JP3134803B2 - 産業車両用油圧パワーステアリング装置及び産業車両 - Google Patents

産業車両用油圧パワーステアリング装置及び産業車両

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JP3134803B2
JP3134803B2 JP09098757A JP9875797A JP3134803B2 JP 3134803 B2 JP3134803 B2 JP 3134803B2 JP 09098757 A JP09098757 A JP 09098757A JP 9875797 A JP9875797 A JP 9875797A JP 3134803 B2 JP3134803 B2 JP 3134803B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンドル角と操舵
角とのずれを補正する産業車両用油圧パワーステアリン
グ装置及び同油圧パワーステアリング装置を備えた産業
車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばフォークリフト等の産
業車両には、油圧シリンダ(ステアリングシリンダ)に
て操舵輪を操舵する全油圧式パワーステアリング装置が
使用されている。つまり、ハンドルの操舵量に基づいて
供給する作動油にてステアリングシリンダのピストンを
位置制御し、このピストンにて操舵輪を操舵する。この
とき、油圧シリンダには、ステアリングユニットがハン
ドルの操舵量に比例する作動油を供給する。フォークリ
フトは、ハンドルに設けられたノブにてハンドルを操舵
する。そして、操舵輪が直進状態のときに、ノブが所定
位置にあるようにしている。
【0003】ところが、ステアリングユニットが供給す
る作動油の流量は、ハンドルの操舵速度にも依存してい
る。特に、操舵速度が遅いときには、ステアリングユニ
ットが供給する作動油量が操舵量に対して少なくなる。
又、ステアリングシリンダ等の油圧系には、オイルリー
クがある。従って、ハンドルの実際のハンドル角と操舵
輪の実際の操舵角との間にずれが発生する。
【0004】そこで、このようにパワーステアリング装
置に発生するずれを補正するためのハンドル角補正装置
が、例えば特公平3−30544号公報や特公平4−2
4270号公報にて提案されている。
【0005】図15は、特公平4−24270号公報に
て開示されたハンドル角補正装置を示している。ハンド
ル90が操舵されるとステアリングユニット91からハ
ンドル90の操舵量に応じた作動油が右操舵側供給管9
2あるいは左操舵側供給管93を介してステアリングシ
リンダ94の右操舵側油室95あるいは左操舵輪油室9
6に供給され図示しない操舵輪がハンドル90の操舵量
に基づく操舵角だけ右操舵あるいは左操舵される。この
とき、実際のハンドル角θHAがハンドル角センサ97に
て検出されるとともに、ステアリングシリンダ94の実
際のストローク位置Sxがストロークセンサ98にて検
出される。制御装置99は、検出したハンドル角θHAに
対するステアリングシリンダ94の正規のストローク位
置である目標ストローク位置Sgを求める。そして、制
御装置99は、この目標ストローク位置Sgと実際のス
トローク位置Sxとの偏差が許容範囲を越えるとき、ハ
ンドル操舵時に両供給管92,93間に設けられた電磁
制御弁100を制御して一方の油室95(96)に供給
される作動油をステアリングユニット91に還流させ
る。すると、ハンドル90が操舵されてもステアリング
シリンダ94が作動しないため、目標ストローク位置S
gと実際のストローク位置Sxとの偏差が減少する。従
って、ハンドル角θHAと操舵角とのずれが補正される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハンドル角
の補正が行われているときにはステアリングユニット9
1からステアリングシリンダ94に供給される作動油が
還流されるため、ハンドル90と操舵輪とが連動しない
状態となる。従って、車両の旋回中に運転者が旋回半径
を変更しようとしてハンドル90を操舵したときにハン
ドル角の補正が行われた場合、ハンドル角θHAが変更さ
れたにも拘らず操舵輪の操舵角が変更されない状態が発
生する。そのため、急旋回時、高速での旋回時のように
運転者がハンドル操作に神経を使うときにハンドル角の
補正が行われると運転者に違和感を与える。
【0007】又、ハンドル角の補正時にはステアリング
シリンダ94の両油室95,96が連通されることにな
るため、補正時に両操舵輪がハンドル角θHAに対応する
操舵角で保持されなくなる。一方、旋回時には、操舵輪
を旋回方向に切れ込ませるような力が作用する。このと
き、ハンドル90の操舵速度が大きく、ステアリングユ
ニット91からステアリングシリンダ94に比較的多い
油量の作動油が供給されているときには、その油圧にて
ステアリングシリンダ94の作動が抑制されるため操舵
輪が切れ込まない。反対に、ハンドル90の操舵速度が
小さいときにはステアリングシリンダ94に供給される
作動油の油量が少ないため、その油圧にてステアリング
シリンダ94の作動が抑制されず操舵輪が切れ込む。そ
のため、旋回時にハンドル角の補正が行われると、操舵
輪がハンドル操作によらず切れ込んでしまう問題があっ
た。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、ハンドル角補正を行
う産業車両用油圧パワーステアリング装置及び同油圧パ
ワーステアリング装置を備えた産業車両において、車両
の旋回中における操舵時にハンドル角の補正を行うと車
両の制御性が低下するような旋回状態ではハンドル角の
補正を行わないようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、作動油を所定油圧で供給
する作動油供給手段と、作動油が給排される一対の油室
を備え、一方の油室に作動油が供給されるとともに他方
の油室から作動油が排出されることにより操舵輪を左右
いずれかに操舵する操舵用油圧シリンダと、前記作動油
供給手段から供給される作動油を前記操舵用シリンダの
一方の油室に供給するとともに他方の油室から排出され
る作動油を同作動油供給手段に還流させる作動油供給制
御手段と、前記作動油供給制御手段の供給側と還流側と
を連通可能に設けられた電磁制御弁と、ハンドルの実ハ
ンドル角を検出するハンドル角検出手段と、操舵輪の操
舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵角に対応す
る正規の目標ハンドル角を求め、該目標ハンドル角と実
ハンドル角とのずれ量が許容値以上であるときに前記電
磁制御弁を制御して前記作動油供給制御手段から供給さ
れる作動油を同作動油供給制御手段に還流させる操舵制
御手段と、車両の旋回状態に応じた車両状態値を検出す
る旋回状態検出手段と、前記車両状態値に基づき、車両
の旋回状態がハンドルと操舵輪とが連動すべきハンドル
角補正禁止状態にあるか否かを判定する旋回時補正判定
手段と、旋回状態がハンドル角補正禁止状態であると
き、前記操舵制御手段による電磁制御弁の制御を禁止す
る補正禁止手段とを備えた。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記車両状態値は、旋回時に車両に作
用する横加速度であり、前記ハンドル角補正禁止状態
は、旋回時に前記電磁制御弁が制御され作動油供給制御
手段から供給される作動油の一部が還流されると、車両
に加わる横加速度により車両の安定性が低下する旋回状
態である。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記車両状態値は、旋回時の車速及び
操舵角であり、前記ハンドル角補正禁止状態は、旋回時
に前記電磁制御弁が制御され作動油供給制御手段から供
給される作動油の一部が還流されるときに、操舵用シリ
ンダに供給される作動油により操舵輪が固定されない状
態では、操舵された状態の両操舵輪が路面から受ける走
行抵抗により旋回方向に切れ込んでいく旋回状態であ
る。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれかに記載の発明において、前記ハンドル角
検出手段は、ハンドル角を相対角度で検出し、前記操舵
制御手段は、操舵角に対する目標ハンドル角を相対角度
で設定するようにした。
【0013】請求項5に記載の発明は、産業車両には、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の産業車両用油圧
パワーステアリング装置を備えた。請求項6に記載の発
明は、車体に対してロール方向に揺動可能に車軸を支持
するとともに、旋回時に車両に働く横加速度に基づき、
前記車軸の揺動を規制しない状態では車両の安定性が低
下するときに該車軸の揺動を規制する産業車両において
請求項2に記載の産業車両用油圧パワーステアリング装
置を備え、前記ハンドル角補正禁止状態は、前記車軸の
揺動が規制される旋回状態とした。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項5又は請
求項6に記載の発明において、前記産業車両は、フォー
クリフトである。請求項1に記載の発明によれば、作動
油供給制御手段が、作動油供給手段から供給される作動
