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させ
た結果、加重曲線が特に、Diracのデルタ関数にな
った場合を考える。即ち、加重ベクトルにおいて、i0
=(m0+1)/2のときgj1230=1、かつ、
0≠(m0+1)/2のときgj1230=0である
場合には、数56は、hogj123=hoj1
23、nogj123=noj123(j1=1,
2,・・・,m1)(j2=1,2,・・・,m2)(j3=1,
2,・・・,m3)となる。このとき、標準パターン原始加
重行列層及び入力パターン原始加重行列層は、それぞれ
標準パターン原始行列層及び入力パターン原始行列層に
等しくなる。従って、上記の特別な場合には、数63に
示す形状距離dAは、従来の角度の余弦に等しくなる。
即ち、形状距離dAは、従来の角度の余弦を拡張し、一
般化したものとして位置付けられる。
【0424】また、以上に述べたことを従来技術と比較
して考えてみる。形状距離dEの計算処理においては、
加重ベクトルの成分値と標準パターン行列層の成分値と
の積和演算により標準パターン加重行列層を作成し、こ
れと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パターン
行列層の成分値との積和演算により入力パターン加重行
列層を作成し、次に、これら標準パターン加重行列層及
び入力パターン加重行列層を用いて従来のユークリッド
距離の計算を行っている。ここで、この計算処理につい
て別の表現をするならば、標準パターン行列層に対し加
重ベクトルによるデジタルフィルタ処理を行うことによ
り標準パターン加重行列層を作成し、これと独立して、
入力パターン行列層に対し同加重ベクトルによるデジタ
ルフィルタ処理を行うことにより入力パターン加重行列
層を作成し、次に、これら標準パターン加重行列層及び
入力パターン加重行列層を用いて従来のユークリッド距
離の計算を行っているとも言える。従って、形状距離d
Eの計算処理は、形式的には、デジタルフィルタ処理と
ユークリッド距離の結合であると表現できる。しかしな
がら、従来のデジタルフィルタやユークリッド距離は、
それぞれが単独で別々のものとして考えられているのに
対し、形状距離dEの計算処理では、図56に示したよ
うに、平均値の比の値RE(Cg)が最小になるように
加重ベクトルを作成している。即ち、形状距離dEの計
算処理は、形式的には、デジタルフィルタ処理とユーク
リッド距離の結合であっても、実質的には、両者が密接
に関連した従来技術とは異なる処理方法であると言え
る。
【0425】一方、形状距離dAの計算処理において
は、加重ベクトルの成分値と標準パターン原始行列層の
成分値との積和演算により標準パターン原始加重行列層
を作成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と
入力パターン原始行列層の成分値との積和演算により入
力パターン原始加重行列層を作成し、次に、これら標準
パターン原始加重行列層及び入力パターン原始加重行列
層を用いて従来の角度の余弦の計算を行っている。ここ
で、この計算処理について別の表現をするならば、標準
パターン原始行列層に対し加重ベクトルによるデジタル
フィルタ処理を行うことにより標準パターン原始加重行
列層を作成し、これと独立して、入力パターン原始行列
層に対し同加重ベクトルによるデジタルフィルタ処理を
行うことにより入力パターン原始加重行列層を作成し、
次に、これら標準パターン原始加重行列層及び入力パタ
ーン原始加重行列層を用いて従来の角度の余弦の計算を
行っているとも言える。従って、形状距離dAの計算処
理は、形式的には、デジタルフィルタ処理と角度の余弦
の結合であると表現できる。しかしながら、従来のデジ
タルフィルタや角度の余弦は、それぞれが単独で別々の
ものとして考えられているのに対し、形状距離dAの計
算処理では、図58に示したように、平均値の差の値R
A(Cg)が最大になるように加重ベクトルを作成して
いる。即ち、形状距離dAの計算処理は、形式的には、
デジタルフィルタ処理と角度の余弦の結合であっても、
実質的には、両者が密接に関連した従来技術とは異なる
処理方法であると言える。
【0426】本発明の第2の課題について以上をまとめ
ると、各標準動画像間の類似性尺度として形状距離dE
を用いる場合には、加重曲線をu軸に垂直な方向、及
び、u軸に平行な方向に変化させながら、同じカテゴリ
の標準動画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの
標準動画像間の形状距離平均値で除算した平均値の比の
値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重曲線を
算出する。そして、上記加重曲線の関数値を加重係数と
し、上記加重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成
し形状距離値を算出することにより、同じカテゴリの標
準動画像間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリ
の標準動画像間の距離が遠くなるようにできる。その結
果として、同じカテゴリの標準動画像と異なるカテゴリ
の標準動画像の分離が良くなり、入力動画像が与えられ
たときの認識性能が向上する。
【0427】一方、各標準動画像間の類似性尺度として
形状距離dAを用いる場合には、加重曲線をu軸に垂直
な方向、及び、u軸に平行な方向に変化させながら、同
じカテゴリの標準動画像間の形状距離平均値から、異な
るカテゴリの標準動画像間の形状距離平均値を減算した
平均値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にす
る加重曲線を算出する。そして、上記加重曲線の関数値
を加重係数とし、上記加重係数の値を成分とする加重ベ
クトルを作成し形状距離値を算出することにより、同じ
カテゴリの標準動画像間の距離が近くなり、同時に、異
なるカテゴリの標準動画像間の距離が遠くなるようにで
きる。その結果として、同じカテゴリの標準動画像と異
なるカテゴリの標準動画像の分離が良くなり、入力動画
像が与えられたときの認識性能が向上する。
【0428】以上のようにして算出した標準パターン行
列層と入力パターン行列層との間の形状距離値dE、ま
たは、標準パターン原始行列層と入力パターン原始行列
層との間の形状距離値dAを用いて、動画像認識を行
う。
【0429】具体的には、標準動画像の特徴量を成分と
する標準パターン原始行列層と入力動画像の特徴量を成
分とする入力パターン原始行列層とを作成し、動画像の
濃度パターンを正規化する方法が予め指示されている場
合には、動画像の濃度パターンを指示された方法で正規
化して標準パターン行列層と入力パターン行列層とを作
成する。また、基準パターンベクトルの尖度の変化率の
値を成分とする加重ベクトルを作成する。そして、加重
ベクトルの成分値と標準パターン行列層の成分値との積
和演算により標準パターン加重行列層を作成し、これと
独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パターン行列
層の成分値との積和演算により入力パターン加重行列層
を作成する。次に、これら標準パターン加重行列層及び
入力パターン加重行列層を用いて従来のユークリッド距
離の計算を行うことにより、標準パターン行列層と入力
パターン行列層との間の形状距離値を算出する。
【0430】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準動画像間の形状距離平均値を、異なるカテ
ゴリの標準動画像間の形状距離平均値で除算した平均値
の比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重
係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重
ベクトルを用いて標準パターン行列層と入力パターン行
列層との間の形状距離値を算出することができる。
【0431】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
大きいとき入力動画像は標準動画像でないと判定し、形
状距離値が許容値以下のとき入力動画像が標準動画像で
あると判定する。
【0432】一方、標準動画像の特徴量を成分とする標
準パターン原始行列層と入力動画像の特徴量を成分とす
る入力パターン原始行列層とを作成し、動画像の濃度パ
ターンを正規化する方法が予め指示されていない場合に
は、動画像の濃度パターンを正規化しないで標準パター
ン原始行列層と入力パターン原始行列層とをそのまま用
いる。また、基準パターンベクトルの尖度の変化率の値
を成分とする加重ベクトルを作成する。そして、加重ベ
クトルの成分値と標準パターン原始行列層の成分値との
積和演算により標準パターン原始加重行列層を作成し、
これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パター
ン原始行列層の成分値との積和演算により入力パターン
原始加重行列層を作成する。次に、これら標準パターン
原始加重行列層及び入力パターン原始加重行列層を用い
て従来の角度の余弦の計算を行うことにより、標準パタ
ーン原始行列層と入力パターン原始行列層との間の形状
距離値を算出する。
【0433】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準動画像間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準動画像間の形状距離平均値を減算した平均
値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加
重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加
重ベクトルを用いて標準パターン原始行列層と入力パタ
ーン原始行列層との間の形状距離値を算出することがで
きる。
【0434】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
小さいとき入力動画像は標準動画像でないと判定し、形
状距離値が許容値以上のとき入力動画像が標準動画像で
あると判定する。
【0435】[実施例(V):立体認識方法(3次
元)]次に、2つのパターン行列層間(或いはパターン
原始行列層間)の類似度検出値を用いた立体認識方法に
ついて述べる。本実施例では、立体認識を行うために、
立体の密度(単位体積の質量)パターンを全質量、また
は、密度の最大値で正規化して標準パターン行列層と入
力パターン行列層とを作成し、また、基準パターンベク
トルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトルを作
成する。そして、加重ベクトルの成分値と標準パターン
行列層の成分値との積和演算により標準パターン加重行
列層を作成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分
値と入力パターン行列層の成分値との積和演算により入
力パターン加重行列層を作成する。次に、これら標準パ
ターン加重行列層及び入力パターン加重行列層を用いて
従来のユークリッド距離の計算を行うことにより立体の
類似度を検出する。
【0436】一方、立体の密度パターンを正規化しない
で標準パターン原始行列層と入力パターン原始行列層と
を作成する。そして、上記加重ベクトルの成分値と標準
パターン原始行列層の成分値との積和演算により標準パ
ターン原始加重行列層を作成し、これと独立して、同加
重ベクトルの成分値と入力パターン原始行列層の成分値
との積和演算により入力パターン原始加重行列層を作成
する。次に、これら標準パターン原始加重行列層及び入
力パターン原始加重行列層を用いて従来の角度の余弦の
計算を行うことにより立体の類似度を検出する。
【0437】更に、同じカテゴリの標準パターン行列層
間(或いは標準パターン原始行列層間)の距離が近くな
り、同時に、異なるカテゴリの標準パターン行列層間
(或いは標準パターン原始行列層間)の距離が遠くなる
ように上記加重ベクトルの成分値を調整し、調整後の加
重ベクトルを用いて立体の類似度を検出し、その検出値
を用いて立体認識を行うものとする。
【0438】図67は、立体の密度(単位体積の質量)
分布を示したものである。同図に示されるように、立体
はx方向、y方向、z方向をそれぞれm1個、m2個、m
3個に区切ったm1×m2×m3個の区画により構成され
る。ここで、x方向にi1番目、かつ、y方向にi2
目、かつ、z方向にi3番目の区画における立体の密度
をPi123とする。
【0439】次に、標準立体の密度Pi123(i1
1,2,・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)(i3
1,2,・・・,m3)を成分とする標準パターン原始行列
層Hoと、入力立体の密度Pi123(i1=1,2,
・・・,m1)(i2=1,2,・・・,m2)(i3=1,2,
・・・,m3)を成分とする入力パターン原始行列層Noを
作成する。この標準パターン原始行列層Ho及び入力パ
ターン原始行列層Noを、数36、数37のように表現
しておく。ただし、数36、数37はそれぞれ、標準立
体及び入力立体の密度の形状を、パターン原始行列層の
1×m2×m3個の成分値で表現したものであると読み
替える。
【0440】ところで、立体認識においては、例えば、
3次元CT(コンピュータ断層撮影)画像の濃度を用い
て立体の密度を測定する場合には、同じ立体であっても
測定ごとに変動した密度分布が出現するため、通常、同
じ立体を繰り返し測定して、各立体ごとに複数個の標準
立体を登録する方法が採られている。本実施例では、上
記のように登録した同じ立体の密度分布を同じカテゴリ
の標準立体とし、これらとは異なる立体の密度分布を異
なるカテゴリの標準立体とする。
【0441】そして、以上で述べた動画像の類似度検出
手順を、上記で作成した立体の標準パターン原始行列層
Ho及び入力パターン原始行列層Noに適用し、立体認
識を行う。
【0442】具体的には、標準立体の特徴量を成分とす
る標準パターン原始行列層と入力立体の特徴量を成分と
する入力パターン原始行列層とを作成し、立体の密度パ
ターンを正規化する方法が予め指示されている場合に
は、立体の密度パターンを指示された方法で正規化して
標準パターン行列層と入力パターン行列層とを作成す
る。また、基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を
成分とする加重ベクトルを作成する。そして、加重ベク
トルの成分値と標準パターン行列層の成分値との積和演
算により標準パターン加重行列層を作成し、これと独立
して、同加重ベクトルの成分値と入力パターン行列層の
成分値との積和演算により入力パターン加重行列層を作
成する。次に、これら標準パターン加重行列層及び入力
パターン加重行列層を用いて従来のユークリッド距離の
計算を行うことにより、標準パターン行列層と入力パタ
ーン行列層との間の形状距離値を算出する。
【0443】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準立体間の形状距離平均値を、異なるカテゴ
リの標準立体間の形状距離平均値で除算した平均値の比
の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数
の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベク
トルを用いて標準パターン行列層と入力パターン行列層
との間の形状距離値を算出することができる。
【0444】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
大きいとき入力立体は標準立体でないと判定し、形状距
離値が許容値以下のとき入力立体が標準立体であると判
定する。
【0445】一方、標準立体の特徴量を成分とする標準
パターン原始行列層と入力立体の特徴量を成分とする入
力パターン原始行列層とを作成し、立体の密度パターン
を正規化する方法が予め指示されていない場合には、立
体の密度パターンを正規化しないで標準パターン原始行
列層と入力パターン原始行列層とをそのまま用いる。ま
た、基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分と
する加重ベクトルを作成する。そして、加重ベクトルの
成分値と標準パターン原始行列層の成分値との積和演算
により標準パターン原始加重行列層を作成し、これと独
立して、同加重ベクトルの成分値と入力パターン原始行
列層の成分値との積和演算により入力パターン原始加重
行列層を作成する。次に、これら標準パターン原始加重
行列層及び入力パターン原始加重行列層を用いて従来の
角度の余弦の計算を行うことにより、標準パターン原始
行列層と入力パターン原始行列層との間の形状距離値を
算出する。
【0446】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準立体間の形状距離平均値から、異なるカテ
ゴリの標準立体間の形状距離平均値を減算した平均値の
差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係
数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベ
クトルを用いて標準パターン原始行列層と入力パターン
原始行列層との間の形状距離値を算出することができ
る。
【0447】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
小さいとき入力立体は標準立体でないと判定し、形状距
離値が許容値以上のとき入力立体が標準立体であると判
定する。
【0448】[実施例(VI):音声認識方法(1次
元)]次に、2つのパターンベクトル間(或いはパター
ン原始ベクトル間)の類似度検出値を用いた音声認識方
法について述べる。本実施例では、音声認識を行うため
に、音声のパワースペクトルパターンをパワースペクト
ルの全エネルギー、または、パワースペクトルの最大値
で正規化して標準パターンベクトルと入力パターンベク
トルとを作成し、また、基準パターンベクトルの尖度の
変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成する。そし
て、加重ベクトルの成分値と標準パターンベクトルの成
分値との積和演算により標準パターン加重ベクトルを作
成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力
パターンベクトルの成分値との積和演算により入力パタ
ーン加重ベクトルを作成する。次に、これら標準パター
ン加重ベクトル及び入力パターン加重ベクトルを用いて
従来のユークリッド距離の計算を行うことにより音声の
類似度を検出する。
【0449】一方、音声のパワースペクトルパターンを
正規化しないで標準パターン原始ベクトルと入力パター
ン原始ベクトルとを作成する。そして、上記加重ベクト
ルの成分値と標準パターン原始ベクトルの成分値との積
和演算により標準パターン原始加重ベクトルを作成し、
これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パター
ン原始ベクトルの成分値との積和演算により入力パター
ン原始加重ベクトルを作成する。次に、これら標準パタ
ーン原始加重ベクトル及び入力パターン原始加重ベクト
ルを用いて従来の角度の余弦の計算を行うことにより音
声の類似度を検出する。
【0450】更に、同じカテゴリの標準パターンベクト
ル間(或いは標準パターン原始ベクトル間)の距離が近
くなり、同時に、異なるカテゴリの標準パターンベクト
ル間(或いは標準パターン原始ベクトル間)の距離が遠
くなるように上記加重ベクトルの成分値を調整し、調整
後の加重ベクトルを用いて音声の類似度を検出し、その
検出値を用いて音声認識を行うものとする。
【0451】ここでは、先に述べた画像、音声、振動波
等に関する標準パターン行列と入力パターン行列(或い
は標準パターン原始行列と入力パターン原始行列)との
間の類似度検出方法を、標準パターンベクトルと入力パ
ターンベクトル(或いは標準パターン原始ベクトルと入
力パターン原始ベクトル)との間の類似度検出方法に適
用する。
【0452】なお、従来技術(特開平10−25344
4号公報(特願平9−61007号))では、基準パタ
ーン正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの成分の個
数は、標準パターンベクトル及び入力パターンベクトル
の成分の個数に等しく、また、正規曲線の中心の移動に
かかわらず、正規分布の分散の値は常に1に等しいとし
ている。
【0453】これに対して本実施例では、関連技術(特
願2000−277749号)と同様に、基準パターン
正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの成分の個数
