JP3154091B2 - 地下式消火栓 - Google Patents

地下式消火栓

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JP3154091B2
JP3154091B2 JP08244597A JP8244597A JP3154091B2 JP 3154091 B2 JP3154091 B2 JP 3154091B2 JP 08244597 A JP08244597 A JP 08244597A JP 8244597 A JP8244597 A JP 8244597A JP 3154091 B2 JP3154091 B2 JP 3154091B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願は、地下に設置する地下
式消火栓に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地下に設置する地下式消火栓は、
一般に内部に弁機構を備え、外部に導出した上部に前記
弁機構を開閉操作する外部操作可能なハンドルを設けた
筒状の導水筐の側面に放水管を上向きに連結して成る消
火栓本体を有すると共に、前記放水管の上端部に、消防
用ホースの接続金具と接続可能な接続機構を備えて成
り、このように構成された消火栓は、地下に設けられて
上面が開閉蓋により閉じられたボックス内に設置される
と共に、導水筐の下端部は地下に埋設された送水管にフ
ランジを介して接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来構成の消火栓本体及びその他の多くの部品は、専ら鋳
鉄から成るので、肉厚が分厚くなってかなりの重量とな
り、そのため運搬取り扱いに不便であると共に、施工作
業に手数を要し、また鋳造後は、錆損を防止するために
塗装を施す工程を必要とするので、製作に手数を要し、
また塗装部分がはげて見苦しくなると共に、耐腐食性に
弱いので、可動部分が錆損して消火作業時に支障が生じ
る惧れがあり、そのため定期的に点検補修を繰返しおこ
なわなければならないという煩わしさがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本願は主として
消火栓本体の構成に改良を加えて、軽量化でき、かつ耐
腐食性に強いステンレスにより製作することを可能なら
しめたもので、下端が地下に埋設した送水管に接続され
る導水筐の側面に、放水管を上向きに連結して成る消火
栓本体の前記導水筐に、弁機構と該弁機構を開閉操作す
る外部操作可能な操作機構とを装備し、前記放水管の上
端部に消防用ホースの接続金具と接続可能な接続機構を
備えて成る地下式消火栓において、前記導水筐を、側面
に流出口部を有したステンレス製の胴部と、下端に取付
用のフランジを設け、外周が前記胴部の下端開口部に固
着されたステンレス製の導水口部と、操作機構を回転可
能に支承して、前記胴部の上端に取外し可能に装着され
たステンレス製の蓋板とから構成し、前記放水管が、一
端が前記流出口部に固着されたステンレス製の屈曲管
と、その上端に固着されて立ち上がるステンレス製の接
続管とから構成したことを特徴とするものであり、好ま
しくは、胴部と導水口部、胴部と屈曲管及び屈曲管と接
続管とをそれぞれイナート熔接により固着して成る。
【0005】導水筐は具体的には、胴部上端に外方に張
り出すリング状の下鍔片を固着し、かつ蓋板の下部内周
に前記下鍔片の内周と密嵌する案内リングを固着すると
共に、蓋板の下端外周に上鍔片を屈曲して一体に設け、
前記鍔片同士をパッキングを介して、ねじ軸により緊締
して成り、好ましくは、下鍔片と、案内リングと、上鍔
片を設けた蓋板とがそれぞれステンレスから成り、下鍔
片と胴部、案内リングと蓋板とをそれぞれイナート熔接
により固着して成る。
【0006】また本願において、弁機構が、導水口部の
上端面を封口する弁板から成り、操作機構を、蓋板の中
心部を貫通して上下方向に延び、上端にハンドルを、下
