JP2805341B2 - 四輪操舵装置 - Google Patents

四輪操舵装置

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JP2805341B2
JP2805341B2 JP1164219A JP16421989A JP2805341B2 JP 2805341 B2 JP2805341 B2 JP 2805341B2 JP 1164219 A JP1164219 A JP 1164219A JP 16421989 A JP16421989 A JP 16421989A JP 2805341 B2 JP2805341 B2 JP 2805341B2
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誠 貴志
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Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、前輪および後輪を操舵する四輪操舵装置の
改良に関する。
(従来の技術) 従来、四輪操舵装置においては、後輪を前輪と同相方
向に操舵することにより車両旋回時の操舵安定性を向上
できることが知られているが、近年、一時的に後輪を逆
相方向に操舵する制御を上記の同相制御に加味すること
により、車両旋回時のヨー応答も同時に向上するような
四輪操舵装置が提案されている。
このような、四輪操舵装置として、例えば特開昭59−
186773号公報や特開昭62−191272号公報に示されたもの
があり、これらは、何れも後輪操舵機構を単一の後輪操
舵手段の出力により制御して、操舵初期に後輪を逆相方
向に操舵した後、後輪を同相方向に操舵するものとなっ
ている。
しかしながら、上記の従来例は単一の後輪操舵手段の
出力により後輪の位相反転制御を行うものであるため、
制御が複雑なものとなる欠点がある。しかも、前者の従
来例は、操舵初期の設定時間経過後に後輪の位相を逆相
から同相に反転させるものであるため、回頭性と収束性
の両立を考えると、こうした設定時間の設定は難しい。
また、後者の従来例は、回頭動作時と回頭収束時とを
検知して後輪の位相反転を行うものとなっているが、こ
れではステアリングホイールを切り戻した時に後輪の位
相が反転するため、車両り旋回挙動が急激に変化するこ
とになり、乗員に違和感を与え易い問題がある。
このため、本出願人は、特願昭63−275653号等により
ステアリングホイールの操舵角あるいは操舵力に応動し
て後輪を前輪と同相方向に操舵する同相操舵手段と、ス
テアリングホイールの操舵角速度に応じて上記後輪を上
記前輪とは逆相方向に操舵する逆相操舵手段とを有し、
上記同相操舵手段の操舵出力と上記逆相操舵手段の操舵
出力の合成により後輪の舵角を制御する四輪操舵装置を
提案している。
そして、この本出願人の提案による四輪操舵装置によ
れば、比較的簡単な制御で後輪の位相反転制御が行え車
両旋回時の回頭性と収束性を両立できると共に、好適な
旋回フィーリングを得ることができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記本出願人の提案による四輪操舵装
置においても、装置の故障に対する安全性は確実に確保
する必要がある。特に、操舵角速度に応じて後輪の操舵
出力を制御する場合には、操舵出力の発生状態と操舵角
速度とを参照して、操舵すべきでない操舵角速度領域に
おいて後輪が操舵されているか否かを判別することが考
えられる。しかしながら、もし操舵角速度の検出系に故
障が生じて後輪が操舵されているような状態が発生する
と、上記のように操舵出力の発生状態と操舵角速度とを
参照しても、故障の検出を行うことはできない。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記の課題を解決するために創案されたも
ので、ステアリングホイールの操舵角速度を検出する操
舵角速度検出手段と、後輪を操舵する後輪操舵手段と、
上記操舵角速度検出手段の検出出力に応じて上記後輪操
舵手段の作動を制御する制御装置と、上記ステアリング
ホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段と、上
記後輪操舵手段の操舵作動の有無を検知する後輪操舵検
出手段とを有し、上記制御装置は、上記後輪操舵手段が
非作動要求に反して上記後輪を逆相側へ操舵してしまう
場合と、上記後輪を逆相側へ操舵する要求があるにもか
かわらず上記後輪操舵手段が上記後輪を逆相側に操舵で
きない場合とで、異なるフェイルセイフ制御を行なうよ
う構成されたことを特徴とする四輪操舵装置である。
(作用) 本発明によれば、後輪操舵手段が非作動要求に反して
後輪を逆相側へ操舵してしまう場合、および、後輪を逆
相側へ操舵する要求があるにもかかわらず後輪操舵手段
が後輪を逆相側に操舵できない場合とがそれぞれ故障と
して判断される。そして、後輪操舵手段が非作動要求に
反して後輪を逆相側へ操舵してしまう場合と、後輪を逆
相側へ操舵する要求があるにもかかわらず逆相側に操舵
できない場合とで、異なるフェイルセイフ制御が行われ
るため、確実に故障を検知することができ、故障の種類
に応じたフェイルセイフ制御を実行することにより安全
性を確保することができるものである。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説
明する。
第1〜第19図は本発明の第一実施例を示すものであ
る。
第1図は、この四輪操舵装置の概略構成図である。左
右の前輪1L,1Rは、ナックル2L,2Rに回転自在に支持され
ている。また、ナックル2L,2Rは、タイロッド3L,3Rを介
してパワーステアリング装置4のピストンロッド5の左
右端に連結されている。ピストンロッド5は、シリンダ
6を挿通して設けられ、シリンダ6内にシリンダ6内を
左右の圧力室7L,7Rに隔成するピストン8を有してい
る。また、ピストンロッド5はステアリングギヤボック
ス9内のピニオン39に噛み合うラックを有している。ス
テアリングホイール10からの操舵入力をコラムシャフト
11から受ける第1ステアリングシャフト12と、ステアリ
ングギヤボックス9に連結される第2ステアリングシャ
フト13との間にはギヤ比可変機構14が介装されている。
このため、ステアリングホイール10からの操舵入力は、
ギヤ比可変機構14を介してステアリングギヤボックス9
に伝達されるものとなっている。また、第2ステアリン
グシャフト13とピニオンギヤ39との間には自体公知のパ
ワーステアリング用バルブが設けられており、圧力室7
