JP3007361B2 - Dnaおよびその用途 - Google Patents

Dnaおよびその用途

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JP3007361B2 JP27499089A JP27499089A JP3007361B2 JP 3007361 B2 JP3007361 B2 JP 3007361B2 JP 27499089 A JP27499089 A JP 27499089A JP 27499089 A JP27499089 A JP 27499089A JP 3007361 B2 JP3007361 B2 JP 3007361B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒト血管収縮ペプチドたるエンドセリン−2
をコードするDNAを含有するDNA、エンドセリン−2の前
駆体蛋白質(前駆体ポリペプチドともいう)および成熟
蛋白質(成熟ポリペプチドともいう)、該前駆体蛋白質
と成熟蛋白質〔エンドセリン−2〕の製造方法に関し、
またヒト・エンドセリン−3をコードするDNAを含有す
るDNA、ヒト・エンドセリン−3の前駆体蛋白質および
エンドセリン−3の製造方法に関する。
本明細書において、前駆体蛋白質とは、成熟ペプチド
のアミノ酸配列を持ち、かつそのN末端側もしくはC末
端側、またはその両方に該ペプチドDNAによってコード
されるアミノ酸配列の一部又は全部を持つような蛋白質
をさす。
〔従来の技術〕
内皮依存性の血管拡張反応とならんで、種々の刺激に
対する内皮依存性の血管収縮反応が報告されている。血
管の伸張や内圧の亢進といった機械的負荷による収縮、
トロンビンによる収縮、血中酸素の減少による収縮、さ
らにはニューロペプチドY〔プロシーディングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オ
ブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.
A.),79,5485(1982);同,81,4577(1984)〕による
ノルアドレナリン収縮の増強などがその例である。アメ
リカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Amer.J.P
hysiol.),248,C550(1985)およびジャーナル・オブ・
セル・フィジオロジー(J.Cell Physiol.),132,263
(1987)には内皮細胞由来の冠血管収縮因子(分子量は
それぞれ8,500,3,000)が記載されているが構造は不明
である。また、ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・
アンド・エクスペリメンタル・セラビューティクス(J.
Pharmacl.Exp.Ther.)236,339(1985)にも内皮細胞由
来のペプチド様物質が記載されているが、これも構造は
不明である。
一方、血管収縮作用を有するペプチドとしてバソプレ
ッシン(Vasopressin)が知られていて、そのアミノ酸
配列も明確にされているが、バソプレッシンが哺乳類ま
たは鳥類の血管内皮細胞をオリジンとして得られたとい
う報告はない。また、血管収縮作用を有するアンジオテ
ンシン(Angiotensin)がウシ大動脈の内皮細胞から得
られるという報告〔サーキュレーション・リサーチ(Ci
rculation Research),60,422(1987)〕があるが、ア
ンジオテンシンは分子量約1,000のペプチドである。
また本発明者等の一部は同様の血管収縮作用を有する
ペプチドとして、先にブタ大動脈内皮細胞よりブタ・エ
ンドセリンを単離することに成功し(特開平1−206997
号)、また本発明者等の一部はヒト・エンドセリンの単
離、ブタ・エンドセリンおよびヒト・エンドセリンの相
補DNAのクローニングにも成功している(特願昭62−275
613号、同62−313155号、同63−148158号および同63−2
74454号)。このブタおよびヒト・エンドセリンの成熟
ポリペプチドのアミノ酸配列は同一で、これをエンドセ
リン−1と呼ぶ。
更に、本出願人は、ラット・エンドセリンの単離、相
補のDNAのクローニングについても出願を行っており
(特願昭63−174935号、および特願昭63−188083号)、
これをエンドセリン−3と呼ぶ。
更に本出願人はマウス・エンドセリンの単離、相補DN
Aのクローニングについても出願を行っており(特願昭6
3−223389号)、これをエンドセリンBと呼ぶ。
これらエンドセリン−1,B,−3のアミノ酸配列につい
ては、第3図にそれらを比較して示す。
なお、ここでエンドセリンは総称して、分子量2500±
300で、アミノ酸21個からなるペプチドであり、そのア
ミノ酸配列のN末端から数えで第1番目、第3番目、第
11番目、第15番目に位置する4個のCysが2組のS−S
結合を形成している構造を有するものである。このジス
ルフィド結合の組合せとしては、1−15、3−11の組合
せ、および1−11、3−15の組合せがあるが、前者の組
合せのものの方が生成の割合が高く、また活性も高い。
なお、これまで各種エンドセリンについては種々の呼
び方がされていたが、今回この呼び方を統一したもの
で、以下に従来の呼び方と比較して示す。 本発明 従来 エンドセリン−1 エンドセリンA (ヒト・エンドセリン, ブタ・エンドセリン) エンドセリンα エンドセリン−B エンドセリンB エンドセリンβ マウス・エンドセリン エンドセリン−3 エンドセリンC エンドセリンγ ラット・エンドセリン 〔発明が解決しようとする課題〕 上記のように、各種動物より相同型のエンドセリンが
