JP3034894B2 - 新規dnaおよびその用途 - Google Patents

新規dnaおよびその用途

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JP3034894B2
JP3034894B2 JP02039841A JP3984190A JP3034894B2 JP 3034894 B2 JP3034894 B2 JP 3034894B2 JP 02039841 A JP02039841 A JP 02039841A JP 3984190 A JP3984190 A JP 3984190A JP 3034894 B2 JP3034894 B2 JP 3034894B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は脳の視床下部、精巣等由来の、生理活性を有
する新規なペプチド、該ペプチドをコードするDNAを含
有するDNA、該DNAを保持する形質転換体および該形質転
換体を用いる上記ペプチドの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
脳の視床下部、下垂体から分泌されるホルモンには種
々のものが知られている。甲状腺刺激ホルモン放出ホル
モン(Thyrotropin releasing hormone)や黄体形成ホ
ルモン放出ホルモン(Leutenizing hormone releasing
hormone)、ソマトスタチン(Somatostatin)、副腎皮
質刺激ホルモン(Adrenocorticotropic hormone)、成
長ホルモン(Growth hormone)、プロラクチン(Prolac
tin)などがその例で、これらの作用についてはよく研
究されている。本発明者等の一人は、これ以外の新しい
視床下部由来の生理活性のある物質を、アデニレート
サイクラーゼ アクティヴィティ(adenylate cyclase
activity)を指標にして探求した結果、それまでには報
告されていない、38個のアミノ酸残基からなるペプチド
を発見した。そして、その構造を決定し、それをPACAP3
8と命名している。
本発明者等はヒツジPACAP38のcDNAの特許出願(特願
平1−155791号、同1−284771号)、およびヒトPACAP3
8のcDNAの部分構造の特許出願(特願平1−259924号)
を先に行なっており、ヒツジ、ヒト両者のPACAP38の成
熟部分のアミノ酸配列は同一、前駆体においてはアミノ
酸の置換があることを見出している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら上記のとおりPACAP38ペプチドの存在は
確認したものの、該ペプチドおよびその前駆体を視床下
部等から単離、精製することは非常に複雑な操作を必要
として困難である上に、少量しか目的のペプチドが得ら
れないという問題がある。したがって、該ペプチドを容
易に且つ大量に得る方法の提供が望まれているのであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはPACAP38ペプチドの大量生産技術を開発
すべく種々研究の結果、このたび先のヒツジ、ヒトに加
えてラットからもPACAP38のペプチドをコードするcDNA
を、ラット脳由来のメッセンジャーRNAから作成したcDN
Aライブラリーから単離し、その塩基配列を決定するこ
とに成功し、これら3種のPACAP38成熟蛋白のアミノ酸
配列が同一であることを見出し、これに基き遺伝子組換
え技術を用いることによりPACAP38ペプチドを大量に得
ることを可能とし、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は(1)PACAP38をコードするDNAを含有
するDNA、(2)PACAP38の前駆体蛋白質、(3)PACAP3
8をコードするDNAを含有するDNAを保持する形質転換
体、(4)上記(3)記載の形質転換体の培養、培養物
中への蛋白質の生成蓄積、採取を包含する成熟PACAP38
の製造方法および(5)成熟PACAP38を構成しうる部分
アミノ酸もしくはペプチドと残余部分とを縮合させ、生
成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することを特
徴とする上記ポリペプチドの製造方法に関するものであ
る。
本発明において、ヒツジPACAP38をコードするDNAを含
有するDNAとしては、〔式2〕、〔式3〕の塩基配列を
含有あるいはその一部で表わされるものが挙げられる。
本発明におけるヒツジPACAP38の前駆体としては、
〔式8〕、〔式9〕で表わされるものが挙げられる。
本発明において、ヒトPACAP38をコードするDNAを含有
するDNAとしては、〔式4〕、〔式5〕の塩基配列を含
有あるいはその一部で表わされるものが挙げられる。
本発明におけるヒトPACAP38の前駆体としては、〔式1
0〕、〔式11〕で表わされるものが挙げられる。
本発明において、ラットPACAP38をコードするDNAを含
有するDNAとしては、〔式6〕、〔式7〕の塩基配列を
含有あるいはその一部で表わされるものが挙げられる。
本発明におけるラットPACAP38の前駆体としては、
〔式12〕、〔式13〕で表わされるものが挙げられる。
本発明方法におけるPACAP38の前駆体たんぱくまたは
成熟PACAP38をコードする塩基配列を有するDNAを含有す
る発現型ベクターは、例えば、(i)PACAP38産生細胞
からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、(ii)該mRN
Aから単鎖の相補DNA(cDNA)を、次いで二重鎖DNAを合
成し、(iii)該相補DNAをファージまたはプラスミドに
組み込み、(iv)得られた組み換えファージまたはプラ
スミドで宿主を形質転換し、(v)得られた形質転換体
を培養後、形質転換体から適当な方法、例えばPACAP38
の一部をコードするDNAプローブとのハイブリダイゼー
ションにより、あるいは抗PACAP38抗体を用いたイムノ
アッセイ法により目的とするDNAを含有するファージあ
るいはプラスミドを単離し、(vi)その組み換えDNAか
ら目的とするクローン化DNAを切り出し、(vii)該クロ
ーン化DNAまたはその一部を発現ベクター中のプロモー
ターの下流に連結する、ことにより製造することができ
る。
PACAP38をコードするmRNAは、種々のPACAP38産生細
胞、例えばヒツジ視床下部、ヒト視床下部、精巣あるい
