JP2805857B2 - 浴槽水の循環装置 - Google Patents

浴槽水の循環装置

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JP2805857B2 JP1170133A JP17013389A JP2805857B2 JP 2805857 B2 JP2805857 B2 JP 2805857B2 JP 1170133 A JP1170133 A JP 1170133A JP 17013389 A JP17013389 A JP 17013389A JP 2805857 B2 JP2805857 B2 JP 2805857B2
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成弘 喜多
演庸 黒田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭用の浴槽水をジェット噴流等に使用し
て汚濁し、雑菌が繁殖した環境を、殺菌・濾過により常
に一番風呂の清潔な水とする浴槽水の循環装置に関する
ものである。
従来の技術 第4図は従来例を示すシステム図であり、浴槽1の循
環水出入口2および6を水回路3で配管し、途中に循環
ポンプ4、濾過器5を設けて浴槽水を循環させることに
より濾過器5にて浴槽水中に浮遊する人体から排出され
る汚濁物を濾過し、更に、殺菌タンク7に貯蔵される殺
菌液を前記水回路3中に注入して、汚濁物を栄養源とし
て繁殖する雑菌を殺している。
また、第5図は濾過器5の断面図を示し、循環水は矢
印INより濾過室5aに入り、濾過フィルタ5bで濾過され矢
印OUTより出る。浴槽1に張水する時は、濾過室5a内に
は空気が入っており、また業務用等の装置では水回路3
の配管は途中で凹凸部があり、浴槽水を排水しても凹部
に残溜水があり、次に張水する次に水回路3内のエアが
抜けず、このため水回路内に張水不能で、循環ポンプ4
内のエア抜きも不十分で、浴槽1に張水しても循環ポン
プ4のエア噛み等により再循環の運転が不可となる。こ
の防止のため濾過器5の濾過フィルタ5b通水後の通路に
エア抜き弁8を設けている。
エア抜き弁8はエア吐出用ポートも小さく、水圧で閉
弁するのでゴミ等が弁座に詰ると漏れやすく、このため
濾過フィルタ5bで濾過後の清潔な循環水に接するように
なっている。しかし、業務用等ではメンテナンスが常時
行なわれ目詰りも少く、また凍結に対する配慮も十分で
あり濾過器5に関するトラブルは少いものであった。
発明が解決しようとする課題 ところが、上記システムを家庭用に応用すると、一般
ユーザーに対して日常の十分なメンテナンスは、特に本
設備のように難解なものには期待が出来ない。また冬期
の厳寒時等に浴槽水を排水されると、濾過フィルタが吸
水性が強いため十分乾燥する以前に凍結現象を示し、水
回路3内の一部に閉止部を入れた結果と同じ働きをし
て、水回路3内のエアが抜けず、ために浴槽水が水回路
3内に侵入不可となり、循環ポンプ4のエア噛み等のた
め浴槽水の循環が不能となる。また、濾過フィルタの目
詰りが進行すると、浴槽水位の自然落差で水回路3内の
エアをエア抜き弁から抜く速度が低下し、循環ポンプ4
内のエア抜きが遅れ再循環可能な運転時間が遅くなる等
の課題が発生した。
本発明は上記課題を解決する浴槽水の循環装置を提供
するものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本発明の浴槽水の循環装置
は浴槽と、浴槽水を循環させる水回路と、水回路中に設
けられた循環ポンプおよび濾過器を備え、濾過器は濾過
フィルタを通る通水部とこの通水部に対するバイパス路
とを有し、濾過フィルタで濾過された循環水に接するよ
うに濾過器にエア抜き弁を設けたものである。
作用 本発明は、浴槽水を循環させる水回路中に設けた濾過
器により浴槽水中に含まれる汚濁物を濾過フィルタにて
濾過する。そして使用が進行すると共に濾過フィルタの
目詰りが進んでも、また、冬期に浴槽水排水後に濾過フ
ィルタが凍結したりしても、濾過器内のバイパス路を循
