JP2801509B2 - 自己呼び水型燃料ポンプによる燃料供給システム - Google Patents

自己呼び水型燃料ポンプによる燃料供給システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジン等の燃料
供給システムに関し、さらに詳しくは、タンク内容器内
に取付けた電動燃料ポンプを含む燃料ポンプに関する。
【０００２】
【発明の背景と目的】米国特許Ｎｏ．４，８７８，５１
８は、燃料タンク内に配置された容器を有する内燃機関
用燃料供給システムを開示している。容器は下端部に燃
料開口を有し、その下端部から離れた所に内壁を設け
て、容器を上部及び下部燃料室に分割している。電動燃
料ポンプは前記上部燃料室内に配置され、燃料入口、エ
ンジンに多量の燃料を圧力をかけて供給するための、第
１燃料出口、及び第１出口から供給される量よりも少な
い燃料を圧力をかけて供給する、第２燃料出口を有す
る。容器内壁を貫通する燃料通路を設け、その入口端を
下部燃料室に、又出口端を上部燃料室に配置している。
第２ポンプ出口をノズルで燃料通路に接続して、通路を
介して下部燃料室から上部燃料室へ燃料を吸い上げるよ
うにしている。従って下部燃料室に集まった蒸気は、吸
引された燃料と共に上部燃料室に運ばれ、そこで容器の
上部開口端を通って燃料タンクへ廃棄される。
【０００３】上記特許が開示した形式の燃料供給システ
ムは、それなりの成功を納めたが、さらなる改良が望ま
れている。例えば従来の燃料供給システムにおいて、特
に実施が困難な受け入れテストとして、いわゆる自ら呼
び水を差して始動する状態テストがある。これは燃料容
器とタンク内とを空にし、その後タンクに少量、例えば
１ガロンの燃料を供給してエンジンを始動させるもので
ある。その時、ポンプは内部の空気や燃料蒸気を追い出
し（パージし）、タンクの比較的低レベルの燃料から燃
料を吸い上げ、圧力をかけて燃料を供給することによ
り、エンジンを始動しなければならない。本発明の主な
目的は、燃料供給システムを提供することであり、特に
タンク内の燃料レベルが低い時に空気と蒸気をパージ
し、自分で呼び水をして始動することができる改善され
た能力を有する、上記特許に開示したタイプのタンク内
燃料装置を提供することにある。
【０００４】
【発明の概要】本発明による内燃機関用燃料供給システ
ムには、燃料タンク内に配置した燃料ポンプが設けら
れ、ポンプ入口をタンクの下部に配置してタンクから燃
料を吸い上げ、ポンプ出口から圧力をかけて燃料をエン
ジンに供給するようにしている。空気／蒸気パージ弁
は、ポンプ出口と協働するように結合されている。燃料
ポンプによって、空気及び／又は蒸気が吸引されてタン
クに排出される時にはパージ弁は開く。又、ポンプ出口
に加圧された液体燃料が存在すれば、パージ弁は閉じて
液体燃料がタンクに送られるのを防止する。
【０００５】本発明の好ましい実施例において、燃料ポ
ンプ装置は、密閉容器とその容器内に配置した電動燃料
ポンプを有する。ポンプ呼び水又はパージ動作中には、
空気／蒸気パージ弁は容器外部の燃料タンクに開口し、
空気及び燃料蒸気は容器内にではなくタンク内に放出さ
れる。又、別の実施例においては、パージ弁を容器の外
側でしかもタンク内に設けるか、あるいは燃料ポンプの
上に配置して、容器の壁を貫通させてタンク内に開口さ
せる。パージ弁の弁体は、バネによってポンプ出口の方
へ付勢されている。弁体と周囲の通路との間の間隙は、
空気と蒸気燃料が通過するための漏れ通路を形成するの
に十分な大きさであるが、バネの力に抗して、加圧され
た液体燃料が通過するには不十分な大きさである。
【０００６】
【実施例】本発明のさらに別の目的、特徴、及び利点
