JP2806684B2 - 電圧制御型利得可変増幅回路 - Google Patents

電圧制御型利得可変増幅回路

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JP2806684B2
JP2806684B2 JP4075014A JP7501492A JP2806684B2 JP 2806684 B2 JP2806684 B2 JP 2806684B2 JP 4075014 A JP4075014 A JP 4075014A JP 7501492 A JP7501492 A JP 7501492A JP 2806684 B2 JP2806684 B2 JP 2806684B2
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bipolar transistor
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佳之 宇都
潤 小山
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日本電気アイシーマイコンシステム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電圧制御型利得可変増幅
回路に関し、特に、帰還ループがバイポーラトランジス
タを用いて構成された電圧制御型利得可変増幅回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電圧制御型の利得可変増
幅回路は、その一例が図3に示されるように、PNPバ
イポーラトランジスタ(以後トランジスタと記す)
0 ,Q1,Q2 ,Q3 およびNPNトランジスタ
5 ,Q6 ,Q7 ,Q8 のVBE−IC 特性を利用して、
利得可変増幅回路を構成している。
【0003】以下にこの回路の動作を説明する。演算増
幅器1は、トランジスタQ0 〜Q3,Q5 〜Q8 で構成
された回路を介して、出力端から反転入力端へ帰還がか
けられている。信号源21よりコンデンサCを介して入
力端子19へ信号+vinが入力されると、この信号は抵
抗R3 によって電流に変換され、トランジスタQ7 側へ
流入する。この流入電流をiinとすれば、下記の(1)
式が成り立つ。
【0004】iin=vin/R …(1) (但し、Rは抵抗R3 の抵抗値)また、演算増幅器2の
出力端より抵抗R4 を介してトランジスタQ8 へ流れこ
む電流をiOUT とすれば出力端子24に発生する電圧v
OUT と電流iOUT の間には、以下の(2)式が成り立
つ。
【0005】iOUT =vOUT /R …(2) ここでRは抵抗R4 の抵抗値であり、抵抗R3 の抵抗値
と同値である。
【0006】次にトランジスタQ5 のコレクタ電流をI
5 、トランジスタQ6 のコレクタ電流をI6 とおき制御
電圧源9の電圧を△Vとおくと、トランジスタQ5 ,Q
6 ,Q0 ,Q1 の間には下記の式が成り立つ。
【0007】
【0008】ここで、ISN,ISPはそれぞれ、NPNト
ランジスタとPNPトランジスタの飽和の電流である。
【0009】
【0010】とおくと、(3)式より I5 =nI6 …(4) となる。
【0011】一方、トランジスタQ7 ,Q8 ,Q2 ,Q
3 の電流の間には、下記の関係が成立する。
【0012】
【0013】(5)式を(4)式に代入して、 nI6 +iin=n(I6 +iOUT ) よって、 iOUT =iin/n …(6) が成立する。
【0014】回路の利得Av は(1),(2),(6)
式より
【0015】
【0016】となる。これはこの増幅回路の利得が制御
電圧源9の電圧によって制御できることを示している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電圧制
御型利得可変増幅回路は、制御電圧△Vが高くなると、
帰還ループのループ利得が上がり発振安定度が悪化し、
逆に制御電圧△Vが低くなると、ループ利得が下がり歪
が悪化してしまうという問題点があった。以下にその説
明をする。
【0018】図3において、この利得可変増幅器の帰還
ルールのループ利得AvOについて考える。この場合、演
算増幅器1自体の利得は一定なのでこれをAvO1 とす
る。次に、演算増幅器1の出力端から反転入力端までの
利得AvO2 を求める。このとき、AvO=AvO1 ×AvO2
である。出力端が+側にふれた場合には、トランジスタ
5 ,Q0 それぞれのエミッタ抵抗をre5,re0とする
と、トランジスタQ0 はエミッタにダオイードが接続さ
れたベース接地の増幅器となるので、
【0019】
【0020】となる。このときトランジスタQ5
7 ,Q8 ,Q0 ,Q2 ,Q3 のベース・エミッタ間電
圧をそれぞれ、VBE5 ,VBE7 ,VBE8 ,VBE0 ,V
BE2 ,VBE3とし、定電圧源17の電圧をVA とすれ
ば、 VA =VBE5 +VBE0 +VBE8 +VBE3 …(9) VBE7 +VBE2 −△V=VBE8 +VBE3 …(10) となる。(9)式と(10)式とより、 VA =VBE5 +VBE0 +VBE7 +VBE2 −△V である。定常状態では、トランジスタQ5 ,Q0
7 ,Q2 に流れる電流I5 は等しいので、 VBE5 =VBE7 ,VBE0 =VBE2 …(11) よって、VA =2(VBE5 +VBE0 )−△V VBE5 +VBE0 =(VA +△V)/2 …(12) すなわち、