端に弁機構をそれぞれ設けると共に外周に雄ねじを有し
た操作軸と、中間部が蓋板の中心部に固着されて前記操
作軸を回転可能に支承し、かつ、前記雄ねじと螺合する
雌ねじとを有した弁箱とから構成し、また弁箱が、蓋板
の中心部を貫通して上下方向に延びると共に、操作軸を
回転可能に支承し、かつ、上部外周に操作駒を設けた筒
状の内弁箱と、上部が蓋板の中心部に固着されて下方に
延び、内部に前記内弁箱を嵌合する筒状の外弁箱と、内
周に雌ねじを有して前記外弁箱に嵌合する雌ねじリング
とから構成され、前記内弁箱と外弁箱とをねじ螺合して
連結することにより、内弁箱の下面と外弁箱の底部との
間で雌ねじリングを狭着して成り、好ましくは、内弁箱
と外弁箱と雌ねじリングとがステンレス製のパイプから
成り、外弁箱と蓋板とをイナート熔接により固着して成
る。
【0007】また本願において、水の流れを良好にする
ために、導水筐の胴部を球状に形成して成り、さらにま
た使用に便利なようにハンドルの上面と接続機構の上面
との高さ位置をほぼ等しく構成する。
【0008】
【発明の実施の態様】以下図面にもとづいて本願発明の
実施の態様を詳述すると、地下式消火栓を構成する消火
栓本体Aは、導水筐1とその側面から延びて上向きに屈
曲する放水管2とから構成されている。
【0009】前記導水筐1は、太いステンレスパイプか
ら成り、側面に環状の屈曲リブ3を有した流水口部4を
有すると共に、下端開口部が内方に稍絞らせた筒状の胴
部5と、この下端開口部に側面が嵌合固着され、下端に
シールプレート6及びステンレス製のフランジ7をそれ
ぞれ設けたステンレスパイプから成る導水口部8と、前
記胴部5の上端開口部に固着されると共に内径が胴部5
の内径に等しく、外径が胴部5の外径よりも大きいステ
ンレス製の環状の下鍔片9と、頂面が凸状に湾曲すると
共に下端部に外方に張り出すように上鍔片10を一体に
有し、かつ内周面に密嵌するステンレスパイプから成る
案内リング11を固着したステンレス製の蓋板12とか
ら構成され、前記上鍔片10と下鍔片9との間にパッキ
ング13を介した状態で複数のねじ軸14により緊締さ
れている。
【0010】上記において、胴部5と導水口部8、胴部
5と下鍔片9、蓋板12と案内リング11とは好ましく
はそれぞれイナート熔接により固着される。
【0011】前記放水管2は、前記屈曲リブ3に一端が
固着されるステンレスパイプから成る屈曲管15と、こ
の屈曲管15の他端に固着されて垂直に立ち上がるステ
ンレスパイプから成る接続管16と、下部外周が段部1
7を介して前記接続管16の上端開口部に固着され、内
周面にねじを施したステンレスパイプから成るねじリン
グ18とから構成され、前記屈曲リブ3と屈曲管15、
屈曲管15と接続管16及び接続管16とねじリング1
8とは好ましくはイナート熔接によって固着される。
【0012】前記導水筐1内には弁機構20が設けてあ
り、この弁機構20は、前記導水口部8の上端面を封口
する弾性材から成る弁板21の上下面を押え板22,2
3により挟持し、これらの中心を貫通したステンレス製
の弁軸24の下部に設けたねじ部にナット25を螺合し
て緊締することにより構成される。
【0013】前記弁機構20を開閉操作する操作機構2
6は、下端に弁機構20から突出する弁軸24を嵌着す
る嵌合孔27を有し、外周に雄ねじ28を設けると共
に、上端に外部操作可能なハンドル29に軸着したステ
ンレス製の操作軸30と、該操作軸30を蓋板12の中
心部に設けた通孔31に対し回転可能に支承すると共に
前記雄ねじ28と螺合する雌ねじ32を設けた弁箱33
とから構成されている。
【0014】前記弁箱32は、上半部で前記操作軸30
を回転自在に支承すると共に、上部外周に多角形状の操
作駒34を設けたステンレスパイプから成る内弁箱35
と、上記が前記通孔31に例えばイナート熔接により固
着され、かつ内部に内弁箱35の下半部を嵌合したステ
ンレスパイプから成る外弁箱36と、前記雄ねじ28と
螺合する雌ねじ37を内周面に設け、かつ前記外弁箱3
6内に嵌合されるステンレスパイプから成る雌ねじリン
