JP2803411B2 - トロイダルコイル巻線機 - Google Patents

トロイダルコイル巻線機

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JP2803411B2
JP2803411B2 JP27467091A JP27467091A JP2803411B2 JP 2803411 B2 JP2803411 B2 JP 2803411B2 JP 27467091 A JP27467091 A JP 27467091A JP 27467091 A JP27467091 A JP 27467091A JP 2803411 B2 JP2803411 B2 JP 2803411B2
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貞二 佐田
寿政 藤沢
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロイダルコアにワイ
ヤーを巻き付けてトロイダルコイルを製造するトロイダ
ルコイル巻線機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来のトロイダルコイル巻線機
の正面図である。図において、1はシャトルリング、2
は蓄線リング、3はシャトルリング駆動用モータ、4は
シャトルリング駆動用ギヤー、5はシャトルリングサポ
ート、6は蓄線リング駆動用モータ、7は電磁クラッ
チ、8は蓄線リング駆動用ギヤー、10’は第1ワイヤ
ーガイド、10”は第2ワイヤーガイド、11はワイヤ
ーローラ、12はワイヤー、13はトロイダルコア、1
4はコア駆動用ローラ、15はコア押えローラ、16─
1は下基台、16─2は上基台、17は蓄線リングサポ
ートである。図中、シャトルリング1と蓄線リング2
は、紙面と平行な中心線で切断した断面図で示してい
る。、シャトルリングサポート5や蓄線リングサポート
17は複数個あるが、図4においては1つだけを示し
た。
【0003】図5は、従来のトロイダルコイル巻線機の
要部を上方から見た図である。符号は、図4のものに対
応している。なお、図が煩雑になるのを避けるため上下
の基台やコア駆動用ローラ14、コア押えローラ15等
は省略してある。
【0004】シャトルリング1と蓄線リング2は、それ
ぞれリングの一部が分割可能になっている(図示せ
ず)。トロイダルコア13と鎖交させる際には分割部を
取外し、トロイダルコイル13の一部をリング内に入れ
た後に、分割部を元通りに合体させる。シャトルリング
1は、シャトルリング駆動用モータ3により、シャトル
リング駆動用ギヤー4を介して、図5に示す矢印方向に
駆動される。また、シャトルリング1は、シャトルリン
グサポート5によって上基台16─2から吊り下げられ
る形で支持されている。
【0005】蓄線リング2は、蓄線リング駆動用モータ
6により、電磁クラッチ7,蓄線リング駆動用ギヤー8
を介して駆動される。蓄線リング2は、蓄線リングサポ
ート17によって支持されている。トロイダルコア13
は、コア駆動用ローラ14により、図4に示す矢印方向
に駆動される。コア押えローラ15は、トロイダルコア
13の周面を押さえて支持している。
【0006】図6は、従来のトロイダルコイル巻線機の
部分拡大図である。図中の符号は図4、図5のものと対
応している。ただし、Wは、シャトルリング1と蓄線リ
ング2の間隔を示している。第1ワイヤーガイド10’
は、シャトルリング1の下面に取り付けられており、蓄
線リング2の外周上まで延びている。そして、蓄線リン
グ2から引出されたワイヤー12を、最初にガイドす
る。その外面部は、ワイヤー12が外れないようにする
ため、コの字状にされている。第2ワイヤーガイド1
0”は、ワイヤー12を第1ワイヤーガイド10’から
ワイヤーローラ11へガイドするためのものである。
【0007】図7は、第2ワイヤーガイド10”の拡大
図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。図中1
0”−1はワイヤー12のガイド用凹溝である。この第
2ワイヤーガイド10”でガイドされたワイヤー12
は、さらにワイヤーローラ11によりトロイダルコア1
3へ向かってガイドされる。この第2ワイヤーガイド1
0”及びワイヤーローラ11は、共にシャトルリング1
