JP2811162B2 - 消防用機器の接続口金 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、消火栓装置の消火栓
弁、地上式消火栓、地下式消火栓、スタンド型の送水口
や採水口、壁埋込み型の送水口や採水口、消防自動車の
ポンプ、接続継手等の消防用機器の吐出口や送水口等に
接続して使用されるネジ式の接続口金に係り、口径の異
なる消防用ホース等を夫々接続できるようにした消防用
機器の接続口金に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、消火栓弁等の消防用機器の吐出口
等に接続されるネジ式の接続口金としては、図５に示す
ものが知られている。即ち、前記接続口金２０は、筒状
に形成されて居り、一端部が消火栓弁２１の吐出口にね
じ込みにより接続固定されている。又、接続口金２０の
他端部外周面には、消防用ホース（図示省略）の端部に
設けたネジ式の雌型金具（図示省略）が接続される雄ネ
ジ２０ａが形成されている。而して、接続口金２０の雄
ネジ２０ａへ消防用ホースの雌型金具をねじ込むことに
よって、消火栓弁２１と消防用ホースとが接続されるこ
とになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、消防
隊は、口径が６５Ａの消防用ホースを使用し、これを消
火栓弁（放水口）へ接続して消火に当たっていたが、法
令の緩和により各地区の消防長の判断で口径が６５Ａ以
外のサイズの消防用ホースや消火栓弁等が使用可能にな
り、軽量化等の理由で口径が小さめの５０Ａ等の消防用
ホースや消火栓弁等が使われ始めている。

【０００４】ところが、現状では、消防隊毎に使用する
消防用ホースの口径が区々である為、所轄地域内では消
火栓弁（放水口）へ接続できるが、大火災等で他の地域
へ応援に行った場合には消火栓弁（放水口）へ接続でき
ないと云う問題がある。

【０００５】そこで、この問題を解決する為に、両端部
の口径が異なる媒介金具を予め消火栓弁の近傍に鎖で繋
いでおいたり、或いは消防隊が媒介金具を持参したりし
て消火栓弁と消防用ホースとを媒介金具を介して接続す
るようにしていた。

【０００６】然し乍ら、媒介金具を使用すると、媒介金
具と消火栓弁、媒介金具と消防用ホースを夫々接続しな
ければならず、消火栓弁と消防用ホースの接続に手数を
要すると云う問題があった。又、媒介金具を忘れたり、
持って来た媒介金具が消火栓弁と合わないこともあり、
消防用ホースを消火栓弁へ接続できないと云う問題もあ
った。

【０００７】本発明は、上記の問題点を解消する為に創
作されたものであり、その目的は口径の異なる消防用ホ
ースでも、消火栓弁等の消防用機器の吐出口や送水口等
へ確実に接続できるようにした消防用機器の接続口金を
提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明の消防用機器の接続口金は、一端部が消火栓
弁等の消防用機器の吐出口や送水口等に接続されると共
に、他端部外周面に接続用の雄ネジを形成した筒状の内
側ネジ金具と、内側ネジ金具の外周面に気密状で且つ軸
線方向へ摺動自在に外嵌され、内側ネジ金具の雄ネジを
開放自在に覆うと共に、外周面に接続用の雄ネジを形成
した内側ネジ金具よりも大径の筒状の外側ネジ金具とか
ら構成したものである。

【０００９】

【作用】接続口金に口径の細い消防用ホースを接続する
場合には、外側ネジ金具を内側ネジ金具に沿って移動さ
せて内側ネジ金具の雄ネジ部分を開放状態にする。次
に、消防用ホースの端部に設けたネジ式の雌型金具を内
側ネジ金具の雄ネジに螺着する。その結果、口径の細い
消防用ホースは、接続口金の内側ネジ金具に接続された
状態となる。

【００１０】一方、接続口金に口径の太い消防用ホース
を接続する場合には、外側ネジ金具を内側ネジ金具に沿
って前記反対方向へ移動させて内側ネジ金具の雄ネジ部
分を覆う。次に、消防用ホースの端部に設けたネジ式の
雌型金具を外側ネジ金具の雄ネジに螺着する。その結
果、口径の太い消防用ホースは、接続口金の外側ネジ金
具に接続された状態となる。