L,7Rへの油圧の供給を制御するものとなっている。な
お、パワーステアリング装置4用のオイルポンプ15は、
エンジン16により駆動され、エンジン16の回転数が所定
値以上に達した後はエンジン回転数の上昇と共に吐出流
量が低下する形式のものが使用されている。
ここで、ギヤ比可変機構14について説明すると、第1
ステアリングシャフト12の下端部には第1ロータ18が設
けられており、また第2ステアリングシャフト13の上端
部には第2ロータ20が設けられている。そして、第1ロ
ータ18の一方の側面には油圧により突没して第2ロータ
20の対向する側面に当接する第1プランジャ22が設けら
れており、また第2ロータ20の一方の側面には油圧によ
り突没して第1ロータ18の対向する側面に当接する第2
プランジャ23がそれぞれ設けられている。さらに、第1
ロータ18には第1プランジャ22の突出量を調整する油圧
室24が設けられており、同様に第2ロータ20には第2プ
ランジャ23の突出量を調整する油圧室25が設けられてい
る。このため、第1ポート33から油圧室24に圧油が導入
されて第1プランジャ22が突出すると第2ロータ20が第
1ロータ18に対して第1図中時計回り方向に相対回転
し、逆に第2ポート34から油圧室25に圧油が導入されて
第2プランジャ23が突出すると第2ロータ20が第1ロー
タ18に対して第1図中反時計回り方向に相対回転するも
のとなっている。なお、ギヤ比可変機構14の詳細構造に
ついては、本願出願人が先に出願した特願平1−31306
号明細書に記載してあるので、これを参照すればより一
層理解が容易になる筈である。
次に、後輪操舵系について説明する。左右の後輪82L,
82Rは、トーコントロール機構付ダプルウイッシュボー
ン式の後輪サスペンションのトレーリングアーム87の後
端に回転支持されている。すなわち、後輪サスペンショ
ンは、クロスメンバ83に、アッパアーム84およびロワア
ーム85で構成される上下一対のラテラルアームと、トー
コントロールアーム86とを設けるとともに、トーコント
ロールアーム86とトレーリングアーム87の前端とを中間
関節で連結する一方、各ラテラルリンク84,85とトレー
リングアーム87の後端とボールジョイントにより連結し
て構成されている。この中間関節は、回転軸線を鉛直方
向に配置したピン等の枢支軸89を有して構成されてお
り、このため、中間関節点の車幅方向変位によって後輪
82L,82Rの操舵が可能になるものとなっている。
そして、トレーリングアーム87,87の前端が、左右の
タイロッドを介して後輪操舵用のリヤパワーシリンダ90
の左右出力端に連結されており、リヤパワーシリンダ90
はクロスメンバ83に固定されている。このリヤパワーシ
リンダ90は、二連式のもので、中央に大径なシリンダ室
91が形成されると共に両側に小径なシリンダ室92R,92L
が形成されたシリンダ94内に、シリンダ室91に応じた径
のピストン部95aを中央部に有すると共にその両側にシ
リンダ室92R,92Lに応じた径のピストン部95bを有してな
るピストンロッド95がスライド自在に設けられて構成さ
れている。そして、ピストン部95aで区画される大径な
シリンダ室91内に同相操舵用の油圧出力を受ける左右の
圧力室97L,97Rが形成されると共に、シリンダ室92R,92L
には逆相操舵用の油圧が作用するものとなっており、ピ
ストンロッド95の車幅方向変位によって後輪82L,82Rが
左右に操舵されるものとなっている。左右の圧力室97L,
97Rは油路99L,99Rを介して同相操舵用のコントロールバ
ルプ98に接続されており、シリンダ室92R,92Lは油路101
L,101Rを介して補助操舵用のコントロールバルブ100に
接続されている。同相操舵用のコントロールバルブ98
は、第2図に詳細構造を示すように、絞り制御型のスプ
ールバルブにて構成されており、両端を左右一対のスプ
リング220にて中立付勢され3つのランド部を有するス
プール221がシリンダ状のケース102内に設けられてい
る。そして、ケース102には、圧油が流入する二つの流
入ポート225L,225Rと、流入ポート225L,225R間に設けら
れ圧油を排出するリターンポート224と、流入ポート225
L,225Rとリターンポート224との間にそれぞれ設けられ
た左右の出力ポート226L,226Rが設けられている。そし
て、スプール221の変位に応じて3つのランド部が、隣
合う各ポート間の連通・絞り量を変化させ、これにより
左右の出力ポート226L,225R間の差圧が制御されるもの
となっている。また、ケース102内におけるスプール221
の両側には、スプール221の作動を制御するためのパイ
ロット圧が導入される左右のパイロット圧室228L,228R
が設けられており、各パイロット圧室228L,228Rは、そ
れぞれパイロット油路103L,103Rを介してパワーステア
リング装置4の左右の圧力室7L,7Rに連通されている。
二つの流入ポート225L,225Rは油路222を介してオイルポ
ンプ105の吐出口に接続されており、このオイルポンプ1
05は、後輪駆動用のディファレンシャル装置内のリング
ギヤにより駆動され、油路223を介してリザーバタンク1
06内のオイルを吸入して車速に応じた油量を吐出するも
のとなっている。なお、オイルポンプ105の吐出口には
図示しないリリーフ弁が設けられており、相当な高速域
に対応する所定車速以上では流量が一定になるものとな
っている。また、リターンポート224は油路229を介して
リザーバタンク106に接続されており、左右の出力ポー
ト226L,225Rは、油路99L,99Rを介してリヤパワーシリン
ダ90の左右の圧力室97L,97Rに接続されている。
上記のような構成を有する同相操舵用のコントロール
バルブ98は、パワーステアリング装置4の発生油圧によ
りスプールの移動量(絞り量)が制御されると共に、車
速に応じて流入するオイルの流入量が制御されるものと
なっている。このため、左右の出力ポート226L,225R間
(圧力室97L,97R間)に発生する差圧は、パワーステア
リング装置4の発生油圧が高い程(操舵力が大きい
程)、車速が速い程大きくなり、リヤパワーシリンダ90
が発生する同相操舵方向の力はこの差圧に応じて増大す
るものとなる。
補助操舵用のコントロールバルブ100は、フォースモ
ータ直動サーボ弁(圧力フィードバック方サーボ弁)が
使用されており、第3図に詳細構造が示されている。第
3図において、バルブケース107内には図中右側を底と
した有底筒状の弁室108が設けられており、弁室108の内
周面にはスリーブ109が固定されている。このスリーブ1
09内に可動スプール110が摺動自在に設けられ、可動ス