は、以下の説明、クレーム、及び図面によって理解され
るであろう。
【０００７】図１は、本発明の好ましい実施例による燃
料供給システム１０を示し、その燃料供給システム１０
は、タンクから加圧した燃料を内燃機関１６へ供給する
ための、燃料タンク１４内に配置した燃料ポンプ装置１
２を有する。燃料ポンプ装置１２は、上部壁２０と、燃
料タンク１４の底部に近接した底部壁２２を有する、密
閉した一般に円筒形状の容器１８から成る。電動燃料ポ
ンプ２４は、アーマチャ２６と、一般に円筒形状のハウ
ジング又はケース３０内に配置したステータ２８とから
なる。入口装置３２は、ポンプ２４の下端キャップ３４
から容器壁２２を通って突出し、タンクからフィルタバ
ッグ３６を介して燃料を受け取る。入口装置３２は、底
部壁２２を介してフィルタ３６に接続される燃料入口通
路３８と、容器１８の内部に開放する横方向に延びるベ
ンチュリ通路４０を有する。アーマチャ２６は、ギアポ
ンプ機構４２に接続されて、容器１８内から入口通路４
４を介して燃料を吸引し、上部ポンプ端キャップ４８内
の出口通路４６へ、ハウジング３０の内部を通って燃料
を加圧して供給する。第２ポンプ出口５０は、より少な
い量の燃料を加圧してノズル５２に供給する。ノズル５
２は通路３８を挟んでベンチュリ通路４２に対面し、フ
ィルタ３６と通路３８を介して容器内部に燃料を吸引さ
せるようにしている。
【０００８】出口通路４６は、出口パイプ５４を介して
チェックバルブ５６に接続され、そこからさらに適当な
燃料ラインによってエンジン１６に接続される。チェッ
クバルブ５６は、ポンプ２４を停止した時、燃料がエン
ジン１６から装置１２へ逆流するのを防止する。出口端
キャップ４８には、圧力逃がし弁５８が設けられてお
り、これはポンプ２４内の燃料圧力が異常に高くなった
時、周囲の容器１８内に余分な燃料を放出する。以上述
べた範囲内において、燃料供給システム１０と装置１２
は、上記米国特許Ｎｏ．４，８７８，５１８に開示した
ものと実質的に同じである。以下の説明を読めば理解さ
れることであるが、本発明の原理は、これら特定のタイ
プの燃料装置や燃料ポンプに限定されるものではない。
【０００９】本発明の第１の特徴は、上部容器壁２０と
燃料タンク１４の上部壁との間に設けた出口パイプ５４
を介して、空気／蒸気パージ弁６０がポンプ２４の出口
に接続されていることである。パージ弁６０（図１と図
２）は、弁体６２とコイルバネ６４を有する。コイルバ
ネ６４は、リテーナ６６によりスリーブ６８内に保持さ
れている。コイルバネ６４は、弁体６２を出口パイプ５
４の方に向けて、リテーナ６６に押しつけるように圧縮
保持されている。リテーナ６６は、スナップリング又は
他の適当な手段で構成し、液体及び蒸気の両方を通過さ
せる。スリーブ６８の反対側端部７０は、容器外部の燃
料タンク１４に開口している。
【００１０】弁体６２の縁とスリーブ６８内の通路７４
周囲との間には、小さな漏れギャップ又は通路７２が設
けられている。ギャップ７２は、空気及び／又は蒸気が
弁体６８を自由に通過できるのに十分な大きさである。
しかし、ポンプ２４が液体燃料を出口パイプ５４とパー
ジ弁６０に送る時、ギャップ７２の寸法は、液体燃料が
大量に通過するのに十分な大きさではないので、加圧さ
れた燃料によって、弁体６２の反対端部がバネに、バネ
６４の力に逆らって開口７０に着座するので、液体燃料
がパージ弁６０を通過して流れるのが防止される。上部
容器壁２０には、フラッパ又は他の適当な一方通行弁７
６が設けられている。弁７６は、自重により閉じて周囲
のタンクから燃料、蒸気、あるいは空気が進入するのを
防ぐが、５ポンド／平方インチ重以下の比較的低い圧力
で開き、容器１２内から、空気及び／又は蒸気圧を周囲
のタンク１４に放出する。
