JP2799036B2 - 放射線検出素子および放射線検出器 - Google Patents

放射線検出素子および放射線検出器

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は放射線検出素子および放射線検出器に関する
ものである。詳しく述べると、本発明は、超電導トンネ
ル接合を用いた放射線、光等の検出素子および検出器に
関するものである。
(従来の技術) 超電導トンネル接合を用いた放射線検出素子は、従来
の半導体検出素子に比べて数千倍大きな信号電荷が得ら
れ、数10倍優れたエネルギー分解能を有する可能性があ
り、近年、開発が進められている[例えば、応用物理
第53巻 第6号 第532〜537頁(1984年)、エイ、バロ
ーネ(A.Barone)編「スーパーコンダクティブ、パーテ
ィクル、ティテクターズ(Superconductive Particle D
etectors」(1988)ワールド サイエンティフィック
(World Scientific)]。また、いわゆる光は、放射線
であるX線と同様に電磁波であり、超電導トンネル接合
を用いた光センサーは、遠赤外から紫外領域までの広い
波長域の光に対して高感度となり得る。
従来、超電導トンネル接合を用いたX線、光等の放射
線の検出素子としては、第2図および第3図に示すよう
な構造を有する素子が開発されている。この第2図およ
び第3図に示す検出素子においては、下部電極となる超
電導体101と、この下部電極となる超電導体101の上面お
よび一側面を囲む形状を有する対向電極である超電導体
102との間の接合面全面に薄い絶縁層(トンネル障壁
層)103が配置される構造となっている。なお、第3図
において、符号111は上部配線を、また符号112は下部配
線をそれぞれ表すものである。
放射線検出素子あるいは光センサーとしての性能向上
には、放射線あるいは光子の検出効率向上のために、放
射線や光子のエネルギー吸収体となる超電導体の平面積
を大きくすることが必要である。しかしながら、第2図
および第3図に示す構造を有るる素子において平面積A
を拡大するとそれに比例してトンネル接合の静電容量C
が大きくなり、放射線や光子の検出信号Vが小さくなっ
てしまうという問題点が生じてしまうものであった。す
なわち、信号電荷をQとしたとき、Qによって接合の両
端に生じる電圧変化Vは最大でQ/Cであり、CはAに比
例するのでAが大きくなると信号は小さくなってしま
う。超電導トンネル接合では絶縁層の厚さが数10Å以下
と非常に薄いために単位面積当りの静電容量が極めて大
きい(例えば、Nb/AlOx/Nb接合では6μF/cm2程度)。
すなわち、例えば1cm2の接合を考えると静電容量Cは半
導体放射線検出器では数10pFないし数100pFであるのに
対し、Nb/AlOx/Nb接合では6μFと半導体検出器の4な
いし5桁も大きくなってしまう。このため信号電荷Qが
たとえ半導体の数千倍と大きくとも、信号電圧が小さく
なれば、アンプなどからくる電気雑音の影響が相対的に
大きくなるために接合面積が数100μm×数100μm以上
の接合では高感度もエネルギー高分解能も期待できな
い。
超伝導トンネル接合を大面積化するのが困難な理由と
しては前記の静電容量Cの問題以外に素子の電気抵抗R
の問題がある。
以下、素子の電気抵抗とは、超伝導トンネル接合に磁
場をかけてDCジョセフソン効果を抑制しておき、1接合
当り超伝導体のギャップエネルギーEgに相当する電圧
(Eg/e)以下の電圧をかけたときのそのバイアス点での
動的抵抗値を指すものである。
放射線検出素子の電気抵抗Rが小さいと、電気雑音が
増加し、かつ、信号の大きさは小さくなるためにやはり
高感度もエネルギー高分解能も期待できなくなる(例え
ば、Jpn.J.Appl.Phys.28(1989)L459)。超伝導トンネ
ル接合の電気抵抗Rを大きくするには絶縁層(トンネル
障壁)を厚くすることも考えられるが、絶縁層を厚くす
るとトンネル効果による電荷の収集効率と電荷収集速度
も低下してしまう。
このため、絶縁層は薄くしておき(10〜30Å)、使用
時の超伝導トンネル接合の温度Tを超伝導臨界温度TC
り十分低く(T<0.2TC)して、熱励起電子によるトン
ネル電流を減少させるのが一般的である(例えば、J.Ap
pl.Phys.55(1984)3185)。温度を十分低くすればトン