プール110の弁室108から突出した端部外周には、ヴォイ
スコイル111が設けられている。さらにバルブケース107
内の左端側には、ヴォイスコイル111を囲むようにして
ヨーク112およびマグネット113が設けられており、ヴォ
イスコイル111に制御電流を流すことで発生する該電流
の大きさ及び方向に応じた駆動力でスプール110を左右
方向へ移動させることができる構造となっている。な
お、114および115は可動スプール110を中立位置に付勢
するスプリングである。
また、可動スプール110の軸方向中央には、リング状
の溝部で構成された油流入室116が設けられ、さらにこ
の油流入室116の両側には同様な構造の油流出室117,118
が並設されている。そして、これらの室116〜117は可動
スプール110に設けられたランド部119a,119bにより区画
されるものとなっている。また、油流入室116の中央に
臨むスリーブ部分には、油路120が設けられ、この油路1
20がバルブケース107に設けた図示しない入力ポートに
連通されている。そして、この入力ポートが第 図に示
す油路114を介してオイルポンプ143の吐出口に連通され
ている。このオイルポンプ143は、前記のオイルポンプ1
5と共にエンジン16により駆動される定流量型のオイル
ポンプであり、このオイルポンプ143の吐出流量特性は
第4図に示すようにコントロールバルブ100の入力ポー
トに一定流量のオイルを供給できるようになっている。
可動スプール110のランド部119a,119bに対向するスリ
ーブ部分には油路123a,123bが開口しており、油路123a,
123bはバルブケース107に設けた出力ポート124a,124bを
介して、油路101a,101bに接続されている。そして、こ
の油路101a,101bは第1図に示すようにリヤパワーシリ
ンダ90の左右の逆相用圧力室92L,92Rに接続され、更に
油路150a,150を介してギヤ比可変機構14の第2油圧室25
および第1油圧室24にも接続されるものとなっている。
また油流出室117,118に臨むスリーブ部分には油路125a,
125bが設けられ、バルブケース107に設けた図示しない
リターンポートに連通されている。そして、リターンポ
ートは第1図に示すよう油路145および229により上記の
リザーバタンク106に接続されている。
このように、コントロールバルブ100は各出力ポート1
24a,124bと入力ポート及びリターンポートとの間の連通
開度を可動スプール110の変位に応じて制御できる四方
案内弁を構成するものとなっている。このため、可動ス
プール110の変位より各出力ポート124a,124b間に発生す
る差圧を制御できるものとなっており、この差圧に応じ
てリヤパワーシリンダ90に発生する逆相操舵方向の力が
変化すると共に、ギヤ比可変機構14の作動が制御され
る。
このため、リヤパワーシリンダ90は、同相操舵用のコ
ントロールバルブ98から圧力室97L,97Rに作用する同相
操舵力と、補助操舵用のコントロールバルブ100からシ
リンダ室92R,92Lに作用する逆相操舵力との合成力によ
って、その作動方向および作動量が制御されるものとな
っており、換言すれば二つの対向入力の合成値に応じて
後輪を操舵変位させるものとなっている。また、補助操
舵用のコントロールバルブ100の出力ポートに接続され
た油路101a,101bの中途部には、前述したギヤ比可変機
構14の第1ポート33および第2ポート34が油路140a,150
bを介してそれぞれ連通されており、コントロールバル
ブ100からの出力油圧が前輪の舵角を切り増しする方向
にギヤ比可変機構14にも作用するものとなっている。こ
のため、コントロールバルブ100は後輪の逆相操舵と前
輪の進相操舵(切り増し)とを統合して制御するものと
なっている。
ところで、コントロールバルブ100の可動スプール110
の変位を制御するヴォイスコイル111へ供給される制御
電流の大きさ及び方向の制御は、コントローラ126によ
り行われる。
コントローラ126は、ステアリングホイール10の操舵
角度を検出するポテンショメータ式の操舵角センサ127
と、車速を検出する車速センサ128と、油路144に設けた
逆相用圧力検出スイッチ131と、油路222に設けた同相用
圧力検出スイッチ132とから検出出力を受け、コントロ
ールバルブ100の作動を制御すると共に、油路144と油路
145とに接続される油路134に設けられた常閉の逆相油圧
リリーフ弁135、及び油路222と油路229とに接続される
油路136に設けられた常閉の同相油圧リリーフ弁137、並
びにアラームランプ138の作動を制御するものとなって
いる。
このコントローラ126は、操舵角センサ128から得られ
るステアリングホイール10の操舵角度に対応したアナロ
グ出力を微分するようアナログ回路にて構成された微分
回路50と、微分回路50から出力される操舵角速度を表す
アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器51
と、A/D変換器51,操舵角センサ127,車速センサ128,およ
び圧力検出スイッチ131,132から検出出力を受けて逆相
油圧リリーフ弁135,同相油圧リリーフ弁137,及びアラー
ムランブ138に制御信号を出力するマイクロコンピュー
タ52と、マイクロコンピュータ52から出力される制御信
号に応じてコントロールバルブ100に駆動信号を出力す
るバルブ駆動部53とを有するものとなっている。そし
て、マイクロコンピュータ52内には、概念的に、A/D変
換器51から出力される操舵角速度を補正する操舵角速度
補正部54と、装置の故障を検査するフェイルチェック部
55と、主制御部56とが設けられるものとなっている。
ここで、マイクロコンピュータ52内で行われる制御動
作について、まず第6図に示すフローチャート図に基づ
き説明する。制御動作はイグニッションキーのオン信号
により開始され、先ずステップS1にてイニシャライズ処
理が行われ、各フラグ、タイマ、メモリ等がクリヤされ
る。続いてステップS2ではA/D変換器51の出力から操舵
角速度を読み込み、ステップS3では読み込まれた操舵
角速度に対する補正処理が行われる。ステップS3で行
われる補正処理の内容については第7図に基づき後述す
るが、ステップS3以降の処理では補正された操舵角速度
が使用れる。その後ステップSでは車速センサ128の
検出出力から車速Vを読み込み、ステップS5では故障対
策のためのフェイル処理が行われる。なお、このフェイ
ル処理の詳細については、第8図に基づき後述する。続
いてステップS6では、制御動作の実行の有無を表す制御
フラグが1であるか否かが判別され、装置の起動直後は
