JP2812957B2 - Dnaおよびその用途 - Google Patents

Dnaおよびその用途

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JP2812957B2
JP2812957B2 JP63188083A JP18808388A JP2812957B2 JP 2812957 B2 JP2812957 B2 JP 2812957B2 JP 63188083 A JP63188083 A JP 63188083A JP 18808388 A JP18808388 A JP 18808388A JP 2812957 B2 JP2812957 B2 JP 2812957B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はラット血管収縮ペプチドたるラット・エンド
セリンをコードするDNAを含有するDNA、ラット・エンド
セリンの前駆体蛋白質(前駆体ポリペプチドともいう)
および成熟蛋白質(成熟ポリペプチドともいう)、およ
び該前駆体蛋白質と成熟蛋白質(エンドセリン)の製造
方法に関する。本明細書において、前駆体蛋白質とは、
成熟ペプチド(エンドセリン)のアミノ酸配列を持ち、
かつそのN末端側またはその両方にエンドセリンDNAに
よってコードされるアミノ酸配列の一部又は全部を持つ
ような蛋白質をさす。
従来の技術 内皮依存4性の血管拡張反応とならんで、種々の刺激
に対する内皮依存性の欠陥収縮反応が報告されている。
血管の伸張や内圧の亢進といった機械的負荷による収
縮、トロンビンによる収縮、血中酸素の減少による収
縮、さらにはニューロペプチドY〔プロシーディングズ
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sc
i.,U.S.A.),79,5485(1982);同,81,4577(1984)〕
によるノルアドレナリン収縮の増強などがその例であ
る。しかし、これらの収縮反応をつかさどる内皮由来の
液性因子(humoral factor)はまだ一つも同定されてい
ない。アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー
(Amer.J.Physiol.),132,263(1987)には内皮細胞由
来の冠血管収縮因子(分子量はそれぞれ8,500,3,000)
が記載されているが構造は不明である。また、ジャーナ
ル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメン
タル・セラビューティクス(J.Pharmacl.Exp.Ther.)23
6,339(1985)にも内皮細胞由来のペプチド様物質が記
載されているが、これも構造は不明である。
一方、血管収縮作用を有するペプチドとしてバソプレ
ッシン(Vasopressin)が知られていて、そのアミノ酸
配列も明確にされているが、バソプレッシンが哺乳類ま
たは鳥類の血管内皮細胞をオリジンとして得られたとい
う報告はない。また、血管収縮作用を有するアンジオテ
ンシン(Angiotensin)がウシ大動脈の内皮細胞から得
られるという報告〔サーキュレーション・リサーチ(Ci
rculation Research),60,422(1987)〕があるが、ア
ンジオテンシンは分子量約1,000のペプチドである。
また本発明者等の一部は同様の血管収縮作用を有する
ペプチドとして、先にブタ大動脈内皮細胞よりブタ・エ
ンドセリンを単離することに成功し(特願昭62−255381
号)、更にブタ大動脈内皮細胞エンドセリンの相補DNA
をクローニングすることに成功し、ブタ・エンドセリン
の大量生産への道を拓いた(特願昭62−275613号)。
また本発明者等はヒト・エンドセリンの単離、相補DN
Aのクローニングにも成功している(特願昭62−313155
号及び同63−148158号)。
発明が解決しようとする課題 上記ペプチドの、哺乳類または鳥類の血管内皮細胞の
培養、それに続く培養物からの単離、精製といった方法
は複雑でまた目的とするペプチドも少量しか得られない
という問題があり、また遺伝子組み換え技術によるもの
はブタおよびヒト・エンドセリンに関してのみ成功した
にすぎず、その研究の途についた所というのが現状であ
る。
課題を解決するための手段 本発明者らは上記血管収縮作用を有する同様のペプチ
ドを、ラットからも採取し、しかもそれを遺伝子組み換
え技術によつて製造することができれば、今後の研究、
治療に多大な効果を奏することができると考え、研究を
重ねた結果、次のような知見を得、本発明に到達したも
のである。
即ち、本発明者らは先に出願した(特願昭62−255381
号,同62−275613号)ブタ・エンドセリンのペプチドの
一部をコードするDNAを化学合成し、プローブとして使
用して、ラットのDNAライブラリーから、はじめてラッ
トのエンドセリンをコードするDNAをクローニングする
ことに成功した。さらにDNAの一部の塩基を同定し、ラ