は、標準パターンベクトル及び入力パターンベクトルの
成分の個数と異なり、また、正規曲線の中心が移動する
につれて、正規分布の分散の値が変化するものとする。
そこで本発明の実施例を説明する前に、従来技術(特開
平10−253444号公報(特願平9−61007
号))について、以下に示す修正及び追加をしておくこ
ととする。
【0454】最初に、従来技術(特開平10−2534
44号公報(特願平9−61007号))の段落[00
41]の式では、標準パターンベクトルH及び入力パタ
ーンベクトルNの成分の個数はmであるが、この個数を
1とする。
【0455】次に、図68は、m1個の周波数帯域をも
つ音声のパワースペクトルの模式図であって、周波数軸
の長さを1にした周波数正規化線分を示したものであ
る。なお、本実施例では、上記周波数帯域のそれぞれの
帯域幅が異なっている場合であっても、図68におい
て、各成分の間の長さが等間隔になるように作図するも
のとする。従って、図68中に示すように、成分間の長
さは1/(m1−1)になる。図68において、周波数
正規化線分上の点j1、及び、点i1を示している。ま
た、同線分上のすべての点の中で、点j1から最も遠い
点1も示している。従って、点j1と点i1との間の長さ
λi11は、次の数66により算出できる。同様に、点
1と点1との間の長さλ1j1は、次の数67により算
出できる。λ1j1は、点j1と各点との間の長さの最大
値である。
【0456】
【数66】
【0457】
【数67】
【0458】図69(a)は、平均値μ=0、分散σj
1 2としたとき、正規分布のグラフ(正規曲線)を示した
ものである。また、図69(b)、(c)において正規
曲線の関数値に等しい高さの棒グラフを示しているが、
この棒グラフの高さの値を成分とする基準パターン正ベ
クトルKj1 (+)を図69(b)のように作成し、また、
同棒グラフの高さの値を成分とする基準パターン負ベク
トルKj1 (-)を図69(c)のように作成し、次の数6
8のように表現しておく。数68は正規分布の形状をベ
クトルのm0個の成分値で表現したものであり、標準パ
ターンベクトルH及び入力パターンベクトルNはm1
の成分値をもつベクトル(1次元)であるのに対し、数
68はm0個の成分値をもつベクトル(1次元)であ
る。図69から分かるように、これら一対の基準パター
ンベクトルKj1 (+)、Kj1 (-)は相等なベクトルであ
る。なお、数68中の添数j1は、図68に示す点j1
対応するものであり、数68中のm0は標準パターンベ
クトルH及び入力パターンベクトルNの成分の個数m1
と異なる任意の自然数であってよい。
【0459】
【数68】
【0460】図69(a)において、点j1をu=0に
対応させ、点1をu=−1.4σj1に対応させてい
る。従って、点i1はu=0とu=−1.4σj1の間の
uの値に対応することになる。また、点j1と点1との
間の長さλ1j1は数67より算出できるが、図69
(a)に示すu軸上の0と−1.4σj1との間の長さ
でもある。従って、次の数69より、正規分布の分散の
値が算出できる。
【0461】
【数69】
【0462】上記の方法により正規分布の分散の値を算
出すれば、正規分布の主要成分(数69の場合には−
1.4σj1≦u≦+1.4σj1の範囲)が周波数正規
化線分全体を覆うようにできる。即ち、数69より求め
た正規分布の分散の値により正規曲線が決定され、ま
た、この正規曲線を図69(b)、(c)、及び、数6
8に適用することにより基準パターン正ベクトルKj1
(+)及び基準パターン負ベクトルKj1 (-)が作成でき
る。
【0463】ここで、パターンベクトルの指定成分とし
て第j1成分をj1=1〜m1の中の一つの値に固定して
おいた上で、パターンベクトルの第i1成分(i1=1,
2,・・・,m1)のそれぞれについて考える。点j1と点
1との間の長さλi11は数66より算出できるが、
図69(a)に示すように、λi11は正規分布の平均
値からの偏差の値でもある。
【0464】また、図69(c)に示すように、基準パ
ターンベクトルの各成分番号の間の長さをΔyj1とし
たとき、成分番号i0(i0=1,2,・・・,m0)に対応
する正規分布の平均値からの偏差の値Lj10は、次の
数70により算出できる。なお、ここでは、基準パター
ンベクトルの各成分番号の間の長さが等間隔である場合
を考える。数70において(m0+1)/2は基準パタ
ーンベクトルの中央の成分番号である。
【0465】
【数70】
【0466】図69(a)、(b)、(c)に、上記λ
11とLj10との関係を示す。同図(a)におい
て、λi11は点j1と点i1との間の長さであることを
示している。また、同図(b)、(c)において、基準
パターン正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの中心
からλi11だけ離れた位置に最も近い基準パターン正
ベクトル及び基準パターン負ベクトルの成分番号がi0
であり、成分番号i0に対応する正規分布の平均値から
の偏差の値がLj10であることを示している。
【0467】即ち、パターンベクトルの第j1成分と第
1成分が与えられたとき、数66よりこれら2点間の
長さλi11が算出され、次に、基準パターンベクトル
について成分番号i0、正規分布の平均値からの偏差の
値Lj10、及び、成分値kj1 (+)0とkj1 (-)0
得られることになる。
【0468】ここで、基準パターンベクトルの成分の個
数m0を十分に大きく(Δyj1を十分に小さく)してお
けば、λi11の値とLj10の値との間の誤差を十分
に小さくすることができ、精度の高い計算結果が得られ
る。また、成分番号i0と成分番号(m0−i0+1)は正
規分布の平均値に関して対称であるため、i0の代わり
に(m0−i0+1)を用いてもよい。
【0469】次に、標準パターンベクトルと入力パター
ンベクトルとの間の形状変化を、基準パターン正ベクト
ルKj1 (+)及び基準パターン負ベクトルKj1 (-)の形状
変化に置き換える。即ち、パターンベクトルの第i1
分(i1=1,2,・・・,m1)について、標準パターン
ベクトルの成分値hi1と入力パターンベクトルの成分
値ni1との間の変化量の絶対値は|ni1−hi1|で
あるが、次の数71に示すように、ni1がhi1より大
きいとき基準パターン正ベクトルKj1 (+)の成分値kj
1 (+)0をこの変化量の絶対値|ni1−hi1|だけ増
加させ、ni1がhi1より小さいとき基準パターン負ベ
クトルKj1 (-)の成分値kj1 (-)0をこの変化量の絶
対値|ni1−hi1|だけ増加させる。
【0470】
【数71】
【0471】従って、数69により正規分布の分散の値
を算出し、数71により基準パターンベクトルの成分値
kj1 (+)0及びkj1 (-)0を増加させるようにすれ
ば、パターンベクトルの第j1成分と第i1成分のあらゆ
る組み合わせに対して、−1.4σj1≦u≦+1.4
σj1の範囲において正規分布の値が増加するようにで
きる。
【0472】また、正規分布の平均値を標準パターンベ
クトル形状の各成分位置に順次移動させる場合には、点
1(j1=1,2,・・・,m1)のそれぞれについて、周
波数正規化線分上のすべての点の中で点j1 から最も遠
い点を数67に適用して点j 1と各点との間の長さの最
大値を求め、数69により点j1ごとに異なる分散の値
をもつ正規分布を作成する。従って、正規分布の主要部
分が正規分布の平均値の位置にかかわらず常に上記線分
全体を覆うようにできる。これにともない、点j 1(j1
=1,2,・・・,m1)に対応する基準パターン正ベクト
ル形状及び基準パターン負ベクトル形状は、点j1毎に
異なるものになる。
【0473】以上のように、従来技術(特開平10−2
53444号公報(特願平9−61007号))につい
て、修正及び追加をしておいた上で、以下に、2つのパ
ターンベクトル間(或いはパターン原始ベクトル間)の
類似度検出値を用いた音声認識方法について述べる。
【0474】従来技術(特開平10−253444号公
報(特願平9−61007号))では、音声の周波数分
布の特徴を抽出するため、次の数72により、i1番目
の周波数帯域のパワースペクトルPi1(i1=1,2,
・・・,m1)を算出する方法を示している。ただし、数7
2において、PiをPi1と、xi(t)をxi1(t)と、iを
1と、mをm1とそれぞれ読み替えるものとする。
【数72】
【0475】そこで次に、標準音声のパワースペクトル
Pi1(i1=1,2,・・・,m1)を成分とする標準パタ
ーン原始ベクトルHoと、入力音声のパワースペクトル
Pi 1(i1=1,2,・・・,m1)を成分とする入力パタ
ーン原始ベクトルNoを作成する。この標準パターン原
始ベクトルHo及び入力パターン原始ベクトルNoを、
数1の代わりに、次の数73のように表現しておく。た
だし、数73は、標準音声及び入力音声のパワースペク
トルの形状を、パターン原始ベクトルのm1個の成分値
で表現したものである。
【0476】
【数73】
【0477】従来技術(特開平10−253444号公
報(特願平9−61007号))では、音声のパワース
ペクトルPi1(i1=1,2,・・・,m1)をパワースペ
クトルの全エネルギーで正規化する処理を行っている。
即ち、i1番目の周波数帯域の正規化パワースペクトル
pi1を、数2の代わりに、次の数74により算出して
いる。
【0478】
【数74】
【0479】また、音声のパワースペクトルPi1(i1
=1,2,・・・,m1)をパワースペクトルの最大値で正
規化しても良い。即ち、i1番目の周波数帯域の正規化
パワースペクトルpi1は、数3の代わりに、次の数7
5により算出できる。ただし、数75中の記号max
{Pj1}は音声のパワースペクトルPj1(j1=1,
2,・・・,m1)において、その中の最大値を意味する。
【0480】
【数75】
【0481】ここで、数74による正規化パワースペク
トルの形状と数75による正規化パワースペクトルの形
状とは相似形であるため、数74または数75のどちら
を用いた場合でも、同様に以下の議論が成り立つ。
【0482】次に、標準音声の正規化パワースペクトル
pi1(i1=1,2,・・・,m1)を成分とする標準パタ
ーンベクトルHと、入力音声の正規化パワースペクトル
pi 1(i1=1,2,・・・,m1)を成分とする入力パタ
ーンベクトルNを作成する。この標準パターンベクトル
H及び入力パターンベクトルNを、数4の代わりに、次
の数76のように表現しておく。ただし、数76は、標
準音声及び入力音声の正規化パワースペクトルの形状
を、パターンベクトルのm1個の成分値で表現したもの
である。
【0483】
【数76】
【0484】従来技術(特開平10−253444号公
報(特願平9−61007号))においては、図69
(a)に示すように、平均値μ=0、分散σj1 2の値を
もつ正規分布のグラフ(正規曲線)を作成し、また、図
69(b)、(c)に示すように、同正規分布の値を成
分とする基準パターン正ベクトルKj1 (+)及び基準パタ
ーン負ベクトルKj1 (-)を作成している。
【0485】次に、数71において、標準パターンベク
トルHと入力パターンベクトルNとの間の形状変化を、
基準パターン正ベクトルKj1 (+)及び基準パターン負ベ
クトルKj1 (-)の形状変化に置き換えている。即ち、パ
ターンベクトルの第i1成分(i1=1,2,・・・,m1
について、標準パターンベクトルHの成分値hi1と入
力パターンベクトルNの成分値ni1との間の変化量の
絶対値は|ni1−hi 1|であるが、数71に示すよう
に、ni1がhi1より大きいとき基準パターン正ベクト
ルKj1 (+)の成分値kj1 (+)0をこの変化量の絶対値
|ni1−hi1|だけ増加させ、ni1がhi1より小さ
いとき基準パターン負ベクトルKj1 (-)の成分値kj1
(-)0をこの変化量の絶対値|ni1−hi1|だけ増加
させるようにしている。
【0486】そして、従来技術(特開平10−2534
44号公報(特願平9−61007号))では、次の数
77により、数71で形状変化した一対の基準パターン
ベクトル(基準パターン正ベクトルKj1 (+)と基準パタ
ーン負ベクトルKj1 (-) )について、それぞれの形状
変化の大きさを、尖度の変化量として数値化している。
即ち、基準パターン正ベクトルKj1 (+)の尖度A
1 (+)、及び、基準パターン負ベクトルKj1 (-)の尖度
Aj1 (-)を、数77により算出している。ただし、数7
7において、A(+)をAj1 (+)と、mをm0と、i=1を
0=1と、 (+) iをkj 1 (+) i 0 と、LiをLj1i0と、A
(-)をAj1 (-)と、 (-) iをkj 1 (-) i 0 とそれぞれ読み替
え、j1=1,2,・・・,m1とする。
【0487】ここで、基準パターンベクトルの尖度の変
化率について説明する。図69(b)、(c)に示した
基準パターン正ベクトルKj1 (+)及び基準パターン負ベ
クトルKj1 (-)は、図4(b)、(c)に示した基準パ
ターン正ベクトルKj12 (+ )及び基準パターン負ベク
トルKj12 (-)と同じく、ベクトル(1次元)であ
り、かつ、正規分布の形状をベクトルのm0個の成分値
で表現したものである。従って、図5〜図7に係る基準
パターン正ベクトルKj12 (+)及び基準パターン負ベ
クトルKj12 (-)の尖度の変化率の説明は、基準パタ
ーン正ベクトルKj1 (+)及び基準パターン負ベクトルK
1 (-)についても成り立つ。
【0488】従って、予め基準パターン正ベクトルKj
1 (+)の各成分における尖度の変化率を算出しておき、標
準パターンベクトルに対して入力パターンベクトルの第
1成分だけが増加したことにより基準パターン正ベク
トルの第i0成分(i0=1,2,・・・,m0)が同じ値だ
け増加した場合には、基準パターン正ベクトルの第i 0
成分における尖度の変化率をgj10とし、標準パター
ンベクトルの成分値と入力パターンベクトルの成分値と
の間の変化量の絶対値を|ni1−hi1|として、数7
の上側の条件式の代わりに、次の数78の上側の条件式
により、gj10と|ni1−hi1|との積の値を求め
て尖度値Aj1 (+)を算出できる。
【0489】同様に、標準パターンベクトルに対して入
力パターンベクトルの第i1成分だけが減少したことに
より基準パターン負ベクトルの第i0成分(i0=1,
2,・・・,m0)が同じ値だけ増加した場合には、数7の
下側の条件式の代わりに、次の数78の下側の条件式に
より、gj10と|ni1−hi1|との積の値を求めて
尖度値Aj1 (-)を算出できる。なお、数78は、基準パ
ターン正ベクトルまたは基準パターン負ベクトルの1個
の成分だけが増加した場合に限って成り立つものであ
る。
【0490】
【数78】
【0491】数78において、符号を考慮しながら、|
ni1−hi1|を(ni1−hi1)に置き換えることに
より、数8の代わりに、次の数79を得る。
【0492】
【数79】
【0493】次に、基準パターンベクトルの尖度の変化
の性質について説明する。図69(b)、(c)に示し
た基準パターン正ベクトルKj1 (+)及び基準パターン負
ベクトルKj1 (-)は、図4(b)、(c)に示した基準
パターン正ベクトルKj12 (+)及び基準パターン負ベ
クトルKj12 (-)と同じく、ベクトル(1次元)であ
り、かつ、正規分布の形状をベクトルのm0個の成分値
で表現したものである。従って、図8〜図13に係る基
準パターン正ベクトルKj12 (+)及び基準パターン負
ベクトルKj12 (-)の尖度の変化の性質の説明は、基
準パターン正ベクトルKj1 (+)及び基準パターン負ベク
トルKj1 (-)についても成り立つ。
【0494】従って、基準パターン正ベクトルが増加し
た2個の成分について図5〜図7の各(b)と同じ方法
を用いてそれぞれの尖度の変化量を求め、上記尖度の各
変化量を加算した和の値を求めて尖度値Aj1 (+)を算出
できる。同様にして、尖度値Aj1 (-)を算出できる。
【0495】このことは、標準パターンベクトルに対し
て入力パターンベクトルの3個以上の成分が同時に増加
したことにより、基準パターン正ベクトルKj 1 (+) の3
個以上の成分が同時に増加した場合にも成り立つ。同様
に、このことは、標準パターンベクトルに対して入力パ
ターンベクトルの3個以上の成分が同時に減少したこと
により、基準パターン負ベクトルKj1 (-)の3個以上の
成分が同時に増加した場合にも成り立つ。
【0496】従って、標準パターンベクトルに対して入
力パターンベクトルの複数の成分が同時に増加したこと
により基準パターン正ベクトルの複数の成分が同時に増
加した場合には、数9の上側の条件式の代わりに、次の
数80の上側の条件式により、尖度値Aj1 (+)を算出で
きる。即ち、基準パターン正ベクトルの第i0成分にお
ける尖度の変化率をgj10とし、標準パターンベクト
ルの成分値と入力パターンベクトルの成分値との間の変
化量を(ni1−hi1)として、gj10と(ni1
hi1)との積の値を求め、上記積の値を標準パターン
ベクトルに対して入力パターンベクトルが増加した全て
の成分について加算した和の値を求めて尖度値Aj1 (+)
を算出する。
【0497】同様に、標準パターンベクトルに対して入
力パターンベクトルの複数の成分が同時に減少したこと
により基準パターン負ベクトルの複数の成分が同時に増
加した場合には、数9の下側の条件式の代わりに、次の
数80の下側の条件式により、gj10と(ni1−h
1)との積の値を求め、上記積の値を標準パターンベ
クトルに対して入力パターンベクトルが減少した全ての
成分について加算した和の値を求めて尖度値Aj1 (-)
算出する。
【0498】
【数80】
【0499】ところで、従来技術(特開平10−253
444号公報(特願平9−61007号))では、数7
7により算出した基準パターン正ベクトルKj1 (+)の尖
度Aj1 (+)、及び、基準パターン負ベクトルKj1 (-)
尖度Aj1 (-)を用いて、数10の代わりに、次の数81
より、形状変化量Dj1を算出している。即ち、正規分
布形状に初期設定された2つの基準パターンベクトルK
1 (+)及びKj1 (-)の尖度の値は、共に3に等しく、そ
のため、数71により形状変化した基準パターン正ベク
トル及び基準パターン負ベクトルの尖度の変化量は、そ
れぞれ{Aj1 ( +)−3}及び{Aj1 (-)−3}となり、
従って、正方向の変化量は{Aj1 (+)−3}、また負方
向の変化量は{Aj1 (-)−3}となり、全体の変化量は
この差の値になるとして形状変化量Dj1を算出してい
る。
【0500】
【数81】
【0501】従って、数80を数81に代入して、数1
1の代わりに、次の数82を得る。即ち、標準パターン
ベクトルに対して入力パターンベクトルの複数の成分が
同時に増加及び減少したことにより基準パターン正ベク
トル及び基準パターン負ベクトルの複数の成分が同時に
増加した場合には、数82により、形状変化量Dj1
算出できる。
【0502】
【数82】
【0503】数82より、形状変化量Dj1は、基準パ
ターンベクトルの尖度の変化率gj10と標準パターン
ベクトルの成分値hi1との積和演算、及び、同変化率
gj10と入力パターンベクトルの成分値ni1との積
和演算に分解できることが分かる。そこで、数12の代
わりに、次の数83に示すように、それぞれの積和値を
hgj1及びngj1とおいておく。
【0504】
【数83】
【0505】次に、数83中の尖度の変化率gj1
0(i0=1,2,・・・,m0)の算出方法、及び、成分番
号i0の算出方法について説明する。なお、基準パター
ン正ベクトルKj1 (+)及び基準パターン負ベクトルKj
1 (-)が相等なベクトルであることにより、基準パターン
正ベクトルKj1 (+)の尖度の変化率、及び、基準パター
ン負ベクトルKj1 (-)の尖度の変化率は等しく、また、
数83に示されるように、これらを区別する必要もな
い。従って、以下の説明では、基準パターン正ベクトル
及び基準パターン負ベクトルに代えて、単に基準パター
ンベクトルと表記し、また、記号(+)及び(-)を除いて表
記する。
【0506】図70(a)は模式図であって、基準パタ
ーンベクトルKj1の第i0成分だけが1.0増加した例
を示したものである。また、図70(b)は、同図
(a)のように形状変化した基準パターンベクトルの尖
度Aj1の変化量ΔAj1を、数77により直接的に求め
て図中のi0の位置にプロットし、次に、このi0を1か
らm0まで変化させたときに、尖度の変化量の算出値Δ
Aj1が変化する様子をグラフ(加重曲線)で示したも
のである。ここで、この加重曲線は、基準パターンベク
トルの第i0成分だけが1.0増加したときの尖度の変
化量をプロットしたものであるから、加重曲線の関数値
は、基準パターンベクトルの第i0成分(i0=1,2,
・・・,m0)における尖度の変化率gj10に等しくな
る。また、この図70(b)において加重曲線の関数値
に等しい高さの棒グラフも示しているが、この棒グラフ
の高さの値を成分とする加重ベクトルGj1を図70
(b)のように作成し、数13の代わりに、次の数84
