JP2799294B2 - 移動体情報記録方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、移動体が通過する軌道
付近に赤外線送光器を設置し、この送光器の光信号を移
動体側に設けた受光器が受信して光通信を行なう光空間
伝送に於いて、移動体が通過する各位置に於ける受光レ
ベルを移動体側の移動速度に対応した紙送り速度で連続
記録する、距離補正機能を備えた移動体情報記録方式に
関する。

【０００２】

【従来の技術】車両等の移動体が通過する軌道付近に赤
外線送光器を設置し、この送光器の光信号を移動体側に
設けた受光器が受信して光通信を行なう光空間伝送方式
に於いて、移動体側での各移動位置に於ける受光レベル
を記録紙を用いた記録計にて連続記録する際、従来で
は、その移動体の移動速度に拘らず、記録計が内部に持
つ自己発信回路に従う一定の紙送り速度で固定体側送光
器から送信された光信号の受光レベルを連続記録してい
た。

【０００３】しかしながら、このような従来の受光レベ
ル記録手段に於いては、移動体の移動速度に関係のな
い、一定の紙送り速度で、固定体側送光器から送信され
た光信号の受光レベルを連続記録することから、記録紙
上で、移動した距離を認識することができず、各距離、
若しくは各位置に対応した受光レベルの確認ができない
という問題を有していた。

【０００４】そこで、移動体側受光器が受光した光信号
の受光レベルを連続記録するとき、車輪の回転数信号か
ら移動体の移動速度を検出し、その移動体の移動速度に
対応した紙送り速度で光信号の受光レベルを連続的に記
録する記録手段が考えられた。

【０００５】しかしながら、このような連続記録手段に
於いては、長距離連続記録時に、距離の誤差が記録紙上
で大きな距離の誤差となって現れ、距離もしくは位置に
正確に対応した受光レベルの記録ができないという問題
が生じる。

【０００６】即ち、移動体の速度表示に用いられている
車輪の回転数信号は、移動体加速時の車輪の空転もしく
は減速時のロックにより、本来の移動速度に対して不正
確な車輪の回転数信号が発生し、そのまま記録計の紙送
り速度制御用信号に変換し用いると、長距離連続記録時
には、その誤差が記録紙上での大きな距離の誤差となっ
て現れ、距離もしくは位置に正確に対応した受光レベル
の記録ができないという問題が生じる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
では、移動体が通過する軌道付近に赤外線送光器を設置
し、この送光器の光信号を移動体側に設けた受光器が受
信して光通信を行なう光空間伝送に於いて、移動体側で
の各移動位置に於ける受光レベルを記録紙を用いた記録
計にて連続記録する際、従来では、その移動体の移動速
度に拘らず、記録計が内部に持つ自己発信回路に従う一
定の紙送り速度で受光レベルを連続記録していたことか
ら、記録紙上で、移動した距離を認識することができ
ず、各距離又は各位置に対応した受光レベルの確認がで
きないという問題を有していた。そこで移動体側受光器
が受光した光信号の受光レベルを連続記録するとき、移
動体の移動速度に対応した紙送り速度で光信号の受光レ
ベルを連続的に記録する記録手段が考えられたが、この
連続記録手段に於いては、長距離連続記録時に、距離の
誤差が記録紙上で大きな距離の誤差となって現れ、距離
もしくは位置に正確に対応した受光レベルの記録ができ
ないという問題があった。

