JP2801337B2 - 電子部品実装機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、たとえば吸着された電子部品の外形、位
置、傾き、リード等を認識することが可能な電子部品実
装機に関するものである。

［従来の技術］ 電子部品（以下、単に部品と略す）の組み立て工程に
おいては、部品吸着機を用いて部品を移送し、所定の位
置に載置することが行われている。

ところで、吸着した部品の位置ズレ、傾きの補正及び
部品の外形検査を行なうために画像認識装置を備えた電
子部品実装機（以下、単に実装機と略す）において、画
像認識装置の画像入力部の部品視野内に混入するゴミや
吸着ミス等で部品視野内に落下した部品などの異物の検
出、及び部品を照明する照明の劣化の検出は、実装機の
信頼性を保つ上で重要である。

従来、部品視野内の異物については、第４図に示すよ
うに、定期的な目視点検もしくは部品の外形検査時に部
品リードにゴミが付着した等の理由により、正常部品を
不良と判定する事が生じていた。

また照明の劣化については、照明の光量を監視するセ
ンサを用い、所定の光量を満たさなくなる事で検出して
いた。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら従来の技術では、部品視野内の異物検出
については、異物混入により実装機の性能が低下してか
らの検出となり、実装機の信頼性が低下してしまうと共
に、正常で高価な部品を外形認識で不良と判定し廃棄し
てしまうという課題が生じていた。また、照明の劣化の
検出については、高価なセンサの使用によりコストが増
加し、実装機の利用者に可能な限り安価に提供する点に
反するという課題を有していた。

本発明は、前記した従来技術の課題を解決するもの
で、実装機の信頼性の低下や正常で高価な部品の廃棄を
防止できるようにした電子部品実装機の画像認識装置を
提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するため、本発明は下記の構成からな
る。すなわち本発明は、電子部品の少なくとも位置又は
外形を認識する画像認識装置を備えた電子部品実装機で
あって、実装動作中に電子部品が画像入力部の部品視野
に入る前のタイミングで取り込んだ画像内の所定の複数
直線上の輝度情報と、あらかじめ記憶しておいた電子部
品の無い正常な状態の画像内の所定複数直線上の輝度情
報とを比較し、前記各輝度情報の差により、前記部品視
野内の異物を検出する手段を備えたことを特徴とする電
子部品実装機である。

前記本発明の電子部品実装機の構成において、前記各
輝度情報の差により、前記部品視野内の照明劣化を検出
する手段をさらに備えているのが好ましい。

また、前記本発明の電子部品実装機の構成において
は、画像内の複数直線の位置が最小部品の最短寸法より
も短い間隔で配されているのが好ましい。

［作用］ 上記本発明の構成によれば、実装動作中に部品が部品
視野内に入る前のタイミングで取り込んだ画像を用いる
ため、部品視野内に混入した異物を、部品の認識を行な
う前に検出でき、実装機の信頼性の低下、正常で高価な
部品の廃棄を防ぐことができる。また、比較する情報を
画像の所定の複数直線上の輝度情報と限定しているた
め、実装動作を妨げる処理時間を必要としない。

さらに比較する元の情報に正常な照明状態の輝度情報
を用いるため、照明劣化の検出も同時に行なえることに
なり、照明劣化検出用のセンサを不用とすることができ
る。

［実施例］ 以下、一実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明
する。なお本発明は下記の一実施例に限定されるもので
はない。

第１図は本発明の一実施例の実装機の画像認識装置に
よる異物・照明劣化検出方法のフローチャート図、第２
図は本発明の一実施例である画像認識装置と画像入力部
のモデル図、第３図は本発明の一実施例における輝度情
報の例を示した図である。

第２図において６は画像認識装置、７は画像入力部に
おけるTVカメラ、８は画像入力部におけるレンズ、９は
部品を吸着するノズル、10は部品、11は部品の影の画像
を得るための照明、12は異物である。

