JP2812727B2 - 炭化珪素多孔性被膜の形成方法 - Google Patents

炭化珪素多孔性被膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は炭化珪素からなる多孔性被膜の形成方法に関
する。
[従来の技術] 従来、セラミックス基材の表面に炭化珪素被膜を形成
する方法には、セラミックス基材の表面に炭化珪素粉末
を主成分とする原料被膜を形成した後、これを加熱焼結
させたり、セラミックス基材の表面に炭化珪素を化学蒸
着させたりする方法が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上述のような方法によれば、例えばセラミッ
クス材として使用される多孔質炭化珪素焼結体の過
特性を向上させるため、基材となる多孔質体の表面にそ
の多孔質体の気孔よりも更に細かな気孔を有する多孔性
被膜を、簡便に形成することができなかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、その
目的は、基材表面に対し適度な大きさの多数の連続気孔
を有する炭化珪素被膜を簡便に形成することができる炭
化珪素多孔性被膜の形成方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 上記課題を解決するために本発明は、二酸化珪素と炭
素質物質とを含む原料組成物を基材表面に塗布して原料
組成物被膜を形成した後、原料組成物側からの加熱によ
り原料組成物を反応させて基材表面に炭化珪素を生成さ
せ、併せて炭化珪素生成時に副生される一酸化炭素ガス
を原料組成物中から放出させるに伴い、原料組成物被膜
に連続気孔を形成すると共に、この気孔を残したまま生
成された炭化珪素を基材表面にて焼結させた。
従って、基材表面に形成される炭化珪素被膜は多数の
連続気孔を有する多孔性被膜として形成され、優れた通
気性や過性を示す。
以下に本発明の詳細について説明する。
原料組成物は二酸化珪素と炭化質物質とを含み、必要
に応じて希釈剤等を配合して混練され、ペースト状ある
いは液状にて使用される。
二酸化珪素には微細粒子が使用され、その平均粒径は
325mesh以下である。炭化珪素生成時に、表面から徐々
に消失される二酸化珪素粒子が占める空間は、生成され
た炭化珪素が互いに焼結する際の気孔の体積に影響を及
ぼす。従って、所望の気孔径を有する多孔質被膜を得る
には、二酸化珪素の平均粒径を所望の気孔径にあわせて
選定すればよい。更に、二酸化珪素の粒径を微細にすれ
ば、反応速度が大きくなり、その反応形態は殻状反応に
近づき、加熱面側からの反応が逐次起こって、第1図に
示すように、発生した一酸化炭素ガスが加熱面側へ抜
け、微細な連続気孔が形成される。
炭素質物質としては、石油ピッチ、コールタールピッ
チ、木タールピッチ、アスファルト、石油タール、コー
ルタール、木タール等の炭素系粘結剤、フェノール樹脂
等の樹脂を使用することができ、どの様な複雑形状面を
有するものにも、多孔質膜を形成させることが可能とな
る。炭素質物質は基材表面に原料組成物被膜が形成され
た後、加熱して炭化され、炭化珪素生成反応の炭素供給
源とされる。故に、コールタールピッチのような熱可塑
性の炭素質を使用する場合、加熱によって原料組成物が
基材表面から流れ落ちないように、不融化処理等の方法
を用いて炭化させる必要がある。一方、フェノール樹脂
等のように熱硬化性の炭素質の場合、加熱によって原料
組成物被膜が硬化されるため、上述のような問題は生じ
ない。
また、炭素質物質と二酸化珪素との配合割合は、炭素
質物質中の炭素化分(C)と二酸化珪素(SiO2)とのモ
ル比(C/SiO2)で、3.0〜4.0の範囲とすることが好まし
い。このモル比が3.0未満では未反応の二酸化珪素が形
成被膜中に多量に残留し、一方4.0を超えると未反応の
炭素質物質が形成被膜中に多量に残留して、いずれの場
合も焼結後の炭化珪素被膜の強度を低下させる。
希釈剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、ヘキサン、イソオクタン等の脂肪族炭
化水素、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセ
トン等のケトン類の他、エーテル類、エステル類等があ
げられる。希釈剤の配合割合は任意に設定され、原料組
成物として基材に塗布し易い粘度となるように加減され
る。
上述のように調整された原料組成物を刷毛塗り、スプ
レー吹付け等によって塗布した後、乾燥することにより
基材表面に原料組成物被膜が形成される。
基材としては炭化珪素、炭化硼素、炭化チタン等の炭
化物セラミックス基材、黒鉛、あるいは窒化珪素、窒化
硼素等の窒化物が使用できる。特に、基材として多孔質
炭化珪素焼結体を使用し、本方法によりその表面に炭化
珪素多孔性被膜を形成したものは材として極めて有用
である。
