JP2810195B2 - テープ駆動装置 - Google Patents

テープ駆動装置

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JP2810195B2
JP2810195B2 JP2053608A JP5360890A JP2810195B2 JP 2810195 B2 JP2810195 B2 JP 2810195B2 JP 2053608 A JP2053608 A JP 2053608A JP 5360890 A JP5360890 A JP 5360890A JP 2810195 B2 JP2810195 B2 JP 2810195B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、テープに情報を記録再生する装置等に用い
るテープ駆動装置に関し、特にリール駆動によりテープ
を安定に走行するのに適したテープ駆動装置に関する。
〔従来の技術〕
従来のテープレコーダやビデオテープレコーダ等の磁
気記録再生装置では、テープ走行の速度制御を行う場
合、キャプスタンとピンチローラでテープを圧着し、キ
ャプスタンの回転を制御することでテープ走行の速度制
御を行うのが一般的であった。しかし、このキャプスタ
ン駆動によるテープ走行では、テープの速度がキャプス
タンの回転速度に比例するので高精度の速度制御が可能
な反面、高速速度制御には適していなかった。
そこで例えば、特開平1−107353号公報等に示されて
いるように、キャプスタンを介さず供給リールと巻取リ
ールの間で直接テープを駆動するリール駆動によるテー
プ走行の制御装置が提案されている。このリール駆動に
よるテープ走行制御装置は、供給リールと巻取リールの
回転周期を検出する検出手段と、上記回転周期と両リー
ルの巻径を演算してテープの移動情報を算出する制御手
段とを備えて、上記のテープ移動情報に応じてリールの
駆動を制御するようにしたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら上記従来技術は、リール駆動によるテー
プ走行速度制御方法の原理および数学的実現手段につい
ては詳しく言及しているものの、実際の装置として実現
する場合に問題となるリール巻径の演算精度とハードウ
ェアあるいはソフトウェアの規模の問題や、テープパス
が変化するようなテンションセンサを設けた場合に生じ
る瞬時点な供給リールからのテープ供給量と巻取リール
からのテープ巻取量の違いによるリール巻径の誤算出に
ついては配慮が成されていなかった。
そこで本発明の目的は、リール巻径の演算精度、即ち
演算ビット数を削減し、リール巻径演算手段のハードウ
ェアあるいはソフトウェアの小規模化および処理時間の
短縮化を図り、しかも速度制御性能をほとんど劣化させ
ることのないテープ駆動装置を提供するものである。
また本発明の他の目的は、瞬時的な両リール間のテー
プ供給量とテープ巻取量に違いが生じてもリール巻径の
誤算出をすることがなくリール駆動にて安定にテープ走
行の制御を行うテープ駆動装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、供給リールと
巻取リールの回転周期を検出する周期検出手段と、上記
両リールの回転周期を用いて供給リールの巻径と巻取リ
ールの巻径を算出する巻径算出手段とを備え、少なくと
も上記一方のリールの巻径算出手段が、上記両リールの
回転周期により直接算出される上位ビットデータと、所
定期間にわたり、所定のクロックにより所定値ずつ加算
あるいは減算される上記上位ビットデータに連続する下
位ビットデータより成る巻径データを出力し、上記一方
のリールの回転周期と上記巻径データによりテープ速度
を検出し、制御するようにした。
また上記の他の目的を達成するために、供給リールと
巻取リールの回転周期を検出する周期検出手段と、上記
両リールの回転周期を用いて、所定の周期で、供給リー
ルの巻径と巻取リールの巻径を算出する巻径算出手段と
を備え、上記リールの巻径算出手段が、上記の両リール
の回転周期により算出された巻径データと、それ以前に
同様に算出された巻径データとを所定のアルゴリズムに
て比較し、該比較結果に従って、それまで出力されてい
た巻径データに所定の値を加算あるいは減算して出力す
るよう構成し、供給リールと巻取リールの少なくとも一
方のリールの回転周期と巻径によりテープ走行速度を検
出し、速度制御を行うようにした。
