JP2808682B2 - 膜分離装置 - Google Patents

膜分離装置

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JP2808682B2
JP2808682B2 JP1174948A JP17494889A JP2808682B2 JP 2808682 B2 JP2808682 B2 JP 2808682B2 JP 1174948 A JP1174948 A JP 1174948A JP 17494889 A JP17494889 A JP 17494889A JP 2808682 B2 JP2808682 B2 JP 2808682B2
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繁樹 沢田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は膜分離装置に係り、特に膜モジュールの原水
導入側に設けられたストレーナの目詰りを逆洗により除
去することにより、ストレーナの人為的洗浄頻度を低減
する膜分離装置に関する。
[従来の技術] 粒状物質や高分子状物質を各種溶液中から分離する手
段として、精密濾過(MF)や限外濾過(UF)等の膜分離
手段が各種の産業分野で使われている。
これらの膜分離手段には、分離膜を装着した各種の膜
モジュールが使用されているが、多くの場合、膜モジュ
ールの原水流路の閉塞を防止するために、膜モジュール
の原水導入側には原水中の夾雑物を除去するためのスト
レーナが設けられている。通常の場合、ストレーナの設
置箇所は、膜モジュールの入口側とされている。
[発明が解決しようとする課題] このように膜モジュールの入口側にストレーナを取り
付けた膜分離装置では、微生物菌体等の粘性の高い粒状
物とその他繊維等の夾雑物が共存する系においては、こ
のストレーナの濾材がすぐに目詰りして、実用に耐えな
いという問題があった。
流路間隙の大きいチューブラーや、平膜型の膜モジュ
ールがあれば、ストレーナを膜モジュールの直前に取り
付けないでこれらの系に適用することができるが、これ
らの膜モジュールは流路間隙が大きいために、流路の閉
塞は起きにくいものの、流路に通水する循環水量が極め
て大きく、運転コストが高いという欠点があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、膜モジュールの
入口側に設けたストレーナの目詰りを容易かつ効率的に
除去することができる膜分離装置を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の膜分離装置は、原水タンク内の原水をストレ
ーナを経て膜モジュールの原水室に導入し、該原水室か
らの取出水を原水タンクに戻すようにした膜分離装置に
おいて、前記取出水の流路に膜モジュールよりも高位の
箇所を設けると共に該高位箇所を大気開放させるか又は
大気開放可能とし、前記ストレーナの濾材よりも上流側
に逆洗剥離物の取出流路を設けたことを特徴とする。
[作用] 本発明の膜分離装置は膜モジュール入口側に設置した
ストレーナの目詰り除去を膜モジュール及び取出水の流
路中に保有されている水の逆流で行なうことを可能とし
たものである。
即ち、本発明の膜分離装置においては、膜モジュール
の取出水の流路に、大気開放された或いは大気開放可能
な、膜モジュールよりも高位の箇所が設けられており、
かつ、ストレーナの濾材よりも上流側に逆洗剥離物の取
出流路が設けられているため、この膜モジュールと膜モ
ジュール取出水の流路との水頭差を利用して、膜モジュ
ール内及び膜モジュール取出水の流路内の水をストレー
ナに逆流させることができる。この逆流により、ストレ
ーナの濾材が逆洗され、濾材に付着している夾雑物等が
剥離される。そして、剥離物はストレーナの逆洗剥離物
取出流路より排出される。
このように、本発明の膜分離装置においては、膜モジ
ュールと膜モジュール取出水の流路との水頭差を利用し
て逆洗を行なうため、逆洗のための特別な動力は必要と
されない。
本発明の膜分離装置においては、このストレーナの逆
洗に際して、膜モジュールの原水室内の逆流水により膜
モジュールの分離膜の膜面に付着したゲル層ないしケー
キ層も剥離されるようになるので、逆洗後の通水再開時
における透過水量を増大させることができる。
[実施例] 以下に図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の膜分離装置の一実施例を示す系統図
である。
第1図に示す膜分離装置は、原水循環タンク(原水タ
ンク)1から循環ポンプPによりストレーナ2を経て膜
モジュール3内に原水(循環水)を供給し、膜モジュー
ル2の濃縮水(取出水)を原水循環タンク1に循環させ
る装置であって、この取出水の流路(配管14)に、大気
開放可能な、膜モジュール3よりも高位の箇所を設け、
ストレーナ2の濾材2Aよりも上流側に逆洗剥離物取出流
路(配管16)を設けたものである。
即ち、第1図に示す膜分離装置は、原水の供給用配管
11、原水循環タンク1、循環ポンプP、開閉弁V1及びス
トレーナ2を備える送給用配管12(12a、12b)、分離膜
3Aが装着された膜モジュール3、膜モジュール2の処理
水の排出用配管13、膜モジュール2よりも高位箇所14b
を有し、この高位箇所14bにサイホン・ブレーカー用弁V
2を備える膜モジュール2の取出水の循環用配管14(14
a、14b)で主に構成される。しかして、前記ストレーナ
2の濾材2の上流側には、逆洗剥離物取出用の開閉弁V2