のように表現しておく。数84は、基準パターンベクト
ルの尖度の変化率をベクトルのm0個の成分値で表現し
たものであり、数73及び数76は、m1個の成分値を
もつベクトル(1次元)であるのに対し、数84はm0
個の成分値をもつベクトル(1次元)である。
【0507】
【数84】
【0508】次に、正規曲線と加重曲線との関係を示
し、また、基準パターンベクトルKj 1と加重ベクトル
Gj1との関係を示す。図69(b)、(c)に示した
基準パターン正ベクトルKj1 (+)及び基準パターン負ベ
クトルKj1 (-)は、図4(b)、(c)に示した基準パ
ターン正ベクトルKj12 (+)及び基準パターン負ベク
トルKj12 (-)と同じく、ベクトル(1次元)であ
り、かつ、正規分布の形状をベクトルのm0個の成分値
で表現したものである。また、図70(b)に示した加
重ベクトルGj1は、図14(b)に示した加重ベクト
ルGj12と同じく、ベクトル(1次元)であり、か
つ、基準パターンベクトルの尖度の変化率をベクトルの
0個の成分値で表現したものである。従って、図70
に係る正規曲線と加重曲線との関係、及び、基準パター
ンベクトルKj1と加重ベクトルGj1との関係は、それ
ぞれ図15〜図19に係る正規曲線と加重曲線との関
係、及び、基準パターンベクトルKj12と加重ベクト
ルGj12との関係に等しい。
【0509】即ち、正規曲線と加重曲線が対応し、ま
た、基準パターンベクトルKj1と加重ベクトルGj1
対応し、基準パターンベクトルKj1の添数j1、i0
0と、加重ベクトルGj1の添数j1、i0、m0はそれ
ぞれ同じ値をもつ。
【0510】そして、正規曲線の中心の移動と加重曲線
の中心の移動が対応し、また、基準パターンベクトルの
中心から長さλi11だけ離れた位置に最も近い基準パ
ターンベクトルの成分番号i0を算出する方法と、加重
ベクトルの中心から長さλi11だけ離れた位置に最も
近い加重ベクトルの成分番号i0を算出する方法は同じ
である。従って、数83中のi0は、パターンベクトル
の第j1成分と第i1成 分が与えられたとき、周波数正
規化線分上のこれら2点間の長さに基づき算出される。
【0511】即ち、数83の左辺に示すhgj1は、標
準パターンベクトルの指定成分と各成分との間の長さを
求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置
に最も近い加重ベクトルの成分番号i0を算出し、加重
ベクトルの上記成分番号の成分値gj10と標準パター
ンベクトルの各成分の成分値hi1との積の値を求め、
上記積の値を標準パターンベクトルの各成分について加
算した積和値として算出できる。また、数83の左辺に
示すngj1は、入力パターンベクトルの指定成分と各
成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記
長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号
0を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値g
10と入力パターンベクトルの各成分の成分値ni1
との積の値を求め、上記積の値を入力パターンベクトル
の各成分について加算した積和値として算出できる。
【0512】次に、数83中のhgj1(j1=1,2,
・・・,m1)を成分とする標準パターン加重ベクトルHg
と、数83中のngj1(j1=1,2,・・・,m1)を成
分とする入力パターン加重ベクトルNgを作成する。こ
の標準パターン加重ベクトルHg及び入力パターン加重
ベクトルNgを、数14の代わりに、次の数85のよう
に表現しておく。
【0513】
【数85】
【0514】また、数83を数82に代入して、数15
の代わりに、次の数86を得る。数86より、形状変化
量Dj1は、入力パターン加重ベクトルNgの成分値n
gj1から標準パターン加重ベクトルHgの成分値hg
1を減算して得られることが分かる。
【0515】
【数86】
【0516】従来技術(特開平10−253444号公
報(特願平9−61007号))では、数86により算
出したm1個の形状変化量Dj1の2乗和の平方根を形状
距離値としている。従って、数16の代わりに、次の数
87より、形状距離値dEを算出できる。
【0517】
【数87】
【0518】また、従来技術(特開平10−25344
4号公報(特願平9−61007号))では、数86に
より算出したm1個の形状変化量Dj1の2乗和自身を形
状距離値としている。従って、数17の代わりに、次の
数88を、形状距離値dEとすることもできる。
【0519】
【数88】
【0520】一方、数83において、標準パターンベク
トルの成分値hi1及び入力パターンベクトルの成分値
ni1を、それぞれ標準パターン原始ベクトルの成分値
hoi1及び入力パターン原始ベクトルの成分値noi1
に置き換え、数18の代わりに、次の数89に示すよう
に、基準パターンベクトルの尖度の変化率gj10と標
準パターン原始ベクトルの成分値hoi1との積和値を
hogj1とおき、同変化率gj10と入力パターン原
始ベクトルの成分値noi1との積和値をnogj1とお
く。
【0521】
【数89】
【0522】次に、数89中のhogj1(j1=1,
2,・・・,m1)を成分とする標準パターン原始加重ベク
トルHogと、数89中のnogj1(j1=1,2,・・
・,m1)を成分とする入力パターン原始加重ベクトルN
ogを作成する。この標準パターン原始加重ベクトルH
og及び入力パターン原始加重ベクトルNogを、数1
9の代わりに、次の数90のように表現しておく。
【0523】
【数90】
【0524】ここで、数73に示す標準パターン原始ベ
クトルHo及び入力パターン原始ベクトルNoを、数7
4によりパワースペクトルの全エネルギーで正規化し
て、数76に示す標準パターンベクトルH及び入力パタ
ーンベクトルNを作成した場合には、数20の代わり
に、次の数91が成り立つ。
【0525】
【数91】
【0526】また、数73に示す標準パターン原始ベク
トルHo及び入力パターン原始ベクトルNoを、数75
によりパワースペクトルの最大値で正規化して、数76
に示す標準パターンベクトルH及び入力パターンベクト
ルNを作成した場合には、数21の代わりに、次の数9
2が成り立つ。
【0527】
【数92】
【0528】数91における右辺の分母の値は、それぞ
れ標準音声及び入力音声のパワースペクトルの全エネル
ギーであり、これらはそれぞれ定数である。また、数9
2における右辺の分母の値は、それぞれ標準音声及び入
力音声のパワースペクトルの最大値であり、これらもそ
れぞれ定数である。従って、Ch及びCnをそれぞれ定
数とし、数91及び数92をまとめて、数22の代わり
に、次の数93のように表記する。
【0529】
【数93】
【0530】数93を数83に代入し、次に、数89を
用いて、数23の代わりに、次の数94を得る。
【0531】
【数94】
【0532】数94より、(j1=1,2,・・・,m1
について、標準パターン加重ベクトルの成分値hgj1
は、標準パターン原始加重ベクトルの成分値hogj1
を定数Chで除算したものであり、また、入力パターン
加重ベクトルの成分値ngj1は、入力パターン原始加
重ベクトルの成分値nogj1を定数Cnで除算したも
のであることが分かる。
【0533】図20は、数94の関係を示した模式図で
あって、m1次元パターン空間において、原点Oから、
それぞれ標準パターン加重ベクトルHgの点、入力パタ
ーン加重ベクトルNgの点、標準パターン原始加重ベク
トルHogの点、入力パターン原始加重ベクトルNog
の点へ向かう矢印を示したものであると読み替える。数
94の関係より、図20では、原点O、標準パターン加
重ベクトルHgの点、標準パターン原始加重ベクトルH
ogの点は1つの直線上に並び、また、原点O、入力パ
ターン加重ベクトルNgの点、入力パターン原始加重ベ
クトルNogの点は別の直線上に並ぶ様子を示してい
る。
【0534】また、数87より、形状距離dEは、標準
パターン加重ベクトルの成分値hgj1、及び、入力パ
ターン加重ベクトルの成分値ngj1を用いて従来のユ
ークリッド距離の計算を行うことにより算出できること
が分かる。そこで、図20において、形状距離dEは、
標準パターン加重ベクトルHgの点と入力パターン加重
ベクトルNgの点との間のユークリッド距離になること
を示している。
【0535】一方、音声のパワースペクトルパターンを
パワースペクトルの最大値で正規化する方法、または、
パワースペクトルの全エネルギーで正規化する方法のど
ちらを用いて入力音声を処理するのか判断できない場合
には、数87に示す形状距離値dEを利用できない。
【0536】そこで、音声のパワースペクトルパターン
を正規化しないで作成した標準パターン原始加重ベクト
ル及び入力パターン原始加重ベクトルについて、これら
2つのパターン原始加重ベクトル間の角度、即ち、図2
0において、直線OHogと直線ONogとの間の角度
を類似性尺度として用いることができれば都合が良い。
従って、標準パターン原始加重ベクトルHogと入力パ
ターン原始加重ベクトルNogとの間の角度の余弦とし
て、数24の代わりに、次の数95により、形状距離値
Aを算出できる。数95において、形状距離値dAは、
−1≦dA≦+1の範囲の値になり、また、標準パター
ン原始ベクトルHoの形状と入力パターン原始ベクトル
Noの形状が似ているとき、従って、標準パターン原始
加重ベクトルHogの形状と入力パターン原始加重ベク
トルNogの形状が似ているとき、これら2つのパター
ン原始加重ベクトル間の角度の値は小さくなるため、形
状距離値dAは+1に近い値になる。
【0537】
【数95】
【0538】本発明の第1の課題について以上をまとめ
ると、数87及び図20に示すように、標準パターンベ
クトルHと入力パターンベクトルNとの間の形状距離d
Eは、標準パターン加重ベクトルHgと入力パターン加
重ベクトルNgとの間のユークリッド距離として算出で
き、一方、数95及び図20に示すように、標準パター
ン原始ベクトルHoと入力パターン原始ベクトルNoと
の間の形状距離dAは、標準パターン原始加重ベクトル
Hogと入力パターン原始加重ベクトルNogとの間の
角度の余弦として算出できる。なお、図20より分かる
ように、標準パターン原始加重ベクトルHogと入力パ
ターン原始加重ベクトルNogとの間の角度の値は、標
準パターン加重ベクトルHgと入力パターン加重ベクト
ルNgとの間の角度の値に等しいため、標準パターン加
重ベクトルHgと入力パターン加重ベクトルNgとの間
の角度の余弦として形状距離dAを算出しても良い。
【0539】以上で本発明の第1の課題について解決手
段を述べたが、次に、本発明の第2の課題について解決
手段を説明する。
【0540】音声認識においては、同じ音声であっても
発声ごとにパワースペクトルパターンが変動した音声が
出現するため、通常、多数の人間が同じ音声を繰り返し
発声して、各音声ごとに複数個の標準音声を登録する方
法が採られている。本実施例では、上記のように登録し
た同じ音声を同じカテゴリの標準音声とし、これらとは
異なる音声を異なるカテゴリの標準音声とする。
【0541】ここで、同じカテゴリの標準音声間の距離
が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標準音声間の距
離が遠くなるようにできれば、結果として、同じカテゴ
リの標準音声と異なるカテゴリの標準音声の分離が良く
なり、入力音声が与えられたときの認識性能が向上す
る。
【0542】ところが、数69では、パターンベクトル
の指定成分と各成分との間の長さの最大値λ1j1を、
定数1.4で除算した比の値の2乗を以て、正規分布の
分散の値としている。また、数71では、基準パターン
正ベクトル及び基準パターン負ベクトルのすべての成分
番号にそれぞれ定数1の重みをつけ、パターンベクトル
の第i1成分(i1=1,2,・・・,m1)について、標準
パターンベクトルの成分値hi1と入力パターンベクト
ルの成分値ni1との間の変化量の絶対値|ni 1−hi
1|を、基準パターンベクトルの成分番号にかかわら
ず、そのまま基準パターン正ベクトルまたは基準パター
ン負ベクトルの増加量に置き換えている。
【0543】即ち、関連技術の方法では、固定的な分散
の値をもつ正規分布を用いて基準パターンベクトルを作
成し、また、固定的な重みの値をもつ増加手段を用いて
基準パターンベクトルを増加させるため、同じカテゴリ
の標準音声と異なるカテゴリの標準音声の分離が固定化
され、入力音声が与えられたときの認識性能を向上する
ことができない。
【0544】この問題を解決するため本発明では、関連
技術の固定的な方法に代えて、可変的な分散の値をもつ
正規分布を用いて基準パターンベクトルを作成し、ま
た、可変的な重みの値をもつ増加手段を用いて基準パタ
ーンベクトルを増加させる。
【0545】その際、可変的な分散の値をもつ正規分布
を用いて基準パターンベクトルを作成し、同時に、可変
的な重みの値をもつ増加手段を用いて基準パターンベク
トルを増加させることは、正規曲線の尖度の変化率に基
づき作成した加重曲線をu軸に平行な方向に伸縮させ、
同時に、u軸に垂直な方向に変化させることと等価であ
り、このため、前者と後者は同じ効果が得られることに
なる。ここでは、前者に比べて計算処理が簡単である後
者を用いることにする。そして、後者は、同じカテゴリ
の標準音声と異なるカテゴリの標準音声の分離が最も良
くなる加重曲線、即ち、最適な加重曲線を見つける問題
に帰着する。
【0546】ここで、後者の場合について、周波数正規
化線分全体を覆う加重曲線の範囲を変化させるために加
重曲線をu軸に平行な方向に伸縮させること、及び、加
重曲線の中心が周波数正規化線分上を移動するにつれて
加重曲線をu軸に平行な方向に伸縮させることは、加重
曲線とu軸との相対的な伸縮の問題である。従って、実
際の計算では、u軸に対して加重曲線を伸縮させる代わ
りに、逆に、加重曲線に対してu軸を伸縮しても良く、
両者は等価である。
【0547】そこで次に、加重曲線に対してu軸を伸縮
する場合について、パターンベクトルの指定成分と各成
分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長
さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号i
0を算出する方法を説明する。
【0548】第1に、先に示した図52及び図53を、
1次元の周波数正規化線分に適用して考える。数69で
は、正規曲線の−1.4σj1≦u≦+1.4σj1の範
囲が周波数正規化線分全体を覆うようにしているが、こ
れに対してここでは、1.4σj1を変数Cgに置き換
え、加重曲線の−Cg≦u≦+Cgの範囲が周波数正規
化線分全体を覆うようにして、変数Cgの値が変化する
につれて、1つの加重曲線に対してu軸を伸縮する。
【0549】このとき、u軸の伸縮に関して、点j1
点i1との間の長さλi11は、点j 1と点1との間の長
さλ1j1と同じ割合で伸縮されるため、長さλi11
を長さλ1j1で除算した比の値は、u軸の伸縮にかか
わらず、常に一定の値になる。従って、点i1に対応す
るu軸上の位置をu0としたとき、数34の代わりに、
次の数96より、位置u0を算出できる。
【0550】
【数96】
【0551】第2に、先に示した図54及び図55を、
1次元の周波数正規化線分に適用して考える。ここで
は、加重曲線の中心が周波数正規化線分上を移動するに
つれて、1つの加重曲線に対してu軸を伸縮する。この
とき、変数Cg(或いは変数Cg*)の値は、加重曲線
の中心の移動にかかわらず、同じである。従って、数9
6より、位置u0を算出できる。
【0552】以上の説明より、1つの加重曲線に対して
u軸を伸縮する場合には、加重曲線の−Cg≦u≦+C
gの範囲が周波数正規化線分全体を覆うように変数Cg
の値を設定しておき、パターンベクトルの指定成分と各
成分との間の長さλi11、及び、指定成分と各成分と
の間の長さの最大値λ1j1を求め、これらの長さを数
96に代入して位置u0を求め、上記位置u0に最も近い
加重ベクトルの成分番号としてi0を算出できることが
分かる。また、このような処理方法により、第j1成分
(j1=1,2,・・・,m1)に対応するそれぞれの場合
について加重ベクトルをm1個作成しておかなくても、
1個の加重ベクトルを作成するだけで標準パターン加重
ベクトルのm1個の成分値hgj1、及び、入力パターン
加重ベクトルのm1個の成分値ngj1(或いは標準パタ
ーン原始加重ベクトルのm1個の成分値hogj1、及
び、入力パターン原始加重ベクトルのm1個の成分値n
ogj 1)を算出することができる。
【0553】ところで、最適な加重曲線は、登録したす
べての標準音声のパワースペクトル形状に関係するもの
であるため、登録した標準音声が異なる場合には最適な
加重曲線も異なることになる。従って、任意形状の加重
曲線の中から最適な加重曲線を見つける必要がある。
【0554】そこで次に、任意形状の加重曲線の中か
ら、最適な加重曲線、及び、最適な加重曲線に係る変数
Cgの最適値を求める方法を図56〜図59を参照して
説明する。ただし、図56及び図57において、標準画
像を標準音声に読み替え、また、図56中のステップS
c4において、数13を数84に読み替え、図57中の
ステップSc5−3において、数4、数34、数12、
数14、数16を、それぞれ数76、数96、数83、
数85、数87に読み替える。このとき、図56及び図
57は、各標準音声間の類似性尺度として形状距離dE
を用いる場合について、最適な加重曲線、及び、最適な
加重曲線に係る変数Cgの最適値を算出する処理手順を
示したフローチャートとなる。
【0555】即ち、図56及び図57に示すように、予
め、分散の値が1である正規曲線の尖度の変化率に基づ
いて加重曲線を作成し、また、上記加重曲線に正数の重
みの値を乗算して複数個の重み付き加重曲線を作成す
る。そして、これらのうちの1つの加重曲線の関数値を
成分とする加重ベクトルを作成し、変数Cgの値を変化
させながら、同じカテゴリの標準音声間の形状距離平均
値を、異なるカテゴリの標準音声間の形状距離平均値で
除算した平均値の比の値RE(Cg)を算出し、上記平
均値の比の値RE(Cg)の最小値を求める。これを上
記すべての加重曲線について繰り返して求め、これら平
均値の比の値RE(Cg)の最小値の中の最小値に対応
する加重曲線を最適なものとし、それに対応する変数C
gの値を、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適値とす
る。
【0556】また、上記で得られた最適な加重曲線の関
数値を加重係数とし、上記加重係数の値を成分とする加
重ベクトルを作成することにより、同じカテゴリの標準
音声間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標
準音声間の距離が遠くなるようにできる。その結果とし
て、同じカテゴリの標準音声と異なるカテゴリの標準音
声の分離が良くなり、入力音声が与えられたときの認識
性能が向上する。
【0557】一方、図58及び図59において、標準画
像を標準音声に読み替え、また、図58中のステップS
d4において、数13を数84に読み替え、図59中の
ステップSd5−3において、数1、数34、数18、
数19、数24を、それぞれ数73、数96、数89、
数90、数95に読み替える。このとき、図58及び図
59は、各標準音声間の類似性尺度として形状距離dA
を用いる場合について、最適な加重曲線、及び、最適な
加重曲線に係る変数Cgの最適値を算出する処理手順を
示したフローチャートとなる。
【0558】即ち、図58及び図59に示すように、予
め、分散の値が1である正規曲線の尖度の変化率に基づ
いて加重曲線を作成し、また、上記加重曲線に正数の重
みの値を乗算して複数個の重み付き加重曲線を作成す
る。そして、これらのうちの1つの加重曲線の関数値を
成分とする加重ベクトルを作成し、変数Cgの値を変化
させながら、同じカテゴリの標準音声間の形状距離平均
値から、異なるカテゴリの標準音声間の形状距離平均値
を減算した平均値の差の値RA(Cg)を算出し、上記
平均値の差の値RA(Cg)の最大値を求める。これを
上記すべての加重曲線について繰り返して求め、これら
平均値の差の値RA(Cg)の最大値の中の最大値に対
応する加重曲線を最適なものとし、それに対応する変数
Cgの値を、最適な加重曲線に係る変数Cgの最適値と
する。
【0559】また、上記で得られた最適な加重曲線の関
数値を加重係数とし、上記加重係数の値を成分とする加
重ベクトルを作成することにより、同じカテゴリの標準
音声間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標
準音声間の距離が遠くなるようにできる。その結果とし
て、同じカテゴリの標準音声と異なるカテゴリの標準音
声の分離が良くなり、入力音声が与えられたときの認識
性能が向上する。
【0560】以上に述べたことを一般化して表現すれ
ば、最適な加重曲線、及び、変数Cgの最適値を求める
