JPS5830865B2 - フライヤ巻線機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フライヤ巻線機に関するものである。

フライヤ巻線機に用いられているフライヤとして、従来
、第１図ないし第３図に示すようなフライヤが知られて
いる。

すなわち、第１図に示すものは、フライヤ軸１の一端に
固定された片腕形のフライヤ２で、線材３を巻枠５に対
し比較的低速で巻回してコイル４の形成を行なうもので
ある。

また、第２図に示すものは、フライヤ軸１の一端に固定
された両腕形のフライヤ６で、巻枠５に対し中速で巻線
を行なうようにしたものである。

また第３図に示すものは、フライヤ軸１の一端に固定さ
れた円筒形のフライヤ７で、巻枠５に対し高速で巻線し
得るようにしたものである。

たとえば、第２図に示す如く、インデックス回転するテ
ーブルＡに配置された複数個の巻組線用ツーリングＢと
、この巻組線用ツーリングＢのインデックス位置で巻組
線用ツーリングＢと対向するように配置され、巻組線用
ツーリングＢに直接コイルを巻回する巻線手段りと、全
てのコイルを巻回された巻組線用ツーリングＢのインデ
ックス位置で、巻組線用ツー リングＢと対向するよう
にステータコアを保持する保持手段Ｅと、巻組線用ツー
リングＢを挾んでステータコアと対向し、ステータコア
にウェッジを供給するウェッジ供給手段Ｇとコイルをス
テータコアに挿入する挿入手段Ｆと、コイルの引出線を
扱うハンドリング手段Ｈとから成り、ツーリングに直接
巻線するようにしたモータ用ステータコアの巻組線装置
において、第３図に示す如く、テーブルＡに回転自在に
支持されかつ下面にインデックス用の歯車２０を設けた
ベース２１と、このベースの中央部に固定されたブレー
ドガイド２３と、このブレードガイド２３に所定の間隔
で交互に固定されたバックアップ２４およびサポート２
５と、前記バックアップ２４およびサポート２５と摺動
自在に嵌合するウェッジガイド２６と、このウェッジガ
イド２６に摺動自在に嵌合支持されかつ下端部を環状の
ホルダ２７に一体に固定された複数の主ブレード２８お
よび下端部を環状のホルダ３０に一体に固定された複数
の副ブレード３１と、前記ブレードガイド２３の周囲の
所定の位置に位置するように前記ベース２１に固定され
た台３２に、ピン３３で回動自在に支持され、かつスプ
リング３４で回動力を付与された略り字形の補助板３５
と、前記ブレードガイド２３の周囲の所定の位置に位置
するように前記ベース２１に固定され、かつ溝３６を形
成した案内部材３７に摺動自在に支持され、主ブレード
２８から遠ざかるように付勢された台３８にピン３９で
回動自在に支持され、かつスプリング４０で回動力を付
与された略り字形の補助板４１と、前記補助板３５の上
面と案内部材３７の溝３６を通る円環状に形成され、か
つ、補助板４１を押えるためのアーム４２を形成した押
え板４３と、前記ベース２１もしくは前記ベース２１と
案内部材３７を摺動自在に貫通し、軸部にスプリング４
４が挿着され、かつ、一端を前記押え板４３に植設され
、スプリング４４の抗圧力によって押え板４３をベース
２１側へ引張るようにした丁字形のピン４５と、前記主
ブレード２８と副ブレード３１に摺動自在に嵌合する挿
入用の駒４６とによって構成され、少なくとも二本の主
ブレード２８と１個の補助板３５（又は４１）で１個の
巻枠を構成し、コイルをステータコアに挿入する場合に
は、副ブレード３１を押上げて、主ブレード２８と副ブ
レード３１とによってツーリングを構成するようにした
巻組線ツーリングＢの巻枠に、第４図に示す如く、支柱
１７に固定された一対の支持板６５゜６６と、支持板６
５に固定されたハウジング６７にベアリング６８を介し
て回転自在に支持された軸受６９と、前記支持板６６に
固定された軸受７０と、前記軸受６９に摺動自在に貫通
するスプライン軸部７１を形成し、かつ、軸受７０を摺
動および回転自在に貫通する中空のフライヤ軸７２と、
このフライヤ軸７２の下端に取付けられた巻線用のフラ
イヤ７３と、前記フライヤ軸７２の外周に回転自在に係
合する軸受７４を備え、かつ前記支持板６５，６６間に
固定されたガイドバフ５と摺動自在に嵌合したスライダ
７６と、前記フライヤ軸７２のスプライン軸部７１と摺
動自在に嵌合するプーリ７７と、前記支柱１７の側面に
固定されたブラケット７８に支持され、回転軸の一端に
プーリ７９を固定し、このプーリ７９と前記プーリ７１
の間に掛渡されたベルト８０を介してフライヤ軸７２を
回転させるようにしたモータ８１と、前記支柱１７の側
面に固定されたブラケット８２に支持され、回転軸の一
端にプーリ８３を固定したモータ８４と、前記支柱１７
に取付けられ、入力側の軸に固定されたプーリ８５と前
記プーリ８３との間に掛渡されたベルト８６を介してモ
ータ８４の回転を受けるようにした減速機８７と、前記
支柱１７に固定された軸受８８によって一端が前記減速
機の出力軸にカップリング８９で結合されたカム軸９０
と、このカム軸９０の一端に固定され、前記スライダ７
６に植設されたカムピン９１と係合する溝９２を形成し
たトラバース用のカム板９３と、線材３の案内用のロー
ラ９６とによって構成される巻線手段りによって、第５
図に示すように巻線を行なう場合、フライヤ７３を前記
巻枠を構成するための主ブレード２８とその外方で隣合
う主ブレード２８とによって構成される狭い間隙を斜め
に横切るように回転させることが必要である。

