JP2810660B2 - 粒子画像の解析装置 - Google Patents

粒子画像の解析装置

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JP2810660B2 JP62050033A JP5003387A JP2810660B2 JP 2810660 B2 JP2810660 B2 JP 2810660B2 JP 62050033 A JP62050033 A JP 62050033A JP 5003387 A JP5003387 A JP 5003387A JP 2810660 B2 JP2810660 B2 JP 2810660B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、画像中に存在する個々の粒子像の面積や寸
法等の特徴量を求める装置に係り、特に自動画像解析装
置や自動パターン欠陥検査装置を実現するのに好適な粒
子画像の解析装置に関する。 〔従来の技術〕 〔最も近い公知例:映像分析用計算装置 特公昭48−34
47〕 近年、プリント基板や半導体回路の高集積化に伴い、
製造時に生じる微小なパターン欠陥を画像処理技術によ
つて自動的に検査することのできる自動外観検査装置の
開発が盛んに行われるようになつた。これらの装置は、
高集積化が進んだために人間の検査員には実行困難にな
つてきた目視検査工程を人間に代わつて実行可能にする
手段として、その重要性をますます高めている。このよ
うなパターン欠陥自動検査の分野においては、欠陥抽出
処理によつて得られた欠陥部のみを“1"とする“欠陥画
像”に対して、個々の欠陥の位置,寸法,面積等を計測
し、それに基づいて真の欠陥か否かを判断する画像処理
技術が、パターンノイズによる虚報を防ぎ検査の信頼性
を確保する上で重要な技術となつている。この2値画像
中に存在する“1"の塊を画像処理によつて解析し、個々
の塊の位置,寸法,面積などを計測する手法について
は、粒子解析手法として既に多くの手法が開発されて来
た。しかしながら、これらの手法が前記の自動パターン
検査に用いられるためには、その処理の実時間性が新た
に大きな技術課題となる。すなわち、検査における入力
画像のデータ量は通常膨大であり、たとえば等速で移動
する被検査体を1次元ラインセンサで連続的に撮像する
場合のように、ラスタ走査式に無限長に近い形で連続的
に入力されるようなものである。従つて、従来のように
画像を一旦画像メモリに記憶して処理する手法を用いる
ことは困難であり、ラスタ走査式に連続的に画像を入力
してその入力画像中に欠陥が現れるたびにその時点でそ
の欠陥像についての処理を完結していくことのできる実
時間1パス型の手法である必要がある。従来、粒子画像
解析は、ラベル付け手法,追跡手法、及びその改良手法
などが研究され用いられてきたが、いずれも入力画像、
あるいはそれに代わる特徴データを一画面分記憶する必
要があり、上記の意味で高速のパターン検査には利用で
きなかつた。 ラスタ形式で入力される画像の実時間1パス型処理の
原理的困難さは、粒子の形状の多様さにある。全ての粒
子像が凸形状をしていれば処理は比較的容易であるが、
例えば渦巻状の粒子があれば、1つの走査線が各粒子像
と交差する部分(以下、交差部と称す)の間の連結性を
識別することが難しく、途端に困難になる。この困難さ
を解決するための方法として、(1)各走査線上の交差
部の終わりを、その交差部の終わりか或いはその交差部
に接続している1本前の走査線上の変形後の交差部の終
わりの長い方に合わせる変形を行い、(2)変形後の交
差部の終了時点で、その走査線までの粒子の特微量を1
走査線分の遅延回路に出力し、次の走査線を走査する時
には遅延回路から出力された特微量を保持してその交差
部だけの特微量を加算し、変形後の交差部の終了時点
で、加算された特微量を再び遅延回路に出力するように
する、(3)この操作を繰り返して個々の粒子の特微量
を加算し、個々の粒子の最後の変形交差部の終了時点で
その粒子の特微量を外部に出力する、という手法が、特
公昭48−3447号の中で示されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、この方法は、各交差部の後方に不必要
に大きな粒子像の変形が必要になり、その為にその変形
部の一部に別の粒子像の一部が含まれてしまう場合に
