JP2813409B2 - 半導体チップの接続方法 - Google Patents

半導体チップの接続方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は半導体チップの接続方法、詳しくはワイヤレ
スボンディング法、とくにフリップチップボンディング
法又はテープキャリアボンディング法により半導体チッ
プを基板に接合させる接合方法に関する。
(従来技術とその課題) 従来、半導体チップを基板に接続する手段は、半導体
チップのAl電極パッド上に半田バンプを形成し、該半田
バンプを介して基板の配線上に接合させることにより行
なわれるが、上記半田バンプを形成する方法として特開
平1−205551号公報が知られている。
この従来のバンプ形成方法は、半導体チップのAl電極
パッド上に半田バンプを供給した後に、前記パッドと反
応の少ない有機液体(フラックス)中で、半田バンプの
融点以上に加熱して該バンプを球状化させるリフロー処
理を行ない、その後洗浄によりフラックスを除去し、次
に半田バンプの融点以上に再加熱した状態で基板の配線
に接合させて半導体チップを基板に接続させる方法であ
る。
しかるに上記従来方法によれば、リフロー処理を施す
ため、電極パッド上に残ったフラックスを除去する洗浄
処理を必要とし、そのリフロー処理及び洗浄処理の工程
により作業性に劣るとともに半田バンプをその融点以上
に加熱することから、電極パッドと半田との反応を制御
し難く、Alパッドが半田にくわれてしまい接合強度が低
下する問題があり、また、電極パッド上にフラックス残
渣が残る場合には半導体チップ上に形成されているAl配
線を腐食する等の不具合がある。
本発明は斯る従来不具合を解消すべく、前記リフロー
処理を省くとともに基板との接合に際し、半田バンプの
再溶融を行なわないようにして、作業性を高め、かつ信
頼性の高い半導体製品を提供することを目的とする。
(課題を達成するための手段) 斯る本発明の半導体チップの接続方法は、半導体チッ
プの電極パッドが、その上面に被覆層を形成すると共に
該被覆層の最上層がAu、Ag、Pt、Pd、Sn、In、Pb−Sn合
金、Pb−In合金の何れか1つであり、前記電極パッド上
に、Pb、In、Snの何れか1つを主要元素とし急冷凝固法
により作成された合金ワイヤから形成した半田バンプを
接着し、該半田バンプをその液相線温度以下に加熱した
状態で基板の配線上に熱圧着して接合させることを特徴
とする。
而して上記液相線温度以下とは半田バンプが溶融しな
い状態を保持することをいう。
熱圧着手段は通常の熱圧着法によることもよいが、好
ましくは超音波をかけながら熱圧着する超音波併用方式
の熱圧着法がよい。
(作 用) 本発明によれば、半導体チップの電極パッド上に半田
バンプを接着してバンプ電極を形成した後に、リフロー
処理を程こす工程を経ることなく、該バンプ組成の液相
線温度以下で半田バンプを基板の配線上に位置合せをし
熱圧着手段により接合せしめるものである。
(実施例) 以下、図面を参照して実施例を説明する。第1図は本
発明の特許請求の範囲に係るものではないが、半導体チ
ップ1に半田バンプ2を形成した状態を示し、図中3は
半導体チップ1上に形成されたAl合金配線、4は絶縁
膜、3aは配線3の端部に配置されたAl電極パッドであ
る。
半田バンプ2はPb、Sn、Inの何れか1つを主要元素と
し、それに添加元素を配合せしめた半田材料であり、好
ましくは本出願人が先に提案した(特開昭63−301535号
及び特願平1−340132号)合金ワイヤーを使用する。
すなわち、半田材料はPb、In、Snの何れか1つを主要
元素とし、それにBe、Sn、Ag、Cu、Ni、Sb,Au,Pd,Pt,In
等の添加元素を配合せしめ、かつ急冷凝固法により作成
された細線からなる合金ワイヤーであり、この合金ワイ
ヤーをワイヤボンダーを使用して電極パッド3a上に接着
することにより第1図の如き半田バンプ2を形成したも
のである。
第2図は前記半導体チップ1が接続される基板5を示
し、該基板5はセラミックあるいはガラエポ基板であ
り、その上面には配線6が形成されている。
配線6はCu配線を例示してあり、好ましくは図示の如
く配線6上に半田バンプ2と反応しやすい下地材7、例
えばAu、Ag、Pt、Pd、Sn、In、Pb−Sn合金、Pd−In合金
などをメッキ法や蒸着法により被覆させる。
上記半導体チップ1はその半田バンプ2を基板5の配
線6上、詳しくは下地材7上に熱圧着して接合させる
(第3図)。
この接合工程においては半田バンプ2はその組成の液
相線温度(固相線温度)以下に加熱した状態で熱圧着を
施こし、その圧着手段は熱圧着法又は超音波併用の熱圧