また、フライヤ軸７２の回転によって回転するフライヤ
７３の遠心力によるたわみでフライヤ７３と主ブレード
２８に当らないようにすることが必要である。

さらに、フライヤ７３を巻線位置においたまま巻組線用
ツーリングＢをインデックス回転させる場合、あるいは
テーブルＡをインデックス回転させる場合、少なくとも
フライヤ７３を、主ブレード２８および補助板３５゜４
１の移動軌跡上から逃しておくことも必要である。

しかし、第１図に示すような片腕形のフライヤ２は、腕
の強度を大きくするため、腕部が太くなり、狭い間隙を
横切ることが困難であるだけでなく、高速回転させると
フライヤ軸１が振動し、隣合う主ブレード２８と衝突す
る欠点がある。

また、第２図に示すような両腕形のフライヤ６でも、片
腕形と同様に腕が太くなる欠点がある。

これに加え、巻組線用ツーリングＢの主、副ブレード２
８゜３１で形成される円形の空間内に腕の一方が入るた
めテーブルＡを回転させる場合、主ブレード２８あるい
は、補助板３５．４１と当接するため、その都度フライ
ヤ６を上昇させなければならず、巻組線装置全体の制御
が複雑になると共に稼動能率が低下する欠点がある。

さらに、第３図に示すような円筒形のフライヤ７は、円
筒部の肉厚を薄くして、隣合う主ブレード２８に形成さ
れた間隙を通過させ、高速で巻線することが可能である
が、巻組線用ツーリングＢをインデックス回転させると
き、あるいはテーブルＡをインデックス回転させるとき
に、必ずフライヤ７を主ブレード２８より高く上昇させ
なければならず、このとき、既に巻かれたコイルの一部
がフライヤに引張られて乱れを生じる欠点がある。

またこの乱れを防止するためには、コイルの終端を押え
る特別の押え手段が必要になる。

また、フライヤの引上時あるいは、次のコイルの巻始め
時に線材に余分な張力が加わるために、断線等の原因に
もなる。

さらに巻組線装置全体の制御が複雑になると共に、稼動
能率を低下させる欠点がある。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、前
記巻組線装置の巻組線用ツーリングに高速で巻線が可能
でかつ、巻線位置においたままテーブルおよび巻組線用
ツーリングのインデックス回転を可能にしたフライヤを
備えたフライヤ巻線機を提供するにある。

上記目的を達成するため、本発明は、中心を垂直に支持
されたフライヤ軸の下端に固定された円盤の下面外周部
から突出し下端にノズルを形成した腕と、この腕の回転
軌跡に位置するように前記円盤の下面外周部から腕の両
側面と一体に突出する補強部とを備えた腕と補強部とを
肉薄に形成たフライヤ本体を設け、前記腕の上方に位置
するように前記円盤の上面に固定される第１のウェイト
部材と、前記円盤に、中心をはさんで前記ウェイト部材
と対称位置に固定される第２のウェイト部材を備えたフ
ライヤボスを設け、前記フライヤ本体および第１のウェ
イト部材と第２のウェイト部材のバランスを釣合せ、前
記フライヤ軸下端の動的バランスの釣合を取るようにし
たことを特徴とするフライヤを備えたフライヤ巻線機で
ある。

以下本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。

第６図ないし第９図は本発明の一実施例を示すもので、
同図において、フライヤ本体１０１は、フライヤ軸１０
２に取付けるための円盤１０３と、線材３の通路を形成
しかつ下端にノズル１００を形成した腕１０４と、この
腕と一体に形成され円盤１０３から腕１０４の先端に向
けて細くなる補強部１０５とによって構成されている。