問題は、平均値の比の値RE(Cg)、或いは、平均値
の差の値RA(Cg)を目的関数とし、加重ベクトルの
成分値gj10(i0=1,2,・・・,m0)、及び、変
数Cgの値を(m0+1)個の変数としたとき、目的関
数を最小、或いは、最大にする(m0+1)個の変数の
値を求める最適化問題を解くことに帰着する。最適化問
題については、数値計算法の分野において、最急降下法
やニュートン法などの数値解法が提案されている。これ
らの数値解法は、目的関数が急速に減少、或いは、増加
する方向に変数の値を変化させるものであり、少ない計
算回数で変数の最適値を算出しようとするものである。
本発明においても、これらの数値解法を用いることによ
り、最適な加重曲線、及び、変数Cgの最適値を能率良
く算出することが可能となる。そこで、図56中のステ
ップSc2または図58中のステップSd2において、
予め重み付き加重曲線を作成しておく代わりに、図56
中のステップSc4または図58中のステップSd4に
おいて、ループを回る毎に重み付き加重曲線を作成する
ように変更し、上記の数値解法を利用するようにしても
良い。即ち、平均値の比の値RE(Cg)、或いは、平
均値の差の値RA(Cg)が急速に減少、或いは、増加
する方向にcount番目の重み付き加重曲線、及び、
count番目の変数Cgの値を変化させて(coun
t+1)番目の重み付き加重曲線、及び、(count
+1)番目の変数Cgの値を求めるようにしても良い。
【0561】また、以上に述べたことを一般化して考え
るため、次に、従来のユークリッド距離と本発明による
形状距離dEとの関係について述べる。本実施例では、
加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させたとき、図46
(b)に示した曲線と同様に、変化した加重曲線のu=
0のときの関数値が正になり、変化した加重曲線がu軸
と2点で交差し、かつ、u=0に関して対称になる場合
に限って考えている。ここで、この制限を緩め、形状距
離dEにおいて加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させ
た結果、加重曲線が特に、Diracのデルタ関数にな
った場合を考える。即ち、加重ベクトルにおいて、i0
=(m0+1)/2のときgj10=1、かつ、i0
(m0+1)/2のときgj10=0である場合には、
数83は、hgj1=hj1、ngj1=nj1(j1
1,2,・・・,m1)となる。このとき、標準パターン加
重ベクトル及び入力パターン加重ベクトルは、それぞれ
標準パターンベクトル及び入力パターンベクトルに等し
くなる。従って、上記の特別な場合には、数87に示す
形状距離dEは、従来のユークリッド距離に等しくな
る。即ち、形状距離dEは、従来のユークリッド距離を
拡張し、一般化したものとして位置付けられる。
【0562】一方、従来の角度の余弦と本発明による形
状距離dAとの関係について述べる。本実施例では、加
重曲線をu軸に垂直な方向に変化させたとき、図46
(b)に示した曲線と同様に、変化した加重曲線のu=
0のときの関数値が正になり、変化した加重曲線がu軸
と2点で交差し、かつ、u=0に関して対称になる場合
に限って考えている。ここで、この制限を緩め、形状距
離dAにおいて加重曲線をu軸に垂直な方向に変化させ
た結果、加重曲線が特に、Diracのデルタ関数にな
った場合を考える。即ち、加重ベクトルにおいて、i0
=(m0+1)/2のときgj10=1、かつ、i0
(m0+1)/2のときgj10=0である場合には、
数89は、hogj1=hoj1、nogj1=noj
1(j1=1,2,・・・,m1)となる。このとき、標準パ
ターン原始加重ベクトル及び入力パターン原始加重ベク
トルは、それぞれ標準パターン原始ベクトル及び入力パ
ターン原始ベクトルに等しくなる。従って、上記の特別
な場合には、数95に示す形状距離dAは、従来の角度
の余弦に等しくなる。即ち、形状距離dAは、従来の角
度の余弦を拡張し、一般化したものとして位置付けられ
る。
【0563】また、以上に述べたことを従来技術と比較
して考えてみる。形状距離dEの計算処理においては、
加重ベクトルの成分値と標準パターンベクトルの成分値
との積和演算により標準パターン加重ベクトルを作成
し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パ
ターンベクトルの成分値との積和演算により入力パター
ン加重ベクトルを作成し、次に、これら標準パターン加
重ベクトル及び入力パターン加重ベクトルを用いて従来
のユークリッド距離の計算を行っている。ここで、この
計算処理について別の表現をするならば、標準パターン
ベクトルに対し加重ベクトルによるデジタルフィルタ処
理を行うことにより標準パターン加重ベクトルを作成
し、これと独立して、入力パターンベクトルに対し同加
重ベクトルによるデジタルフィルタ処理を行うことによ
り入力パターン加重ベクトルを作成し、次に、これら標
準パターン加重ベクトル及び入力パターン加重ベクトル
を用いて従来のユークリッド距離の計算を行っていると
も言える。従って、形状距離d Eの計算処理は、形式的
には、デジタルフィルタ処理とユークリッド距離の結合
であると表現できる。しかしながら、従来のデジタルフ
ィルタやユークリッド距離は、それぞれが単独で別々の
ものとして考えられているのに対し、形状距離d Eの計
算処理では、図56に示したように、平均値の比の値R
E(Cg)が最小になるように加重ベクトルを作成して
いる。即ち、形状距離dEの計算処理は、形式的には、
デジタルフィルタ処理とユークリッド距離の結合であっ
ても、実質的には、両者が密接に関連した従来技術とは
異なる処理方法であると言える。
【0564】一方、形状距離dAの計算処理において
は、加重ベクトルの成分値と標準パターン原始ベクトル
の成分値との積和演算により標準パターン原始加重ベク
トルを作成し、これと独立して、同加重ベクトルの成分
値と入力パターン原始ベクトルの成分値との積和演算に
より入力パターン原始加重ベクトルを作成し、次に、こ
れら標準パターン原始加重ベクトル及び入力パターン原
始加重ベクトルを用いて従来の角度の余弦の計算を行っ
ている。ここで、この計算処理について別の表現をする
ならば、標準パターン原始ベクトルに対し加重ベクトル
によるデジタルフィルタ処理を行うことにより標準パタ
ーン原始加重ベクトルを作成し、これと独立して、入力
パターン原始ベクトルに対し同加重ベクトルによるデジ
タルフィルタ処理を行うことにより入力パターン原始加
重ベクトルを作成し、次に、これら標準パターン原始加
重ベクトル及び入力パターン原始加重ベクトルを用いて
従来の角度の余弦の計算を行っているとも言える。従っ
て、形状距離dAの計算処理は、形式的には、デジタル
フィルタ処理と角度の余弦の結合であると表現できる。
しかしながら、従来のデジタルフィルタや角度の余弦
は、それぞれが単独で別々のものとして考えられている
のに対し、形状距離dAの計算処理では、図58に示し
たように、平均値の差の値RA(Cg)が最大になるよ
うに加重ベクトルを作成している。即ち、形状距離dA
の計算処理は、形式的には、デジタルフィルタ処理と角
度の余弦の結合であっても、実質的には、両者が密接に
関連した従来技術とは異なる処理方法であると言える。
【0565】本発明の第2の課題について以上をまとめ
ると、各標準音声間の類似性尺度として形状距離dE
用いる場合には、加重曲線をu軸に垂直な方向、及び、
u軸に平行な方向に変化させながら、同じカテゴリの標
準音声間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの標準音
声間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値を求
め、上記平均値の比の値を最小にする加重曲線を算出す
る。そして、上記加重曲線の関数値を加重係数とし、上
記加重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し形状
距離値を算出することにより、同じカテゴリの標準音声
間の距離が近くなり、同時に、異なるカテゴリの標準音
声間の距離が遠くなるようにできる。その結果として、
同じカテゴリの標準音声と異なるカテゴリの標準音声の
分離が良くなり、入力音声が与えられたときの認識性能
が向上する。
【0566】一方、各標準音声間の類似性尺度として形
状距離dAを用いる場合には、加重曲線をu軸に垂直な
方向、及び、u軸に平行な方向に変化させながら、同じ
カテゴリの標準音声間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準音声間の形状距離平均値を減算した平均値
の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重
曲線を算出する。そして、上記加重曲線の関数値を加重
係数とし、上記加重係数の値を成分とする加重ベクトル
を作成し形状距離値を算出することにより、同じカテゴ
リの標準音声間の距離が近くなり、同時に、異なるカテ
ゴリの標準音声間の距離が遠くなるようにできる。その
結果として、同じカテゴリの標準音声と異なるカテゴリ
の標準音声の分離が良くなり、入力音声が与えられたと
きの認識性能が向上する。
【0567】以上のようにして算出した標準パターンベ
クトルと入力パターンベクトルとの間の形状距離値
E、または、標準パターン原始ベクトルと入力パター
ン原始ベクトルとの間の形状距離値dAを用いて、音声
認識を行う。
【0568】具体的には、標準音声の特徴量を成分とす
る標準パターン原始ベクトルと入力音声の特徴量を成分
とする入力パターン原始ベクトルとを作成し、音声のパ
ワースペクトルパターンを正規化する方法が予め指示さ
れている場合には、音声のパワースペクトルパターンを
指示された方法で正規化して標準パターンベクトルと入
力パターンベクトルとを作成する。また、基準パターン
ベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトル
を作成する。そして、加重ベクトルの成分値と標準パタ
ーンベクトルの成分値との積和演算により標準パターン
加重ベクトルを作成し、これと独立して、同加重ベクト
ルの成分値と入力パターンベクトルの成分値との積和演
算により入力パターン加重ベクトルを作成する。次に、
これら標準パターン加重ベクトル及び入力パターン加重
ベクトルを用いて従来のユークリッド距離の計算を行う
ことにより、標準パターンベクトルと入力パターンベク
トルとの間の形状距離値を算出する。
【0569】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準音声間の形状距離平均値を、異なるカテゴ
リの標準音声間の形状距離平均値で除算した平均値の比
の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数
の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベク
トルを用いて標準パターンベクトルと入力パターンベク
トルとの間の形状距離値を算出することができる。
【0570】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
大きいとき入力音声は標準音声でないと判定し、形状距
離値が許容値以下のとき入力音声が標準音声であると判
定する。
【0571】一方、標準音声の特徴量を成分とする標準
パターン原始ベクトルと入力音声の特徴量を成分とする
入力パターン原始ベクトルとを作成し、音声のパワース
ペクトルパターンを正規化する方法が予め指示されてい
ない場合には、音声のパワースペクトルパターンを正規
化しないで標準パターン原始ベクトルと入力パターン原
始ベクトルとをそのまま用いる。また、基準パターンベ
クトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクトルを
作成する。そして、加重ベクトルの成分値と標準パター
ン原始ベクトルの成分値との積和演算により標準パター
ン原始加重ベクトルを作成し、これと独立して、同加重
ベクトルの成分値と入力パターン原始ベクトルの成分値
との積和演算により入力パターン原始加重ベクトルを作
成する。次に、これら標準パターン原始加重ベクトル及
び入力パターン原始加重ベクトルを用いて従来の角度の
余弦の計算を行うことにより、標準パターン原始ベクト
ルと入力パターン原始ベクトルとの間の形状距離値を算
出する。
【0572】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準音声間の形状距離平均値から、異なるカテ
ゴリの標準音声間の形状距離平均値を減算した平均値の
差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係
数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重ベ
クトルを用いて標準パターン原始ベクトルと入力パター
ン原始ベクトルとの間の形状距離値を算出することがで
きる。
【0573】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
小さいとき入力音声は標準音声でないと判定し、形状距
離値が許容値以上のとき入力音声が標準音声であると判
定する。
【0574】[実施例(VII):機械の異常判定方法
(1次元)]次に、2つのパターンベクトル間(或いは
パターン原始ベクトル間)の類似度検出値を用いた機械
の異常判定方法について述べる。本実施例では、機械の
異常判定を行うために、振動波のパワースペクトルパタ
ーンをパワースペクトルの全エネルギー、または、パワ
ースペクトルの最大値で正規化して標準パターンベクト
ルと入力パターンベクトルとを作成し、また、基準パタ
ーンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベク
トルを作成する。そして、加重ベクトルの成分値と標準
パターンベクトルの成分値との積和演算により標準パタ
ーン加重ベクトルを作成し、これと独立して、同加重ベ
クトルの成分値と入力パターンベクトルの成分値との積
和演算により入力パターン加重ベクトルを作成する。次
に、これら標準パターン加重ベクトル及び入力パターン
加重ベクトルを用いて従来のユークリッド距離の計算を
行うことにより振動波の類似度を検出する。
【0575】一方、振動波のパワースペクトルパターン
を正規化しないで標準パターン原始ベクトルと入力パタ
ーン原始ベクトルとを作成する。そして、上記加重ベク
トルの成分値と標準パターン原始ベクトルの成分値との
積和演算により標準パターン原始加重ベクトルを作成
し、これと独立して、同加重ベクトルの成分値と入力パ
ターン原始ベクトルの成分値との積和演算により入力パ
ターン原始加重ベクトルを作成する。次に、これら標準
パターン原始加重ベクトル及び入力パターン原始加重ベ
クトルを用いて従来の角度の余弦の計算を行うことによ
り振動波の類似度を検出する。
【0576】更に、同じカテゴリの標準パターンベクト
ル間(或いは標準パターン原始ベクトル間)の距離が近
くなり、同時に、異なるカテゴリの標準パターンベクト
ル間(或いは標準パターン原始ベクトル間)の距離が遠
くなるように上記加重ベクトルの成分値を調整し、調整
後の加重ベクトルを用いて振動波の類似度を検出し、そ
の検出値を用いて機械の異常判定を行うものとする。
【0577】従来技術(特開平10−253444号公
報(特願平9−61007号))では、振動波の周波数
分布の特徴を抽出するため、数72により、i1番目の
周波数帯域のパワースペクトルPi1(i1 =1,2,・
・・,m1)を算出する方法を示している。
【0578】そこで次に、標準振動波のパワースペクト
ルPi1(i1=1,2,・・・,m1)を成分とする標準パ
ターン原始ベクトルHoと、入力振動波のパワースペク
トルPi1(i1=1,2,・・・,m1)を成分とする入力
パターン原始ベクトルNoを作成する。この標準パター
ン原始ベクトルHo及び入力パターン原始ベクトルNo
を、数73のように表現しておく。ただし、数73は、
標準振動波及び入力振動波のパワースペクトルの形状
を、パターン原始ベクトルのm1個の成分値で表現した
ものであると読み替える。
【0579】ところで、機械の異常判定においては、同
じ機械であっても運転モードごとに異なる振動波が測定
され、また、同じ運転モードであっても測定ごとにパワ
ースペクトルパターンが変動した振動波が出現するた
め、通常、同じ運転モードの振動波を繰り返し測定し
て、各運転モードごとに複数個の標準振動波を登録する
方法が採られている。本実施例では、上記のように登録
した同じ運転モードの振動波を同じカテゴリの標準振動
波とし、これらとは異なる運転モードの振動波を異なる
カテゴリの標準振動波とする。
【0580】そして、以上で述べた音声の類似度検出手
順を、上記で作成した振動波の標準パターン原始ベクト
ルHo及び入力パターン原始ベクトルNoに適用し、機
械の異常判定を行う。
【0581】具体的には、標準振動波の特徴量を成分と
する標準パターン原始ベクトルと入力振動波の特徴量を
成分とする入力パターン原始ベクトルとを作成し、振動
波のパワースペクトルパターンを正規化する方法が予め
指示されている場合には、振動波のパワースペクトルパ
ターンを指示された方法で正規化して標準パターンベク
トルと入力パターンベクトルとを作成する。また、基準
パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重
ベクトルを作成する。そして、加重ベクトルの成分値と
標準パターンベクトルの成分値との積和演算により標準
パターン加重ベクトルを作成し、これと独立して、同加
重ベクトルの成分値と入力パターンベクトルの成分値と
の積和演算により入力パターン加重ベクトルを作成す
る。次に、これら標準パターン加重ベクトル及び入力パ
ターン加重ベクトルを用いて従来のユークリッド距離の
計算を行うことにより、標準パターンベクトルと入力パ
ターンベクトルとの間の形状距離値を算出する。
【0582】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を、異なるカテ
ゴリの標準振動波間の形状距離平均値で除算した平均値
の比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重
係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加重
ベクトルを用いて標準パターンベクトルと入力パターン
ベクトルとの間の形状距離値を算出することができる。
【0583】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
大きいとき機械は異常であると判定し、形状距離値が許
容値以下のとき正常であると判定する。
【0584】一方、標準振動波の特徴量を成分とする標
準パターン原始ベクトルと入力振動波の特徴量を成分と
する入力パターン原始ベクトルとを作成し、振動波のパ
ワースペクトルパターンを正規化する方法が予め指示さ
れていない場合には、振動波のパワースペクトルパター
ンを正規化しないで標準パターン原始ベクトルと入力パ
ターン原始ベクトルとをそのまま用いる。また、基準パ
ターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベ
クトルを作成する。そして、加重ベクトルの成分値と標
準パターン原始ベクトルの成分値との積和演算により標
準パターン原始加重ベクトルを作成し、これと独立し
て、同加重ベクトルの成分値と入力パターン原始ベクト
ルの成分値との積和演算により入力パターン原始加重ベ
クトルを作成する。次に、これら標準パターン原始加重
ベクトル及び入力パターン原始加重ベクトルを用いて従
来の角度の余弦の計算を行うことにより、標準パターン
原始ベクトルと入力パターン原始ベクトルとの間の形状
距離値を算出する。
【0585】更に、前記加重ベクトルに代えて、同じカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値から、異なるカ
テゴリの標準振動波間の形状距離平均値を減算した平均
値の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加
重係数の値を成分とする加重ベクトルを作成し、この加
重ベクトルを用いて標準パターン原始ベクトルと入力パ
ターン原始ベクトルとの間の形状距離値を算出すること
ができる。
【0586】このようにして得られた形状距離値と任意
に設定した許容値とを比較し、形状距離値が許容値より
小さいとき機械は異常であると判定し、形状距離値が許
容値以上のとき正常であると判定する。
【0587】以上で、2つのパターン行列間(或いはパ
ターン原始行列間)の類似度検出値を用いた画像認識方
法、音声認識方法、機械の異常判定方法、また、2つの
パターン行列層間(或いはパターン原始行列層間)の類
似度検出値を用いた動画像認識方法、立体認識方法、ま