【0021】
【0022】となる。従って、電流I5 は、
【0023】
【0024】となる。従って、(8)式,(13)式よ
り、
【0025】
【0026】よって、全体のループ利得AvOは、
【0027】
【0028】となって、制御電圧△Vによってループ利
得が変化してしまう。
【0029】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あって、帰還ループのループ利得が制御電圧に依存せ
ず、制御電圧が変化しても発振安定度が低下したり、或
いはひずみが悪化することのないような電圧制御型利得
可変増幅回路を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の電圧制御型利得
可変増幅回路は、コレクタが第1の電流入出力端子に接
続されベースが固定電圧端子に接続されエミッタが第1
の信号入力端子に接続された第1のバイポーラトランジ
スタと、コレクタが前記第1の電流入出力端子に接続さ
れベースが制御電圧端子に接続されエミッタが第2の信
号入力端子に接続され前記第1のバイポーラトランジス
タと逆導電型の第2のバイポーラトランジスタとによっ
て構成される電流・電圧変換回路と、コレクタが第2の
電流入出力端子に接続されベースが前記制御電圧端子に
接続されエミッタが前記第1の信号入力端子に接続され
前記第1のバイポーラトランジスタと同導電型の第3の
バイポーラトランジスタと、コレクタが前記第2の電流
入出力端子に接続されベースが前記固定電圧端子に接続
され、エミッタが前記第2の信号入力端子に接続され前
記第1のバイポーラトランジスタと逆導電型の第4のバ
イポーラトランジスタとによって構成される電圧・電流
変換回路と、反転入力端に第1の抵抗器を介して信号が
入力され出力端子が前記第1の信号入力端子に接続され
演算増幅器と、前記第2の電流入出力端子から出力信号
を取り出す出力回路とを備える電圧制御型利得可変増幅
回路において、前記第1の抵抗器の信号出力側端子を前
記第1の電流入出力端子に接続し、前記演算増幅器の帰
還経路内に電圧制御型減衰器を接続し、前記電流・電圧
変換回路および前記電圧・電流変換回路の利得制御と前
記電圧制御型減衰器の減衰制御とを連動させることを特
徴としている。
【0031】
【実施例】次に本発明の好適な実施例について図面を参
照して説明する。図1は、本発明の一実施例の構成を示
す回路図である。図1を参照すると本実施例は、第1の
演算増幅器1,第2の演算増幅器2,電流電圧変換回路
を構成するNPNトランジスタQ5 ,Q7 およびPNP
トランジスタQ0 ,Q2 、電圧電流変換回路を構成する
NPNトランジスタQ6 ,Q8 およびPNPトランジス
タQ1 ,Q3 、定電圧源14,15,16,17、定電
流源18,入力抵抗R3 ,帰還抵抗R4 ,制御電圧源
9,緩衝増幅器22並びに電圧制御型減衰器23を備え
ている。
【0032】以下に本実施例の動作を説明する。本実施
例では、演算増幅器1の出力端より、トランジスタ
5 ,Q6 ,Q7 ,Q8 ,Q0 ,Q1 ,Q2 ,Q3 で構
成される回路と、緩衝増幅器22と、電圧制御型減衰器
23とを介して、反転入力端に帰還をかけている。
【0033】ここで演算増幅器1における帰還ループの
ループ利得について説明する。この場合、演算増幅器1
自体の利得は一定なので、演算増幅器1の出力端から緩
衝増幅器22の入力端までの利得をAv1とし、緩衝増幅
器22から演算増幅器1の反転入力端までの利得をAv2
として、演算増幅器1の出力端が+側にふれた場合につ
いて説明する。トランジスタQ5 ,Q0 それぞれのエミ
ッタ抵抗をre5,re0とし、流れる電流をI5 とすれ
ば、
【0034】
【0035】ここで、Rは抵抗R3 の抵抗値である。こ
のときのトランジスタQ5 ,Q7 ,Q8 ,Q0 ,Q2
3 のベース・エミッタ間電圧を、それぞれVBE5 ,V
BE7,VBE8 ,VBE0 ,VBE2 ,VBE3 とし、定電圧源
の電圧17をVA 、定電圧源16の電圧をV、制御電圧
源の電圧を△Vとすれば VA =VBE5 +VBE0 +VBE8 +VBE3 …(15) VBE7 +VBE2 −△V=VBE8 +VBE3 …(16) (15),(16)式より、 VA =VBE5 +VBE0 +VBE7 +VBE2 −△V …(17) 定常状態では、トランジスタQ5 ,Q7 ,Q0 ,Q2
流れる電流I5 は等しいので、 VBE5 =VBE7 ,VBE0 =VBE2 …(18) (17),(18)式より、 VA =2(VBE5 +VBE0 )−△V VBE5 +VBE0 =(VA +△V)/2 ここで、トランジスタQ5 ,Q0 には電流I5 が流れて
いるので、
【0036】
【0037】である。従って、
【0038】
【0039】となり、電流I5 は、
【0040】
【0041】となる。従って(14),(19)式より
v1は、
【0042】
【0043】したがって、前述の緩衝増幅器22から減
衰器23を介して演算増幅器1の反転入力端までの利得
v2が、
【0044】
【0045】に比例するように電圧制御型減衰器を設定
することによって、演算増幅器1の開利得が制御電圧源
9(△V)に影響されないようにすることができる。つ
まり、制御電圧源9の電圧△Vによってループ利得が変
化することのない電圧制御型利得可変増幅回路を構成で
きる。
【0046】ここで、本実施例に用いられる電圧制御型
減衰器23について説明する。図2は電圧制御型減衰器
