JP2809999B2 - 螺鈿装飾樹脂成形物の製造方法 - Google Patents

螺鈿装飾樹脂成形物の製造方法

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JP2809999B2
JP2809999B2 JP7044486A JP4448695A JP2809999B2 JP 2809999 B2 JP2809999 B2 JP 2809999B2 JP 7044486 A JP7044486 A JP 7044486A JP 4448695 A JP4448695 A JP 4448695A JP 2809999 B2 JP2809999 B2 JP 2809999B2
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善樹 児玉
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日方化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、螺鈿の装飾を有する
美麗な漆器様の合成樹脂成形物を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】螺鈿は、おうむ貝やあわび貝等
の貝殻の真珠光を放つ部分を切り取って器物の表面に嵌
め込んだものであり、貝殻片の光沢によって美しい装飾
効果が得られることから、古来より漆器を始めとする様
々な器物の装飾に利用されている。
【0003】しかるに、従来にあっては、このような螺
鈿装飾を施す場合、器物の素地に塗装を施して貝殻片を
貼り付けた上で、貝殻片の肉厚分を埋めて器物表面を面
一にし、且つ貝殻片の表面を露呈させるために、何回も
塗装と研摩を繰り返す必要があり、非常に手間及び時間
がかかることから、極めて高価に付くという難点があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述の事情
に鑑み、素地として合成樹脂を用い、螺鈿の装飾を有す
る器物を極めて容易に製造する方法を提供することを目
的としている。
【0005】すなわち、この発明に係る螺鈿装飾樹脂成
形物の製造方法は、熱硬化性樹脂を主体とする成形材料
を型枠内に充填し、この上に螺鈿用貝殻片を散布したの
ち、プレヒートによりタブレット化し、このタブレット
をプレス成形により加熱加圧して所要形状の成形体と
し、該成形体の前記貝殻片を散布した表面側を研摩し、
更に該研摩面上にクリヤ塗装を施すことを特徴とするも
のである。
【0006】
【作用】熱硬化性樹脂を主体とする成形材料は一般に粉
末形態又はペレット形態で用いられるが、これを型枠内
に充填した上に螺鈿用貝殻片を散布してプレヒート(予
備加熱)すると、熱硬化性樹脂材料の硬化が進行し始
め、上記粉末又はペレットの相互の結着により全体が一
体化してタブレット状となり、散布された貝殻片も該タ
ブレットの表面に付着して固定される。従って、以降は
全体を一体物として取り扱えると共に、この取扱い中に
貝殻片の散布パターンつまり設定した装飾パターンに乱
れを生じない。なお、このプレヒートに際しては加圧す
る必要はないから、押し固めを行うタブレットマシンは
不要である。
【0007】ところが、螺鈿用貝殻片をプレヒート後に
散布する方法では、タブレット表面の硬化がある程度進
行しているため、貝殻片がタブレットの表面に固定され
にくく、以降の取扱いにおいて設定した装飾パターンを
維持するのに困難をきたし、作業性が悪く、またタブレ
ットから硬化反応に伴うガスが発生するので、散布する
作業者の健康を損ねる懸念もある。
【0008】プレス成形では、プレヒートにて得られた
タブレットを上下型の間で加熱加圧して所要の器物形状
とするが、この成形によりタブレット表面に突出してい
た貝殻片は素地(樹脂)に埋め込まれ、成形物の表面は
略平坦になる。しかして、このプレス成形に伴い、貝殻
片の中には上面に樹脂が回り込んで部分的ないし全体的
に浅く埋没して真珠光沢を阻害されるものが生じるが、
次の研摩により、貝殻片の表面全体が削り出される共
に、成形物表面が完全に面一化される。この研摩された
表面は次のクリヤ塗装によって透明樹脂層で被覆される
ため、貝殻片の真珠光沢及び素地の表面色が損なわれる
ことなく保護され、もって美しい螺鈿装飾を有する漆器
様の樹脂成形物が得られる。
【0009】
【実施例】以下に、この発明の螺鈿装飾樹脂成形物の製
造方法を図示実施例によって具体的に説明する。まず、
図1(A)で示すように粉末又はペレットよりなる熱硬
化性樹脂材料(1)を、底板(2a)と周枠(2b)と
からなる型枠(2)内に充填する。この熱硬化性樹脂材
料(1)としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユ
リア樹脂、ポリエステル樹脂等の一般的な熱硬化性樹脂
成分に、通常は顔料の如き着色剤と必要に応じて各種添
加剤を配合した着色樹脂組成物が使用される。また型枠
(2)の周枠(2b)は、製造目的とする器物(成形