を備える配管16が設けられている。
第1図に示す膜分離装置により原水の膜分離処理を行
なうには、弁V1を開、弁V2、V3を閉としてポンプPを作
動させ、配管11から原水循環タンク1内に供給された原
水を、配管12a、ポンプP、弁V1、ストレーナ2、配管1
2bを経て膜モジュール3の原水室3Bに導入する。原水は
ストレーナ2を通過する際に、含有する夾雑物がストレ
ーナ2の濾材2Aで除去され、これにより、膜モジュール
3の流路閉塞は防止される。そして、膜モジュール3の
分離膜3Aの透過水は処理水として配管13より排出され
る。一方、濃縮水(取出水)は配管14aより取り出し、
配管14bを経て原水循環タンク1に返送される。
このような原水の膜分離処理により、ストレーナ2で
除去された原水中の夾雑物はストレーナ2の濾材2Aの表
面に捕捉されて濾材2Aが目詰りを起こし、次第に濾過抵
抗が増大する。
従って、濾過抵抗が所定値以上となった時、或いは、
所定期間膜分離処理を継続して行なった時点で、ストレ
ーナ2の逆洗を行なう。
ストレーナ2の逆洗を行なうには、まず、循環ポンプ
Pを停止すると共に、弁V1を閉、弁V2を開、サイホン・
ブレーカー用弁V3を開とする。
サイホン・ブレーカー用弁V3を開とすることにより、
配管14の膜モジュール3よりも高位の箇所14bが弁V3
大気に開放されるため、その水頭により該高位箇所14b
中の保有水が逆流し、配管14a、膜モジュール3、配管1
2bを経てストレーナ2内に入り、ストレーナ2の濾材2A
を逆洗する。逆洗により濾材2Aの表面から離脱した剥離
物は、逆洗水と共に配管16を経て排出される。
なお、高位箇所14b中の保有水が膜モジュール3の原
水室3B内を逆流する際には、この逆流水により、膜モジ
ュール3の分離膜3Aの表面に付着したゲル層やケーキ層
も剥離される。
このようにしてストレーナ2の逆洗を終了した後、即
ち、逆洗水及び逆洗剥離物の排出が終了した後、再び循
環ポンプPを作動させると共に、弁V1を開、弁V2、V3
閉として、原水の膜分離処理を再開する。
本発明において、水頭差により、十分な逆洗力を有す
る逆流を発生させるために、取出水の流路に設けた高位
箇所と膜モジュールとの間には1mH2O以上の水圧差が生
じるように、両者の位置設定を行なうのが好ましい。
本発明において、以上の循環ポンプPの停止並びに弁
V1、V2及びサイホン・ブレーカー用弁V3の開閉によるス
トレーナ2の逆洗操作は、これら弁V1〜V3の開閉及びポ
ンプPの作動・停止を自動制御することにより容易に自
動化することが可能である。
特に、濾過抵抗を検知するセンサを設け、この濾過抵
抗が予め設定した値以上となった時に、循環ポンプPを
停止し、弁V1を閉、弁V2、V3を開とし、逆洗水及び逆洗
剥離物の排出が終了した時点で、再び循環ポンプPを作
動させると共に弁V1を開、弁V2、V3を閉とするように、
制御回路を設定することにより、膜分離処理及びストレ
ーナの逆洗を完全に自動化することができる。
なお、第1図に示す装置は本発明の膜分離装置の一実
施例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら
図示のものに限定されるものではない。例えば、図示の
ストレーナ2は外圧型のものであるが、これは内圧型の
ものであっても良く、いずれのストレーナであってもそ
の濾材よりも上流側に逆洗剥離物の取出流路を設けてあ
れば良い。また、ストレーナ2と循環ポンプPとの間に
開閉弁V1が設けられているが、これは逆止弁であっても
良い。更に、サイホン・ブレーカー用弁V3を設ける代り
に、取出水流路14の開放端14Aを膜モジュール3よりも
高位に設けるようにしても良い。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の膜分離装置によれば、膜
モジュールの原水室及び膜モジュールの取出水流路内の
水を、該取出水流路と膜モジュールとの水頭差を利用し
て逆流させることにより、特別な動力を要することな
く、ストレーナの濾材を逆洗することができる。このた
め、ストレーナの目詰りが防止され、ストレーナの人為
的な洗浄処理頻度は大幅に軽減される。なお、このスト
レーナの逆洗に際しては、膜モジュールの分離膜面に付
着したゲル層やケーキ層も剥離され、膜モジュールの透
過水量が高められるという効果も奏される。
このため、本発明の膜分離装置によれば、長期間安定
かつ効率的な膜分離処理を行なうことが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の膜分離装置の一実施例を示す系統図で
ある。 1……原水循環タンク、2……ストレーナ、 3……膜モジュール、P……循環ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 65/02 B01D 29/62 C02F 1/44 B01D 61/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原水タンク内の原水をストレーナを経て膜
    モジュールの原水室に導入し、該原水室からの取出水を
    原水タンクに戻すようにした膜分離装置において、 前記取出水の流路に膜モジュールよりも高位の箇所を設
    けると共に該高位箇所を大気開放させるか又は大気開放
    可能とし、 前記ストレーナの濾材よりも上流側に逆洗剥離物の取出
    流路を設けたことを特徴とする膜分離装置。
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