の下面に取り付けられており、シャトルリング1と蓄線
リング2の間に設けられる。このシャトルリング1と蓄
線リング2の間隔Wは、可能な限り径の小さいトロイダ
ルコア13にも使えるようにするため、極めて狭くされ
ている(例、約3ミリメートル)。
【0008】図8は、従来のトロイダルコイル巻線機に
おけるワイヤーローラの他の例を示す図である。図6の
ように1個のワイヤーローラだけでは、ワイヤー12が
外れてしまう恐れがあるので、第1ワイヤーローラ11
A,第2ワイヤーローラ11Bの2個のローラを隣接さ
せ、両者の間にワイヤー12を通すようにしたものであ
る。
【0009】次に、動作を説明する。先ず、蓄線リング
駆動用モータ6を駆動することにより、蓄線リング2を
ワイヤー12引き出し時の回転方向とは逆の方向に回転
し、蓄線リング2に所要量のワイヤー12を卷回収納す
る。それが終わった後、ワイヤー12を、蓄線リング2
から第1ワイヤーガイド10’に引っ掛けて引き出す。
続いてシャトルリング1と蓄線リング2とのあいだの狭
い空間を通して第2ワイヤーガイド10”、ワイヤーロ
ーラ11に掛け回し、トロイダルコア13の方へ引き延
す。そして、その端部をトロイダルコア13の所定の位
置に固定する。次に、シャトルリング駆動用モータ3を
駆動するとシャトルリング1が回転を始め、蓄線リング
2からワイヤー12を引き出しながら、トロイダルコア
13にワイヤー12を巻き付けていく。蓄線リング2
は、それとほぼ同期して回転する。その際、トロイダル
コア13も少しずつ回転されるので、ワイヤー12は、
所定のピッチでトロイダルコア13に卷回される。
【0010】なお、電磁クラッチ7は、そのコイルに流
す電流に応じて蓄線リング2の回転に適度の制動力を与
えて、シャトルリング1と蓄線リング2との間のワイヤ
ー12にたるみが生じないようにしている。
【0011】図9は、卷回作業が完了した後のトロイダ
ルコイルを示している。図において、12はワイヤー、
13はトロイダルコアである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】(問題点)しかしなが
ら、前記した従来の技術には、次のような問題点があっ
た。第1の問題点は、ワイヤー12を、第1ワイヤーガ
イド10’,第2ワイヤーガイド10”及びワイヤーロ
ーラ11を経て、トロイダルコア13まで通す作業が、
複雑で手間も掛かり、自動化も困難であったという点で
ある。
【0013】第2の問題点は、トロイダルコアに鎖交さ
せる2つのリングの上端から下端までの厚みが大であ
り、巻線機の小型化と、内径の小さなトロイダルコアへ
の卷回ができなかったという点である。
【0014】(問題点の説明)まず第1の問題点につい
て説明する。従来のものでは、ワイヤー12を蓄線リン
グ2からトロイダルコア13まで導くのに、第1ワイヤ
ーガイド10’,第2ワイヤーガイド10”及びワイヤ
ーローラ11へと手作業で掛けていかなければならな
い。第2ワイヤーガイド10”とワイヤーローラ11
は、シャトルリング1と蓄線リング2との間に設けられ
ているが、両者の間隔Wは、できるだけ内径の小さなト
ロイダルコアにも卷回できるよう狭くされている(約3
ミリメートル)ので、前記手作業は面倒なものになって
いた(作業時間約10〜20秒)。ワイヤーが切れた
り、外れたりすることもあり、製造作業工程上一番のネ
ックになっていた。さらに、ワイヤーローラ11として
図8のように2個のローラを用いると、ワイヤー12を
掛ける作業がより一層面倒なものになっていた。
【0015】次に第2の問題点について説明する。従来
のものでは、シャトルリング1と蓄線リング2とを上下
に配置し、その間に第2ワイヤーガイド10”とワイヤ
ーローラ11を設ける。間隔W(最小でも約3ミリメー
トル)をとらなければならないので、シャトルリング1
の上端から蓄線リング2の下端までの厚みはあまり小さ
くはならない。これが巻線機の小型化を阻んでいる1つ
の原因となっている。また、卷回作業は、トロイダルコ
ア13の中にそれら2つのリングを鎖交させて行うの
で、トロイダルコア13の内径の下限は、上記の厚みに
よる制約を受けることになり、内径の小さなものへの卷
回ができなかった。
【0016】本発明は、以上のような問題点を解決する
ことを課題とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、図1に示すようにトロイダルコア13
