JP5289280B2 - 糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドの製造方法 - Google Patents
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また、糖化蛋白質を含む標準試薬の場合、長期間の保存中に蛋白質が変性し、正確な校正ができなくなることがあった。
(1)下記の成分:
糖類 300mM〜5000mM;
アミノ酸及び/又はペプチド 1mM〜500mM;及び、
リン酸化合物、鎖状飽和多価カルボン酸、及び鎖状飽和多価カルボン酸化合物から選ばれる1種以上の酸化合物 15mM〜400mM、
を混合する工程を含む、糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドの製造方法。
(2)前記混合する工程で得られた混合物を40〜80℃でインキュベートする工程をさらに含む、(1)記載の方法。
(3)前記インキュベートする工程がpH5〜9の条件下で行われる(2)記載の方法。
(4)前記インキュベートする工程が10〜200時間行われる(2)又は(3)記載の方法。
(5)下記の工程を含む、糖化蛋白質測定用標準試薬の製造方法:
(i)下記の成分:
糖類 300mM〜5000mM;
アミノ酸及び/又はペプチド 1mM〜500mM;及び、
リン酸化合物、鎖状飽和多価カルボン酸、及び鎖状飽和多価カルボン酸化合物から選ばれる1種以上の酸化合物 15mM〜400mM、
を混合して糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを含む溶液を調製する工程;ならびに、
(ii)当該溶液を、当該酸化合物の濃度が10mM以下となるように希釈する工程。
(6)前記工程(i)において、前記成分を混合した後に得られた混合物を40〜80℃でインキュベートする、(5)記載の方法。
(7)前記インキュベートがpH5〜9の条件下で行われる(6)記載の方法。
(8)前記インキュベートが10〜200時間行われる(6)又は(7)記載の方法。
(9)希釈後の溶液のpHが5〜9である、(5)〜(8)のいずれか1に記載の方法。
(10)(5)〜(9)のいずれか1に記載の方法により製造された糖化蛋白質測定用標準試薬を用いる糖化蛋白質の測定方法。
(実施例1)
ジペプチドとして2mMのバリルヒスチジン(コスモバイオ社製:以下VH)、糖類として780mMのグルコース(和光純薬社製)を含む、100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)100mLを調製し、反応溶液とした。得られた反応溶液を攪拌しながら60℃に加温し24時間糖化反応を行い、VHの糖化物であるフルクトシルバリルヒスチジン(以下、FVH)を生成させた。
上記反応による糖化率(FVH/VH×100)は58%であり、高い反応収率が得られた。
本実施例では、実施例1における酸化合物を変更して糖化反応を行った場合の例を示す。
実施例1における酸化合物であるリン酸ナトリウムを、表1に示す化合物(またはその塩類)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、FVHを生成させた。実施例1と同様の方法によりFVH量を測定し、各糖化率を求めた。
各条件におけるVHの糖化率を下記表1に示す。実施例2〜4の、本発明に用いられる酸化合物であるクエン酸、コハク酸、マロン酸を用いた場合は、糖化率が30%以上と高い糖化率を示した。一方、比較例2〜14の酸化合物を用いた場合の糖化率は、酸化合物を用いない場合(比較例1)と同程度かそれ以下であり、糖化率が非常に悪かった。
本実施例では、本発明の糖化反応に関わる、反応溶液中の3つの成分、すなわちペプチド類、糖類、酸化合物の濃度を変更して糖化反応を行った場合の例を示す。
下記表2の濃度のVH(ペプチド)及びグルコース(糖類)を含むリン酸ナトリウム(酸化合物)緩衝液(pH7.0)を調製し、反応溶液とした。得られた反応溶液を実施例1と同様に反応を行い、FVHを生成させた。実施例1と同様の方法によりFVH量を測定し、各糖化率を求めた。得られた結果を下記表2に示す。
実施例5〜8の本発明の規定する濃度範囲の各成分を用いた場合においては高い糖化率が得られた。一方、3つの成分のうち、1つでも範囲外となる条件である比較例1、15、16においては、糖化率が低かった。
本実施例では、上記実施例に用いたジペプチドであるVHの代わりに、ヘキサペプチドを用いて、本発明の条件に基づく糖化反応を行った場合(実施例9)、及び、同ヘキサペプチドについて、酸化合物を用いずに糖化反応を行った例(比較例17)を示す。