グ38とから構成され、外弁箱36内に嵌合した雌ねじ
リング38は、外弁箱36に内弁箱35をねじ螺合39
により連結することにより内弁箱35の下面と外弁箱3
6の底面に設けた受リブ40との間に狭圧により固定さ
れ、かつ、前記弁箱35の上端部には、Oリング41を
介してねじキャップ42が螺合してある。
【0015】前記ねじリング18に取付られる接続機構
43は、図2で示すように、上端部外周に沿って内厚部
44を形成し、下端部外周に前記ねじリング18に螺合
するねじ45を有した差し金具46と、下端外周に鍔4
7を有して前記差し金具46の外周に摺動可能に嵌合す
る押し輪48と、下端が鍔47の面上に当接して差し金
具46を包覆する有頂筒状のキャップ49と、キャップ
49の内側面に設けてキャップ49の包覆状態を弾性的
に保持するばね50とから成り、この接続機構43を構
成する部片は、アルミニウム乃至砲金から成る。なお本
例では使用し易いように、ハンドル29の上面高さとキ
ャップ49の頂面高さをほぼ等しくしている。
【0016】なお図中52は胴部5の下部外面に設けた
水抜き部、53は鎖54を介してキャップ49を放水管
2に連結するために、キャップ49の頂部と放水管2の
上部外面とに設けた取付部片、55は前記案内リング1
1の内周に設けた弁箱33の振れ止め板出ある。
【0017】なお本願構成の消火栓は、図示しないが周
知の消火栓と同様に地下に設けられた上面に開閉蓋を備
えて成る消火栓用ボックス内に設置されると共に、フラ
ンジ7を介して地下に埋設された送水管に接続される。
【0018】しかして、使用に際し、図2で示す状態に
おいて、キャップ49をばね片50に抗して差し金具4
6より取り外すと共に、接続機構43を介して消防ホー
スの接続金具(図示せず)を差し込んで接続し、次いで
ハンドル29を所定の工具を用いて回転操作する。
【0019】すると、弁機構20が開弁して、水は地下
の送水管より導水筐1から放水管2を経て消防ホースに
導入される。
【0020】 また上記において弁機構20を補修する
場合には、ねじ軸14を外して蓋板12と共に、接続機
構26及び弁機構20を胴部5から抜き出す。
【0021】上記実施例は、胴部2を円筒状に形成した
場合を示したが、図3は、水の流れを良好にするために
胴部を球状に形成した場合の消火栓本体1の半裁断面図
を示している。
【0022】
【発明の効果】以上のように本願によれば、消火栓本体
を構成する導水筐を、胴部と導水口部と蓋板都から構成
し、かつ放水管を、屈曲管と接続管とから構成すると共
に、これらを耐腐食性並びに機械強度に秀れたステンレ
ス製としたので、長期において美観と消火栓機能を維持
することができ、また塗装工程なども省略できて製作に
極めて有利であると共に、肉薄に形成し得るので軽量化
ができて取り扱い並びに施工作業に極めて便利であり、
さらにまた耐久性を有するので点検などの作業の省略に
より経済的であるなどの利点を有する。
【0023】また請求項2,4及び7記載の構成によれ
ば、熔接跡の体裁が良く、また請求項3記載の構成によ
れば、弁機構の補修に便利であり、また請求項5及び6
記載の構成によれば、操作機構及び弁箱を構成する構成
部品をステンレス製とする場合に有効であり、また請求
項8記載の構成によれば、水の流れが良好となり、さら
にまた請求項9記載の構成によれば、ハンドル操作並び
に消防ホースの接続作業に便利であるなどの利点を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】総体正面図
【図2】総体縦断面図
【図3】他の実施例における消火栓本体の半裁断面図
【符号の説明】
