JP2809249B2 - 田植機 - Google Patents

田植機

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JP2809249B2 JP22674092A JP22674092A JP2809249B2 JP 2809249 B2 JP2809249 B2 JP 2809249B2 JP 22674092 A JP22674092 A JP 22674092A JP 22674092 A JP22674092 A JP 22674092A JP 2809249 B2 JP2809249 B2 JP 2809249B2
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竜児 越智
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Kubota Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体に対して第1
アクチュエータにより相対姿勢変更自在に苗植付装置を
連結し、苗植付装置の対地姿勢変化を検出する検出手段
を備え、この検出手段の検出結果に基づいて、前記第1
アクチュエータを駆動制御する姿勢変更制御手段を備え
た田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記田植機において、従来では、前記検
出手段の1例として、後部支点周りで上下揺動自在な接
地フロートを用い、機体走行により接地フロートの接地
圧変動に伴う上下揺動量を検出するよう構成するととも
に、その検出値が所定値に維持されるよう第1アクチュ
エータの一例としての油圧シリンダを自動制御するよう
姿勢制御系を構成し、機体の走行速度の調節は、苗植付
装置の姿勢変更制御とは別に単独で変速操作するよう構
成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、圃場の状況の
差異、つまり、泥硬さの違い等に起因して機体走行速度
が同一であっても、接地フロートの接地圧変動に伴う上
下揺動作動における感知感度に差が生じて、苗植付装置
の対地姿勢制御が円滑に行われず植付け深さが異なった
ものになってしまう弊害があった。特に、最近では作業
の高能率化に伴い機体走行速度の高速化が進められてお
り、上記したような弊害が顕著になっていた。本発明は
上記不具合点を解消することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、冒
頭に記載した田植機において、走行機体における機体走
行用変速装置を第2アクチュエータの駆動により変速操
作自在に構成し、前記検出手段の検出値の変動幅が所定
量を越えている場合、あるいは、前記検出値の設定時間
内での変動回数が設定回数を越えている場合には、前記
第2アクチュエータの制御装置に対して減速用信号を発
する信号発生手段を備え、前記減速用信号が設定時間以
上継続して与えられると走行速度が所定量だけ減速する
よう前記第2アクチュエータを駆動制御し、その後、前
記減速用信号が設定時間以上与えられなければ走行速度
が所定量だけ増速するよう前記第2アクチュエータを駆
動制御する車速制御手段を備えてある点にある。
【0005】
【作用】苗植付装置の対地姿勢変化を検出する検出手段
の検出値が、大きな変動幅で変動している場合、あるい
は、設定時間内に頻繁に変動するような場合には、機体
走行速度が適切でない場合があるから、このような場
合、機体走行速度の減速用信号を発してその検出状況を
監視しながら、上記したような変動が所定時間継続する
ときは、走行速度が適切でないと判断して、第2アクチ
ュエータにより変速装置を所定量減速させるのである。
又、減速用信号に基づく減速制御が実行され、その後、
上記したような変動が発生しない状態が所定時間続く
と、圃場条件に対して機体の走行速度が遅いと判断し
て、そのときは所定量だけ走行速度を増速させることで
作業能率を向上させることができる。
【0006】
【発明の効果】従って、人為設定した機体走行速度が圃
場条件に適合せず、苗植付装置の対地姿勢制御が不安定
になるような場合であっても、苗植付装置の対地姿勢の
変動を監視しながら、常に適切な車速に自動的に変更制