ネル電流はほとんど零となり接合の電気抵抗は十分大き
くなるはずであるが、実際はなかなかそうはならない。
それはトンネル効果によるトンネル電流以外に接合の欠
陥等によるリーク電流があるからである。リーク電流の
種類としては接合面の欠陥による面リークと接合の端部
の欠陥によるエッジリークとが考えられる。リーク電流
は面リークであれば接合の面積に比例すると、またエッ
ヂリークであれば接合の周辺長に比例すると考えられ
る。例えばNb/AlOx/Nb接合のリーク電流を調べた例(TE
CHNICAL DIGEST OF THE 8TH SENSOR SYMPOSIUM,1989.pp
247)ではエッヂリークが主であった。そのようなリー
ク電流も超伝導体放射線検出器の大面積化を困難にして
いる大きな要因である。
このように、超伝導トンネル接合を用いた従来の放射
線検出器は、検出効率向上のための大面積化が困難であ
るという重大なる欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 従って本発明は、上記のごとき従来の問題を解決した
新規な放射線検出素子および放射線検出器を提供するこ
とを目的とするもである。より詳しく述べると、大面積
化に伴う素子の静電容量の増大と電気抵抗の低下を従来
素子に比べて大幅に抑制した放射線検出素子および放射
線検出器を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、超伝導トンネル接合を放射線の検出素
子として用いる放射線検出素子において、トンネル接合
部の単位面積当りの静電容量がCO[F/cm2]である超伝
導トンネル接合を4個以上直列に接続して構成した素子
であり、素子のトンネル接合部の総面積をS[cm2]と
したとき、接合の数が0.05(SCO/(20×10-12F))0.5
より大きく、かつ20(SCO/(5×10-12F))0.5あるは1
0SCO/(5×10-12F)のいずれか大きい方よりも小さい
ことを特徴とする放射線検出素子によって達成される。
上記諸目的はまた、超伝導トンネル接合を放射線の検
出素子として用いる放射線検出素子において、トンネル
接合部の単位面積当りの静電容量がCO[F/cm2]である
超伝導トンネル接合あるいはこの超電導トンネル接合を
直列に接続した直列接合を2つ以上並列に接続し、かつ
少なくとも1つ以上の直列接合でこの超電導トンネル接
合を4個以上接続して構成した素子であり、素子のトン
ネル接合部の総面積をS[cm2]としたとき、少なくと
も1つの直列接合で接合の数が0.05(SCO/(20×10
-12F))0.5より大きく、かつ20(SCO/5×10-12F))
0.5あるいはSCO/(5×10-12F)のいずれか大きい方よ
りも小さいことを特徴とする放射線検出素子によっても
達成される。
上記諸目的はさらに、超伝導トンネル接合を放射線の
検出素子として用いる放射線検出素子と信号増幅器とか
らなる放射線検出器において、トンネル接合部の単位面
積当りの静電容量がCO[F/cm2]である超伝導トンネル
接合を4個以上直列に接続して構成した素子であり、素
子のトンネル接合部の総面積をS[cm2]とし、素子か
らみた信号増幅器側の入力静電容量をC′[F]とした
とき、接合の数が0.05(SCO/C′)0.5より大きく、かつ
20(SCO/C′)0.5あるいは10SCO/C′のいずれか大きい
方よりも小さいことを特徴とする放射線検出器によって
も達成される。
上記諸目的はさらにまた、超伝導トンネル接合を放射
線の検出素子として用いる放射線検出素子と信号増幅器
とからなる放射線検出器において、前記放射線検出素子
はトンネル接合部の単位面積当りの静電容量がCO[F/cm
2]である超伝導トンネル接合あるいはこの超電導トン
ネル接合を直列に接続した直列接合を2つ以上並列に接
続し、かつ少なくとも1つ以上の直列接合でこの超電導
トンネル接合を4個以上接続して構成した素子であり、
素子のトンネル接合部の総面積をS[cm2]とし、素子
からみた信号増幅器側の入力静電容量をC′[F]とし
たとき、少なくとも1つの直列接合で接合の数が0.05
(SCO/C′)0.5より大きく、20(SCO/C′)0.5あるいは
10SCO/C′のいずれか大きい方よりも小さいことを特徴
とする放射線検出器によっても達成される。
(作用) 本発明の作用を説明するために、n個の接合を電気的