着法による。
この例において、半田バンプ2はその材料として、20
wt%Sn、0.2wt%Cu、0.2wt%Ni、6wt%Sb、10WT%Ag、
残りがPbからなる合金ワイヤーを使用し(液相線温度28
0℃、固相温度180℃)、加熱温度は170℃の下で熱圧着
を施した。
第4図は本発明の特許請求の範囲に係るもので、この
半導体チップ1′はそのAl合金配線3上に複数の被覆層
10a,10b,10cを積層して構成される電極パッド10を形成
し、該パッド10上に前述したと同様の方法で半田バンプ
2′を接着して形成した実施例である。
上記被覆層10aは、Cr、Ti、Wの何れか1つ又はそれ
らの合金、被覆層10bは、Cu、Niの何れか1つ又はその
合金である。
最上層の被覆層10cは半田バンプ2′と反応しやすい
元素、すなわちAu、Ag、Pt、Pd、Sn、In、Pb−Sn合金、
Pb−In合金の何れか1つである。
半田バンプ2′は前記バンプ2と同一の組成、すなわ
ち20wt%Sn、0.2wt%Cu、0.2wt%Ni、6wt%Sb、10wt%A
g、残りがPbからなるワイヤを使用し、半導体チップ
1′の被覆層10c上に接着した後、170℃の温度下で熱圧
着法又は超音波併用の熱圧着法により基板5に接合せし
めた(第5図)。
上述したそれぞれの例において、半導体チップと基板
との接合強度をテストした1バンプ当りの結果は下表の
通りであった。
尚、基板5側の下地材7にはSnを用い、また電極パッ
ドの最上層は、表中第1段のものは第1図乃至第3図に
係る例であってAl合金配線それ自体であるためAl合金と
表記した。また表中第2〜8段のものは第4図乃至第5
図に係る実施例であって、被覆層10cの素材毎にテスト
した。表中第9及び第10段はフラックス中、300℃でリ
フロー接合した比較例である。
上記テスト結果によれば、本発明方法による場合で
も、比較例(従来法)のもの並びにAl合金配線自体に半
田バンプを接着したものに較べ接合強度が改善されるこ
とが理解されよう。
尚、上記実施例はフリップチップボンディング型を説
明したが、テープキャリアボンディング型の場合も同様
である。
(効 果) 以上説明したように本発明は、半導体チップの電極パ
ッドが、その上面に被覆層を形成すると共に該被覆層の
最上層がAu、Ag、Pt、Pd、Sn、In、Pb−Sn合金、Pb−In
合金の何れか1つであり、前記電極パッド上に、Pb、I
n、Snの何れか1つを主要元素とし急冷凝固法により作
成された合金ワイヤから形成した半田バンプを接着し、
該半田バンプをその液相線温度以下に加熱した状態で基
板の配線上に熱圧着して接合させる半導体チップの接続
方法であり、半導体チップに接着した半田バンプのリフ
ロー処理を行なわないので、該処理及びその後工程のフ
ラックス洗浄処理による処理時間を短縮して作業性を向
上させることができる。
又、上記半田バンプを液相線温度以上に再溶融させな
いので、バンプによるパッドのくわれ現象が生じること
なく、熱圧着手段と相まってバンプの接合強度を確保す
ることができ、さらにフラックス残渣によるチップ上の
配線腐食を防止することができ、品質を高め製品の信頼
性を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の第1実施例を示し、第1図は
半導体チップの部分拡大断面図、第2図は基板の部分拡
大断面図、第3図は接合状態を示す部分拡大断面図、第
4図は第2実施例の半導体チップの部分拡大断面図、第
5図はその接合状態を示す部分拡大断面図である。 図中、1,1′は半導体チップ、2,2′は半田バンプ、3a,1
0は電極パッド、10cは被覆層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/60 311 H01L 21/603

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体チップの電極パッドが、その上面に
    被覆層を形成すると共に該被覆層の最上層がAu、Ag、P
    t、Pd、Sn、In、Pb−Sn合金、Pb−In合金の何れか1つ
    であり、前記電極パッド上に、Pb、In、Snの何れか1つ
    を主要元素とし急冷凝固法により作成された合金ワイヤ
    から形成した半田バンプを接着し、該半田バンプをその
    液相線温度以下に加熱した状態で基板の配線上に熱圧着
    して接合させる半導体チップの接続方法。
  2. 【請求項2】上記熱圧着手段が超音波併用の熱圧着法で
    ある請求項第1項記載の接続方法。
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