また、原料組成物被膜の膜厚は、原料組成物の粘度を
調整することにより、又は塗布を複数回行うことにより
調整される。
原料組成物被膜の形成後、基材を加熱に移し、これ
を非酸化雰囲気下にて徐々に加熱して原料組成物中の炭
素質物質を炭化させた後、反応焼結温度にて炭化珪素を
生成させると共に、生成された炭化珪素を焼結して焼結
被膜を形成する。
加熱開始から反応焼成温度までの炭化過程において
は、昇温速度10℃/min以下で加熱することが好適であ
る。昇温速度が10℃/minより速いと、原料組成物被膜に
クラック等が発生し易くなる。また、炭素質が熱可塑性
炭素質の場合には急激に加熱すると炭素質の炭化よりも
原料組成物の熱溶融が進み、原料組成物が基材表面から
流れ落ちてしまうため、少しずつ加熱して炭素質を炭化
させる必要がある。
ところで、反応焼結温度においては以下に示すような
炭化珪素生成反応が進行する。
SiO2+C → SiO+CO …(1) SiO+2C → SiC+CO …(2) 上記(1),(2)式からもわかるように、1モルの炭
化珪素(SiC)の生成過程において、2モルの一酸化炭
素(CO)が副生される。
第1図に示すように、熱エネルギーは原料組成物被膜
の外面側から供給されるため、外面側から順次内面側に
向かって、炭化珪素生成反応が進行すると共に、生成さ
れた炭化珪素微粒子の焼結が同時に進行する。この際、
炭化珪素生成反応に伴い副生される一酸化炭素は原料組
成物被膜の内部から気相側へ向かって放出されるため、
この放出ガス圧によって焼結直前の炭化珪素微粒子間に
連続気孔が確保される。従って、第2図に示すように、
原料組成物被膜の全体に亘って炭化珪素生成反応及び炭
化珪素微粒子の焼結が完了した段階では、炭化珪素被膜
は多数の微細な連続気孔を有する多孔性被膜として形成
される。
さて、前記反応焼結温度は1500℃以上であり、この温
度での加熱時間は膜厚に依存するが、例えば100μm程
度の膜厚のものであれば、30分以内の範囲が好ましい。
反応焼結温度が1500℃未満では上記(1)式に示す反応
の速度が極めて遅く、効率的に炭化珪素(SiC)を生成
することができない。また、加熱時間が30分を超えると
一旦焼結された炭化珪素微粒子の粒界においてネック部
分の粒成長が進み、微細気孔の大径化、又は粒子成長に
伴うネッキングのはずれにより、膜強度の劣化が起こ
る。
上記工程後、基材は徐冷され炭化珪素多孔性被膜の形
成が完了する。
[実施例] 平均粒径が0.02μmの二酸化珪素微粒子(日本アエロ
ジル社製商品名:アエロジルOX−50)60gと、レゾール
型フェノール樹脂(炭化率:50%)36gとをアセトン300c
cに混合して均一に分散した。この分散液を、平均気孔
径が10μmの多孔質炭化珪素管(外径10mm×内径6mm×
長さ200mm)の外周面に刷毛塗りし、自然乾燥させた
後、加熱乾燥機にて120℃で2時間加熱して多孔質管外
周面の原料組成物を熱硬化させた。
続いて、この多孔質管を黒鉛ヒーター加熱炉内に移す
と共に、アルゴン雰囲気下で加熱を開始し、10℃/minで
昇温して1550℃に達したところで5分間保持することに
より、多孔質管の外周面に対して炭化珪素多孔性被膜を
形成した。この多孔性被膜の平均気孔径は多孔質管の気
孔径よりも小さく、材として使用した場合、優れた
過特性を示す。故に、例えば、火力発電所の循環水中の
錆の過等に有用である。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、基材表面に対し
適度な大きさの多数の連続気孔を有する炭化珪素被膜を
簡便に形成することができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は被膜が形成される過程を示す説明図、第2図は
被膜形成後の状態を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 41/87

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化珪素と炭素質物質とを含む原料組成
    物を基材表面に塗布して原料組成物被膜を形成した後、
    加熱により原料組成物を反応させて基材表面に炭化珪素
    を生成させ、併せて炭化珪素生成時に副生される一酸化
    炭素ガスを原料組成物中から放出させるに伴い、原料組
    成物被膜に連続気孔を形成すると共に、この気孔を残し
    たまま生成された炭化珪素を基材表面にて焼結させるこ
    とを特徴とする炭化珪素多孔生被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記基材は多孔質炭化珪素焼結体あるいは
    多孔質黒鉛材であることを特徴とする請求項1記載の炭
    化珪素多孔性被膜の形成方法。
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