JP2814628B2 - 乗員拘束装置 - Google Patents

乗員拘束装置

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JP2814628B2 JP1320818A JP32081889A JP2814628B2 JP 2814628 B2 JP2814628 B2 JP 2814628B2 JP 1320818 A JP1320818 A JP 1320818A JP 32081889 A JP32081889 A JP 32081889A JP 2814628 B2 JP2814628 B2 JP 2814628B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両前面衝突時における乗員脚部の拘束性
能を高めた乗員拘束装置に関する。
従来の技術 従来の、このような乗員拘束装置としては、例えば第
9図に示すようなものがある(実開昭58−41645号公報
参照)。
すなわち、通常走行時には、車両乗員1の身体は、シ
ートクッション2、シートバック3、フロア4及びトー
ボード5にて支えられている。そして車両前面衝突時の
乗員前方移動発生に当っては、乗員1の身体を、腰部6
を拘束するラップベルト7及び上体8を拘束するショル
ダベルト9で構成された一本ベルトタイプ3点式シート
ベルト10及び膝部11を拘束するニーボルスター12によっ
て拘束していた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来の従来の乗員拘束装置
にあっては、乗員1の足部13及び下腿部14は、ただフロ
ア4あるいはトーボード5上に乗っているだけという状
態となっていたため、乗員1の着座位置、着座姿勢ある
いは車両の衝突速度によっては、第10図に図示したよう
に、車両衝突時の早い段階で足部13及び下腿部14がフロ
ア4またはトーボード5上方に跳ね上がる現象が発生す
る場合があった。
このように足部13及び下腿部14が跳ね上がった場合に
は、膝11とニーボルスター12との干渉が正常に起きなく
なるため、ニーボルスター12を大型にしないと所定の乗
員拘束性能を発揮できない恐れがあるという問題点があ
った。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、車両前面衝突
時における足部及び下腿部の跳ね上がりを防止し、乗員
拘束性能を高めた乗員拘束装置を提供しようとするもの
である。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するための本発明は、車両の前面衝突
を感知する感知装置と、乗員の足首の上方に配置した干
渉物と、該干渉物を乗員の足首に向けて突出させる移動
装置とを有し、前記感知装置の作動時には干渉物を少な
くても乗員の足首から膝の間に干渉させて、乗員の踵を
車体フロアに押し付けることを特徴とする。
作用 車両前面衝突時に乗員の足部及び下腿部に向けて、ダ
ッシュパネルまたはインストルメントパネル下方から、
トルクチューブ、バネ、高圧ガス等の動力によって、回
転、伸縮等の動作を行う干渉物を突出させて、乗員の足
部及び下腿部をフロアパネル、ダッシュパネル等の車体
に強制的に拘束する。
実施例 以下、本発明を図面に基づいて説明する。第1図〜第
3図は、本発明の第1実施例を示す図である。
まず構成を説明する。なお従来例と同一構成部分には
同一の符号を付してその説明を省略する。
15はパッドで、通常時にはインストルメントパネル部
品の一部として図中点線で示したようにニーボルスター
12の下部を構成している。そしてパッド15は車両前面衝
突時に支点16を中心に回転して、乗員1の足部13及び下
腿部14と干渉して拘束する。
第2〜3図に図示したように、パッド15と回転中心16
とを結ぶ第1のロッド17は2本のロッド18,19により構
成され、蝶番20によって中間から折れるようにされると
ともに、一端21を回転中心とするステー22により、2本
のロッド18と19とは堅く結合されている。ステー22の他
端23は、点24を中心に回転するレバー25に接しており、
該レバー25を引くことにより、ステー22は21を中心に回
転して、2本のロッド18と19との結合を解除し、第1の
ロッド17は蝶番部20より折ることができるようになって
いる。
ロッド17は、ブラケット26,27によりダッシュパネル2
8に固定されたトルクチューブ29の出力軸30に結合され
ており、回転中心16は出力軸30の中心となっている。
第1のロッド17には第2のロッド31の一端が回転可能
に取付けられている。該第2のロッド31は2本のロッド