油をハンドルの操舵方向に応じてその操舵量に基づく油
量だけ操舵用油圧シリンダの一方の油室に供給するとと
もに他方の油室から排出される作動油を作動油供給手段
に還流させる。すると、操舵用油圧シリンダがハンドル
の操舵方向に操舵量に対応する分だけ作動し、操舵輪が
ハンドルの操舵量に対応する操舵角だけ右操舵又は左操
舵される。このとき、実ハンドル角と目標ハンドル角と
のずれ量が許容値以上となると、操舵制御手段が電磁制
御弁を制御して作動油供給制御手段から供給される作動
油の一部を作動油供給制御手段に還流させる。すると、
操舵用油圧シリンダに供給される作動油の油量がハンド
ルの操舵量に対応する油量よりも少なくなるため、操舵
輪が操舵される操舵角がハンドルの操舵量に対する操舵
角よりも少なくなる。従って、実ハンドル角と目標ハン
ドル角とのずれ量が小さくなる。ここで、旋回状態検出
手段にて検出される車両状態値に基づき旋回時補正判定
手段が車両の旋回状態がハンドルと操舵輪とが連動すべ
きハンドル角補正禁止状態にあると判断すると、補正禁
止手段にて操舵制御手段による電磁制御弁の制御が禁止
される。従って、旋回時にハンドルと操舵輪とが連動す
べき状況では、ハンドル角の補正が禁止される。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、旋回時にハンドル角の補
正が行われると車両に加わる横加速度により車両の安定
性が低下する状態では、ハンドル角の補正が禁止され
る。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、旋回時にハンドル角の補
正が行われると操舵輪が切れ込んでいく状態では、ハン
ドル角の補正が禁止される。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、実
ハンドル角が相対角度で検出されるとともに操舵角に対
する目標ハンドル角が相対角度で設定されるため、実ハ
ンドル角と目標ハンドル角とのずれ量が相対角度同士の
ずれ角度となる。従って、ずれ量がハンドルの整数回転
分を越えるとその整数回転分がキャンセルされるため、
ずれ量が常にハンドル1回転未満となる。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項4のいずれかに記載の作用をなす油圧パワース
テアリング装置にて産業車両の操舵輪が操舵される。請
求項6に記載の発明によれば、車両の旋回時に安定性が
低下する旋回状態では、車体に対してロール方向に揺動
可能に支持される車軸の揺動が車両に働く横加速度に基
づいて規制されるとともにハンドル角の補正が禁止され
る。
【0019】請求項7に記載の発明によれば、請求項5
又は請求項6に記載の発明の作用と同様にしてフォーク
リフトの操舵輪が操舵される。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を産業車両としての
フォークリフトの油圧パワーステアリング装置に具体化
した第1の実施の形態を図1〜図10に従って説明す
る。
【0021】図2に示すフォークリフト1は、前輪駆動
及び後輪操舵の四輪車である。フォークリフト1の車体
1aの前部にはアウタマスト2が傾動可能に支持され、
同アウタマスト2にはインナマスト3が昇降可能に支持
されている。インナマスト3には、フォーク4が昇降可
能に支持されている。インナマスト3の上端にはスプロ
ケットホイール5が設けられている。アウタマスト1の
上端とフォーク4との間は、スプロケットホイール5に
掛装された図示しないチェーンにて連結されている。機
台1aの前部にはティルトシリンダ6が連結され、その
ピストンロッド6aの先端はアウタマスト2に連結され
ている。アウタマスト2の後側にはリフトシリンダ7が
配設され、その図示しないピストンロッドの先端はイン
ナマスト3の上端に連結されている。車体1aの前部左
右に設けられた各前輪8は、デフリングギア9及び図示
しない変速機を介してエンジン10に作動連結されてい
る。
【0022】図3に示すように、車体1aの後部下側に
は、車軸としての後輪車軸12がセンタピン13を中心
にロール方向に揺動可能に支持されている。車体1aと
後輪車軸12との間には、揺動緩衝用ゴム14が配設さ
れている。
【0023】車体1aと後輪車軸12との間には、1個
の複動片ロッド型の油圧シリンダ15が配設されてい
る。この油圧シリンダ15は、シリンダチューブ16の
基端が車体1aに連結され、同シリンダチューブ16の
先端から延出されたピストンロッド17の先端が後輪車
軸12に連結されている。シリンダチューブ16は、ピ
ストンロッド17の基端に取着されたピストン18にて
第1油室R1と第2油室R2とに区画されている。第1
油室R1及び第2油室R2は、それぞれ管路19a,1
9bを介して電磁制御弁20に接続されている。この油
圧シリンダ20は、車体1aに対する後輪車軸12の揺
動を緩衝する油圧ダンパを構成している。又、この油圧
シリンダ20は、車体1aに対する後輪車軸12の揺動
を規制するロックシリンダを構成している。
【0024】電磁制御弁20はノーマルクローズ型4ポ
ート2位置切換弁であり、a,b,c,dポートの各ポ
ートと、遮断位置20a及び連通位置20bとを備えて
いる。電磁制御弁20は、電磁ソレノイド21が励磁さ
れない非作動時には各ポートa〜d間における作動油の
流通を遮断する遮断位置20aとなる。又、電磁制御弁
20は、電磁ソレノイド21が励磁された作動時にはa
−cポート間、及び、b−dポート間を連通させる連通
位置20bに切り換わる。電磁制御弁20のaポートに
は油室R1からの管路19aが接続され、bポートには
油室R2からの管路19bが接続されている。同じく、
cポート及びdポートには管路22を介して蓄圧器23
が接続されている。
【0025】図1に示すように、後輪車軸12には複動
両ロッド型油圧シリンダからなる操舵用油圧シリンダと
してのステアリングシリンダ24が配設されている。ス
テアリングシリンダ24のシリンダチューブ25内には
ピストン26が配設され、該ピストン26にてシリンダ
チューブ24内が油室R3及び油室R4に区画されてい
る。ピストン26の両面には操舵ロッド27がそれぞれ
取着され、各操舵ロッド27はシリンダチューブ24の
各端部から延出されている。各操舵ロッド27の端部に
は、後輪車軸12の両端において回動可能に支持された
キングピン28にて支持されるナックル29がレバー3
0を介して連結されている。各ナックル29には、それ
ぞれ操舵輪31が回動可能に支持されている。各操舵輪
31は、ステアリングシリンダ24の作動に基づき直進
状態を操舵角θT=0°として、右方向及び左方向に操
舵される。
【0026】後輪車軸12の一方には、キングピン28
の回動量を検出する操舵角検出手段としての操舵角セン
サ32が設けられている。この操舵角センサ32は、ポ
テンショメータである。又、デフリングギア9のそばに
は、同ギア9の時間当たりの回転数を検出する車速セン
サ33が配設されている。この車速センサ33は、磁気
センサである。
【0027】一方、車体1aにはステアリングシャフト
34が回動可能に支持され、ステアリングシャフト34
にはハンドル35が取着されている。ハンドル35には
ノブ36が設けられている。ハンドル35は、操舵輪3
1の操舵角θT=0°の状態のときの操舵位置を実ハン
ドル角θH=0°として、右操舵又は左操舵される。ス
テアリングシャフト34にはハンドル角検出手段として
の光学式ロータリエンコーダ37が設けられている。こ
のロータリエンコーダ37は、回転板37a及び検出部
37bにて構成されている。すなわち、ステアリングシ
ャフト34には回転板37aが一体回動可能に取着さ
れ、回転板37aの外周側には同回転板37aの回動量
を検出する検出部37bが配設されている。回転板37
aには40個のスリットが同一周上に等角度間隔に形成
されている。又、回転板37aには、回転板37aの回
転の基準位置を検出するための1個のスリットが前記4
0個のスリットと異なる周上に形成されている。検出部
37bは、図示しない3個の受光素子及び発光素子を備
えている。各受光素子は、各スリットを介して検出する
発光素子から光に基づいてパルス信号をそれぞれ出力す
る。このとき、各受光素子は、両パルス信号の位相が9
0°ずれるように配設されている。1個の受光素子は、
1個のスリットを検出可能な位置に配設されている。受
光素子は、例えば、フォトトランジスタであり、発光素
子は、発光ダイオードである。ステアリングシャフト3
4は、オービットロール38に連結されている。
【0028】オービットロール38は、作動油供給制御
手段としてのバルブ部39とリリーフ弁40とからなる
作動油供給ユニットである。バルブ部39にはステアリ
ングシャフト34が連結され、該ステアリングシャフト
34の時計方向及び反時計方向の回動に基づきその回動
量に応じた油量の作動油を各方向毎に区別された一対の
給排ポートe,fの一方から供給するとともに、その供
給分だけ外部から戻される作動油を他方の給排ポート
e,fから受け入れる。又、バルブ部39は、外部から
供給される作動油を導入する導入ポートg及びいずれか
の給排ポートe,fに戻された作動油を排出する排出ポ
ートhを備えている。導入ポートgに接続された管路4
1と排出ポートhに接続された管路42との間には、導
入ポートg側を流入側としてリリーフ弁40が接続され