〔作用〕
まず第1の目的を達成するための手段では、リールの
巻径算出手段が両リールの回転周期を用いて直接算出す
る巻径データを上位ビットデータだけにしているので複
雑な演算を要する巻径の演算は上位ビットに応じた演算
ビット精度で良く、巻径算出手段の回路規模、あるいは
マイクロコンピュータで演算する場合におけるソフトウ
ェアの規模および演算時間の削除が図れる。そして、巻
径データが上位ビットだけでは、上位巻径データが1LSB
(上位ビットの最小の1ステップ)変化した場合におけ
るテープ速度の検出変動が大きいので、下位ビットデー
タは、上位ビットデータの1LSBが変化するような場合に
は、上記ビットデータに連続した下位ビットデータを所
定期間、所定のクロックにてインクリメントあるいはデ
クリメントすることにより、上位ビットデータが1LSB変
化した場合に下位ビットの1LSB単位で巻径データが補間
される。従ってこの上位・下位ビットデータとリールの
回転周期より求めたテープ速度の検出変動を抑えること
ができ、安定したリール駆動によるテープ実行を実現で
きる。
また他の目的を達成するための手段では、リールの巻
径算出手段が、両リールの回転周期により算出された巻
径データと、それ以前に同様に算出された巻径データと
を所定のアルゴリズムにて比較し、この比較結果に従っ
て出力する巻径データを操作できるので、供給リールの
テープ供給量と巻取リールのテープ巻取量が瞬時点に変
動することにより、両リールの巻径が同時に増加あるい
は減少するような巻径の誤算出が発生した場合などに
も、出力する巻径データをホールドし、テープ速度の誤
検出を防止することができ、テープの安定な速度制御を
実現することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。第
1図は本発明を適用したテープ駆動装置のブロック図で
ある。第1図において、1は磁気テープ、2は回転シリ
ンダ、3はシリンダモータ、4はキャプスタン、5はキ
ャプスタンモータ、6は供給リール、7は供給リールモ
ータ、8は巻取リール、9は巻取リールモータ、10はテ
ンションセンサ、11,12,13,14はFG(周波数発生器)セ
ンサ、15はシリンダ制御回路、16,18,21,27はモータド
ライバ、17はキャプスタン制御回路、19はテンション制
御回路、20は加算回路、22は供給リール用定常トルク発
生回路、23は巻取リール用定常トルク発生回路、24は巻
取リールの巻径の高精度化回路、25はテープ速度制御回
路、26は加算回路、28は両リールの巻計算出回路、29は
クロックの入力端子である。尚、本実施例では以下の説
明でリール系においては供給リール側をS,巻取リール系
をTで表わす。
第1図に示す装置では、テープ駆動系としてキャプス
タン系とリール系を有している。本発明はリール駆動系
に主眼をおいたものであるので、以下、リール駆動系に
重点をおいて説明する。リールによるテープ走行では、
リールに巻かれているテープの量、即ちリールの巻径に
応じてリールの回転速度とテープの速度との関係は変化
する。したがって、リール駆動におけるテープ速度の検
出、制御にはリールの巻径(半径)情報が不可欠であ
る。そこで本実施例ではSリールおよびTリールの回転
周期とキャプスタンの回転周期から両リールの巻径を求
める構成としている。上記SリールおよびTリールとキ
ャプスタンの回転周期は、各FGセンサ13,14,12により各
モータ7,9,5の回転周期に比例した周波数で発生されるF
G信号(SFG,TFG,CFG)の周期を入力端子29より供給され
る基準クロックにて計数することにより、リール巻径算
出回路28にて求めている。リール巻径算出回路28のさら
に詳しい構成例を第2図に示す。第2図において、30,3
1,32は各FG信号の入力端子、33,34は算出された巻径デ
ータの出力端子、35,36,37は各FG信号の周期計測回路、
38はテープ総量計算回路、39は演算回路40はメモリであ
る。各FGの周期計測回路35,36,37では、各FG信号の周期
を基準クロックCKにより計数することで各モータの回転
周期を算出し、その周期データ(Tc,Ts,Tt)をテープ総
量計算回路38へ供給している。テープ総量計算回路38で
は各モータの回転周期データを用いて計算により装着さ
ているテープの総量を求める。以下テープの総量を求め
る計算およびテープ総量を用いて両リールの巻径を求め
る計算について述べる。