に直列に接続して達成した放射線検出素子からの信号に
ついて考える。まずここでは個々の接合の静電容量Cは
等しく、リーク電流は十分小さくて抵抗値は無限大とし
ておく。この直列接合素子には外部から大きな抵抗RB
通じてバイアス電圧をかけておく(第4図参照)が、信
号発生には放射線によって生じる電荷とそれによる電圧
変化分のみが重要でるので以下ではバイアスのための回
路は図示はしない。また電圧としても電圧の変化分のみ
を記す。
信号増幅器につないでいない素子のある1個の接合に
放射線が入射した場合、接合で放射線によって励起され
た電子(準粒子)はトンネル効果によってトンネル障壁
を通過し、接合には電荷Qが発生する。その電荷Qによ
ってこの接合にはV=Q/Cの電圧(変化)生じ、素子全
体にもVの電圧が生じる。
放射線検出器として用いる場合、実際には信号を増幅
したりインピーダンスを変換するために素子から信号線
を引き出してFET等の増幅器につなぐ必要がある。その
場合の電荷の状態を第5図に示す。C′はFET等の信号
増幅器の入力静電容量と信号線の静電容量の和である。
増幅器の入力に信号電圧VSが生じるにはC′にQ′=VS
C′の電荷が発生するはずであり、その電荷は第5図に
示されたように素子の各接合にも生じることとなる。直
列接合素子全体にかかる電圧とC′にかかる電圧(VS
は当然等しいので、 この式から、 となり、増幅器の入力にかかる信号電圧VSとなる。
この結果は、静電容量Cの接合をn個直列したものと
静電容量C′を並列に結合した回路に外部からQの電荷
を与えたときの発生電圧 あるいは増幅器がないときの電圧Q/Cとも大きく異なる
ものである。
なお、(3)式は放射線によってある1個の接合でQ
の電荷が発生した場合を考えて導出したが、例えばパル
ス光を素子全体に照射した場合などには素子を構成する
n個全ての接合から同時に電荷が生じる。その電荷を
Q1,Q2……Qnとし、Q=Q1+Q2+……+Qnとすれば増幅
器の入力にかかる信号電圧VSはやはり(3)式で与えら
れる。すなわち、Qを放射線や光によって素子全体で生
じる電荷と考えれば、(3)式はそのまま使用できる。
なお、ここでは個々の接合そのものとしては第2図、
第3図に示された従来型のものを考えていく。もちろん
本発明者らが先に提唱した特願平1−331386号に記載さ
れるような構成の接合を個々の接合として用い、それを
本発明に適用すれば、従来型の接合を用いた場合よりも
更に大面積化が可能となるのは当然のことである。
以下、(3)式に基づいて、接合の直列化によって素
子の大面積化がなぜ可能となるかを説明する。従来型接
合を本発明に用いた場合、n個の直列の接合からなる放
射線検出素子の全面積Sは個々の接合の面積Aのn倍と
なる。
S=nA (4) 超伝導トンネル接合の単位面積当りの静電容量をCOとす
るとC=ACO よって、(3)式で与えられる増幅器の入力にかかる信
号電圧VS(6)式から、検出素子としての全面積Sを一定とした
場合、信号の大きさVSはnに大きく依存することがわか
る。しかも、nが小さすぎても大きすぎてもVSは小さく
なってしまい、 のときにVSはその最大値VS,maxをとる。
あるいは、(6)式右辺の分母をCeff(以下、実効静電
容量とよぶ)、と書くと であり、n=noptのときにCeffはその最小値Ceff,min
となる。
(10)式のCeffをnの変数とみなしてCeff(n)と書
くと、面積Sの従来素子でのCeffは、Ceff(1)であ
り、 Ceff(1)=SCO+C′ (11) また VSをできるだけ大きくするには、Ceffは小さいほど良
く、(11)式からも(12)式からもC′は小さいほど良
いことは明らかである。実際、放射線検出器や光センサ
ーではC′をできるだけ小さくし、C′は数10pF以下と
するのが通常である。
第6図と第7図には、仮にC′=20pF、Co=6μF/cm
2とした場合の、Sとnoptの関係およびSとC
eff(nopt)、Ceff(1)との関係がそれぞれ示してあ
る。Sが大きいほど、Ceff(nopt)とCeff(1)の比C
eff(nopt)/Ceff(1)は増大し、本発明の効果は顕著
となることが第7図から明らかである。
例えば、超電導体でのQが半導体検出器でのそれの10
00倍であるとし、Ceffが20nFまでは半導体検出器以上の
性能が得られると仮定した場合、従来型素子ではS<0.