フライヤボス１０６は、前記フライヤ軸１０２に取付け
るためのボス１０７と、第１のウェイト部材１０８第２
のウェイト部材１０９が一体に形成されている。

前記第１のウェイト部材１０８は、線材３を案内するた
めのローラ１１０の軸受けを兼ねている。

また、フライヤ軸１０２にも線材３を案内するためのロ
ーラ１１１が設けられている。

そして、フライヤ本体１０４とフライヤボス１０６によ
ってフライヤ１１２が形成されている。

上記の構成で、第１および第２のウェイト部材１０８
、１０９を調整して、フライヤ軸１０２の下端の動的バ
ランスを取る。

すなわち、第６図に示すように、フライヤ本体１０１の
遠心力Ｆ１と、第１のウェイト部材１０８の遠心力Ｆ２
の合成遠心力Ｆ３と、第２のウェイト部材１０９の遠心
力Ｆ４が、各々円盤１０３の上面付近に位置するように
すると共に、Ｆ３とＦ４を等しい大きさにすることによ
りフライヤ軸１０２の下端の振れを防止することができ
る。

またフライヤ本体１０１の腕１０４は、その両側に、フ
ライヤ軸１０２の軸心を中心とする円筒の一部を形成す
るように湾曲した補強部が一体に形成されているので、
その肉厚を薄くすることができる。

上記のような構成のフライヤ１１２を前記第２図ないし
第４図に示す巻組線装置に用いることにより、巻組線用
ツーリングＢに形成された巻枠に容易に高速巻線するこ
とができるだけでなく、フライヤ１１２を巻線位置にお
いたまま巻組線用ツーリングＢのインデックスあるいは
、テーブルＡのインデックスも容易に行なうことができ
る。

以上述べた如く、本発明によれば中心を垂直に支持され
たフライヤ軸の下端に固定された円盤の下面外周部から
突出し下端にノズルを形成した腕とこの腕の回転軌跡に
位置するように、前記円盤の下面外周部から腕の両側面
と一体に突出する補強部とを備えたフライヤ本体を設け
、前記腕の上方に位置するように前記円盤に固定される
第１のウェイト部材と、前記円盤に中心をはさんで前記
ウェイト部材と対称な位置に固定される第２のウェイト
部材を備えたフライヤボスを設け、前記フライヤ本体お
よび第１のウェイト部材と、第２のウェイト部材のバラ
ンスを釣合せて、前記フライヤ軸下端の動的バランスを
取るようにしたので、巻組線用ツーリングに直接コイル
を高速で巻回することが可能になった。

また、フライヤを巻線位置に置いたまま、テーブルおよ
び巻組線用ツーリングのインデックスが可能になり、巻
組線装置の稼動能率を向上させることができるなどの効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の片腕形のフライヤの側面図、第２図は従
来の両腕形フライヤの側面図、第３図は従来の円筒形フ
ライヤの側面図、第４図は本発明のフライヤを適用する
巻組線装置の一例を示す斜視図、第５図は第４図におけ
る巻組線用ツーリングの断面図、第６図は第４図におけ
る巻線手段の正面図、第７図は巻線状態を示す平面図、
第８図は本発明によるフライヤの側面断面図、第９図は
第８図の正面図、第１０図は第８図のＸ−Ｘ断面図、第
１１図は第８図の底面図である。 １０１・・・・・・フライヤ本体、１０３・・・・・・
円盤、１０４・・・・・・腕、１０５・・・・・・補強
部、１０６・・・・・・フライヤボス、１０８・・・・
・・ウェイト部材、１０９・・・・・・ウェイト部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フライヤ巻線機のフライヤであって、中心を垂直に
   支持されたフライヤ軸の下端に固定された円盤の下面外
   周部から突出して下端にノズルを形成した腕とこの腕の
   回転軌跡に位置するように、前記円盤の下面外周部から
   腕の両側面と一体に突出する補強部とを備えたフライヤ
   本体を設け、前記腕の上方に位置するように前記円盤に
   固定される第１のウェイト部材と、前記円盤に中心をは
   さんで前記ウェイト部材と対称な位置に固定される第２
   のウェイト部材を備えたフライヤボスを設け、ノ 前記
   フライヤ本体および第１のウェイト部材と第２のウェイ
   ト部材のバランスを釣合せて前記フライヤ軸下端の動的
   バランスを取るようにしたことを特徴とするフライヤ巻
   線機。 ２ 円盤の下面外周部で巾が広く、腕の下端に向１ つ
   て巾が狭くなるようにした補強部を設けたことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のフライヤ巻線機。 ３ フライヤ本体を軽金属で形成すると共にフライヤボ
   スを比重の大きな金属で形成したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項もしくは第２項記載のフライヤ巻線機
   。