JP2813266B2 - 熱磁気記録装置 - Google Patents

熱磁気記録装置

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JP2813266B2
JP2813266B2 JP4104338A JP10433892A JP2813266B2 JP 2813266 B2 JP2813266 B2 JP 2813266B2 JP 4104338 A JP4104338 A JP 4104338A JP 10433892 A JP10433892 A JP 10433892A JP 2813266 B2 JP2813266 B2 JP 2813266B2
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尊夫 日向
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はレーザ光の照射熱により
情報の記録と消去を行う熱磁気記録装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、高密度、大容量、高速アクセス等
の要求を満足し得る光メモリ装置の研究開発が活発に推
進されている。中でも半導体レーザを用いて情報の記
録、再生、消去が可能な光磁気ディスクメモリは画像、
文字等のファイルメモリやビデオディスクメモリへの応
用が考えられるために特に注目されている。 【0003】光磁気ディスクメモリへの記録はキューリ
点記録、補償点記録、保磁力の温度変化を利用する記録
に分類される。これらはいずれの方式も適当な外部磁場
を印加した状態でレーザ光等を用いて局所的に記録媒体
(磁性体薄膜)の温度を上げ、その部分の磁化を外部磁
場の向きに変化させることで記録する、いわゆる熱磁気
記録である。 【0004】この熱磁気記録の方式は、図3あるいは図
4に示すように、ガラス等の透明基板1上に記録磁性体
薄膜2を形成し、さらに保護板3を設けた光磁気ディス
クメモリに、レーザ光4を集光レンズ5で集光照射して
記録、再生、消去する際に、図3に示すようにコイル6
あるいは図4のように永久磁石7で記録磁性体薄膜に対
して磁場を供給する。 【0005】図3に示すようにコイル6を使用する方式
の場合にはコイルに流す電流の方向あるいは電流の大き
さを変えれば容易に必要とする磁場を得ることができる
ので、機構上は簡単になる。しかし、記録磁性体薄膜2
へ磁場を供給するためには透明基板1ごしに磁場を供給
しなければならず、そのためできる限りコイル6を透明
基板1に近付けて、コイル6の記録磁性体薄膜2への供
給磁場を充分なものにする必要がある。ところが、通常
記録磁性体薄膜には記録時あるいは消去時に記録磁性体
薄膜上で100Oe(エルステッド)以上の非常に大き
な磁場を必要としたのでコイル6に流す電流を多くする
か、コイル6を大きくするといった対応が必要である。 【0006】一方、図4に示すように永久磁石7を用い
る方式の場合には、図3の方式とは異なり、コイル6の
代わりに記録磁性体薄膜2を挟んで集光レンズ5と反対
側に永久磁石7を配置し、この永久磁石7により記録磁
性体薄膜2に磁場を供給する。永久磁石は比較的小型の
ものでも強い磁場を得ることができるので、この方式で
あれば装置を小型化することができる。ただし永久磁石
を用いると常に記録磁性体薄膜へ磁場が印加された状態
になるので、永久磁石7の磁場の大きさについては充分
に注意しなければならない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】さて、記録磁性体薄膜
2の材料がMnCuBi等の残留磁化の多い媒体の場合
は記録部の周囲部からの浮遊磁場が大きいので記録時に
外部磁場は不要である。したがって、記録時には永久磁
石7を記録磁性体薄膜2から遠ざけ、消去時にのみ永久
磁石7を記録磁性体薄膜2に近付ける方法が考えられ
る。 【0008】しかし、記録磁性体薄膜2がGdTbF
e、GdTbDyFe、TbDyFe、GdDyFe、
TbFe等の希土類−鉄系の非晶質磁性体からなる場合
は記録部の周囲部からの浮遊磁場が小さいので記録時及
び消去時には互いに反対の方向の外部磁場を与える必要
がある。記録磁性体薄膜2としてGdTbDyFe膜を
用いた場合を例にとると、このGdTbDyFe膜の保
磁力は0.6kOe〜1.5kOe、キュリー点は12
0℃であるが、記録時には100Oe〜200Oeの外
部磁場を必要とし、消去時には200Oe〜300Oe
の外部磁場を必要とした。 【0009】また記録磁性体薄膜2が希土類−鉄系の非
晶質磁性体からなる場合は外部磁場が記録磁性体薄膜2
の有する保磁力以下の大きさであっても、それが記録磁
性体薄膜2に長時間印加されていると常温状態で記録情
報の劣化をきたすことが判明した。例えば、保磁力が
0.6kOeのGdTbDyFe膜に記録ビットの磁化
の方向に300Oeの磁場を印加して48〜72時間放
置したところ記録ビット径が大きくなる。また、逆に記
録ビットの磁化と逆方向に300Oeの磁場を印加して
放置しておくと記録ビット径が小さくなるという現象を
見いだした。これら記録情報の不安定現象は磁性体薄膜
の微小欠陥の部分の磁化が磁性体薄膜の保磁力より小さ
な逆磁場でも反転し、それを核として磁壁移動により徐
々に反転磁化部分が広がることに起因している。 【0010】本発明者等は磁性体薄膜に印加される外部
磁場が磁性体薄膜の保磁力の1/3以下であれば記録情
報は長時間にわたり安定であることを確認している。 【0011】また、磁性体薄膜の保磁力は温度に応じて
変化し、希土類−鉄系非晶質磁性体薄膜では図2に示す
ような特性を有する。同図においてTcompは補償点、T
cはキュリー点である。同図のように磁性体薄膜の保磁
力は温度に応じて大きく変化し、例えば室温が10℃程
度上昇すると保磁力が半分程度に落ちることもある。し
たがって、希土類−鉄系非晶質磁性体薄膜によって記録
媒体を構成する場合は室温の状態に注意して使用する必
要があることが判った。 【0012】以上の点を整理すると希土類−鉄系非晶質