はラット視床下部、精巣などから得ることができる。
PACAP38産生細胞からRNAを調製する方法としては、グ
イニジンチオシアネート法〔(ジェー・エム・チルグウ
ィン(J.M..Chirgwin)ら、バイオケミストリー(Bio−
chemistry),18,5294(1979)〕などが挙げられる。
このようにして得られたmRNAを鋳型とし、逆転写酵素
を用いて、例えば岡山(H.Okayama)らの方法〔モレキ
ュラー・アンド・セルラー・バイオロジ−(Molecular
and Cellular Biology)2,161(1982)および同誌,28
0(1983)〕に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラ
スミドに組み込む。
cDNAを組み込むプラスミドとしては、たとえば大腸菌
由来のpBR322〔ジーン(gene),,95(1977)〕,pBR3
25〔ジーン,,121(1978)〕,pUC12〔ジーン,19,259
(1982)〕,pUC13〔ジーン,19,259(1982)〕、枯草菌
由来のpUB110〔バイオケミカル・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーョン(Biochemical and Biophysi
cal Research Communication),112,678(1983)〕な
どが挙げられるが、その他のものであっても、宿主内で
複製増殖されるものであれば、いずれをも用いることが
できる。またcDNAを組み込むファージベクターとして
は、たとえばλgt11〔ヤング及びデーヴィス(Young,
R.,and Davis,R.,)プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・
ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.),8
0,1194(1983)〕などが挙げられるが、その他のもので
あっても宿主内で増殖できるものであれば用いることが
できる。
プラスミドに組み込む方法としては、たとえば、ティ
ー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning)コールド・スプリン
グ・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Lab
oratory),第239頁(1982)に記載の方法などが挙げら
れる。またファージベクターにcDNAを組み込む方法とし
ては、たとえばヒューン(Hyunh,T.V.)らの方法〔ディ
ー・エヌ・エー クローニング ア プラクティカル
アプローチ(DNA Cloning,A Practical Approach),4
9(1985)〕などが挙げられる。
このようにして得られたプラスミドは、適当な宿主た
とえばエシェリキア(Escherichia)属菌,バチルス(B
acillus)属菌などに導入する。
上記エシェリキア属菌の例としては、エシェリキア・
コリ(EschericAhia coli)K12DH1〔プロシージング・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)60,160(1968)〕,M103
〔ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acid
s Research),,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molec
ular Biology)〕,120,517(1978)〕,HB101〔ジャー
ナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー41,459(196
9)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),39,440
(1954)〕などが挙げられる。
上記バチルス属菌としては、たとえばバチルス・サチ
リス(Bacillus subtilis)MI114(ジーン,24,255(1
983)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミスト
リー(Journal of Biochemistry)95,87(1984)〕など
が挙げられる。
プラスミドで宿主を形質転換する方法としては、たと
えばティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning),コールド
・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratory),第249頁(1982)に記載のカルシ
ウムクロライド法あるいはカルシウムクロライド/ルビ
ジウムクロライド法などが挙げられる。
またファージ・ベクターを用いる場合には、たとえば
増殖させた大腸菌にインビトロパッケージング法を用い
て導入することができる。
ヒツジ、ヒトあるいはラットの各PACAP38c DNAを含有
するヒツジ、ヒトあるいはラットの各cDNAライブラリー
は上記の方法などで得ることが出来る。
各cDNAライブラリーからPACAP38c DNAをクローニング
する方法としては、例えばファージベクターλgt11と抗
PACAP38抗体を用いたHuynhらの方法〔ディー エヌ エ
ー クローニング、ア プラクティカル アプローチ
(DNA cloning,a practical approach),p49(1985)〕
あるいはPACAP38のアミノ酸配列に基づいて化学合成し
たオリゴヌクレオチドをプローブとして用いたコロニー
ハイブリダイゼーションまたはプラークハイブリダイゼ
ーション法〔ティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,
モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold S
pring Harbor Laboratory),(1982)〕などが挙げら
れる。
このようにしてクローン化されたPACAP38c DNAは必要
があればプラスミド、例えばpBR322,pUC12,pUC13,pUC1
8,pUC19,pUC118,pUC119などにサブクローニングしてヒ
ツジPACAP38c DNAを得ることができる。
このようにして得られたDNAの塩基配列を、たとえば
マキサム・ギルバート(Maxam−Gilbert)法〔Maxam,A.