ている。リリーフ弁40は、管路41から導入ポートg
に供給される作動油の油圧を所定圧に制限する。
【0029】管路41にはエンジン10にて駆動される
油圧ポンプ44が接続され、管路42にはリリーフ弁4
0から排出される作動油を回収する油タンク45が接続
されている。本実施の形態では、リリーフ弁40、油ポ
ンプ44及び油タンク45にて作動油供給手段が構成さ
れている。
【0030】バルブ部39は、一方の供給ポートgが管
路46にてステアリングシリンダ24の油室R3に連通
され、他方の供給ポートhが管路47にて油室R4に連
通されている。管路46と管路47とは、バイパス管4
8にて接続されている。バイパス管48には、電磁制御
弁49及び絞り弁50が設けられている。電磁制御弁4
9は、ノーマルクローズ型2位置2ポート切換弁であ
り、i,jポートの2ポートと、遮断位置49a及び連
通位置49bとを備えている。電磁制御弁49は、電磁
ソレノイド51が励磁されない非作動時には両ポート
i,j間を遮断する遮断位置49aとなる。又、電磁制
御弁49は、電磁ソレノイド51が励磁された作動時に
は両ポートi,j間を連通する連通位置に切り換わる。
絞り弁50は、電磁制御弁49が故障で連通位置49b
に固定されたままの状態になったときに、バイパス管4
8を流れる作動油の流量を制限することでハンドル36
による操舵を可能にする。
【0031】車体1aには、各センサ32,33,37
からの信号に基づいて各電磁ソレノイド21,51を励
磁制御する制御ユニット52が設けられている。次に、
油圧パワーステアリング装置の電気的構成を図4に示す
電気ブロック図に従って説明する。
【0032】操舵角センサ32、車速センサ33及びロ
ータリエンコーダ37は、それぞれ制御ユニット52に
電気的に接続されている。又、電磁ソレノイド21,5
1は、制御ユニット52に電気的に接続されている。
【0033】制御ユニット52は、A/Dコンバータ6
0,61、マイコン62、励磁回路63を備えている。
本実施の形態では、マイコン26にて操舵制御手段、旋
回時補正判定手段及び補正禁止手段が構成されている。
又、操舵角センサ32、車速センサ33及びマイコン6
2にて旋回状態検出手段が構成されている。
【0034】操舵角センサ32は、操舵輪31の操舵角
θTに対応したキングピン28の回動量に基づく操舵角
信号をA/Dコンバータ60を介してマイコン62に出
力する。車速センサ33は、車両速度Vに対応したデフ
リングギア9の回転数に基づく車速信号をA/Dコンバ
ータ61を介してマイコン62に出力する。
【0035】ロータリエンコーダ37は、ハンドル35
の1回転につきそれぞれ40パルスからなる互いに90
度位相がずれたA,B2相のパルス信号SA ,SB を出
力する。ロータリエンコーダ37が出力する各パルス信
号SA ,SB は、ハンドル35の回転方向により位相の
ずれ関係が反転する。つまり、ハンドル35が右操舵さ
れるときには、A相のパルス信号SA に対してB相のパ
ルス信号SB は位相が90°進む。反対に、ハンドル3
5が左操舵されるときには、A相のパルス信号SA の位
相に対してB相のパルス信号SB は位相が90°遅れ
る。又、ロータリエンコーダ37は、ハンドル35が中
立位置にあるときには1パルスの基準位置信号SC を出
力する。この中立位置とは、操舵角θTが「0°」のと
きのハンドル35の正規の位置である。但し、ハンドル
35は右操舵時には時計方向に、左操舵時には反時計方
向にそれぞれ中立位置から2回転半弱回転するようにな
っているため、ハンドル35が中立位置から左操舵にお
ける最大操舵位置まで操舵される間と、中立位置から右
操舵時における最大操舵位置まで操舵される間にそれぞ
れ2回中立位置と同じ状態となる。従って、ロータリエ
ンコーダ37は、ハンドル35の全操舵範囲内で5回基
準位置信号SC を出力することになる。
【0036】A/Dコンバータ60は、操舵角センサ3
3が、操舵輪31が左操舵時の最大操舵角から右操舵時
の最大操舵角まで操舵される操舵角範囲で出力する操舵
角信号を、8ビットのAD値(0〜255)の操舵角デ
ータDθTに変換してマイコン62に出力する。つま
り、操舵角データDθTは、操舵角θT「0°」がAD
値「128」に対応され、右操舵時の最大操舵角がAD
値「255」に、左操舵時の最大操舵角がAD値「0」
に対応されている。
【0037】又、A/Dコンバータ61は、車速センサ
33が、車速0から最大車速までの車速範囲で出力する
車速信号を、8ビットのAD値(0〜255)の車速デ
ータDV に変換してマイコン62に出力する。つまり、
車速データDV は、車速「0km」が車速データ「0」
に対応され、最大車速が「255」に対応されている。
【0038】励磁回路63は、マイコン62からの制御
信号により励磁信号S1 を電磁ソレノイド21に、励磁
信号S2 を電磁ソレノイド51にそれぞれ出力する。マ
イコン62は、入力インターフェース64、中央演算処
理装置(CPU)65、読み取り専用メモリ(ROM)
66、書き込み及び読み取り可能なメモリ(RAM)6
7、操舵カウンタ68及び出力インターフェース69等
から構成されている。
【0039】入力インターフェース64は、A/Dコン
バータ60,61及びロータリエンコーダ37が出力し
た各データを入力しCPU65に出力する。RAM67
は、CPU65の演算結果を一時的に記憶する。操舵カ
ウンタ68は、CPU65からの制御信号によりそのカ
ウント値Cをインクリメント又はデクリメントする。出
力インターフェース69は、CPU65が出力する制御
信号を励磁回路63に出力する。
【0040】ROM66には、揺動規制処理を実行する
ためのプログラムが記憶されている。この揺動規制処理
では、操舵角センサ32にて検出する操舵角θT及び車
速センサ33にて検出する車速Vから旋回時に車両に作
用する車両状態値としての横加速度Gsを算出し、この
算出した横加速度Gsに基づいて旋回時における車両の
安定性を判断する。又、同じく操舵角θT及び車速Vか
らヨーレート変化率Δω/Δtを算出し、この算出した
ヨーレート変化率Δω/Δtに基づいて旋回時における
車両の安定性を判断する。そして、旋回時に車体1aに
対する後輪車軸12の揺動を規制しない状態では車両の
安定性が低下するような状況において後輪車軸12の揺
動を規制して安定性の低下を防止する制御を実行するた
めのものである。ROM66には、旋回時に車両の安定
性が低下する状態であるか否かを判断するために使用す
る横加速度の判定値G0 及びヨーレート変化率の判定値
Y0 が記憶されている。
【0041】CPU65は、ROM66に記憶されたプ
ログラムに基づき、所定周期(例えば、10ミリ秒)毎
に揺動規制処理を繰り返し実行する。揺動規制処理とし
て、CPU65は、常には電磁ソレノイド21に励磁信
号S1 を出力して電磁制御弁20を連通位置20bと
し、油圧シリンダ15を作動可能な状態とする。CPU
65は、操舵角データDθTから操舵角θTを算出し、
この操舵角θTから回転半径rを算出するとともに、車
速データDV から車速Vを算出する。そして、CPU6
5は、算出した回転半径r及び車速Vとから次式(1)
を用いて横加速度Gsを演算する。
【0042】Gs=V2 /r … (1) そして、CPU65は、演算した横加速度Gsが判定値
G0 以上となったか否かを判断する。CPU65は、横
加速度Gsが判定値G0 以上のときは、後輪車軸12の
揺動を規制しない状態では車両の安定性が低下する旋回
状態であると判断し、後輪車軸12の揺動を規制するた
めに電磁ソレノイド21への励磁信号S1 の出力を停止
し電磁制御弁20を遮断位置20aとする。横加速度G
sの判定値G0 は、積み荷を積載した車両が安定して旋
回を行うことができるように、例えば、積み荷の荷重と
揚高量とに基づいて設定されている。
【0043】又、CPU65は、操舵角データDθTか
ら算出した操舵角θT、該操舵角θTから算出した回転
半径r、及び、車速データDV から算出した車速Vから
次式(2)を用いてヨーレート変化率Δω/Δtを演算
する。尚、この式(2)は、車速Vが一定であるとみな
した近似式である。
【0044】 Δω/Δt=V×Δ(1/r)/ΔT … (2) ここで、Δ(1/r)は、旋回半径rの逆数値1/rの
所定時間ΔT(例えば、数10ミリ秒)当たりの変化量
(偏差)である。偏差Δ(1/r)は、RAM67に保
存した過去複数回分(所定時間ΔT間を1回とする)の
操舵角データDθTから、所定時間ΔT前の操舵角デー
タDθTを読み出し、この操舵角データDθTの操舵角
θTから決定される旋回半径rの逆数値1/rを算出
し、Δ(1/r)=|1/r−1/rb|(但し、1/
rbは所定時間ΔT前の旋回半径の逆数値)を用いて算
出する。
【0045】そして、CPU65は、演算したヨーレー
ト変化率Δω/Δtが判定値Y0 以上となったか否かを
判断する。CPU65は、ヨーレート変化率Δω/Δt
が判定値Y0 以上であるときには、旋回状態が車両の安
定性が低下する状態であると判断し、揺動規制フラグF
SLを「1」とするとともに後輪車軸12の揺動を規制
するために電磁ソレノイド21への励磁信号S1 の出力
を停止し電磁制御弁20を遮断位置20aとする。一
方、CPU65は、ヨーレート変化率Δω/Δtが判定
値Y0 未満であるときには、旋回状態が車両の安定性が
低下しない状態である判断し、揺動規制フラグFSLを