は、別々の粒子にもかかわらず、1つの粒子として誤つ
た特徴量の計算がなされてしまうという欠点が有つた。 本発明の目的は、誤る確率を大幅に減らして信頼性を
高くし、しかも実時間で超高速に個々の粒子像の特徴量
を求めることができるようにした実用的な粒子画像の解
析装置を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 従来技術の前記問題点は、特徴量の中間計算結果を1
走査線分の遅延回路に記憶していることにある。遅延回
路を介して1走査線前の特徴量を読みだすために、変形
された交差部の終了時点は前の走査線の変形された交差
部の終了時点と同じかより後ろでなければならず、それ
が粒子像の大きな変形を必要とする主な理由であつた。 これらの問題点を解決するために、本発明は、順次ラ
スタ走査することによって画像データを入力し、該入力
された画像データに含まれる個々の粒子像の特徴量を求
める粒子画像の解析装置において、前記画像データを2
値化し、該2値化された2値化画像データから得られる
粒子像についてラスタ走査が繰り返すに従って分岐され
る場合には分岐が生じないようにその分岐を埋めて粒子
像領域を示す2値の制御画像データを作成する2値の制
御画像データ作成回路と、該2値の制御画像データ作成
回路で作成された各ラスタ走査線の2値の制御画像デー
タと前記各ラスタ走査線より一つ前のラスタ走査線の2
値の制御画像データとの間の粒子像領域を基に、各ラス
タ走査線上における粒子像領域についての連結状態を示
す開始状態、終了状態、および統合される場合も含めた
接続状態について順序付けする順序付け回路と、前記2
値の制御画像データ作成回路で作成された各ラスタ走査
線上における2値の制御画像データを基に、該各ラスタ
走査線上における粒子像領域毎の部分特徴量を計算する
第1の演算回路と、各ラスタ走査線より一つ前のラスタ
走査線までの粒子像毎の中間特徴量と各ラスタ走査線ま
での粒子像毎の新たな中間特徴量とを記憶する記憶手段
と、該記憶手段に記憶された粒子像毎の中間特徴量に、
前記第1の演算回路で計算された各ラスタ走査線におけ
る粒子像領域毎の部分特徴量を前記順序付け回路で各ラ
スタ走査線毎に順序付けされた連結状態に応じて計算し
て各ラスタ走査線における粒子像毎の新たな中間特徴量
を求めて前記記憶手段に記憶させる第2の演算回路とを
備え、前記記憶手段に記憶された粒子像の特徴量を出力
可能に構成したことを特徴とする粒子画像の解析装置で
ある。 また、本発明は、前記粒子画像の解析装置において、
前記特徴量として、面積、中心座標、投影長、周長、体
積、総投影長の何れかを含むことを特徴とする。 また、本発明は、前記粒子画像の解析装置において、
前記2値の制御画像データ作成回路は、2値化された2
値化画像データに対して巡回型フィルタ処理を施すよう
に構成することを特徴とする。 また、本発明は、前記粒子画像の解析装置において、
前記第2の演算回路には、新たな中間特徴量を求める
際、途中の特徴量を記憶する記憶手段を有することを特
徴とする。 また、本発明は、前記粒子画像の解析装置において、
前記2値の制御画像データ作成回路および順序付け回路
によって前記第2の演算回路において1パス型で各ラス
タ走査線における粒子像毎の新たな中間特徴量を求めて
前記記憶手段に記憶させることができるように構成した
ことを特徴とする。即ち、(1)特徴量の中間結果を各
走査線ごとに交差部に順番につけた番号をアドレスとす
る記憶回路に記憶するようにして、中間結果の書込み読
出し時点に自由度を持たせた、(2)画像をデジタル化
し、連続する2走査線にまたがつて隣接する2つの画素
データを入力とする新たな順序回路を構成してより多様
な部分パターン形状に対して適切な計算制御信号を発生
できるようにした、(3)逆方向ラスタ走査による同様
の画像変形とのAND処理を組合わせて、画像の変形を粒
子像内部に含まれる孔および下に凹の部分(分岐される
部分)のみを“1"で埋める必要最小限に止めた、などの
改善を図った。なお、後述されていように、制御画像g
(i,j)の代わりに直接h1(i,j)、またはh2(i,j)を
制御画像として用いることができる。 これらの改善により、ビデオレート1パス型の粒子特
徴計測を可能にしながら初めて画像の変形を必要最小限
に止める事が出来た。その結果、粒子像の重なりによつ