物)の外形に応じた形状、例えば器物の外形が円形の場
合には円環状のものが用いられる。
【0010】次に、型枠(2)に充填した熱硬化性樹脂
材料(1)の上に、図1(B)で示すように螺鈿用貝殻
片(3)…を所要パターンに散布し、この全体を図1
(C)のようにプレヒーター(4)に装填し、高周波加
熱等により非加圧下でプレヒートする。これによって熱
硬化性樹脂材料(1)の硬化が進行し始め、その粉末又
はペレットの相互の結着により全体が一体化し、型枠
(2)から取り外すと、例えば図3に示すような円盤状
のタブレット(10)が得られる。しかして、散布され
た貝殻片(3)…はタブレット(10)の表面に付着固
定している。
【0011】上記のタブレット(10)は図1(D)に
示すようにプレス成形機(5)の下型(5a)上に載置
し、加熱下で上型(5b)を下降させ、図2の如く上下
型(5a)(5b)間で加熱加圧することにより、例え
ば図4に示す盆形等の所定形状の成形物(11)とす
る。このプレス成形における加熱温度は熱硬化性樹脂材
料(1)の樹脂成分の種類によって異なるが、一般に1
60〜170℃程度であり、また加熱時間は2分程度で
ある。
【0012】硬化後の成形物(11)では、タブレット
(10)の表面に突出していた貝殻片(3)は…素地
(樹脂)に埋め込まれており、表面は略平坦になってい
る。しかるに、貝殻片(3)…の中には、上面に樹脂が
回り込み、図5の如く部分的ないし全体的に浅く埋没し
て真珠光沢を充分に表出できないものが存在する。そこ
で、この表面を研摩し、図6のように埋没していた貝殻
片(3)…を削り出して表面全体を露呈させると共に、
成形物(11)の表面全体を面一に平滑化する。この研
摩は、サンドペーパーや研摩ヘッドを備えた手持ち式の
研摩機を用いて手作業にて行うのが普通であるが、適当
な自動研摩装置を利用することも可能である。
【0013】上記研摩後の成形物(11)にはウレタン
樹脂等の透明性樹脂を用いてクリヤ塗装を施す。このク
リヤ塗装により、図7に示すように、貝殻片(3)…の
表面を露呈した研摩面(11a)が透明明樹脂層(6)
にて被覆されるため、貝殻片(3)…の真珠光沢及び素
地である熱硬化性樹脂材料(1)の表面色が損なわれる
ことなく保護され、もって美しい螺鈿装飾を有する漆器
様の樹脂成形物が得られる。なお、このようなクリヤ塗
装は、一回塗りで充分であるが、貝殻片(3)…の表面
を露呈した研摩面(11a)だけでなく成形物(11)
の全表面に施してもよい。
【0014】この発明の螺鈿装飾樹脂成形物は、図示の
ような盆形に限らず、皿形、箱形、平板形等の種々の形
状とでき、平面外形も円形、多角形、楕円形等、全く制
約はなく、また素地の厚み、貝殻(3)…の厚み、大き
さ、形状、散布量、透明樹脂層(6)の厚み等も様々に
設定できる。
【0015】
【発明の効果】この発明の製造方法によれば、素地とし
て合成樹脂を用い、美麗な螺鈿の装飾を有する器物を極
めて容易に短時間で製作でき、従来に比較して製造コス
トを大幅に低減でき、しかも器物の螺鈿装飾面が平滑で
仕上がりよく高品位となる上、使用した貝殻片が全て真
珠光を放つ螺鈿として有効に機能し、埋没による材料の
無駄を生じないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る螺鈿装飾樹脂成形物
の製造方法を工程順に示すものであって、(A)は型枠
に熱硬化性樹脂材料を充填した状態の縦断側面図、
(B)は充填した熱硬化性樹脂材料の表面に螺鈿用貝殻
片を散布した状態の縦断側面図、(C)はプレヒート時
の縦断側面図、(D)はプレス成形機における成形前の
縦断側面図。
【図2】同実施例におけるプレス成形状態の縦断側面
図。
【図3】同実施例におけるプレヒート後のタブレットの
斜視図。
【図4】同実施例におけるプレス成形した成形物の縦断
側面図。
【図5】同成形物要部の拡大縦断面図。
【図6】同成形物要部の研摩後における拡大縦断面図。
【図7】同成形物要部のクリヤー塗装後の拡大縦断面
図。
【符号の説明】
1…熱硬化性樹脂材料 2…型枠 3…螺鈿用貝殻片 4…プレヒーター 5…プレス成形機 5a…下型 5b…上型 6…透明樹脂層 10…タブレット 11…成形物

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を主体とする成形材料を型
    枠内に充填し、この上に螺鈿用貝殻片を散布したのち、
    プレヒートによりタブレット化し、このタブレットをプ
    レス成形により加熱加圧して所要形状の成形体とし、該
    成形体の前記貝殻片を散布した表面側を研摩し、更に該
    研摩面上にクリヤ塗装を施すことを特徴とする螺鈿装飾
    樹脂成形物の製造方法。
JP7044486A 1995-03-03 1995-03-03 螺鈿装飾樹脂成形物の製造方法 Expired - Lifetime JP2809999B2 (ja)

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