「0」とするとともに後輪車軸12の揺動を許容するた
めに電磁ソレノイド21に励磁信号S1 を出力し電磁制
御弁20を連通位置20bにする。このヨーレート変化
率Δω/Δtの判定値Y0 は、例えば、走行実験又は理
論計算に基づいて設定されている。
【0046】又、ROM66には、ハンドル角検出処理
を実行するためのプログラムが記憶されている。このハ
ンドル角検出処理は、ハンドル35の操舵に伴いロータ
リエンコーダ37から入力される各パルス信号SA ,S
B ,SC のレベル変化に基づいてハンドル35の操舵方
向及び実ハンドル角θHを検出する処理である。
【0047】CPU65は、ロータリエンコーダ37か
ら基準位置信号SC を入力する度に、ハンドル35が中
立位置であると判断して操舵カウンタ68のカウント値
Cを「80」に較正する割り込み処理を実行する。CP
U65は、ROM66に記憶されているプログラムに基
づき、ロータリエンコーダ37から入力するA,B2相
の内のいずれかのパルス信号SA ,SB のレベルが変化
する度に、ハンドル角検出処理を割り込みで実行する。
【0048】又、CPU65は、ロータリエンコーダ3
7から入力するA,B2相のパルス信号SA ,SB に基
づき、ハンドル35の操舵方向を判定する。CPU65
は、ハンドル35の操舵方向が右方向であるときには、
操舵方向フラグFHDを「1」とするとともに操舵カウ
ンタ68のカウント値Cをインクリメントする。反対
に、CPU65は、ハンドル35の操舵方向が左方向で
あるときには、操舵方向フラグFHDを「0」とすると
ともにカウント値Cををデクリメントする。但し、CP
U65は、インクリメントする前のカウント値Cが「1
59」であるときには、カウント値Cを「0」とする。
一方、CPUは、デクリメントする前のカウント値が
「0」であるときには、カウント値Cを「159」とす
る。
【0049】つまり、CPU65は、ハンドル35が中
立位置にあって基準位置信号SC が入力されるときのカ
ウント値C「80」を基準としてハンドル35が右操舵
されるときに入力されるA,B2相の各パルス信号SA
,SB のレベル変化毎にカウント値Cをインクリメン
トする。そして、CPU65は、ハンドル35が約18
0°右操舵される間にカウント値Cを「81〜159」
までカウントアップする。反対に、CPU65は、中立
位置におけるカウント値C「80」を基準としてハンド
ル35が左操舵されるときに入力されるA,B2相の各
パルス信号SA ,SB のレベル変化毎にカウント値Cを
デクリメントする。そして、CPU65は、ハンドル3
5が180°左操舵される間にカウント値Cを「79〜
0」までカウントダウンする。
【0050】そして、CPU65は、ハンドル35が中
立位置から180°右操舵されたとき新たにカウント値
Cを「0」とし、ハンドル35が180°右操舵された
位置からさらに360°弱右操舵される間にカウント値
Cを「0」から「159」までインクリメントする。従
って、ハンドル35が当初の中立位置から360°右操
舵されると、カウント値Cは再び「80」となる。同様
に、ハンドル35が当初の中立位置から180°と1カ
ウント分左操舵されたとき新たにカウント値Cを「15
9」とし、ハンドル35が180°と1カウント分左操
舵された位置からさらに360°左操舵される間にカウ
ント値Cを「159」から「0」までデクリメントす
る。従って、ハンドル35が当初の中立位置から360
°左操舵されると、カウント値Cは再び「80」とな
る。つまり、CPU65は、ハンドル角θHをハンドル
35の全操舵範囲においてハンドル35が中立位置と同
じ操舵状態となる各操舵位置から右方向及び左方向にそ
れぞれ180°の操舵角として検出する。
【0051】又、ROM66には、ハンドル角補正処理
を実行するためのプログラムが記憶されている。このハ
ンドル角補正処理は、ロータリエンコーダ37にて検出
する実ハンドル角θH及び操舵角センサ32にて検出す
る操舵角θTに基づき、操舵角θTに対応する目標ハン
ドル角θgに対する実際のハンドル角θHのずれ量Δθ
を検出するとともに、その実際のずれ方向に拘らずハン
ドル35が操舵される方向が実ハンドル角θHを目標ハ
ンドル角θgに少ない操舵範囲で一致させることができ
る方向であるときに限ってハンドル角の補正を行うもの
である。
【0052】又、ハンドル角補正処理は、車速センサ3
3にて検出する車速V及び操舵角θTに基づき、旋回時
に車両に働く横加速度Gsが判定値G0 以上となる旋回
状態ではハンドル角の補正を行わない制御を実行するた
めのものである。この判定値G0 は、急旋回時や高速で
の旋回時のように運転者がハンドル装置に神経を使うと
きにハンドル角の補正が行われてハンドル36と操舵輪
31とが連動しないと運転者に違和感を与えるような旋
回状態を横加速度Gsで表したものである。
【0053】さらに、ハンドル角補正処理では、ずれ量
Δθがハンドル角補正を行う必要がない許容範囲内であ
るときにはハンドル角補正を行わないようにする。RO
M66には、操舵角θTから目標ハンドル角θgを算出
するためのマップM1が記憶されている。目標ハンドル
角θgは、操舵角θTに対する正規のハンドル角であ
り、操舵角θTが「0°」のときハンドル35が中立位
置となりノブ36が所定位置に配置される。このマップ
は、図5に示すように、操舵輪31の全操舵範囲におけ
る操舵角θT(θTL〜θTR)に対応する操舵角デー
タDθT(0〜255)にて横軸が設定され、目標ハン
ドル角θg(−180°〜+180°)に対応する目標
操舵カウント値Cg(0〜159)にて縦軸が設定され
ている。
【0054】操舵角θTに対する目標ハンドル角θg
は、ハンドル35の全操舵範囲においてハンドル35が
中立位置と同一の操舵状態となる各操舵位置からの操舵
角として設定されている。つまり、「−α〜+α」の範
囲の操舵角θTに対して、目標ハンドル角θgが「−1
80°〜+180°」の範囲で設定されている。ここ
で、ハンドル35の右操舵範囲及び左操舵範囲はそれぞ
れ2回転半弱であるため、操舵角θTが−4α,−2
α,+2α,+4αであるときにハンドル34が中立位
置にある状態と同一の状態となる。そして、操舵角θT
が「+α〜+3α」である操舵範囲に対して、目標ハン
ドル角θgが「−180°〜+180°」の範囲で設定
されている。又、操舵角θTが「+3α〜+4α+β」
である操舵範囲に対して、目標ハンドル角θgが「−1
80°〜0°+γ」の範囲で設定されている。尚、ここ
で、操舵角θTが「+4α+β」である操舵状態がハン
ドル35の右操舵時における最大操舵位置である。
【0055】同様に、操舵角θTが「−3α〜−α」で
ある操舵範囲に対して、目標ハンドル角θgが「−18
0°〜+180°」の範囲で設定されている。又、操舵
角θTが「−4α−β〜−3α」である操舵範囲に対し
て、目標ハンドル角θgが「−180°〜0°+γ」の
範囲で設定されている。尚、ここで、操舵角θTが「−
4α−β」である操舵状態がハンドル35の左操舵時に
おける最大操舵位置である。
【0056】又、ROM66には、ハンドル角補正を行
うときのハンドル36の操舵方向を決定するためのカウ
ント値「80」が記憶されている。ROM66には、実
ハンドル角θHと目標ハンドル角θgとのずれ量Δθが
ハンドル角を補正するべき大きさであるか否かを判定す
るための許容値ΔC0がそれぞれ記憶されている。
【0057】CPU65は、ROM66に記憶されてい
るプログラムに基づき、例えば、前記揺動規制処理を実
行する毎にハンドル角補正処理を繰り返し実行する。ハ
ンドル角補正処理として、CPU65は、操舵角データ
DθTに基づきマップM1を用いて操舵角θTに対する
目標ハンドル角θgの目標操舵カウント値Cgを求め
る。CPU65は、求めた目標操舵カウント値Cgと、
実ハンドル角θHに対応する操舵カウント値Cとのとの
ずれ量ΔC=|C−Cg|を算出し、このずれ量ΔCが
操舵角範囲180°に相当するカウント値「80」以下
であるか否かを判定する。CPU65は、ずれ量ΔCが
カウント値「80」以下であるときには、目標ハンドル
角θgと実ハンドル角θHとのずれを最小の操舵量で補
正可能な補正ずれ量CcがCc=|C−Cg|であると
判断する。つまり、CPU65は、図6(a)に示すよ
うに、実ハンドル角θHに対応する実ノブ位置と目標ハ
ンドル角θgに対応する目標ノブ位置とのずれ量Δθが
180°以下であるときにはずれ量ΔCがカウント値
「80」以下であることから、そのずれ量Δθに対応し
たカウント値(|C−Cg|)を最小の操舵量で実ハン
ドル角θHを目標ハンドル角gに一致させることができ
る補正ずれ量Ccとする。
【0058】さらに、CPU65は、ずれ量ΔCがカウ
ント値「80」以下であるときに、操舵カウント値Cが
目標操舵カウント値Cgよりも小さいか否か判定する。
CPU65は、操舵カウント値Cが目標操舵カウント値
Cgよりも小さいときにはハンドル35を右操舵するこ
とにより実際のずれ量ΔCが補正ずれ量Ccだけの操舵
で解消されると判断し、補正方向フラグを「1」とす
る。反対に、CPU65は、操舵カウント値Cが目標操
舵カウント値Cgよりも大きいときにはハンドル35を
左操舵することによりずれ量ΔCが補正ずれ量Ccだけ
の操舵で解消されると判断し、補正方向フラグFCDを
「0」とする。
【0059】一方、CPU65は、ずれ量ΔCがカウン