制御フラグはステップS1でイニシャライズされて0とな
っているので、この場合はステップS7に進み車速Vが制
御実行開始判定用の車速VUより大きいか否かが判別さ
れ、大きいと判別された場合はステップS8に進み、大き
くないと判別された場合はステップS2に戻って前述の処
理が繰り返される。ステップS8では操舵角速度の絶対
値が制御実行開始判定用の操舵角速度Uより大きいか
否かが判別され、大きいと判別された場合はステップS9
に進み、大きくないと判別された場合はステップS2に戻
って前述の処理が繰り返される。ステップS9では、第9
図に示すV−Kマップから車速Vに対応する制御係数K
が読み込み、続いてステップS10では舵角補正目標値Δ
δrが、Δδr=K・の算出式に基づいて演算され
る。そして、ステップS11に進むと算出された舵角補正
目標値Δδrに基づいて第10図に示すΔδr−Iマップ
から出力電流値Iが読み込まれる。その後、ステップS1
2に進むとステップS11で読み込まれた出力電流値Iに対
応する制御指令値がバルブ駆動部53に出力され、これに
応じてコントロールバルブ100が作動することになる。
そして、ステップS12経過後はステップS13にて前述の制
御フラグを1にした後、ステップS2に戻って前述の処理
が繰り返される。
また、ステップS6で制御フラグが1であると判定され
た場合は、ステップS14に進み、車速Vが制御停止判定
用の車速VD(VUより小)より小さいか否かが判別され、
小さいと判別された場合はステップS16に進み、小さく
ないと判別された場合はステップS15に進む。ステップS
15では操舵角速度の絶対値が制御停止判定用の操舵角
速度D(Uより小)より小さか否かが判別され、小
さいと判別された場合はステップS16に進み、小さくな
いと判別された場合はステップS9に進んで前述の処理が
繰り返される。一方ステップS16に進んだ場合は、制御
指令値の出力が停止され、コントロールバルブ100は中
立状態に戻ることになる。ステップS16経過後はステッ
プS17にて前述の制御フラグを0にした後、ステップS2
に戻って前述の処理が繰り返される。
上記のように、コントローラ126は、操舵角速度と車
速に応じてコントロールバルブ100の作動を制御するも
のととなっており、コントロールバルブ100の作動方向
は操舵角速度の正負に応じて切り換えられるものとなっ
ている。なお、上記の制御においてコントロールバルブ
100の作動制御は、車速がある程度高い領域において実
行されるものであるが、ステップS7,14に示したように
しきい値にヒステリシス特性を設けており、この特性は
第11図に示すようになっている。また、操舵角速度に対
してもステップS8,15に示したように同様のヒステリシ
ス特性が設定されており、この特性は第12図に示すよう
になっている。
ここで、上記のような構成を有する四輪操舵装置の基
本的な作動について説明する。
直進走行状態からステアリングホイール10を右方向に
操舵した場合、パワーステアリングバルブから出力され
る油圧は、シリンダ6の右側の圧力室7Rに作用し、前輪
の右操舵をパワーアシストする。この状態でシリンダ6
の右側の圧力室7Rは高圧状態に、また左側の圧力室7Lは
低圧状態になっており、この左右の圧力室7L,7Rの圧力
状態がそれぞれ油路103L,103Rおよび125L,125Rを介し
て、同相操舵用のコントロールバルブ98にパイロット圧
として導入される。このため、第2図に示したコントロ
ールバルブ98のパイロット圧室228Rが高圧、パイロット
圧室228Lが低圧になり、スプール221がパワーステアリ
ング油圧に応じて図中左方に変位する。このため、スプ
ールの変位とオイルポンプ105から供給される油量に応
じて発生する油圧は、出力ポート226Lが高圧、出力ポー
ト226Rが低圧となって、それぞれ油路99L,99Rを介して
リヤパワーシリンダ90の左右の圧力室97L,97Rに作用す
ることになる。これによって、リヤパワーシリンダ90の
ピストンロッドには、左側の圧力室97Lから後輪を右方
向(同相方向)に操舵させる油圧が作用することにな
り、この油圧力は車速とパワーステアリング発生油圧に
応じたものとなる。
一方、補助操舵用のコントロールバルブ100は、前述
の第6図ステップS9〜12で説明したように車速および操
舵角速度に応じた制御電流がヴォイスコイル111に供給
されて、これに応じてうて決定されたコントローラ126
の出力に応じて可動スプール110の変位が制御される。
この場合のステアリング操作が右方向操舵の切込み側で
あるとすると、可動スプール110が第3図中右方ら変位
して、可動スプール110の変位量に応じた油圧が発生
し、出力ポート124bが高圧、出力ポート124aが低圧とな
って、それぞれ油路101b,101aを介してリヤパワーシリ
ンダ90のシリンダ室92R,92Lに作用することになる。こ
れによって、リヤパワーシリンダ90のピストンロッドに
は、右側のシリンダ室97Rから後輪を左方向(逆相方
向)に操舵させる油圧が作用することになり、この油圧
力は車速に対しては第9図に示した特性を有し、また操
舵角速度が大きい程大きなものとなる。
そして、リヤパワーシリンダ90においては、圧力室97
Lに作用する後輪を右方向(同相方向)に操舵させる油
圧と、シリンダ室97Rに作用する後輪を左方向(逆相方
向)に操舵させる油圧とが対向してピストンロッドに作
用することになり、両者の合成力によってピストンロッ
ドピストンロッドの作動が制御されることになる。すな
わち、パワーステアリング油圧に対応して発生する同相
操舵力と、操舵角速度に対応して発生する逆相操舵力の
関係は、第13図に示すようになり。両操舵力が合成され
ることによって第14図のような特性の後輪舵角が発生す
るものとなっている。つまり、中立状態からステアリン
グホイールを操舵操作する場合のようにパワーステアリ
ング油圧が上昇する場合には、パワーステアリング油圧
と共に増大する同相方向の後輪舵角が、パワーステアリ
ング油圧の変化率に応じて減少されることになり、実質
的には、前輪の操舵初期に後輪が一瞬逆相方向に操舵さ
れた後、同相方向に操舵される現象が発生する。また、
車速が高いほど、同相操舵力が増大し逆相操舵力が低下
するので、操舵初期の逆相操舵量が少なくなるとともに
同相方向への操舵角が増大する。車速が低い場合は、逆
に同相操舵力が低下し逆相操舵力が増大するので、操舵
初期の逆相操舵量が大きくなるとともに同相方向への操
舵角が減少する。
また、ステアリングホイールが保舵状態にある場合の
ように操舵角速度が0になる場合には、コントロールバ
ルブ100からの油圧出力はなくなるので、パワーステア