た、2つのパターンベクトル間(或いはパターン原始ベ
クトル間)の類似度検出値を用いた音声認識方法、機械
の異常判定方法のそれぞれについての説明を終わる。
【0588】なお、以上の各実施例は、基準形状として
正規分布を用いて基準パターンベクトルを作成し、基準
パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重
ベクトルを作成したものであったが、基準形状として矩
形など任意の形状を用いて基準パターンベクトルを作成
し、基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分と
する加重ベクトルを作成しても良い。
【0589】このことは、次の理由により理解できる。
即ち、図5〜図7の各(b)において、記号(i)〜
(iii)の各グラフは、近似的に直線に等しく、また、
図11〜図13の各(b)において、記号(vii)、(v
iii)、(ix)のグラフの傾きは、近似的にそれぞれ記
号(i)、(ii)、(iii)のグラフの傾きに等しいこ
とにより、各グラフの傾きに基づき算出される基準パタ
ーンベクトルの尖度の変化率gj120(或いはgj1
230、或いはgj10)は、基準パターンベクト
ルの初期形状に影響されないことが分かる。
【0590】また、以上の各実施例は、標準パターン原
始行列及び入力パターン原始行列(或いは標準パターン
原始行列層及び入力パターン原始行列層、或いは標準パ
ターン原始ベクトル及び入力パターン原始ベクトル)の
成分として、測定値そのままの特徴量を用いて形状距離
値を算出したものであったが、標準パターン原始行列及
び入力パターン原始行列(或いは標準パターン原始行列
層及び入力パターン原始行列層、或いは標準パターン原
始ベクトル及び入力パターン原始ベクトル)の成分とし
て、測定値に各種の前処理を行い生成した特徴量を用い
て形状距離値を算出しても良い。
【0591】この場合、前処理として、必要に応じて、
測定値の雑音除去、拡大、縮小、回転、平行移動などを
行っても良く、また、各測定値から全測定値の平均値を
減算した特徴量を生成することにより、標準パターン原
始行列(或いは標準パターン原始行列層、或いは標準パ
ターン原始ベクトル)の平均値、及び、入力パターン原
始行列(或いは入力パターン原始行列層、或いは入力パ
ターン原始ベクトル)の平均値を0に等しくしておいて
も良い。
【0592】また、以上の各実施例は、画像、音声、振
動波、動画像、立体について、標準パターン行列と入力
パターン行列(或いは標準パターン行列層と入力パター
ン行列層、或いは標準パターンベクトルと入力パターン
ベクトル)との間の形状距離値を算出し、一方、標準パ
ターン原始行列と入力パターン原始行列(或いは標準パ
ターン原始行列層と入力パターン原始行列層、或いは標
準パターン原始ベクトルと入力パターン原始ベクトル)
との間の形状距離値を算出したものであったが、一般に
は、平面、空間、線分を問わず任意の図形や模様につい
て、標準パターン行列と入力パターン行列(或いは標準
パターン行列層と入力パターン行列層、或いは標準パタ
ーンベクトルと入力パターンベクトル)との間の形状距
離値を算出し、一方、標準パターン原始行列と入力パタ
ーン原始行列(或いは標準パターン原始行列層と入力パ
ターン原始行列層、或いは標準パターン原始ベクトルと
入力パターン原始ベクトル)との間の形状距離値を算出
し、得られた形状距離値を以て図形や模様の類似度検出
を行うことができる。また、この類似度検出値に基づい
て図形や模様に関する解析等、各種処理を行うことがで
きる。
【0593】
【発明の効果】以上のように、この発明の画像の類似度
検出方法では、標準パターン行列と入力パターン行列と
の間の形状変化を、標準パターン加重行列と入力パター
ン加重行列との間のユークリッド距離として数値化し形
状距離値として算出する、一方、標準パターン原始行列
と入力パターン原始行列との間の形状変化を、標準パタ
ーン原始加重行列と入力パターン原始加重行列との間の
角度の余弦として数値化し形状距離値として算出するの
で、画像の濃度パターンを正規化する場合でも、正規化
しない場合でも、パターン行列、或いは、パターン原始
行列の形状差から形状距離値を算出することができ、正
確な画像の類似度検出値を得ることができる。更に、最
適な加重ベクトルを作成し形状距離値を算出するので、
同じカテゴリの標準画像と異なるカテゴリの標準画像の
分離が良くなり、正確な画像の類似度検出値を得ること
ができる。
【0594】また、本発明の画像認識方法では、正確な
画像の類似度検出値に基づいて画像認識を行うので、判
定の基準が信頼性の高いものとなり、画像認識の精度を
著しく向上できる利点がある。
【0595】次に、本発明の音声の類似度検出方法で
は、標準パターン行列と入力パターン行列との間の形状
変化を、標準パターン加重行列と入力パターン加重行列
との間のユークリッド距離として数値化し形状距離値と
して算出する、一方、標準パターン原始行列と入力パタ
ーン原始行列との間の形状変化を、標準パターン原始加
重行列と入力パターン原始加重行列との間の角度の余弦
として数値化し形状距離値として算出するので、音声の
パワースペクトルパターンを正規化する場合でも、正規
化しない場合でも、パターン行列、或いは、パターン原
始行列の形状差から形状距離値を算出することができ、
正確な音声の類似度検出値を得ることができる。更に、
最適な加重ベクトルを作成し形状距離値を算出するの
で、同じカテゴリの標準音声と異なるカテゴリの標準音
声の分離が良くなり、正確な音声の類似度検出値を得る
ことができる。
【0596】また、本発明の音声認識方法では、正確な
音声の類似度検出値に基づいて音声認識を行うので、判
定の基準が信頼性の高いものとなり、音声認識の精度を
著しく向上できる利点がある。
【0597】次に、本発明の振動波の類似度検出方法で
は、標準パターン行列と入力パターン行列との間の形状
変化を、標準パターン加重行列と入力パターン加重行列
との間のユークリッド距離として数値化し形状距離値と
して算出する、一方、標準パターン原始行列と入力パタ
ーン原始行列との間の形状変化を、標準パターン原始加
重行列と入力パターン原始加重行列との間の角度の余弦
として数値化し形状距離値として算出するので、振動波
のパワースペクトルパターンを正規化する場合でも、正
規化しない場合でも、パターン行列、或いは、パターン
原始行列の形状差から形状距離値を算出することがで
き、正確な振動波の類似度検出値を得ることができる。
更に、最適な加重ベクトルを作成し形状距離値を算出す
るので、同じカテゴリの標準振動波と異なるカテゴリの
標準振動波の分離が良くなり、正確な振動波の類似度検
出値を得ることができる。
【0598】また、本発明の機械の異常判定方法では、
正確な振動波の類似度検出値に基づいて異常の判定を行
うので、判定の基準が信頼性の高いものとなり、機械の
異常検知の精度を著しく向上できる利点がある。
【0599】次に、本発明の動画像の類似度検出方法で
は、標準パターン行列層と入力パターン行列層との間の
形状変化を、標準パターン加重行列層と入力パターン加
重行列層との間のユークリッド距離として数値化し形状
距離値として算出する、一方、標準パターン原始行列層
と入力パターン原始行列層との間の形状変化を、標準パ
ターン原始加重行列層と入力パターン原始加重行列層と
の間の角度の余弦として数値化し形状距離値として算出
するので、動画像の濃度パターンを正規化する場合で
も、正規化しない場合でも、パターン行列層、或いは、
パターン原始行列層の形状差から形状距離値を算出する
ことができ、正確な動画像の類似度検出値を得ることが
できる。更に、最適な加重ベクトルを作成し形状距離値
を算出するので、同じカテゴリの標準動画像と異なるカ
テゴリの標準動画像の分離が良くなり、正確な動画像の
類似度検出値を得ることができる。
【0600】また、本発明の動画像認識方法では、正確
な動画像の類似度検出値に基づいて動画像認識を行うの
で、判定の基準が信頼性の高いものとなり、動画像認識
の精度を著しく向上できる利点がある。
【0601】次に、本発明の立体の類似度検出方法で
は、標準パターン行列層と入力パターン行列層との間の
形状変化を、標準パターン加重行列層と入力パターン加
重行列層との間のユークリッド距離として数値化し形状
距離値として算出する、一方、標準パターン原始行列層
と入力パターン原始行列層との間の形状変化を、標準パ
ターン原始加重行列層と入力パターン原始加重行列層と
の間の角度の余弦として数値化し形状距離値として算出
するので、立体の密度パターンを正規化する場合でも、
正規化しない場合でも、パターン行列層、或いは、パタ
ーン原始行列層の形状差から形状距離値を算出すること
ができ、正確な立体の類似度検出値を得ることができ
る。更に、最適な加重ベクトルを作成し形状距離値を算
出するので、同じカテゴリの標準立体と異なるカテゴリ
の標準立体の分離が良くなり、正確な立体の類似度検出
値を得ることができる。
【0602】また、本発明の立体認識方法では、正確な
立体の類似度検出値に基づいて立体認識を行うので、判
定の基準が信頼性の高いものとなり、立体認識の精度を
著しく向上できる利点がある。
【0603】次に、本発明の音声の類似度検出方法で
は、標準パターンベクトルと入力パターンベクトルとの
間の形状変化を、標準パターン加重ベクトルと入力パタ
ーン加重ベクトルとの間のユークリッド距離として数値
化し形状距離値として算出する、一方、標準パターン原
始ベクトルと入力パターン原始ベクトルとの間の形状変
化を、標準パターン原始加重ベクトルと入力パターン原
始加重ベクトルとの間の角度の余弦として数値化し形状
距離値として算出するので、音声のパワースペクトルパ
ターンを正規化する場合でも、正規化しない場合でも、
パターンベクトル、或いは、パターン原始ベクトルの形
状差から形状距離値を算出することができ、正確な音声
の類似度検出値を得ることができる。更に、最適な加重
ベクトルを作成し形状距離値を算出するので、同じカテ
ゴリの標準音声と異なるカテゴリの標準音声の分離が良
くなり、正確な音声の類似度検出値を得ることができ
る。
【0604】また、本発明の音声認識方法では、正確な
音声の類似度検出値に基づいて音声認識を行うので、判
定の基準が信頼性の高いものとなり、音声認識の精度を
著しく向上できる利点がある。
【0605】次に、本発明の振動波の類似度検出方法で
は、標準パターンベクトルと入力パターンベクトルとの
間の形状変化を、標準パターン加重ベクトルと入力パタ
ーン加重ベクトルとの間のユークリッド距離として数値
化し形状距離値として算出する、一方、標準パターン原
始ベクトルと入力パターン原始ベクトルとの間の形状変
化を、標準パターン原始加重ベクトルと入力パターン原
始加重ベクトルとの間の角度の余弦として数値化し形状
距離値として算出するので、振動波のパワースペクトル
パターンを正規化する場合でも、正規化しない場合で
も、パターンベクトル、或いは、パターン原始ベクトル
の形状差から形状距離値を算出することができ、正確な
振動波の類似度検出値を得ることができる。更に、最適
な加重ベクトルを作成し形状距離値を算出するので、同
じカテゴリの標準振動波と異なるカテゴリの標準振動波
の分離が良くなり、正確な振動波の類似度検出値を得る
ことができる。
【0606】また、本発明の機械の異常判定方法では、
正確な振動波の類似度検出値に基づいて異常の判定を行
うので、判定の基準が信頼性の高いものとなり、機械の
異常検知の精度を著しく向上できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において、アルファベット
“E”の画像の一例を示す図。
【図2】標準パターン原始行列と入力パターン原始行列
を(x−y)平面で表現する方法を示す図。
【図3】標準パターン行列と入力パターン行列を(x−
y)平面で表現する方法を示す図。
【図4】正規曲線と、その値を成分とする基準パターン
正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの一例を示す
図。
【図5】基準パターン正ベクトルの中央部分だけが増加
した場合について、その増加量に対する基準パターン正
ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図6】基準パターン正ベクトルの中間部分だけが増加
した場合について、その増加量に対する基準パターン正
ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図7】基準パターン正ベクトルの端の部分だけが増加
した場合について、その増加量に対する基準パターン正
ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図8】基準パターン正ベクトルの中央部分と中間部分
が同時に増加した場合について、その増加量に対する基
準パターン正ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図9】基準パターン正ベクトルの中間部分と端の部分
が同時に増加した場合について、その増加量に対する基
準パターン正ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図10】基準パターン正ベクトルの中央部分と端の部
分が同時に増加した場合について、その増加量に対する
基準パターン正ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図11】基準パターン正ベクトルの中央部分と中間部
分が同時に増加した場合について、その増加量に対する
基準パターン正ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図12】基準パターン正ベクトルの中間部分と端の部
分が同時に増加した場合について、その増加量に対する
基準パターン正ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図13】基準パターン正ベクトルの中央部分と端の部
分が同時に増加した場合について、その増加量に対する
基準パターン正ベクトルの尖度の変化を示す図。
【図14】基準パターンベクトルの尖度の変化率に基づ
いて加重ベクトルを作成する例を示す図。
【図15】正規曲線と加重曲線との関係、及び、基準パ
ターンベクトルと加重ベクトルとの関係を示す図。
【図16】(x−y)正規化平面上の正規曲線を3次元
で示す図。
【図17】(x−y)正規化平面上の加重曲線を3次元
で示す図。
【図18】正規曲線の中心が移動したときの正規曲線の
分散の値の変化例、及び、正規曲線の中心と点(i1
2)との間の長さの変化例を示す図。
【図19】加重曲線の中心が移動したときの加重曲線の
変化例、及び、加重曲線の中心と点(i1,i2)との間
の長さの変化例を示す図。
【図20】標準パターン加重行列の点、入力パターン加
重行列の点、標準パターン原始加重行列の点、入力パタ
ーン原始加重行列の点の関係を示す図。
【図21】標準画像と入力画像の濃度の例を示す図。
【図22】図21に対応した標準画像と入力画像のパタ
ーン原始行列の例を示す図。
【図23】標準画像と入力画像の濃度の他の例を示す
図。
【図24】図23に対応した標準画像と入力画像のパタ
ーン原始行列の例を示す図。
【図25】図22中のαに対し、標準パターン行列と入
力パターン行列との間の形状距離値が変化する様子を示
す図。
【図26】図22中のαに対し、標準パターン原始行列
と入力パターン原始行列との間の形状距離値が変化する
様子を示す図。
【図27】図24中のβに対し、標準パターン行列と入
力パターン行列との間の形状距離値が変化する様子を示
す図。
【図28】図24中のβに対し、標準パターン原始行列
と入力パターン原始行列との間の形状距離値が変化する
様子を示す図。
【図29】標準画像と入力画像の濃度の他の例を示す
図。
【図30】図29に対応した標準画像と入力画像のパタ
ーン原始行列及びパターン行列の例を示す図。
【図31】実験結果として、上段に、標準画像と、標準
画像と同じ入力画像及び標準画像とは異なる入力画像と
の間のユークリッド距離値の棒グラフを、下段に、標準
画像と、標準画像と同じ入力画像及び標準画像とは異な
る入力画像との間の形状距離値の棒グラフを示す図。
【図32】実験結果として、上段に、標準画像と、標準
画像と同じ入力画像及び標準画像とは異なる入力画像と
の間の角度の余弦値の棒グラフを、下段に、標準画像
と、標準画像と同じ入力画像及び標準画像とは異なる入
力画像との間の形状距離値の棒グラフを示す図。
【図33】画像を認識するためのフローチャートを示す
ブロック図。
【図34】標準パターン加重行列の成分値を算出するた
めのフローチャートを示すブロック図。
【図35】入力パターン加重行列の成分値を算出するた
めのフローチャートを示すブロック図。
【図36】標準パターン加重行列の成分値を算出するた
めの処理手順を示す模式図。
【図37】入力パターン加重行列の成分値を算出するた
めの処理手順を示す模式図。
【図38】画像を認識するための他のフローチャートを
示すブロック図。
【図39】標準パターン原始加重行列の成分値を算出す
るためのフローチャートを示すブロック図。
【図40】入力パターン原始加重行列の成分値を算出す
るためのフローチャートを示すブロック図。
【図41】標準パターン原始加重行列の成分値を算出す
るための処理手順を示す模式図。
【図42】入力パターン原始加重行列の成分値を算出す
るための処理手順を示す模式図。
【図43】画像の類似度検出装置の構造を示すブロック
図。
【図44】画像の類似度検出装置の他の構造を示すブロ
ック図。
【図45】アルファベット“E”の2値画像の2つの
例、及び、アルファベット“F”の2値画像の2つの例
を示す図。
【図46】分散の値が変化したときの正規曲線の変化
例、及び、正規曲線の尖度の変化率に基づき作成した加
重曲線の変化例を示す図。
【図47】正規曲線の尖度の変化率に基づき作成した加
重曲線を用いて形状距離を算出したとき、平均値の比の
値の変化を示す図。
【図48】正規曲線の尖度の変化率に基づき作成した加
重曲線を用いて形状距離を算出したとき、平均値の差の
値の変化を示す図。
【図49】余弦関数に基づき作成した加重曲線の変化例
を示す図。
【図50】余弦関数に基づき作成した加重曲線を用いて
形状距離を算出したとき、平均値の比の値の変化を示す
図。
【図51】余弦関数に基づき作成した加重曲線を用いて
形状距離を算出したとき、平均値の差の値の変化を示す
図。
【図52】正規曲線の尖度の変化率に基づき作成した加
重曲線に対してu軸を伸縮する例を示す図。
【図53】余弦関数に基づき作成した加重曲線に対して
u軸を伸縮する例を示す図。
【図54】加重曲線の中心が(x−y)正規化平面上を
移動するにつれて、1つの加重曲線に対してu軸を伸縮
する例を示す図。
【図55】加重曲線の中心が(x−y)正規化平面上を
移動するにつれて、1つの加重曲線に対してu軸を伸縮
する他の例を示す図。
【図56】最適な加重曲線を算出するためのフローチャ
ートを示すブロック図。
【図57】平均値の比の値を算出するためのフローチャ
ートを示すブロック図。
【図58】最適な加重曲線を算出するための他のフロー
チャートを示すブロック図。
【図59】平均値の差の値を算出するためのフローチャ
ートを示すブロック図。
【図60】アルファベット“E”を筆記するペンの動き
を時間を追って撮影した動画像の一例を示す図。
【図61】標準パターン原始行列層を(x−y−時間)
空間で表現する方法を示す図。
【図62】入力パターン原始行列層を(x−y−時間)
空間で表現する方法を示す図。
【図63】標準パターン行列層を(x−y−時間)空間
で表現する方法を示す図。
【図64】入力パターン行列層を(x−y−時間)空間
で表現する方法を示す図。
【図65】正規曲線と、その値を成分とする基準パター
ン正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの他の例を示
す図。
【図66】基準パターンベクトルの尖度の変化率に基づ
いて加重ベクトルを作成する他の例を示す図。
【図67】立体の密度分布を示す図。
【図68】周波数正規化線分を示す図。
【図69】正規曲線と、その値を成分とする基準パター
ン正ベクトル及び基準パターン負ベクトルの他の例を示
す図。
【図70】基準パターンベクトルの尖度の変化率に基づ
いて加重ベクトルを作成する他の例を示す図。
【図71】従来技術に関して、標準画像と入力画像の濃
度、パターン原始行列、パターン行列の例を示す図。
【図72】従来技術に関して、アルファベット“E”の
2値画像の2つの例、及び、アルファベット“F”の2
値画像の2つの例を示す図。
【符号の説明】