0034cm2でなければならないのに対し本発明によれば約1
cm2までの大面積化が可能となる。あるいは同じ面積の
素子で比較すれば、本発明の素子では従来素子に比べて
大きな信号電圧が得られることになる。もちろん第7図
はC′=20pF、CO=6μF/cmとした場合のものであり、
これらの値がもっと小さくなればより大面積化が可能と
なるのは当然である。
次に素子の抵抗値について述べる。まず、素子抵抗が
面リーク電流で決定される場合を考える。トンネル接合
の単位面積当りの抵抗をrとすれば面積Sの従来素子の
抵抗R1は R1=r/S o (13) 面積の等しい接合がn個直列になった接合部総面積がS
の素子の抵抗Rnは、1個の接合の面積が小さくなると同
時に直列に抵抗が重ねられることから、 Rn=(r/S) (14) n=noptのときの抵抗Rn,optとなる。
例えば、C′=20pF、Co=6μF/cm2の場合であれ
ば、 となり、Rn,optはSに関係なく面積3.33×10-6cm2(=
18.3μm×18.3μm)の1個の接合の抵抗値に等しくな
る。
素子抵抗がエッヂリーク電流で決定される場合を次に
考える。この場合の接合の抵抗は接合の辺長に反比例す
る。面積の異なる接合を考えるとき、その形が相似形で
あればその辺長は接合の面積の平行根に比例する。この
場合、単位面積の接合の抵抗をρとすれば、面積Sの従
来素子の抵抗R1となり、面積の等しい接合がn個直列になった接合部総
面積がSの素子の抵抗Rnは、 となり、n=noptのときの抵抗Rn,optとなる。
従来素子における素子面積と抵抗R1との関係、および
本発明の素子における素子面積と抵抗Rn,optとの関係
を第8図に示す。この場合もC′=20pF,Co=6μF/cm2
を仮定しており、nopt=1すなわち面積3.33×10-6cm2
の接合の抵抗値でR1とRn,optを規格化してある。接合
の抵抗が面リーク電流によって決定されていてもエッヂ
リーク電流によって決定されていても、本発明の素子に
おける素子の大面積化に伴う低抵抗化を防止できること
がこの第8図から明らかである。
これまでは、放射線や光が直接に超伝導トンネル接合
で吸収されそれによって信号が発生する場合を考えてき
た。
超伝導トンネル接合を放射線検出に利用する他の方法
として次のようなものがある。すなわち、放射線や光を
ある物質に吸収させ、それによって発生するフォノンの
量をその物質に密着して形成した超伝導トンネル接合で
測定することによって放射線のエネルギーや光の強度を
測定するというものである。この方法は、超電導体では
超伝導体のギャップエネルギーよりエネルギーの大きい
フォノンによってそのフォノンのエネルギーに比例した
数の電子が非常に効率的に励起されるという理論計算の
結果(Nucl.Instrum.and Method 196(1982)275)に基
づいている。
まずこの方法は、倉門によって、光センサーとして考
案された(特開昭61−271879号)。金属系の超伝導トン
ネル接合を光センサーとして用いる場合、直接に光子を
接合に吸収させようとしても、金属の反射率が高いため
に感度が低くなってしまう。そこで、超伝導トンネル接
合の上に反射率の低い光吸収層を形成し、光をフォノン
に変換してそのフォノンを超伝導トンネル接合で検出す
ることによって光を検出するというものである。
ビー. ニューハウザー(B.Neuhauser)らは、放射
線吸収体として単結晶の半導体か絶縁体を用い、その表
面に多数の超伝導トンネル接合素子を設けておき、放射
線によって絶縁体内部から発生するフォノンを測定する
という方法を提案した(IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETI
CS,MAG−23(1987)469:サイエンス,2月号(1987)P.2
0)。フォノンが伝搬しやすい単結晶を用いるので放射
線吸収体は数cmの厚さとすることもできるという利点が
ある。厚くできれば透過力の強い放射線も効率良く検出
できることになる。またこの場合には絶縁体表面に達す
るフォノンの分布から絶縁体内のどこで放射線がエネル
ギーを失ったかも知る事ができるといる利点もある。た
だし放射線のエネルギーを測定する場合には、たとえ放
射線のエネルギーは一定でも放射線がエネルギーを失っ
た位置によって個々の接合に入ってくるフォノンの量が
異なってしまうことは逆に大きな問題となる。
ニューハウザーらは、超伝導トンネル接合素子として
は何ら特別な構造を考えておらず、放射線のエネルギー
を知るには多数配置した接合素子それぞれから取り出し
て増幅した信号を合計する必要がある。そして従来の超
伝導トンネル接合では個々の接合の面積をあまり大きく
できないため、放射線吸収体を大きくすればますます多
くの接合を配置してそれぞれから信号を取出して増幅す
る必要が生じる訳である。
もし放射線が放射線吸収体内でエネルギーを失う位置
が仮に同じだとしても、放射線のエネルギーを高分解能
で測定するにはやはり多くの接合からの信号をそれぞれ
取り出し増幅して合計する必要が生じる訳である。なぜ
なら、接合面積は小さいので、放射線のエネルギーのう
ち1個の接合からの信号に寄与する分はわずかであり、
その接合内で励起される電子の数も少なくその数の統計
的ゆらぎが大きくなり、エネルギー分解能は低くなるか
らである。
このような放射線や光をフォノンに変換し、そのフォ
ノンを超伝導トンネル接合で測定する方式の超伝導放射
線検出器でも本発明の素子は大いに有用である。なぜな
らば、超伝導接合素子1個ごとの面積を大幅に増大さ