環水が通り濾過フィルタの内部からエアが抜かれて浴槽
水が張水される。よって濾過器内のエア抜き時間も短
く、濾過フィルタの凍結時も、濾過フィルタ内部に侵入
した温水が凍結部を加熱・溶解し、濾過フィルタ外周部
の濾過室内にも張水されて浴槽張水後は迅速に再循環運
転が可能となる。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。
第2図において、浴槽1の底部の循環水出口2から出
た浴槽水は、循環水路3を第1図に示す循環装置4を経
て、浴槽の壁面に取付けられたジェット噴流を発生させ
るジェットノズル5より浴槽1に戻るシステムを示す。
次に、第1図の循環装置について説明する。循環水は
まず循環ポンプ6の入口6aより入り加圧されて出口6bか
ら出て、パイプ7を経て、濾過器8の通水部8aに流れA
として入り、一部は流れBとして濾過室8bに入り、濾過
フィルタ8fの外周部(糸巻きフィルタ)により濾過され
ながら中央内部の中空部から底部フィルタ出口8dへ導か
れる。一方、流れAはその一部を流れCとしてバイパス
路8cを通り、フィルタ出口8dの流れと再び合流し、流れ
Dとなり浴槽1へ戻る。このとき、流れAと流れDとの
循環水量は全く同一であり、流れBと流れCの和に等し
いのは勿論である。バイパス路の流れCとフィルタ通水
部の流れBとの比率は、各々の通水部の通水抵抗(例え
ば、流れB側では主に濾過フィルタ8fの通水抵抗であ
り、バイパス路8cでは主に通水路の断面積による)によ
り種々に設定可能である。
循環水路3とは全く別途に殺菌液の供給回路があり、
殺菌液9aを収納する殺菌タンク9の上部よりパイプ11a
を経てポンプ10にて吸引し、パイプ11bより加圧されて
濾過器8の上部より濾過室8bに供給する。なお、図中13
は濾過室8bのエア抜き弁であり、14は本装置の制御器
で、15はこれ等の構成品を収納するケースである。
次に上記構成の動作を説明する。
浴槽1に湯を張り、浴室内操作部(図示せず)にて運
転スイッチがオンされ、操作部からの信号を制御器14が
受け、循環ポンプ6を駆動すると、浴槽水は濾過器8を
通り一部は濾過されて再びジェットノズル5より浴槽1
内に勢い良く噴射され、人体表面に適当な刺激を与え
る。このとき、体表面の老化した皮膚組織が剥離し、あ
かとなって浴槽水中に放出される。また、浴室内の大気
中や人体表面に付着した雑菌が浴槽水に混入し、浴槽水
温や前記あか等の増殖条件を満たされて増加するので、
運転開始後の一定時間後や、入浴後に手動または自動制
御により、循環ポンプ6を運転しながら、ポンプ10を一
定時間運転して浴槽水中に殺菌液9aを注入し、殺菌を殺
しこれ等の死菌や老化して浴槽水中に混入した皮膚組織
等の汚濁物を濾過フィルタ8fにて除去し、浴槽水を常に
清潔に維持するようにする。
第3図は濾過器8の通水部8aの平面図を示す。図中循
環水はINの矢印部より流入し、OUTの矢印部に流出する
が、第1図に示した流入する流れAは、濾過室8bへは通
路8gを経てポート8dより入り、濾過フィルタ8fを通過後
にポート8eより通路8hに至る。一方、L字型をした通路
が前述のバイパス路8cを示す。濾過フィルタ9は目詰り
を少しでも長い時間防止するには、濾過容量として、接
水面接や厚みに関係する濾過容積を増やせば良いが、装
置の大型化に直結するので濾過すべき汚濁物の容量とメ
ンテナンス期間との関係で適切な設定をしなければなら
ない。本実施例では糸巻きフィルタを使用し、紙フィル
タや発泡性樹脂等の表面積のみが有効濾過性を有するフ
ィルタと異り、厚み方向においても濾過性能を有し、た
めに同じ巻き外径であっても濾過性能は優れたものとな
っている。尚、バイパス路8cは、ポート8dおよび8eと同
水位に設け、浴槽水排水時にポート8dより通路内の循環
水が排水され残留水が残ることはない。前述のように濾
過フィルタ8fは目詰りすると、浴槽張水時のエア抜きの
ためのエアの通過にも抵抗となり、更に極端には、凍結
により全くエアを通過させないことも生ずる。バイパス
路8cはこのような時に有効なエアおよび循環水の通路と