M.and Gilbert,w.,プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・
ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.),7
4,560(1977)〕あるいはジデオキシ法〔Messing,J.
ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acid
s Research),309(1981)〕によって決定し、既知の
アミノ酸配列との比較からPACAP38 cDNAの存在を確認す
る。
以上のようにして、PACAP38の前駆体たんぱくの一部
をコードするDNA(ヒツジPACAP38 cDNA)(式2)が得
られる。
後述の実施例1で得られたヒツジPACAP38の前駆体た
んぱくの一部をコードするDNAの制限酵素断片地図を第
1図に示す。またジデオキシ法で決定したcDNAの塩基配
列と、その塩基配列から判明したアミノ酸配列を第2図
に示す。
上記のようにしてクローン化されたヒツジPACAP38の
前駆体たんぱくの一部をコードするDNAは目的によりそ
のまま、または所望により制限酵素で消化して使用する
ことが出来る。
クローン化されたDNAから発現させたい領域を切り出
し、発現に適したビークル(ベクター)中のプロモータ
ーの下流に連結して発現型ベクターを得ることができ
る。
該DNAはその5′末端に翻訳開始コドンとしてのATGを
有し、また3′末端には翻訳終止コドンとしてのTAA,TG
AまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コド
ンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用
いて付加することもできる。さらに該DNAを発現させる
にはその上流にプロモーターを接続する。
ベクターとしては、上記の大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13),枯草菌由来プラ
スミド(例、pUB110,pTP5,pC194),酵母由来プラスミ
ド(例、pSH19,pSH15),あるいはλファージなどのバ
クテリオファージおよびレトロウィルス、ワクシニアウ
ィルスなどの動物ウィルスなどが挙げられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の
発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであれ
ばいかなるものでもよい。
形質転換する際の宿主がエシェリキア属菌である場合
は、trpプロモーター,lacプロモーター,recAプロモータ
ー,λPLプロモーター,lppプロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター,SPO2プ
ロモーター,penPプロモーターなど、宿主が酵母である
場合は、PHO5プロモーター,PGKプロモーター,GAPプロモ
ーター,ADHプロモーターなどが好ましい。とりわけ宿主
がエシェリキア属菌でプロモーターがtrpプロモーター
またはλPLプロモーターであることが好ましい。
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモー
ター、レトロウィルスのプロモーター、メタロチオネイ
ンプロモーター、ヒートショックプロモーターなどがそ
れぞれ利用できる。
なお、発現にエンハンサーの利用も効果的である。
このようにして構築されたPACAP38の前駆体たんぱく
や成熟ペプチドPACAP38をコードするDNAを含有するベク
ターを用いて、形質転換体を製造する。
宿主としては、たとえばエシェリキア属菌、バチルス
属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌、バチルス属菌の具体例として
は、前記したものと同様のものが挙げられる。
上記酵母としては、たとえばサッカロマイセスセレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87−
11A,DKD−5Dなどが挙げられる。
動物細胞としては、たとえばサル細胞COS−7,Vero,チ
ャイニーズハムスター細胞CHO,マウスL細胞,ヒトFL細
胞などが挙げられる。
上記エシェリキア属菌を形質転換するには、たとえば
プロシージング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),69,211
0(1972)やジーン,17,107(1982)などに記載の方法
に従って行なわれる。
バチルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュ
ラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecu
lar & General Genetics),168,111(1979)などに記
載の方法に従って行なわれる。
酵母を形質転換するには、たとえばプロシージング・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),75,1929(1978)に記載
の方法に従って行なわれる。
動物細胞を形質転換するには、たとえばヴィロロジー
(Virology)52,456(1973)に記載の方法に従って行な
われる。
このようにして、PACAP38の前駆体たんぱくの一部や
成熟ペプチド(PACAP38)をコードするDNAを含有する発
現ベクターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がエシェリキア属菌、バチルス属菌である形質転
換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体
培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必