1 標準画像 2 標準画像と同じ入力画像 3 標準画像と同じ入力画像 4 標準画像とは異なる入力画像 5 標準画像 6 標準画像と同じ入力画像 7 標準画像とは異なる入力画像 8 標準画像とは異なる入力画像 9 標準画像 10 標準画像と同じ入力画像 11 標準画像とは異なる入力画像 12 標準画像とは異なる入力画像 13 パターンベクトル生成器 14 加重ベクトル生成器 15 パターン行列生成器 16 パターン行列生成器 17 積和値の計算器 18 積和値の計算器 19 ユークリッド距離の計算器 20 パターンベクトル生成器 21 加重ベクトル生成器 22 パターン行列生成器 23 パターン行列生成器 24 積和値の計算器 25 積和値の計算器 26 角度の余弦の計算器 27 標準画像 28 標準画像 29 標準画像 30 標準画像 31 標準画像 32 入力画像 33 標準画像 34 標準画像 35 標準画像 36 標準画像 dE2、dA2、dE3、dA3 標準画像と、この標準画
像と同じ入力画像との間の形状距離値 dE4、dA4 標準画像と、この標準画像とは異なる入
力画像との間の形状距離値 dE6、dA6 標準画像と、この標準画像と同じ入力画
像との間の形状距離値 dE7、dA7、dE8、dA8 標準画像と、この標準画
像とは異なる入力画像との間の形状距離値 dE10、dA10 標準画像と、この標準画像と同じ入
力画像との間の形状距離値 dE11、dA11、dE12、dA12 標準画像と、こ
の標準画像とは異なる入力画像との間の形状距離値 dE27−28、dA27−28、dE29−30、dA
9−30 同じカテゴリの標準画像間の形状距離値 dE27−29、dA27−29、dE27−30、dA
7−30、dE28−29、dA28−29、dE28−
30、dA28−30 異なるカテゴリの標準画像間の
形状距離値 d33−34、d35−36 同じカテゴリの標準画像
間の形状距離値 d33−35、d33−36、d34−35、d34−
36 異なるカテゴリの標準画像間の形状距離値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G10L 3/00 531F 531G 531N (56)参考文献 特開 平10−253444(JP,A) 特開2002−91481(JP,A) 特公 平4−59638(JP,B2) 草薙,平田,神内,山口,濱田,榊 原,形状距離パターンマッチング法を用 いた異常音検出,日本音響学会2000年春 季研究発表会講演論文集,日本,社団法 人日本音響学会,2000年 3月15日, I,3−6−4,Pages 509−510 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 15/10 G01H 17/00 G06K 9/62 640 G06T 7/00 300 G06T 7/20 (54)【発明の名称】 画像の類似度検出方法及びその検出値を用いた画像認識方法、並びに、音声の類似度検出方法及 びその検出値を用いた音声認識方法、並びに、振動波の類似度検出方法及びその検出値を用いた 機械の異常判定方法、並びに、動画像の類似度検出方法及びその検出値を用いた動画像認識方 法、並びに、立体の類似度検出方法及びその検出値を用いた立体認識方法

Claims (42)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)標準画像の特徴量を成分とする標
    準パターン行列と、入力画像の特徴量を成分とする入力
    パターン行列とを作成すること、(b)パターン行列の
    指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分布や矩形
    など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の値を成分
    とする基準パターンベクトルを作成し、上記基準パター
    ンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクト
    ルを作成すること、(c)標準パターン行列の指定成分
    と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から
    上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分
    番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と
    標準パターン行列の各成分の成分値との積の値を求め、
    上記積の値を標準パターン行列の各成分について加算し
    た積和値を算出すること、(d)上記積和値を算出する
    に際し、標準パターン行列の指定成分を各成分の位置に
    移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成
    分値とする標準パターン加重行列を作成すること、
    (e)入力パターン行列の指定成分と各成分との間の長
    さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた
    位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重
    ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パターン行列の
    各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パ
    ターン行列の各成分について加算した積和値を算出する
    こと、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パター
    ン行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値
    を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パタ
    ーン加重行列を作成すること、(g)標準パターン加重
    行列と入力パターン加重行列の各成分ごとの差の値の2
    乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標準パターン行列
    と入力パターン行列との間の形状距離値とすることを特
    徴とする画像の類似度検出方法。
  2. 【請求項2】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテゴ
    リの標準画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの
    標準画像間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値
    を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の値
    を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とする
    請求項1に記載の画像の類似度検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の画像の類似度
    検出方法で標準画像の特徴量を成分とする標準パターン
    行列と入力画像の特徴量を成分とする入力パターン行列
    との間の形状距離を求め、求めた形状距離値と任意に設
    定した許容値を比較し、形状距離値が許容値より大きい
    とき入力画像は標準画像でないと判定し、形状距離値が
    許容値以下のとき入力画像が標準画像であると判定する
    ことを特徴とする画像認識方法。
  4. 【請求項4】 (a)標準画像の特徴量を成分とする標
    準パターン原始行列と、入力画像の特徴量を成分とする
    入力パターン原始行列とを作成すること、(b)パター
    ン原始行列の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正
    規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形
    状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上
    記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とす
    る加重ベクトルを作成すること、(c)標準パターン原
    始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベ
    クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
    重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成
    分番号の成分値と標準パターン原始行列の各成分の成分
    値との積の値を求め、上記積の値を標準パターン原始行
    列の各成分について加算した積和値を算出すること、
    (d)上記積和値を算出するに際し、標準パターン原始
    行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
    求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パター
    ン原始加重行列を作成すること、(e)入力パターン原
    始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベ
    クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
    重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成
    分番号の成分値と入力パターン原始行列の各成分の成分
    値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始行
    列の各成分について加算した積和値を算出すること、
    (f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン原始
    行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
    求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パター
    ン原始加重行列を作成すること、(g)標準パターン原
    始加重行列と入力パターン原始加重行列の各成分ごとの
    積の和の値を、標準パターン原始加重行列の各成分の2
    乗和の平方根と入力パターン原始加重行列の各成分の2
    乗和の平方根で除算した比の値を以て、標準パターン原
    始行列と入力パターン原始行列との間の形状距離値とす
    ることを特徴とする画像の類似度検出方法。
  5. 【請求項5】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテゴ
    リの標準画像間の形状距離平均値から、異なるカテゴリ
    の標準画像間の形状距離平均値を減算した平均値の差の
    値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数の
    値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とす
    る請求項4に記載の画像の類似度検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の画像の類似度
    検出方法で標準画像の特徴量を成分とする標準パターン
    原始行列と入力画像の特徴量を成分とする入力パターン
    原始行列との間の形状距離を求め、求めた形状距離値と
    任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容値よ
    り小さいとき入力画像は標準画像でないと判定し、形状
    距離値が許容値以上のとき入力画像が標準画像であると
    判定することを特徴とする画像認識方法。
  7. 【請求項7】 (a)標準音声の特徴量を成分とする標
    準パターン行列と、入力音声の特徴量を成分とする入力
    パターン行列とを作成すること、(b)パターン行列の
    指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分布や矩形
    など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の値を成分
    とする基準パターンベクトルを作成し、上記基準パター
    ンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重ベクト
    ルを作成すること、(c)標準パターン行列の指定成分
    と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から
    上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分
    番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と
    標準パターン行列の各成分の成分値との積の値を求め、
    上記積の値を標準パターン行列の各成分について加算し
    た積和値を算出すること、(d)上記積和値を算出する
    に際し、標準パターン行列の指定成分を各成分の位置に
    移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成
    分値とする標準パターン加重行列を作成すること、
    (e)入力パターン行列の指定成分と各成分との間の長
    さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた
    位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重
    ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パターン行列の
    各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パ
    ターン行列の各成分について加算した積和値を算出する
    こと、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パター
    ン行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値
    を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パタ
    ーン加重行列を作成すること、(g)標準パターン加重
    行列と入力パターン加重行列の各成分ごとの差の値の2
    乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標準パターン行列
    と入力パターン行列との間の形状距離値とすることを特
    徴とする音声の類似度検出方法。
  8. 【請求項8】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテゴ
    リの標準音声間の形状距離平均値を、異なるカテゴリの
    標準音声間の形状距離平均値で除算した平均値の比の値
    を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の値
    を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とする
    請求項7に記載の音声の類似度検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の音声の類似度
    検出方法で標準音声の特徴量を成分とする標準パターン
    行列と入力音声の特徴量を成分とする入力パターン行列
    との間の形状距離を求め、求めた形状距離値と任意に設
    定した許容値を比較し、形状距離値が許容値より大きい
    とき入力音声は標準音声でないと判定し、形状距離値が
    許容値以下のとき入力音声が標準音声であると判定する
    ことを特徴とする音声認識方法。
  10. 【請求項10】 (a)標準音声の特徴量を成分とする
    標準パターン原始行列と、入力音声の特徴量を成分とす
    る入力パターン原始行列とを作成すること、(b)パタ
    ーン原始行列の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、
    正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準
    形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、
    上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分と
    する加重ベクトルを作成すること、(c)標準パターン
    原始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重
    ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い
    加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記
    成分番号の成分値と標準パターン原始行列の各成分の成
    分値との積の値を求め、上記積の値を標準パターン原始
    行列の各成分について加算した積和値を算出すること、
    (d)上記積和値を算出するに際し、標準パターン原始
    行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
    求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パター
    ン原始加重行列を作成すること、(e)入力パターン原
    始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベ
    クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
    重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成
    分番号の成分値と入力パターン原始行列の各成分の成分
    値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始行
    列の各成分について加算した積和値を算出すること、
    (f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン原始
    行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
    求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パター
    ン原始加重行列を作成すること、(g)標準パターン原
    始加重行列と入力パターン原始加重行列の各成分ごとの
    積の和の値を、標準パターン原始加重行列の各成分の2
    乗和の平方根と入力パターン原始加重行列の各成分の2
    乗和の平方根で除算した比の値を以て、標準パターン原
    始行列と入力パターン原始行列との間の形状距離値とす
    ることを特徴とする音声の類似度検出方法。
  11. 【請求項11】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準音声間の形状距離平均値から、異なるカテゴ
    リの標準音声間の形状距離平均値を減算した平均値の差
    の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数
    の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴と
    する請求項10に記載の音声の類似度検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の音声の
    類似度検出方法で標準音声の特徴量を成分とする標準パ
    ターン原始行列と入力音声の特徴量を成分とする入力パ
    ターン原始行列との間の形状距離を求め、求めた形状距
    離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許
    容値より小さいとき入力音声は標準音声でないと判定
    し、形状距離値が許容値以上のとき入力音声が標準音声
    であると判定することを特徴とする音声認識方法。
  13. 【請求項13】 (a)標準振動波の特徴量を成分とす
