JP2804195B2 - 自動制御フィードフォワード非線形歪補償増幅器 - Google Patents
自動制御フィードフォワード非線形歪補償増幅器Info
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Description
ワード非線形歪補償増幅器(以下、FF増幅器と言う)
及びこれに適用する制御回路の改良に関する。
償方式は、超低歪増幅器を実現する手法の1つである。
この方式による増幅器、すなわちFF増幅器は、歪を検
出するループと、歪を打ち消すループの2つのループで
構成されている。
れている。この図に示されるFF増幅器において、歪検
出ループ10は、分配器12、可変減衰器14、可変移
相器16、主増幅器18及び方向性結合器20から構成
されている。また、歪除去ループ22は、可変減衰器2
4、可変移相器26、補助増幅器28、方向性結合器3
0から構成されている。さらに、可変減衰器14及び2
4、可変移相器16及び26を制御するため、制御回路
32が設けられている。
て発生する歪成分のみを抽出するよう動作する。また、
歪除去ループ22は、歪検出ループ10において抽出さ
れた歪成分を主増幅器18の出力に逆相に加算して歪成
分を除去するよう動作する。すなわち、FF増幅器への
入力は、分配器12によって可変減衰器14と方向性結
合器20に分配され、可変減衰器14は分配器12から
の入力を減衰させ、可変移相器16は可変減衰器14に
より減衰された信号を移相する。主増幅器18は、可変
移相器16の出力を増幅した上で方向性結合器20及び
30を介して外部に出力する。このとき、方向性結合器
20により、主増幅器18の出力と、分配器12によっ
て分配された信号とから歪成分が抽出され、この歪成分
は可変減衰器24に供給される。
供給される歪成分を減衰させ、可変移相器26はこの減
衰した歪成分を移相する。補助増幅器28は、可変移相
器26の出力を増幅し、補助増幅器28の出力は方向性
結合器30により方向性結合器20の出力に結合され
る。これにより、主増幅器18により増幅された信号へ
の歪成分の逆相加算が実現され、FF増幅器の出力は歪
成分が除去された信号となる。
動作するためには、次のような条件を満たしていなけれ
ばならない。すなわち、図3において100で示される
経路の伝達関数と110で示される経路の伝達関数が符
号のみ反転させた等しい関数であり、また、図において
200で示される経路の伝達関数と210で示される経
路の伝達関数とがやはり符号のみ反転して等しい関数で
あることである。
3においては、可変減衰器14及び24、可変移相器1
6及び26が設けられている。また、これらを制御しF
F増幅器が常に最適動作条件で動作するように制御する
ため制御回路32が設けられている。
償を行うためには、各ループ10及び22内の利得偏差
を±0.3dB以内、位相偏差を±2°以内に収めなけ
ればならない。このため、FF増幅器を構成する各部品
には非常に平坦な周波数特性が要求される。FF増幅器
で歪補償を行うには、連続的に減衰量、移相量を変化さ
せることのできる可変減衰器14及び24、可変移相器
16及び26が必要である。連続的に減衰量、移相量を
変化させることができる可変減衰器、可変移相器の例と
しては、それぞれ図4及び図5に示されるような構成の
ものがある。
オード34を用いた回路である。PINダイオード34
には例えば分配器12からの信号入力及び制御回路32
からの制御入力が与えられる。また、図5に示される可
変移相器は、可変容量ダイオード36及びサーキュレー
タ38を備えており、信号入力はサーキュレータ38に
与えられ、制御入力は、可変容量ダイオード36のカソ
ードに与えられる。
F増幅器を構成する各部品には利得、移相量の周波数特
性に非常に平坦さが要求される。半導体を使用した増幅
回路は、半導体の性質上、温度変化に対する特性の変動
を有するので、何らかの温度補償が必要である。しか
し、従来の温度補償方法にはいくつかの問題点があっ
た。
を構成するトランジスタのバイアス回路に感温素子を使