せ、信号を取り出すべき素子数を大幅に低減できるから
である。もちろんそのときは、放射線がエネルギーを失
った位置の分解能は、仮に接合1個ごとから信号を別個
に取り出した場合よりも、低下するであろうことは当然
である。また、本発明の素子であれば、素子面積を大き
くできるため放射線や光の吸収体からのフォノンの大部
分を1個の素子で吸収させてエネルギー高分解能とする
こともできる。
なお、これまではn個の接合を直列に接続して1つの
素子としたものを考えてきたが、例えばこの直列接合を
さらにm個並列に接続したもの(第9図にはn=5,m=
3の場合の接合を例示する。)を1つの素子としてもよ
い。その場合は1素子を構成する超伝導トンネル接合の
数はmn個である。1接合の接合部の面積をAとすれば、
S=Amnとなる。この素子の実効静電容量Ceffは、(1
0)式でC′の代りにC′と(m−1)個の直列接合を
並列にしたものの静電容量、C′+(m−1)C/n、を
代入することによって容易に求めることができる。ここ
でCは接合1個当りの静電容量であり、 である。
よって となり、Sとnが決まればCeffはmに依存せず、(10)
式と同じ結果となる。
また、これまでは1つの素子に用いる各接合の面積と
静電容量は同じだとしてきた。実際、例えばX線の検出
を行なう場合など、ある1つの放射線のエネルギーがあ
る1個の接合に与えられる場合には、各接合の静電容量
がそろっていないと放射線がどの接合にエネルギーを与
えたかで信号の大きさが違ってきてしまう。すなわち、
そのような場合には確かに各接合の静電容量はできるだ
け同じである必要がある。一方、素子全面に光が照射さ
れる場合や、放射線のエネルギーがフォノンに変換され
そのフォノンが広く拡がって素子に入射する場合などに
は全ての接合から同時に信号電荷が発生する訳であるか
ら各接合の静電容量は必ずしも同じである必要はない。
なお、本発明の素子あるいは検出器で素子が1つの直
列接合のみからなる場合に、接合の数nを4以上とした
のは、nが4より小さければ、静電容量を小さく抑える
効果が小さくかつ抵抗値の増大効果も小さく、わざわざ
直列接合化する意味があまりないためである。nが0.05
(SCO/C′)0.5より大としたのは、それよりnが小さけ
ればn=noptとしたときよりもCeffが10倍以上となって
しまうし、抵抗値の増大効果も小さいからである。nが
20(SCO/C′)0.5あるいは10SCO/C′のいずれか大きい
方よりも小さいとしたのは、20(SCO/C′)0.5より大き
ければn=noptとしたときよりもCeffが10倍以上となっ
てしまうからであり、SCO/C′より大きければCeffが従
来素子よりも大きくなるものの抵抗値の増大効果が大で
あるのでnが10(SCO/C′)程度までは本発明の効果が
充分あると考えられるからである。
C′は使用する増幅器で主に決定されるものであり、
検出素子のみを考える場合にはnoptの決定はできない。
しかし、(12)式から、C′が小さいほど本発明の効果
が大であることは明らかである。後述のように実施例で
使用した増幅器では入力静電容量が大きくC′は150pF
程度であったが、高分解能のために入力静電容量を小さ
くした場合には、C′=5〜20pFであるのが通常であ
る。そこで、本発明の素子としては、1直列の接合の数
nは0.05(SCO/(20×10-12F))0.5より大きく、20(S
CO/(5×10-12F))0.5あるいは10SCO/(5×10-12F)
のいずれか大きい方よりも小さい、とした訳である。
また、1つの直列接合に並列に他の接合をつないで1
個の素子とする場合には、他の接合は直列接合であって
も1個だけの接合であってもよい。
(実施例) 本発明の一実施例を以下に示す。
第1図には素子の平面図が示してあり、基板中心部に
直列接合素子が設けてある。第10図には素子の中の数個
の接合の部分を拡大した平面図、第11図にはその断面図
を示す。
素子11の形成はまず、R面サファイア基板12上全面に
単結晶Nb膜を約200nm、その上に多結晶Nb膜を約20nm、
さらにその上にAlを約10nm成膜し、そのAlの表面を酸化
させてトンネル障壁AlOxとした。その後さらにその上に
多結晶Nbを約20nm成膜した。このようにしてサファイア
基板上に形成したNb−Al−AlOx−Nb(下部超伝導層−絶
縁層−上部超伝導層)をSNIP法(Appl.Phys.Lett.41(1
982)1097)で微細加工して複数の接合13を形成し、接
合間の上部配線はその後にさらにNbの成膜と微細加工に
よって作製した。なお、第11図において、符号15は下部
超電導体(Nb)、符号16はトンネル障壁(AlOx)、符号
17は上部超電導体(Nb)、符号18は上部配線(Nb)、符
号19は絶縁体(SiO)をそれぞれ示すものである。単結
晶Nb膜を用いて接合を作製したのは、下部超伝導体15中
で励起された電子が効率的にかつすみやかにトンネル効
果によって信号として取り出させるためである(特願平
1−229547号)。本実施例の場合にはサファイア基板12
の上にNbをエピタキシャル成長させることによって基板
12から下部超伝導体15にフォノンが通りやすくするねら
いもあった。
作製した素子は1接合当りの接合部の面積が20μm×
20μmの接合を8000個直列に接続したもの)(素子A)
と、1接合部当りの接合部の面積が100μm×100μmの
接合を960個直列に接続したもの(素子B)との2種類
である。どちらの素子でも密集して配置された接合によ
って覆われた部分(以下、素子領域と呼ぶ)の面積は0.
