JP2808459B2 - 血液中のフルクトサミンの測定方法及び測定用試薬 - Google Patents
血液中のフルクトサミンの測定方法及び測定用試薬Info
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Description
察の指標となる血液中のフルクトサミンの測定方法及び
測定試薬に関し、更に詳しくは血液中のフルクトサミン
の測定の際に使用する標準物質として、従来使用された
ことがない第1級アミノ基にフルクトースが結合したア
ミノ酸誘導体を使用する、血液中のフルクトサミンの測
定方法及び測定用試薬に関するものである。
して血液中に存在するフルクトサミンが注目されてい
る。
蛋白質から生成される。すなわち、グルコースのアルデ
ヒド基は蛋白質のアミノ基と反応してシッフ塩基を生成
し、次いでアマドリ転位によって安定なケトアミン結合
を有するフルクトサミンを生ずる。このフルクトサミン
は、採血時の2〜3週間前の平均的な血糖値を反映する
もので、糖尿病の中期的管理のための検査として特に有
効である。
(イ)〜(ハ)に示す方法が開示されている。
(1981)) この方法は、低濃度試料では十分な感度が得られず、
又1検体あたりの処理速度が遅い欠点がある。
変化を起こす試薬を用い、フルクトサミンの値を比色法
で測定する方法である。すなわち、水性のアルカリ媒体
中で、エノール型で存在し、かつこの形で容易に酸化さ
れうるフルクトサミンが、還元型で呈色する酸化物、例
えばテトラゾリウム塩と反応し、生成するホルマザン着
色物質を測光的に測定するというものである。
以外の酸化され易い成分(アスコルビン酸、ピリルビ
ン、還元型グルタチオン等)も呈色化合物(酸化還元色
素)を還元して測定値に影響を与えてしまう欠点を有す
るので、これらの方法は前記これらの生理的還元物質
(妨害物質)等を、例えば酸化酵素等で除去した後、呈
色反応を行わせ、実質的に呈色の測定を1回だけでフル
クトサミンの値を求めることを可能としている。
準物質として、1−デオキシ−1−モルホリノ−D−フ
ルクトース(以下DMFという)を合成して用いている。
ミン溶液とテトラゾリウム塩(ニトロブルーテトラゾリ
ウム塩)を含むアルカリ性緩衝液の反応)が直線的に進
行しないことがあるという問題点がある(Clin.Chem.33
/2,269−272(1987))。
溶媒等に一旦溶解し、プール血清や、血清アルブミンを
含む緩衝液中で希釈したものを標準溶液として用いる
が、これらのプール血清や、血清アルブミンは、そのロ
ット間でマトリックス効果が異なり、また血清自体も若
干糖化されているため、恒常的な値を有する標準溶液が
作製できず、従ってDMF標準溶液自体の真のフルクトサ
ミン濃度が単純に(簡単に)求められないという不都合
が生じる。更に、プール血清や、血清アルブミンのマト
リクス効果がホルマザンの吸着能以外にも、DMFがニト
ロブルーテトラゾリウム塩(NBT)に対する反応性に影
響するという問題もある(Clin.Chim.Acta.,156,215−2
20(1986))。
トサミンの標準物質を鋭意開発したところ、第1級アミ
ノ基にフルクトースが結合したアミノ酸誘導体が前記問
題点を一挙に解決するものであることを知り本発明を完
成した。
されている。
色素と反応させ、その着色の程度を比較測定することに
よりフルクトサミン含有量を求める血液中のフルクトサ
ミン測定方法において、血液中のフルクトサミン測定用
標準物質としてアミノ基にフルクトースが結合したアミ
ノ酸誘導体を使用する血液中のフルクトサミンの測定方
法。
トースが結合したアミノ酸誘導体を、血液由来試料と共
に使用する特許請求の範囲第1項記載の血液中のフルク
トサミンの測定方法。
ノ−D−フルクトースである特許請求の範囲第1項また
は第2項記載の血液中のフルクトサミンの測定方法。
−D−フルクトースである特許請求の範囲第1項または
第2項記載の血液中のフルクトサミンの測定方法。
として、アミノ基にフルクトースが結合したアミノ酸誘
導体を含有する血液中のフルクトサミン測定用試薬。
ノ−D−フルクトースである特許請求の範囲第5項記載
の血液中のフルクトサミンの測定用試薬。
−D−フルクトースである特許請求の範囲第5項記載の
血液中のフルクトサミンの測定用試薬。
たアミノ酸誘導体、特にフルクトシルアミノ酸は、既知
の物質であり、合成法も古くから知られている(Method
in Carbohydrate Chemistry,VOL.1,2,p105(196
3).)。
−D−フルクトース(フルクトシルグリシン)、及び1
−デオキシ−1−グルタミノ−D−フルクトース(フル
クトシルグルタミン酸)、の合成例を記載する。
−D−グルコース 750gを含む95℃の溶液 100ml中に
加える。この混合液を沸騰水浴中で攪拌しながら1時間
加温した後、2の水と脱気した95%エタノールを加
え、4.5に希釈する。この溶液を、スルホン酸基を有
するポリスチレン陽イオン交換樹脂を充填したカラムに
通す。カラムを50%エタノールを用いて洗い、更に水で
洗う。次に、0.1Nアンモニア水で溶出し、エタノールを
加え結晶を析出させる。この結晶を少量の水に溶解し、
エタノールを加えて再結晶させ、約200gのフルクトシル
グリシンを得た。
にグルタミン酸 147gを用いて、フルクトシルグルタミ
ン酸を約220gを得た。
シルグルタミン酸に限らず、フルクトシルリジン、フル
クトシルアスパラギン酸等を容易に合成することができ
る。
く、溶液の調製が容易である。従って、フルクトサミン
値に影響を与える不確定要素を全て排し、一定条件の標
準溶液を分析に供することができる。
には、先ず有機溶媒あるいは界面活性剤等で一度溶解
し、前記したように一部糖化されている蛋白質溶液に懸
