JP2805280B2 - ワンカップ容量インスタント緑茶の製造方法 - Google Patents

ワンカップ容量インスタント緑茶の製造方法

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JP2805280B2
JP2805280B2 JP16271594A JP16271594A JP2805280B2 JP 2805280 B2 JP2805280 B2 JP 2805280B2 JP 16271594 A JP16271594 A JP 16271594A JP 16271594 A JP16271594 A JP 16271594A JP 2805280 B2 JP2805280 B2 JP 2805280B2
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芳樹 葛山
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芳樹 葛山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湯呑一杯(一人前)ず
つの緑茶の濃度,香り,色及び味を、すべて均一にし
て、常においしく入れることができるワンカップ容量緑
茶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数人分の日本茶、例えば緑茶を
入れる場合に、お茶の入れ始めと入れ終わりとで味が変
わらないようにするために、人数分の湯呑を並べてお
き、これらの湯呑に順に少しずつお茶を入れることを何
回か繰り返したりしているために、お茶を入れることが
極めて手数の掛かるものとされている。そして、このよ
うな手数をかけてお茶をいれても、各湯呑ごとのお茶の
味に差ができてしまうことがある。
【0003】また、人の多く集まる場所や職場等では給
茶機を設置して、お茶を飲みたい人がセルフサービスで
入れることが行なわれているが、このような給茶機を使
用する場合でも、使用前の準備や使用後の茶殻の後始末
が必要であり、さらに使用中に茶殻の取りかえを怠ると
味のまずいお茶しか飲めなくなって利用者の不興を買う
ことになる。
【0004】なお、インスタント茶として一包にしたテ
ィーバッグもあるが、この場合には、湯呑内にティーバ
ッグを入れて温湯を注ぎ、その後ティーバッグを数回振
ることによりお茶を出しているが、個人差によってすべ
て味が異なると共に、時間と手間が掛かるといった難点
があった。
【0005】さらに、前記したような何れの場合でも、
お茶を入れた後に茶殻が残り、この茶殻の後始末やティ
ーバックの処理をしなければならないため、このような
茶殻やティーバックは多量に水を含んでいて後始末が意
外に厄介なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで出願人はこのよ
うな従来の課題を解決するために、ワンカップ容量イン
スタント日本茶の製造方法を発明して、先に特願平6−
64636号により特許出願をしている。この特許出願
に係わる発明は、緑茶の抽出液にゼラチン溶液を加え攪
拌して得られた濃厚溶液をワンカップ容器に分配し、冷
却凝固させてインスタント緑茶を製造するものである。
【0007】このようにして製造される前記特許出願に
係わる発明の緑茶は、緑茶の抽出液をゼラチン溶液でゲ
ル状の濃厚溶液としたものであり、この発明では、濃厚
溶液をワンカップ容器に分配し、冷却凝固させているた
めに、お茶をいれるに際し濃厚溶液をワンカップ容器か
ら湯呑みに移すときに、ゼラチンでゲル化させているた
め容器よりの離型性が悪く、ワンカップ容器に一部がく
っついて取り出しにくく、スプーン等で取り出さねばな
らないといった問題点が残っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、前記
特許出願の製造方法によって製造されたお茶の濃厚溶液
がワンカップ容器にくっついて取り出しにくい問題点を
解決して、文字通りのインスタントな、お茶を製造する
ための方法を提供することを目的としている。このよう
な目的を達成するために発明者は鋭意検討を重ねた結