て生じる誤計測の確率を大幅に減らすことができ、従来
技術にまして信頼性の高い実用的な超高速の粒子画像の
解析装置を実現することが出来るようになつた。 〔作用〕 本発明はではラスタ走査式に連続的に画像を入力して
その入力画像中に欠陥が現れるたびにその時点でその欠
陥像についての処理を完結していくことのできる実時間
1パス型の手法を採用しているので、画像を一旦画像メ
モリに記憶しておく必要なく、実時間で粒子画像の特徴
量を求めることができる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を第1図により説明する。第1
図は、本発明の中心である順序回路の内容を示したもの
である。これらの具体的な手法はやや複雑なので、まず
第一に画像の変形について説明し、次にその変形された
画像を入力とする順序回路の内容を説明し、最後に粒子
の特徴量を計算する具体的な方法について説明する。 (1)入力画像の形式 本発明の手法はラスタ走査方式の撮像装置から得られ
る2値のデイジタル画像を直接ビデオレートで処理する
ことを目的としたものである。説明を明確にするため
に、入力される2値画像を、 f(i,j)i=0,1,2,……,I−1 j=0,1,2,……,J−1 …(1) とし、第2図に示すようにラスタ走査されるものとす
る。 (2)制御画像の作成 本手法では、処理に必要な制御信号を入力画像から自
動的に作り出す。その為に、入力画像信号を一旦制御信
号発生に都合の良い2値の制御画像へと変換する必要が
ある。以下、入力される2値のデイジタル画像f(i,
j)から2値の制御画像g(i,j)を作成する方法につい
て述べる。まず、ラスタ形式で入力される入力画像f
(i,j)に対して、 h1(i,j)=f(i,j)∨h1(i−1,j)∧h1(i,j−1) i=0,1,2,……,I−1 j=0,1,2,……,J−1 …(2) なる巡回型フイルタ処理を施して右方向制御画像h1(i,
j)を作る。同時に、ラスタ走査の方向をiの方向に関
して逆転する走査変換処理を施した後、次の巡回型フイ
ルタ処理を実行し左方向制御画像h2(i,j)を作る。 h2(i,j)=f(i,j)∨h2(i+1,j)∧h2(i,j−1) i=I−1,I−2,……,1,0 j=0,1,2,……,J−1 …(3) 再び、h2(i,j)に対してiの方向に関する走査変換処
理を行つて通常のラスタ走査形式に戻し、 h1(i,j),h2(i,j)のAND処理; g(i,j)=h1(i,j)∧h2(i,j) …(4) から求める制御画像g(i,j)を作成する。この処理の
中で、iの走査方向を変換する処理は、入力される画像
を1ライン分記憶し、読出しを書込み逆順にすることで
実現できる。第3図は、このようにして作成した制御画
像の例を示す。第3図(a)は入力2値画像であり、
(b),(c)はそれぞれ右方向制御画像h1(i,j)、
左方向制御画像h2(i,j)の例である。(d)は
(b),(c)のAND画像であり、最終的な制御画像で
ある。この例からも分かるように制御画像には、粒子像
に含まれる孔や下向きに凹の部分(分岐する部分)が埋
められて消去されるという重要な性質がある。この性質
は後述のごとく本手法の制御に極めて重要な性質であ
り、そのためにここでは変形された入力画像g(i,j)
のことを特に制御画像と呼んでいる。なお、このような
性質は中間画像h1(i,j)、またはh2(i,j)も同様に満
足しているので、制御画像g(i,j)の代わりに直接h1
(i,j)、またはh2(i,j)を制御画像として用いること
も出来る。しかし、図でも分かるように、h1(i,j)、h
2(i,j)は必要以上に変形の度合いが大きく近接した複
数の図形を1つの図形に合成してしまう確率が高いの
で、必要最小限の変形に留めているg(i,j)を用いる
方が認識方式としてははるかに有利である。 (3)画像解析手法 ラスタ走査方式で2値の粒子画像を解析する場合、第
一の問題はラスタ間にまたがる個々の粒子の連結性の扱
い方である。この問題については次のように連続する2
本のラスタを同時に参照することで解決できる。第4図
は代表的な粒子の形状を、第jラスタとその1本前の第
j−1ラスタの画像に着目して表現したものである。い
ま、説明を簡単にするために、第jラスタの画素の値を
20の位、第j−1ラスタの画素の値を21の位として2本
のラスタ信号を1つの数字の列で表現し、その数字の現