ットのエンドセリンのアミノ酸配列〔式(II)〕を明ら
かにし、これらを遺伝子組み換え技術によって大量に生
産する道を拓くことに成功したものである。
本発明は(1)ラット・エンドセリンをコードするDN
Aを含有するDNA、(2)ラット・エンドセリンのポリペ
プチド、(3)ラット・エンドセリンをコードするDNA
を含有するDNAを保持する形質転換体、および(4)上
記(3)の形質転換体の培養、培養物中への蛋白質の生
産蓄積、採取を包含する成熟ラット・エンドセリンの製
造方法に関するものである。
本発明の、ブタ由来のエンドセリンIに相当する、21
個のペプチドたるラット成熟エンドセリンは であり、分子量は2,643と計算された。
またDNA配列については、本発明のラット・エンドセ
リンをコードするDNAは式(I)の塩基配列を含有する
ものであるかあるいはその一部であり、このものはブタ
・エンドセリンのものとは大巾に異なっている。
成熟ラット・エンドセリンに関する部分(式IIのNo.6
−26に当る)についてもブタ・エンドセリンのDNAとは
異なっており、本発明のDNAは新規なものである。
本発明のラット・エンドセリン成熟ペプチド(エンド
セリン)をコードするDNAとしては、ラット・エンドセ
リンの成熟ペプチド(エンドセリン)のアミノ酸配列
(式IIの6〜26)をコードする塩基配列を含有するもの
であればいかなるものであってもよいが、たとえば式
(I)の塩基配列を含有するDNAあるいはその一部のDNA
であることが好ましい。
式(I)の塩基配列は本発明で得られたラット・エン
ドセリンDNA配列であり、式(II)のラット・エンドセ
リンアミノ酸をコードする塩基配列の一例としては式
(I)の16〜78だ表わされるものが挙げられる。
本発明方法におけるラット・エンドセリンの成熟ラッ
ト・エンドセリンをコードする塩基配列を有するDNAを
含有する発現型ベクターは、例えば、(i)ラット・エ
ンドセリン産生細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を
分離し、(ii)該mRNAから単鎖の相補DNA(cDNA)を、
次いで二重鎖DNAを合成し、(iii)該相補DNAをファー
ジまたはプラスミドに組み込み、(iv)得られた組み換
えファージまたはプラスミドで宿主を形質転換し、
(v)得られた形質転換体を培養後、形質転換体から適
当な方法、例えばラット・エンドセリンの一部をコード
するDNAプローブとのハイブリダイゼーションにより、
あるいは抗ラット・エンドセリン抗体を用いたイムノア
ッセイ法により目的とするDNAを含有するファージある
いはプラスミドを単離し、(vi)その組み換えDNAから
目的とするクローン化DNAを切り出し、(vii)該クロー
ン化DNAまたはその一部を発現ベクター中のプロモータ
ーの下流に連結する、ことにより製造することができ
る。
ラット・エンドセリンをコードするmRNAは、種々のエ
ンドセリン産生細胞、例えばラット大動脈内皮細胞など
から得ることができる。
ラット・エンドセリン産生細胞からRNAを調製する方
法としては、グアニジンチオシアネート法〔(ジェー・
エム・チルグウィン(J.M..Chirgwin)ら、バイオケミ
ストリー(Bio−chemistry),18,5294(1979)〕など
が挙げられる。
このようにして得られたmRNAを鋳型とし、逆転写酵素
を用いて、例えば岡山(H.Okayama)らの方法〔モレキ
ュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular
and Cellular Biology)2,161(1982)および同誌3,280
(1983)〕に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラス
ミドに組み込み。
cDNAを組み込むプラスミドとしては、たとえば大腸菌
由来のpBR322〔ジーン(gene),2,95(1977)〕,pBR32
5〔ジーン,4,121(1978)〕,pUC12〔ジーン,19,,259
(1982)〕,pUC13〔ジーン,19,259(1982)〕、枯草菌
由来のpUB110〔バイオケミカル・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーョン(Biochemical and Biophysi
cal Research Communication),112,678(1983)〕な
どが挙げられるが、その他のものであっても、宿主内で
複製増殖されるものであれば、いずれをも用いることが
できる。またcDNAを組み込むファージベクターとして
は、たとえばλgt11〔ヤング及びデーヴィス(Young,
R.,and Davis,R.,)プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・
ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.),8