果、スギノリ目の海藻から抽出されたカラギーナンが保
有している特性のうちの、食品素材としての安全性、温
湯に対する溶解性、ゲル化、粘度、芳香保存性等と共
に、無味・無臭であることに注目して本発明を完成し
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本出願に係わる第一の発明は、容器に所定量の緑茶を
入れ、さらに該容器に所定量の温湯を加えて所要時間放
置しておくか或いは攪拌して緑茶の抽出液を作り、一
方、鍋に所定量の水と所定量のカラギーナンを入れて攪
拌し、加熱沸騰させてカラギーナン溶液を作り、前記緑
茶の抽出液にカラギーナン溶液を加えて攪拌し、得られ
た濃厚溶液をワンカップ容器に分配して冷却凝固させる
ことによりインスタント緑茶を作る。
【0010】また、本出願に係わる第二の発明は、容器
に所定量の緑茶を入れ、さらに該容器に所定量の温湯を
加えて所要時間放置しておくか或いは攪拌して緑茶の抽
出液を作り、一方、鍋に所定量の水と所定量のカラギー
ナンとゼラチンを入れて攪拌し、加熱沸騰させてカラギ
ーナンとゼラチンの混合溶液を作り、前記緑茶の抽出液
にカラギーナンとゼラチンの混合溶液を加え攪拌して得
られた濃厚溶液をワンカップ容器に分配して冷却凝固さ
せることによりインスタント緑茶を作る。
【0011】さらに、本出願に係わる第三の発明は、請
求項1及び請求項2記載のインスタント緑茶の製造方法
によつて得られた濃厚溶液を、それぞれカプセルに封入
することによりワンカップ容量のインスタント緑茶を作
る。
【0012】
【作用】本発明の製造方法によつて得られたインスタン
ト緑茶は、緑茶の濃厚溶液がカラギーナン或いはカラギ
ーナンとゼラチンとで包み込まれた形で凝固しているた
めに変質することがなく、味や香りを変化させることな
く芳香保存することができる。そして、ワンカップ容器
入りのものでは、容器を逆さにして湯呑に落下させその
後湯呑に適量の温湯を注ぎ、また、カプセル状としたも
のは湯呑にそのままカプセルを入れて適量の温湯を注ぎ
入れることにより、カラギーナン、さらにはゼラチンが
溶出すると共に、緑茶の濃厚溶液が薄められて、飲み頃
の温度と味の香りのよいお茶になる。
【0013】(実施例1)容器に緑茶を約50g〜80
g入れ、さらに約70℃〜80℃の温湯を約1500c
c加え、3分ないし5分程度放置しておくか、或いは攪
拌して緑茶の抽出液を作る。一方、鍋に約1000cc
の水を入れ、約75g〜85gのカラギーナンを入れ
る。そして火に掛けて攪拌しながら沸騰させてカラギー
ナン溶液を作る。次に前記緑茶の抽出液にカラギーナン
溶液を入れて攪拌することにより緑茶とカラギーナンの
濃厚溶液を作り、この濃厚溶液をワンカップ容器に湯呑
一杯分位の分量で分配し、常温で放置するか、冷蔵庫で
冷却凝固させることにより、請求項1に記載したインス
タント緑茶が得られる。
【0014】(実施例2)まず、実施例1と同様に緑茶
の抽出液を作る。一方、鍋に約1000ccの水を入
れ、それぞれ約25g〜35g程度のカラギーナンとゼ
ラチンとを入れる。そして火に掛けて攪拌しながら沸騰
させてカラギーナンとゼラチンの混合溶液を作る。次に
前記緑茶の抽出液にカラギーナンとゼラチンの混合溶液
を入れて攪拌することにより緑茶とカラギーナンとゼラ
チンの濃厚溶液を作り、この濃厚溶液をワンカップ容器
に湯呑一杯分位の分量で適量分配し、常温で放置する
か、冷蔵庫で冷却凝固させることにより、請求項2に記
載したインスタント緑茶が得られる。
【0015】(実施例3)前記実施例1及び実施例2に
記載のインスタント緑茶の製造方法で作られた濃厚溶液
をそれぞれ湯呑一杯分位の分量をカプセルに封入させる
ことで、請求項3に記載したワンカップ容量インスタン
ト緑茶が作られる。
【0016】前記実施例1及び実施例2に記載したよう
に作られたワンカップ容器入りのインスタント緑茶は、
湯呑の上で容器を逆さにすることでインスタント緑茶が
湯呑の中に落下する。そこで湯呑に所要量の温湯を注ぎ
入れ、攪拌してやることでカラギーナンが温湯に溶出
し、緑茶の濃厚溶液が薄められ、飲み頃の温度で味のよ
いお茶になり、湯呑ごとに濃度や、味或いは香りが変わ
