JPH05252744A - 電源回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電源の出力に過大負荷が接続された場合に電
源の出力電圧が垂下するのを防ぐ。 【構成】 電源の入力ＡＣ電圧を整流ブリッジ１により
倍電圧整流したＤＣ電圧を予め準備しておき、通常動作
時はこれとは別に整流ブリッジ２により全波整流したＤ
Ｃ電圧を用いてスイッチング・トランスを駆動する。電
源出力に過大負荷が接続された場合は、前記した倍電圧
整流したＤＣ電圧を全波整流回路に補給して、スイッチ
ング・トランスの駆動電圧を上昇させ、電源回路の容量
アップを図り、電源の出力電圧の垂下を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電源回路に関し、特にＡ
Ｃ−ＤＣコンバータの一次側整流回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の電源回路は、入力電圧を全波整流
もしくは倍電圧整流を行ない、ＡＣ電圧を一次側におい
て高圧のＤＣ電圧に変換し、これをスイッチングしてト
ランスに電圧を供給することにより電圧値を変換してい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来の電源回路に
おいては、一次側の高圧ＤＣ電圧は、ＡＣ電圧を整流し
ているため、リップル成分を含有する。このため、電源
回路の出力負荷が大きい時は、このリップルによる高圧
ＤＣ電圧の低下が著しく、出力を維持できないという欠
点があった。

【０００４】また、電源回路のトランスへは、パルス幅
を制御してスイッチングしつつ電力を二次側へ供給する
が、このメイン・スイッチング素子の電流許容値の関係
上、このトランスに印加するパルス幅にも限りがあり、
ある一定値以上の電力はトランスに供給できず、出力を
維持できないという問題点があった。

【０００５】本発明の目的は、電源の出力に過大負荷が
接続された場合に電源の出力電圧が垂下するのを防止し
た電源回路を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る電源回路は、ＡＣ電圧を全波整流して
平滑する全波整流回路と、前記ＡＣ電圧を倍電圧整流し
て平滑する倍電圧整流回路と、全波整流回路の電圧を検
出する回路と、全波整流回路と倍電圧整流回路を接続す
るスイッチ素子と、全波整流回路の電圧が低い場合に前
記スイッチ素子をＯＮさせ、倍電圧整流回路の電圧を全
波整流回路に供給する制御回路とを有するものである。

【０００７】また、全波整流回路の電圧に基づきスイッ
チ素子をＯＮさせる制御回路に代えて、電源回路の二次
側からの要求に基づきスイッチ素子をＯＮする制御回路
を有するものである。

【０００８】また、全波整流回路の電圧が低い場合にス
イッチ素子をＯＮさせる制御回路に代えて、電源回路の
二次側からの要求に基づいて全波整流回路の電圧を一定
に上昇させるようにスイッチ素子をＰＷＭ制御する制御
回路を有するものである。

【０００９】

【作用】電源の入力ＡＣ電圧を倍電圧整流してＤＣ電圧
を予め準備しておき、通常動作時は全波整流回路の電圧
を用い、過大負荷が接続された場合にのみ倍電圧整流回
路から電圧を補い、電源の出力電圧が垂下するのを防止
する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図により説明する。

【００１１】図１は、本発明の実施例に係る基本的構成
を示す回路図である。

【００１２】図１において、１，２は整流ブリッジ、
３，４，５は電解コンデンサ、６はスイッチ素子、７は
制御回路である。

【００１３】実施例において、ＡＣ電圧を入力した電源
回路は、整流ブリッジ１によりＡＣ電圧を倍電圧整流
し、電解コンデンサ３，４により平滑し、入力ＡＣ電圧
のピーク値の２倍のＤＣ電圧を貯える。

【００１４】また、これとは別に整流ブリッジ２は、入
力ＡＣ電圧を全波整流して、電解コンデンサ５に入力Ａ
Ｃ電圧ピーク値のＤＣ電圧を貯える。

【００１５】通常、電源回路は、この全波整流したＤＣ
電圧を利用してトランスをスイッチングして、二次側に
必要なＤＣ電圧に変換している。

【００１６】しかしながら、この出力電圧に過大な負荷
が接続された場合、電源回路はトランスに供給する電力
を最大とするべく動作するが、必要な電力を供給でき
ず、出力を維持できなくなる場合がある。