見出されているが同一動物種からの新規な相同型遺伝子
は見出されていない。そこで更に新規な相同型エンドセ
リンを検索し、それらエンドセリンの構造、及び活性等
の研究を深め、それらの有用性について検討すること、
及び該新規ペプチドを遺伝子組み換え技術によりクロー
ニングし、大量生産の道を拓くことが現在の課題であ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記血管収縮作用を有するエンドセリン
の新規相同型遺伝子を採取し、しかもそれを遺伝子組み
換え技術によつて製造することができれば、今後の研
究、治療に多大な効果を奏することができると考え、研
究を重ねた結果、次のような知見を得、本発明に到達し
たものである。
即ち、本発明者らは先に出願したヒト・エンドセリン
の一部をコードする合成DNAをプローブとして使用し
て、ヒトゲノムDNAライブラリーから、先のエンドセリ
ン−1〔ヒト・エンドセリン(エンドセリンA)〕とは
異なるアミノ酸配列をもつエンドセリンをコードするDN
Aをクローニングすることに成功した。その結果、これ
らを遺伝子組み換え技術によって大量に生産する道を拓
くことに成功したものである。本発明者等はこの新規な
アミノ酸配列のヒト・エンドセリンをエンドセリン−2
(ヒト・エンドセリンA−IIと呼ぶこともある)と命名
した。
更に本発明者等は上記のクローニングにおいて、前記
エンドセリン−3〔ラット・エンドセリン(エンドセリ
ンC)〕と成熟部分のアミノ酸配列は同一であるもの
の、それをコードする塩基配列が異なり、また前駆体と
してはアミノ酸配列の異なるエンドセリンを見出し、該
DNAをヒト・エンドセリン−3DNA、前駆体をヒト・エン
ドセリン−3前駆体蛋白質と名づけた。
本発明は(1)エンドセリン−2をコードするDNAを
含有するDNA、(2)エンドセリン−2の前駆体蛋白質
および成熟ペプチド、(3)エンドセリン−2をコード
するDNAを含有するDNAを保持する形質転換体、および
(4)上記(3)の形質転換体の培養、培養物中への蛋
白質の生産蓄積、採取を包含する成熟エンドセリン−2
の製造方法に関するものであり、更に(5)ヒト・エン
ドセリン−3をコードするDNAを含有するDNA、(6)エ
ンドセリン−3前駆体、(7)エンドセリン−3をコー
ドするDNAを含有するDNAを保持する形質転換体、および
(8)上記(7)の形質転換体の培養、培養物中への蛋
白質の生産蓄積、採取を包含する成熟エンドセリン−3
の製造方法に関するものである。本発明のエンドセリン
−2前駆体は式2のアミノ酸配列を有するものである。
本発明の、ヒト由来の成熟エンドセリン−1に相当す
る、21個のペプチドたる成熟エンドセリン−2は〔式
2〕の12〜32番目のアミノ酸配列からなるもので、これ
は即ち、〔式2′〕で表わされるものであり、 上記式中のアミノ酸配列の番号は成熟エンドセリン−2
のアミノ酸配列に関して第1番のCysから番号をつけた
ものであり、前駆体エンドセリン−2の番号とは異な
る。
上記式中、アンダーラインを施したアミノ酸がエンド
セリンAと異なるもので、エンドセリン−1の に代って、エンドセリン−2では なるアミノ酸を有している。
またDNA配列については、本発明のエンドセリン−2
をコードするDNAは〔式1〕の塩基配列を含有するもの
であるかあるいはその一部であり、このものは公知のエ
ンドセリン−1,−3のDNA配列とは第2図に示すように
大巾に異なっている。
また本発明のヒト・エンドセリン−3をコードするDN
Aは〔式3〕の塩基配列を含有するものであるか或いは
その一部であり、これも公知のものとは異なる新規なも
のである事は第2図に示す通りである。
成熟ペプチドに関する部分(式1,3のNo.34〜96に当
る)についても公知のエンドセリンのDNAとは異なって
おり、本発明のDNAは新規なものである。
本発明のヒト・エンドセリン−3前駆体は式(4)の
アミノ酸配列を有し、このものは第2図からも判るよう
にラット・エンドセリン−3前駆体とは異なるアミノ酸
配列を有する新規なものである。
本発明のエンドセリン−2成熟ペプチド(エンドセリ
ン−2)をコードするDNAとしては、エンドセリン−2
成熟ペプチドのアミノ酸配列(式2の12〜32)コードす
る塩基配列を含有するものであればいかなるものであっ
てもよいが、たとえば〔式1〕の塩基配列を含有するDN
Aあるいはその一部のDNAであることが好ましい。
〔式1〕の塩基配列は本発明で得られたエンドセリン
−2DNA配列であり、〔式2′〕の成熟エンドセリン−2
アミノ酸をコードする塩基配列の一例としては〔式1〕
のNo.34〜96で表わされるものが挙げられる。
本発明方法におけるエンドセリン−2の成熟エンドセ
リン−2をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
発現型ベクターは、例えば、(i)エンドセリン−2産
生細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、(i
i)該mRNAから単鎖の相補DNA(cDNA)を、次いで二重鎖
DNAを合成し、(iii)該相補DNAをファージまたはプラ
スミドに組み込み、、(iv)得られた組み換えファージ
またはプラスミドで宿主を形質転換し、(v)得られた
形質転換体を培養後、形質転換体から適当な方法、例え
ばエンドセリン−2の一部をコードするDNAプローブと
のハイブリダイゼーションにより、あるいは抗エンドセ
リン−2抗体を用いたイムノアッセイ法により目的とす