御することで、苗植付装置の作業姿勢を安定化させなが
ら、かつ、作業能率の向上を図ることが可能な田植機を
提供できるに到った。
【0007】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図6
に乗用型田植機を示している。この田植機は、乗用型走
行機体の後部に平行四連リンク機構1を介して、一定ス
トロークで往復横移動する苗のせ台2、苗のせ台2の下
端部から一株づつ植付け用苗を取り出して圃場に植付け
る植付機構3、後部横軸芯周りで上下揺動自在に支持さ
れる複数の接地フロート4等を備えて成る苗植付装置5
を、昇降自在並びに前後軸芯周りでローリング自在に連
結して、機体を走行させながら苗植付け作業を行えるよ
う構成してある。
【0008】前記苗植付装置5は、リフトシリンダ6
〔第1アクチュエータの一例〕により駆動昇降自在に構
成するとともに、ローリング作動機構7により駆動ロー
リング自在に構成してある。ローリング作動機構7は、
図5に示すように、リンク機構1における後リンク1a
の上部に形成した左右ブラケット8,8に亘りネジ軸9
を回動自在に横架支承し、このネジ軸9を電動モータ1
0〔第1アクチュエータの他例〕により回動するよう構
成するとともに、ネジ軸9に螺合外嵌した雌ねじ部材1
1を緩衝用バネ12を介して苗のせ台2の左右両側部に
連結して構成してあり、電動モータ10を駆動すること
で苗植付装置5が左右に駆動ローリングするよう構成し
てある。
【0009】そして、苗植付装置5の対地高さが所定値
に維持されるよう制御する昇降制御手段A〔姿勢変更手
段の一例〕と、苗植付装置5をほぼ水平姿勢に維持する
ローリング制御手段B〔姿勢変更手段の他例〕とを備え
てある。つまり、図1に示すように、接地圧変動に伴う
左右中央に位置する接地フロート4の前部側の上下揺動
量をポテンショメータPM〔検出手段の一例〕により検
出して、苗植付装置5の対地高さデータとして検出し、
この検出値が人為設定器13による基準姿勢設定値とほ
ぼ合致するよう、マイクロコンピュータを備えた作業装
置用第1制御装置14がリフトシリンダ6の電磁式油圧
制御弁Vを切り換え制御することで、苗植付装置5の対
地高さを所定値に維持するよう昇降制御するよう構成
し、又、苗のせ台2の裏面側に取付けられ絶対水平姿勢
からの傾斜角度を検出する重錘式水平センサ15〔検出
手段の他例〕の検出値が、ほぼ水平状態に維持されるよ
うローリング作動用電動モータ10を駆動制御して、苗
植付装置5のローリング姿勢を所定状態に維持するよう
構成してある。従って、上記各制御手段A,Bは第1制
御装置14に制御プログラム形式で備えられる。
【0010】走行機体には、機体前部のボンネット内に
搭載したエンジン16の動力をベルト式無段変速装置1
7を介してミッションケース18に供給し、更に、変速
後の出力を前後走行車輪19,20及び苗植付装置5に
供給するよう伝動系を構成し、前記ベルト式無段変速装
置17は、図1に示すように、エンジン側プーリ21と
ミッションケース側プーリ22とを夫々割りプーリで形
成して、カム機構23を介して電動シリンダ24〔第2
アクチュエータの一例〕により背反的にプーリ間隔を変
更させて伝動ベルト25の巻回径を変化させ、無段階に
変速操作可能に構成してある。前記電動シリンダ24は
その実作動量をストロークセンサ26により検出し、こ
のストロークセンサ26の検出値と速度設定器27によ
り人為設定される設定値とが合致するようマイクロコン
ピュータを備えた走行用第2制御装置28が駆動制御す
るよう構成して、任意の変速位置に人為操作可能に設け
られている。
【0011】そして、前記ポテンショメータPM及び水
平センサ15の検出値の変動幅が所定量を越えている場
合、あるいは、検出値の設定時間内での変動回数が設定
回数を越えている場合には、第2制御装置28に対して
減速用信号を発する信号発生手段Cを備え、前記減速用
信号が設定時間以上継続して与えられると走行速度が所
定量だけ減速するよう前記電動シリンダ24を駆動制御
し、かつ、前記減速用信号が設定時間以上与えられなけ
れば走行速度が所定量だけ増速するよう電動シリンダ2
4を駆動制御する車速制御手段Dを備えてある。
【0012】前記信号発生手段Cは第1制御装置14
に、前記車速制御手段Dは第2制御装置28に夫々、制
御プログラム形式で備えられ、各制御装置14,28は