16cm2である。接合部の総面積としても、素子Aでは0.0
32cm2、素子Bでは0.096cm2と、従来の超伝導体放射線
検出素子に比べると1000倍程度大きなものである。
素子からの信号はケーブルで増幅率が0.45V/pCの電荷
有感型前置増幅器に導かれ増幅された。前置増幅器の初
段アンプは接合型FETである。前置増幅器の出力はさら
に主増幅器で増幅と波形整形された後にマルチチャンネ
ル波高分析器に入力され、信号の波高スペクトルが測定
される。FETとケーブルを合せた静電容量C′は約150pF
であった。C′=150pF、CO=6μF/cm2のとき、S=0.
032cm2の素子Aでは(7)式から求まるnoptは36個、S
=0.096cm2の素子Bではnoptは62個となる。すなわち、
素子A、素子Bともに最適化はされていないが、素子A
(接合数=8000個)に比べれば素子B(接合数=960
個)の方が最適条件に近いのは明らかである。実際、
(10)式のCeffは素子Aに対しては、1.2μF、素子B
に対しては144.6nFとなり、接合部総面積Sの大きい素
子Bの方がCeffは逆に小さい。
素子抵抗は、素子Aでは約100kΩ、素子Bでは約2kΩ
と小さかった。
なお、素子Aでは n=224nopt=224(SCO/C′)1/2 =6.25nopt 2 =6.25(SCO/C′) となり、素子Bでは n=15.5nopt =15.5(SCO/C′)1/2 =0.25nopt 2 =0.25(SCO/C′) となる。すなわち素子A,Bともにそのnは本発明の範囲
内にある。
第12図に示すように、これらの素子に基板12の裏側か
ら5.3MeVのα粒子20を照射した。サファイア基板12の厚
さは約400μmであり、α粒子20のサファイア中での飛
程20〜30μmより充分厚い。このためα粒子20は基板12
の裏側でエネルギーを失い、そのエネルギーはフォノン
21となる。そのフォノン21を表側に設けた素子11で検出
することによってα粒子20を検出することになる。な
お、第12図において、符号22は銅板、符号23はワニス、
符号24は信号線をそれぞれ示すものである。
第13図には素子Aでの信号の波高スペクトルが示して
ある。すなわち横軸は、α粒子1個1個による信号の大
きさ、縦軸はその大きさの信号が測定時間内に何回生じ
たかというカウント数である。第13図において横軸で0
から100チャンネルあたりまではカウント数が多いのは
ノイズによるものであり、100チャンネルより右側に出
ているのがα粒子による信号である。200チャンネルあ
たりのピークの信号の大きさは、前置増幅器出力で約1m
Vであった。
この結果を従来の超電導体放射線検出素子を用いる場
合と比較してみる。接合面積S=0.032cm2の従来の素子
であれば、静電容量は192nFとなり素子AのCeff=1.2μ
Fより小さい。しかしながら素子抵抗に関しては、従来
素子と素子Aとには大きな差が生じる。n=8000の素子
Aの抵抗値=約100kΩから計算すると、S=0.032cm2
従来素子であればその抵抗値はおおよそ 100kΩ÷(8000)=0.0016Ω(面リーク)〜 100kΩ÷{(0.032)/(0.032÷8000)}0.5 ÷8000=0.14Ω(エッヂリーク) となる。そうであれば、信号はRC=0.3〜27nsという非
常に短い時定数で減衰(放電)してしまうことになる。
一方、信号の発生、すなわち放射線によるフォノン励起
−基板中のフォノン伝搬−超伝導体へのフォノン入射に
よる電子の励起−超伝導体中での励起電子の拡散とトン
ネリング、には1μs程度の時間が必要と推定される。
よって、減衰時間が0.3〜27nsと信号発生に要する時間
よりもはるかに短ければ、信号電圧はVS=Q/Cから期待
できるものよりもはるかに小さくなってしまう。素子A
ではこのCR時定数が信号発生に要する時間より充分長く
なっており、それによって第13図に示されたような信号
の検出が可能となったのである。
すなわち、本実施例の素子Aでは従来素子と比べて実
効静電容量はかなり大きいにもかわらず、本発明によっ
て素子抵抗を大きくできるだけでも、本発明の効果がい
かに大きいかが明らかである。
第14図には素子Bでの信号の波高スペクトルが示して
ある。この場合の信号の大きさは、前置増幅器出力で約
40mVと大きなものであった。そのため、主増幅器の増幅
率は第13図の場合よりも約1桁小さくしてある。ノイズ
による信号が小さくなっているように見えるのはそのた
めであり、素子Aよりも抵抗Rが小さいために、実はノ
イズは第13図の場合よりも少し大きいのであるがそれ以
上にα粒子による信号が大きくなったということであ