【００１１】このように、この接続口金は、口径の異な
る内側ネジ金具と外側ネジ金具とから構成されている
為、口径の異なる消防用ホースてあっても、良好且つ確
実に接続することができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１乃至図４は本発明の実施例に係る接続
口金１を示し、当該接続口金１は、筒状の内側ネジ金具
２と、内側ネジ金具２よりも大径の筒状の外側ネジ金具
３とから構成されて居り、本実施例では、内側ネジ金具
２の一端部が消火栓弁４の吐出口６ａに接続固定されて
いる。

【００１３】前記内側ネジ金具２は、金属材により外周
面が段付の円筒状に形成されて居り、一端部が消火栓弁
４等の消防用機器の吐出口や送水口等に接続固定される
と共に、他端部には口径の細い消防用ホース（図示省
略）を接続できるようになっている。即ち、内側ネジ金
具２は、外周面に消火栓弁４等の消防用機器の吐出口や
送水口等に螺着される雄ネジ２ａを形成した接続部２ｂ
と、接続部２ｂに連設されて後述する外側ネジ金具３が
摺動自在に外嵌される接続部２ｂよりもやや厚肉の支持
部２ｃと、支持部２ｃに連設されて外周面に消防用ホー
スの端部に設けたネジ式の雌型金具（図示省略）が螺着
される接続用の雄ネジ２ｄを形成した支持部２ｃよりも
やや厚肉の内側接続部２ｅとから成る。尚、内側接続部
２ｅの外径は、口径が５０Ａの消防用ホースを接続でき
るように設定されている。

【００１４】前記外側ネジ金具３は、金属材により円筒
状に形成されて居り、一端部側が内側ネジ金具２の外周
面に気密状で且つ軸線方向へ摺動自在に外嵌され、内側
ネジ金具２の雄ネジ２ｄを開放自在に覆うと共に、他端
部には口径の太い消防用ホース（図示省略）を接続でき
るようになっている。即ち、外側ネジ金具３は、内側ネ
ジ金具２の支持部２ｃ外周面にＯリング５を介して気密
状で且つ軸線方向へ摺動自在に外嵌された摺動部３ａ
と、摺動部３ａに連設されて内側ネジ金具２の内側接続
部２ｅの雄ネジ２ｄを開放自在に覆うと共に外周面に消
防用ホースの端部に設けたネジ式の雌型金具が螺着され
る接続用の雄ネジ３ｂを形成した外側接続部３ｃと、摺
動部３ａに連設されて消防用ホースのネジ式の雌型金具
に当接し得るフランジ部３ｄとから成る。又、フランジ
部３ｄには、外側ネジ金具３を容易に回転することがで
きるように把手部３ｅが連設されている。尚、外側接続
部３ｃの外径は、口径が６５Ａの消防用ホースを接続で
きるように設定されている。又、外側ネジ金具３の全体
の長さは、内側ネジ金具２の支持部２ｃの長さと同一に
選定されて居り、図１に示すように外側ネジ金具３を支
持部２ｃの外周面に対向させると、内側ネジ金具２の内
側接続部２ｅが開放され、図２に示すように外側ネジ金
具３を内側接続部２ｅ側へ移動させて摺動部３ａを内側
接続部２ｅの段部部分に当接させると、外側接続部３ｃ
が内側接続部２ｅを覆うようになっている。

【００１５】而して、前記接続口金１は、図４に示す如
く、その内側ネジ金具２の接続部２ｂを消火栓弁４の吐
出口６ａに螺着することによって、消火栓弁４に取り付
けられている。尚、図４に於いて、６は弁箱、６ａは入
口、６ｂは吐出口、７は蓋体、８は弁棒、９は弁体、１
０はシート、１１はハンドル、１２はＯリングである。

【００１６】前記接続口金１に口径が５０Ａの消防用ホ
ースを接続する場合には、図１に示す如く、外側ネジ金
具３を接続部２ｂ側方向へ摺動移動させて内側ネジ金具
２の内側接続部２ｅを開放状態にする。そして、５０Ａ
の消防用ホースの端部に設けたネジ式の雌型金具を内側
接続部２ｅの雄ネジ２ｄに螺着する。これによって、５
０Ａの消防用ホースは、接続口金１の内側ネジ金具２に
接続された状態となる。このとき、消防用ホースの雌型
金具が外側ネジ金具３の端面に当接して締め込み量が規
制される。