要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられ
る。炭素源としては、たとえばグルコース、デキストリ
ン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえ
ばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカ
ー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイシ
ョ抽出液などの無機または有機物質、無機物としてはた
とえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化
マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母、ビタミン
類、生長促進因子などを添加してもよい。
培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリキア属菌を培養する際の培地としては、例え
ばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Mill
er),ジャーナル・オブ・エキスペリメンツ・イン・モ
レキュラー・ジェネティックス(Journal of Experimen
ts in Molecular Genetics),431−433,Cold Spring Ha
rbor Laboratory,New York 1972〕が好ましい。ここに
必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、た
とえば3β−インドリル アクリル酸のような薬剤を加
えることができる。
宿主がエシェリキア属菌の場合、培養は通常約15〜43
℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や攪拌を加え
ることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で
約6〜24時間行ない、必要により通気や攪拌を加えるこ
ともできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培
地〔Bostian,K.L.ら、「プロシージングス・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA)77,4505(1980)〕が挙げられる。培
地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常
約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や
攪拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地
としては、たとえば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science)122,501(1952)〕,DMEM
培地〔ヴィロロジー(Virology),,396(1959)〕,R
PMI1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Jounal of the Amer
ican Medical Association)199,519(1967)〕,199培
地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー
・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of th
e Society for the Biological Medicine)73,1(195
0)〕などが挙げられる。pHは約6〜8であるのが好ま
しい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行い、必
要に応じて通気や攪拌を加える。
上記培養物からPACAP38の前駆体たんぱくの一部や成
熟ペプチド(PACAP38)を分離精製するには、例えば下
記の方法により行なうことができる。
PACAP38の前駆体たんぱくの一部や成熟ペプチド(PAC
AP38)を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際して
は、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、こ
れを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび
/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊
したのち、遠心分離やろ過によりヒツジPACAP38の前駆
体たんぱくの一部や成熟ペプチドの粗抽出液を得る方法
などが適宜用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジ
ンなどのたんぱく変性剤や、トリトンX−100などの界
面活性剤が含まれていてもよい。
培養液中にPACAP38前駆体たんぱくの一部や成熟ペプ
チドが分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知
の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集
める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出
液中に含まれるヒツジPACAP38前駆体たんぱくの一部や
成熟ペプチドは、自体公知の分離・精製法を適切に組み
合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精
製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用す