まずモータの回転周期Tと角速度ωの関係は ω〔rad/s〕=2π〔rad〕/T〔s〕…(1) である。ここで、テープがキャプスタンにより駆動され
る場合には、キャプスタンのテープ駆動速度とSリール
のテープ供給速度およびTリールのテープ巻取速度が等
しいことから下式(2)が成り立つ。
Vt=r0ω=rsω=rtω…(2) 式(2)においてVtはテープ速度、rは半径(巻径),
ωは角速度である。尚、rとωに付したC,S,tはCがキ
ャプスタン、SがSリール、tがTリールを表わしてい
る。この場合、キャプスタンの半径rcは固定値で既知で
あることより、各リールの巻径は下式(3),(4)で
求まる。
上記式(3),(4)より、装着テープの総量Sは下
式(5)により得られる。
S=πrs 2+πrt 2=π(rs 2+rt 2)…(5) このテープ総量Sと両リールの回転周期Ts、Ttにより、
リールのみの走行時のリール巻径は下式(6),(7)
により求めることができる。
以上の計算のうち、テープ総量Sのは装置したテープ
の固有の値であり、これはテープ装着時にキャプスタン
駆動時に一度だけ計算すれば良い。以上のテープ総量計
算およびリール駆動時の両リールの巻径計算は第2図に
示したテープ総量計算回路38および演算回路39にて行わ
れる訳だが、本実施例では、テープ総量計算が最初に一
度だけ行なえばよく、両リールの巻径演算は時々刻々変
化する両リールの巻径を常に正しく得るため常に巻径演
算を行うことから、以下の工夫をしている。
まず、テープ総量計算回路38では、上記式(2)に示
したテープ総量計算にかわり、下式(8)の計算を行な
い計算結果S′を演算回路39へ供給している。
従って、両リールの巻径計算は、式(6),(7)を
改良した式(9),(10)を行なえば良いことになる。
しかし、上式(9),(10)においても2乗計算と平
方根計算があり、そのまま計算したのでは演算時間が長
くなり、時々刻々変化するリール巻径の変化に対応でき
なくなる。そこで本実施例では、読み出し専用メモリ40
を用い、このメモリ40に なる計算結果のデータテーブルF(x)作成し、演算回
路39では、両リールの回転周期の比である を計算し、これによりメモリ40からF(xt)とF(xs)を読み
出し、下式(11)と(12)より両リールの巻径を算出し
ている。
従って、演算回路39では、加算,割算,2乗計算,平方
根計算を含む複雑な計算を割算2回で実現しており、割
算時間の短縮を行なっている。上式(11),(12)によ
り求められた両リールの巻径データrt,rsは出力端子33
および34を介して、第1図に示したTリール定常トルク
発生回路23、Sリール定常トルク発生回路22およびrt
高精度化回路24へ供給される。
第1図において、リール巻径データが供給されている
Sリール定常トルク発生回路22とTリール定常トルク発
生回路23は各リールモータが各リールの巻径に応じて所
定のトルクを発生するようモータドライバ21,27へ所定
の電圧を供給するものである。上記所定トルクはSリー
ルおよびTリール共にテープを巻き取る方向に働き、停
止時あるいはテープ走行時に回転ヘッド(図示せず)が
磁気テープ1に良好に接触するようテープにテンション
を与えるものである。トルクτとテンションTen、の関
係は下式(13)に示すようにリールの巻径により同一テ
ンションを発生するのに必要なトルクは変化する。
従って、S,Tリール定常トルク発生回路22,23は、巻径
に比例した定常トルクを発生するようドライバ21,27へ
所定の電圧を供給する。
では次に本実施例の重要部分であるTリール巻径の高
精度化回路24について詳しく説明するが、その前にリー
ル駆動におけるテープの速度制御についで述べる。
本実施例ではリール駆動におけるテープ速度制御はT
リール系にて行なっている。このテープの速度制御は、
速度制御回路25にてテープ速度を検出し、目標テープ速
度との差分をTリールモータへ帰還することにより、テ
ープ速度をほぼ目標速度に等しくしている。ただし、こ
こで問題となるのが、テープ速度の検出である。これは
リール駆動の場合はテープ速度はリールの巻径とリール
の回転周波数の積に比例するため、リールの巻径が変化
すると、実際のテープ速度が変化していない状況におい
ても検出されるテープ速度が変化してしまう。特にリー
ル巻径がディジタル量として検出され量子化ビット数が
少ない場合は検出されるテープ速度の変動が大きなもの
となる。そこで、検出テープ速度の変動を抑えるため、
リール巻径の量子化ビット数を多くしようとすれば、先