23のトランジスタレベルの回路図である。この減衰器
は以下のように動作する。
【0047】入力端子51から入力された信号は、2段
の差動増幅器を通って出力端子53に出力される。制御
端子52には、図1中の制御電圧源9が接続される。抵
抗器R9 ,R0 の抵抗値をRとし、定電流源57,58
の電流値をI1 、トランジスタQ15のコレクタ電流
2 、定電圧源55の電圧をV1 、制御端子52にかか
る電圧をV+△Vとすれば、入力端子51から出力端子
53までの利得Vv2は下記の(22)式のようになる。
【0048】
【0049】又、トランジスタQ15のコレクタ電流I2
は、トランジスタQ29並びにダイオードD1 ,D2 ,D
3 の飽和電流をIS1とすれば、
【0050】
【0051】したがって、
【0052】
【0053】となる。つまり図1における演算増幅器1
の出力端から反転入力端までの利得AvOは、
【0054】
【0055】となる。(23)式で表わされる利得AvO
からは△Vの項が消え、本実施例においては制御電圧△
Vによってループ利得が変化しないことがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、電圧制御
型減衰器を帰還経路の中に入れることによって、帰還ル
ープのループ利得が制御電圧によって変化することのな
い、発振安定度が高くしかも歪が悪化してしまうことの
ない電圧制御型利得可変増幅回路を提供できるという効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【図2】図1中の電圧制御型減衰器の一例の回路図であ
る。
【図3】従来の電圧制御型利得可変増幅回路の一例の回
路図である。
【符号の説明】
1,2 演算増幅器 9 制御電圧源 14,15,16,17,55 定電圧源 18,57,58 定電流源 19,51 入力端子 21 信号源 22 緩衝増幅器 23 電圧制御型減衰器 24,53 出力端子 52 制御端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−19012(JP,A) 特開 昭56−46313(JP,A) 実開 昭62−51813(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03G 3/02 - 3/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレクタが第1の電流入出力端子に接続
    されベースが固定電圧端子に接続されエミッタが第1の
    信号入力端子に接続された第1のバイポーラトランジス
    タと、コレクタが前記第1の電流入出力端子に接続され
    ベースが制御電圧端子に接続されエミッタが第2の信号
    入力端子に接続され前記第1のバイポーラトランジスタ
    と逆導電型の第2のバイポーラトランジスタとによって
    構成される電流・電圧変換回路と、 コレクタが第2の電流入出力端子に接続されベースが前
    記制御電圧端子に接続されエミッタが前記第1の信号入
    力端子に接続され前記第1のバイポーラトランジスタと
    同導電型の第3のバイポーラトランジスタと、コレクタ
    が前記第2の電流入出力端子に接続されベースが前記固
    定電圧端子に接続され、エミッタが前記第2の信号入力
    端子に接続され前記第1のバイポーラトランジスタと逆
    導電型の第4のバイポーラトランジスタとによって構成
    される電圧・電流変換回路と、 反転入力端に第1の抵抗器を介して信号が入力され出力
    端子が前記第1の信号入力端子に接続され演算増幅器
    と、 前記第2の電流入出力端子から出力信号を取り出す出力
    回路とを備える電圧制御型利得可変増幅回路において、 前記第1の抵抗器の信号出力側端子を前記第1の電流入
    出力端子に接続し、前記演算増幅器の帰還経路内に電圧
    制御型減衰器を接続し、前記電流・電圧変換回路および
    前記電圧・電流変換回路の利得制御と前記電圧制御型減
    衰器の減衰制御とを連動させることを特徴とする電圧制
    御型利得可変増幅回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電圧制御型利得可変増幅
    回路において、前記第1の信号入出力端子と、前記第1
    のバイポーラトランジスタのエミッタとの間および前記
    第3のバイポーラトランジスタのエミッタとの間、並び
    に前記第2の信号入出力端子と前記第3のバイポーラエ
    ミッタとの間および前記第4のバイポーラトランジスタ
    のエミッタとの間に、ダイオードを設けたことを特徴と
    する電圧制御型利得可変増幅回路。
JP4075014A 1992-03-31 1992-03-31 電圧制御型利得可変増幅回路 Expired - Lifetime JP2806684B2 (ja)

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WO2005055419A1 (ja) 2003-12-04 2005-06-16 Nec Corporation 電圧・電流変換を行う能動素子に流れる直流電流の変化分を補償する電流補償回路を有する利得可変電圧・電流変換回路

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