れた方により何のような処理が必要になるかを明確にす
る。図において、 (a)のような画像は0111……10であり新しい粒子像の
始まりを意味する。したがつて、手法的に見れば新しい
粒子のための特徴量メモリをオープンすることが必要に
なる。 (b)のように022……20となつている場合には粒子像
の終わりを意味している。したがつて、このような場合
には今迄保存してきた特徴量を外部に出力することが必
要になる。 (c)は、0133320のように3の連なりが1回発生して
いる場合であり、これはj−1ラインまでの粒子像がj
ライン上の粒子像に一対一につながつていることを意味
している。したがつて、この場合には今迄保存してきた
特徴量をjラスタの分だけ更新し再びその特徴量として
記憶することが必要になる。 (d)はより複雑な例であり、01333111333220のように
3の連なりが2回現れていて、しかもその間が1の列で
表現されている場合である。これは、jラスタ上の粒子
像によつて2つの粒子像が連結していることを意味して
おり、中間の1から3へラスタ画像が変化する時点で今
迄別々の粒子の特徴量として保存されてきた2つの特徴
量を新しい1つの粒子の特徴量として合成し、さらにj
ラスタの分だけ更新して再びその特徴量として記憶する
ことが必要になる。3の列が3回以上、すなわち3→1
→3の繰返しがさらに発生した場合にも、同様の合成処
理を繰返すことによつて処理可能である。前節に述べた
変形された制御画像を入力として利用する限り、合成す
る2つの粒子像が過去において連結していることはあり
えないので新たな処理が必要になることは無い。また、
逆に、図3(b)(c)(d)に示すように孔や下向き
に凹部の部分(分岐する部分)が生じたとしても埋めら
れて消去されるのでjラスタにおいて1つの粒子像が2
つ以上に分割される場合もありえないので、特徴量をど
の様に分割し記憶したらよいかという問題も生じること
は無い。本手法において制御画像の考え方を導入したの
は、このように手法上の困難さを回避するためである。
以上の考察により、制御画像を入力データとしてこのよ
うな処理を実現するシーケンシヤルマシンが構成できれ
ば、原理的にラスタ走査形式の処理が可能になることが
わかる。 このとき発生するもう1つの重要な問題は、j−1ラ
スタ上に存在しまさに計算途上の粒子像の特徴量をどの
ように読出し、新たに計算されたjラスタまでの特徴量
を再びどのように記憶するかということである。しか
し、これもj−1,jの各ラスタ上の“1"の連なり(以
下、交差部と呼ぶ)の生起数を順にカウントし、その番
号を2つ用意した記憶装置の内部アドレスとして利用す
るようにすれば容易に解決できる。例えば第4図の図形
(c)はラスタj−1,jのどちらも2番目の交差部に対
応しているので、読出側の記憶装置のアドレス“2"から
ラスタj−1までの特徴量を読出し、jラスタ相当分の
特徴量を更新したのちjラスタまでの特徴量として書込
側記憶装置のアドレス“2"に記憶する。次にj+1ラス
タを走査する時には記憶装置の読出側書込側を逆にして
同様のことを実行すると、読出側記憶装置から1ラスタ
前にアドレス“2"に書き込んだjラスタまでの特徴量が
アドレス“2"から再び読み出されるので、正しく処理が
実行できる。このようにすれば(a)や(b)のように
新たに発生したり消滅したりする図形が幾つ有つても間
違うことは無くなる。第1図は、以上に述べた手法を状
態遷移図の形で示したものである。図において; ・F#1はj−1ラインまでの特徴量を記憶している記
憶装置、 ・F#2は新しく計算されるjラインまでの特徴量を記
憶する記憶回路であり、 ・n1,n2は各々その内部アドレス、 ・n1 +,n2 +はn1,n2を+1だけ増加させる処理 ・Qはjライン上のその1交差部分として計算された特
徴量、 ・Wは一時的な計算結果を記憶するワークレジスタ ・Ψは2つの特徴量を合成するための関数、 を示す。ラスタ走査の最初の時点で初期状態はS0にリセ
ツトされる。同時にn1,n2も“0"にリセツトされる。全
ての粒子の特徴量はこの状態遷移の中で計算され、制御
画像中の粒子像が終了する時点でその粒子の特徴量とし
て出力される。2つの記憶装置はラスタ単位で交番して
用いられ、その中には常にそのラスタ上の粒子像の計算
途中の特徴量だけが記憶される。したがつて、F#1,F