リング油圧に応じた同相方向の後輪舵角が得られること
になる。
さらに、ステアリングホイールを操舵状態から中立方
向に戻す場合のように操舵角速度の方向が切り込み時と
は逆転する場合は、コントロールバルブ100からの油圧
出力も逆転するので、パワーステアリング油圧と共に減
少する同相方向の後輪舵角が、操舵角速度に応じて増加
されることになる。
ところで、補助操舵用のコントロールバルブ100から
出力される油圧は、上記のようにリヤパワーシリンダ90
に作用して後輪舵角を逆相方向に補正するほか、油路15
0a,150bを介してギヤ比可変機構14にも作用する。ステ
アリングホイール10の右操舵切込み時にコントロールバ
ルブ100の出力ポート124bに発生する高油圧は、油路150
bを介して第1ポート33に導入され、第1ロータ18の油
圧室24に供給される。一方、第2第2ロータ20の油圧室
25は、油路150bを介してコントロールバルブ100の出力
ポート124aに連通されているため、低圧状態となる。そ
して油圧室24に供給される油圧によって第1プランジャ
22が突出し、第1ロータ18と第2ロータ20との間に相対
変位が発生し、油圧室25が低圧状態にある第2プランジ
ャ23は没入する。この状態は、ステアリングホイール入
力により右回転している第1ステアリングシャフト12に
対して、第2ステアリングシャフト13が更に右回転させ
られることになり、第2ステアリングシャフト13はステ
アリングホイール10の舵角以上に回転することとなる。
これによって、等価的なステアリングギヤ比が変化し、
パワーステアリング油圧の変化率に応じて前輪の舵角を
増加させる進相制御が達成される。
なお、コントロールバルブ100の油圧出力は、操舵角
速度に応じて発生するので、第15図に示すように上記の
進相制御は保舵状態になると停止される。また、ステア
リングホイールを操舵状態から中立方向に戻す場合のよ
うに操舵角速度の方向が切り込み時とは逆転する場合
は、コントロールバルブ100からの油圧出力も逆転する
ので、前輪の舵角は、操舵角速度に応じて減少されるこ
とになる。
また、上述の構成では、逆相操舵系の作動パラメータ
となる操舵角速度の検出を、ポテンショメータ式の操舵
角センサ128から出力されるアナログ信号をアナログ式
の微分回路50により微分することにより行うものである
ため、マイクロコンピュータにより操舵角速度を演算す
る場合より検出応答性が向上し、またデジタル式のセン
サを使用する場合よりも検出精度及び分解能が向上する
ものとなり、逆相操舵系の応答性を向上できるものであ
る。
なお、上述の説明における四輪操舵装置の制御系を模
式化して表すと、第16図に示したように表される。
続いて、コントローラ126について前述の説明で省略
した点を更に詳しく説明する。
先ず、第6図のステップS3に示した操舵角速度に対
する補正処理について、第7図のフローチャート図を基
に説明する。このサブルーチンにおいては、先ずステッ
プA1でA/D変換器51の出力から読み込まれた操舵角速度
の絶対値が一定値ωより大きいか否かが判別され、大
きいと判別された場合はステップA3に進み、大きくない
と判別された場合はステップA2に進んで操舵角速度は
0に置き換えられ、メインルーチンに戻る。ステップA3
では、操舵角速度の正負が判別され、続いてステップ
A4,5により操舵角速度の絶対値成分から一定値ωを減
算する処理が行われた後ステップA6に進む。ステップA1
〜A5で行われ補正処理は、第17図に示す特性図からも明
らかなように、操舵角速度の絶対値成分から一定値ω
を減算し、操舵角速度の絶対値が一定値ωより小さい
時には操舵角速度を0とするものとなっている。ここ
で上記ステップA1,2の処理は、ステアリング系のガタな
どにより発生する操舵角速度ゼロ付近のノイズをカット
するためのものであり、上記ステップA1,3〜5の処理は
上記のノイズカットの影響で操舵角速度の特性に大きな
ガタが生じるのを防止して補正後の特性を初期の操舵角
速度の特性に近似したものに保つためのものである。
なお、上記の補正により操舵角速度の絶対値が減少す
ることになるが、これは前述の第6図にて説明した制御
係数Kの設定を適正化することにより、不都合なく対処
できるものとなっている。
また、本実施例では操舵角速度の検出応答性を向上す
るために、ポテンショメータ式の操舵角センサ128およ
びアナログ式の微分回路を使用したことにより、上記の
操舵角速度ゼロ付近のノイズが特に問題となり易いが、
この点を上記の制御により解決するものである。
ステップA6では、収束域カット判定用のHフラグが1
か否かが判定され、最初は0であるのでステップA7に進
み、収束域カット用のLフラグが1か否かが判定され
る。そして、これも最初は0であるのでステップA8に進
み、ステップA4あるいはA5で補正後の操舵角速度の絶
対値が収束域カット判定の実行基準となる一定値HUよ
り大きいか否かが判別され、大きい場合はステップA9に
て収束域カット判定用のHフラグを1にした後、メイン
ルーチンに戻り、大きくない場合はそのままメインルー
チンに戻る。一方、ステップA6でHフラグが1と判定さ
れた場合はステップA10に進んで上記補正後の操舵角速
度の絶対値が収束域カットの基準値となる一定値HD
(HUより小)より小さいか否かが判別され、小さいと
判定された場合はステップA11に進み、小さくないと判
定された場合はそのままメインルーチンに戻る。ステッ
プA11に進むとHフラグを0にした後、ステップA12で収
束域カット用のLフラグを1にして、ステップA13で操
舵角速度を0とし、メインルーチンに戻る。また、ス
テップA7でLフラグが1と判定された場合はステップA1
4に進んで上記補正後の操舵角速度の絶対値がLフラ
グのクリヤ基準値となる一定値Dより小さいか否かが
判定され、小さいと判定された場合はHフラグを1にし
た後、メインルーチンに戻り、小さくないと判定された
場合はステップA13で操舵角速度を0とし、メインル
ーチンに戻る。
上記ステップA6〜A15にて行われる制御は、操舵角速
度が一定値HUを越えた後、一定値HDより小さくな
ると、操舵角速度がHUより小さい一定値Dより小
さくなるまでは、操舵角速度を0とするものであり、
第18図に示すような特性の補正処理が実行されるもので
ある。これは、コントロールバルブ100の制御が操舵角
速度に応じて行われるものであるため、操舵角速度
が大きくなるとコントロールバルブ100の制御量(即
ち、逆相制御量および進相制御量)が増大することによ
り、戻し時の作動遅れが発生し易くなることを防止する
ためのものである。すなわち、逆相制御量および進相制
御量が大きくなると機械的なフリクションが増大して戻
