JP2798113B2 - 成形機における可動部材の制御方法 - Google Patents

成形機における可動部材の制御方法

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JP2798113B2
JP2798113B2 JP6077335A JP7733594A JP2798113B2 JP 2798113 B2 JP2798113 B2 JP 2798113B2 JP 6077335 A JP6077335 A JP 6077335A JP 7733594 A JP7733594 A JP 7733594A JP 2798113 B2 JP2798113 B2 JP 2798113B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形機における可動部
材の制御方法に係わり、特に、射出成形機に設けられた
固定部材に対して、移動限界位置が設定された可動部材
の移動制御に用いて好適な可動部材の制御方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、成形機、例えば、射出成形機に
は、金型キャビティ内に溶融材料を射出するための射出
スクリューや、可動金型が取付けられる可動盤といった
可動部材が設けられており、これらの可動部材は、油圧
シリンダー等の流体圧アクチュエーター、あるいは、ボ
ールねじ機構等の機械的な駆動手段により、固定部材
(例えば、射出スクリューにおいては、この射出スクリ
ューが内挿される加熱筒であり、また、可動盤に取り付
けられる可動金型おいては、前記可動盤に対向配置され
た固定盤に取り付けられる固定金型)に対し、相対的に
進退移動させられるようになっている。
【0003】ところで、このような射出成形機において
は、可動部材と固定部材との衝突による損傷を回避する
ために、射出スクリューにおいては加熱筒の内面先端部
との至近距離において停止させられるようにその前進ス
トロークが設定され、また、可動盤においては、可動金
型が固定金型に対して至近距離に至った時点で所定の速
度となるように減速処理され、その移動の停止は、両金
型の当接によって規制されている。
【0004】詳述すれば、前記射出スクリューにおいて
は、まず、所定速度で前進させられる速度制御により、
前進ストロークの最前端近傍まで前進させられて金型キ
ャビティ内に溶融樹脂を射出し、前記金型キャビティを
充満させる量の溶融材料を射出した時点で減速処理され
るとともに、所定の圧力の下に最前進位置まで前進させ
る圧力制御へ移行させられることにより、射出スクリュ
ーの先端と加熱筒の先端内面との間に残存する材料を介
して、前記金型キャビティ内に射出された材料に保圧を
与えるようになされている。
【0005】そして、前記射出スクリューは、通常時
は、設定された保圧圧力と金型キャビティ内に射出され
た材料の圧力とのバランスによって停止させられ、さら
に、設定された最前進端を越えようとした際に、その位
置検出がなされて、強制的な制動制御により停止させら
れるようになっている。
【0006】また、前者の可動盤においては、可動金型
とともに、固定盤に取り付けられている固定金型へ向け
て所定速度で前進させられ、前記可動金型と固定金型と
の間隔が所定距離となった時点、すなわち、前進ストロ
ークの最前端近傍に至った時点で減速処理され、つい
で、減速後の低速状態のままさらに前進させられること
により、可動金型が固定金型へ緩やかに当接させられ、
そののちに、両金型が所定の圧力で型締めされるように
なされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の射出成形機においては、つぎのような解決すべき
問題点が残されている。以下に、この問題点について詳
述する。
【0008】前述した可動部材が射出スクリューである
場合には、その減速処理や最前進位置での停止処理は、
射出成形機の駆動条件の設定時に設定される射出スクリ
ューの位置情報に基づいて行なわれている。
【0009】しかしながら、例えば、材料の計量が設定
値よりも少なく行なわれた場合、射出のために射出スク