#2の記憶容量は、同一ラスタに同時に交差する粒子像
の最大数に対応する量だけを持てば十分である。 (4)特徴量の計算方式 第1図の状態遷移図のQおよびΨは求める特徴量の種
類によつて異なる。ここでは、いろいろな特徴量に対す
る具体的なQの計算方法と関数Ψの実例について述べ
る。 1セグメント分の特徴量Qの計算は、入力画像f(i,
j)と制御画像g(i,j)とを合成して得られる20・g
(i,j)+21・f(i,j)なる値を入力としたとき、第5
図に示す状態遷移図で表現出来る。gの1の領域はfの
1の領域を完全に含んでいるので入力値は0,1,3のいず
れかである。0の場合は、粒子像以外の部分なのでQに
は常に初期値Q0をセットする。3の場合にはf=1であ
るからQを関数Φで更新する。1の場合には真の粒子部
分ではないので値を保持するのみで何もしない。このよ
うに、演算の制御は制御画像gによつて決定するが、実
際の演算は真の粒子像(f=1)の部分に限定するので
計算の結果において画像変形の影響を無くすることが出
来る。すなわち、前述した画像変形を行うにもかかわら
ず、正しく入力画像の粒子像の特徴量を計測することが
出来る。次に、表1に特徴計算のための具体的な関数
Φ,Ψを示す。 粒子像の中心座標(Xm,Ym)、X方向投影長Xp,Y方向
投影長Ypは以上の結果から表2によつて計算できる。 粒子像の体積は粒子領域での濃淡値の積分として定義
されるが、粒子領域を定義する2値定義f(i,j)とそ
の濃淡多値画像f′(i,j)とを明確に区別し、前述の
面積計算の1ライン演算をQ=Q+f′(i,j)に置き
換えると容易に計算できる。このときの2値画像fは、
粒子画像の性質によつて入力される濃淡多値画像f′の
閾値処理、あるいは何らかの適切な前処理によつて得る
ことになる。このように粒子の形状を決める画像fと演
算に使用する画像f′とを使い分ければいろいろな応用
が実現できる。 X方向,Y方向の総投影長はそれぞれ粒子像の中のX方
向境界の画素数,Y方向境界の画素数で定義される。した
がつて、 X方向総投影長の場合には、 f′(i,j)=f(i,j)・{1−f(i−1,j)} …(5) Y方向総投影長の場合には、 f′(i,j)=f(i,j)・{1−f(i,j−1)} …(6) の様に画像fから画像f′を逆に求め、各々前述の体積
計算と同様の処理をすれば良い。このとき、本方式では
fが1の場所でのみf′の値を計算するので、特徴計算
に寄与するf′の値はf=1の画素上で定義しておく必
要のたることに注意しなければならない。 周長も、周長に寄与する各画素内の境界長をf(i,
j)=“1"の画素の濃度として割当て、前述の体積計算
と同じ方法で計算すれば求めることが出来る。すなわ
ち、第6図において、“1"画素の境界上および内部に含
まれる周線(例)は当然その画素の値とし、“0"
画素の内部に含まれる周線(例)は時計回り方向に
隣接する“1"画素の値に加える。3×3領域の右下2×
2画素のみに注目した場合、その2×2画素に関連する
周線で中央の画素が分担するべきものは〜が全てで
ある。右上,左下,左上の2×2を画素を選んだ場合も
同様であり、それらの周線長の全合計が中央画素の分担
する周長になる。これを式で示すと次のようになる。い
ま入力2値画像f上の画素(i,j)を中心とする任意の
3×3局所画像を と置くと、周長計算のための濃淡画像f′(i,j)は、 で与えられる。ただし、“・”は論理積、“+”は算術
加算を示す。式中に の値が含まれていて計算誤差が問題になるときには、縦
横の境界部の数に相当する整数部と斜め境界の数に相当
する部分を別の特徴量として計算し、全部の粒子の特徴
量を整理するときには計算機で計算するようにすれば良
い。以上述べたことを表3にまとめる。これらの結果は
本方式の応用の代表的なものであり、同様な考え方によ
り様々な特徴量の計算に利用できる。 第7図に粒子画像解析回路の具体的実施例を示す。図
において12〜18が画像解析に必要な演算を実行する回路
であり、11は第1図の状態遷移図で示される順序回路で
ある。この順序回路は、制御画像g(i,j)を入力とし
て演算の実行を制御する制御信号を発生する機能を持つ
ている。演算回路12は、入力画像f(i,j)および制御
画像g(i,j)を入力し、粒子画像と走査線の交差部分
の特徴量を実時間で演算する回路である。演算の具体的