0,1194(1983)〕などが挙げられるが、その他のもので
あっても宿主内で増殖できるものであれば用いることが
できる。
プラスミドに組み込み方法としては、たとえば、ティ
ー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning)コールド・スプリン
グ・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor La
−boratory),第239頁(1982)に記載の方法などが挙
げられる。またファージベクターにcDNAを組み込む方法
としては、たとえばヒューン(Hyunh,T.V.)らの方法
〔ディー・エヌ・エー クローニング ア プラクティ
カル アプローチ(DNA Cloning,A Practical Approac
h),49(1985)〕などが挙げられる。
このようにして得られたプラスミドは、適当な宿主た
とえばエシェリキア(Escherichia)属菌,バチルス(B
acillus)属菌などに導入する。
上記エシェリキア属菌の例としては、エシェリキア・
コリ(Escherichia coli)K12DH1〔プロシージング・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)60,160(1968)〕,M103
〔ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acid
s Research),9,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molec
ular Biology)〕,120,517(1978)〕,HB101〔ジャー
ナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー41,459(196
9)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),39,440
(1954)〕などが挙げられる。
上記バチルス属菌としては、たとえばバチルス・サチ
リス(Bacillus subtilis)MI114(ジーン,24,255(19
83)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリ
ー(Journal of Biochemistry)95,87(1984)〕などが
挙げられる。
プラスミドで宿主を形質転換する方法としては、たと
えばティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning),コールド
・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratory),第249頁(1982)に記載のカルシ
ウムクロライド法あるいはカルシウムクロライド/ルビ
ジウムクロライド法などが挙げられる。
またファージ・ベクターを用いる場合には、たとえば
増殖させた大腸菌にインビトロパッケージング法に用い
て導入することができる。
ラット・エンドセリンcDNAを含有するラット・CDNAラ
イブラリーは上記の方法などで得ることが出来るが、市
販品として購入することも可能であり、例えばラツトの
cDNAライブラリーはクローンテックラボラトリーズ(Cl
ontech Laboratories,Inc.,米国)から入手することが
できる。
ラット・DNAライブラリーからラット・エンドセリンD
NAをクローニングする方法としては、例えばファージベ
クターλcharon4Aとブタ・エンドセリンのアミノ酸配列
に基づいて化学合成したオリゴヌクレオチドをプローブ
として用いたプラークハイブリダイゼーション法〔ティ
ー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning)コールド・スプリン
グ・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor La
−boratory),(1982)〕などが挙げられる。
このようにしてクローン化されたラット・エンドセリ
ンDNAは必要があればプラスミド、例えばpBR322,pUC12,
pUC13,pUC18,pUC19,pUC118,pUC119などにサブクローニ
ングしてラット・エンドセリンDNAを得ることができ
る。
このようにして得られたDNAの塩基配列を、たとえば
マキサム・ギルバート(Maxam−Gilbert)法〔Maxam,A.
M.and Gilbert,w.,プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・
ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.),7
4,560(1977)〕あるいはジデオキシ法〔Messing,J.
ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acid
s Research)9,309(1981)〕によって決定し、既知の
アミノ酸配列との比較からラット・エンドセリンDNAの
存在を確認する。
以上のようにして、ラット・エンドセリンをコードす
るDNA(ラット・エンドセリンDNA)(式I)が得られ
る。
後述の実施例1で得られたラット・エンドセリンをコ
ードするDNAを含むDNAの制限酵素断片地図を第1図に示
す。またジデオキシ法で決定したDNAの塩基配列を、そ
の塩基配列から判明したアミノ酸配列を第2図に示す。
上記のようにしてクローン化されたラット・エンドセ
リンをコードするDNAを目的によりそのまま、または所
望により制限酵素で消化して使用することが出来る。
クローン化されたDNAから発現させたい領域を切り出
し、発現に適したビークル(ベクター)中のプロモータ
ーの下流に連結して発現型ベクターを得ることができ
る。
該DNAはその5′末端に翻訳開始コドンとしてのATGを
有し、また3′末端には翻訳終止コドンとしてのTAA,TG
AまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コド
ンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用
いて付加することもできる。さらに該DNAを発現させる
にはその上流にプロモーターを接続する。
ベクターとしては、上記の大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13),枯草菌由来プラ
スミド(例、pUB110,pTP5,pC194),酵母由来プラスミ
ド(例、pSH19,pSH15),あるいはλファージなどのバ
クテリオファージおよびレトロウィルス、ワクシニアウ
ィルスなどの動物ウィルスなどが挙げられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の
発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであれ
ばいかなるものでもよい。
形質転換する際の宿主がエシェリキア属菌である場合
は、trpプロモーター,lacプロモーター,recAプロモータ
ー,λPLプロモーター,lppプロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター,SPO2プ
ロモーター,penPプロモーターなど、宿主が酵母である
場合は、PHO5プロモーター,PGKプロモーター,GAPプロモ
ーター,ADHプロモーターなどが好ましい。とりわけ宿主
がエシェリキア属菌でプロモーターがtrpプロモーター
またはλPLプロモーターであることが好ましい。
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモー
ター、レトロウィルスのプロモーター、メタロチオネイ
ンプロモーター、ヒートショックプロモーターなどがそ
れぞれ利用できる。
なお、発現にエンハンサーの利用も効果的である。
このようにして構築されたラット・エンドセリンの成
熟ペプチド(エンドセリン)をコードするDNAを含有す
るベクターを用いて、形質転換体を製造する。
宿主としては、たとえばエシェリキア属菌、バチルス
属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌、バチルス属菌の具体例として
は、前記したものと同様のものが挙げられる。
上記酵母としては、たとえばサッカロマイセスセレビ
シエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87−1
1A,DKD−5Dなどが挙げられる。
動物細胞としては、たとえばサル細胞COS−7,Vero,チ
ャイニーズハムスター細胞CHO,マウスL細胞,ヒトFL細
胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌を形質転換するには、たとえば
プロシージング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),69,211
0(1972)やジーン,17,107(1982)などに記載の方法
に従って行なわれる。
バチルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュ
ラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecu
lar & General Genetics),168,111(1979)などに記
載の方法に従って行なわれる。
酵母を形質転換するには、たとえばプロシージング・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),75,1929(1978)に記載
の方法に従って行なわれる。
動物細胞を形質転換するには、たとえばヴィロロジー
(Virology)52,456(1973)に記載の方法に従って行な
われる。
このようにして、ラット・エンドセリン成熟ペプチド
(エンドセリン)をコードするDNAを含有する発現ベク
ターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がエシェリキア属菌、バチルス属菌である形質転
換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体
培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必
要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられ
る。炭素源としては、たとえばグルコース、デキストリ
ン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえ
ばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカ
ー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイシ
ョ抽出液などの無機または有機物質、無機物としてはた
とえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化
マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母、ビタミン
類、生長促進因子などを添加してもよい。
培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリキア属菌を培養する際の培地としては、例え
ばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Mill
er),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モ
レキュラー・ジェネティックス(Journal of Experimen
ts in Molecular Genetics),431−433,Cold Spring Ha
rbor Laboratory,New York 1972〕が好ましい。ここに
必要によりプロモーター効率よく働かせるために、たと
えば3β−インドリル アクリル酸のような薬剤を加え
ることができる。
宿主がエシェリキア属菌の場合、培養は通常約15〜43
℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加え
ることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で
約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えるこ
ともできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培
地〔Bostian,K.L.ら、「プロシージング・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.