リューは速度制御の下に前進させられたのちに、設定位
置に至った時点で減速処理されるとともに圧力制御に移
行することとなるが、計量が少なく金型キャビティ内へ
の射出量が設定値よりも少ないことから、溶融材料が射
出された金型キャビティ内の圧力も低くなり、圧力制御
において設定された射出スクリューに作用する圧力と前
記材料によって与えられる圧力とのバランスが崩れ、射
出スクリューが、減速処理が不完全のまま最前進位置へ
前進させられてしまう。
【0010】そして、このように減速処理が不完全な状
態で射出スクリューが最前進位置へ前進させられ、その
情報が、射出スクリューの位置検出に基づき検出され
て、強制的な制動制御が行なわれるが、前述したよう
に、射出スクリューの減速処理が不完全で、十分な減速
が行なわれていないこと、また、制動制御時における減
速率が固定された値であることから、制動制御開始時に
おける射出スクリューの初速の大きさによっては、その
慣性力によって射出スクリューの停止が遅れてしまい、
この射出スクリューの先端部と加熱筒内部先端との衝
突、前記射出スクリューの前進をなす射出ラムの先端面
と加熱筒後端面との衝突、あるいは、射出ラムのピスト
ン部前端面と射出シリンダ内部先端との衝突により、前
記射出スクリューの停止がなされることとなる。
【0011】一方、このような各部の衝突といった不具
合は、前述のような原因のほかに、オペレータによる停
止位置の設定ミスによっても発生する。そして、近年で
は、射出速度が、従来の100〜300mm/secに
対して800〜1000mm/secと大幅に高速化さ
れていることから、制動制御開始時における初速の増加
により、前述した不具合の発生度合いが高められるばか
りでなく、不具合が発生した場合における機器の破損規
模が大きくなる。
【0012】また、可動部材が可動盤である場合には、
衝突という不具合の原因が、減速処理の開始位置の設定
ミスと、減速率が固定的であり、減速処理開始時におけ
る可動部材の初速の変化に対応できないことがほとんど
である。そして、このような不具合が発生してしまう
と、高価な金型を破損してしまうこととなる。
【0013】本発明は、前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的とするところは、可動部材の前
進時において、固定部材との衝突を確実に防止すること
のできる射出成形機における可動部材の制御方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
成形機における可動部材の制御方法は、可動部材がフィ
ードバック制御されるものにおいて、成形機の駆動手段
によって進退移動させられる可動部材の移動速度を常時
検出し、この検出した移動速度をVf、停止または停止
に近い減速後の速度をVf0、移動速度をVfからVf0と
するのに要する減速時間をT、可動部材の最大移動速度
をVfmax、また、この最大移動速度Vfmaxから前記移動
速度Vf0とするまでに要する最小減速時間をTminとし
た場合、前記可動部材の制動を開始した位置からのオー
バーラン距離Xを以下の1式および2式によって連続的
に求めて、前記可動部材の移動限界位置から前記オーバ
ーラン距離だけ手前に、前記可動部材の前記検出した
移動速度Vfに応じた制動開始位置を繰り返し設定し、
この設定した制動開始位置に前記可動部材が達した時点
で、前記駆動手段を制動制御に切り換えることを特徴と
する。 X=(Vf×T)÷2 ・・・・・・・・(1式) T=Tmin×(Vf―Vf0)÷(Vfmax―Vf0) ・・・・・・・・(2式)
【0015】そして、進退移動する可動部材の移動速度
の検出とオーバーラン距離および制動開始位置の演算
を、可動部材の進退移動中、連続的に繰り返し行うこと
特徴とする。
【0016】
【0017】
【作用】本発明の請求項1記載の成形機における可動部
材の制御方法においては、進退移動する可動部材の移動
速度が検出されると、この移動速度と、この移動速度か
ら所定速度まで減速するのに必要な減速時間とにより、
制動制御を開始した位置から所定速度に至るまでに可動
部材が移動するオーバーラン距離を求める。また、前記