用して温度補償を行う方法や、増幅回路とは別個に温度
補償回路を設ける方法がある。これらの方法により温度
補償が完全に行われるならば、減衰量及び移相量の自動
制御を行えない状態でも、常に歪補償動作が完全に行わ
れることとなり、自動制御開始時の引込み動作が速くな
り制御動作も安定する。しかし、温度補償回路の定数決
定が非常に難しい。
可変減衰器及び可変移相器の変化幅(制御可能な減衰量
及び移相量の幅)を広く設けておき、利得、移相量の変
動をこの可変減衰器及び可変移相器の制御によって吸収
する方法がある。この方法によれば、温度補償回路を用
いた場合等と比べて難しい定数決定がない点で好ましい
が、制御をかけないフリーラン状態での歪補償動作が常
に最良状態にならないため、自動制御開始時の引込み動
作が遅くなり、制御動作の安定度が悪化する。また、変
化幅を広く設けると、制御回路の出力(自動制御電圧)
にD/Aコンバータの出力を用いた場合、1ビット当り
の分解能が粗くなってしまう。
時にもいくつかの問題点がある。すなわち、FF増幅器
を調整し歪除去動作を開始させるにあたって、自動制御
を外して制御をかけないフリーラン状態で歪補償動作が
最良になるように歪検出ループ及び歪除去ループを調整
すると、自動制御開始時の引込み動作が速くなり制御動
作も安定する。このためには、自動制御用の可変減衰
器、可変移相器とは別個に可変減衰器、可変移相器を設
けるか、または主増幅器、補助増幅器単体の利得、移相
量を調整する必要がある。
に1個ずつ追加する方法は、回路の部品点数の増加によ
る信頼性の低下、コストの増加、伝送損失の増加など欠
点が多い。また、主増幅器、補助増幅器単体で利得、位
相を調整する方法は、利得を変えないで位相のみを変化
させるとか、あるいは位相を変えないで利得のみを変化
させるといった、利得及び位相の個別調整が難しい。さ
らに、先に述べたように、増幅器には非常に平坦な周波
数特性が要求されるため、調整を行うためには熟練した
技術者が必要である。
とを課題としてなされたものであり、より簡素な回路構
成でより安定な制御動作を実現でき、またFF増幅器の
調整の容易化が実現できる制御回路及びFF増幅器を提
供することを目的とする。
るために、本発明の制御回路は、温度変化に対応する値
の温度補償電圧又は電子制御可変減衰器若しくは電子制
御可変移相器の動作調整のための調整電圧を制御電圧に
加算し、電子制御可変減衰器又は電子制御可変移相器に
制御電圧として出力する加算回路を有することを特徴と
する。
プまたは歪除去ループに内蔵される電子制御可変減衰器
及び電子制御可変移相器を制御するよう、本発明に係る
制御回路を備えることを特徴とする。
衰器または電子制御可変移相器の制御電圧に、加算回路
によって、温度補償電圧または調整電圧が加算される。
これにより、温度補償が簡素な回路構成で実現されるこ
ととなり、より安定な動作が実現される。この制御回路
をFF増幅器に適用することにより、主増幅器または補
助増幅器の利得、位相を個別に調整することなく、FF
増幅器の調整が実現される。
基づき説明する。なお、図3ないし図5に示される従来
例と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
幅器の構成が示されている。この図に示される実施例に
おいては、制御回路40が、4個の加算回路42及び自
動制御回路44から構成されている。制御回路4には、
図示しない感温素子から出力される温度補償電圧及び技
術者が調整する調整電圧が供給されている。自動制御回
路44は、加算回路42に制御電圧を入力し、また、各
加算回路42は、この制御電圧に温度補償電圧及び調整
電圧を加算してそれぞれ対応する可変減衰器14または
24、可変移相器16または26に出力する。
れている。この図に示される加算回路42は、演算増幅
器46及び48を2段接続した構成であり、前段の演算
増幅器46には自動制御回路44からの制御信号、調整
電圧、感温素子からの温度補償電圧が抵抗RS1,RS2,
RS3を介して入力されている。後段の演算増幅器48の
