JP2807460B2 - 糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルの精製方法 - Google Patents

糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルの精製方法

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【発明の詳細な説明】 (従来技術) 糖アルコールやショ糖の脂肪酸エステルは、食品用の
乳化剤として多量に使用されている。その製造方法とし
ては、公知のごとく、溶媒法と呼ばれ、例えば、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの様な溶媒を用
いて反応させる方法、糖アルコールやショ糖の溶媒とし
てプロピレングリコールを用いるミクロエマルジョン法
及び溶媒を使用せず、糖アルコール又はショ糖、脂肪酸
エステル、及び石鹸を加えて加熱溶融し、130〜180℃で
反応させる無溶媒法(直接法)がある。これ等の方法は
いずれも触媒として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を使用する為、反
応物中には石鹸が含まれる。特に無溶媒法(直接法)で
は多量の石鹸を使用する為、当然反応物中には、通常10
〜40%の石鹸が含まれている。この石鹸を取り除く為に
種々の工夫がされているが、例えば現在市販されている
ショ糖脂肪酸エステルには1〜5%の石鹸分が含まれて
おり、この石鹸分により、食品用又は化粧品用等の乳化
剤として使用した場合に種々の欠点が生じる。 反応物から石鹸を取り除く方法として、例えば特開昭
61−212593号「ショ糖脂肪酸エステルの精製方法」にお
いて、反応後、反応物に酸若しくは酸性塩を加えて石鹸
を脂肪酸に転化させ、分子蒸留により脂肪酸を留去除去
する方法が開示されている。しかしながらこの方法で
は、分子蒸留の再に反応物を加熱して高温にするため、
熱安定性の悪いショ糖脂肪酸エステルの品質が劣化して
しまうという問題点が存在した。 (本発明の目的) 本発明の発明者は無溶媒法(直接法)又はミクロエマ
ルジョン法で得られる反応物を、糖アルコール脂肪酸エ
ステル(例えば、マルチトール脂肪酸エステル、マンニ
トール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル、
ソルビトール脂肪酸エステル)やショ糖脂肪酸エステル
を溶解し、反応物中に含まれる石鹸例えば、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム等の脂肪酸石鹸を溶解しない
か、又は、溶解しにくい非極性の有機溶媒、例えばヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオク
タン、ベンゼン、キシレン、トルエン等の炭化水素類又
はこれらの混液に溶解した後、この溶媒により溶解する
ことがなく、且つ排除限界分子量が2,000〜100,000の範
囲内である限外濾過膜により限外濾過する事により、極
めて高率的に石鹸分を除去できる事を発見し、本発明を
完成した。 本発明においては、限外濾過により石鹸分を除去する
ため、反応物を加熱して高温にする必要がない。従っ
て、熱安定性の悪い糖アルコール脂肪酸エステルやショ
糖脂肪酸エステルの品質が劣化することもなく、高品質
の糖アルコール脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステ
ルを得ることができる。 本発明に用いられる限外濾過膜としては、上記溶媒に
より溶解することのない膜、例えばポリイミド、ポリ
(エーテル)スルホン、アセチルセルロース等が挙げら
れるが、特に限定されるものではない。又、排除限界分
子量が2,000〜100,000の範囲の半透膜が用いられ、より
好ましくは5,000〜50,000の範囲の半透膜が好適に使用
される。排除限界分子量が2,000以下になると、液の透
過速度が極端に遅くなり、又100,000以上になると石鹸
の除去率が悪くなり、実用上好ましくないからである。 (実施例1) 内容量500mlの撹拌機付反応器にショ糖57g、ステアリ
ン酸メチル49g、ステアリン酸ナトリウム5.5gを加え、N
2ガスを流しながら、150℃に加温して溶融する。次に炭
酸カリウム10gを加え、150℃、20〜30mmHgにて4時間反
応し、茶かっ色の反応物111gが得られた。この反応物に
は、ショ糖脂肪酸エステル42.9%、石鹸22.8%が含まれ
ていた。この反応物をシクロヘキサン及びn−ヘキサン
の等容量混液500mlに溶解し、50℃圧力3Kg/cm2にてポリ
エーテルスルホン平膜分画分子量20,000による膜処理を
行ない、得られたろ液を溶媒回収し、石鹸含量を分析し
た結果、0.2%含まれていた。石鹸の除去率は99.12%で
あった。 (実施例2) 内容量500mlの撹拌機付反応器にステアリン酸33.7g、
炭酸カリウム16.5gを加え、130℃にて加温撹拌し、石鹸
を生成させる。次にショ糖126g、ステアリン酸メチル9
4.0gを加えた後N2ガスを流しながら、140℃、80mmHgに
て3時間反応し、茶かっ色の反応物245gが得られた。こ
の反応物には、ショ糖脂肪酸エステル43.5%、石鹸17.2
%が含まれていた。この反応物をキシレン770mlに溶解
し、50℃圧力3Kg/cm2にてポリエーテルスルホン平膜分
画分子量50,000による膜処理を行ない、得られたろ液を
溶媒回収し、石鹸含量を分析した結果、0.31%含まれて
いた。石鹸の除去率98.2%であった。 (実施例3) 内容量500mlの撹拌機付反応器にマルチトール57g、ス
テアリン酸メチル49g、ステアリン酸ナトリウム15gを加
え、N2ガスを流しながら、150℃に加温して溶融する。