るDNAを含有するファージあるいはプラスミドを単離
し、(vi)その組み換えDNAから目的とするクローン化D
NAを切り出し、(vii)該クローン化DNAまたはその一部
を発現ベクター中のプロモーターの下流に連結する、こ
とにより製造することができる。
エンドセリン−2をコードするmRNAは、種々のエンド
セリン産生細胞、例えばヒト大動脈内皮細胞、ヒト胎盤
などから得る事ができる。
エンドセリン−2産生細胞からRNAを調製する方法と
しては、グアニジンチオシアネート法〔(ジェー・エム
・チルグウィン(J.M..Chirgwin)ら、バイオケミスト
リー(Bio−chemistry),18,5294(1979)〕などが挙
げられる。
このようにして得られたmRNAを鋳型とし、逆転写酵素
を用いて、例えば岡山(H.Okayama)らの方法〔モレキ
ュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular
and Cellular Biology)2,161(1982)および同誌3,280
(1983)〕に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラス
ミドに組み込む。
cDNAを組み込むプラスミドとしては、たとえば大腸菌
由来のpBR322〔ジーン(gene),2,95(1977)〕,pBR32
5〔ジーン,4,121(1978)〕,pUC12〔ジーン,19,259
(1982)〕,pUC13〔ジーン,19,259(1982)〕、枯草菌
由来のpUB110〔バイオケミカル・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーション(Biochemical and Biophy
sical Research Communication),112,678(1983)〕
などが挙げられるが、その他のものであっても、宿主内
で複製増殖されるものであれば、いずれをも用いること
ができる。またcDNAを組み込むファージベクターとして
は、たとえばλgt11〔ヤング及びデーヴィス(Young,
R.,and Davis,R.,)プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・
ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.),8
0,1194(1983)〕などが挙げられるが、その他のもので
あっても宿主内で増殖できるものであれば用いることが
できる。
プラスミドに組み込む方法としては、たとえば、ティ
ー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning)コールド・スプリン
グ・ハバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor La−b
oratory),第239頁(1982)に記載の方法などが挙げら
れる。またファージベクターにcDNAを組み込む方法とし
ては、たとえばヒューン(Hyunh,T.V.)らの方法〔ディ
ー・エヌ・エー クローニング ア プラクティカル
アプローチ(DNA Cloning,A Practical Approach),4
9(1985)〕などが挙げられる。
このようにして得られたプラスミドは、適当な宿主た
とえばエシェリキア(Escherichia)属菌,バチルス(B
acillus)属菌などに導入する。
上記エシェリキア属菌の例としては、エシェリキア・
コリ(Escherichia coli)K12DH1〔プロシージング・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)60,160(1968)〕,M103
〔ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acid
s Research),9,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molec
ular Biology)〕,120,517(1978)〕,HB101〔ジャー
ナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー41,459(196
9)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),39,440
(1954)〕などが挙げられる。
上記バチルス属菌としては、たとえばバチルス・サチ
リス(Bacillus subtilis)MI114(ジーン,24,255(1
983)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミスト
リー(Journal of Biochemistry)95,87(1984)〕など
が挙げられる。
プラスミドで宿主を形質転換する方法としては、たと
えばティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning),コールド
・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratory),第249頁(1982)に記載のカルシ
ウムクロライド法あるいはカルシウムクロライド/ルビ
ジウムクロライド法などが挙げられる。
またファージ・ベクターを用いる場合には、たとえば
増殖させた大腸菌にインビトロパッケージング法を用い
て導入することができる。
エンドセリン−2cDNAを含有するヒト・cDNAライブラ