    る標準パターン行列と、入力振動波の特徴量を成分とす
    る入力パターン行列とを作成すること、(b)パターン
    行列の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分布
    や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の値
    を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上記基準
    パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加重
    ベクトルを作成すること、(c)標準パターン行列の指
    定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中
    心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトル
    の成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成
    分値と標準パターン行列の各成分の成分値との積の値を
    求め、上記積の値を標準パターン行列の各成分について
    加算した積和値を算出すること、(d)上記積和値を算
    出するに際し、標準パターン行列の指定成分を各成分の
    位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成
    分の成分値とする標準パターン加重行列を作成するこ
    と、(e)入力パターン行列の指定成分と各成分との間
    の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離
    れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、
    加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パターン行
    列の各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を入
    力パターン行列の各成分について加算した積和値を算出
    すること、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パ
    ターン行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積
    和値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力
    パターン加重行列を作成すること、(g)標準パターン
    加重行列と入力パターン加重行列の各成分ごとの差の値
    の2乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標準パターン
    行列と入力パターン行列との間の形状距離値とすること
    を特徴とする振動波の類似度検出方法。
  14. 【請求項14】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準振動波間の形状距離平均値を、異なるカテゴ
    リの標準振動波間の形状距離平均値で除算した平均値の
    比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係
    数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴
    とする請求項13に記載の振動波の類似度検出方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14に記載の振動波
    の類似度検出方法で標準振動波の特徴量を成分とする標
    準パターン行列と入力振動波の特徴量を成分とする入力
    パターン行列との間の形状距離を求め、求めた形状距離
    値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容
    値より大きいとき異常と判定し、形状距離値が許容値以
    下のとき正常と判定することを特徴とする機械の異常判
    定方法。
  16. 【請求項16】 (a)標準振動波の特徴量を成分とす
    る標準パターン原始行列と、入力振動波の特徴量を成分
    とする入力パターン原始行列とを作成すること、(b)
    パターン原始行列の指定成分ごとに異なる分散の値を持
    つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記
    基準形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成
    し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成
    分とする加重ベクトルを作成すること、(c)標準パタ
    ーン原始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、
    加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も
    近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの
    上記成分番号の成分値と標準パターン原始行列の各成分
    の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パターン
    原始行列の各成分について加算した積和値を算出するこ
    と、(d)上記積和値を算出するに際し、標準パターン
    原始行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
    値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パ
    ターン原始加重行列を作成すること、(e)入力パター
    ン原始行列の指定成分と各成分との間の長さを求め、加
    重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近
    い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上
    記成分番号の成分値と入力パターン原始行列の各成分の
    成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パターン原
    始行列の各成分について加算した積和値を算出するこ
    と、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン
    原始行列の指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
    値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
    ターン原始加重行列を作成すること、(g)標準パター
    ン原始加重行列と入力パターン原始加重行列の各成分ご
    との積の和の値を、標準パターン原始加重行列の各成分
    の2乗和の平方根と入力パターン原始加重行列の各成分
    の2乗和の平方根で除算した比の値を以て、標準パター
    ン原始行列と入力パターン原始行列との間の形状距離値
    とすることを特徴とする振動波の類似度検出方法。
  17. 【請求項17】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準振動波間の形状距離平均値から、異なるカテ
    ゴリの標準振動波間の形状距離平均値を減算した平均値
    の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重
    係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特
    徴とする請求項16に記載の振動波の類似度検出方法。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の振動波
    の類似度検出方法で標準振動波の特徴量を成分とする標
    準パターン原始行列と入力振動波の特徴量を成分とする
    入力パターン原始行列との間の形状距離を求め、求めた
    形状距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離
    値が許容値より小さいとき異常と判定し、形状距離値が
    許容値以上のとき正常と判定することを特徴とする機械
    の異常判定方法。
  19. 【請求項19】 (a)標準動画像の特徴量を成分とす
    る標準パターン行列層と、入力動画像の特徴量を成分と
    する入力パターン行列層とを作成すること、(b)パタ
    ーン行列層の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正
    規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形
    状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上
    記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とす
    る加重ベクトルを作成すること、(c)標準パターン行
    列層の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベク
    トルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重
    ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分
    番号の成分値と標準パターン行列層の各成分の成分値と
    の積の値を求め、上記積の値を標準パターン行列層の各
    成分について加算した積和値を算出すること、(d)上
    記積和値を算出するに際し、標準パターン行列層の指定
    成分を各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記
    積和値を指定成分の成分値とする標準パターン加重行列
    層を作成すること、(e)入力パターン行列層の指定成
    分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心か
    ら上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成
    分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値
    と入力パターン行列層の各成分の成分値との積の値を求
    め、上記積の値を入力パターン行列層の各成分について
    加算した積和値を算出すること、(f)上記積和値を算
    出するに際し、入力パターン行列層の指定成分を各成分
    の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定
    成分の成分値とする入力パターン加重行列層を作成する
    こと、(g)標準パターン加重行列層と入力パターン加
    重行列層の各成分ごとの差の値の2乗和、あるいは同2
    乗和の平方根を、標準パターン行列層と入力パターン行
    列層との間の形状距離値とすることを特徴とする動画像
    の類似度検出方法。
  20. 【請求項20】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準動画像間の形状距離平均値を、異なるカテゴ
    リの標準動画像間の形状距離平均値で除算した平均値の
    比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係
    数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴
    とする請求項19に記載の動画像の類似度検出方法。
  21. 【請求項21】 請求項19または20に記載の動画像
    の類似度検出方法で標準動画像の特徴量を成分とする標
    準パターン行列層と入力動画像の特徴量を成分とする入
    力パターン行列層との間の形状距離を求め、求めた形状
    距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が
    許容値より大きいとき入力動画像は標準動画像でないと
    判定し、形状距離値が許容値以下のとき入力動画像が標
    準動画像であると判定することを特徴とする動画像認識
    方法。
  22. 【請求項22】 (a)標準動画像の特徴量を成分とす
    る標準パターン原始行列層と、入力動画像の特徴量を成
    分とする入力パターン原始行列層とを作成すること、
    (b)パターン原始行列層の指定成分ごとに異なる分散
    の値を持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成
    し、上記基準形状の値を成分とする基準パターンベクト
    ルを作成し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率
    の値を成分とする加重ベクトルを作成すること、(c)
    標準パターン原始行列層の指定成分と各成分との間の長
    さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた
    位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重
    ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パターン原始行
    列層の各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を
    標準パターン原始行列層の各成分について加算した積和
    値を算出すること、(d)上記積和値を算出するに際
    し、標準パターン原始行列層の指定成分を各成分の位置
    に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の
    成分値とする標準パターン原始加重行列層を作成するこ
    と、(e)入力パターン原始行列層の指定成分と各成分
    との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さ
    だけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算
    出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パタ
    ーン原始行列層の各成分の成分値との積の値を求め、上
    記積の値を入力パターン原始行列層の各成分について加
    算した積和値を算出すること、(f)上記積和値を算出
    するに際し、入力パターン原始行列層の指定成分を各成
    分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指
    定成分の成分値とする入力パターン原始加重行列層を作
    成すること、(g)標準パターン原始加重行列層と入力
    パターン原始加重行列層の各成分ごとの積の和の値を、
    標準パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方根
    と入力パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方
    根で除算した比の値を以て、標準パターン原始行列層と
    入力パターン原始行列層との間の形状距離値とすること
    を特徴とする動画像の類似度検出方法。
  23. 【請求項23】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準動画像間の形状距離平均値から、異なるカテ
    ゴリの標準動画像間の形状距離平均値を減算した平均値
    の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重
    係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特
    徴とする請求項22に記載の動画像の類似度検出方法。
  24. 【請求項24】 請求項22または23に記載の動画像
    の類似度検出方法で標準動画像の特徴量を成分とする標
    準パターン原始行列層と入力動画像の特徴量を成分とす
    る入力パターン原始行列層との間の形状距離を求め、求
    めた形状距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状
    距離値が許容値より小さいとき入力動画像は標準動画像
    でないと判定し、形状距離値が許容値以上のとき入力動
    画像が標準動画像であると判定することを特徴とする動
    画像認識方法。
  25. 【請求項25】 (a)標準立体の特徴量を成分とする
    標準パターン行列層と、入力立体の特徴量を成分とする
    入力パターン行列層とを作成すること、(b)パターン
    行列層の指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、正規分
    布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準形状の
    値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、上記基
    準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分とする加
    重ベクトルを作成すること、(c)標準パターン行列層
    の指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトル
    の中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベク
    トルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号
    の成分値と標準パターン行列層の各成分の成分値との積
    の値を求め、上記積の値を標準パターン行列層の各成分
    について加算した積和値を算出すること、(d)上記積
    和値を算出するに際し、標準パターン行列層の指定成分
    を各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和
    値を指定成分の成分値とする標準パターン加重行列層を
    作成すること、(e)入力パターン行列層の指定成分と
    各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上
    記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番
    号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入
    力パターン行列層の各成分の成分値との積の値を求め、
    上記積の値を入力パターン行列層の各成分について加算
    した積和値を算出すること、(f)上記積和値を算出す
    るに際し、入力パターン行列層の指定成分を各成分の位
    置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定成分
    の成分値とする入力パターン加重行列層を作成するこ
    と、(g)標準パターン加重行列層と入力パターン加重
    行列層の各成分ごとの差の値の2乗和、あるいは同2乗
    和の平方根を、標準パターン行列層と入力パターン行列
    層との間の形状距離値とすることを特徴とする立体の類
    似度検出方法。
  26. 【請求項26】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準立体間の形状距離平均値を、異なるカテゴリ
    の標準立体間の形状距離平均値で除算した平均値の比の
    値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の
    値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とす