ト値「80」を越えるときには、実実ハンドル角θHと
目標ハンドル角θgとのずれを最小の操舵量で補正可能
な補正ずれ量CcがCc=160−|C−Cg|と判断
する。つまり、CPU65は、図6(b)に示すよう
に、実ハンドル角θHに対応する実ノブ位置と目標ハン
ドル角θgに対応する目標ノブ位置とのずれ量Δθが1
80°を越えるときには、ずれ量ΔCがカウント値「8
0」を越えることから、(360°−Δθ)に対応した
カウント値(160−|C−Cg|)を最小の操舵量で
実ハンドル角θHを目標ハンドル角θgに一致させるこ
とができる補正ずれ量Ccとする。
【0060】さらに、CPU65は、ずれ量ΔCがカウ
ント値「80」を越えるときに、操舵カウント値Cが目
標操舵カウント値Cgよりも小さいか否か判定する。C
PU65は、操舵カウント値Cが目標操舵カウント値C
gよりも小さいときにはハンドル35を左操舵すること
によりずれ量ΔCが補正ずれ量Ccだけの操舵で解消さ
れると判断し、補正方向フラグを「0」とする。反対
に、CPU65は、操舵カウント値Cが目標操舵カウン
ト値Cgよりも大きいときにはハンドル35を右操舵す
ることによりずれ量ΔCが補正ずれ量Ccだけの操舵で
解消されると判断し、補正方向フラグFCDを「1」と
する。
【0061】又、CPU65は、揺動規制処理で設定さ
れる揺動規制フラグFSLに基づきハンドル角補正を行
ってよい状態であるか否かを判断する。つまり、横加速
度Gsが判定値G以上となる旋回状態は、急旋回時や高
速での旋回時であって運転者がハンドル操作に神経を使
うときである。CPU65は、揺動規制フラグFSLが
「1」であるときには、車両の旋回状態がハンドル角補
正を行うべき状態でないと判断し、電磁ソレノイド51
に励磁信号S2 を出力せず電磁制御弁49を遮断位置4
9aとする。一方、CPU65は、揺動規制フラグFS
Lが「0」であるときには、車両の旋回状態がハンドル
角の補正を行ってよい状態であると判断し、電磁ソレノ
イド51に励磁信号S2 を出力し電磁制御弁49を連通
位置49bとする。
【0062】又、CPU65は、ずれ量ΔCが許容値Δ
C0以下であるか否かを判定する。CPU65は、ずれ
量ΔCが許容値ΔC0以下であるときには、ずれ量Δθ
が許容範囲内でありハンドル角の補正が必要でない状態
であると判断し、電磁ソレノイド51に励磁信号S2 を
出力せず電磁制御弁49を遮断位置49aとする。
【0063】さらに、CPU65は、操舵方向フラグF
HDと補正方向フラグFCDとが一致するか否かを判定
する。CPU65は、両フラグFHD,FCDが一致す
るときには、ハンドル35の操舵方向がずれを最小操舵
量で補正可能な方向であると判断し、ハンドル角の補正
を行うために電磁ソレノイド51に励磁信号S2 を出力
し電磁制御弁49を連通位置49bとする。反対に、C
PU65は、両フラグFHD,FCDが一致しないとき
には、ハンドル35の操舵方向がずれを最小操舵範囲で
補正可能な方向と反対方向であると判断し、ハンドル角
の補正を行わないために電磁ソレノイド51に励磁信号
S2 を出力せず電磁制御弁49を遮断位置49aとす
る。
【0064】次に、以上のように構成された産業車両用
油圧パワーステアリング装置の作用を図7〜10に示す
フローチャートに従って説明する。エンジン10が始動
されると制御ユニット52が電磁制御弁20を遮断位置
20aから連通位置20bに制御する。従って、後輪車
軸12が揺動可能な状態となり、車両の走行状態により
車体1aに対して後輪車軸12が揺動する。
【0065】ハンドル35が操舵されると、オービット
ロール38からその操舵量に対応した油量の作動油がス
テアリングシリンダ24の操舵方向に対応する方の油室
R3(R4)側に供給される。このとき、電磁制御弁4
9が遮断位置49aであるため、ステアリングシリンダ
24の油室R3(R4)に作動油が供給されるとともに
他方の油室R4(R3)から作動油が排出される。従っ
て、ステアリングシリンダ24の操舵ロッド27が操舵
方向にハンドル35の操舵量だけ変位し、実ハンドル角
θHに対する操舵角θTに操舵輪31が操舵される。
【0066】ハンドル35の操舵に伴ってロータリエン
コーダ37から基準位置信号SC が出力される度に、C
PU65が操舵カウンタ68のカウント値Cを「80」
に較正する。CPU65は、ロータリエンコーダ37か
ら入力するA,B2相のパルス信号SA ,SB のレベル
が変化する毎に、図10のフローチャートで示すハンド
ル角検出処理を実行する。
【0067】ハンドル角検出処理において、CPU65
は、先ずステップ(以下、S)400で、A,B2相の
パルス信号SA ,SB に基づきハンドル35の操舵方向
を判定する。CPU65は、S400で、操舵方向が右
操舵であると判断したときにはS410で操舵方向フラ
グFHDを「1」とした後、S420で操舵カウンタ6
8のカウント値Cをインクリメントして当該処理を終了
する。
【0068】一方、CPU65は、S400で、操舵方
向が左操舵であると判断したときにはS430で操舵方
向フラグFHDを「0」とした後、S440で操舵カウ
ンタ68のカウント値Cをデクリメントして当該処理を
終了する。
【0069】車両の走行中には、CPU65は図7のフ
ローチャートで示す揺動規制処理を繰り返し実行する。
揺動規制処理において、CPU65は、S100で、操
舵角データDθT及び車速データDV を読み込む。そし
て、CPU65は、S110で、読み込んだ操舵角デー
タDθTを今回の操舵角データDθ(1)として記憶す
る。次に、CPU65は、S120で、操舵角データD
θT及び車速データDV から(1)式を用いて横加速度
Gsを算出し、S130でこの算出した横加速度Gsが
判定値G0 以上であるか否かを判定する。CPU65
は、S130で、横加速度Gsが判定値G0 未満である
ときには、S140で操舵角データDθT及び車速デー
タDV から(2)式を用いてヨーレート変化率Δω/Δ
tを算出する。そして、CPU65は、S150で、算
出したヨーレート変化率Δω/Δtが判定値Y0 以上で
あるか否かを判定する。CPU65は、S150で、ヨ
ーレート変化率Δω/Δtが判定値Y0 未満であるとき
には、S160で、揺動規制フラグFSLを「0」とし
た後、S170で、油圧シリンダの作動を許容するため
に電磁ソレノイド21に励磁信号S1を出力して電磁制
御弁20を連通位置20bとする。
【0070】従って、直進時にはもちろん旋回時にも車
体1aに対して後輪車軸12が揺動が許容されても車両
に働く横加速度Gsあるいはヨーレートωの変化により
車両の安定性が低下しない状態では、後輪車軸12の揺
動が許容される。
【0071】一方、CPU65は、S130で、横加速
度Gsが判定値G0 以上であると判定したときには、S
180で、揺動規制フラグFSLを「1」とした後、S
190で、電磁ソレノイド21への励磁信号S1 の出力
を停止して電磁制御弁20を遮断位置20aとする。
【0072】従って、旋回時に車両に働く横加速度Gs
が判定値G0 以上となり車体1aに対する後輪車軸12
の揺動が許容された状態では車両の安定性が低下する旋
回状態では、後輪車軸12の揺動が規制される。
【0073】又、CPU65は、S150で、ヨーレー
ト変化率Δω/Δtが判定値Y0 以上であると判定した
ときにも、S180で、揺動規制フラグFSLを「1」
とした後、S190で電磁ソレノイド21への励磁信号
S1の出力を停止して電磁制御弁20を遮断位置20a
する。
【0074】従って、旋回時にヨーレート変化率Δω/
Δtが判定値Y0 以上となり車体1aに対する後輪車軸
12の揺動が許容された状態では車両の安定性が低下す
る旋回状態では、後輪車軸12の揺動が規制された状態
となる。
【0075】又、車両の走行中に、CPU65は図8及
び図9のフローチャートで示すハンドル角補正処理を所
定周期毎に繰り返し実行する。ハンドル角補正処理にお
いて、CPU65は、S200で、実ハンドル角θHに
対応する操舵カウント値Cを読み込む。そして、CPU
65は、S210で、揺動規制処理で読み込んだ操舵角
データDθTに対応する目標操舵カウント値Cgをマッ
プM1から求める。
【0076】次に、CPU65は、S220で、カウン
ト値Cと目標カウント値Cgとのずれ量ΔC=|C−C
g|を算出し、S230でこのずれ量ΔCが判定値「8
0」以下であるか否かを判定する。CPU65は、S2
30で、ずれ量ΔCが判定値「80」以下であるときに
は、S240で、補正ずれ量CcをCc=|C−Cg|
とした後、S250を実行する。一方、CPU65は、
S230でずれ量ΔCが判定値「80」を越えるときに
は、S260で、補正ずれ量CcをCc=160−|C
−Cg|とした後S250を実行する。
【0077】CPU65は、S250で、操舵カウント
値Cが目標操舵カウント値Cgよりも小さいか否かを判
定する。CPU65は、S250で、操舵カウント値C
が目標操舵カウント値Cgよりも小さいときには、S2
70で補正方向フラグFCDを「1」とした後S280
を実行する。一方、CPU65は、S250で、操舵カ
ウント値Cが目標操舵カウント値Cgよりも大きいとき
には、S290で補正方向フラグFCDを「0」とした
後S280を実行する。
【0078】次に、CPU65は、S280で、揺動規
制フラグFSLが「0」であるか否かを判定する。CP
U65は、S280で、揺動規制フラグFSLが「0」