リーは上記の方法などで得ることが出来るが、市販品と
して購入することも可能であり、例えばヒトのcDNAライ
ブラリーはクローンテックラボラトリーズ(Clontech L
aboratories,Inc.,米国)から入手することができる。
ヒト・DNAライブラリーからエンドセリン−2DNAをク
ローニングする方法としては、例えばファージベクター
λcharon4Aとエンドセリン−2のアミノ酸配列に基づい
て化学合成したオリゴヌクレオチドをプローブとして用
いたプラークハイブリダイゼーション法〔ティー・マニ
アティス(T.Maniatis)ら,モレキュラー・クローニン
グ(Molecular Clonig)コールド・スクリング・ハーバ
ー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor La−borator
y),(1982)〕などが挙げられる。このようにしてク
ローン化されたエンドセリン−2DNAは必要があればプラ
スミド、例えばpBR322,pUC2,pUC13,pUC18,pUC19,pUC11
8,pUC119などにサブクローニングしてエンドセリン−2D
NAを得ることができる。
このようにして得られたDNAの塩基配列を、たとえば
マキサム・ギルバート(Maxam−Gilbert)法〔Maxam,A.
M.and Gilbert,w.,プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・
ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.),7
4,560(1977)〕あるいはジデオキシ法〔Messing,J.
ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acid
s Research)9,309(1981)〕によって決定し、既知の
アミノ酸配列との比較からエンドセリン−2DNAの存在を
確認する。
以上のようにして、エンドセリン−2をコードするDN
A(エンドセリン−2DNA)〔式1〕が得られる。
後述の実施例2で得られたエンドセリン−2をコード
するDNAを含むDNAおよびエンドセリン−3DNAを含むDNA
の制限酵素断片地図を第1図に示す。またジデオキシ法
で決定したDNAの塩基配列を第2図に、その塩基配列か
ら判明したアミノ酸配列を第3図に示す。
上記のようにしてクローン化されたエンドセリン−2
をコードするDNAは目的によりそのまま、または所望に
より制限酵素で消化して使用することが出来る。
クローン化されたDNAから発現させたい領域を切り出
し、発現に適したビークル(ベクター)中のプロモータ
ーの下流に連結して発現型ベクターを得ることができ
る。
該DNAはその5′末端に翻訳開始コドンとしてのATGを
有し、また3′末端には翻訳終止コドンとしてのTAA,TG
AまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コド
ンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用
いて付加することもできる。さらに該DNAを発現させる
にはその上流にプロモーターを接続する。
ベクターとしては、上記の大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13),枯草菌由来プラ
スミド(例、pUB110,pTP5,pC194),酵母由来プラスミ
ド(例、pSH19,pSH15),あるいはλファージなどのバ
クテリオファージおよびレトロウィルス、ワクシニアウ
ィルスなどの動物ウィルスなどが挙げられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の
発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであれ
ばいかなるものでもよい。
形質転換する際の宿主がエシェリキア属菌である場合
は、trpプロモーター,lacプロモーター,recAプロモータ
ー,λPLプロモーター,lppプロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター,SPO2プ
ロモーター,penPプロモーターなど、宿主が酵母である
場合は、PHO5プロモーター,PGKプロモーター,GAPプロモ
ーター,ADHプロモーターなどが好ましい。とりわけ宿主
がエシェリキア属菌でプロモーターがtrpプロモーター
またはλPLプロモーターであることが好ましい。
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモー
ター、レトロウィルスのプロモーター、メタロチオイン
プロモーター、ヒートショックプロモーターなどがそれ
ぞれ利用できる。
なお、発現にエンハンサーの利用も効果的である。
このようにして構築されたエンドセリン−2の成熟ペ
プチド(エンドセリン−2)をコードするDNAを含有す
るベクターを用いて、形質転換体を製造する。
宿主としては、たとえばエシェリキア属菌、バチルス
属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌、バチルス属菌の具体例として
は、前記したものと同様のものが挙げられる。
上記酵母としては、たとえばサッカロマイセスセレビ
シエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87−1
1A,DKD−5Dなどが挙げられる。
動物細胞としては、たとえばサル細胞COS−7,Vero,チ