以下に本発明の一実施例の動作を第１図のフローチャ
ートに従って、第３図を参照しながら説明する。

前処理として、正常な状態で部品の写っていない部品
視野の画像を取り込み、所定の複数直線上の輝度情報を
算出し画像認識装置へ記憶する。

本実施例では複数直線は画像に水平なものとし、その
位置は本実施例の実装機が扱う最小の部品の最短寸法部
分よりも短い距離を間隔とする、くし状の配置とする。
また輝度情報としては、各直線上の各位置の輝度の総和
とする。第３図13にその例を示す。14は複数直線の１直
線を示しており、この直線上の輝度位置のグラフを右に
示している。正常な状態では、輝度は直線上の各位置で
ほぼ一定の値となる。

本実施例の実装機の画像認識装置の異物・照明劣化検
出の動作は、まず、第１図１に示すように、吸着した部
品が部品視野内に入る前のタイミングで画像を画像入力
部から画像認識装置へ取り込むことから始まる。

次に第１図２に示すように、画像認識装置内で取り込
んだ画像を処理し所定の複数直線上の輝度情報を算出す
る。第３図15は部品視野内に異物が混入した例、第３図
16は照明が劣化した例である。

次に第１図３に示すように、記憶してある輝度情報と
算出した輝度情報を対応する直線同士にて比較する。比
較においては、正常な状態でも現実上記憶している輝度
情報と全く同一の輝度情報が得られないため、あらかじ
め設定される許容範囲をもって比較が行なわれる。第３
図の例では、たとえば記憶していた輝度情報が82000
で、許容範囲が５％とすると、15の例は９％強の差があ
り、16の例は45％程度の差があり、輝度情報の差が許容
範囲を越えているので、15、16の両例とも異物・照明劣
化として検出されることになる。輝度情報の差が許容範
囲内であれば第１図４に示すように正常と判断する。

以上が本実施例における異物・照明劣化検出の動作で
ある。本実施例では異物検出と照明劣化検出を区別して
いないが、異物は一般に部品視野の一部に存在すること
から小数の直線同上の輝度情報が異なり、照明劣化は一
般に部品視野全体に影響することから多数の直線上の輝
度情報が異なり、これを判定に加えれば異物と照明劣化
を区別して検出することができる。

［発明の効果］ 本発明の実装機の画像認識装置によれば、部品視野内
に混入した異物を実装動作中に部品を認識する以前に検
出するため、実装機の信頼性の低下および正常で高価な
部品の廃棄を防ぐことができるという効果を達成でき
る。また、同時に照明の劣化についても検出を行える事
になり、照明劣化検出用に特別にセンサを用意せずに済
み、実装機のコストの低減ができるという効果も達成で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電子部品実装機の画像認識装置による
異物・照明劣化検出法のフローチャート図、第２図は本
発明の一実施例の実装機における画像認識装置と画像入
力部のモデル図、第３図は同実施例における輝度情報の
例を示した図、第４図は従来の技術における異物混入時
の部品画像の例である。 ６……画像認識装置、7,8……画像入力部、９……部品
吸着ノズル、10……部品、11……照明、12……異物。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−236791（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−10779（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−246967（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H05K 13/04

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子部品の少なくとも位置又は外形を認識
   する画像認識装置を備えた電子部品実装機であって、実
   装動作中に電子部品が画像入力部の部品視野に入る前の
   タイミングで取り込んだ画像内の所定の複数直線上の輝
   度情報と、あらかじめ記憶しておいた電子部品の無い正
   常な状態の画像内の所定複数直線上の輝度情報とを比較
   し、前記各輝度情報の差により、前記部品視野内の異物
   を検出する手段を備えたことを特徴とする電子部品実装
   機。
2. 【請求項２】前記各輝度情報の差により、前記部品視野
   内の照明劣化を検出する手段をさらに備えた請求項１に
   記載の電子部品実装機。
3. 【請求項３】画像内の複数直線の位置が最小部品の最短
   寸法よりも短い間隔で配されている請求項１又は２に記
   載の電子部品実装機。