し時の作動遅れが発生し易くなることを、操舵角速度が
一旦所定レベルに達した後この所定レベルを下回ると、
ステアリング操作が収束域に入ったと判断して早めに操
舵角速度を0とすることにより防止するためのもので
ある。そして、HUとHDとに差を持たせることにより
ヒステリシス特性を設定したものとなっている。
また、上記のような補正が行われる場合には、逆相操
舵系へ供給される油圧力は第13図の破線で示すような特
性となる。
なお、第18図の特性図においては、U、Dを基準
としたカット域が示されているが、これは、第6図のメ
インルーチンにおけるステップS8,15における制御およ
び第12図の特性図に対応する制御カット域を便宜上示し
たものである。もちろん、このカット域の設定を第6図
のメインルーチンから外して第7図のサブルーチンに操
舵角速度0設定域として加えるようにしてもよい。
また、上記ステップA6〜A15にて行われる制御の目的
は、逆相操舵系における戻し時の作動遅れを防止するた
めのものであるので、上述の制御に代えて、第20図に示
すように入力される操舵角速度が上限側の所定値を越
えた後は入力される操舵角速度が下限側の所定値を下
回るまで出力する操舵角速度を0とするようにしてもよ
く、第20図の特性を第18図の特性と組み合わせてより大
きな操舵角速度領域に適用してもよい。なお、この場合
は限界操舵時や操舵角センサの異常時における安全性が
向上する。
次に、第6図のステップS5に示したフェイル処理につ
いて、第8図のフローチャート図を基に説明する。この
サブルーチンにおいては、先ずステップB1において、操
舵角センサ128,逆相用圧力検出スイッチ131,同相用圧力
検出スイッチ132の出力がそれぞれ読み込まれる。次
に、ステップB2で、フェイル1モード判定用のF1フラグ
が1であるか否かが判定され、最初はF1フラグが0であ
るのでステップB3に進み、逆相用圧力検出スイッチ131
の出力がオンか否かが判別される。この逆相用圧力検出
スイッチ131はコントロールバルブ100の上流の油圧が所
定値以上になるとオン作動するもので、コントロールバ
ルブ100の作動時にリターン用の油路145との連通が絞ら
れることにより油圧供給用の油路144の圧力が上昇する
ことを利用して逆相制御および進相制御系の作動を検出
するものである。ステップB3において逆相用圧力検出ス
イッチ131がオンであると判別されると、ステップB4に
進み、後述のタイマ4がオンか否かが判定され、オンの
場合はステップB5にてタイマ4をクリヤした後で、また
オンでない場合はそのままステップB6に進む。ステップ
B6では、フェイル2モード判定用のF2フラグが1である
か否かが判定され、1である場合はステップB7にてB2フ
ラグを0にした後で、また1でない場合はそのままステ
ップB8に進む。なお、ステップB4,6の判定において最初
はタイマ4およびF2フラグは0となっている。ステップ
B8では、操舵角度θの絶対値が一定値θCより大きいか
否かが判定され、大きい場合はステップB9へ、また大き
くない場合はステップB10へ進む。なお、ステップB8は
ステアリングホイールが中立域にあるか否かを判定する
ためのものであり、この場合の一定値θCは比較的小さ
な値となっている。ステップB10ではタイマ1がオンか
否かが判定され、オンの場合はそのまま、オンでない場
合はステップB11にてタイマ1をオンさせた後で、それ
ぞれステップB12に進む。ステップB12ではタイマ1の出
力T1が所定値TCより大きいか否かが判定され、大きいと
判定された場合はステップB13にてフェイル1モード判
定用のF1フラグを1にした後で、また大きくない場合は
そのまま、それぞれメインルーチンに戻る。
ここで、ステップB3,8,12,13を経由する場合は、ステ
アリングホイール10が中立域にあるにもかかわらず、逆
相操舵出力が発生している状態が所定時間続いている場
合、すなわち、後輪操舵手段が非作動要求に反して逆相
側へ操舵してしまう場合であり、コントロールバルブ10
0等の逆相操舵系に何らかの故障が生じていることを意
味する。そして、この状態は逆相操舵系および進相操舵
系のオン故障であるので車両の安全な走行に重大な支障
を与えるものである。(第19図中のフェイルパターンA
に相当) また、ステップB9では、車速Vが所定車速VCより高い
か否かが判別される。なお、この所定車速VCは同相操舵
系が作動する速度に設定されている。そして、ステップ
B9において車速Vが所定車速VCより高いと判別された場
合はステップB14へ進み、同相用圧力検出スイッチ132の
出力がオンか否かが判別される。この同相用圧力検出ス
イッチ132はコントロールバルブ98の上流の油圧が所定
値以上になるとオン作動するもので、コントロールバル
ブ98の作動時にリターン用の油路229との連通が絞られ
ることにより油圧供給用の油路222の圧力が上昇するこ
とを利用して同相制御系の作動を検出するものである。
ステップB14において同相用圧力検出スイッチ132がオン
でないと判別されると、ステップB15にへ進む。ステッ
プB15ではタイマ2がオンか否かが判定され、オンの場
合はそのまま、オンでない場合はステップB16にてタイ
マ2をオンさせた後で、それぞれステップB17に進む。
ステップB17ではタイマ2の出力T2が所定値TCより大き
いか否かが判定され、大きいと判定された場合はステッ
プB13にてフェイル1モード判定用のF1フラグを1にし
た後で、また大きくない場合はそのまま、それぞれメイ
ンルーチンに戻る。
ここで、ステップB3,8,9,14,15,17,13を経由する場合
は、同相操舵出力を発生する条件(ステアリングホイー
ルの操舵中で所定車速以上)が満たされているにもかか
わらず、同相操舵系の出力が発生せず、なおかつ逆相操
舵出力が発生している状態が、所定時間続いている場合
であり、同相操舵系にオフ故障が生じていることを意味
する。すなわち、上記装置では同相操舵出力と逆相操舵
出力とを合成して後輪舵角が得られるようになっている
にもかかわらず、合成されるべき同相操舵出力が発生し
なくなっている状態である。このような状態では、本来
は同相操舵出力を必要とする領域で逆相操舵出力だけが
発生していることにより、極端なオーバステアが生じる
と共に後輪の発生するコーナリングフォーカスが大幅に
減少するので、車両の安全な走行に重大な支承を与える
ことになる。(第19図中のフェイルパターンBに相当) また、ステップB9において車速Vが所定車速VCより高
くないと判別された場合、およびステップB14において
同相用圧力検出スイッチ132がオンであると判別された
場合は、ステップB18に進む。ステップB18では、補正さ
れた操舵角速度の絶対値がコントロールバルブ100の