Acad.Sci.USA)77,4505(1980)〕が挙げられる。培地
のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養を通常約
25℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹
拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地
としては、たとえば約5〜20%の胎児牛血際を含むMEM
培地〔サイエンス(Science)122,501(1952)〕,DMEM
培地〔ヴィロロジー(Virology),,396(1959)〕,R
PMI1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Jounal of the Amer
ican Medical Association)199,519(1967)〕,199培
地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー
・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of th
e Society for the Biological Medicine)73,1(195
0)〕などが挙げられる。pHは約6〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行い、必
要に応じて通気や撹拌を加える。
上記培養物からラット・エンドセリンの成熟ペプチド
(エンドセリン)を分離精製するには、例えば下記の方
法により行なうことができる。
ラット・エンドセリンの成熟ペプチド(エンドセリ
ン)を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、
培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを
適当を緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/ま
たは凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊した
のち、遠心分離やろ過によりラット・エンドセリンの成
熟ペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用い得る。
緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのたんぱく変性
剤や、トリトンX−100などの界面活性剤が含まれてい
てもよい。
培養液中にラット・エンドセリン前駆体たんぱくや成
熟ペプチドが分泌される場合には、培養終了後、それ自
体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上
清を集める。このようにして得られた培養上清、あるい
は抽出液中に含まれるラット・エンドセリン前駆体たん
ぱくや成熟ペプチドは、自体公知の分離・精製法を適切
に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分
離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を
利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およ
びSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主と
して分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグ
ラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティ
ークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方
法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差
を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を
利用する方法などが挙げられる。
かくして生成するラット・エンドセリン前駆体たんぱ
くや成熟ペプチドは特異抗体を用いたエンザイムイムノ
アッセイなどにより測定することができる。また生成物
に血管収縮活性がある場合は、該活性を指標にして測定
することもできる。
作用・効果 本発明のDNAでDNA感染または形質転換した菌体や細胞
では、大量のラット・エンドセリン成熟ペプチドを産生
せしめることができ、ラット・エンドセリン成熟ペプチ
ド生産を有利に導くことができる。
ここに製造されるラット・エンドセリン成熟ペプチド
は生体、特に人間の血管収縮反応のメカニズムの解析や
血管収縮因子のアンタゴニストの解明の手掛かりを与え
るのみならず、低血圧治療剤や局所血管収縮剤としても
利用することができる。
以上、ラット・エンドセリンをコードするDNAのクロ
ーニング、ラット・エンドセリン成熟ペプチドの発現ベ
クターの作製と、それらによる形質転換体の製造、該形
質転換体を用いたラット・エンドセリン成熟ペプチドの
製造及びその有用性等について詳細に述べた。
本発明明細書および図面において、塩基やアミノ酸な
どを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Bi
ochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものであり、その例を下記す
る。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、
特に明示しなければL−体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸 cDNA:相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA:メッセンジャーリボ核酸 dATP:デオキシアデノシン三リン酸 dTTP:デオキシチミジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸 dCTP:デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニールアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはG :グルタミン なお、本発明のラット・エンドセリン成熟ペプチドに