ったりすることはない。
【0017】そして、実施例2に記載のカラギーナンに
ゼラチンを加えたインスタント緑茶の場合は、実施例1
に記載のインスタント緑茶ほど攪拌をしなくてもゼラチ
ンがカラギーナンの温湯への溶出を助長して飲み頃のお
茶にすることができる。このためにこの実施例2に記載
のインスタント緑茶は、急いでお茶を飲みたいときや、
多人数分のお茶を短時間に揃える必要がある場合等に、
温湯を注いでから一々攪拌するための手間と時間が掛か
らず、迅速に対処することができる。
【0018】また、実施例3に記載されたように作られ
たカプセル状のインスタント緑茶は、カプセルを湯呑に
入れてその上から熱湯を注ぎ入れれば、カプセルが容易
に溶解し、濃厚溶液が薄められて即おいしいお茶にな
る。
【0019】さらにまた、前記各実施例に記載の手段に
よつて得られるインスタント緑茶に、濃度や水色が薄く
て物足りなさを感じるときは、少量の抹茶を添加するこ
とによつて好みを満足することができる。
【0020】なお、本発明に係わるインスタント緑茶の
製造方法には前記各実施例に記載した緑茶や抹茶以外の
例えば、玄米茶、ほうじ茶、麦茶、さらには紅茶やウー
ロン茶などからの抽出液を使用することが包含される。
【0021】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係わるイン
スタント緑茶の製造方法は、作られた緑茶の濃厚溶液を
湯呑一杯の単位で保存するようにしたから、温湯さえあ
ればいつでもどこでも飲みたい人がセルフサービスで、
極く手軽でしかも個人差なしに味に差のないおいしい緑
茶を飲むことができるから、たとえ一人分でも多人数分
でも容易に同じ味の緑茶を入れることができる。しか
も、ワンカップ容器に収容した緑茶の濃厚溶液は、混入
したカラギーナンによつてワンカップ容器からの離型性
がよくて簡単かつ容易に湯呑に移し替えることができ、
従って、職場等で人に嫌われるお茶汲みが解消できて、
省力化にも寄与することができる。
【0022】また、緑茶の濃厚溶液が、容器入り或いは
カプセル状になって完全に密封された状態のために香り
や味が変化することがなく、旅行等にも手軽に携帯して
おいしく飲むことができる。さらに、どのような場合で
あれ、茶殻が発生することがないことで後始末のわずら
わしさが著しく軽減される。このように本発明は、カラ
ギーナンの保有している特性を活用することによって、
特願平6−64636号に記載の製造方法によって得ら
れたインスタント緑茶に残っている課題を解決したイン
スタント緑茶を提供することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器に所定量の緑茶を入れ、さらに該容
    器に適量の温湯を加えて所要時間放置しておくか或いは
    攪拌して緑茶の抽出液を作り、一方、鍋に所定量の水に
    所定量のカラギーナンを入れて攪拌し、加熱沸騰させて
    カラギーナン溶液を作り、前記緑茶の抽出液にカラギー
    ナン溶液を加え攪拌して得られた濃厚溶液をワンカップ
    容器に分配して冷却凝固させることを特徴とするインス
    タント緑茶の製造方法。
  2. 【請求項2】 容器に所定量の緑茶を入れ、さらに該容
    器に適量の温湯を加えて所要時間放置しておくか或いは
    攪拌して緑茶の抽出液を作り、一方、鍋に所定量の水に
    所定量のカラギーナンとゼラチンを入れて攪拌し、加熱
    沸騰させてカラギーナンとゼラチンの混合溶液を作り、
    前記緑茶の抽出液にカラギーナンとゼラチンの混合溶液
    を加え攪拌して得られた濃厚溶液をワンカップ容器に分
    配して冷却凝固させることを特徴とするインスタント緑
    茶の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2記載のインスタン
    ト緑茶の製造方法において作られた濃厚溶液をそれぞれ
    カプセルに封入させることを特徴とするワンカップ容量
    インスタント緑茶の製造方法。
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