る方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分
子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィ
ーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロ
マトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆
相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用
する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用す
る方法などが挙げられる。
かくして生成するPACAP38前駆体たんぱくの一部や成
熟ペプチドは特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセ
イなどにより測定することができる。また生成物に血圧
降下作用がある場合は、該活性を指標にして測定するこ
ともできる。
作用・効果 本発明のDNAでDNA感染または形質転換した菌体や細胞
では、大量のPACAP38の前駆体や、PACAP38蛋白を得るこ
とが出来、これを実験動物で使用することにより、その
作用、特に脳の機能に関する研究、特にホルモン類によ
る脳機能の理解に応用し、さらにこれらの知見はヒトの
脳機能の解明に役立つ知見をもたらすものである。
そして、このPACAP38はcAMPの上昇活性があることか
ら、ヒト、ラット脳神経の成長、維持等に関する情報を
得ることができ、またヒトの各種神経障害の治療薬とし
て利用することがでできる。
以上、ヒツジ、ヒトおよびラットのPACAP38をコード
するcDNAのクローニング、ヒツジ、ヒトおよびラットの
PACAP38前駆体の一部および成熟ペプチドの発現ベクタ
ーの作製と、それらによる形質転換体の製造、該形質転
換体を用いたPACAP38前駆体たんぱくの一部および成熟
ペプチドの製造及びその有用性等について詳細に述べ
た。
本発明明細書および図面において、塩基やアミノ酸な
どを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Bi
ochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものであり、その例を下記す
る。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、
特に明示しなければL−体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム BHA :ベンツヒドリルアミン Cl−Z:2−クロロ−ベンジルオキシカルボニル Br−Z:2−ブロモ−ベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル OBzl :ベンジルエステル HOBt :1−ベンゾトリアゾール DCC :N,N′ジシクロヘキシルカルボジイミド GlyまたはG:グリシン AlaまたはA:アラニン ValまたはV:バリン LeuまたはL:ロイシン IleまたはI:イソロイシン SerまたはS:セリン ThrまたはT:スレオニン CysまたはC:システイン MetまたはM:メチオニン GluまたはE:グルタミン酸 AspまたはD:アスパラギン酸 LysまたはK:リジン ArgまたはR:アルギニン HisまたはH:ヒスチジン PheまたはF:フェニールアラニン TyrまたはY:チロシン TrpまたはW:トリプトファン ProまたはP:プロリン AsnまたはN:アスパラギン GlnまたはQ:グルタミン なお、本発明のPACAP38前駆体蛋白や成熟ペプチドに
おいては、そのアミノ酸配列の一部が修飾(付加、除
去、その他のアミノ酸への置換など)されていてもよ
い。
実施例 以下の参考例および実施例により本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
後述の実施例2で得られた形質転換体エシェリキア・
コリ(Escherichia coli)DH5α/pOH38P7は平成1年6
月19日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
(FRI)に受託番号FERM BP−2484として寄託され、また
該微生物は平成1年6月15日から財団法人発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO14884として寄託されている。
後述の実施例3で得られた形質転換体エシェリキア
コリ(Escherichia coli)DH5α/pHT38P8は平成1年10
月4日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
(FRI)に受託番号FERM BP−2622として寄託され、ま
た該微生物は平成1年9月28日から財団法人発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO14953として寄託されている。
後述の実施例4で得られた形質転換体エシェリキア
コリ(Escherichia coli)JM109/pRB38P21は平成2年2
月19日に通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
(FRI)に受託番号FERM BP−2762として寄託されてい
る。
参考例1 ヒトとヒツジのPACAP38のアミノ酸配列は同一である
が、ヒツジ視床下部から精製したPACAP38(Nat.38p)と
合成PACAP38(Syn.38p)をラット下垂体細胞にin vitro
で作用させるとAdenylate cyclase activityの上昇が認
められる。有効最少量は10-12Mで濃度が高くなるにつれ
て、その活性を高まることが示された。
また合成の27−NH2(第2図のアミノ酸132〜158番目