であるときには、S290で、ずれ量ΔCが許容値ΔC
0以上であるか否かを判定する。CPU65は、S29
0で、ずれ量ΔCが許容値ΔC0以上であるときには、
S300で、操舵方向フラグFHDと補正方向フラグF
CDとが一致するか否かを判定する。CPU65は、S
300で、両フラグFHD,FCDが一致するときに
は、S310で電磁ソレノイド51に励磁信号S2を出
力し電磁制御弁49を連通位置49bとして当該処理を
終了する。
【0079】従って、旋回時に車両に働く横加速度Gs
により車両の安定性が低下しない状態では、実ハンドル
角θHの目標ハンドル角θgに対するずれ量Δθが判定
値以上となったときにハンドル角が補正される。又、こ
のとき、ハンドル35が操舵される方向が、ずれ量Δθ
を最小操舵範囲で補正することができる方向であるとき
に限りハンドル角の補正が行われる。
【0080】一方、CPU65は、S280で、揺動規
制フラグFSLが「1」であるときには、S320で、
電磁ソレノイド51に制御信号S2 を出力せず電磁制御
弁49を遮断位置49aとして当該処理を終了する。
【0081】従って、旋回時に車両に働く横加速度Gs
により後輪車軸12の揺動が許容さた状態では車両の安
定性が低下する旋回状態では、後輪車軸12の揺動が規
制されるとともにハンドル角の補正も禁止される。
【0082】又、CPU65は、S290で、偏差ΔC
が許容値ΔC0未満であるときには、S320を実行す
る。従って、ハンドル角のずれ量Δθが許容範囲内であ
るときには、ハンドル角の補正が行われない。
【0083】又、CPU65は、S300で、両フラグ
FHD,FCDが一致しないときには、S320を実行
する。従って、ハンドル35が操舵される方向が、最小
操舵範囲でハンドル角の補正を行うことができる方向で
ないときにはハンドル角の補正が行われない。
【0084】以上詳述したように、本実施の形態の産業
車両用油圧パワーステアリング装置によれば、以下の効
果を得ることができる。 (a) 車両の旋回状態に応じた車両状態値(横加速度
Gs)を検出し、この車両状態値がハンドル35と操舵
輪31とが連動すべきハンドル角補正禁止状態(横加速
度Gsが判定値G0 以上となる旋回状態)であると旋回
時補正判定手段(マイコン62)が判定したときには、
補正禁止手段(マイコン62)が操舵制御手段(マイコ
ン62)による電磁制御弁49の制御を禁止するように
した。
【0085】従って、旋回時にハンドル35と操舵輪3
1とが連動すべき状況では、ハンドル角の補正が禁止さ
れる。その結果、車両が旋回時にハンドル角の補正を行
うと車両の制御性が低下するような状態ではハンドル角
の補正を行わないようにすることができる。
【0086】(b) 横加速度Gsが判定値G0 以上と
なる旋回状態、すなわち、運転者がハンドル操作に神経
を使う急旋回時や高速での旋回時であってハンドル角の
補正を行うと運転者が違和感を抱く旋回状態にはハンド
ル角の補正が禁止される。
【0087】このとき、操舵角θTが小さいときには車
速Vが高くてもハンドル角の補正が行われる。又、車速
Vが低いときには操舵角θTが大きくてもハンドル角の
補正が行われる。従って、ハンドル角のずれが広い範囲
で補正されるため、ずれが発生しにくい。
【0088】(c) 旋回時に車両に働く横加速度Gs
が判定値G0 以上となるときに車体1aに対する後輪車
軸12の揺動を規制する揺動制御装置と、車速センサ3
3、操舵角センサ32及び制御ユニット52を共用し
た。従って、揺動制御装置と油圧パワーステアリング装
置とで専用の各センサ及び制御ユニットを設ける場合に
比較して、部品点数が少なくなる。
【0089】(d) 電磁制御弁49をノーマルクロー
ズ型としたので、制御ユニット52が故障して電磁制御
弁49が遮断位置49aに固定されたままの状態になっ
たときにステアリングシリンダ24に供給される作動油
がバイパスされなくなる。従って、制御ユニット52の
故障時にはハンドル角の補正が禁止されたままとなるた
め、同故障状態での旋回時に操舵輪31の制御性を維持
することができる。
【0090】(e) 実ハンドル角θHをハンドル35
の全操舵範囲の各中立位置からの操舵角として検出する
とともに、操舵角θTに対応する目標ハンドル角θgを
その各中立位置からの操舵角とした。そして、共に各中
立位置からの操舵角である実ハンドル角θHと目標ハン
ドル角θgとのずれ量Δθをハンドル角補正で補正する
ようにした。このため、実際のずれ量Δθがハンドル3
5の整数回転分、すなわち、360°の整数倍を越えた
ときにはその整数回転分がずれ量Δθからキャンセルさ
れるため、実際にハンドル角の補正が行われるずれ量Δ
θが常に1回転分以下となる。このため、ハンドル角の
補正時にハンドル35と操舵輪31とが連動しない操舵
範囲が常にハンドル35の1回転以下となるため、旋回
時における操舵輪31の制御性が改善される。
【0091】(f) 実ハンドル角θHと目標ハンドル
角θgとのずれ量Δθが180°を越えたときには、実
際にハンドル角の補正を行うためのずれ量を(360°
−Δθ)とした。従って、ハンドル角の補正が行われる
操舵範囲が常に180°以下となる。このため、ハンド
ル35と操舵輪31とが連動しない操舵範囲が常に18
0°以下となる。
【0092】(g) フォークリフト1の操舵輪31を
操舵する油圧パワーステアリング装置に実施したので、
フォークリフト1の旋回時にハンドル角の補正を行うと
車両の制御性が低下する状態ではハンドル角の補正を行
わないようにすることができる。
【0093】(第2の実施の形態)次に、本発明をフォ
ークリフトの油圧パワーステアリング装置に具体化した
第2の実施の形態を図11〜図13に従って説明する。
本実施の形態のフォークリフトは、第1の実施の形態の
フォークリフトと基本的に同一の構成であるが、後輪車
軸の揺動規制を行わないようにしたことが異なってい
る。そして、第1の実施の形態では、揺動規制処理にお
いて車両の旋回状態に応じた車両状態値である横加速度
Gsを検出し、この横加速度Gsに基づいてハンドル角
の補正を禁止した。これに対し本実施の形態は、横加速
度Gsの代わりに車速V及び操舵角θTにて決定される
車両の旋回状態に基づいてハンドル角の補正を禁止する
ようにした。従って、本実施の形態は、第1の実施の形
態における揺動規制処理は行わず、又、ハンドル角補正
処理のS280以降のステップが異なっている。従っ
て、その他の同一の構成については符号を同じにしてそ
の説明を省略する。
【0094】ROM66には、ハンドル角補正処理を実
行するためのプログラムが記憶されている。ハンドル角
補正処理は、車両状態値としての車速V及び操舵角θT
に基づき、旋回中にハンドル角の補正が実行されステア
リングシリンダ24の両油室R3,R4が連通されたと
きに、路面から操舵輪31に加わる走行抵抗により操舵
輪31が実ハンドル角θHと関係なく旋回方向に切れ込
むような状態ではハンドル角の補正を行わない制御を実
行するものである。
【0095】つまり、図11に示すように、例えば、車
両を左旋回させるべく操舵輪31が左操舵されたときに
は、各操舵輪31が路面から受ける走行抵抗Fにより右
側の操舵輪31のキングピン28には時計方向に回動さ
せる向きのモーメントMRが作用し、左側の操舵輪31
のキングピン28には反時計方向に回動させる向きのモ
ーメントMLが作用する。このとき、旋回外側となる右
側の操舵輪31のキングピン28に作用するモーメント
MRは、旋回内側となる左側の操舵輪31のキングピン
28に作用するモーメントMLよりも大きくなる。この
ため、両操舵輪31がステアリングシリンダ24にてあ
る操舵角θTで保持されていない状態では、両操舵輪3
1が旋回方向に切れ込んでいくことになる。
【0096】このとき、オービットロール38からステ
アリングシリンダ24に供給される作動油の油量が多い
ときには、その油圧にてピストン26の移動が阻止され
るため、両操舵輪31の切れ込みが防止される。一方、
ステアリングシリンダ24に供給される作動油量が少な
いときには、ピストン26の移動が阻止されず両操舵輪
31が切れ込むようになる。そこで、このハンドル角補
正処理では、車両の旋回状態が操舵輪31が実際に旋回
方向に切れ込む状態であるときには、ハンドル角の補正
を禁止するようにしている。
【0097】又、ROM66には、ハンドル角補正処理
において、車両の旋回状態が両操舵輪31が切れ込む状
態であるか否かを判定するためのマップM2が記憶され
ている。このマップM2は、図12に示すように、車速
データDV と操舵角データDθTとに基づいて定義され
た切れ込み領域Φを有する。車速Vと操舵角θTとに基
づいて決定される旋回状態がこの切れ込み領域Φ内にあ
るときには、旋回外側の操舵輪31が旋回方向に切れ込
んでいく可能性がある領域である。一方、車速Vと操舵
角θTとに基づいて決定される旋回状態がこの切れ込み
領域Φ内にないときには、両操舵輪31が旋回方向に切
れ込んでいかない。この切れ込み領域Φは、例えば、理
論計算又は実験にて決定されている。
【0098】さらに、ROM66には、車速V及び操舵
角θTにて決定される車両の旋回状態が前記マップM2
にて定義された切れ込み領域Φ内にあるときに、操舵輪
31が実際に切れ込んでいくか否かを判定するための判
定値Dθ0が記憶されている。つまり、車両の旋回状態
が切れ込み領域Φ内にあるときでも、ハンドル35の操