作動領域の下限閾値Dより大きいか否かが判定され、
大きいと判定された場合はステップB22へ、また大きく
ないと判定された場合はステップB19へ進む。ステップB
19ではタイマ3がオンか否かが判定され、オンの場合は
そのまま、オンでない場合はステップB20にてタイマ3
をオンさせた後で、それぞれステップB21に進む。ステ
ップB21ではタイマ3の出力T3が所定値TCより大きいか
否かが判定され、大きいと判定された場合はステップB1
3にてフェイル1モード判定用のF1フラグを1にした後
で、また大きくない場合はそのまま、それぞれメインル
ーチンに戻る。
ここで、ステップB3,18,19,21,13を経由する場合は、
上記操舵角速度が逆相操舵を実行するレベルに達して
いないにもかかわらず、逆相操舵出力が発生している状
態が所定時間の続いている場合、すなわち、後輪操舵手
段が非作動要求に反して逆相側へ操舵してしまう場合で
あり、コントロールバルブ100等の逆相操舵系に何らか
の故障が生じていることを意味する。そして、この状態
は逆相操舵系および進相操舵系のオン故障であるので車
両の安全な走行に重大な支承を与えるものである。(第
19図中のフェイルパターンCに相当) また、ステップB22に到る場合は、正常な状況で逆相
操舵出力が発生している状態である。そして、ステップ
B22ではタイマ1〜3の何れかにオン中のものがあるか
否かが判定され、ない場合はそのまま、オン中のものが
ある場合はステップB23でオン中のタイマをクリヤした
後、メインルーチンに戻る。
一方、前述のステップB3で逆相用圧力検出スイッチ13
1がオンではないと判別されると、ステップB24に進ん
で、前述のタイマ1〜3の何れかにオン中のものがある
か否かが判定され、ない場合はそのまま、オン中のもの
がある場合はステップB25でオン中のタイマをクリヤし
た後、ステップB26に進む。ステップB26では、フェイル
2モード判定用のF2フラグが1であるか否かが判定さ
れ、最初はF2フラグが0であるのでステップB27へ進
む。ステップB27では補正された操舵角速度の絶対値
がコントロールバルブ100の作動開始下限閾値Uより
大きいか否かが判定され、大きいと判定された場合はス
テップB28へ、また大きくないと判定された場合はステ
ップB32へ進む。ステップB28ではタイマ4がオンか否か
が判定され、オンの場合はそのまま、オンでない場合は
ステップB29にてタイマ4をオンさせた後で、それぞれ
ステップB30に進む。ステップB30ではタイマ4の出力T4
が所定値TCより大きいか否かが判定され、大きいと判定
された場合はステップB31にてフェイル2モード判定用
のF2フラグを1にした後で、また大きくない場合はその
まま、それぞれメインルーチンに戻る。
ここで、ステップB3,27,28,30,31を経由する場合は、
上記操舵角速度が逆相操舵を実行するレベルに達して
いるにもかかわらず、逆相操舵出力が発生していない状
態が所定時間の続いている場合、すなわち、後輪を逆相
側へ操舵する要求があるにもかかわらず逆相側に操舵で
きない場合であり、逆相操舵系および進相操舵系にオフ
故障が生じていることを意味する。この状態では、同相
操舵系の作動により安定側の制御が行われるし、また同
時に同相操舵系に故障が生じていたとしても通常の2輪
操舵は確保されるこひとになるので、前述のF1フラグを
1とした場合のように車両の安全な走行に重大な支承を
与えることはない。(第19図中のフェイルパターンDに
相当) また、ステップB32に到る場合は、正常な状況で逆相
操舵出力が発生していない状態である。そして、ステッ
プB32では前述のタイマ4がオン中か否かが判定され、
オン中でない場合はそのまま、オン中の場合はステップ
B33でタイマ4をクリヤした後、メインルーチンに戻
る。
次に、フェイルモード判定用のF1フラグおよびF2フラ
グが1の場合の処理について説明する。F1フラグが1の
場合は、前述のステップB2から、ステップB34へ進み、
逆相油圧リリーフ弁135を開放させる。これにより、第
1図に示したバイパス油路134が開放されるので、油圧
供給用の油路144から供給されるオイルがバイパス油路1
34を介してリターン用の油路145へ戻されることにな
り、コントロールバルブ100への油圧供給が遮断される
ことになる。このため、コントロールバルブ100の作動
状態にかかわらず、逆相操舵系及び進相操舵系の作動は
禁止されることになる。ステップB34に続くステップB35
では、同相油圧リリーフ弁137を開放させる。これによ
り、第1図に示したバイパス油路136が開放されるの
で、油圧供給用の油路222から供給されるオイルがバイ
パス油路136を介してリターン用の油路229へ戻されるこ
とになり、コントロールバルブ98への油圧供給が遮断さ
れることになる。このため、コントロールバルブ98の作
動状態にかかわらず、同相操舵系の作動も禁止されるこ
とになる。さらに、その後のステップB36ではアラーム
ランプ138を点滅させる信号が出力され、運転者に警告
が与えられる。ステップB36の経過後は再びステップB34
へ戻るので上述の状態が保持される。
すなわち、F1フラグが1になる場合は、前述したよう
に同相操舵系の故障時に逆相操舵系の出力が発生する場
合や逆相操舵系にオン故障が発生した場合のように車両
の安全な走行に重大な支障を与える場合であるので、逆
相操舵系および同相操舵系の作動を禁止して通常の2輪
操舵とし安全を確保するものであり、同時にアラームラ
ンプにより運転者に故障の発生を警告するものである。
F1フラグが1になる場合は重大に故障の発生を意味する
ものであるので、F1フラグは一旦1になるとイグニッシ
ョンキーを一度オフにして再び投入しない限りクリヤさ
れないので、上述のフェイルセーフ作動が確実に保持さ
れるものとなっている。なお、F1フラグが1となる場合
の故障対策措置としては、第8図のステップB35の処理
を省略して逆相操舵系の作動のみを禁止するものとし
て、安定側への制御である同相操舵系の作動は確保する
ようにしてもよい。
一方、F2フラグが1の場合は、前述のステップB26か
ら、ステップB35へ進み、アラームランプ138を点灯させ
る信号を出力した後、メインルーチンに戻ることにな
る。F2フラグが1の場合の故障は、前述のように車両の
安全な走行に重大な支障を与えることはないので、アラ
ームランプにより運転者に警告を与えるだけにとどめて
いる。また、F2フラグは逆相操舵系のオフ故障に対応す
るものであり、このような故障は安全上の問題も小さく
自然に故障が復旧する可能性もあるのでフラグ1のよう
な保持は行わず、1になった後に逆相操舵出力が得られ