【０００８】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
光信号を送受信する送光器及び受光器により固定体と移
動体が相互に光空間伝送を行なうシステムに於いて、移
動体の移動速度に対応した紙送り速度で固定体側送光器
から送信された光信号の受光レベルを連続記録すること
により、移動した距離が記録紙上で認識でき、各距離又
は各位置に対応した受光レベルの確認が記録紙上で容易
に認識できるとともに、長距離連続記録時に、距離の誤
差を補正して、距離もしくは位置に正確に対応した受光
レベルの記録が行なえる移動体情報記録方式を提供する
ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、固定体側送光
器から送出される光信号がカバーするエリア内を移動体
が走行している際に、移動体側受光器が受光した光信号
の受光レベルを連続記録するとき、移動体の移動速度に
対応した紙送り速度で光信号の受光レベルを連続的に記
録するとともに、その受光レベルの長距離連続記録時
に、指定距離もしくは指定位置にて移動体を一時停止さ
せ、その各停止時毎に上記記録紙上に、距離補正用の停
止マークを記録させて、その停止マークを移動距離の補
正に用いることにより、受光レベルの長距離連続記録時
に発生する記録紙上での距離の誤差を補正することを特
徴とする。

【００１０】即ち、本発明は、光信号を送受信する送光
器及び受光器により相互に光空間伝送を行なう固定体及
び移動体でなるシステムに於いて、上記固定体側に、上
記移動体の所定移動範囲をカバーするエリア内に於いて
光信号を送出する送光器を設け、上記移動体側に、上記
光信号を受光する受光器と、移動速度を検出する速度検
出手段と、受光器で受光した光信号の受光レベルを速度
検出手段で検出された移動速度に従う紙送り速度で記録
紙上に連続記録する記録手段と、停止時に停止マークを
記録紙上に記録する記録手段とを設けて、固定体側の送
光器から送出される光信号がカバーするエリア内を移動
体が移動しているとき、移動体側にて受光器で受光した
上記光信号の受光レベルを上記速度検出手段で検出され
た移動速度に従う紙送り速度で記録紙上に連続記録する
際に、移動体停止時に於ける停止マークを移動距離の補
正情報として同一記録紙上に記録することを特徴とす
る。

【００１１】

【作用】上記した本発明の構成に於いては、移動体の移
動速度に対応した紙送り速度で固定体側送光器から送信
された光信号の受光レベルが記録紙上に連続記録される
とともに、移動体を指定距離もしくは指定位置にて一時
停止させて、その移動体停止時に於ける停止マークを移
動距離の補正情報として同一記録紙上に記録することか
ら、移動した距離が記録紙上で認識でき、各距離又は各
位置に対応した受光レベルの確認が記録紙上で容易に認
識できるとともに、長距離連続記録時に、距離の誤差を
補正して、距離もしくは位置に正確に対応した受光レベ
ルの記録が行なえる。

【００１２】

【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例を説明
する。図１は本発明の一実施例に於ける全体の構成を示
すブロック図である。図１に於いて、１は軌道１付近に
設置された固定体側の赤外線送光器である。２乃至１１
はそれぞれ移動体側に設けられるもので、２は送光器１
から送出される光信号（赤外光線）を受光する赤外線受
光器、３は受光器２で受光した光信号（赤外光線）を直
流電圧レベルの信号（受光レベル信号）に変換するログ
アンプ、、４はログアンプ３より出力される受光レベル
値を電圧変化量として記録紙上に連続記録する受光レベ
ル記録部である。

【００１３】５は移動体の車輪、６は車輪５の回転数に
従う距離信号を出力する車両機器であるジェネレータ、
７はジェネレータ６より出力された距離信号を記録計用
距離パルスに変換する距離パルスインタフェース、８は
距離パルスインタフェース７より出力される記録計用距
離パルスに従う紙送り速度で記録計１１の記録紙を紙送
り制御する記録紙送出速度コントロール部である。

【００１４】９は距離パルスインタフェース７から分岐
したパルス信号を受けて、移動体停止による車輪５の回
転停止に伴う無信号状態を検知し、同状態が一定時間続
いたとき停止確認信号を出力する無信号感知回路、１０
は無信号感知回路９より停止確認信号を受けたとき、記
録計１１の記録紙上に停止マーカーを記録するマーカー
記録部である。

