JP2811407B2 - 表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Description
特に家電製品などに用いられる表面処理鋼板として好適
な電気亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
し、特に自動車や家電用途を中心に耐食性向上ニーズが
高く、これに伴って表面処理鋼板の需要が増大してい
る。表面処理鋼板としては、自動車用では、Zn系合金
めっきやこれに有機皮膜を付与した有機複合めっき鋼板
が、家電用途では耐食性だけでなく工程省略などのニー
ズから様々な後処理鋼板が開発実用化されている。家電
用途における後処理としては、クロメート処理やさらに
有機皮膜を付与する有機複合処理が中心であるが、下地
めっきとしては電気亜鉛めっきが採用される場合が多
い。電気亜鉛めっきは自動車用に開発されたZn系合金
めっきに比べれば、同一付着量での耐食性では見劣りす
るものの、製造がしやすくコスト面でも有利であり、ク
ロメート処理との相性が良いなどの利点がある。このた
め、下地めっきは電気亜鉛めっきに固定し、ニーズに応
じた後処理をこれに適用し、家電分野における耐食性や
工程省略など多様化するニーズに応えている。
後処理鋼板を組立加工してそのまま使用することが多く
なり、それに伴って外観品質への要求が厳しくなり、こ
れまで見過ごされてきた微小な外観汚れも無視できなく
なりつつある。優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板
の製造方法としては、特開平4−74887号公報及び
特開平4−74888号公報に電導度助剤を含有する酸
性電気亜鉛めっき浴で下層めっきを形成し、次いで電導
度助剤を含有しない別の亜鉛めっき浴で上層めっきを形
成する方法が開示されているが、微小な外観汚れをカバ
ーできるまでには到っていない。
理を含む電気亜鉛めっき工程で発生するものと原板起因
とに区別される。その原因が特定されれば解決は容易で
あるが、特に原板起因の場合には、その製造工程が極め
て複雑であるため、特定することが困難な場合が多く、
特定できたとしても抜本的な解決には仲々到らないのが
現状である。また明らかに原板起因であっても、原板段
階では確認できず、電気亜鉛めっきを行うことにより初
めて確認できるという類の問題も多い。このため、電気
亜鉛めっき工程の中で、耐食性など本来の品質特性を損
なうことなく、原板状態に左右されずに安定して良好な
表面外観が得られる製造方法が必要となった。本発明
は、上記課題を解決するためのものであり、表面外観に
優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを
目的とする。
認できない微小な疵や汚れに起因して発生する電気亜鉛
めっき鋼板の外観不良は、Znの初期電析の微妙な差異
によることをつきとめた。そこで、Znの初期電析の均
一化について鋭意検討した結果、あらかじめNiめっき
を微量施すことが有効であることを見い出した。本発明
はこの知見をもとに成し得たものであり、その要旨は以
下の通りである。鋼板に電気亜鉛めっきを施すにあたっ
て、あらかじめNiめっきを相対流速0.5m/秒以上
で5〜300mg/m2 付着させることを特徴とする表
面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法にある。
あらかじめ特定の条件で微量のNiめっきを行うことを
特徴とする。その作用効果としては、鋼板表面の微小な
スケール疵や汚れに由来して電気亜鉛めっき後に発生す
る外観不良を改善する点にある。外観不良部は、目視で
は色調が異なりミクロ観察を行うと正常部に比べてめっ
き結晶の大きさや向きが不揃いであることが確認でき
る。微小疵の部分では、その現状あるいは鋼成分の偏析
などにより亜鉛めっきの析出、特に初期の析出が不均一
になるためと考えられる。これに対して、Niめっきは
微小疵部でも正常部と同様に均一に析出し、これがZn
析出の核となってZnが均一に電析するようになる結
果、外観汚れが観察されにくくなると推定される。これ
はNiの均一析出性がZnよりも高いことによるが、N
iの効果をさらに高めるためには、液流速を考慮する必
要がある。
めっき量の効果を示す。実際の微小疵は不特定に発生す
るために、模擬的に鋼板にレーザービームを照射し、こ
れを原板として電気亜鉛めっきを行い、レーザービーム
を照射した部分の色調が異なり外観汚れと認識できるか
を確認した。この繰り返しにより、原板では目視確認で
きないが、電気亜鉛めっきにより外観汚れが確認できる
という照射条件を設定した。外観汚れの程度は比較的軽
度なレベル1と激しい汚れのレベル2とした。
板を原板として、Niめっきと電気亜鉛めっきを行った
時の、Niめっき量と外観不良の発生率を整理したもの
である。NiめっきはNiイオン60g/l、pH2、
浴温60℃の硫酸酸性めっき浴を用いて、相対流速1m
/秒、電流密度10〜100A/dm2 で行い、Znめ
っきはZnイオン70g/l、pH1.2、浴温55℃
の硫酸酸性めっき浴を用いて、相対流速1.5m/秒、
電流密度70A/dm2 で行い、付着量は20g/m2
とした。同一条件で10枚処理し、外観不良の発生率を
算出した。図1から明らかなように、Niめっき0では
軽度なレベル1でも発生率100%であるが、レベル1
ではNiめっきわずか5mg/m2 で50%以下に、1
0mg/m2 以上では10%以下に低減する。またレベ
ル2では50mg/m2 以上で10%以下に低減する。
Niめっき時の液流速の影響を示す。Niめっき、Zn
めっきの条件は図1と同様であり、Niめっき量は25
mg/m2 、Znめっき量は10g/m2 とした。液流
速の増加により、発生率は減少する傾向にあり、0.5
m/秒以上では程度の激しい汚れでも発生率は50%以
下に低下する。以上のように、微量のNiめっきを最初
に施すことにより、電気亜鉛めっき鋼板の原板起因の外
観汚れが軽減される。
mg/m2 がよい。5mg/m2 未満では図1に示した
ように外観汚れに対しての効果が無い。300mg/m
2 を超えても、外観汚れに対する効果は維持されるが、
耐食性、特に端部からの腐食が懸念されるところとな
り、好ましくない。より好ましい範囲は10〜100m
g/m2 である。Niめっきを行う時の相対流速として
は0.5m/秒以上がよい。0.5m/秒未満では、図
2に示したように外観汚れに対する効果が小さい。ここ
で相対流速とは、液の流れ方向と鋼板の通板方向を考慮
した液流速と通板速度の差であり、鋼板の進行方向に対
して液を逆向きに流すと相対流速が大きくなり有利であ
るが、例えば竪型など浸漬タイプのめっき槽でめっき液
を数m/分程度の低流速で循環する場合であっても鋼板
の通板速度を十分に大きくし、相対速度として0.5m
/秒以上が確保されていれば、本発明の効果が発揮され
る。
約されないが、Niイオン3〜100g/l、pH1.