内容は、表1,表3のライン演算の項に書かれた通りであ
り、求める特徴量によつて異なる。15a,15bは、演算途
中の粒子の特徴量を記憶している記憶回路であり、選択
回路13,14によつて偶数ライン,奇数ラインで読出し
側、書込み側を交代する。すなわち、走査中のライン番
号jが偶数のときは15aよりj−1ラインまでの粒子の
特徴量を読出し、演算回路によつてjライン上の特徴量
だけ更新した後、jラインまでの特徴量として12bに書
き込む。次のj+1ラインを走査するときには15a,15b
の読出し書込みが交代されているので、15bからjライ
ンまでの特徴量が読み出せることになる。このように、
2つの記憶回路を交番して用いることにより、次々と特
徴量を更新しながら粒子の特徴量を計算することができ
る。レジスタ16は演算回路17の結果を一時的に保持する
レジスタで、演算回路17はライン間演算を実行するため
の演算回路である。演算回路17の入力の選択およびその
実行タイミングは、順序回路11によつて第1図の状態遷
移にしたがつて制御される。 第8図に順序回路11の更に詳細な実施例を示す。図に
おいて、21は1ライン分の遅延回路であり、入力画素g
(i,j)に対して隣接している1ライン前の画素g(i,j
−1)を出力する。23はレジスタ、22は制御データの書
き込まれている読出し専用回路(ROM)であり、入力デ
ータg(i,j)が1画素入力される毎にレジスタ23の内
容はクロツク信号clockによつて更新される。ROM22の入
力は、g(i,j)およびg(i,j−1)の2ビツトと、レ
ジスタに保持されている順序回路の内部状態S0〜S4を示
す3ビツトの信号25である。この時、ROM22が次の内部
状態S0〜S4を出力できるようにし、次のクロツクで内部
状態を変化させると共に、その状態遷移時に必要な演算
処理を実行するための制御信号を出力するようにする。
その制御情報の1つは第7図で示した記憶回路15a,bの
アドレスn1,n2である。これは、付属回路としてROMから
の制御信号を計数するカウンタ24a,24bを設けることに
より、容易に実現できる。この他、ROMより出力するこ
とが必要な制御情報は、記憶回路15a、または15bへの書
込みタイミング、レジスタ16への書込みタイミング、演
算回路17の入力データ指定、結果記憶回路18への書込み
タイミングである。これも、ROMの状態遷移時に同時に
1が出力されるようにROMにデータを書き込んでおくだ
けで容易に実現できる。図において、各ラインの走査開
始時点に、カウンタ24a,bをリセツトする手段、同時点
で選択回路13,14を交互に切り換える手段は省略されて
いるが、容易に付加可能である。以上により、第1図の
状態遷移図は演算実行も含めて第7図,第8図の構成に
より、完全に実施できる。 次に、第9図を用いて制御画像g(i,j)を生成する
ための回路を説明する。図において、31a,31bはi方向
の走査順を逆転するための走査変換回路である。走査変
換回路31aにおいて、41a,bは切り換え回路、42a,bは1
ライン分の画像データを記憶する記憶回路、44,45は記
憶回路のアドレスカウンタである。ここで、44は、0番
地から1ライン分の画素数−1番地まで昇順に計数する
カウンタ、45は1ライン分の画素数−1から0番地まで
降順に計数するカウンタである。すなわち、入力画像は
選択回路により41a,bの1方の記憶回路が選択され、1
ライン分の画像データが昇順に格納される。一方、出力
は他方の記憶回路が選択回路41bによつて選択され、逆
に降順に読み出される。選択回路41a,b,43はそれぞれ1
ライン走査終了ごとに制御信号selによつて切り換えら
れ、記憶回路42a,bの読出し書込みが交代する。これに
より、入力データの走査方向はi方向に関して逆順にな
る。31bも全く同様である。 32a,bは、制御画像h1,h2の生成回路である。32aの中
で、46は1ライン分の遅延回路で、47はレジスタ、48,4
9はそれぞれ論理和(OR)、論理積(AND)回路である。
このような回路にラスタ走査順に画像データが入力され
れば、(3)式で表される制御画像h2(i,j)への変換
が容易に実現できる。32bも同様であり、(2)式で表
される制御画像h1(i,j)が実現できる。33a,bは1ライ
ン分の遅延回路であり、それぞれ31a,bの回路の中で発
生する画像の遅延を補償するための回路である。このよ