た場合には、第6図のステップB6,7の処理によりクリヤ
されるものとなっている。
なお、フェイルモード1及び2の設定は第19図に示す
ような条件を満たすことが有効であり、第8図に示した
フローチャート図による処理を変更することも可能であ
る。
上記実施例による四輪操舵装置によれば、実質的に操
舵力に対応したパワーステアリング油圧に応じて制御さ
れる同相制御に対して、操舵速度に応じて後輪舵角を減
少させると共に前輪舵角を増加させるので、車両のヨー
応答と横加速度応答とを共に向上させることができ、操
舵応答性と操縦安定性を高い次元で両立できる効果を奏
する。また、同時に旋回過渡時の重心スリップ角を0が
ゼロに近づき、旋回フィーリングが向上する効果を奏す
る。さらに、安定側の制御である同相制御系は全油圧制
御により達成されるので、信頼性および耐久性に優れる
利点もある。
特に、上記実施例における逆相操舵系に使用する操舵
角速度信号は、アナログ式の操舵角センサから得られる
操舵角信号をアナログ式の微分回路により微分したもの
を使用するので、デジタル処理により操舵角速度を演算
する場合に比べて応答性を大幅に向上させることがで
き、またデジタル式のセンサを使用する場合に比べて検
出精度や分解能に優れるので、高速の制御により逆相操
舵系を作動させて効果の高い一瞬逆相操舵が実現される
効果を奏する。
また、操舵角速度の絶対値成分から一定値を減算する
補正処理を行うので、ステアリング系のガタなどにより
発生する操舵角速度ゼロ付近のノイズがカットされると
ともに、上記のノイズカットの影響で操舵角速度の特性
に大きなガタが生じるのを防止して補正後の特性を初期
の操舵角速度の特性に近似したものに保つことができる
ものであり、安定した逆相操舵系の制御が実現されるも
のである。
さらに、操舵角速度が一旦所定レベルに達した後この
所定レベルを下回ると、ステアリング操作が収束域に入
ったと判断して早めに操舵角速度を0とする補正処理を
行っているので、操舵角速度の増大に応じて逆相操舵出
力を増大させる場合に問題となる戻し制御時の作動遅れ
が、効果的に防止されるものである。
また、逆相操舵系にオン故障時のほか、同相操舵系の
故障時に逆相操舵系の出力が発生する場合も逆相操舵系
の作動を禁止するようにしたため、車両の安全な走行に
重大な支障を与える故障に対して確実に安定性を確保さ
れる効果がある。
さらに、逆相操舵系のオン故障を、操舵角速度条件が
満たされない時に操舵出力が発生することにより検知す
るほか、ステアリングホイールが中立域にある時に操舵
出力が発生している状態が所定時間継続することによっ
ても検知するものとしたので、操舵角速度の演算部の故
障に起因して逆相操舵系のオン故障が発生する場合で
も、確実に逆相操舵系のオン故障を検出することがで
き、安全性に優れるものである。
さらに、装置の故障に対して2つのフェイルモードを
設定し、それぞれ別の対処を行うフェイルセイフ制御を
行うため、故障に対する検出精度および安全性に優れる
利点がある。
なお、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでは
なく、このほか発明の構成を逸脱しない範囲内で種々の
変形実施が可能であることは言うまでもない。
(発明の効果) 以上、実施例とともに具体的に説明したように、本発
明によれば、後輪操舵手段が非作動要求に反して後輪を
逆相側へ操舵してしまう場合、および、後輪を逆相側へ
操舵する要求があるにもかかわらず後輪操舵手段が後輪
を逆相側に操舵できない場合とがそれぞれ故障して判断
され、後輪操舵手段が非作動要求に反して後輪を逆相側
へ操舵してしまう場合と、後輪を逆相側へ操舵する要求
があるにもかかわらず逆相側に操舵できない場合とで、
異なるフェイルセイフ制御が行われるため、故障検出精
度および安全性が確実に向上する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例を示す概略構成図、第2図は
コントロールバルブ98の要部詳細断面図、第3図はコン
トロールバルブ100の要部詳細断面図、第4図はオイル
ポンプ143の流量特性図、第5図はコントローラ126の構
成図、第6図はコントローラ126内で行われる制御動作
を示すフローチャート図、第7図は第6図のステップS3
の詳細内容を示すフローチャート図、第8図は第6図の
ステップS5の詳細内容を示すフローチャート図、第9図
は車速Vと制御係数Kの関係を示すマップ図、第10図は
舵角補正目標値Δδrと出力電流値Iとの関係を示すマ
ップ図、第11図は車速に対する制御の実行の有無を示す
特性図、第12図は操舵角速度に対する制御の実行の有無
を示す特性図、第13図はリヤパワーシリンダ98に供給さ
れる同相操舵力と逆相操舵力の特性を示す説明図、第14
図は後輪の舵角特性図、第15図は前輪の舵角特性図、第
16図は制御系の模式図、第17,18図は操舵角速度の補
正処理を示す特性図、第19図はフェイルモードの設定条
件を示す説明図、第20図はその他の実施例を示す第18図
である。 50……微分回路 90……リヤパワーシリンダ 98,100……コントロールバルブ 126……コントローラ 127……車速センサ,128……操舵角センサ 131……逆相用圧力検出スイッチ 132……同相用圧力検出スイッチ 135……逆相油圧リリーフ弁 137……同相油圧リリーフ弁 138……アラームランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングホイールの操舵角速度を検出
    する操舵角速度検出手段と、後輪を操舵する後輪操舵手
    段と、上記操舵角速度検出手段の検出出力に応じて上記
    後輪操舵手段の作動を制御する制御装置と、上記ステア
    リングホイールの操舵角度を検出する操舵角度検出手段
    と、上記後輪操舵手段の操舵作動の有無を検知する後輪
    操舵検出手段とを有し、上記制御装置は、上記後輪操舵
    手段が非作動要求に反して上記後輪を逆相側へ操舵して
    しまう場合と、上記後輪を逆相側へ操舵する要求がある
    にもかかわらず上記後輪操舵手段が上記後輪を逆相側に
    操舵できない場合とで、異なるフェイルセイフ制御を行
    うよう構成されたことを特徴とする四輪操舵装置
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JPS63232076A (ja) * 1987-03-19 1988-09-28 Atsugi Motor Parts Co Ltd 車両の後輪操舵装置

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