5〜6の硫酸酸性浴が効果的であり、電流密度は10〜
100A/dm2 が好ましい。Znめっきのめっき量に
ついての制約は特にないが、5〜40g/m2 の範囲で
Niめっきの効果が大きい。めっき浴としては、Znイ
オンを40〜100g/l含有するpH0.5〜2の硫
酸酸性浴が好ましい。Znイオン以外にNiイオン、F
eイオンを合計で0.5〜5g/l含有させると、本発
明の効果がさらに大きくなり、例えば図1においてレベ
ル2の発生率がさらに10%以上低くなる。
るように酸洗した後、冷間圧延して板厚0.8,1.
0,1.2mmとし、これを焼鈍してめっき原板とし
た。このような原板に対して、Znイオン70g/lを
含むpH1、浴温60℃の硫酸浴を用いて、相対流速1
m/秒、電流密度100A/dm2 で付着量20g/m
2 の電気亜鉛めっきを10枚行ったところ、10枚とも
外観汚れが発生し、その程度は板厚が厚いほど激しかっ
た。Niイオン5g/lを含むpH5、浴温40℃の硫
酸浴を用いて電流密度10A/dm2 、相対流速5m/
秒で20mg/m2 のNiめっきを施してから電気亜鉛
めっきを10枚行ったところ、板厚0.8mmでは外観
汚れは皆無となり、1.0mmでは3枚、1.2mmで
は5枚外観汚れが発生したが、その程度はNiめっき無
しに比較して軽いものであった。
H2.5、浴温50℃の硫酸浴を用いて電流密度60A
/dm2 、相対流速1m/秒で100mg/m 2 のNi
めっきを施してから実施例1の条件で電気亜鉛めっきを
10枚行ったところ、板厚0.8mmでは外観汚れは皆
無となり、1.0mmでは2枚、1.2mmでは3枚外
観汚れが発生したが、その程度はNiめっき無しに比較
して軽いものであった。同じ条件でNiめっき300,
500mg/m2 を施すと、板厚1.0,1.2mmで
の外観汚れがそれぞれ1枚、2枚に減少した。これらに
Cr量15mg/m2 のクロメート処理を行い、さらに
メラミンアルキド系塗料を20μの厚みで塗装した後、
端部を露出させたまま塩水噴霧試験(JISZ2371
に準拠)を500時間行った。端部からの塗膜ふくれ巾
は、Ni0、100mg/m2 では差異がなく、Ni3
00mg/m2 では若干ふくれが大きい程度であった
が、Ni500mg/m2 ではこれらに比べてふくれ巾
がかなり大きかった。
H3、浴温60℃の硫酸浴を用いて電流密度40A/d
m2 、相対流速2m/秒で50mg/m2 のNiめっき
を施してから、Znイオン70g/l、Niイオン0.
5g/l、Feイオン2g/lを含むpH1.5、浴温
50℃の硫酸浴を用いて電流密度40A/dm2 、相対
流速1m/秒で付着量20g/m2 の電気亜鉛めっきを
10枚行ったところ、何れの板厚においても外観汚れは
皆無となった。
る電気亜鉛めっき後の微小な外観汚れを改善する方法を
提供するものである。特に組立加工してそのまま使用さ
れる家電製品用の表面処理鋼板の下地電気亜鉛めっきの
製造方法として好適であり、益々厳格化する外観品質に
対する要求に応えていくにあたり、誠に効果的である。
関係を示す図、
係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼板に電気亜鉛めっきを施すにあたっ
て、あらかじめNiめっきを相対流速0.5m/秒以上
で5〜300mg/m2 付着させることを特徴とする表
面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22259893A JP2811407B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22259893A JP2811407B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0776793A JPH0776793A (ja) | 1995-03-20 |
JP2811407B2 true JP2811407B2 (ja) | 1998-10-15 |
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ID=16784986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22259893A Expired - Fee Related JP2811407B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2811407B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JPH08188898A (ja) * | 1995-01-11 | 1996-07-23 | Kobe Steel Ltd | 電気亜鉛めっき鋼板およびその製法 |
-
1993
- 1993-09-07 JP JP22259893A patent/JP2811407B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0776793A (ja) | 1995-03-20 |
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