A 消火栓本体 1 導水筐 2 放水管 3 屈曲リブ 5 胴部 7 フランジ 8 導水口部 9 下鍔片 10 上鍔片 11 案内リング 12 蓋板 13 パッキング 15 屈曲管 16 接続管 18 ねじリング 20 弁機構 21 弁板 24 弁軸 26 操作機構 28 雄ねじ 29 ハンドル 30 操作軸 31 通孔 32 雌ねじ 33 弁箱 34 操作駒 35 内弁箱 36 外弁箱 37 雌ねじ 38 雌ねじリング 39 螺合部 40 受リブ 42 ねじキャップ 43 接続機構 46 差し金具 48 押し輪 49 キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03B 9/00 - 9/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端が地下に埋設した送水管に接続され
    る導水筐の側面に、放水管を上向きに連結して成る消火
    栓本体の前記導水筐に、弁機構と該弁機構を開閉操作す
    る外部操作可能な操作機構とを装備し、前記放水管の上
    端部に消防用ホースの接続金具と接続可能な接続機構を
    備えて成る地下式消火栓において、前記導水筐を、側面
    に流出口部を有したステンレス製の胴部と、下端に取付
    け用のフランジを設け、外周が前記胴部の下端開口部に
    固着されたステンレス製の導水口部と、操作機構を回転
    可能に支承して、前記胴部の上端に取外し可能に装着さ
    れたステンレス製の蓋板とから構成し、前記放水管が、
    一端が前記流出口部に固着されたステンレス製の屈曲管
    と、その上端に固着されて立ち上がるステンレス製の接
    続管とから構成したことを特徴とする地下式消火栓。
  2. 【請求項2】 胴部と導水口部、胴部と屈曲管及び屈曲
    管と接続管とをそれぞれイナート熔接により固着して成
    る請求項1記載の地下式消火栓。
  3. 【請求項3】 胴部上端に外方に張り出すリング状の下
    鍔片を固着し、かつ蓋板の下部内周に前記下鍔片の内周
    と密嵌する案内リングを固着すると共に、蓋板の下端外
    周に上鍔片を屈曲して一体に設け、前記鍔片同士をパッ
    キングを介して、ねじ軸により緊締して成る請求項1ま
    たは請求項2記載の地下式消火栓。
  4. 【請求項4】 下鍔片と、案内リングと、上鍔片を設け
    た蓋板とがそれぞれステンレスから成り、下鍔片と胴
    部、案内リングと蓋板とをそれぞれイナート熔接により
    固着して成る請求項3記載の地下式消火栓。
  5. 【請求項5】 弁機構が、導水口部の上端面を封口する
    弁板から成り、操作機構を、蓋板の中心部を貫通して上
    下方向に延び、上端にハンドルを、下端に弁機構をそれ
    ぞれ設けると共に外周に雄ねじを有したステンレス製の
    操作軸と、中間部が蓋板の中心部に固着されて前記操作
    軸を回転可能に支承し、かつ、前記雄ねじと螺合する雌
    ねじとを有した弁箱とから構成した請求項1,2,3ま
    たは4記載の地下式消火栓。
  6. 【請求項6】 弁箱が、蓋板の中心部を貫通して上下方
    向に延びると共に、操作軸を回転可能に支承し、かつ、
    上部外周に操作駒を設けた筒状の内弁箱と、上部が蓋板
    の中心部に固着されて下方に延び、内部に前記内弁箱を
    嵌合する筒状の外弁箱と、内周に雌ねじを有して前記外
    弁箱に嵌合する雌ねじリングとから構成され、前記内弁
    箱と外弁箱とをねじ螺合して連結することにより、内弁
    箱の下面と外弁箱の底部との間で雌ねじリングを狭着し
    て成る請求項5記載の地下式消火栓。
  7. 【請求項7】 内弁箱と外弁箱と雌ねじリングとがステ
    ンレス製のパイプから成り、外弁箱と蓋板とをイナート
    熔接により固着して成る請求項6記載の地下式消火栓。
  8. 【請求項8】 導水筐の胴部を球状に形成して成る請求
    項1,2,3,4,5または7記載の地下式消火栓。
  9. 【請求項9】 ハンドルの上面と接続機構の上面との高
    さ位置をほぼ等しく構成した請求項1,2,3,4,
    5,6,7または8記載の地下式消火栓。
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