可動部材の固定部材に対する最前進位置を移動限界位置
として設定しておき、この移動限界位置から前記オーバ
ーラン距離だけ手前に制動開始位置を設定する。そし
て、前記可動部材が設定した制動開始位置に至ると制動
制御が開始され、可動部材が制動開始位置から前記オー
バーラン距離だけ前進したのちに、所定の速度まで減速
される。ここで、前記可動部材の移動限界位置は、成形
機において一義的に決まるものであり、また、オーバー
ラン距離が、可動部材の移動速度に基づき求められるこ
とから、移動速度に応じたオーバーラン距離と制動開始
位置が設定されることとなり、これによって、可動部材
が移動限界位置に至るまでに確実に所定速度に減速され
る。
【0018】また、前記移動限界位置は、可動部材が射
出スクリューである場合には、この射出スクリューが挿
通される加熱筒との当接位置から若干手前側に設定さ
れ、また、可動部材が可動盤である場合には、この可動
盤に取り付けられる可動金型と固定盤に取り付けられる
固定金型との当接位置から若干手前側に設定される。
【0019】さらに、前記減速後の速度は、可動部材が
射出スクリューである場合には、例えば、零かあるいは
即座に停止可能な速度に設定され、また、可動部材が可
動盤である場合には、可動金型と固定金型との当接時の
衝撃力を許容範囲内とする速度に設定される。
【0020】そして、可動部材の制動開始位置からの
ーバーラン距離の演算を、可動部材の進退移動中連続し
て行なうことにより、移動速度の変化に応じて制動開始
位置が繰り返して設定され、これによって制動開始位置
が適確に設定されるとともに、不要な制動制御が行なわ
れることが防止される。
【0021】さらに、成形機における可動部材の最大速
度から所定速度までに至る最小減速時間を基準として、
任意の移動速度からの減速時間を求め、この減速時間に
基づいて、前記任意の移動速度における減速時間が求め
られる。そして、この減速時間の演算が、成形機の能力
によってほぼ一義的に決まる値(最小減速時間)を基準
にして行なわれることから、高精度の減速時間の演算が
行なわれる。また、この減速時間に基づいて演算される
オーバーラン距離も、同様に、高精度に演算される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。まず、本発明の制御方法の説明に先立
って、この制御が好適に実施される装置の概略について
説明する。
【0023】図1中、参照符号1は、本実施例が適用さ
れたインラインスクリュー式射出成形機(以下、射出成
形機と略称する)を示し、この射出成形機1は、製品空
洞部(キャビティ)Cを形成する固定金型2および可動
金型3と、前記固定金型2に接離可能に設けられて、前
記キャビティC内に溶融材料を射出充填する射出装置4
と、この射出装置4の作動を制御する制御ユニット5に
よって概略構成されている。
【0024】詳述すれば、前記射出装置4は、前記固定
金型2への溶融材料の射出孔となるノズル6aを先端に
備え、射出材料を加熱溶融する加熱筒6と、この加熱筒
6の後端部に連通状態で設けられ、前記射出材料を前記
加熱筒6内へ供給するホッパー7と、前記加熱筒6内へ
その後方から挿入され、加熱筒内において溶融された
射出材料を前記ノズル6aへ向けて射出する射出スクリ
ュー8と、前記射出スクリュー8に連結された射出ラム
9aを備え、この射出スクリュー8をその長さ方向に往
復移動させる油圧シリンダー9と、この油圧シリンダー
9の後部に取り付けられるとともに、前記射出ラム9a
を回転駆動する油圧モーター10と、前記油圧シリンダ
ー9へ供給される作動油の供給制御を行なうサーボ弁1
1とを備えている。
【0025】また、前記油圧モーター10の回転軸10
aの外周にはスプラインが形成されており、この回転軸
10aがそのスプラインを介して前記射出ラム9aに嵌
合させられることにより、この射出ラム9aを、その長
さ方向の相対移動を許容しつつ軸回りに回転させるよう
になされている。
【0026】前記油圧シリンダー9内には、前記射出ラ
ム9aの外周に一体に形成されたピストン12によって
長さ方向に区画された一対の油圧室13・14が形成さ