うにすれば、論理積回路34によりh1とh2の論理積がとら
れて最終的な制御画像g(i,j)が生成できる。なお、
処理によつて画像データは少しずつ遅延していくけれど
も、これらは最終的な計測結果に何らの影響を与えるも
のではない。 以上述べたごとく、このような回路を実際に製作すれ
ば本報告で述べた粒子解析手法は完全に実現出来、ビデ
オレートの1パス処理が可能になる。その結果は結果記
憶回路に格納されており、必要に応じて外部の計算機か
ら読み出すことが出来る。 本手法によれば、同じ粒子の複数の特徴量が同一タイ
ミングで求められるため、結果記憶回路の前にフイルタ
回路を付加して特定の特徴量の組合わせを持つた粒子像
だけを結果記憶回路に記憶することも容易にできる。こ
のような性質は、パターン検査のように虚報を排除して
真の欠陥のみを摘出する装置にはきわめて有効である。 〔発明の効果〕 本発明によれば、2値の制御画像データ作成回路によ
って粒子像が分岐されないようにし、順序付け回路にお
いて各ラスタ走査線上における粒子像領域についての連
結状態を示す開始状態、終了状態、および統合される場
合も含めた接続状態について順序付けすることによっ
て、記憶手段に記憶された粒子像毎の中間特徴量に、各
ラスタ走査線における粒子像領域毎の部分特徴量を前記
順序付け回路で各ラスタ走査線毎に順序付けされた連結
状態に応じて計算して各ラスタ走査線における粒子像毎
の新たな中間特徴量を求めて記憶手段に記憶させること
を可能にし、個々の粒子像の特徴量について誤る確率を
大幅に減らして信頼性を高くし、しかも個々の粒子像の
特徴量を実時間で超高速に求めることができる粒子画像
の分析装置を実現することができる効果を奏する。 また、本発明によれば、次のような効果も奏する。 (1)画像のラスタ走査にしたがつて画像処理を実行す
ることができるので、記憶すべき画像データ量が極めて
少なくなる。このため、大容量の画像記憶回路を保有す
る必要が無く、装置のコストを大幅に低減することがで
きる。 (2)各画素に対する全ての演算は1クロツクの時間内
に収まり、完全にビデオレートで実行できる。したがつ
て、容易に超高速の外観検査装置、パターン解析装置な
どが実現できる。 (3)計算可能な特徴量の種類については非常に汎用的
であり、前処理の併用により容易に拡張できる。さら
に、一つの粒子の全ての特徴が同一タイミングで出力さ
れるので、複合された特徴量の計算やそれらの組合せに
よる出力粒子の選択(フイルタリング)等が容易に実現
できる。これは、パターンの解析能力を大幅に向上させ
るほか、外観検査装置のように、疑似欠陥を判定除去す
る必要のある装置においては装置の信頼性を高める上で
極めて効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の基本原理となつた順序回路の状態遷移
図、第2図はラスタ走査形式の画像の入力順序を示す
図、第3図は制御画像の変形例を示す図、第4図は連続
する2走査線上の粒子画像の関係を示す図、第5図は1
ライン上の交差部の特徴量を計算する順序回路の状態遷
移図、第6図は粒子の周長を求める手段の説明図、第7
図は本発明の実施例を示す図、第8図は順序回路の実施
例を示す図、第9図は制御画像を求める回路の実施例を
示す図。 S0〜S4順序回路の内部状態、n1,n2…F#1,F#2の内
部アドレス、F#1,F#2…記憶回路、Ψ…ライン間特
徴合成関数、Φ…ライン内特徴計算関数、f…入力画像
データ、g…制御画像、i,j…画像内画素座標、11…順
序回路、12…演算回路、17…演算回路、21…1ライン遅
延回路、22…読出し専用記憶回路(ROM)、23…レジス
タ、24a,24b…カウンタ、31a,b…走査変換回路、32a,b
…制御画像生成回路、42a,b…1ライン記憶回路、44,46
…アドレスカウンタ、46…1ライン遅延回路。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.順次ラスタ走査することによって画像データを入力
    し、該入力された画像データに含まれる個々の粒子像の
    特徴量を求める粒子画像の解析装置において、 前記画像データを2値化し、該2値化された2値化画像
    データから得られる粒子像についてラスタ走査が繰り返
    すに従って分岐される場合には分岐が生じないようにそ