【００１５】１１はログアンプ３より出力される受光レ
ベル値を電圧変化量として記録紙上に連続記録する受光
レベル記録部４と、距離パルスインタフェース７より出
力される記録計用距離パルスに従う紙送り速度で記録紙
を紙送り制御する記録紙送出速度コントロール部８と、
無信号感知回路９より停止確認信号を受けたとき、マー
カーを記録紙上に記録するマーカー記録部１０とを備え
てなる記録計であり、固定体側の送光器１から送出され
る光信号がカバーするエリア内を移動体が移動している
とき、移動体側にて受光器２で受光した上記光信号の受
光レベルを車輪５の回転数信号に伴い速度検出された移
動速度に従う紙送り速度で記録紙上に連続記録するとと
もに、移動体停止時に於ける停止マークを移動距離の補
正情報として同一記録紙上に記録する。

【００１６】図２は上記実施例に於ける記録信号波形を
示す図であり、同図（ａ）は受光レベルの記録波形を示
す図、同図（ｂ）は停止マーカーの記録波形を示す図で
ある。尚、図中、Ｔ１は移動体の減速期間、Ｔ２は移動
体の加速時間、Ｔ３は移動体の定速期間、Ｔ４は移動体
の停止時をそれぞれ示す。

【００１７】ここで上記各図を参照して本発明の実施例
に於ける動作を説明する。軌道上の予め定められたエリ
ア内を対象に、軌道付近の所定位置に設置された赤外線
送光器１より光信号（赤外光線）が出力される。

【００１８】移動体は、上記軌道上を走行し、上記送光
器１より出力された光信号（赤外光線）がカバーするエ
リア内に入ると、移動体に搭載された受光器２が上記送
光器１より出力された光信号（赤外光線）を受光する。

【００１９】この受光器２に受光された光信号（赤外光
線）の一部が記録計用として分岐されログアンプ３へ入
力される。ログアンプ３は、受光器２より入力した光信
号（赤外光線）をＤＣ電圧に変換し、光信号レベルを電
圧変化として記録計１１の受光レベル記録部４に送出す
る。記録計１１の受光レベル記録部４はこのログアンプ
３より出力される受光レベル値を電圧変化量として記録
紙上に連続記録する。

【００２０】一方、移動体の上記エリア内走行時に於け
る車輪５の回転数信号はジェネレータ６に入力される。
ジェネレータ６は、車輪５の回転数を周波数に対応させ
たサイン波の距離信号に変換して距離パルスインタフェ
ース７に送出する。

【００２１】距離パルスインタフェース７はジェネレー
タ６より出力された距離信号を記録計用距離パルスに変
換して記録計１１の記録紙送出速度コントロール部８に
送出する。記録計１１の記録紙送出速度コントロール部
８は距離パルスインタフェース７より出力される記録計
用距離パルスに従う紙送り速度で記録計１１の記録紙を
紙送り制御する。これにより、固定体側の送光器１から
送出される光信号がカバーするエリア内を移動体が移動
しているとき、移動体側にて受光器２で受光した上記光
信号の受光レベルが上記速度検出手段で検出された移動
速度に従う紙送り速度で記録紙上に連続記録される。

【００２２】又、距離パルスインタフェース７から分岐
したパルス信号は無信号感知回路９に入力される。無信
号感知回路９は移動体停止による車輪５の回転停止状態
が一定時間続いたとき停止確認信号を記録計１１のマー
カー記録部１０に出力する。

【００２３】記録計１１のマーカー記録部１０は、無信
号感知回路９より停止確認信号を受けると、記録計１１
の記録紙上に停止マーカーを記録する。このように、記
録計１１は、ログアンプ３より出力される受光レベル値
を電圧変化量として記録紙上に連続記録する受光レベル
記録部４と、距離パルスインタフェース７より出力され
る記録計用距離パルスに従う紙送り速度で記録紙を紙送
り制御する記録紙送出速度コントロール部８と、無信号
感知回路９より停止確認信号を受けたとき、マーカーを
記録紙上に記録するマーカー記録部１０とを備えて、固
定体側の送光器１から送出される光信号がカバーするエ
リア内を移動体が移動しているとき、移動体側にて受光
器２で受光した上記光信号の受光レベルを車輪５の回転
数信号に伴い速度検出された移動速度に従う紙送り速度
で記録紙上に連続記録するとともに、移動体停止時に於
ける停止マークを移動距離の補正情報として同一記録紙
上に記録する。この際の受光レベルの記録波形を図２
（ａ）に示し、停止マーカーの記録波形を同図（ｂ）に
示す。尚、図２に於いて、Ｔ１は移動体の減速期間、Ｔ
２は移動体の加速時間、Ｔ３は移動体の定速期間、Ｔ４
は移動体の停止時をそれぞれ示す。