32,33よりなり、2本のロッドは32,33の結合点34で折曲
可能に構成されている。
また第2のロッド31には第3のロッド35の一端が回転
可能に結合されており、第3のロッド35の他端は、ブラ
ケット26に設置されたストッパー36に結合しており、第
3のロッド31は車両前方向にのみ移動できるようになっ
ている。
さらに、第2のロッド31には、重り37が固定されてい
る。
次に作用を説明する。車両が衝突し、ダッシュ部に減
速度が作用すると、重り37の働きによって第2のロッド
31を構成するロッド32と33が前方へ移動を開始する。移
動当初は、第2のロッド31の2本のロッド32,33は、第
2図に図示したように車両後方に折れ曲がっているた
め、トルクチューブ29のトルクは第2のロッド31及び第
3のロッド35並びにブラケット26を介してダッシュパネ
ル28によって保持されている。そして、第2のロッド31
が一直線となるまで、ロッド32,33の移動はそれほど大
きくない。
しかし、衝突時の車両減速度が十分大きくなり、重り
37が第2のロッド31を更に押すと、ロッド32とロッド33
とのなす角は逆転する。
このような状態になると第3のロッド35の押えはきか
なくなるため、第2のロッド31は車両前方へ容易に折れ
曲る得る状態となる。従って、第1のロッド17はトルク
チューブ29の持っている大きなトルクのため一気に下方
に回転を開始する。
このため、上方へ動き始めていた乗員1の足部13及び
下腿部14は、回転してきたパッド15とフロア4又はドー
ボード5とに挾まれ、所定位置に固縛される。従って、
乗員1の膝部11は、必ず所定のニーボルスター12位置に
干渉するとともに、乗員1の腰部6及び大腿部38の挙動
は、バラツキの無いものとなるため、拘束性能が安定す
る。
衝突終了後、足部13及び下腿部14を固定していたパッ
ド15はレバー25を引くことによりステー22が機能してい
たロッド18とロッド19との結合が解除され、両ロッド1
8,19が2つに折れ曲るので、拘束を容易に外すことがで
き、乗員は車外へ脱出できる。
第4図には、本発明の第2実施例を示す。この実施例
は、第1実施例のトルクチューブ29による回転力を用い
る代わりに、油圧シリンダーを用いたものである。
41は油圧シリンダーで、ダッシュパネル28にブラケッ
ト42を介して固定されている。油圧シリンダー41のピス
トン43先端にはパッド44が固定されている。パッド44に
はニーボルスター12を構成しているパッドの一部又は専
用のパッドが使用される。
油圧シリンダー41は、車両前端に位置するバンパー部
45(点線は衝突前を図示している)に固定されている油
圧シリンダー46とパイプ47により結合されている。そし
て油圧シリンダー46は車両衝突時にバンパー45が変形す
る領域に設置されている。なお48は油圧解放弁であり、
衝突後手動あるいは電気的に油圧を取り除きパッド44の
拘束を解除するために設けられている。
次に作用を説明する。車両衝突時に、バンパー部45の
変形にともない、バンパー部45に設置された油圧シリン
ダー46がストロークを開始する。これにより、油圧シリ
ンダー46とパイプ47を介して結合されている油圧シリン
ダー41がストロークを開始する。そして、バンパー部45
が変形し、油圧シリンダー46が十分にストロークした時
点で、パッド44は乗員1の足部13及び下腿部14を拘束す
る。かくして前記した第1実施例同様に乗員1は確実に
拘束され、安全が確保される。
衝突終了後は油圧シリンダー41に設置されている油圧
解放弁48を解放して油圧を取り除くことにより、乗員1
の足部13及び下腿部14は解放されるので、乗員1は車外
へ脱出できる。
第5図には、本発明の第3実施例を示す。この実施例
はインストルメントパネル下部にエアバック装置51を設
置し、車両衝突時にダッシュパネル28に取り付けられた
衝突減速度検出センサー52の電気信号を受けて、ガスジ
ェネレータ53から発生したガスにより、バック54を膨張
させ、乗員1の足部13及び下腿部14を拘束するものであ
る。
本実施例によれば前記実施例と同様の効果が得られ、
しかもバック54により柔らかく足部13及び下腿部14を拘
束することができる。
第6図〜第8図には本発明の第4実施例を示す。この
実施例は特に助手席乗員拘束に有効なものである。
まず構成を説明する。第7〜8図に示したように61は
トルクチューブでありトルクを受け持つ一端はブラケッ
ト62を介してフロア4に固定されている。ブラケット63
は、トルクチューブ61全体のグラツキを抑えるための支
持部材であり、トルクチューブ61の他端は該ブラケット
63に回転自由に支持されている。
トルクチューブ61の最外周部両端には各々ロッド64,6