出力は、可変減衰器14または24、可変移相器16ま
たは26に供給され、主増幅器18または補助増幅器2
8に係る信号の減衰量及び位相が制御される。すなわ
ち、この実施例においては、可変減衰器14及び24、
可変移相器16及び26の制御が、制御信号、調整電圧
及び温度補償電圧を加算した電圧により実行される。
14及び24、可変移相器16及び26の変化幅は、広
く設定しておく。調整用電圧の設定と温度補償電圧の設
定は、自動制御を行わないフリーラン状態で常に歪補償
動作が完全に行われるように設定する。こうすると、自
動制御開始時の引込み動作が速くなり制御動作が安定す
る。また、加算回路42によって常に温度補償が行われ
るため、フリーラン状態でも最良の状態を保ち続けるこ
とができる。
入力端子間にはアイソレーションがあるため、制御信
号、調整用電圧、温度補償電圧などを個別に調整するこ
とができ、これらのうち1つの調整が他に影響を与える
ことがない。例えば、温度補償が不要である場合には温
度補償電圧に係る入力端子を開放し、または自動制御が
不要な場合には制御信号の入力端子を開放すれば良い。
また、フリーラン状態で調整用電圧の調整を行う際は、
制御信号の入力端子を開放すれば良い。
42によって常に温度補償が行われフリーラン状態でも
最良の状態となるため、フリーラン状態で歪補償動作を
最良にするためのループ調整用可変減衰器及び可変移相
器が不要となり、回路構成が簡素となる。さらに、加算
回路42の各入力毎に利得を変えることで、すなわち抵
抗RS1,RS2,RS3とRF の比率を変えることで、制御
範囲、調整範囲、温度補償係数などを変えることができ
る。さらに、可変減衰器14及び24、可変移相器16
及び26の変化幅を広くしても、自動制御範囲を必要最
小限に狭く設定することができ、自動制御回路44の出
力にD/Aコンバータを使用した場合の1ビット当りの
分解能を細かくすることができる。
またはFF増幅器によれば、より簡素な回路構成で安定
な制御動作を実現することができ、FF増幅器の調整の
容易化が実現され得る。すなわち、簡単な手法でかつ少
ない部品点数で温度補償を実現することができ、好適な
FF制御を実現することができる。
すブロック図である。
である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 主増幅器に係る信号を減衰させる電子制
御可変減衰器、及び当該信号を移相する電子制御可変移
相器を含み、主増幅器において発生する歪成分を検出す
る歪検出ループと、検出された歪成分を主増幅器の出力
に逆相加算して歪成分を除去する歪除去ループと、電子
制御可変減衰器及び電子制御可変移相器を制御する制御
回路と、を有する自動制御フィードフォワード非線形歪
補償増幅器であって、 制御回路が、 温度変化に対応する値の温度補償電圧又は
電子制御可変減衰器若しくは電子制御可変移相器の動作
調整のための調整電圧を制御電圧に加算し、電子制御可
変減衰器又は電子制御可変移相器に制御電圧として出力
する加算回路を有することを特徴とする自動制御フィー
ドフォワード非線形歪補償増幅器。 - 【請求項2】 主増幅器において発生する歪成分を検出
する歪検出ループと、歪検出ループからの信号を増幅す
る補助増幅器、補助増幅器に係る信号を減衰させる電子
制御可変減衰器、及び当該信号を移相する電子制御可変
移相器を含み、検出された歪成分を主増幅器の出力に逆
相加算して歪成分を除去する歪除去ループと、電子制御
可変減衰器及び電子制御可変移相器を制御する制御回路
と、を有する自動制御フィードフォワード非線形歪補償
増幅器であって、 制御回路が、温度変化に対応する値の温度補償電圧又は
電子制御可変減衰器若しくは電子制御可変移相器の動作
調整のための調整電圧を制御電圧に加算し、電子制御可
変減衰器又は電子制御可変移相器に制御電圧として出力
する加算回路を有することを特徴とする自動制御フィー
ドフォワード非線形歪補償増幅器。
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