【００１１】運転時においてポンプ２４が初めて始動さ
れると、ポンプハウジング３０内の空気及び／又は燃料
蒸気が、ギアポンプ機構４２によって弁６０を通って周
囲の燃料タンクに送られる。又、ポンプ２４は容器１８
内から空気又は燃料蒸気を吸引し、それによって周囲の
燃料タンクに対して負圧、すなわち吸引圧を発生させ、
燃料をタンクから燃料容器内へ吸引する。液体燃料がポ
ンプ入口４４に達すると、その液体燃料はポンプ２４に
よって圧送されて弁６０は閉じ、さらにノズル５２及び
ベンチュリ通路４０と協働することによって、追加燃料
を燃料容器内に吸い込む。従って、空気及び／又は燃料
蒸気はポンプ２４から追い出され、ポンプ２４は自ら呼
び水を差し始動する。
【００１２】図３と図４は本発明の別の実施例を示す。
これらの図において、図１と図２に示す部分と同一の部
分は同じ符号を用いて示す。図３の燃料装置８０におい
て、ポンプ出口端キャップ４８には弁５８（図１）の代
わりに空気／蒸気パージ弁８２が設けられている。この
パージ弁８２は、ポンプハウジング３０の内部を介して
ポンプ出口４６に接続されている。ポンプハウジング３
０は、燃料及び／又は蒸気を出口圧力で収容している。
パージ弁８２のスリーブ６８ａは上部容器壁２０を貫通
して延び、空気及び／又は蒸気を容器１８の外部にある
燃料タンク１４に放出する。その他の点においては蒸気
パージ弁６０と同じであり同様の方法で動作する。
【００１３】図４は、図３におけるバネ付勢パージ弁８
２の代わりに、重力動作ボール弁８４を設けた燃料供給
システムを示す。ボール８６は、重力により出口端キャ
ップ４８内のリテーナ８８に保持される。出口端キャッ
プ４８からパイプ９０が延びて、上部容器壁２０を貫通
しているボール８６の周りには、空気と燃料蒸気が自由
に通過できるように十分な間隙が設けられている。しか
し加圧された液体燃料の力はボール８６の重力に十分打
ち勝ち、ボール８６はパイプ９０の下端に押しつけら
れ、液体燃料がパイプ内を流れるのを防止する。図４の
実施例においては、弁７６（図１〜３）の代わりに従来
の圧力レギュレータ９２が使われている。弁７６の代わ
りに、内部付勢バネを有する圧力レギュレータ９２を使
用したことにより、全容器１２の圧力は制御できるとい
う重要な利点が得られる。例えば、レギュレータ９２を
０．５ポンド／平方インチ重で開放するように設定した
場合、容器１２の内部圧力は通常、約０．５ポンド／平
方インチ重。これは燃料が第２のポンプ段へ流れるのを
容易にし、高温度において燃料が蒸発するのを抑制し、
ポンプ第２段における高温燃料の処理能力を改善する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好ましい実施例による燃料供給システ
ムの側面部分断面図である。
【図２】図１に示したパージ弁の側面断面図である。
【図３】本発明の別の実施例による側面部分断面図であ
る。
【図４】本発明の別の実施例による側面部分断面図であ
る。
【符号の説明】
１０ 燃料供給システム １２ 燃料ポンプ手段 １４ 燃料タンク １８ 容器 ２４ 燃料ポンプ ３８ 燃料入口通路 ４２ ギヤポンプ機構 ６０，８２，８４ パージ弁 ７６，９２ 一方通行弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F02M 37/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】内燃機関用燃料供給システムであって、 燃料タンク（１４）内に配置されるようになっている密
    閉容器（１８）と該密閉容器内に配置された燃料ポンプ
    本体（２４）を有し、該燃料タンクから燃料を吸い込む
