JP2802529B2 - 放電灯点灯装置

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【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は放電灯点灯装置、特にインバータを用いた装
置の改良に関する。

［従来の技術］放電灯を点灯するには一般に放電灯点灯装置が要求さ
れ、該放電灯点灯装置としては従来銅鉄型の安定器を含
むものが用いられていた。

しかしながら、銅鉄型の安定器を用いた放電灯点灯装
置では大型かつ重くなってしまうという欠点があった。

そこで、安定器を小型軽量化する手段として高周波イ
ンバータを用いる装置が開発されている。

［発明が解決しようとする課題］ところが、高周波インバータを用いた放電灯点灯装置
は、その整流電流を平滑化するため大容量のコンデンサ
が必要となり、該大容量コンデンサとしては一般に電解
コンデンサが用いられる。

このため、放電灯点灯装置を温度の高い場所で使用す
ると安定器の寿命が電解コンデンサにより制限されてし
まうという課題があった。

また、特に高出力の安定器を用いた場合には、電解コ
ンデンサ自体も大型化せざるを得ず、コスト的に高価に
なってしまうという課題もあった。

本発明は前記従来技術の課題に鑑み為されたものであ
り、その目的は電源フィルタ用コンデンサを小容量化
し、かつ入力力率を高力率化することのできる放電灯点
灯装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］前記目的を達成するために本発明にかかる放電灯点灯
装置は、三相電源より三相入力されるインバータを備え
る。

そして、前記インバータは三相電流を整流する三相整
流部と、コンデンサを含み前記三相整流部の出力を平滑
化するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力を交流に変
換するインバータ部と、を備え、６×Ｆ×Ｎ（F:電源の
周波数,N:整数）で動作することを特徴とする。

［作用］本発明にかかる放電灯点灯装置は、前述したように三
相入力のインバータが６×Ｆ×Ｎの周波数で動作し、さ
らに各相の入力電流は前記フィルタ部で平滑化されるの
でほぼ120度の方形波となる。

ここで、フィルタ部のコンデンサには負荷電流の２倍
以上の高周波電流のみ流れることとなり、コンデンサ容
量は比較的小さなものでもよい。

［実施例］以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を説明す
る。

第１図には本発明の一実施例にかかる放電灯点灯装置
のブロック図が示されている。

同図において、放電灯点灯装置はインバータ10と、安
定器12とよりなる。

そして、インバータ10には三相電源14より三相電流が
供給され、該インバータ10により高周波電流に変換され
て安定器12へ供給され、該安定器12は放電灯16に点灯電
流を供給するものである。

ここで、インバータ10は三相整流部18と、フィルタ部
20と、インバータ部22と、検出部24と、制御部26と、を
含む。

そして、三相電源14より供給された三相入力は三相整
流部18により整流され、さらにフィルタ部20により平滑
化されてインバータ部22により再度高周波電圧に変換さ
れる。

一方、検出部24は電源電圧の位相を検知する。

また、制御部26は検出部24の検出信号を受けて電源電
圧と負荷電流の位相を合せるよう構成されている。

なお、第２図には本実施例において用いられる周知の
インバータ10の概略構成が示されている。

同図により明らかなように、三相整流部18は各相の入
力R,S,Tを入力し、それぞれをダイオード28a,28b,…,28
fにて整流する。

一方、フィルタ部20はコイル30およびコンデンサ32よ
りなり、前記整流部18により整流された電流を平滑化す
る。

さらに、インバータ部22は図示例においてスイッチン
グ素子34a,34b,…,34dのみが示されており、各素子34を
ON/OFFすることにより高周波発振する。

本発明において特徴的なことは、インバータ部22を制
御部26により６×Ｆ×Ｎ（F:電源周波数,N:任意の整
数）の周波数で駆動させることである。

次に、第３図に基づき本実施例の作用について説明す
る。

まず、第３図（Ａ）には三相の各電圧の位相関係が示
され、各電圧R,S,Tはそれぞれ120度ずつ位相がずれてい
る。

一方、第３図（Ｃ）はインバータ部22を300Hz（Ｆ＝5
0,N＝１）で駆動した場合の負荷電流波形が示されてい
る。

なお、検出部24では電源電圧の０点を検出し、その時
の負荷電流が０となるように制御部26が作用している。

この場合、一例としてＳ相の入力電流波形は第３図
（Ｂ）に示すようになる。

すなわち、入力電流ｉはその極大および極小値を中心
として120度の範囲で導通状態にあり、この間に300Hzで
発振している。

この波形はフィルタ部22より平滑化されるので、ほぼ
120度導通の方形波（力率95％）となる。

以上の状態では、第２図に示すフィルタ部20のコンデ
ンサ32には負荷電流i_Lの２倍（図示例では600Hz）以上
の高周波電流のみが供給されるので、コンデンサ容量は
比較的小さなものでよいこととなる。

この結果、寿命に問題のある電解コンデンサをあえて
用いる必要はなくなり、他のコンデンサで代用すること
が可能となる。

また、本実施例にかかる装置では前述したように高力
率（92〜95％）とすることができる。

［発明の効果］以上説明したように本発明にかかる放電灯点灯装置に
よれば、三相入力のインバータを用いて負荷を６×ｆ×
Ｎの周波数で駆動することとしたので、フィルタ部のコ
ンデンサを小容量化することができるとともに、入力力
率を高力率化することも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかる放電灯点灯装置のブ
ロック図、第２図は第１図に示したインバータの要部説明図、第３図は第２図の各部の波形を示す説明図である。 10……インバータ、14……三相電源、 16……放電灯、18……三相整流部、 20……フィルタ部、22……インバータ部。

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】三相電流を整流する三相整流部と、コンデンサを含み前記三相整流部の出力を平滑化するフ
ィルタ部と、前記フィルタ部の出力を交流に変換するインバータ部
と、を含む三相インバータを備え、前記三相インバータを６×Ｆ×Ｎ（F:電源の周波数,N:
整数）で動作させることを特徴とする放電灯点灯装置。