る。しかもこの場合にはα粒子による信号の波高スペク
トルは明らかなピークを示しており、放射線のエネルギ
ー弁別にこの検出器が使用できることが明らかである。
α粒子による素子Bからの信号の波形を第15図に示す。
信号の立上り時間は1μs程度と短く、フォノンを介し
て放射線を検出しているにもかかわらず応答速度が速い
ことがわかる。一方、信号の減衰時間は約10μsであ
り、信号の立上り時間より充分長くなっている。
次に、本実施例における5.3MeVα粒子による信号の電
荷量Qについて述べる。もしこの電荷量が小さいと、そ
の電荷量の統計的ゆらぎの割合が大きくなり、エネルギ
ー高分解能は期待できない。
信号の電荷量Qを電荷有感型前置増幅器の出力Vout
ら算出する場合には、前置増幅器の入力静電容量と信号
線と素子の静電容量を並列にしたときの外部からみた静
電容量Cout=(C/n)+C′と素子で発生した電荷に対
する実効静電容量Ceff(=C+nC′)とが異なっている
ことに注意しければならない。ここで、Cは接合1個当
りの静電容量である。なぜなら、よく知られているよう
に、電荷有感型前置増幅器では1個の接合からなる通常
の半導体放射線検出素子に適用した場合に、前置増幅器
出力の大きさVoutが素子の静電容量によらずに信号電荷
のみで決定されるようにしたものであるからである。よ
り詳しく述べると、Coutが大きくなると前置増幅器の入
力に発生する信号電圧VSはCoutに反比例して小さくなる
が、電荷有感型前置増幅器はその電圧増幅率がCoutに比
例して自動的に大きくなるようにすることによってCout
によらずQのみによってその出力の大きさVoutが決定さ
れるようになっているのである。そのため、CoutとCeff
が異なる本発明の素子での信号電荷量Qを電荷有感型前
置増幅器の信号出力の大きさから求めるには、次のよう
にすればよい。
前置増幅器の電圧増幅率GはCoutに比例し、その比例
定数をkとすれば、 G=kCout (20) よって Vout=kCout VS (21) 従来素子では であり、Vout=kQ (23) となる。なお、本実施例の測定に用いた電荷有感度型前
置増幅器ではk=0.45V/pCである。一方、本発明の前記
の実施例では であるから、 (26)式から、本実施例の素子でのQと前置増殖器出力
Voutとの関係は、素子の抵抗が小さいために信号がある
程度減衰してしまっているであろうことを無視すれば、 (27)式から、素子AではQ=18pC、素子BではQ90
pCとなり、従来の半導体検出器としては最もエネルギー
分解能の高いSi検出器(5.3MeV放射線に対しておよそQ
=0.24pC)と比較して、それぞれ約76倍と約380倍も大
きな信号電荷量Qが得られたことになる。素子Aと素子
Bとで信号電荷量Qが異なった理由としては以下のよう
なことが考えられる。すなわち、素子領域はどちらも4m
m×4mmと等しいもののその領域内で下部超伝導体で覆わ
れている面積は異なっており、フォノン29が超伝導体に
吸収される効率が違っていることである。あるいは、サ
ファイア基板12の裏側には銅板22が密着して設けてある
が、密着のしかたが2つの素子で異なっており、銅板12
に逃げてしまうフォノン21の割合が2つの素子で異なっ
ていたことも十分考えられる。
逆にいえば、このようなフォノン21の散逸があるにも
かかわらず従来Si半導体検出器の約380倍も大きな信号
電荷量が得られたことは、本発明による素子の大面積化
が放射線検出にいかに有効かをよく示している。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は検出素子の大面積化に伴
う素子の静電容量の増大と電気抵抗の低下を従来の超伝
導トンネル接合素子に比べて大幅に抑制することを可能
とし、大面積化による放射線あるいは光子の検出効率の
大幅な向上を可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の放射線検出素子の一実施態様の構造を
示す平面図、第2図は超伝導トンネル接合を用いた従来
の放射線検出素子の一例の構成を示す断面図、第3図は
同従来例の平面図、第4図は本発明に係わる直列接合素
子における放射線による信号電荷Qの発生を示す説明
図、第5図は信号電荷Qによる誘導電荷Q′の分布を示
す説明図、第6図はC′=20pF、CO=6μF/cm2のとき
の、トンネル接合部総面積と最適直列接合数noptとの関
係を示すグラフ、第7図は、C′=20pF、CO=6μF/cm
2のときの、トンネル接合部総面積と実効静電容量Ceff
(1),Ceff(nopt)との関係を示すグラフ、第8図