(成熟PACAP38の1〜27番目、次表のSyn.27p−NH2)に
も同様な活性を認められた。それに反して合成ブタVIP
(vasoactive intestinal polypeptide)にはそれ相当
の活性は認められなかった。
ラット脳下垂体細胞培養におけるAdenylate cyclase刺
激試験 cAMP pモル/ml(M±SEM) 対照(ブランク) 1.55±0.15 Syn.pVIP10-12M 1.35±0.05 pVIP10-11M 1.40±0.00 pVIP10-10M 1.45±0.15 pVIP10-9M 1.75±0.05 pVIP10-8M 2.55±0.25 pVIP10-7M 3.30±0.20 Syn.27p−NH210-12M 2.05±0.15 27p−NH210-11M 2.55±0.15 27p−NH210-10M 4.00±0.20 27p−NH210-9M 7.90±0.30 27p−NH210-8M 9.20±0.00 27p−NH210-7M 9.20±0.20 Syn.38p 10-12M 2.15±0.05 38p 10-11M 3.05±0.35 38p 10-10M 4.60±0.20 38p 10-9M 6.20±0.10 38p 10-8M 8.60±0.20 38p 10-7M 8.70±0.20 Nat.38p 10-12M 1.50±0.10 38p 10-11M 1.75±0.05 38p 10-10M 2.60±0.10 38p 10-9M 4.60±0.00 38p 10-8M 8.05±0.35 対照(ブランク) 1.35±0.05 参考例 2 参考例1で用いた物質をラット下垂体細胞に同様に作
用させたところ、そこでのプロラクチン(PRL)、ACT
H、GHの放出活性も確認された。
実施例1 ヒツジPACAP38の一部をコードするDNAプロー
ブの作製 から予想されるメッセンジャーRNAの配列を推定し、次
のような配列を持つ、DNAプローブを化学合成した。
このDNAプローブの5′端をT4ポリヌクレオチドキナ
ーゼを用いて32P−りん酸化し、cDNAライブラリのスク
リーニングに用いた。
実施例2 ヒツジ・PACAP38前駆体cDNAの単離とその塩
基配列の決定 大腸菌Y1090に前述のヒツジ視床下部cDNAライブラリ
ー(Clontech Laboratories,Inc.製)を感染させてプレ
ーティングし、ファージプラークを出現せしめた。ベン
トンとデイビス(Benton,W.,Davis,R.)の報告〔サイエ
ンス(Science)196,180−182(1977)〕に従ってプラ
ークDNAの一部をニトロセルロース膜にうつしとり、32P
で標識した前項のDNAプローブとプラークハイブリダイ
ゼーションを行なった。ハイブリダイゼーションは、ホ
ルムアミド非存在下、60℃で行なった。ハイブリダイゼ
ーション陽性の5個のクローンをそれぞれ単離し、その
うちのひとつであるλOH38P7のcDNA部分をEcoR Iで切り
出してプラスミドpUC18のEcoR I部位にリクローニング
し、プラスミドpOH38P7を作製した。このプラスミドで
大腸菌DH5αを形質転換し、形質転換体エシェリキア・
コリDH5α/pOH38P7を得た。このプラスミドに含まれるc
DNA部分は1.8Kbpであり、その簡単な制限酵素地図を第
1図に示した。図中の区域は以下のものを示す。
■:ヒツジPACAP38成熟体コード域 このcDNA部分の塩基配列をサンガー(Sanger)の方法
〔プロシージング オブ ザ ナショナル アカデミー
オブ サイエンス(Proc.Nat.Acad.Sci.USA)74,5463
−5467(1977)〕によって決定した。この塩基配列、お
よびそれより推定されるヒツジPACAP38前駆体のアミノ
酸配列の一部を第2図に示した。
で囲った領域が、ヒツジPACAP38成熟ペプチド部であ
る。
実施例3 ヒト・PACAP38前駆体cDNAの単離とその塩基
配列の決定 大腸菌Y1090に前述の精巣cDNAライブラリー(Clontec
h Laboratories,Inc.製)を感染させてプレーティング
し、ファージプラークを出現せしめた。ベントンとデイ
ビス(Benton,W.,Davis,R.)の報告〔サイエンス(Scie
nce)196,180−182(1977)〕に従ってプラークDNAの一
部をニトロセルロース膜にうつしとり、32Pで標識した
前項のDNAプローブとプラークハイブリダイゼーション
を行なった。ハイブリダイゼーションは、ホルムアミド
非存在下、60℃で行なった。ハイブリダイゼーション陽
性の5個のクローンをそれぞれ単離し、そのうちのひと
つであるλHT38P8のcDNA部分をEcoR Iで切り出してプラ
スミドpUC18のEcoR I部位にリクローニングし、プラス
ミドpHT38P8を作製した。このプラスミドで大腸菌DH5α
を形質転換し、形質転換体エシェリキア・コリDH5α/pH
T38P8を得た。このプラスミドに含まれるcDNA部分は2.3
Kbpであり、その簡単な制限酵素地図を第3図に示し
た。図中の区域は以下のものを示す。
■:ヒトPACAP38成熟体コード域 このcDNA部分の塩基配列をサンガー(Sanger)の方法
〔プロシージング オブ ザ ナショナル アカデミー
オブ サイエンス(Proc.Nat.Acad.Sci.USA)74,5463
−5467(1977)〕によって決定した。この塩基配列、お
よびそれより推定されるヒトPACAP38前駆体のアミノ酸
配列の一部を第4図に示した。
で囲った領域が、ヒトPACAP38成熟ペプチド部である。
実施例4 ラット・PACAP38前駆体cDNAの単離とその塩
基配列の決定 大腸菌Y1090に前述のラット脳cDNAライブラリー(Clo
ntech Laboratories,Inc.製)を感染させてプレーティ
ングし、ファージプラークを出現せしめた。ベントンと
デイビス(Benton,W.,Davis,R.)の報告〔サイエンス
(Science)196,180−182(1977)〕に従ってプラークD
NAの一部をニトロセルロース膜にうつしとり、32Pで標