に説明したリール巻径算出回路28における演算ビット精
度を上げる必要がありその場合、回路規模あるいは演算
時間の長大化をまねいてしまう。そこで本実施例では、
巻径の高精度化回路24にて、比較的量子化ビット数が少
ないデータrtを、高精度化し、速度制御回路25におい
て、検出されるテープ速度変動を抑える構成にしてい
る。以下、Tリールの巻径の高精度化回路24について第
3図から第4図により詳しく説明する。
第3図は、上記巻径の高精度化回路24の具体的構成例
を示す。第3図において、42はリール巻径算出回路28よ
り供給されるTリール巻径データの入力端子、43はTリ
ールFG信号の入力端子,44は高精度化された巻径データR
tの出力端子、45は0データ発生回路、46はプリセット
機能付アップダウンカウンタ(以下、UDカウンタと記
す。),47はデコーダ,48は0比較回路,49はセット・リ
セット機能フリップフロップ(以下、RS−F.F.と記
す。),50はアンドゲート,51はインバータ,52,53はノア
ゲート、そして54はオアゲートである。第3図において
入力端子42より供給された巻径データrtは、UDカウンタ
の上位プリセットデータ端子と、デコーダ47のAn側入力
端子へ供給される。上記デコーダ47のBn入力端子へは、
UDカウンタ46の上位カウントデータが供給されている。
デコーダ47は、Anに入力されたデータとBnに入力された
データの減算を行いAn−Bnが0,1,−1の場合、図に示す
それぞれの制御信号P0,P1,P2をハイレベルとし、それ以
外の場合は制御信号P3をハイレベルにする。従って、入
力巻径データrtとUDカウンタ46の上位カウントデータru
の差の絶対値が1を越える場合は、制御信号P3がハイレ
ベルとなりUDカウンタ46は入力巻径データrtと0データ
発生回路45より供給される0データをプリセットする。
するとデコーダ47ではAn−Bn=0となり制御信号P3をロ
ウレベルにすると共にP0をハイレベルにする。この制御
信号P0はノアゲート52およびアンドゲート50へ供給され
ている。アンドゲート50には0比較回路48の出力が供給
されている。上記0比較回路48はUDカウンタ46の下位カ
ウントデータrdを入力しており、この下位データrdが0
の場合は比較出力をハイレベルにしてアンドゲート50へ
供給する。従って、UDカウンタ46がプリセットされた状
態では、アンドゲート50の出力信号はハイレベルとな
り、ノアゲート53の出力はロウレベルとなり、第3図に
示した巻径高精度化回路24は安定状態となる。この時、
巻径の高精度データ出力としてはUDカウンタ46にプリセ
ットされたデータが出力端子44を介して出力される。
テープの速度制御を行っている場合はテープが常に移
動しているのでTリールの巻径データrtは増加あるいは
減少する。まず巻径データrt+1増加した場合について
説明する。この場合、デコーダ47に入力されるデータrt
とruは、rt−ru=1となるためデコード出力である制御
信号P0はロウ老レベルとなり、P1はハイレベルとなる。
従って、RS−F.F.49はセットされ、UDカウンタはアップ
カウンタとなる。RS−F.F.49がセットされるとその負論
理出力Qはロウレベル、正論理出力Qはハイレベルとな
る。これによりノアゲート52は入力端子43およびインバ
ータ51を介して供給されるTリールのFG信号(TFG)を
オアゲート54を介してUDカウンタ46へカウンタクロック
として供給する。これにより、UDカウンタ46は、TFG信
号の周期で上位カウントデータruが入力巻径データrt
等しくなるまでカウントアップし、等しくなった時点で
先の安定状態となる。従って順次Tリールの巻径が増加
して行く場合は、リール巻径算出回路28の出力である巻
径データrtと、第3図に示した巻径の高精度化回路24の
出力データRtの関係は、第4図の(1)に示すようにな
る。第4図は時間と伴に半径が増加している場合の巻径
データrtと高精度化巻径データRtの値を示している。点
線が高精度化回路24に入力される巻径データであり、実
線が高精度化回路24から出力される巻径データRtであ
る。
次に巻径が減少し、入力巻径データrtが−1減少した
場合について説明する。この場合、デコーダ47に入力さ
れるデータrtとruは、rt−ru=−1となるためデコード
出力である制御信号P0はロウレベルとなり、P2はハイレ
ベルとなる。従ってRS−F.F.49はリセットされ、Q出力