ャイニーズハムスター細胞CHO,マウスL細胞,ヒトFL細
胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌を形質転換するには、たとえば
プロシージング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),69,211
0(1972)やジーン,17,107(1982)などに記載の方法
に従って行なわれる。
バチルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュ
ラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecu
lar & General Genetics),168,111(1979)などに記
載の方法に従って行なわれる。
酵母を形質転換するには、たとえばプロシージング・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),751929(1978)に記載の
方法に従って行なわれる。
動物細胞を形質転換するには、たとえばヴィロロジー
(Virology)52,456(1973)に記載の方法に従って行な
われる。
このようにして、エンドセリン−2成熟ペプチド(エ
ンドセリン−2)をコードするDNAを含有する発現ベク
ターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がエシェリキア属菌、バチルス属菌である形質転
換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体
培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必
要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられ
る。炭素源としては、たとえばグルコース、デキストリ
ン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえ
ばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカ
ー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイシ
ョ抽出液などの無機または有機物質、無機物としてはた
とえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化
マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母、ビタミン
類、生長促進因子などを添加してもよい。
培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリキア属菌を培養する際の培地としては、例え
ばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Mill
er),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モ
レキュラー・ジェネティックス(Journal of Experimen
ts in Moleculer Genetics),431−433,Cold Spring Ha
rbor Laboratory,New York 1972〕が好ましい。ここに
必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、た
とえば3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加え
ることができる。
宿主がエシェリキア属菌の場合、培養は通常約15〜43
℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や攪拌を加え
ることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で
約6〜24時間行ない、必要により通気や攪拌を加えるこ
ともできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培
地〔Bostian,K.L.ら、「プロシージング.オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.
Acad.Sci.USA)77,4505(1980)〕が挙げられる。培地
のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約
20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や攪
拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地
としては、たとえば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science)122,501(1952)〕,DMEM
培地〔ヴィロロジー(Virology),,396(1959)〕,R
PMI1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Jounal of the Amer
ican medical Association)199,519(1967)〕,199培
地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー
・ザ・バイオロジカル・メディスン(Pro−ceeding of
the Society for the Biological Medicine)73,1(195
0)〕などが挙げられる。pHは約6〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約30〜40℃で約15〜60時間行い、必要
に応じて通気や攪拌を加える。
上記培養物からエンドセリン−2の成熟ペプチド(エ
ンドセリン−2)を分離精製するには、例えば下記の方
法により行なうことができる。
エンドセリン−2の成熟ペプチドを培養菌体あるいは
細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌
体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、
超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによっ
て菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過に
よりヒト・エンドセリンA−IIの成熟ペプチドの粗抽出
液を得る方法などが適宜用い得る。緩衝液の中に尿素や
演算グアニジンなどのたんぱく変性剤や、トリトンX−
100などな界面活性剤が含まれていてもよい。
培養液中にエンドセリン−2前駆体たんぱくや成熟ペ
プチドが分泌される場合には、培養終了後、それ自体公
知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を
集める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽
出液中に含まれるエンドセリン−2前駆体たんぱくや成
熟ペプチドは、自体公知の分離・精製法を適切に組み合
わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製
法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する
方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子
量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー
などの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマ
トグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相
高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用す
る方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する
方法などが挙げられる。
かくして生成するエンドセリン−2前駆体たんぱくや
成熟ペプチドは特異抗体を用いたエンザイムイムノアッ
セイなどにより測定することができる。また生成物に血
管収縮活性がある場合は、該活性を指標にして測定する
こともできる。
なお、以上エンドセリン−2について詳しく述べた
が、エンドセリン−3についても同様のことが言える。
〔作用・効果〕
本発明のDNAでDNA感染または形質転換した菌体や細胞
では、大量のエンドセリン−2やエンドセリン−3成熟
ペプチドを産生せしめることができ、これらのペプチド
生産を有利に導くことができる。
ここに製造されるエンドセリン−2成熟ペプチド、エ
ンドセリン−3は他のエンドセリン同様、低血圧治療剤
や局所血管収縮剤としても利用することができるのみな
らず、生体の血管収縮反応のメカニズムの解析や血管収
縮因子のアンタゴニストの解明の手掛かりを与えるもの
である。なお血管収縮性については、エンドセリン−2
の活性が高く、例えば従来のエンドセリン2倍の活性を
有する。またこれらのエンドセリンは、血管収縮剤とし
て種々と出血、例えば胃や食道の出血を防止するような
効果を有する。またこのものは種々のショック症状を回
復させる効果をも有する。このペプチドは経口的、局所
的、静注もしくは非経口的に投与することができるが、
局所もしくは静注投与が好ましい。投与量は0.001μg
〜100μg/kg、好ましくは0.01μg〜10μg/kgであり、
体重に応じた投与量を1〜10mlの生理的食塩水中に溶解
して用いる。
本発明のペプチドは該ペプチドおよび副成分を含む乳
剤、水和剤、錠剤、水溶剤、粉剤、粒剤、カプセル剤、
丸剤などの種々の形態に製剤化したものとして使用でき
る。副成分としては、薬理的に許容され得る賦形剤、崩
壊剤、滑沢剤、結合剤、分散剤、可塑剤、充填剤、担体
などが用いられる。これらの副成分の例としては、賦形
剤としては乳糖、ぶどう糖、白糖などが、崩壊剤として
は澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、カルボキシメ
チルセルローズカルシウムなどが、滑沢剤としてはステ
アリン酸マグネシウム、タルク、流動パラフィンなど
が、結合剤としては単シロップ、ゼラチン溶液、エタノ
ール、ポリビニルアルコールなどが、分散剤としてはメ
チルセルロース、エチルセルロース、セラックなどが、
可塑剤としてはグリセリン、澱粉などが挙げられる。
本発明明細書および図面において、塩基やアミノ酸な
どを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Bi
ochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものであり、その例を下記す