識した前項のDNAプローブとプラークハイブリダイゼー
ションを行なった。ハイブリダイゼーションは、ホルム
アミド非存在下、60℃で行なった。ハイブリダイゼーシ
ョン陽性の4個のクローンをそれぞれ単離し、そのうち
のひとつであるλRB38P68のcDNA部分をEcoR Iで切り出
してプラスミドpUC18のEcoR I部位にリクローニング
し、プラスミドpRB38P21を作製した。このプラスミドで
大腸菌JM109を形成転換し、形質転換体エシェリキア・
コリJM109/pRB38P21を得た。このプラスミドに含まれる
cDNA部分は1.2Kbpであり、その簡単な制限酵素地図を第
5図に示した。図中の区域は以下のものを示す。
■:ラットPACAP38成熟体コード域 このcDNA部分の塩基配列をサンガー(Sanger)の方法
〔プロシージング オブ ザ ナショナル アカデミー
オブ サイエンス(Proc.Nat.Acad.Sci.USA)74,5463
−5467(1977)〕によって決定した。この塩基配列、お
よびそれより推定されるラットPACAP38前駆体のアミノ
酸配列を第6図に示した。
で囲った領域が、ラットPACAP38成熟ペプチド部であ
る。
実施例5 PACAP−38 NH2の合成 市販のp−メチルBHA樹脂(アプライド バイオシス
テムズ社製)1.04g(0.5m mole)を用い、ペプチド合成
基(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を
使用し、合成した。
最初のアミノ酸、Boc−Lys(Cl・Z)をHOBt/DCCで活
性化し、樹脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%トリ
フルオロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊離
させ、このアミノ基に、Boc−Asn,Boc−Lys(Cl・Z),
Boc−Val,Boc−Arg(Tos),Boc−Gln,Boc−Tyr(Br・
Z),Boc−Gly,Boc−Leu,Boc−Ala,Boc−Met,Boc−Ser
(Bzl),Boc−Asp(OBzl),Boc−Thr(Bzl),Boc−Phe,
Boc−Ile,Boc−His(Tos)をPACAP−38のアミノ酸配列
通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。各反応終了後、
残存するアミノ基は無水酢酸でアセチル化し、保護PACA
P−38 NH2樹脂2.42gを得た。
この保護PACAP−38 NH2樹脂0.51gをp−クレゾール
0.6g共存下フッ化水素5mlで0℃,60分間処理した後、フ
ッ化水素を減圧留去し、残渣をエチルエーテル5mlで2
回洗浄した後、残査を50%−酢酸水6mlで抽出した。不
溶物をろ去し、50%酢酸水5mlで洗浄した。ろ液,洗液
を合し2〜3mlに減圧濃縮し、セファデックスLH−20
(2×90cm)のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。
主要画分を集め減圧留去ののち、残留物を、0.1%トリ
フルオロ酢酸水100mlに溶解し、YMC−ODS AM120S−50
樹脂カラム(2.6×7cm)につけ、0.1%トリフルオロ酢
酸水と50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含
有)の間での直線型濃度勾配で溶出した。
主要画分を合し、凍結乾燥し60mgの白色粉末を得た。
これを0.05M−酢酸アンモニア水20mlに溶解し、CM−セ
ルロファインの樹脂カラム(1×6cm)につけ、0.05Mか
ら1M−酢酸アンモニアの直線型濃度勾配で溶出した。主
要画分を合し、再度YMC−ODSカラム(2.6×7cm)につ
け、0〜40%までのアセトニトリル水溶液(0.1%トリ
フルオロ酢酸含有)の直線型濃度勾配溶出を行ない、ア
セトニトリル28〜30%の区分を集め凍結乾燥し、、白色
粉末21.6mg得た。
質量分析(SIMS)による(M+H)+4530 HPLC溶出時間 19.6分 カラム条件 カラム:YMC−ODS(AM−301,S−5 120A) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセトニ
トリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 :1.0ml/分 実施例6 PACAP−27NH2の合成 市販のp−メチルBHA樹脂(アプライド バイオシス
テムズ社製)1.04g(0.5m mole)を用い、ペプチド合成
基(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)を
使用し、合成した。
最初のアミノ酸、Boc−LeuをHOBt/DCCで活性化し、樹
脂に縮合した後、樹脂上のBoc基を50%トリフルオロ酢
酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊離させこのア
ミノ基に、Boc−Val,Boc−Ala,Boc−Leu,Boc−Tyr(Br
−Z),Boc−Lys(Cl−Z),Boc−Met,Boc−Gln,Boc−A
rg(Tos),Boc−Ser(Bzl),Boc−Asp(OBzl),Boc−Th
r(Bzl),Boc−Phe,Boc−Ile,Boc−His(Tos)をPACAP
−38(1−27)のアミノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性
化し縮合した。各反応終了後、残存するアミノ基は無水
酢酸でアセチル化し、保護PACAP−27NH2樹脂2.31gを得
た。
この保護PACAP−27NH2樹脂0.50gをp−クレゾール0.6
g共存下フッ化水素5mlで0℃,60分間処理した後、フッ
化水素を減圧留去し、残査をエチルエーテル5mlで2回
洗浄した後、残査を50%−酢酸水6mlで抽出した。不溶