次に炭酸カリウム10gを加え150℃、20〜30mmHgにて4時
間反応し、茶かっ色の反応物124gが得られた。この反応
物には、マルチトール脂肪酸エステル36.2%、石鹸26.7
%が含まれていた。この反応物をn−ヘキサン550mlに
溶解し、50℃圧力3Kg/cm2にてポリエーテルスルホン平
膜分画分子量20,000による膜処理を行なう。得られたろ
液を溶媒回収し、石鹸含量を分析した結果、0.15%含ま
れていた。石鹸の除去率は99.4%であった。 (比較例1) 内容量500mlの撹拌機付反応器に、ショ糖57g、ステア
リン酸メチル49g、ステアリン酸ナトリウム5.5gを加
え、N2ガスを流しながら、150℃に加温して溶融する。
次に炭酸カリウム10gを加え、150℃、20〜30mmHgにて4
時間反応し、茶かっ色の反応物117gが得られた。この反
応物には、ショ糖脂肪酸エステル43.1%、石鹸23.0%が
含まれていた。この反応物をシクロヘキサン及びn−ヘ
キサンの等容量混液500mlに溶解し、50℃圧力3Kg/cm2
てポリエーテルスルホン平膜分画分子量120,000による
膜処理を行ない、得られたろ液を溶媒回収し、石鹸含量
を分析した結果、2.9%含まれていた。石鹸の除去率は8
7.4%であった。 (比較例2) 内容量500mlの撹拌機付反応器にステアリン酸33.7g、
炭酸カリウム16.5gを加え、130℃にて加温撹拌し、石鹸
を生成させる。次にショ糖126g、ステアリン酸メチル9
4.0gを加えた後、N2ガスを流しながら80mmHgにて3時間
反応し、茶かっ色の反応物249gが得られた。この反応物
には、ショ糖脂肪酸エステル45.2%、石鹸18.9%が含ま
れていた。この反応物をキシレン770mlに溶解し、50℃
圧力3Kg/cm2にてポリエーテルスルホン平膜、分画分子
量1,000により膜処理を行なったが、ろ液の透過速度が
極めて遅く、膜処理することが出来なかった。 (比較例3) 内容量500mlの撹拌機付反応器にショ糖57g、ステアリ
ン酸メチル49g、ステアリン酸ナトリウム5.5gを加え、N
2ガスを流しながら、150℃に加温して溶融する。次に炭
酸カリウム10gを加え、150℃、20〜30mmHgにて4時間反
応し、茶かっ色の反応物114gが得られた。この反応物に
は、ショ糖脂肪酸エステル41.5%、石鹸24.0%が含まれ
ていた。この反応物にメチルエチルケトン500mlを加え
加温溶解した後、濾過助剤としてケイソウ土5gを加え撹
拌分散した後、濾過を行った。得られた濾液は、溶剤を
回収し、石鹸含量を分析した結果3.6%含まれていた。
石鹸の除去率は85.0%であった。 (比較例4) 内容量500mlの撹拌機付反応器にマルチトール57g、ス
テアリン酸メチル49g、ステアリン酸ナトリウム15gを加
え、N2ガスを流しながら、150℃に加温して溶解する。
次に炭酸カリウム10gを加え150℃、20〜30mmHgにて4時
間反応し、茶かっ色の反応物126gが得られた。この反応
物には、マルチトール脂肪酸エステル37.5%、石鹸26.0
%が含まれていた。この反応物にメチルイソブチルケト
ン600mlを加え加温溶解した後、濾過助剤としてケイソ
ウ土5gを加え撹拌分散した後、濾過を行った。得られた
濾液は、溶剤を回収し、石鹸含量を分析した結果4.2%
含まれていた。石鹸の除去率は83.8%であった。 (本発明の効果) 請求項1に係る発明は、無溶媒法(直接法)、又はミ
クロエマルジョン法で糖アルコール又はショ糖の脂肪酸
エステルを製造するにあたり、反応終了後含有する脂肪
酸石鹸を除去する方法として脂肪酸エステルを溶解し、
石鹸を溶解しないか又は、溶解しにくい非極性の有機溶
媒に溶解した後、この溶媒により溶解することがなく、
且つ排除限界分子量が2,000〜100,000の範囲内である限
外濾過膜を用いて限外濾過を行ない、反応物に含まれる
石鹸を除去することを特徴とする糖アルコール又はショ
糖の脂肪酸エステルの精製方法に関するものであるか
ら、以下のような効果を奏する。 即ち、脂肪酸エステルを溶解し、石鹸を溶解しないか
又は、溶解しにくい非極性の有機溶媒に反応物を溶解す
るので、限外濾過により容易に反応物中の脂肪酸石鹸を
除去することができる。従って、反応物を加熱すること
なく石鹸を除去することができるので、熱安定性の悪い
糖アルコールやショ糖の脂肪酸エステルの品質が劣化す
ることもなく、高品質の糖アルコール脂肪酸エステル及
びショ糖脂肪酸エステルを得ることができる。 またこの限外濾過に用いる限外濾過膜として、非極性
の有機溶媒により溶解することのない限外濾過膜を用い
るので、限外濾過中に膜が溶解してしまうことはなく、
脂肪酸石鹸の除去が良好に行われる。更に、この限外濾
過膜の排除限界分子量が、2,000〜100,000の範囲内であ
るので、反応物は適度な透明速度で透過され、また石鹸
の除去率が高くなるという優れた効果を奏する。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.無溶媒法(直接法)、又はミクロエマルジョン法で
    糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルを製造するに
    あたり、反応終了後含有する脂肪酸石鹸を除去する方法
    として脂肪酸エステルを溶解し、石鹸を溶解しないか又
    は、溶解しにくい非極性の有機溶媒に溶解した後、この
    溶媒により溶解することがなく、且つ排除限界分子量が
    2,000〜100,000の範囲内である限外濾過膜を用いて限外
    濾過を行ない、反応物に含まれる石鹸を除去することを
    特徴とする糖アルコール又はショ糖の脂肪酸エステルの
    精製方法。
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