る。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、
特に明示しなければL−体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸 cDNA:相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA:メッセンジャーリボ核酸 dATP:デオキシアデノシン三リン酸 dTTP:デオキシチミジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸 dCTP:デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニールアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン なお、本発明のエンドセリン−2成熟ペプチド、エン
ドセリン−3においては、そのアミノ酸配列の一部が修
飾(付加、除去、その他のアミノ酸への置換など)され
ていてもよい。
実施例 以下の参考例および実施例により本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
なお、実施例2で得られた形質転換体Escherichia co
li XL−1/pghET20SG1および実施例3で得られたEscheri
chia coli XL−1/pghET3E1は、昭和63年10月24日から通
商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)に各
々、受託番号FERM BP−2118およびFERM BP−2119とし
て寄託され保管されている。
参考例 (1)血管平滑筋収縮作用のアッセイ法 内皮を注射針による擦過にて除去したブタ右冠状動脈
スパイラル標本(0.5×20mm)を炭酸ガスと酸素の混合
ガス(5:95、V/V)で飽和した37℃のクレブス−リンゲ
ル液(3ml)中に懸垂する。刺激前張力(basal tensio
n)を2gに設定したのち、張力トランスデューサーで等
尺性張力を測定する。
(2)強心作用のアッセイ法 前記(1)のアッセイ法で用いたブタ右冠状動脈スパ
イラル標本のかわりにモルモットの右心房の懸垂標本を
使用し、(1)の同じ操作を行って張力および毎分の心
脈数を測定する。
実施例1 エンドセリン−1〔ブタ・エンドセリン(ヒ
ト・エンドセリンI)〕の一部をコードするDNAプロー
ブの作製 エンドセリン−1(ヒト・エンドセリンI)の7〜20
残基目のアミノ酸配列 から予想されるメッセンジャーRNAの配列を推定し、次
のような配列を持つ、DNAプローブを化学合成した。
このDNAプローブの5′端をT4ポリヌクレオチドキナ
ーゼを用いて〔γ−32P〕ATP−りん酸化し、ゲノムDNA
ライブラリーのスクリーニングに用いた。
実施例2 エンドセリン−2前駆体ゲノムDNAの単離と
その塩基配列の決定 大腸菌Le392に前述のヒトゲノムDNAライブラリー(Cl
ontech Laboratories,Inc.製)を感染させてプレーティ
ングし、ファージプラークを出現せしめた。ベントンと
デイビス(Benton,W.,Davis,R.)の報告〔サイエンス
(Sciencs)196,180−182(1977)〕に従って、プラー
クDNAの一部をナイロン膜にうつしとり、32Pで標識した
前項のDNAプローブとプラークハイブリダイゼーション
を行なった。ハイブリダイゼーションは20%ホルムアミ
ドの存在下、42℃で行ない該膜は0.2×SSC、0.1%SDS中
で20℃で洗浄した。ハイブリダイゼーション陽性のクロ
ーンを単離し、そのうちのひとつであるλghET20の成熟
体コード域をSac Iで切り出してプラスミドpUC118にサ
ブクローニングした。このプラスミドで大腸菌XL−1を
形質転換し、形質転換体エシェリキア・コリXL−1/pghE
T20SG1を得た。このプラスミドに含まれるヒトゲノムDN
A断片の簡単な制限酵素地図を第1図に示した。図中の
区域は以下のものを示す。
■:エンドセリン−2成熟体コード域 この成熟体コード域とその周辺の塩基配列をサンガー
(Sanger)の方法〔プロシージング オブ ザ ナショ
ナル アカデミー オブ サイエンス(Proc.Nat.Acad.
Sci.U.S.A.)74,5463−5467(1977)〕によって決定し
た。この塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配
列を第2図(枠で囲んだ部分が成熟ペプチド部)に示し
た。また第3図にはこのヒト・エンドセリンA−II成熟
ペプチドのアミノ酸配列と共に、先に見出しているエン
ドセリン−1,−3の成熟ペプチドのアミノ酸配列を比較
の為に示してある。
実施例3 エンドセリン−3成熟体コード域の単離とそ
の塩基配列の決定 実施例2と同様にして、ハイブリダイゼーション陽性
のクローンを単離し、そのうちのひとつであるλghET3
の成熟体コード域をEcoR Iで切り出してプラスミドpCU1
18にサブクローニングした。このプラスミドで大腸菌XL
−1を形質転換し、形質転換体エシェリキア・コリXL−
1/pghET3E1を得た。このプラスミドに含まれるヒトゲノ
ムDNA断片の簡単な制限酵素地図を第1図に示した。図
中の区域は以下のものを示す。
■:エンドセリン−3成熟体コード域 この成熟体コード域とその周辺の塩基配列をサンガー
(Sanger)の方法〔プロシージング オブ ザ ナショ
ナル アカデミー オブ サイエンス(Proc.Nat.Acad.