物をろ去し、50%酢酸水5mlで洗浄した。ろ液,洗液を
合し2〜3mlに減圧濃縮し、セファデックスLH−20(2
×90cm)のカラムに付し、50%−酢酸で溶出した。主要
画分を集め、凍結乾燥し白色粉末129mgを得た。これ
を、0.1%−トリフルオロ酢酸水5mlに溶解し、TSK−GEL
(ODS−120T)のカラム(21.5×300mm)に付し、0.1%
−トリフルオロ酢酸含有する27%−アセトニトリルで溶
出した。主要画分を集め、凍結乾燥し白色粉末17.2mgを
得た。
質量分析(SIMS)による(M+H)+3145 HPLC溶出時間 21.2分 カラム条件 カラム:YMC−ODS(AM−301,S−5 120A) 溶離液:A液(0.1%−トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%−トリフルオロ酢酸含有アセトニ
トリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 :1.0ml/分 実施例7 体重350gの雄性ウイスター(Wistar)系ラットを用
い、ネンブタール麻酔下に測定した血圧降下活性を第1
表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はヒツジPACAP38前駆体や成熟ペプチドcDNAの簡
単な制限酵素地図である。 第2図はヒツジPACAP38前駆体や成熟ペプチドcDNAの塩
基配列およびそれより推定されるヒツジPACAP38前駆体
の一部や成熟ペプチドのアミノ酸配列を示す。 第3図はヒトPACAP38前駆体や成熟ペプチドcDNAの簡単
な制限酵素地図である。 第4図はヒトPACAP38前駆体や成熟ペプチドcDNAの塩基
配列およびそれより推定されるヒトPACAP38前駆体や成
熟ペプチドのアミノ酸配列を示す。 第5図はラットPACAP38前駆体や成熟ペプチドcDNAの簡
単な制限酵素地図である。 第6図はラットPACAP38前駆体や成熟ペプチドcDNAの塩
基配列およびそれより推定されるラットPACAP38前駆体
や成熟ペプチドのアミノ酸配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:19) 微生物の受託番号 FERM BP−2622 微生物の受託番号 FERM BP−2762 (72)発明者 木村 千春 茨城県つくば市竹園2丁目14番13号 エ ザンス竹園202号 (72)発明者 北田 千恵子 大阪府堺市南向陽町1丁2番8号 (72)発明者 有村 章 アメリカ合衆国 ルイジアナ州 70131 ニユーオリンズ チェルシー ドライ ブ 2630 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ WPI(DIALOG)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 で表わされるポリペプチドをコードするDNAを含有し、
    コードされるポリペプチドがアデニレート・サイクラー
    ゼの上昇活性を有するDNA。
  2. 【請求項2】〔式2〕の塩基配列を含有する請求項1記
    載のDNA。
  3. 【請求項3】〔式3〕の塩基配列を含有する請求項2記
    載のDNA。
  4. 【請求項4】〔式4〕の塩基配列を含有する請求項1記
    載のDNA。
  5. 【請求項5】〔式5〕の塩基配列を含有する請求項4記
    載のDNA。
  6. 【請求項6】〔式6〕の塩基配列を含有する請求項1記
    載のDNA。
  7. 【請求項7】〔式7〕の塩基配列を含有する請求項6記
    載のDNA。
  8. 【請求項8】〔式8〕のアミノ酸配列で表わされるヒツ
    ジPACAP38前駆体蛋白質。
  9. 【請求項9】〔式9〕のアミノ酸配列で表わされるヒツ
    ジPACAP38前駆体蛋白質。
  10. 【請求項10】〔式10〕のアミノ酸配列で表わされるヒ
    トPACAP38前駆体蛋白質。
  11. 【請求項11】〔式11〕のアミノ酸配列で表わされるヒ
    トPACAP38前駆体蛋白質。
  12. 【請求項12】〔式12〕のアミノ酸配列で表わされるラ
    ットPACAP38前駆体蛋白質。
  13. 【請求項13】〔式13〕のアミノ酸配列で表わされるラ
    ットPACAP38前駆体蛋白質。
  14. 【請求項14】〔式1″〕のアミノ酸配列で表わされる
    ポリペプチド。
  15. 【請求項15】請求項1記載のDNAを保持する形質転換
    体。
  16. 【請求項16】請求項15記載の形質転換体を培養し、培
    養物中に成熟PACAP38を生成蓄積せしめ、これを採取す
    ることを特徴とする成熟PACAP38蛋白質の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項2もしくは3記載のDNAを保持す
    る形質転換体。
  18. 【請求項18】請求項17記載の形質転換体を培養し、培
    養物中に成熟PACAP38を生成蓄積せしめ、これを採取す
    ることを特徴とする成熟PACAP38蛋白質の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項4もしくは5記載のDNAを保持す
    る形質転換体。
  20. 【請求項20】請求項19記載の形質転換体を培養し、培
    養物中に成熟PACAP38を生成蓄積せしめ、これを採取す
    ることを特徴とする成熟PACAP38蛋白質の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項6もしくは7記載のDNAを保持す
    る形質転換体。
  22. 【請求項22】請求項21記載の形質転換体を培養し、培
    養物中に成熟PACAP38をを生成蓄積せしめ、これを採取
    することを特徴とする成熟PACAP38蛋白質の製造方法。
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