磁性体薄膜を記録媒体とした場合、記録及び消去用磁場
は次の諸点に注意して設計しなければならない。 【0013】 記録磁場と消去磁場とを互いに逆向き
に発生させること。 【0014】 記録磁場は消去磁場よりも小さな磁場
であること。 【0015】 消去磁場は記録媒体の保磁力の1/3
以下であること。 【0016】本発明は以上の諸点を考慮してなされたも
のであり、記録時及び消去時に外部より補助磁場を供給
することが必要な、膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁
性体薄膜を記録媒体とするものであって、永久磁石によ
り記録時及び消去時に適切な外部磁界を与え、また装置
の電源が切られたときには前記記録媒体が永久磁石によ
り影響を受けることがない熱磁気記録装置を提供するこ
とを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁性体薄
膜を記録媒体とし、該記録媒体への記録時及び消去時に
外部より前記記録媒体に補助磁場を供給する永久磁石を
配設し、該記録媒体に対するレーザ光による加熱によっ
て情報の記録と消去とを行う熱磁気記録装置において、
装置の電源が切られたときに前記永久磁石を前記記録媒
体から離間せしめる手段を備えたことを特徴とする熱磁
気記録装置である。 【0018】 【作用】上述のように、装置の電源が切られたときに永
久磁石を記録媒体から離間せしめるので、記録媒体は永
久磁石により影響を受けることがなく、記録情報は外部
磁界による影響を受けることがなく、径時変化もきたす
ことがない。 【0019】 【実施例】以下、本発明に係る実施例について説明す
る。 【0020】図1は本発明に係る熱磁気記録装置の一実
施例の要部説明図である。図において符号8は基板上に
希土類−鉄系非晶質磁性体薄膜を形成してなる光磁気デ
ィスク、9は光磁気ディスク8を回転駆動するモータで
ある。希土類−鉄系非晶質磁性体薄膜は同図のAとBと
の間の部分(当該部分の長さを有効半径という)に形成
される。10は強い磁場を発生する消去用永久磁石であ
り、11は弱い磁場を発生する記録用永久磁石である。
この消去用永久磁石10は磁石ホルダー12の表側に、
記録用永久磁石11は裏側に設けられている。ただし磁
石ホルダー12はステッピングモータ13により回転可
能であり、消去用永久磁石10と記録用永久磁石11は
互いに位置を逆転することができる。14は磁石ホルダ
ー12に対して固着される円板であり、この円板には適
当な箇所に穴が形成されている。15はフォトカプラを
内在する位置センサーであり円板14の回転時に、前述
の穴を位置センサーのフォトカプラによって読み取る。
この読み取りにより消去用永久磁石10及び記録用永久
磁石11の位置を認識する。消去用永久磁石10及び記
録用永久磁石11は光磁気ディスク8の磁性体薄膜の有
効半径より長い棒状体を成しているので、光学ヘッド
(図示せず)の光磁気ディスク半径方向への移動と共に
消去用永久磁石10及び記録用永久磁石11を連動する
必要がなく、したがって、外部磁場を付与するための機
構は簡略なものになっている。同図でCは光学ヘッドの
レーザ光照射方向を示している。16は支持板であり、
軸17を介してステッピングモータ13を支持してい
る。ステッピングモータ13は軸17を中心にして矢印
Dの方向に回転できる機構を備え、装置温度が記録媒体
の安定領を越えたとき、あるいは電源が切られたときに
は自動的に矢印D方向に回転して消去用永久磁石10及
び記録用永久磁石11を記録媒体から遠ざけるようにに
している。こうして記録媒体に記録された情報が消去用
永久磁石10及び記録用永久磁石11によって乱される
ことのない機構となっている。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば
膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁性体薄膜を記録媒体
とした場合に、最適な外部磁界が印可が可能であるとと
もに、情報の記録状態の安定した熱磁気記録装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る熱磁気記録装置の一実施例の構成
を示す構成図である。 【図2】希土類−鉄系非晶質磁性体薄膜の温度−保磁力
特性を示す図である。 【図3】熱磁気記録方式の一例を説明する図である。 【図4】熱磁気記録方式の他の例を説明する図である。 【符号の説明】 1 透明基板 2 記録磁性体薄膜 3 保護板 4 レーザ光 5 集光レンズ 6 コイル 7 永久磁石 8 光磁気ディスク 9 モータ 10 消去用永久磁石 11 記録用永久磁石 12 磁石ホルダー 13 ステッピングモータ 14 円板 15 位置センサー 16 支持板 17 軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日向 尊夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 山岡 秀嘉 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−176505(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 561

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.膜面に垂直な磁化容易軸を有する磁性体薄膜を記録
    媒体とし、該記録媒体への記録時及び消去時に外部より
    前記記録媒体に補助磁場を供給する永久磁石を配設し、
    該記録媒体に対するレーザ光による加熱によって情報の
    記録と消去とを行う熱磁気記録装置において、 装置の電源が切られたときに前記永久磁石を前記記録媒
    体から離間せしめる手段を備えたこと を特徴とする熱磁
    気記録装置。
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