    ためにそのタンクの下部に配置されたポンプ入口手段
    （３８、４４）と燃料を加圧して前記容器および燃料タ
    ンクからエンジンに供給するポンプ主出口手段（３０、
    ４６、５４）とを有する燃料ポンプ手段（１２）、及び
    燃料タンク（１４）内にある前記ポンプ主出口手段（３
    ０、４６、５４）に接続され、前記容器（１８）の外部
    の周囲の燃料タンク（１４）に開口した空気／蒸気パー
    ジ弁手段（６０、８２、８４）を有し、燃料タンクの燃
    料が少ないときに、前記燃料ポンプ手段（２４）に呼び
    水を差す手段（６０、８２、８４）、および前記容器
    （１８）から周囲の燃料タンク（１４）に空気と蒸気を
    放出するために設けられた、前記容器上の一方通行弁
    （７６、９２）にして、空気と蒸気を周囲の燃料タンク
    （１４）に放出する前に、前記容器（１８）を加圧する
    ための圧力レギュレータ（７６、９２）で構成されたも
    のを備え、前記空気／蒸気パージ弁手段（６０、８２、
    ８４）は空気または蒸気が前記燃料ポンプ手段（２４）
    によって圧送されるとき開弁してこのような空気または
    蒸気を前記容器（１８）から周囲の燃料タンク（１４）
    に追い出し、また、前記ポンプ主出口手段（５４）に加
    圧された液体燃料が存在するとき、それに応答して開弁
    することによりこのような液体燃料が周囲の燃料タンク
    （１４）に放出されるのを防止することを特徴とする燃
    料供給システム。
  2. 【請求項２】前記燃料ポンプ手段（１２）が、密閉容器
    （１８）と該密閉容器内に配置した燃料ポンプからなる
    モジュールで構成され、前記空気／蒸気パージ弁手段
    （８２、８４）が前記密閉容器に配置され、前記容器の
    外部の周囲の燃料タンク（１４）に開口する（６８ａ、
    ９０）ことを特徴とする請求項１記載の燃料供給システ
    ム。
  3. 【請求項３】前記蒸気／パージ弁手段（６０、８２、８
    ４）は、前記容器の外部で且つ前記タンクの内部におい
    て前記主出口手段（３０、４６、５４）と接続されるこ
    とを特徴とする請求項１記載の燃料供給システム。
  4. 【請求項４】前記ポンプ（２４）はハウジング（３０、
    ４８）を有し、前記空気／蒸気パージ弁手段（６０、８
    ２、８４）が前記容器（１８）内で前記ハウジング上に
    取り付けられるとともに前記容器（１８）を貫通して周
    囲の燃料タンク（１４）に解放していることを特徴とす
    る請求項１記載の燃料供給システム。
  5. 【請求項５】前記空気／蒸気パージ弁手段（６０、８
    ２、８４）は、弁体（６２）とその弁体を、前記ポンプ
    主出口手段（５４）の方へ付勢するバネ手段（６４）と
    を有し、前記弁体（６２）の周りに漏れ通路を設けて、
    空気と燃料蒸気を通過させるが、前記バネ手段（６４）
    の力に逆らって加圧液体を通過させるには不十分な大き
    さに設定したしたことを特徴とする請求項１記載の燃料
    供給システム。
  6. 【請求項６】前記主出口手段（３０、４６、５４）は、
    エンジンから前記ポンプ手段へ燃料が逆流するのを防止
    するためのチェックバルブ（５６）を有し、前記パージ
    弁手段（６０、８２、８４）は、前記ポンプ手段（２
    ４）と前記チェックバルブ（５６）の間にある前記主出
    口手段（３０、４６、５４）に接続されていることを特
    徴とする請求項１記載の燃料供給システム。
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