がハイレベル,Q出力がロウレベルとなりUDカウンタ46は
ダウンカウンタとなる。またこれによりノアゲート53は
入力端子43およびインバータ51を介して供給されるTFG
信号をオアゲート54を介してUDカウンタ46へカウンタク
ロックとして供給する。これにより、UDカウンタ46は、
TFG周期でダウンカウントを行う。この時、最初の1カ
ウントダウンにより、上位カウントデータruは桁下がり
により入力巻径データrtと等しくなるが、0比較回路48
の出力がハイレベルになるまで、即ち、UDカウンタ46の
下位カンウントデータr01が0になるまでダウンカウン
トは継続され、この下位カウントデータrdが0になった
時点で先の安定状態になる。従って、順次Tリールの巻
径が減少して行く場合は、入力巻径データrtと高精度化
巻径データRtの関係は第4図(2)に示すようになる。
第4図の(2)において、点線が巻径の高精度化回路24
へ入力される巻径データrtであり、実線が高精度化回路
24から出力される巻径データRtである。
以上、巻径データの高精度化回路24について第3図の
具体的ハード構成例について説明してきたが、これは、
例えばマイクロコンピュータを利用してソフト処理にて
行うことも可能である。第5図に第3図の巻径データの
高精度化回路24と同様の処理を行わせる場合のフローチ
ャートを示す。
上記の巻径データ高精度化回路24により、巻径変化時
の量子化誤差を大幅に減少された高精度巻径データRtは
速度制御回路25へ供給される。速度制御回路25では、上
記高精度巻径データRtと、TFG信号より求めたTリール
の回転周波数よりテープ速度を検出し、目標テープ速度
との差分を発生し、加算回路26およびモータドライバ27
を介してTリールモータ9へ負帰還することによりテー
プの速度制御を行っている。
では次に第1図に示したテープ駆動装置において、上
述してきたリール駆動時のテープ速度制御系以外のブロ
ックについて簡単な説明しておく。まず、テンション制
御回路19は、テープテンションを検出するテンションセ
ンサ10の出力信号と、目標テープテンション値を比較
し、その差分を加算回路20およびモータドライバ21を介
してSリールモータ7へ負帰還し、常にテープのテンシ
ョンが所定の値になるように制御している。また、シリ
ンダ制御回路15は、FGセンサ11より供給されるシリンダ
FG信号(DFG)の周期を基準クロックCKにより計測し、
シリング2の回転周波数あるいは回転位相を求め、目標
回転周波数あるいは目標回転位相との差分をモータドラ
イバ16を介してシリンダモータ3へ負帰還し、シリンダ
を一定の回転周波数で回転させている。また、キャプス
タン制御回路17はテープのキャプスタン駆動時に、FGセ
ンサ12より供給されるキャプスタンFG信号(CFG)の周
期を基準クロックCKにて計測し、キャプスタン4の回転
周波数あるいは回転位相を求め、目標周波数あるいは目
標回転位相との差分をモータドライバ18を介してキャプ
スタンモータへ負帰還し、キャプスタンを一定の回転周
波数で回転させている。
以上説明したように本実施例によれば、リール駆動時
のテープ速度検出における検出誤差の変動を大幅に抑
え、速度制御性能を劣化させること無くリーク巻径の算
出手段における演算ビット精度を削減でき、回路規模の
小形化あるいは、演算時間の短縮化が図れる。
では次に本発明の他の目的を達成する実施例につい
て、第6図により説明する。第6図は、本発明を採用し
たリール巻径算出回路の具体的構成例を示すブロック図
である。尚、本リール巻径算出回路は第2図に示したリ
ール巻径算出回路28に代えて第1図のテープ駆動装置に
設けても本発明の効果は何ら変わらないので、以下、第
6図のリール巻径算出回路について説明する。また、第
6図において、第2図と同一の符号を付けたブロックは
第2図で説明した働きと同様の働きをするブロックであ
り、ここでの詳しい説明は省略する。
第6図のリール巻径算出回路28′が第2図のそれと異
なる点は、演算回路39により算出された両リールの巻径
データrtおよびrsが入力されている巻径フィルタ処理回
路41を設けたことである。以下、の巻径フィルタ処理回
路41について詳しく説明する。
上記の巻径フィルタ処理回路41の目的は、演算回路39
の出力までの過程で、リール巻径の算出に誤りがあった
場合に、その誤った巻径データを補正して出力するもの
である。以下、巻径フィルタ処理回路41の動作を第7図
および第8図を用いて説明する。第7図および第8図は