おいては、そのアミノ酸配列の一部が修飾(付加、除
去、その他のアミノ酸への置換など)されていてもよ
い。
実施例 以下の参考例および実施例により本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
後述の実施例で得られた形質転換体Escherichia coli
XL−1/pgr ET1Iは昭和63年6月30日から財団法人発酵
研究所(IFO)に受託番号IFO 14765として寄託され、ま
た本形質転換体は昭和63年7月16日から通商産業省工業
技術院 微生物工業技術研究所(FRI)にブタペスト条
約に基き受託番号FERM BP−1960として寄託され保管さ
れている。
参考例 (1)血管平滑筋収縮作用のアッセイ法 内皮を綿棒による擦過にて除去したラット右冠状静脈
スパイラル標本(2×20mm)を炭酸ガスと酸素の混合ガ
ス(5:95、V/V)で飽和した37℃のクレブス−リンゲル
液(3ml)中に懸垂する。刺激前張力(basal tension)
を1gに設定したのち、張力トランスデューサーで等尺性
張力を測定する。
(2)強心作用のアッセイ法 前記(1)のアッセイ法で用いたラット右冠状動脈ス
パイラル標本のかわりにラットの右心房の懸垂標本を使
用し、(1)と同じ操作を行って張力および毎分の心脈
数を測定する。
実施例1 ブタ・エンドセリンの一部をコードするDNA
プローブの作製 ブタ・エンドセリンの7〜20残基目のアミノ酸配列 から予想されるメッセンジャーRNAの配列を推定し、次
のような配列を持つ、DNAのプローブを化学合成した。
このDNAプローブをアニーリングした後5′端をT4ポ
リヌクレオチドキナーゼを用いて32P−りん酸化し、DNA
ライブラリのスクリーニングに用いた。
実施例2 ラット・エンドセリンDNAの単離とその塩基
配列の決定 大腸菌Y1090に前述のラットDNAライブラリー(Clonte
ch Laboratories,Inc.製)を感染させてプレーティング
し、ファージプラークを出現せしめた。ベントンとデイ
ビス(Benton,W.,Davis,R.)の報告〔サイエンス(Scie
nce)196,180−182(1977)〕に従ってプラークDNAの一
部をニトロセルロース膜にうつしとり、32Pで標識した
前項のDNAプローブとプラークハイブリダイゼーション
を行なった。ハイブリダイゼーションは、ホルムアミド
非存在下、55℃で行なった。ハイブリダイゼーション陽
性の1個のクローンを単離し、そのうちのひとつである
grET1のPvu II DNA部分を切り出してプラスミドpUC118/
119のPvu II部位にリクローニングし、プラスミドpgrET
1Iを作製した。このプラスミドで大腸菌XL−1を形質転
換し、形質転換体Escherichiacoli XL−1/pgrET1Iを得
た。このプラスミドに含まれるDNA部分は1.4Kbpであり
このDNA断片を含むDNAの簡単な制限酵素地図を第1図に
示した。図中の区域は以下のものを示す。
■:ラット・エンドセリン成熟体コード域 このcDNA部分の塩基配列をサンガー(Sanger)の方法
〔プロシージング オブ ナショナル アカデミー オ
ブ サイエンス(Proc.Nat.Acad.Sci.USA)74,5463−54
67(1977)〕によって決定した。この塩基配列、および
それより推定されるラット・エンドセリンのアミノ酸配
列を第2図に示した。
で囲った領域が、ラット・エンドセリン成熟ペプチド部
である。
【図面の簡単な説明】
第1図はラット・エンドセリン前駆体や成熟ペプチドDN
Aを含むDNAの簡単な制限酵素地図である。 第2図はラット・エンドセリン前駆体や成熟ペプチドDN
Aの塩基配列およびそれより推定されるラット・エンド
セリン前駆体の一部や成熟ペプチドのアミノ酸配列を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 38/00 AER A61K 37/02 AER (C12N 1/21 C12R 1:19) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/00 - 14/825 C12N 1/00 - 5/28 C12P 21/00 - 21/08 A61K 38/00 - 38/58 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenBank/DDBJ/EMBL

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trpで表されるペプチ
    ドをコードするDNAを含有するDNA。
  2. 【請求項2】ペプチドをコードするDNAが塩基配列 TGC ACG TGC TTC ACT TAT AAG GAC AAG GAG TGT GTC TA
    C TAC TGC CAC CTG GAC ATC ATC TGGで表される請求項
    1記載のDNA。
  3. 【請求項3】ペプチドをコードするDNAが式〔I〕の塩
    基配列で表わされる、請求項1記載のDAN。
  4. 【請求項4】アミノ酸配列 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Ty
    r Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trpで表されるペプチ
    ド。
  5. 【請求項5】その前駆体が式〔II〕のアミノ酸配列で表
    される請求項4記載の蛋白質。
  6. 【請求項6】請求項1のDNAを保持する形質転換体。
  7. 【請求項7】請求項6の形質転換体を培養し、培養物中
    にアミノ酸配列Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys
    Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His Leu Asp Ile Ile Trpで
    表されるペプチドを生成蓄積せしめ、これを採取するこ
    とを特徴とする該ペプチドの製造方法。
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Nature,Vol.332,(31 March 1988),p.411〜415

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