    の分岐を埋めて粒子像領域を示す2値の制御画像データ
    を作成する2値の制御画像データ作成回路と、 該2値の制御画像データ作成回路で作成された各ラスタ
    走査線の2値の制御画像データと前記各ラスタ走査線よ
    り一つ前のラスタ走査線の2値の制御画像データとの間
    の粒子像領域を基に、各ラスタ走査線上における粒子像
    領域についての連結状態を示す開始状態、終了状態、お
    よび統合される場合も含めた接続状態について順序付け
    する順序付け回路と、 前記2値の制御画像データ作成回路で作成された各ラス
    タ走査線上における2値の制御画像データを基に、該各
    ラスタ走査線上における粒子像領域毎の部分特徴量を計
    算する第1の演算回路と、 各ラスタ走査線より一つ前のラスタ走査線までの粒子像
    毎の中間特徴量と各ラスタ走査線までの粒子像毎の新た
    な中間特徴量とを記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶された粒子像毎の中間特徴量に、前記
    第1の演算回路で計算された各ラスタ走査線における粒
    子像領域毎の部分特徴量を前記順序付け回路で各ラスタ
    走査線毎に順序付けされた連結状態に応じて計算して各
    ラスタ走査線における粒子像毎の新たな中間特徴量を求
    めて前記記憶手段に記憶させる第2の演算回路とを備
    え、 前記記憶手段に記憶された粒子像の特徴量を出力可能に
    構成したことを特徴とする粒子画像の解析装置。 2.前記特徴量として、面積、中心座標、投影長、周
    長、体積、総投影長の何れかを含むことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の粒子画像の解析装置。 3.前記2値の制御画像データ作成回路は、2値化され
    た2値化画像データに対して巡回型フィルタ処理を施す
    ように構成することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の粒子画像の解析装置。 4.前記第2の演算回路には、新たな中間特徴量を求め
    る際、途中の特徴量を記憶する記憶手段を有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の粒子画像の解析
    装置。 5.前記2値の制御画像データ作成回路および順序付け
    回路によって前記第2の演算回路において1パス型で各
    ラスタ走査線における粒子像毎の新たな中間特徴量を求
    めて前記記憶手段に記憶させることができるように構成
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の粒子
    画像の解析装置。 6.水平方向走査毎に順次粒子像を示す画像データを入
    力する入力部と、 該入力部で入力された画像データを2値化し、該2値化
    された2値化画像データから得られる粒子像について水
    平方向走査が繰り返すに従って分岐される場合には分岐
    が生じないようにその分岐を埋めて粒子像領域を示す2
    値の制御画像データを作成する2値の制御画像データ作
    成回路と、 該2値の制御画像データ作成回路で作成された各水平方
    向走査線の2値の制御画像データと前記各水平方向走査
    線より一つ前の水平方向走査線の2値の制御画像データ
    との間の粒子像領域を基に、各水平方向走査線上におけ
    る粒子像領域についての連結状態を示す開始状態、終了
    状態、および統合される場合も含めた接続状態について
    順序付けする順序付け回路と、 前記入力部で入力される各水平方向走査線毎の画像デー
    タを基に、前記順序付け回路で各水平方向走査線毎に順
    序付けされた連結状態に応じて各粒子像毎の予め定めら
    れた計測項目に該当する特徴量を計算して記憶手段に記
    憶する演算回路と、 前記順序付け回路において粒子像領域が終了状態と判定
    されたとき、前記記憶手段に記憶された前記終了状態の
    粒子像の特徴量を出力する出力部とを備えたことを特徴
    とする粒子画像の解析装置。
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