巻径フィルタ処理回路41の動作を示すフローチャートで
ある。
第7図において、rt(n-1)は演算回路39から前回供給
されたTリールの巻径データ,rt(n)は今回供給されたT
リールの巻径データ,rs(n-1)は前回供給されたSリール
の巻径データ,rs(n)は今回供給されたSリールの巻径デ
ータ,kは定数、カウンタTRIはTリール巻径の増加傾向
を示すカウンタ、カウンタTRDはTリール巻径の減少傾
向を示すカウンタ,カウンタSRIはSリール巻径の増加
傾向を示すカウンタ,カウンタSRDはリール巻径の減少
傾向を示すカウンタである。また第8図においてrtは最
終的に出力されるTリール巻径データである。
第7図において、55では両リールの前回の巻径算出デ
ータrt(n-1),rs(n-1)と今回の巻径算出データrt(n),r
s(n)との差の絶対値を所定値kと比較し、差の絶対値が
kより大きい場合は58へ移行する。上記所定値kは、巻
径データの算出同期の一同期期間における巻径データ変
化分の原理的な最大値の数倍の値に設定している。56,5
7では両リールの巻径の増加,減少を判断しており、両
リールの巻径が共に増加あるいは共に減少している場合
は58へ移行するようにしている。上記55から57の判断に
おいて、“YES"にて58へ移行される場合はすべて巻径算
出における異常である。この巻径算出の異常時は、58に
て各リールの巻径の増加傾向,あるいは減少傾向を示す
カウンタTRI,TRD,SRI,SRDの値を3にセットする。そし
て、59では今回算出された巻径データrt(n),rs(n)を前
回算出データにして、最新データとして保持する。上記
55から59の処理移行は算出された巻径データが異常な場
合であるので、出力される巻径データrt,rsは何ら変化
することなく前回の値を保持したまま出力される。
一方、55から57の判断において、すべて“NO"の場
合、算出された巻径データは有効データとされ、60およ
び61の処理へ移行される。60の巻取リール巻径処理フロ
ーの具体的処理内容を第8図に示す。第8図において、
まず62で先回の算出データrt(n-1)と今回の算出データr
t(n)の大小比較を行う。大小比較の結果が等しい場合
は、63にてカウンタTRI,TRDを2にセットするだけで、
出力する巻径データrtは何ら変化させない。次に、大小
比較結果がrt(n-1)<rt(n)、即ち算出された巻径データ
が増加した場合には、64で巻径の減少傾向を示すカウン
タTRDを4にセットし、65で巻径の増加が傾向を示すカ
ウンタTRIをデクリメントする。そして、66にて上記カ
ウンタTRIの0比較を行い0であれば、67にてカウンタT
RIを1にセットし、68にて出力されるTリール巻径デー
タrtをインクリメント69へ移行する。上記66のカウンタ
TRIの0比較で、0でない場合は、出力される巻径デー
タrtは何ら処理されず、前値を保持したままとなる。
一方、62における大小比較の結果がrt(n-1)>rt(n)
即ち算出された巻径データが減少した場合は70へ移行
し、巻径の増加傾向を示すカウンタTRIを4にセットす
る。そして、71にて巻径の減少傾向を示すカウンタTRD
をデクリメントし、72にて上記カウンタTRDの0比較を
行い、0であれば、73にてカウンタTRDを1にセット
し、74にて出する巻径データrtをデクリメントしてい
る。上記72のカウンタTRDの0比較で、0でない場合は
出力される巻径データrtは何ら処理されず前置を保持し
たままとなる。最後に69にて、算出された前回の巻径デ
ータrt(n-1)を算出された最新の巻径データrt(n)に置き
換え1周期の処理を終了する。上記第8図の説明ではT
リールの巻径処理についての説明であったが、算出され
た巻径データrt(n-1),rt(n)をrs(n-1),rs(n)にし、カウ
ンタTRI,TRDをカウンタSRI,SRDに、出力巻径データrt
rsにすることで、第8図のフローチャートは第7図の61
に示した供給リール巻径処理フローの具体的処理内容と
なる。
以上説明したように本実施例によれば、瞬時的な両リ
ール間のテープ供給量とテープ巻取量に違いを生じリー
ル巻径演算過程で誤算出結果を発生しても、後のフィル
タ処理回路により、巻径データの補正が行われるので、
リール駆動時における速度の検出および制御を安定に行
うことができる。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように本発明によれば、リール駆動