に鎖交して回転するシャトルリング1と蓄線リング2と
を具えたトロイダルコイル巻線機において、シャトルリ
ング1と蓄線リング2をベアリングボール9を挟んで蓄
線リング2が外側になるよう同軸状に配設すると共に、
ワイヤーガイド10及びワイヤーローラ11をシャトル
リング1上面に設けることとした。
【0018】
【作 用】本発明によれば、ワイヤーガイド10及び
ワイヤーローラ11を、内側のシャトルリング1上面に
設けたことにより、引き回し作業がすべて空間が広く開
いた上方からできるようになり、ワイヤー12の引き回
し作業が簡素化されると共に作業の自動化も容易とな
る。さらに、シャトルリング1と蓄線リング2をベアリ
ングボール9を挟んで同軸状にして、全体で一つのリン
グを構成したので、厚みが小となり、巻線機が小型化さ
れるばかりか、内径の小さなトロイダルコアへの卷回も
可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明のトロイダルコイル巻線機の
正面図、図2はその要部を上方から見た図である。これ
らの図において、符号は図4,図5のものに対応し2─
1は上側鍔部、2─2は下側鍔部、9はベアリングボー
ル、10はワイヤーガイド、16は基台である。図1
中、シャトルリング1と蓄線リング2は、紙面と平行な
中心線で切断した断面図で示している。なお、図が煩雑
になるのを避けるため、図1においては、一部のシャト
ルリングサポート5と蓄線リングサポート17を省略
し、図2においては、基台やコア駆動用ローラ14、コ
ア押えローラ15等を省略している。
【0020】シャトルリング1と蓄線リング2は、シャ
トルリング1の外周面が蓄線リング2の内周面に対向す
るよう同軸状に配置される。そして、対向する周面に形
成された溝中には、多数のベアリングボール9が納めら
れ、両リングは相対的に回転自在とされている。シャト
ルリング1の内側には周方向に凸条が形成され、該凸条
には、シャトルリング駆動用ギヤー4と噛み合う歯が形
成されている。シャトルリング1は、シャトルリング駆
動用ギヤー4を介してシャトルリング駆動用モータ3に
より駆動される。また、シャトルリング1は、シャトル
リングサポート5によって支持されている。
【0021】蓄線リング2の下側鍔部2─2には、蓄線
リング駆動用ギヤー8と噛み合う歯が形成されており、
電磁クラッチ7、蓄線リング駆動用ギヤー8を介して蓄
線リング駆動用モータ6により駆動される。また、蓄線
リング2は、蓄線リングサポート17によって支持され
る(図2)。トロイダルコア13は、コア駆動用ローラ
14により図1の矢印方向に駆動され、コア押えローラ
15により支持される。なお、シャトルリング1と蓄線
リング2は、従来のものと同様に、それぞれ分割可能
(図示せず)になっている。
【0022】ワイヤーガイド10及びワイヤーローラ1
1は、シャトルリング1の上面に設けられる。図3は、
ワイヤーガイド10の拡大図であり、(a)は正面図,
(b)は側面図である。図において10─1はワイヤー
をガイドするガイド溝、10─2はシャトルリング1へ
の取付部である。
【0023】次に、動作について説明する。図示はして
ないが、先ず両リングの分割部を取外して、トロイダル
コア13を鎖交させる。次に、蓄線リング駆動用モータ
6を駆動することにより、蓄線リング2をワイヤー12
引き出し時の回転方向とは逆の方向に回転させ、蓄線リ
ング2に所要量のワイヤー12を卷回収納する。そし
て、蓄線リング2からワイヤー12を引き出し、ワイヤ
ーガイド10のガイド溝10─1およびワイヤーローラ
11に掛け回した後、その端部をトロイダルコア13の
所定位置に固定する。この作業はすべて、空間が広く開
いた両リングの上方から行うことができるので、従来に
比べて作業が極めて容易になり、作業時間も短縮され
る。
【0024】シャトルリング駆動用モータ3が駆動を開
始すると、シャトルリング1が回転し、蓄線リング2か
らワイヤー12を引き出しながらトロイダルコア13に
巻き付けていく。一方、トロイダルコア13もコア駆動
用ローラ14によりゆっくりと回転されるので、ワイヤ
ー12は、所定のピッチでトロイダルコア13に卷回さ
れる。蓄線リング2は、引き出されるワイヤー12がた
るまないように、電磁クラッチ7による適度の制動力を