なり、浴槽張水後の再循環運転を迅速に行う働きがあ
る。
次に、ジェット噴流を発生させるための循環水量と、
循環濾過のための循環水量と、これ等が異ることの説明
を行う。
循環水量の全量は、浴槽1のジェット噴流を快適化す
る流量に設定されるのでかなりの流量となる。例えば、
ジェットノズル5の取付数が4個の場合は、60〜80dm3/
minとなっており、この流量は家庭用の浴槽1の容量で
ある約200〜300dm3の浴槽水を循環濾過するには過大で
ある。通常は循環濾過の流量は浴槽水量の約10分の1程
度とされており、家庭用では20〜30dm3/minで十分であ
り、ジェット噴流のための循環流量の約2分の1以下で
満足される。このようにジェット噴流を発生させるのに
必要な循環流量と浴槽水を循環濾過するのに必要な循環
水量は異る。仮りに、循環濾過流量をジェット噴流を発
生するのに必要な流量に合わせると、循環濾過流量が2
倍以上となり、濾過フィルタ8fの通水抵抗は約4倍前後
となり、このため循環ポンプ6の吐出能力を大きくする
か、または濾過フィルタ8fの濾過面積を大きくするかし
なければならず、いずれも機器の大型化になり不必要な
設備費と、維持費の増加、機器占有スペースの増大など
家庭用として好ましくない結果に到る。
本発明では、このため、ジェット噴流と循環濾過の2
つの機能を最も合理的に機能させるため、前述の如く、
循環水の濾過器8の通水部8aにバイパス路8cを設けたも
のである。なお、バイパス路8cを循環水の約2分の1程
度が通過するので、循環濾過能力が低下することは無
く、バイパス路8cを循環水が通過する分だけ、浴槽水の
循環流量が濾過上必要な以上にあるだけであって、循環
濾過はその必要量だけは確実に行なわれており、バイパ
ス路8cの設置と濾過性能とは関りが無い。
発明の効果 以上述べたように本発明では、浴槽水の全循環流はジ
ェット噴流として大流量で勢いのある流れを発生させ、
約2分の1の循環流を濾過フィルタで濾過して、他の約
2分の1の循環流は濾過フィルタを通らないバイパス路
によりバイパス流として循環させる。このバイパス流れ
は、長時間使用後や冬期に濾過フィルタが凍結し濾過フ
ィルタが目詰りして通水抵抗が大きくなった場合に、ま
ずバイパス路より循環水が浴槽水を循環させる水回路内
に早く張水され、浴槽に張水が終了時には既に浴槽水の
再循環運転を可能とさせて、家庭用で設備の働きが十分
理解できない一般ユーザーでも、平易にこの種の設備を
使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である浴槽水の循環装置の要
部構成図、第2図はその全体構成図、第3図は第1図に
示した濾過器の要部断面図、第4図は従来の浴槽水の循
環装置の全体構成図、第5図はその要部断面図である。 1……浴槽、6……循環ポンプ、8……濾過器、8c……
バイパス路、13……エア抜き弁。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/50 550 C02F 1/50 550B 560 560Z F24H 9/00 F24H 9/00 W (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 35/027 C02F 1/50 A47K 3/00 F24H 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浴槽と、浴槽水を循環させる水回路と、前
    記水回路中に設けられた循環ポンプおよび濾過器とを備
    え、前記濾過器は濾過フィルタを通る通水部とこの通水
    部に対するバイパス路とを有し、前記濾過フィルタで濾
    過された循環水に接するように濾過器にエア抜き弁を設
    けた浴槽水の循環装置。
  2. 【請求項2】殺菌液を収納したタンクから供給される殺
    菌液を濾過器内へ注入する構成とした請求項(1)記載
    の浴槽水の循環装置。
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