Sci.U.S.A.)74,5463−5467(1977)〕によって決定し
た。この塩基配列およびそれから推定されるアミノ酸配
列を第2図に示した。枠で囲った領域が、エンドセリン
−3成熟ペプチド部である。
実施例4 i)エンドセリン−2合成 市販のBoc−Trp(CHO)−PAM樹脂、(アプライド・バ
イオシステムズ社製)0.7g(0.5m mole)を用い、ペプ
チド合成機(アプライド・バイオシステムズ社製・モデ
ル430A)を使用し、通常の方法により合成した。縮合方
法は、樹脂上のBoc基を塩化メチレン中50%トリフルオ
ロ酢酸で処理し、末端アミノ基を遊離させ、この遊離の
アミノ基にBoc−Ile,Boc−Asp(OBzl),Boc−Leu,Boc−
His(Tos),Boc−Cys(Acm),Boc−Tyr(Br−z),Boc
−Val,Boc−Phe,boc−Glu(OBzl),Boc−Lys(Cl−
Z),Boc−Trp(CHO),Boc−Ser(Bzl)をC末端側より
エンドセリン−2のアミノ酸配列通りに、DCCの存在下
に縮合させる反応をくり返した。
この様にして得られた保護エンドセリン−2樹脂2.53
gのうち890mgをアニソール1ml、1,2−エタンジチオール
1mlで膨張させ、0℃でフッ化水素10mlと60分間処理し
た後、過剰のフッ化水素を減圧留去した。残渣をジエチ
ルエーテル5mlで洗った後、トリフルオロ酢酸に抽出
し、樹脂をろ去した。トリフルオロ酢酸を減圧留去した
のち、50%−酢酸水に溶解し、デキストランゲル(セフ
ァデックスG−50)カラム(2×90cm)に付し、同溶媒
で溶出した主分画を集め凍結乾燥し、180mgの白色粉末
を得た。これの31mgを50%−酢酸水4mlに溶解し、トリ
フルオロ酢酸第二水銀19mgを加え、室温で16時間攪拌し
たのち、n−ブタノール100ml,メタノール50ml,水50ml
を加え希釈し、硫化水素ガスを通じた。これに5%−NH
4OHを加えてpH8に調節したのち、6時間空気酸化に付
し、酢酸を加えpH3としたのち、凍結乾燥した。これを5
0%−酢酸で充填したセファッデックスG−50のカラム
(2×90cm)に付し、主要分画を集め、さらにHPLC(カ
ラム:YMC,溶媒:0.1%−トリフルオロ酢酸水と0.1%−ト
リフルオロ酢酸含有アセトニトリルの直線型濃度勾配溶
出)で分取し目的物1.0mgを得た。
合成エンドセリン−2は、HPLCでエンドセリン−1 4
0.2分に対し、41.4分に溶出された。
カラム条件 Wakosil 5C18(4.6×250mm) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセト
ニトリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速:1.0ml/分 アミノ酸分析値:分析値(合成品中の個数) ここでのS−S結合位置は成熟エンドセリン−2のCys
の番号で示して、1−15,3−11の組合せであった。
(ii)アッセイ 上記(i)で得られたエンドセリン−2の活性が参考
例(1)の方法で測定された。
アッセイ法(1)(ブタ冠状動脈によるアッセイ)に
よるED50は8〜10×10-10モル/であった。
(iii)注射剤の製造 (i)で得られたエンドセリン−2 12μgを生理的食
塩水に溶解し、ミリポアフィルターでろ過、次いで凍結
乾燥した。使用時に静注剤を製造するに当り、上記凍結
乾燥物を生理的食塩水に溶解し、全量を5mlとして注射
剤とした。
【図面の簡単な説明】
第1図はエンドセリン−2前駆体や成熟ペプチドDNAを
含むDNAおよびエンドセリン−3DNAを含むDNAの簡単な制
限酵素地図である。 第2図はエンドセリン−2前駆体や成熟ペプチドDNAの
塩基配列、エンドセリン−3DNAの塩基配列、また比較例
としてのエンドセリン−1,−3の塩基配列を示すと共
に、これらから推定されるアミノ酸配列を併せて示す。 第3図は第2図の塩基配列より推定されるエンドセリン
−2成熟ペプチドのアミノ酸配列、エンドセリン−1,−
3のアミノ酸配列を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GeneSeg

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のアミノ酸配列で表わされるエンドセ
    リン−2をコードするDNAを含有するDNA。
  2. 【請求項2】エンドセリン−2をコードするDNAが〔式
    1〕の塩基配列またはその34〜96番目の塩基配列を含有
    する請求項1記載のDNAを含有するDNA。
  3. 【請求項3】下記のアミノ酸配列で表わされるエンドセ
    リン−2の蛋白質。
  4. 【請求項4】〔式2〕のアミノ酸配列で表されるエンド
    セリン−2の前駆体蛋白質。
  5. 【請求項5】請求項1記載のDNAを含有するDNAを保持す
    る形質転換体。
  6. 【請求項6】請求項5記載の形質転換体を培養し、培養
    物中に下記のアミノ酸配列で表わされるエンドセリン−
    2を生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする
    エンドセリン−2蛋白質の製造方法。
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