【００２４】以上の動作により、受光レベルを電圧変化
として移動体の移動速度に対応した紙送り速度で連続記
録し、この受光レベルの長距離区間に亘る連続記録時に
於いて指定距離もしくは指定位置にて移動体が一時停止
したとき、記録紙上に停止マーカーが自動記録されるこ
とから、その停止マークを距離の補正に用いることによ
って、長距離連続記録時に発生する記録紙上での距離の
誤差を補正することができる。

【００２５】

【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、光
信号を送受信する送光器及び受光器により相互に光空間
伝送を行なう固定体及び移動体でなるシステムに於い
て、上記固定体側に、上記移動体の所定移動範囲をカバ
ーするエリア内に於いて光信号を送出する送光器を設
け、上記移動体側に、上記光信号を受光する受光器と、
移動速度を検出する速度検出手段と、受光器で受光した
光信号の受光レベルを速度検出手段で検出された移動速
度に従う紙送り速度で記録紙上に連続記録する記録手段
と、停止時に停止マークを記録紙上に記録する記録手段
とを設けて、固定体側の送光器から送出される光信号が
カバーするエリア内を移動体が移動しているとき、移動
体側にて受光器で受光した上記光信号の受光レベルを上
記速度検出手段で検出された移動速度に従う紙送り速度
で記録紙上に連続記録する際に、移動体停止時に於ける
停止マークを移動距離の補正情報として同一記録紙上に
記録する構成としたことにより、移動した距離が記録紙
上で認識でき、各距離又は各位置に対応した受光レベル
の確認が記録紙上で容易に認識できるとともに、長距離
連続記録時に、距離の誤差を補正して、距離もしくは位
置に正確に対応した受光レベルの記録及び情報認識が記
録紙上で容易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に於ける全体の構成を示すブ
ロック図。

【図２】上記実施例に於ける記録信号波形を示す図
（（ａ）は受光レベルの記録波形を示す図、（ｂ）は停
止マーカーの記録波形を示す図）。

【符号の説明】

１…送光器（赤外線送光器）、２…受光器（赤外線受光
器）、３…ログアンプ、４…受光レベル記録部、５…車
輪、６…ジェネレータ、７…距離パルスインタフェー
ス、８…記録紙送出速度コントロール部、９…無信号感
知回路、１０…マーカー記録部、１１…記録計。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光信号を送受信する送光器及び受光器に
   より相互に光空間伝送を行なう固定体及び移動体でなる
   システムに於いて、 上記固定体側に、上記移動体の所定移動範囲をカバーす
   るエリア内に於いて光信号を送出する送光器を設け、 上記移動体側に、上記光信号を受光する受光器と、移動
   速度を検出する速度検出手段と、受光器で受光した光信
   号の受光レベルを速度検出手段で検出された移動速度に
   従う紙送り速度で記録紙上に連続記録する記録手段と、
   停止時に停止マークを記録紙上に記録する記録手段とを
   設けて、 固定体側の送光器から送出される光信号がカバーするエ
   リア内を移動体が移動しているとき、移動体側にて受光
   器で受光した上記光信号の受光レベルを上記速度検出手
   段で検出された移動速度に従う紙送り速度で記録紙上に
   連続記録する際に、移動体停止時に於ける停止マークを
   移動距離の補正情報として同一記録紙上に記録すること
   を特徴とした移動体情報記録方式。