舵速度が大きくオービットロール38からステアリング
シリンダ24に供給される作動油の油量が多いときに
は、その油圧にてステアリングシリンダ24の作動が規
制されるため操舵輪31が切れ込まない。一方、操舵速
度が小さくステアリングシリンダ24に供給される作動
油の油量が少ないときには、ステアリングシリンダ24
の作動が規制されず操舵輪31が切れ込む。前記判定値
Dθ0は、オービットロール38から供給される作動油
の油圧にてステアリングシリンダ24の作動が規制さ
れ、旋回状態が切れ込み領域Φ内にあるにも拘らず操舵
輪31が切れ込んでいかないときの作動油の油量の最大
値である。この油量は、オービットロール38から供給
される作動油量に対応した操舵輪31の操舵速度で設定
されている。
【0099】CPU65は、ROM66に記憶されてい
るプログラムに基づき、ハンドル角補正処理を所定周期
毎に繰り返し実行する。ハンドル角補正処理として、C
PU65は、車速V及び操舵角θTに基づき車両の旋回
状態がマップM2にて定義される切れ込み領域Φにある
か否かを判定する。CPU65は、旋回状態が切れ込み
領域Φにないときには、ハンドル角の補正を行っても操
舵輪31が旋回方向に切れ込む可能性がない状態である
と判断する。このとき、CPU65は、さらに、ずれ量
ΔCが許容値ΔC0以上であり、操舵方向フラグFHD
と補正方向フラグFCDとが一致するときには、電磁ソ
レノイド51に励磁信号S2 を出力して電磁制御弁49
を連通位置49bとする。
【0100】CPU65は、車速V及び操舵角θTにて
決定される旋回状態が切れ込み領域Φ内にあるときに
は、ハンドル角の補正を行ったとき操舵輪31が旋回方
向に切れ込む可能性がある状態であると判断する。旋回
状態が切れ込み領域Φ内にあると判断すると、CPU6
5は、前回のハンドル角補正処理で記憶した操舵角デー
タDθT=Dθ(2)と今回のハンドル角補正処理で記
憶する操舵角データDθT=Dθ(1)との偏差ΔDθ
を算出し、この偏差ΔDθが判定値Dθ0以下であるか
否かを判定する。
【0101】CPU65は、偏差ΔDθが判定値Dθ0
以下であるときには、ハンドル35の操舵速度が遅くス
テアリングシリンダ24に供給される作動油の流量が少
ないため操舵輪31が旋回方向に切れ込む状態であると
判断する。そして、CPU65は、ハンドル角の補正を
行わないために電磁ソレノイド51に励磁信号S2 を出
力せず電磁制御弁49を遮断位置49aとする。
【0102】反対に、CPU65は、偏差ΔDθが判定
値Dθ0を越えるときには、ステアリングシリンダ24
に供給される作動油の油量が多く、旋回状態が切れ込み
領域Φ内にあるにも拘らず操舵輪31が旋回方向に切れ
込まない状態であると判断する。
【0103】次に、以上のように構成された産業車両用
油圧パワーステアリング装置の作用を図13に示すフロ
ーチャートに従って説明する。前記ハンドル角補正処理
において、CPU65は、S250で、操舵カウント値
Cが目標操舵カウント値Cgよりも小さいか否かを判定
し、その判定結果に基づいてS270又はS290で補
正方向フラグFCDを設定した後、S500を実行す
る。CPU65は、S500で、車速V及び操舵角θT
に基づく車両の旋回状態が切れ込み領域Φ内であるか否
かを判定する。CPU65は、S500で、旋回状態が
切れ込み領域Φ内ではないと判定したときには、S51
0で、ずれ量ΔCが許容値ΔC0以上であるか否かを判
定する。CPU65は、S510で、ずれ量ΔCが許容
値ΔC0以上であったときには、S520で、操舵方向
フラグFHDと補正方向フラグFCDとが一致するか否
かを判定する。CPU65は、S520で、両フラグF
HD,FCDが一致したときには、電磁ソレノイド51
に励磁信号S2 を出力して電磁制御弁49を連通位置4
9bとして当該処理を終了する。
【0104】従って、旋回時に操舵輪31が旋回方向に
切れ込まないときには、ハンドル角が補正される。一
方、CPU65は、S500で、車速V及び操舵角θT
に基づき車両の旋回状態が切れ込み領域Φ内にあるとき
には、S540で、前回の揺動規制処理で記憶した操舵
角データDθ(2)と今回の同処理で記憶した操舵角デ
ータDθ(1)との偏差ΔDθを算出する。そして、C
PU65は、S550で、偏差ΔDθが判定値Dθ0以
下であるか否かを判定する。CPU65は、S550
で、偏差ΔDθが判定値Dθ0以下であるときには、S
560で、電磁ソレノイド51に励磁信号S2を出力せ
ず電磁制御弁49を遮断位置49aとして当該処理を終
了する。
【0105】従って、車両の旋回状態がハンドル角補正
を行ったときに操舵輪31が旋回方向に切れ込む可能性
がある状態であって、ステアリングシリンダ24に供給
される作動油の油量が少なく操舵輪31が旋回方向に実
際に切れ込む状態のときには、ハンドル角の補正が禁止
される。
【0106】又、CPU65は、S550で、偏差ΔD
θが判定値Dθ0を越えるときには、S510を実行す
る。従って、車両の旋回状態がハンドル角補正を行うと
操舵輪31が旋回方向に切れ込む可能性がある状態で
も、ステアリングシリンダ24に供給される作動油の油
量が多いため同シリンダ24の作動が規制され操舵輪3
1が旋回方向に実際には切れ込まないときにはハンドル
角の補正が禁止されない。
【0107】又、CPU65は、S510で、ずれ量Δ
Cが許容値ΔC0未満であるとき、及び、S520で、
両フラグFHD,FCDが一致しないときには、電磁ソ
レノイド51に励磁信号S2 を出力せず電磁制御弁49
を遮断位置49aとして当該処理を終了する。
【0108】従って、ハンドル角のずれ量Δθが許容範
囲内であるときには、ハンドル角の補正が行われない。
又、ハンドル35が操舵される方向が、ハンドル角の補
正を小さい方の操舵量で行うことができる方向でないと
きにはハンドル角の補正は行われない。
【0109】詳述したように、本実施の形態の産業車両
用油圧パワーステアリング装置によれば、以下の効果を
得ることができる。 (a) 車両の旋回状態に応じた車両状態値(車速V及
び操舵角θT)を検出し、この車両状態値がハンドル3
5と操舵輪31とが連動すべきハンドル角補正禁止状態
(車速V及び操舵角θTにて決定される旋回状態が切れ
込み領域Φにある状態)であると旋回時補正判定手段
(マイコン62)が判定したときには、補正禁止手段
(マイコン62)が操舵制御手段(マイコン62)によ
る電磁制御弁49の制御を禁止するようにした。
【0110】従って、旋回時にハンドル35と操舵輪3
1とが連動すべき状況では、ハンドル角の補正が禁止さ
れる。その結果、車両が旋回時にハンドル角の補正を行
うと車両の制御性が低下する状態ではハンドル角の補正
を行わないようにすることができる。
【0111】(b) 車両状態値を車速V及び操舵角θ
Tにて決定される旋回状態とし、この旋回状態がマップ
M2にて定義した切れ込み領域Φ内にあるとき、すなわ
ち、ハンドル角の補正時に操舵輪31が旋回方向に切れ
込む可能性がある状態であって、ステアリングシリンダ
24に供給される作動油の油量が少ないため操舵輪31
が実際に切れ込むときにはハンドル角の補正を禁止する
ようにした。従って、旋回中にハンドル角の補正が行わ
れると操舵輪31が切れ込む状態では、ハンドル角の補
正が禁止される。
【0112】このとき、操舵角θTが小さいときには車
速Vが高くてもハンドル角の補正が行われる。又、車速
Vが低いときには操舵角θTが大きくてもハンドル角の
補正が行われる。従って、ハンドル角のずれが広い範囲
で補正されるため、ずれが発生しにくい。
【0113】尚、上記各実施の形態は以下のように変更
してもよい。 ○ 第2の実施の形態で、図14に示すように、マップ
M2にて定義する切れ込み領域Φの範囲を操舵輪31に
加わる荷重の大きさに基づいて矢印で示すように変更す
るようにしてもよい。旋回時に操舵輪31が路面から受
ける走行抵抗により旋回方向に切れ込む状態は、操舵輪
31に加わる荷重によって変化する。つまり、操舵輪3
1に加わる荷重が小さいほど、車速Vがより高く操舵角
θTがより大きい旋回状態でないと操舵輪31が切れ込
みにくくなる。従って、操舵輪31に加わる荷重が小さ
いときには切れ込み領域Φの範囲を車速Vがより高く操
舵角θTがより大きい旋回状態に小さな領域に変更する
ことにより、ハンドル角の補正が実行される旋回状態の
範囲を拡大することができる。すなわち、操舵輪31に
加わる荷重が小さいときには、高速時においてより大き
な操舵角での操舵時にもハンドル角の補正が実行され
る。又、大きな操舵角で操舵されるときにはより高い車
速Vでの走行時にもハンドル角の補正が実行される。従
って、旋回状態のより広い範囲でハンドル角の補正が行
われるため、ハンドル角のずれが一層発生しにくくな
る。
【0114】○ 第1の実施の形態で、車速Vと操舵角
θTとから横加速度Gsを算出し、この横加速度Gsを
判定値G0 と比較することにより旋回状態を判定する代
わりに、横加速度Gsが判定値G0 以上となる領域を車
速Vと操舵角θTとに基づいてマップで設定し、車速V
と操舵角θTとからこのマップを用いて旋回状態を判定
するようにしてもよい。
【0115】○ 横加速度Gsに基づくハンドル角補正
禁止状態、及び、車速Vと操舵角θTにて決定される旋
回状態に基づくハンドル角補正禁止状態の両方でハンド
ル角の補正を禁止するようにしてもよい。この構成で
は、旋回時に、運転者に違和感を与えず、しかも、操舵