受けながら、シャトルリング1に追随して回転する。そ
の結果、蓄線リング2は、トロイダルコア13の断面形
状やトロイダルコア13とワイヤーローラ11との位置
関係に応じて、間欠的な動きをしながら回転することに
なるが、平均すればシャトルリング1とほぼ同期した回
転となる。
【0025】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のトロイダルコ
イル巻線機によれば、次のような効果を奏する。蓄線
リング2からワイヤー12を引き出すときにワイヤー1
2をガイドするワイヤーガイド10及びワイヤーローラ
11をシャトルリング1の上面に設けたことにより、引
き回し作業がすべて空間が広く開いた上方からできるよ
うになったので、ワイヤー12の引き回し作業が簡素化
されると共に、作業時間が短縮される。因みに、本発明
の実施例で実際のワイヤー引き回し作業に掛かった時間
は、従来のものの3分の1の約5秒で済んだ。また、
作業の自動化も容易となり、ロボット等のアクチュエー
ターを用いての自動化作業が可能となる。さらに、シ
ャトルリング1と蓄線リング2をベアリングボール9を
挟んで同軸状にし、全体で一つのリングを構成したの
で、両リングの上端から下端までの厚みが小となり、巻
線機が小型化されるばかりか、より一層内径の小さいト
ロイダルコアへの卷回も可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトロイダルコイル巻線機の正面図
【図2】 本発明のトロイダルコイル巻線機の要部を上
方から見た図
【図3】 本発明のトロイダルコイル巻線機のワイヤー
ガイドの拡大図
【図4】 従来のトロイダルコイル巻線機の正面図
【図5】 従来のトロイダルコイル巻線機の要部を上方
から見た図
【図6】 従来のトロイダルコイル巻線機の部分拡大図
【図7】 従来のトロイダルコイル巻線機の第2ワイヤ
ーガイドの拡大図
【図8】 従来のトロイダルコイル巻線機の他のワイヤ
ーローラを示す図
【図9】 トロイダルコイルを示す図
【符号の説明】
1…シャトルリング、2…蓄線リング、2─1…上側鍔
部、2─2…下側鍔部、3…シャトルリング駆動用モー
タ3、4…シャトルリング駆動用ギヤー、5…シャトル
リングサポート、6…蓄線リング駆動用モータ、7…電
磁クラッチ、8…蓄線リング駆動用ギヤー、9…ベアリ
ングボール、10…ワイヤーガイド、10─1…ガイド
溝、10─2…取付部、10’…第1ワイヤーガイド、
10”…第2ワイヤーガイド、10”−1…凹溝、11
…ワイヤーローラ、11A…第1ワイヤーローラ、11
B…第2ワイヤーローラ、12…ワイヤー、13…トロ
イダルコア、14…コア駆動用ローラ、15…コア押え
ローラ、16…基台、16─1…下基台、16─2…上
基台、17…蓄線リングサポート、W…シャトルリング
1と蓄線リング2の間隔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トロイダルコア(13)に鎖交して回転す
    るシャトルリング(1)と蓄線リング(2)とを具えた
    トロイダルコイル巻線機において、シャトルリング
    (1)と蓄線リング(2)をベアリングボール(9)を
    挟んで蓄線リング(2)が外側になるよう同軸状に配設
    すると共に、ワイヤーガイド(10)及びワイヤーロー
    ラ(11)をシャトルリング(1)上面に設けたことを
    特徴とするトロイダルコイル巻線機。
JP27467091A 1991-09-26 1991-09-26 トロイダルコイル巻線機 Expired - Lifetime JP2803411B2 (ja)

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Publication Number Publication Date
JPH0590057A JPH0590057A (ja) 1993-04-09
JP2803411B2 true JP2803411B2 (ja) 1998-09-24

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ID=17544927

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