れており、これらの各油圧室13・14に、前記サーボ
弁11を介して作動油が供給され、両油圧室13・14
の作動油の圧力差によって、前記射出ラム9aおよび射
出スクリュー8が前後動させられるようになっている。
【0027】さらに、前記油圧シリンダー9の外周に
は、前記各油圧室13・14の作動油の圧力を検出する
圧力センサー15・16が取り付けられ、前記射出ラム
9aの先端部には、油圧シリンダー9の外部に設置され
ている位置検出器17が作動片18を介して連結されて
いる。この作動片18は、前記油圧シリンダー9の側壁
に形成されたガイド孔19を介して油圧シリンダー9の
前方空間部へ突出させられるとともに、前記射出ラム9
aの先端部に、射出ラム9aの長さ方向における相対移
動が拘束された状態で、かつ、軸回りの相対回動が可能
なように係合させられている。
【0028】前記サーボ弁11には、油圧ポンプ等の油
圧源20と、油圧シリンダー9から排出される作動油を
回収するためのタンク21が接続されている。
【0029】一方、前記制御ユニット5は、射出成形機
1全体の制御プログラムが格納された中央制御部22
と、射出スクリュー8を速度制御する速度制御系と、射
出スクリュー8を圧力制御する圧力制御系とを備えてい
る。
【0030】前記速度制御系は、速度制御時の射出速度
を設定する速度設定部23と、前記位置検出器17から
の信号に基づき射出スクリュー8の速度を演算するとと
もに、この速度情報をフィードバック信号として出力す
る速度変換部24と、この速度変換部24からの速度の
フィードバック信号と前記速度設定部23あるいは後述
する強制ブレーキモニター25からの速度信号との比較
を行なう速度比較部26と、この速度比較部26におけ
る比較結果に基づき速度の補正を行ないその結果を出力
する速度演算部27と、前記位置検出器17からの位置
信号に基づき、前記中央制御部22から与えられるプロ
グラムにしたがい、前記射出スクリュー8の制動制御を
行なう前記強制ブレーキモニター25と、この強制ブレ
ーキモニター25に設けられた演算部25aからの信号
に基づき作動させられて、前記速度比較部26への入力
信号を、前記強制ブレーキモニター25からの速度信号
と前記速度設定部23からの速度信号とに切り換える切
り換え部28とによって構成されている。
【0031】また、前記圧力制御系は、圧力制御時の圧
力を設定する圧力設定部29と、前記各圧力センサー1
5・16に接続されて、両油圧室13・14の圧力差を
検出することにより、油圧シリンダー9の射出圧力の信
号をフィードバック信号として出力する差分部30と、
この差分部30からのフィードバック信号と前記圧力設
定部29からの出力信号との比較を行なう圧力比較部3
1と、この圧力比較部31における結果に基づき圧力補
正を行なう圧力演算部32とによって構成されている。
【0032】そして、これらの速度制御系および圧力制
御系は、前記中央制御部22によって作動させられる切
り換え部33によって切り換えられるようになってい
る。また、前記切り換え部33は、前記速度演算部27
や圧力演算部32から出力される駆動信号を増幅するサ
ーボ増幅部34を介して前記サーボ弁11へ接続されて
いる。
【0033】ついで、このように構成された射出成形機
1の作動とともに、本発明の制御方法の一実施例につい
て説明する。
【0034】まず、材料の射出量を設定するとともに、
速度設定部23によって射出速度を設定し、また、圧力
設定部29によって射出圧力を設定し、さらにその他の
温度等の諸条件を設定したのちに、射出材料の計量を行
なう。
【0035】射出材料の計量は従来と同様であり、射出
スクリュー8に油圧シリンダー9によって所定の背圧を
かけつつ、油圧モーター10によって回転を与えること
によって行なわれる。すなわち、射出スクリュー8の回
転により、ホッパー7に貯留されている射出材料が、加
熱筒6内に引き込まれるとともに、加熱筒6の前方へ向
けて送り込まれ、この射出材料が加熱筒6の前方へ送り
込まれる最中に、この加熱筒6によって加熱溶融され
て、加熱筒6の内面先端部と射出スクリュー8の先端部
との間に貯留される。
【0036】このようにして溶融材料が加熱筒6の前方