は、C′=20pF、CO=6μF/cm2のときの、トンネル接
合部総面積と素子抵抗との関係を示すグラフ、第9図
は、本発明に係わる5個の接合を直列に接続した直列接
合をさらに3個並列にした素子を例示する図、第10図は
本発明の放射線検出素子の一実施態様の一部分の拡大平
面図、第11図は同実施態様の一部分の拡大断面図、第12
図は本発明の一実施態様による5.3MeVα粒子の測定方法
を示す模式図、第13図は本発明の一実施態様である素子
Aで得られた5.3MeVα粒子による信号の波高スペクトル
チャート、第14図は本発明の一実施態様である素子Bで
得られた5.3MeVα粒子による信号の波高スペクトルチャ
ートであり、また第15図は素子Bからの信号の前置増幅
器出力波形を示す図である。 11……素子、12……基板、13……トンネル接合、14……
電極、15……下部超電導体(Nb)、 16……トンネル障壁(AlOx)、 17……上部超電導体(Nb)、 18……上部配線(Nb)、 19……絶縁体(SiO)、20……α粒子、 21……フォノン、22……銅板、 23……ワニス、24……信号線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 - 39/24 G01T 1/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超伝導トンネル接合を放射線の検出素子と
    して用いる放射線検出素子において、トンネル接合部の
    単位面積当りの静電容量がCO[F/cm2]である超伝導ト
    ンネル接合を4個以上直列に接続して構成した素子であ
    り、素子のトンネル接合部の総面積をS[cm2]とした
    とき、接合の数が0.05(SCO/(20×10-12F))0.5より
    大きく、かつ20(SCO/(5×10-12F))0.5あるは10SCO
    /(5×10-12F)のいずれか大きい方よりも小さいこと
    を特徴とする放射線検出素子。
  2. 【請求項2】超伝導トンネル接合を放射線の検出素子と
    して用いる放射線検出素子において、トンネル接合部の
    単位面積当りの静電容量がCO[F/cm2]である超伝導ト
    ンネル接合あるいはこの超電導トンネル接合を直列に接
    続した直列接合を2つ以上並列に接続し、かつ少なくと
    も1つ以上の直列接合でこの超電導トンネル接合を4個
    以上接続して構成した素子であり、素子のトンネル接合
    部の総面積をS[cm2]としたとき、少なくとも1つの
    直列接合で接合の数が0.05(SCO/(20×10-12F))0.5
    より大きく、かつ20(SCO/5×10-12F))0.5あるいは10
    SCO/(5×10-12F)のいずれか大きい方よりも小さいこ
    とを特徴とする放射線検出素子。
  3. 【請求項3】超伝導トンネル接合を放射線の検出素子と
    して用いる放射線検出素子と信号増幅器とからなる放射
    線検出器において、トンネル接合部の単位面積当りの静
    電容量がCO[F/cm2]である超伝導トンネル接合を4個
    以上直列に接続して構成した素子であり、素子のトンネ
    ル接合部の総面積をS[cm2]とし、素子からみた信号
    増幅器側の入力静電容量をC′[F]としたとき、接合
    の数が0.05(SCO/C′)0.5より大きく、かつ20(SCO/
    C′)0.5あるいは10SCO/C′のいずれか大きい方よりも
    小さいことを特徴とする放射線検出器。
  4. 【請求項4】超伝導トンネル接合を放射線の検出素子と
    して用いる放射線検出素子と信号増幅器とからなる放射
    線検出器において、前記放射線検出素子はトンネル接合
    部の単位面積当りの静電容量がCO[F/cm2]である超伝
    導トンネル接合あるいはこの超電導トンネル接合を直列
    に接続した直列接合を2つ以上並列に接続し、かつ少な
    くとも1つ以上の直列接合でこの超電導トンネル接合を
    4個以上接続して構成した素子であり、素子のトンネル
    接合部の総面積をS[cm2]とし、素子からみた信号増
    幅器側の入力静電容量をC′[F]としたとき、少なく
    とも1つの直列接合で接合の数が0.05(SCO/C′)0.5
    り大きく、20(SCO/C′)0.5あるいは10SCO/C′のいず
    れか大きい方よりも小さいことを特徴とする放射線検出
    器。
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