    る請求項25に記載の立体の類似度検出方法。
  27. 【請求項27】 請求項25または26に記載の立体の
    類似度検出方法で標準立体の特徴量を成分とする標準パ
    ターン行列層と入力立体の特徴量を成分とする入力パタ
    ーン行列層との間の形状距離を求め、求めた形状距離値
    と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許容値
    より大きいとき入力立体は標準立体でないと判定し、形
    状距離値が許容値以下のとき入力立体が標準立体である
    と判定することを特徴とする立体認識方法。
  28. 【請求項28】 (a)標準立体の特徴量を成分とする
    標準パターン原始行列層と、入力立体の特徴量を成分と
    する入力パターン原始行列層とを作成すること、(b)
    パターン原始行列層の指定成分ごとに異なる分散の値を
    持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上
    記基準形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作
    成し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を
    成分とする加重ベクトルを作成すること、(c)標準パ
    ターン原始行列層の指定成分と各成分との間の長さを求
    め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に
    最も近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクト
    ルの上記成分番号の成分値と標準パターン原始行列層の
    各成分の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パ
    ターン原始行列層の各成分について加算した積和値を算
    出すること、(d)上記積和値を算出するに際し、標準
    パターン原始行列層の指定成分を各成分の位置に移動し
    ながら積和値を求め、上記積和値を指定成分の成分値と
    する標準パターン原始加重行列層を作成すること、
    (e)入力パターン原始行列層の指定成分と各成分との
    間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだけ
    離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
    し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と入力パター
    ン原始行列層の各成分の成分値との積の値を求め、上記
    積の値を入力パターン原始行列層の各成分について加算
    した積和値を算出すること、(f)上記積和値を算出す
    るに際し、入力パターン原始行列層の指定成分を各成分
    の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値を指定
    成分の成分値とする入力パターン原始加重行列層を作成
    すること、(g)標準パターン原始加重行列層と入力パ
    ターン原始加重行列層の各成分ごとの積の和の値を、標
    準パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方根と
    入力パターン原始加重行列層の各成分の2乗和の平方根
    で除算した比の値を以て、標準パターン原始行列層と入
    力パターン原始行列層との間の形状距離値とすることを
    特徴とする立体の類似度検出方法。
  29. 【請求項29】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準立体間の形状距離平均値から、異なるカテゴ
    リの標準立体間の形状距離平均値を減算した平均値の差
    の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数
    の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴と
    する請求項28に記載の立体の類似度検出方法。
  30. 【請求項30】 請求項28または29に記載の立体の
    類似度検出方法で標準立体の特徴量を成分とする標準パ
    ターン原始行列層と入力立体の特徴量を成分とする入力
    パターン原始行列層との間の形状距離を求め、求めた形
    状距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値
    が許容値より小さいとき入力立体は標準立体でないと判
    定し、形状距離値が許容値以上のとき入力立体が標準立
    体であると判定することを特徴とする立体認識方法。
  31. 【請求項31】 (a)標準音声の特徴量を成分とする
    標準パターンベクトルと、入力音声の特徴量を成分とす
    る入力パターンベクトルとを作成すること、(b)パタ
    ーンベクトルの指定成分ごとに異なる分散の値を持つ、
    正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記基準
    形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成し、
    上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成分と
    する加重ベクトルを作成すること、(c)標準パターン
    ベクトルの指定成分と各成分との間の長さを求め、加重
    ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い
    加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記
    成分番号の成分値と標準パターンベクトルの各成分の成
    分値との積の値を求め、上記積の値を標準パターンベク
    トルの各成分について加算した積和値を算出すること、
    (d)上記積和値を算出するに際し、標準パターンベク
    トルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
    求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パター
    ン加重ベクトルを作成すること、(e)入力パターンベ
    クトルの指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベ
    クトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加
    重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成
    分番号の成分値と入力パターンベクトルの各成分の成分
    値との積の値を求め、上記積の値を入力パターンベクト
    ルの各成分について加算した積和値を算出すること、
    (f)上記積和値を算出するに際し、入力パターンベク
    トルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和値を
    求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パター
    ン加重ベクトルを作成すること、(g)標準パターン加
    重ベクトルと入力パターン加重ベクトルの各成分ごとの
    差の値の2乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標準パ
    ターンベクトルと入力パターンベクトルとの間の形状距
    離値とすることを特徴とする音声の類似度検出方法。
  32. 【請求項32】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準音声間の形状距離平均値を、異なるカテゴリ
    の標準音声間の形状距離平均値で除算した平均値の比の
    値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係数の
    値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴とす
    る請求項31に記載の音声の類似度検出方法。
  33. 【請求項33】 請求項31または32に記載の音声の
    類似度検出方法で標準音声の特徴量を成分とする標準パ
    ターンベクトルと入力音声の特徴量を成分とする入力パ
    ターンベクトルとの間の形状距離を求め、求めた形状距
    離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離値が許
    容値より大きいとき入力音声は標準音声でないと判定
    し、形状距離値が許容値以下のとき入力音声が標準音声
    であると判定することを特徴とする音声認識方法。
  34. 【請求項34】 (a)標準音声の特徴量を成分とする
    標準パターン原始ベクトルと、入力音声の特徴量を成分
    とする入力パターン原始ベクトルとを作成すること、
    (b)パターン原始ベクトルの指定成分ごとに異なる分
    散の値を持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作
    成し、上記基準形状の値を成分とする基準パターンベク
    トルを作成し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化
    率の値を成分とする加重ベクトルを作成すること、
    (c)標準パターン原始ベクトルの指定成分と各成分と
    の間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだ
    け離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
    し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パター
    ン原始ベクトルの各成分の成分値との積の値を求め、上
    記積の値を標準パターン原始ベクトルの各成分について
    加算した積和値を算出すること、(d)上記積和値を算
    出するに際し、標準パターン原始ベクトルの指定成分を
    各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値
    を指定成分の成分値とする標準パターン原始加重ベクト
    ルを作成すること、(e)入力パターン原始ベクトルの
    指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの
    中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクト
    ルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の
    成分値と入力パターン原始ベクトルの各成分の成分値と
    の積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始ベクト
    ルの各成分について加算した積和値を算出すること、
    (f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン原始
    ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
    値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
    ターン原始加重ベクトルを作成すること、(g)標準パ
    ターン原始加重ベクトルと入力パターン原始加重ベクト
    ルの各成分ごとの積の和の値を、標準パターン原始加重
    ベクトルの各成分の2乗和の平方根と入力パターン原始
    加重ベクトルの各成分の2乗和の平方根で除算した比の
    値を以て、標準パターン原始ベクトルと入力パターン原
    始ベクトルとの間の形状距離値とすることを特徴とする
    音声の類似度検出方法。
  35. 【請求項35】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準音声間の形状距離平均値から、異なるカテゴ
    リの標準音声間の形状距離平均値を減算した平均値の差
    の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重係数
    の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴と
    する請求項34に記載の音声の類似度検出方法。
  36. 【請求項36】 請求項34または35に記載の音声の
    類似度検出方法で標準音声の特徴量を成分とする標準パ
    ターン原始ベクトルと入力音声の特徴量を成分とする入
    力パターン原始ベクトルとの間の形状距離を求め、求め
    た形状距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距
    離値が許容値より小さいとき入力音声は標準音声でない
    と判定し、形状距離値が許容値以上のとき入力音声が標
    準音声であると判定することを特徴とする音声認識方
    法。
  37. 【請求項37】 (a)標準振動波の特徴量を成分とす
    る標準パターンベクトルと、入力振動波の特徴量を成分
    とする入力パターンベクトルとを作成すること、(b)
    パターンベクトルの指定成分ごとに異なる分散の値を持
    つ、正規分布や矩形など任意の基準形状を作成し、上記
    基準形状の値を成分とする基準パターンベクトルを作成
    し、上記基準パターンベクトルの尖度の変化率の値を成
    分とする加重ベクトルを作成すること、(c)標準パタ
    ーンベクトルの指定成分と各成分との間の長さを求め、
    加重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も
    近い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの
    上記成分番号の成分値と標準パターンベクトルの各成分
    の成分値との積の値を求め、上記積の値を標準パターン
    ベクトルの各成分について加算した積和値を算出するこ
    と、(d)上記積和値を算出するに際し、標準パターン
    ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
    値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする標準パ
    ターン加重ベクトルを作成すること、(e)入力パター
    ンベクトルの指定成分と各成分との間の長さを求め、加
    重ベクトルの中心から上記長さだけ離れた位置に最も近
    い加重ベクトルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上
    記成分番号の成分値と入力パターンベクトルの各成分の
    成分値との積の値を求め、上記積の値を入力パターンベ
    クトルの各成分について加算した積和値を算出するこ
    と、(f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン
    ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
    値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
    ターン加重ベクトルを作成すること、(g)標準パター
    ン加重ベクトルと入力パターン加重ベクトルの各成分ご
    との差の値の2乗和、あるいは同2乗和の平方根を、標
    準パターンベクトルと入力パターンベクトルとの間の形
    状距離値とすることを特徴とする振動波の類似度検出方
    法。
  38. 【請求項38】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準振動波間の形状距離平均値を、異なるカテゴ
    リの標準振動波間の形状距離平均値で除算した平均値の
    比の値を求め、上記平均値の比の値を最小にする加重係
    数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特徴
    とする請求項37に記載の振動波の類似度検出方法。
  39. 【請求項39】 請求項37または38に記載の振動波
    の類似度検出方法で標準振動波の特徴量を成分とする標
    準パターンベクトルと入力振動波の特徴量を成分とする
    入力パターンベクトルとの間の形状距離を求め、求めた
    形状距離値と任意に設定した許容値を比較し、形状距離
    値が許容値より大きいとき異常と判定し、形状距離値が
    許容値以下のとき正常と判定することを特徴とする機械
    の異常判定方法。
  40. 【請求項40】 (a)標準振動波の特徴量を成分とす
    る標準パターン原始ベクトルと、入力振動波の特徴量を
    成分とする入力パターン原始ベクトルとを作成するこ
    と、(b)パターン原始ベクトルの指定成分ごとに異な
    る分散の値を持つ、正規分布や矩形など任意の基準形状
    を作成し、上記基準形状の値を成分とする基準パターン
    ベクトルを作成し、上記基準パターンベクトルの尖度の
    変化率の値を成分とする加重ベクトルを作成すること、
    (c)標準パターン原始ベクトルの指定成分と各成分と
    の間の長さを求め、加重ベクトルの中心から上記長さだ
    け離れた位置に最も近い加重ベクトルの成分番号を算出
    し、加重ベクトルの上記成分番号の成分値と標準パター
    ン原始ベクトルの各成分の成分値との積の値を求め、上
    記積の値を標準パターン原始ベクトルの各成分について
    加算した積和値を算出すること、(d)上記積和値を算
    出するに際し、標準パターン原始ベクトルの指定成分を
    各成分の位置に移動しながら積和値を求め、上記積和値
    を指定成分の成分値とする標準パターン原始加重ベクト
    ルを作成すること、(e)入力パターン原始ベクトルの
    指定成分と各成分との間の長さを求め、加重ベクトルの
    中心から上記長さだけ離れた位置に最も近い加重ベクト
    ルの成分番号を算出し、加重ベクトルの上記成分番号の
    成分値と入力パターン原始ベクトルの各成分の成分値と
    の積の値を求め、上記積の値を入力パターン原始ベクト
    ルの各成分について加算した積和値を算出すること、
    (f)上記積和値を算出するに際し、入力パターン原始
    ベクトルの指定成分を各成分の位置に移動しながら積和
    値を求め、上記積和値を指定成分の成分値とする入力パ
    ターン原始加重ベクトルを作成すること、(g)標準パ
    ターン原始加重ベクトルと入力パターン原始加重ベクト
    ルの各成分ごとの積の和の値を、標準パターン原始加重
    ベクトルの各成分の2乗和の平方根と入力パターン原始
    加重ベクトルの各成分の2乗和の平方根で除算した比の
    値を以て、標準パターン原始ベクトルと入力パターン原
    始ベクトルとの間の形状距離値とすることを特徴とする
    振動波の類似度検出方法。
  41. 【請求項41】 前記加重ベクトルに代えて、同じカテ
    ゴリの標準振動波間の形状距離平均値から、異なるカテ
    ゴリの標準振動波間の形状距離平均値を減算した平均値
    の差の値を求め、上記平均値の差の値を最大にする加重
    係数の値を成分とする加重ベクトルを作成することを特
    徴とする請求項40に記載の振動波の類似度検出方法。
  42. 【請求項42】 請求項40または41に記載の振動波
    の類似度検出方法で標準振動波の特徴量を成分とする標
    準パターン原始ベクトルと入力振動波の特徴量を成分と
    する入力パターン原始ベクトルとの間の形状距離を求
    め、求めた形状距離値と任意に設定した許容値を比較
    し、形状距離値が許容値より小さいとき異常と判定し、
    形状距離値が許容値以上のとき正常と判定することを特
    徴とする機械の異常判定方法。
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