へ送り込まれると、この溶融材料の圧力が徐々に上昇
し、この圧力により前記射出スクリュー8が前記背圧に
抗して後退させられ、この射出スクリュー8が所定の位
置まで後退させられた状態において、この射出スクリュ
ー8の前方部分の加熱筒6内に所定量の溶融材料が貯留
されて計量が行なわれる。
【0037】これより、中央制御部22に格納されてい
るプログラムに基づいて射出工程に移行される。そし
て、射出工程の開始時においては、前記切り換え部28
が速度比較部26へ速度設定部23を接続するように保
持され、また、他の切り換え部33が速度制御系をサー
ボ弁11へ接続するように保持されている。
【0038】これより射出工程が開始されると、まず、
速度設定部23において設定された速度情報に基づき速
度演算部27からサーボ増幅部34を介してサーボ弁1
1へ駆動信号が出力されて、油圧シリンダー9の一方の
油圧室14側の圧力が高められて、射出ラム9aによっ
て射出スクリュー8が前進させられて、その前方に位置
する溶融材料が金型内に射出される。
【0039】そして、このような射出工程において、射
出スクリュー8の移動位置が位置検出器17によって常
時検出されるとともに、この位置情報に基づき、速度変
換部24において射出スクリュー8の実速度が演算さ
れ、この射出スクリュー8の実速度情報が速度比較部2
6へフィードバック信号として出力される。
【0040】この速度比較部26においては、速度設定
部23から入力されている目標速度と、前記フィードバ
ックされた実速度との比較がなされ、これらの間に差が
ある場合には、補正信号が生成され、この速度の補正信
号が、切り換え部33を経てサーボ増幅部34へ出力さ
れるとともに、このサーボ増幅部34において増幅され
たのちにサーボ弁11へ駆動信号として出力される。
【0041】これによって、前記射出スクリュー8が設
定速度で前進させられて、溶融材料が金型2・3内へ射
出される。
【0042】一方、前記位置検出器17からの位置信号
や速度変換部24からの速度信号は、強制ブレーキモニ
ター25の演算部25aへ入力され、また、位置信号は
前記中央制御部22へ入力されている。
【0043】そして、前記射出スクリュー8の前進位置
が所定の位置に達した時点で、中央制御部22から切り
換え部33へ駆動信号が出力されて、前記サーボ増幅器
34へ接続されている速度制御系が切り離されるととも
に、圧力制御系が接続されることにより、前記射出スク
リュー8が圧力制御に移行させられる。
【0044】圧力制御に移行させられると、前記射出ス
クリュー8の前進位置に応じて与えられる設定圧力と、
圧力センサー15・16および差分部30によって検出
されるところの、油圧シリンダー9によって射出スクリ
ュー8に与えられている実際の圧力との比較が、前記圧
力比較部31において行なわれ、この比較結果に基づ
き、サーボ弁11の作動量の補正値が圧力演算部32に
おいて演算され、その補正信号が、前記圧力演算部32
からサーボ増幅器34を会してサーボ弁11へ出力され
ることにより、前記射出スクリュー8が圧力制御され
る。
【0045】一方、前記強制ブレーキモニター25の演
算部25aにも、前述したように、位置検出器17や速
度変換部24から、射出スクリュー8の位置情報や速度
情報が入力されており、この演算部25aにおいて、前
記射出スクリュー8の過度の前進を防止し、あるいは、
他の構成部材との衝突時における衝撃力を緩和する制動
制御を行なうための監視が継続してなされている。
【0046】すなわち、前記演算部25aは、射出スク
リュー8の移動速度と、移動中の射出スクリュー8が停
止または停止に近い速度まで減速するのに要する減速時
間とにより、前記射出スクリュー8の制動開始位置から
のオーバーラン距離を求め、前記射出スクリュー8の移
動限界位置から前記オーバーラン距離だけ手前に、射出
スクリュー8の制動開始位置を設定し、この射出スクリ
ュー8が前記制動開始位置に達した際に、前記油圧シリ
ンダー9を制動制御に切り換えるようになされている。
【0047】さらに詳述すれば、本実施例においては、
射出スクリュー8のオーバーラン距離をX、移動速度を
Vf、減速後の速度をVf0、移動速度をVfからVf0とす