におけるテープ速度制御の性能を劣化することなく、リ
ール巻径の演算精度、即ち演算ビット精度を削減し、リ
ール巻径演算手段のハードウェアあるいはソフトウェア
の小規模化を図ると共に、演算時間の短縮化を実現する
ことができる。
また、リール巻径の算出において、両リール間のテー
プ供給量とテープ巻取量との一時的な違い等によってテ
ープ巻径データを誤算出するような場合にも、その誤算
出された巻径データを常に補正して出力するので、正し
くテープ速度を検出することができ、従ってリール駆動
による安定なテープ速度制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すテープ駆動装置のブロ
ック図、第2図はリール巻径計算回路28の具体的構成例
を示すブロック図、第3図は巻径の高精度化回路24の具
体的構成例を示すブロック図、第4図はリール巻径デー
タの精度を比較した図、第5図は巻径の高精度化回路24
をソフト的に実現する場合のフローチャート、第6図は
本発明を採用したリール巻径計算回路の具体的構成例を
示すブロック図、第7図および第8図は巻径フィルタ処
理回路41の動作を示すフローチャートである。 22……供給リールの定常トルク発生回路、 23……巻取リールの定常トルク発生回路、 24……リール巻径の高精度化回路、 28……リール巻径算出回路、 34……テープ総量計算回路、 35……演算回路、 37……巻径フィルタ処理回路。
フロントページの続き (72)発明者 稲場 雄二 東京都千代田区神田駿河台4丁目3番地 株式会社日立製作所ニユーメデイア事 業部内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給リールと巻取リールの回転周期を検出
    する周期検出手段と、上記両リールの回転周期を用い
    て、供給リールの巻径と巻取リールの巻径を算出する巻
    径算出手段とを備え、少なくとも上記一方のリールの回
    転周期と巻径により、テープ走行速度を検出し、制御す
    る構成を備えたテープ駆動装置において、 少なくとも上記一方のリールの巻径算出手段が、上記両
    リールの回転周期により直接算出される上位ビットデー
    タと、所定期間にわたり、所定のクロックにより所定値
    ずつ加算あるいは減算される上記上位ビットデータに連
    続した下位ビットデータで構成される巻径データを出力
    する構成を備えていることを特徴とするテープ駆動装
    置。
  2. 【請求項2】上記リールの巻径算出手段は、 上記所定のクロックが、リールの回転周波数に比例して
    発生される周波数発生信号あるいはその分周信号である
    構成を備えている請求項1に記載のテープ駆動装置。
  3. 【請求項3】供給リールと巻取リールの回転周期を検出
    する周期検出手段と、上記両リールの回転周期を用い
    て、所定の周期で供給リールの巻径と巻取リールの巻径
    を算出する巻径算出手段とを備え、少なくとも上記一方
    のリールの回転周期と巻径により、テープ走行速度を検
    出し、制御するようにしたテープ駆動装置において、 上記リールの巻径算出手段が、上記の両リールの回転周
    期より算出された巻径データと、それ以前に算出された
    巻径データとを所定のアルゴリズムにて比較し、該比較
    結果に従って、それまで出力されていた巻径データに所
    定の値を加算あるいは減算して出力する構成を備えたこ
    とを特徴とするテープ駆動装置。
  4. 【請求項4】上記リールの巻径算出手段は、 上記所定のアルゴリズムが、算出された巻径データとそ
    れ以前に算出された巻径データとの差の絶対値が所定の
    値以上の場合には、出力される巻径データに加算あるい
    は減算する上記の所定の値を0にする構成を備えている
    請求項3に記載のテープ駆動装置。
  5. 【請求項5】上記リールの巻径算出手段は、 上記所定のアルゴリズムが、供給リールと巻取リールの
    算出された巻径データと、それ以前に算出されたそれぞ
    れの巻径データとの差が同一符号の場合には、出力され
    る巻径データに加算あるいは減算する上記の所定の値を
    0にする構成を備えている請求項3または請求項4に記
    載のテープ駆動装置。
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