濁しなければならず、従って、反応に不必要な有機溶媒
や、反応に影響を与える蛋白質の混入が避けられない。
特に測定手技の面で検体中の血清蛋白質等に由来するマ
トリクス効果(ホルマザンの分散に対する影響)を相殺
できる標準添加法を用いることが可能となり、従来不正
確であった検体中のフルクトサミンの濃度を公知のフル
クトサミンの測定試薬によってより正確に求めることが
できるものである。
1容と、牛血清アルブミン(BSA)水溶液(5g/dl)4容
を混和し、DMF濃度が、0,2,4,6,8,10mMとなる様に各DMF
溶液を調製した。
ルタミン酸(FG1u)フルクトシルグリシン(FG1y)の各
々について、種々濃度の1容と、上記BSA水溶液 4容
を混和し、FG1u、及びFG1y各々の濃度が、0,2,4,6,8,10
mMとなる様に、各FG1u溶液、及び各FG1y調製した。
し、予め37℃に保温しておいたNBT試薬(0.25mM NBTを
含む100mM 炭酸緩衝液,pH10.2)2.5mMを添加混和し、3
7℃の恒温下で、530nmにおける吸光度変化を測定した。
るため、最小二乗法における各濃度の吸光度測定値の標
準誤差を求めグラフ化した。その結果を図面に示す。
れ、反応曲線の直線性が悪くなるのに対し、FG1u、及び
各FG1yでは、より直線性が保持(維持)され、特にFG1u
が優れていることが確認できた。例えば、4mMの濃度の
時、DMFの場合、7〜8分間の反応速度は、4〜5分間
の反応速度と比べて、14%も減少するのに対し、FG1uの
それは5%、FG1yは8%に過ぎない。
分間の吸光度変化]として表すと、DMFは0.86となるの
に対し、FG1yは0.92,FG1uは0.92,0.95となった。
った。
ルに分注し、予め37℃に保温しておいたNBT試薬 2.5ml
を添加混合し、37℃の恒温下で530nmにて、反応開始後
7分間と、8分間の吸光度を測定し、血清中のフルクト
サミン濃度を求めた。
りとした。
M、ポリエチレングリコール1%を含む100mM 炭酸緩衝
液(pH10.2)。
吸光度を測定し、血清中のフルクトサミン濃度を求め
た。
19,81〜87(1981))に準じて測定した。
者を用いることに問題はなく、標準法であるHPLC法の値
との相関は、DMFよりもFG1u、FG1yを用いた方が良好な
結果を与えていることが分かる。
標準添加法(特許請求の範囲第2項)を用いて血清中の
フルクトサミンを測定した。
(実施例1のもの)2.5mlを添加混和し、第1の反応を
開始する。先ず反応開始後6〜8分間の530nmにおける
第1吸光度変化速度を求める。
μをその反応液に添加し第2の反応を開始する。この
反応開始後2〜4分、4〜6分、6〜8分間について、
第2の吸光度変化速度を求める。
ミン濃度を求めた結果を第2表に示す。
としてFG1u、FG1yを用いることにより、第2反応での吸
光度変化速度が一定に保たれるため、吸光度測定タイミ
ングによる測定値の変動が少ないことが分かる。
質としてDMFを用いる方法よりも、信頼性の高い値を求
めることができる。また標準添加法と組み合わせること
により、その効果を更に大きくすることができる。
ために行った、最小二乗法における各濃度の吸光度測定
値の標準誤差を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】血液由来試料をアルカリ性の緩衝液中で酸
化還元色素と反応させ、その着色の程度を比較測定する
ことによりフルクトサミン含有量を求める血液中のフル
クトサミン測定方法において、血液中のフルクトサミン
測定用標準物質としてアミノ基にフルクトースが結合し
たアミノ酸誘導体を使用する血液中のフルクトサミンの
測定方法。 - 【請求項2】測定用標準物質として使用するアミノ基に
フルクトースが結合したアミノ酸誘導体を、血液由来試
料と共に使用する特許請求の範囲第1項記載の血液中の
フルクトサミンの測定方法。 - 【請求項3】アミノ酸誘導体が、1−デオキシ−1−グ
ルタミノ−D−フルクトースである特許請求の範囲第1
項または第2項記載の血液中のフルクトサミンの測定方
法。 - 【請求項4】アミノ酸誘導体が、1−デオキシ−1−グ
リシノ−D−フルクトースである特許請求の範囲第1項
または第2項記載の血液中のフルクトサミンの測定方
法。 - 【請求項5】血液由来試料中のフルクトサミン測定用標
準物質として、アミノ基にフルクトースが結合したアミ
ノ酸誘導体を含有する血液中のフルクトサミン測定用試
薬。 - 【請求項6】アミノ酸誘導体が、1−デオキシ−1−グ
ルタミノ−D−フルクトースである特許請求の範囲第5
項記載の血液中のフルクトサミンの測定用試薬。 - 【請求項7】アミノ酸誘導体が、1−デオキシ−1−グ
リシノ−D−フルクトースである特許請求の範囲第5項
記載の血液中のフルクトサミンの測定用試薬。
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JP20672189A JP2808459B2 (ja) | 1989-08-11 | 1989-08-11 | 血液中のフルクトサミンの測定方法及び測定用試薬 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0371059A JPH0371059A (ja) | 1991-03-26 |
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1989
- 1989-08-11 JP JP20672189A patent/JP2808459B2/ja not_active Expired - Fee Related
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