JPS6319924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は光磁気記録媒体用ピツクアツプ、特に
ムービングコイル方式のフオーカスサーボ機構の
永久磁石を内部に組込んだ光磁気記録媒体用ピツ
クアツプに関するものである。

光磁気記録は磁気記録媒体に光で記録し、読み
取りも光で行なう記録、再生方式を意味し、磁気
ヘツドにより磁気記録媒体に記録、再生する磁気
記録方式の10〜50倍の記録密度で記録でき、高密
度記録方式として研究が続けられている。一例と
して応用物理、第48巻、第３号（1979年）に示さ
れた実験装置の記録部分の要部を第１図に示す。

第１図においてアルゴンレーザ１からのレーザ
光を記録すべき情報に応じて音響光学素子２によ
り輝度変調し、この光をアツテネータ３を経て対
物レンズ４により記録媒体５上に収束させる。光
磁気記録においては記録媒体に記録を行なうため
に外部磁界の印加が必要である。この外部磁界を
与えるため、この装置ではデイスク状の記録媒体
の周囲に外部磁界印加コイル６を設け、これによ
り外部磁界を与えていた。

ところでこの装置はデイスク状記録媒体５の径
が大きくなるにつれてコイルが大型化し、また励
磁電流も大きくなる。さらにこのようなコイルに
より与えられる磁界の分布は第２図に示すように
コイルの中心ａ点からデイスク状記録媒体の中心
ｏ点までかなり変化し均一でないため、記録媒体
の記録部分に一様な外部磁界を与えるには記録部
分の位置に応じてコイルの駆動電流を変化させる
必要がある等種々の問題点が残されている。

また近年ビデオデイスク等の光記録再生装置が
実用化され、この装置にはフオーカス制御および
トラツキング制御が可能なピツクアツプが用いら
れている。フオーカス制御機構を組込んだピツク
アツプの一例を第３図を参照して説明すると、一
点鎖線で示した対物レンズ１０の光軸を取囲んで
レンズ１０を保持するレンズホルダ１１を配置す
る。このレンズホルダ１１は板ばねより成るダン
パ１２により垂直方向に移動可能に外枠１３に取
付ける。永久磁石１４はヨーク１５とともに外枠
に取付ける。この永久磁石１４の上側および下側
に設けたヨーク１５の間にレンズホルダ１１の円
周上に設けたコイル１６を位置させ、このコイル
へ電流を流すことによりレンズホルダ１１を移動
させ、レンズ１０を所定の焦点位置に設定するも
のである。このようなフオーカス制御、およびト
ラツキング制御を光磁気記録装置に適用する場合
トラツキング制御に関しては記録媒体より離れた
位置に設置したものや磁束方向を記録媒体の表面
に平行な方向に作用させるもの等が多くまた使用
する磁束の強度もごく弱いものが多いので記録媒
体に対する磁気の影響は少なく、それほど問題と
ならないが、フオーカス制御の場合は高エネルギ
ーの永久磁石を記録媒体に近い位置で使用するた
めこの永久磁石からの漏洩磁界が記録媒体に作用
し、GdFeのような抗磁力の低い記録媒体を使用
する場合には悪影響を与えるため何らかの手段で
漏洩磁界をキヤンセルしなければならない問題点
があり、第１図に示す装置に第３図のピツクアツ
プを適用するだけではこの漏洩磁界を防ぐことが
できなかつた。

本考案の目的は前述した問題点を解決し、光磁
気記録装置にフオーカス制御、トラツキング制御
をし得るようにするとともに装置の小型化および
消費電流の削減を達成しつつピツクアツプに組込
んだ永久磁石からの漏洩磁界の影響を制御し記録
媒体に外部磁界を均一に作用させることである。

本考案は上述した光学式記録再生装置のピツク
アツプに着目し、このピツクアツプの改良により
この目的を達成するものである。

本考案の光磁気記録媒体用ピツクアツプはムー
ビングコイル方式のフオーカス制御機構の永久磁
石を内部に組込んだ光磁気記録媒体用ピツクアツ
プにおいて、外部磁界印加用コイルをこのピツク
アツプに組込み、前記永久磁石の漏洩磁界の影響
を制御し前記光磁気記録媒体に均一な磁界を作用
させ得るようにしたことを特徴とする。

以下に図面を参照して本考案の光磁気記録媒体
用ピツクアツプを詳述する。

第４図は本考案のピツクアツプである。簡明の
ため第３図と同様な部材には同一の符号を付し
た。このピツクアツプは外部磁界印加コイル１７
を組み込んだ所が第３図の装置と異なり他の部分
は同様に構成した。この外部磁界印加コイルは外
枠１３のデイスク面側に溝を設け、そこに巻回す
ることによつて作る。コイル枠はアルミなどの放
熱性の良い材料で作ることが望ましい。このピツ
クアツプを用いる場合には外部磁界印加コイルを
ピツクアツプに設けてあるため第１図に示すよう
な記録媒体の円周上に設ける大型の外部磁界印加
コイルは必要なくなる。また外部磁界印加用コイ
ルがピツクアツプとともに移動するため記録媒体
の記録部分に常に一定の外部磁界を与えることが
できる。

またピツクアツプからの漏洩磁界は第３，４図
に示す永久磁石およびヨークはリング状であるた
め漏洩磁界の記録媒体に垂直な成分Hyの分布は
第５図のようになるが第４図に示す本考案のピツ
クアツプでは外部磁界印加コイル１７の永久磁石
１４とヨーク１５から成る磁気回路に対し同軸上
に設置したためコイル１７への電流値を適切に選
ぶことにより漏洩磁界をキヤンセルすることがで
きる。第６図はこの実験結果を示し漏洩磁界がか
なり良くキヤンセルされていることがわかる。

このように構成した本考案の光磁気記録媒体用
ピツクアツプは簡単な構造によりフオーカス制御
機構からの漏洩磁界をキヤンセルでき、また記録
媒体の記録する部分には均一な磁界を任意の強度
で与えることができるとともに光磁気記録装置の
小型化、コストの削減、エネルギの節約を達成し
得る画期的なピツクアツプである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光磁気記録装置の要部の構成を
示す略図、第２図は第１図の外部磁界印加用コイ
ルにより与えられる磁界の分布を示す特性線図、
第３図は従来のピツクアツプの略断面図、第４図
は本考案のピツクアツプの略断面図、第５図は第
３，４図に示すピツクアツプにおける漏洩磁界の
記録媒体に垂直な成分の分布を示す分布図。第６
図は本考案のピツクアツプによる漏洩磁界のキヤ
ンセルの状態を示した記録媒体に垂直な磁界の成
分の分布図である。 １……アルゴンレーザ、２……音響光学素子、
３……アツテネータ、４……対物レンズ、５……
記録媒体、６……外部磁界印加コイル、１０……
レンズ、１１……レンズホルダ、１２……ダン
パ、１３……外枠、１４……永久磁石、１５……
ヨーク、１６……コイル、１７……外部磁界印加
コイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ムービングコイル方式のフオーカス制御機構の
   永久磁石を内部に組込んだ光磁気記録媒体用ピツ
   クアツプにおいて、外部磁界印加用コイルをこの
   ピツクアツプに組込み、前記永久磁石の漏洩磁界
   の影響を制御し、前記光磁気記録媒体に均一な磁
   界を作用させ得るようにしたことを特徴とする光
   磁気記録媒体用ピツクアツプ。