【００１７】又、前記接続口金１に口径が６５Ａの消防
用ホースを接続する場合には、図２に示す如く、外側ネ
ジ金具３を内側ネジ金具２の内側接続部２ｅ側方向へ摺
動移動させて内側接続部２ｅを覆う。そして、６５Ａの
消防用ホースの端部に設けたネジ式の雌型金具を外側ネ
ジ金具３の外側接続部３ｃの雄ネジ３ｂに螺着する。こ
れによって、６５Ａの消防用ホースは、接続口金１の外
側ネジ金具３に接続された状態となる。このとき、消防
用ホースの雌型金具がフランジ部３ｄに当接して締め込
み量が規制される。

【００１８】このようにして、外側ネジ金具３を内側ネ
ジ金具２に沿って移動させ、内側ネジ金具２の内側接続
部２ｅを開放したり、覆ったりすることにより、接続口
金１に口径の異なる消防用ホースを夫々接続することが
できる。

【００１９】上記実施例に於いては、内側接続部２ｅを
５０Ａの消防用ホースを接続できる口径に、又、外側接
続部３ｃを６５Ａの消防用ホースを接続できる口径に夫
々形成したが、他の実施例に於いては、内側接続部２ｅ
の口径を４０Ａに、外側接続部３ｃの口径を５０Ａ若し
くは６５Ａにしても良い。

【００２０】上記実施例に於いては、接続口金１を消火
栓弁４の吐出口６ｂに接続するようにしたが、他の実施
例に於いては、接続口金１を、地上式消火栓、地下式消
火栓、スタンド型の送水口や採水口、壁埋込み型の送水
口や採水口、消防自動車のポンプ、接続継手等の消防用
機器の吐出口や送水口等に接続するようにしても良い。

【００２１】

【発明の効果】上述の通り、本発明の消防用機器の接続
口金は、外周面の一部に接続用の雄ネジを形成した筒状
の内側ネジ金具と、内側ネジ金具に気密状で且つ軸線方
向へ摺動自在に外嵌され、外周面の一部に接続用の雄ネ
ジを形成した内側ネジ金具よりも大径の外側ネジ金具と
から構成されている為、内側ネジ金具若しくは外側ネジ
金具の何れかを利用することによって、口径の異なる消
防用ホースを夫々接続することができる。即ち、本発明
の接続口金を使用することによって、消火栓弁等の消防
用機器へ口径の異なる消防用ホースを夫々接続すること
ができ、冒頭で述べた如き問題を解決することができ
る。又、本発明の接続口金を、既設の消火栓弁等の消防
用機器の吐出口や送水口等へ接続することによって、高
価な消防機器を廃することなく、口径の細い消防用ホー
スへ切り換えて行くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る消防用機器の接続口金の
縦断面図である。

【図２】外側ネジ金具を動かした状態の接続口金の縦断
面図である。

【図３】接続口金の側面図である。

【図４】接続口金を消火栓弁の吐出口に接続した状態の
一部破断正面図である。

【図５】従来のネジ式の接続口金を消火栓弁の吐出口に
接続した状態の正面図である。

【符号の説明】

１は接続口金、２は内側ネジ金具、２ｄは内側ネジ金具
の雄ネジ、３は外側ネジ金具、３ｂは外側ネジ金具の雄
ネジ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部が消火栓弁（４）等の消防用機器
   の吐出口や送水口等に接続されると共に、他端部外周面
   に接続用の雄ネジ（２ｄ）を形成した筒状の内側ネジ金
   具（２）と、内側ネジ金具（２）の外周面に気密状で且
   つ軸線方向へ摺動自在に外嵌され、内側ネジ金具（２）
   の雄ネジ（２ｄ）を開放自在に覆うと共に、外周面に接
   続用の雄ネジ（３ｂ）を形成した内側ネジ金具（２）よ
   りも大径の筒状の外側ネジ金具（３）とから構成したこ
   とを特徴とする消防用機器の接続口金。