輪31の切れ込みを防止するようにハンドル角の補正を
行うことができる。
【0116】○ 第1の実施の形態で、横加速度Gsを
加速度センサにて直接検出するようにしてもよい。 ○ 各実施の形態で、ハンドル角検出手段は、ロータリ
エンコーダ37以外のデジタル方式の回転変位センサで
あるレゾルバ、磁気式回転センサ等であってもよく、
又、アナログ方式の回転変位センサであるポテンショメ
ータ、差動変圧器等であってもよい。
【0117】同様に、操舵角センサ32は、ポテンショ
メータ以外の上記各回転変位センサであってもよい。 ○ 実ハンドル角θHを操舵輪31の直進状態に対応し
た中立位置からの絶対操舵角度で検出するようにした油
圧パワーステアリング装置としてもよい。
【0118】○ ノブ36がないハンドル35を備えた
産業車両の油圧パワーステアリング装置に実施してもよ
い。 ○ 横加速度Gsに基づく後輪車軸12の揺動規制を行
わない産業車両(フォークリフト)に実施してもよい。
【0119】○ フォークリフト1以外のパワーステア
リング装置を備えた産業車両に実施してもよい。以下、
特許請求の範囲に記載された技術的思想の外に前述した
各実施の形態から把握される技術的思想をその効果とと
もに記載する。
【0120】(1) 請求項3に記載の産業車両用油圧
パワーステアリング装置において、前記旋回時補正判定
手段は、車速及び操舵角に基づいてハンドル角補正禁止
状態となる旋回状態を設定するとともに、操舵輪に加わ
る荷重の大きさが小さくなるほどハンドル角補正禁止状
態とならない旋回状態を拡大するようにした。このよう
な構成によれば、ハンドル角の補正が許容される旋回状
態を前記荷重に応じてできるだけ大きくすることができ
るため、ハンドル角のずれを発生しにくくすることがで
きる。
【0121】尚、本明細書において、発明の構成に係る
手段及び部材は以下のように定義されるものとする。 (1) 産業車両とは、各種アタッチメントを備えたフ
ォークリフトに限らず、操舵輪が油圧パワーステアリン
グ装置にて操舵されるショベルローダ、高所作業車等の
産業車両をも含むものとする。
【0122】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
5に記載の発明によれば、車両の旋回中における操舵時
にハンドル角の補正を行うと車両の制御性が低下するよ
うな旋回状態ではハンドル角の補正を行わないようにす
ることができる。
【0123】請求項2に記載の発明によれば、旋回時に
車両の働く横加速度より車両の安定性が低下するような
旋回状態ではハンドル角の補正が禁止される。請求項3
に記載の発明によれば、旋回時に操舵輪が旋回方向に切
れ込んでいくような旋回状態ではハンドル角の補正が禁
止される。
【0124】請求項4に記載の発明によれば、ハンドル
角の補正がハンドル1回転以内で完了する。請求項5に
記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれかに
記載の効果をなす油圧パワーステアリング装置にて操舵
輪が操舵される。
【0125】請求項6に記載の発明によれば、旋回時に
車軸の揺動が規制される旋回状態では、ハンドル角の補
正が禁止される。請求項7に記載の発明によれば、請求
項1〜請求項4のいずれかに記載の効果をなす油圧パワ
ーステアリング装置にてフォークリフトの操舵輪が操舵
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の油圧パワーステアリング
装置の模式図。
【図2】 フォークリフトの側面図。
【図3】 揺動規制装置の模式図。
【図4】 電気的構成を示すブロック図。
【図5】 目標ハンドル角決定用のマップ。
【図6】 (a),(b)共にハンドル角の補正ずれ量
を示す模式図。
【図7】 揺動規制処理のフローチャート。
【図8】 ハンドル角補正処理のフローチャート。
【図9】 ハンドル角補正処理のフローチャート。
【図10】 ハンドル角検出処理のフローチャート。
【図11】 第2の実施の形態の操舵輪に加わるモーメ
ントを示す模式図。
【図12】 切れ込み領域判定用のマップ。
【図13】 ハンドル角補正処理のフローチャート。
【図14】 別例の旋回状態判定用マップ。
【図15】 従来例の油圧パワーステアリング装置の模
式図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、1a…車体、1
2…車軸としての後輪車軸、24…操舵用油圧シリンダ
としてのステアリングシリンダ、31…操舵輪、32…
操舵角検出手段及び旋回状態検出手段としての操舵角セ
ンサ、33…旋回状態検出手段を構成する車速センサ、
35…ハンドル、37…ハンドル角検出手段としてのロ
ータリエンコーダ、39…作動油供給制御手段としての
バルブ部、40…作動油供給手段を構成するリリーフ
弁、44…同じく油圧ポンプ、45…同じく油タンク、
49…電磁制御弁、62…操舵制御手段、旋回状態検出
手段、旋回時補正判定手段及び補正禁止手段としてのマ
イコン、Gs…車両状態値としての横加速度、R3,R
4…油室、V…車両状態値を構成する車速、ΔC0…許
容値、θg…目標ハンドル角、θT…同じく操舵角。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/09 B62D 6/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油を所定油圧で供給する作動油供給
    手段と、 作動油が給排される一対の油室を備え、一方の油室に作
    動油が供給されるとともに他方の油室から作動油が排出
    されることにより操舵輪を左右いずれかに操舵する操舵
    用油圧シリンダと、 前記作動油供給手段から供給される作動油を前記操舵用
    シリンダの一方の油室に供給するとともに他方の油室か
    ら排出される作動油を同作動油供給手段に還流させる作
    動油供給制御手段と、 前記作動油供給制御手段の供給側と還流側とを連通可能
    に設けられた電磁制御弁と、 ハンドルの実ハンドル角を検出するハンドル角検出手段
    と、 操舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、 前記操舵角に対応する正規の目標ハンドル角を求め、該
    目標ハンドル角と実ハンドル角とのずれ量が許容値以上
    であるときに前記電磁制御弁を制御して前記作動油供給
    制御手段から供給される作動油を同作動油供給制御手段
    に還流させる操舵制御手段と、 車両の旋回状態に応じた車両状態値を検出する旋回状態
    検出手段と、 前記車両状態値に基づき、車両の旋回状態がハンドルと
    操舵輪とが連動すべきハンドル角補正禁止状態であるか
    否かを判定する旋回時補正判定手段と、 旋回状態がハンドル角補正禁止状態であるとき、前記操
    舵制御手段による電磁制御弁の制御を禁止する補正禁止
    手段とを備えた産業車両用油圧パワーステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】 前記車両状態値は、旋回時に車両に作用
    する横加速度であり、前記ハンドル角補正禁止状態は、
    旋回時に前記電磁制御弁が制御され作動油供給制御手段
    から供給される作動油の一部が還流されると、車両に加
    わる横加速度により車両の安定性が低下する旋回状態で
    ある請求項1に記載の油圧パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記車両状態値は、旋回時の車速及び操
    舵角であり、前記ハンドル角補正禁止状態は、旋回時に
    前記電磁制御弁が制御され作動油供給制御手段から供給
    される作動油の一部が還流されるときに、操舵用シリン
    ダに供給される作動油により操舵輪が固定されない状態
    では、操舵された状態の両操舵輪が路面から受ける走行
    抵抗により旋回方向に切れ込んでいく旋回状態である請
    求項1に記載の産業車両用油圧パワーステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ハンドル角検出手段は、ハンドル角
    を相対角度で検出し、前記操舵制御手段は、操舵角に対
    する目標ハンドル角を相対角度で設定するようにした請
    求項1〜請求項3のいずれかに記載の産業車両用油圧パ
    ワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    産業車両用油圧パワーステアリング装置を備えた産業車
    両。
  6. 【請求項6】 車体に対してロール方向に揺動可能に車
    軸を支持するとともに、旋回時に車両に働く横加速度に
    基づき、前記車軸の揺動を規制しない状態では車両の安
    定性が低下するときには該車軸の揺動を規制する産業車
    両において請求項2に記載の産業車両用油圧パワーステ
    アリング装置を備え、前記ハンドル角補正禁止状態は、
    前記車軸の揺動が規制される旋回状態とした産業車両。
  7. 【請求項7】 前記産業車両は、フォークリフトである
    請求項5又は請求項6に記載の産業車両。
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