【００１７】このような場合に、スイッチ素子６を介し
て倍電圧整流回路の電圧を全波整流回路に供給して全波
整流回路の電圧を上昇させることにより補う。

【００１８】図２は、電解コンデンサ５のリップル電圧
を検出し、電圧が著しく低下した場合にスイッチ素子６
をＯＮする具体的回路例を示している。

【００１９】電源回路がトランスに供給する電力を最大
とするべく動作した場合、電解コンデンサ５から流出す
る電流は増加し、大きなリップル電圧が電解コンデンサ
５の両端に発生する。その結果、電解コンデンサ５の電
圧が著しく低くなった時は、電源回路はその出力を維持
できなくなるが、分圧抵抗８，ツェナ・ダイオード９に
よりこれを検知し、スイッチグ素子６をＯＮさせること
によりこれを防止する。

【００２０】図３は、過大負荷が電源回路に接続された
場合、これを検知するか、もしくはＣＰＵより事前に出
力する等の手段、例えばフォト・カプラ１０により二次
側よりの過大負荷要求信号１２に基づき、スイッチ素子
６がＯＮする具体的回路例を示している。電源回路は、
そのトランス，スイッチ素子の電流許容値により、ある
一定以上の電流を流すことは不可能であり、過大負荷に
対し対応できない場合がある。このような場合には、ト
ランスに印加する電圧値を上昇させることにより、同一
電流でもトランスへ供給する電力を上昇することができ
る。

【００２１】ただし、この場合、トランスへ印加させる
電圧は単に２倍の電圧となるため、過電流検出回路の動
作等が遅れた場合等は、トランスの一次電流が増大し破
損する恐れがある。

【００２２】これを防止するため、過大負荷の程度に応
じて全波整流回路の電圧を必要値とするようにスイッチ
素子６をパルス幅制御回路１１によりＰＷＭ制御するの
が、図４に示す具体的回路例である。これにより、電解
コンデンサ５の両端電圧は、必要以上に上昇することは
なくなる。ただし、回路が複雑となり高価になる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の電源回路に
おいては、通常動作時は全波整流回路の電圧を用いて、
過大負荷が接続された場合にのみ倍電圧整流回路から電
圧を補うため、電源回路の負荷が大きく変動し、過大負
荷はまれにしか接続されないような場合においては、全
波整流回路の電解コンデンサの容量を低減することがで
きる。

【００２４】また、倍電圧整流回路の電解コンデンサは
通常は使用されていないのであるから、ほとんどリップ
ル電流が流れることはない。したがって、この電解コン
デンサには、低リップル耐力のコンデンサを使用するこ
とができ、小型化を図ることができる。

【００２５】このように目的別に電解コンデンサを使用
することができるため、総合的に性能の高い高価な電解
コンデンサを使用せずとも、それ以上の電源性能を安価
に実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の基本的構成を示す概略回路図
である。

【図２】本発明の実施例の具体的例を示す回路図であ
る。

【図３】本発明の実施例の具体的例を示す回路図であ
る。

【図４】本発明の実施例の具体的例を示す回路図であ
る。

【符号の説明】

１，２ 整流ブリッジ ３，４，５ 電解コンデンサ ６ スイッチ素子 ７ 制御回路 ８ 分圧抵抗 ９ ツェナ・ダイオード １０ フォト・カプラ １１ パルス幅制御回路 １２ 過大負荷要求信号

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＡＣ電圧を全波整流して平滑する全波整
   流回路と、 前記ＡＣ電圧を倍電圧整流して平滑する倍電圧整流回路
   と、 全波整流回路の電圧を検出する回路と、 全波整流回路と倍電圧整流回路を接続するスイッチ素子
   と、 全波整流回路の電圧が低い場合に前記スイッチ素子をＯ
   Ｎさせ、倍電圧整流回路の電圧を全波整流回路に供給す
   る制御回路とを有することを特徴とする電源回路。
2. 【請求項２】 請求項１の電源回路において、 全波整流回路の電圧に基づきスイッチ素子をＯＮさせる
   制御回路に代えて、電源回路の二次側からの要求に基づ
   きスイッチ素子をＯＮする制御回路を有することを特徴
   とする電源回路。
3. 【請求項３】 請求項１の電源回路において、 全波整流回路の電圧が低い場合にスイッチ素子をＯＮさ
   せる制御回路に代えて、電源回路の二次側からの要求に
   基づいて全波整流回路の電圧を一定に上昇させるように
   スイッチ素子をＰＷＭ制御する制御回路を有することを
   特徴とする電源回路。