5が溶接されている。ロッド64とロッド65の先端には、
両ロッド64,65間を渡された布製のベルト66がワイヤ67
によって固定されている。ブラケット62,63の前面には
溝68が穿設されており、該溝68の奥にはスプリング69が
組み込まれている。
また、トルクチューブ61の上方には、フットバー70が
設置されている。そして、フットバー70の両端はピン71
状に形成され、ロッド64,65の上を通りブラケット62.,6
3の溝68に挿入されて、スプリング69を押している。
ロッド64.,65は通常時はトーボード5のぎりぎり位置
に設置されており、トルクチューブ61の強力なトルク
は、フットバー70のピン71によって抑えられている。
次に作用を説明する。通常の車両走行時には、乗員1
の足部13はフロア4とフットバー70とに置かれている。
車両が衝突すると、乗員1の脚部には、車両減速度の影
響により一次的に強大な荷重が発生する。
この力で押されたフットバー70のピン71はブラケット
62,63の溝68をこじりながら前方へ抜け出ようとする。
この際、付勢されたスプリング69はこの動きを積極的に
助けるように働く。
フットバー70のピン71がブラケット62,63の溝68から
外れると、付勢されていたトルクチューブ61は拘束する
ものがなくなるので、ねじれがもとにもどりそれに伴っ
て、トルクチューブ61に溶接されているロッド64,65は
第7図に矢印で示した方向へ回転する。
このため、ロッド64,65の先端間に渡らされているベ
ルト66は、乗員1の脚部に引っかかる形となり、足部13
及び下腿部14をフロア4またはトーボード5に拘束す
る。
衝突終了後、ロッド64の先端に付いているワイヤ67を
引けば、ベルト66はロッド64からはずれるため、乗員1
はベルト66の拘束から解放され、車外へ脱出できる。
本実施例によれば、前記各実施例と同様の効果が得ら
れ、更にフットレストと併用できるという効果がある。
発明の効果 以上説明したきたように本発明によれば、以下に記載
する効果を奏する。
車両の前面衝突時の乗員膝部とニーボルスターとの干
渉は安定して発生するので、シートベルト装置等の乗員
拘束装置の機能が安定し、乗員を常に確実に拘束するこ
とができる。
また、車両の一次衝突後に、ロールオーバー等が発生
したときに、乗員の車両パネル等との干渉が軽減され、
更に乗員同士の衝突が軽減され、乗員の車外放出も防止
できる。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の第1実施例を示す図で、第1図は
全体構成を示す側面図、第2図は主要部側面図、第3図
は主要部平面図、第4図は本発明の第2実施例の全体構
成を示す側面図、第5図は本発明の第3実施例の全体構
成を示す側面図、第6〜8図は本発明の第4実施例を示
す図で、第6図は全体構成を示す側面図、第7図は主要
部の一部を断面した側面図、第8図は主要部の一部を断
面した平面図、第9図は従来例を示す側面図、第10図は
従来例の作用を示す説明図である。 1……乗員、4……フロア、5……トーボード、6……
腰部、10……3点式シートベルト、11……膝部、12……
ニーボルスター、13……足部、14……下腿部、15……パ
ッド、17……第1のロッド、20……蝶番、22……ステ
ー、25……レバー、26,27……ブラケット、28……ダッ
シュパネル、29……トルクチューブ、30……出力軸、31
……第2のロッド、32,33……ロッド、35……第3のロ
ッド、36……ストッパー、37……重り、41……油圧シリ
ンダー、43……ピストン、44……パッド、45……バンパ
ー、46……油圧シリンダー、48……解放弁、51……エア
バック装置、54……バック、61……トルクチューブ、6
2,63……ブラケット、64,65……ロッド、66……ベル
ト、67……ワイヤ、68……溝、69……スプリング、70…
…フットバー、71……ピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 21/045 B60R 21/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の前面衝突を感知する感知装置と、乗
    員の足首の上方に配置した干渉物と、該干渉物を乗員の
    足首に向けて突出させる移動装置とを有し、前記感知装
    置の作業時には干渉物を少なくても乗員の足首から膝の
    間に干渉させて、乗員の踵を車体フロアに押し付けるこ
    とを特徴とする乗員拘束装置。
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