JP3022669B2 - Ａｌｃ回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は増幅器の利得を制御する
ためのＡＬＣ（自動利得制御）回路に関し、特に外部か
らの制御信号によって利得を制御可能なＡＬＣ回路に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のＡＬＣ回路の一例を図３
に示す。この回路では入力信号Ｓｉを増幅する信号増幅
器２の前段に可変減衰器１を介挿し、かつ信号増幅器２
の出力Ｓｏを検出器３で検出し、これを誤差増幅器６の
一方の入力端に入力している。この誤差増幅器６の他方
の入力端には制御信号Ｓｃと基準源４の出力を加算部５
で加算した信号ｂを入力させる。そして、この誤差増幅
器６は２つの入力を比較し、両者の差が無くなるように
その出力ａで前記可変減衰器１の減衰量を制御する。

【０００３】したがって、図４に信号波形図を示すよう
に、制御信号ＳｃをＴ１で変化させると、誤差増幅器６
の他方の入力信号ｂが変化され、２つの入力に差が生じ
るため、出力ａによって可変減衰器１を制御し、増幅器
出力Ｓｏを変化させる。これにより、制御信号Ｓｃの変
化分に応じた値だけ出力を変化させることができる。
又、入力信号ＳｉがＴ２で変化したときには、検出器３
の出力が変化されるため、誤差増幅器６の２つの入力に
差が生じるため、同様にして誤差増幅器６の出力ａによ
って増幅器出力Ｓｏを変化制御することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のＡＬ
Ｃ回路では、系の安定のために誤差増幅器６の周波数特
性は高域で低下されるように設計されているため、制御
信号Ｓｃが急激に変化されて誤差増幅器６の他方の入力
ｂが変化した場合には、その高周波特性が低いことによ
って誤差増幅器６の出力ａの変化が緩やかなものにな
る。このため、可変減衰器１の制御が緩慢な制御とな
り、制御信号Ｓｃに対する増幅器出力Ｓｏの応答性が悪
いという問題がある。本発明の目的は、制御信号に対す
る増幅器出力の応答性を改善したＡＬＣ回路を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のＡＬＣ回路は、
可変減衰器、信号増幅器、及び信号増幅器の出力と基準
値とを比較して可変減衰器を制御する誤差増幅器とを備
えるＡＬＣ回路に、制御信号を誤差増幅器の出力に加算
する第１の加算部と、制御信号を誤差増幅器の基準値に
加算する第２の加算部とを設け、この第１の加算部の出
力で可変減衰器を制御するように構成する。

【０００６】

【作用】第１の加算部の出力は制御信号の変化に対応し
て変化されるため、この出力で可変減衰器を制御するこ
とで、減衰量を制御信号の変化に追従させて制御でき、
制御信号に対する信号増幅器の出力の応答性を改善す
る。また、第２の加算部により信号増幅器の出力いかん
にかかわらず、前記した応答性の改善が可能となる。

【０００７】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は本発明のＡＬＣ回路の一実施例の回路図であ
り、１は可変減衰器、２は信号増幅器、３は検出器、４
は基準源、５は加算部、６は誤差増幅器であり、図３に
示した従来構成と同じである。そして、ここでは制御信
号Ｓｃを分岐部８で二分岐させ、一方は従来と同様に加
算部５に入力させて基準源４の出力と加算し、加算した
信号ｂを誤差増幅器６の他方の入力端に入力させる。
又、分岐部８で分岐された他方の制御信号Ｓｃは加算部
７において誤差増幅器６の出力ａと加算させ、この加算
出力ｃで可変減衰器１の減衰量を制御させるように構成
している。

【０００８】この構成によれば、図２に信号波形図を示
すように、制御信号ＳｃがＴ１で変化されると、分岐部
８で分岐された信号Ｓｃは瞬時に誤差増幅器６の出力ａ
に加算されてその出力ｂが変化されるため、これに対応
して可変減衰器１の減衰量が直ちに制御され、信号増幅
器２の出力Ｓｏが追従変化される。これにより、誤差増
幅器６の周波数特性にかかわらず制御信号Ｓｃに対する
出力Ｓｏの応答性を改善することができる。

【０００９】又、入力信号ＳｉがＴ２で変化された場合
には、検出器３を通して誤差増幅器６の一方の入力端に
入力される信号が変化されて２つの入力に差が生じるた
め、誤差増幅器６はその周波数特性に従った特性で出力
ａを出力し、これに追随する信号ｃで可変減衰器１の減
衰量を制御する。したがって、出力Ｓｏは誤差増幅器６
の周波数特性に応じて変化制御されることになる。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、可変減衰
器を制御する誤差増幅器の出力に制御信号を加算する第
１の加算部を設け、この第１の加算部の出力で可変減衰
器を制御するように構成しているので、可変減衰器を制
御するための信号は制御信号の変化に対応して変化され
ることになり、減衰量を制御信号の変化に追従させて制
御でき、制御信号に対する増幅器出力の応答性を改善す
ることができる効果がある。また、第２の加算部により
信号増幅器の出力いかんにかかわらず、前記した応答性
の改善が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のＡＬＣ回路の一実施例の回路図であ
る。

【図２】図１の回路における各部の信号の信号波形図で
ある。

【図３】従来のＡＬＣ回路の一例の回路図である。

【図４】図３の回路における各部の信号の信号波形図で
ある。

【符号の説明】

１ 可変減衰器 ２ 信号増幅器 ３ 検出器 ４ 基準源 ５ 加算部 ６ 誤差増幅器 ７ 加算部 ８ 分岐部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力信号を減衰する可変減衰器と、入力
   信号を増幅する信号増幅器と、前記信号増幅器の出力と
   基準値とを比較して前記信号増幅器の出力が一定となる
   ように前記可変減衰器を制御する制御信号を出力する誤
   差増幅器と、前記制御信号を前記誤差増幅器の出力に加
   算する第１の加算部と、前記制御信号を前記誤差増幅器
   の前記基準値に加算する第２の加算部とを備え、前記第
   １の加算部の出力で前記可変減衰器を制御するように構
   成したことを特徴とするＡＬＣ回路。