ヘキサペプチドとして20mMのVHLTPE(蛋白精製工業社製)、糖類として2000mMのグルコースを含む、100mMリン酸ナトリウム(酸化合物:和光純薬社製)緩衝液(pH7.0)100mLを調製し、反応溶液とした。得られた反応溶液を攪拌しながら60℃に加温し24時間糖化反応を行い、VHLTPEの糖化物であるフルクトシルVHLTPE(以下、FVHLTPE)を生成させた。
酸化合物を用いなかった場合(比較例17)の糖化率は0.1%であり、ほとんど糖化反応が行われなかったのに対し、実施例9では15.3%と、比較例17に比べ約150倍の収率であった。
本実施例では、上記実施例に用いたジペプチドであるVHの代わりに、アミノ酸を用いて、本発明の条件に基づく糖化反応を行った場合(実施例10)、及び、同アミノ酸について、酸化合物を用いずに糖化反応を行った例(比較例18)を示す。
アミノ酸として50mMのバリン(和光純薬社製)、糖類として1000mMのグルコースを含む、100mMリン酸ナトリウム(酸化合物:和光純薬社製)緩衝液(pH7.0)100mLを調製し、反応溶液とした。得られた反応溶液を攪拌しながら60℃に加温し24時間糖化反応を行い、バリンの糖化物であるフルクトシルバリンを生成させた。
酸化合物を用いなかった場合(比較例18)は、糖化率が0.4%と殆ど糖化反応が行われなかったのに対し、実施例10の糖化率は22.0%と、比較例18に比べ55倍の収率であった。
上記実施例5の条件において、反応温度を4〜80℃に変更して糖化反応を行った。得られた反応溶液中の糖化ペプチド濃度を測定し、糖化率を算出したところ、図1のようになった。本発明方法における好ましい反応温度は、40〜80℃であった。
上記実施例3の条件において、反応時のpHを4〜10に変更し、かつ各pH下における反応時間を、0〜199時間まで変更して糖化反応を行った。得られた反応溶液中の糖化ペプチド濃度を測定し、糖化率を算出したところ、図2のようになった。本発明方法における好ましい反応時のpHは5〜9、反応時間は20時間以上であった。
上記実施例で得られた糖化ペプチドを用いて標準試薬を調製した。得られた標準試薬について、長期間の保存安定試験を実施した。
まず上記糖化ペプチド類から標準試薬を調製した。標準試薬の調製は、糖化ペプチドを含む糖化反応後の溶液を、精製水で希釈することにより行った。調製した各標準試薬の酸化合物濃度を下記表3に示す。実施例1と同様の方法で各標準試薬の糖化ペプチドの初期濃度を測定後、4℃で保存した。一定期間毎に同品を取り出し、同一の糖化ペプチドの濃度を測定した。それぞれの初期濃度を100とした場合に対する相対比を図3に示す。また、12ヶ月経過後の各標準試薬中の糖化ペプチド濃度の初期濃度に対する相対%を下記表3に示す。
また上記の他の実施例から得られた糖化ペプチド溶液について同様の試験を実施したが、実施例1及び2の糖化ペプチドの場合と同様の結果となった。
上記表3の各標準試薬を用いて、ヒト血液検体中のヘモグロビンA1cを測定する際の校正を行い、その校正能力の評価を行った。
上記安定性試験と同様に、4℃にて保存した各標準試薬を一定保存期間毎に取り出し、同標準試薬を健常人ヒト血液検体とともにヘモグロビンA1cの測定に供した。ヘモグロビンA1cの測定は、実施例1と同様に、ノルディアHbA1c測定試薬(積水メディカル社製)を用いて行った。上記の各標準試薬により校正を行って得られた、同一のヒト血液検体を測定した場合におけるヘモグロビンA1c値の推移を図4に示す。
Claims (6)
- 下記の工程を含む、糖化蛋白質測定用標準試薬の製造方法:
(i)下記の成分:
糖類 300mM〜5000mM;
アミノ酸及び/又はペプチド 1mM〜500mM;及び、
リン酸化合物、鎖状飽和多価カルボン酸、及び鎖状飽和多価カルボン酸化合物から選ばれる1種以上の酸化合物 15mM〜400mM、
を混合して糖化アミノ酸及び/又は糖化ペプチドを含む溶液を調製する工程;ならびに、
(ii)当該溶液を、当該酸化合物の濃度が10mM以下となるように希釈する工程。 - 前記工程(i)において、前記成分を混合した後に得られた混合物を40〜80℃でインキュベートする、請求項1記載の方法。
- 前記インキュベートがpH5〜9の条件下で行われる請求項2記載の方法。
- 前記インキュベートが10〜200時間行われる請求項2又は3記載の方法。
- 希釈後の溶液のpHが5〜9である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により製造された糖化蛋白質測定用標準試薬を用いる糖化蛋白質の測定方法。
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