以下のように制御を実行する。
【0013】図3に第1制御装置14の制御フローチャ
ートを示している。先ず、人為設定器13、ポテンショ
メータPM及び水平センサ15の夫々の出力を読み込み
〔ステップ1〕、水平センサ15の検出値から判断して
苗植付装置5が水平姿勢から外れている場合には、水平
センサ15の検出値が水平状態を検出するまでローリン
グ作動用電動モータ10を水平復帰側に回動作動させて
ローリング制御を行う〔ステップ2〜4〕。又、ポテン
ショメータPMの検出値Xが設定器13における設定値
aの制御不感帯内に収まるよう電磁制御弁Vを切り換え
操作してリフトシリンダ6を伸縮作動させて昇降制御を
行う〔ステップ5〜7〕。そして、上記ローリング制
御、昇降制御において、水平センサ15又はポテンショ
メータPMの検出値の変動幅が設定幅を越えている場
合、あるいは、設定時間内での変動回数が設定回数以上
である場合には、図2に示すような減速用信号をオン状
態に切り換え、変動幅が設定幅より小さくなるまで、
又、変動回数が設定回数以下になるまでオン状態を維持
する〔ステップ8〜10〕。
【0014】図4に第2制御装置28の制御フローチャ
ートを示している。速度設定器27、ストロークセンサ
26夫々の出力を読み込み〔ステップ11〕、設定値Y
とストロークセンサ26の検出値Sとがほぼ合致するよ
う電動シリンダ24を作動させ、無段変速装置17が設
定速度に維持されるよう制御する〔ステップ12〜1
4〕。そして、第1制御装置14から与えられる減速用
信号が設定時間T1以上オン状態を継続している場合に
は、速度設定器27による設定速度にかかわらず所定量
だけ電動シリンダ24を減速作動させ〔ステップ15、
16〕、減速した後も更に設定時間T1以上減速用信号
がオン状態を継続しているときは、更に、所定量だけ減
速作動させる〔ステップ17〕。減速制御が実行された
、減速用信号のオフ状態が設定時間T2以上継続して
いるときは、逆に所定量づつ電動シリンダ24を増速作
動させる〔ステップ18、19〕(図2参照)。尚、減
速用信号が長く続かない場合には、設定速度を維持する
〔ステップ15〕。以下、このような制御を繰り返し
て、人為設定による設定速度が速過ぎる場合、過剰な減
速制御を行うことなく、常に適切な走行速度に維持させ
るのである。
【0015】前記ステップ8〜10により信号発生手段
Cを構成し、前記ステップ15〜19により車速制御手
段Dを構成する。
【0016】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御ブロック図
【図2】制御特性図
【図3】制御フローチャート
【図4】制御フローチャート
【図5】ローリング作動機構の正面図
【図6】田植機の全体側面図
【符号の説明】
5 苗植付装置 10 第2アクチュエータ 17 走行用変速装置 28 制御装置 C 信号発生手段 D 車速制御手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体に対して第1アクチュエータに
    より相対姿勢変更自在に苗植付装置(5)を連結し、苗
    植付装置(5)の対地姿勢変化を検出する検出手段を備
    え、この検出手段の検出結果に基づいて、前記第1アク
    チュエータを駆動制御する姿勢変更制御手段を備えた田
    植機であって、走行機体における機体走行用変速装置
    (17)を第2アクチュエータ(24)の駆動により変
    速操作自在に構成し、前記検出手段の検出値の変動幅が
    所定量を越えている場合、あるいは、前記検出値の設定
    時間内での変動回数が設定回数を越えている場合には、
    前記第2アクチュエータ(24)の制御装置(28)に
    対して減速用信号を発する信号発生手段(C)を備え、
    前記減速用信号が設定時間以上継続して与えられると走
    行速度が所定量だけ減速するよう前記第2アクチュエー
    タ(24)を駆動制御し、その後、前記減速用信号が設
    定時間以上与えられなければ走行速度が所定量だけ増速
    するよう前記第2アクチュエータ(24)を駆動制御す
    る車速制御手段(D)を備えてある田植機。
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