るのに要する減速時間をT、射出スクリュー8の最大移
動速度をVfmax、また、この最大移動速度Vfmaxから前
記移動速度Vf0とするまでに要する最小減速時間をTmi
nとし、前記オーバーラン距離Xを、次の1式および2
式によって求めるようにしている。 X=(Vf×T)÷2 ・・・・・・・・(1式) T=Tmin×(Vf―Vf0)÷(Vfmax―Vf0) ・・・・・・・・(2式)
【0048】ここで、前記最大移動速度Vfmaxは、射出
スクリュー8を、射出成形機1の最大能力で移動させた
場合に得られる速度であり、射出成形機1固有のもので
ほぼ不変の値として得られる。そして、前記最小減速時
間Tminは、この最大移動速度Vfmaxから、射出成形機
1の最大の減速能力で減速させ、所定の速度Vf0、例え
ば零とするまでに要する時間であって、この値も射出成
形機1固有の値で、かつ、ほぼ不変の値としてみなされ
る。
【0049】したがって、ある移動速度Vfから所定の
速度Vf0まで減速するのに要する減速時間Tと最小減速
時間Tminとの比が、前記2式で示されるように、移動
速度Vfと最大速度Vfmaxとの比に比例することとな
る。
【0050】このようにして、移動速度Vfから所定の
速度Vf0とするまでに要する時間Tが求まると、オーバ
ーラン距離(すなわち、制動開始から所定速度Vf0とす
るまでに要する距離)Xは、1式に示すように、この速
度Vf0と減速時間Tとの積として得られる。
【0051】そして、前記強制ブレーキモニター25の
演算部25aには、射出スクリュー8の移動限界位置が
記憶されており、この移動限界位置は、例えば、前記射
出スクリュー8の先端と、加熱筒6の内面先端近傍との
間に微小隙間を形成する位置に設定される。
【0052】そこで、演算部25aにおいては、速度変
換部24から得られる射出スクリュー8の移動速度Vf
の情報に基づき、この移動速度Vfに対応したオーバー
ラン距離Xが逐次算出されているとともに、このオーバ
ーラン距離Xとあらかじめ設定されている移動限界位置
とから、制動開始位置が設定されている。
【0053】そして、前記位置検出器17からの位置情
報により、前記射出スクリュー8が、前記制動開始位置
に至ると、中央制御部22によって切り換え部33が作
動させられて、サーボ増幅部34と速度制御系とが接続
されるとともに、演算部25aにより切り換え部28が
作動させられて、速度比較部26と演算部25aとが接
続される。
【0054】これより、演算部25aから速度比較部2
6へ減速信号としての速度信号が出力されて、前記射出
スクリュー8の制動制御が開始される。このような制動
制御に際して、射出スクリュー8の移動速度は、位置検
出器17および速度変換部24を介して速度比較部26
へフィードバックされ、これによって、射出スクリュー
8の制動制御が行なわれる。
【0055】そして、前記制動開始位置から移動限界位
置までの距離が、前記オーバーラン距離Xとして設定さ
れていることから、前記射出スクリュー8が、前記制動
開始位置から前記オーバーラン距離X移動させられたの
ちに停止させられる。したがって、前記射出スクリュー
8が、前記移動限界位置において確実に停止させられる
とともに、このときの所定の速度Vf0が零である場合に
は、移動限界位置が、前述したように、射出スクリュー
8と加熱筒6との間に隙間を形成する位置に設定されて
いるから、射出スクリュー8と加熱筒6との当接が回避
される。
【0056】また、本実施例においては、前記オーバー
ラン距離Xの演算が、射出スクリュー8の速度に対応し
て連続的に行なわれているから、前述した減速制御によ
り、射出スクリュー8の移動速度Vfが減少すると、こ
れに応じて制動開始位置も移動限界位置へ徐々に近付け
られることとなり、したがって、前記移動限界位置に至
った時点で所定の速度Vf0となされる。
【0057】一方、前記移動限界位置が射出スクリュー
8と加熱筒6とが接触する位置に設定されている場合
や、所定の速度Vf0が零に近い値に設定されている場合
においては、射出スクリュー8が微小速度で加熱筒6に
当接させられることによって停止させられる。
【0058】したがって、何れの場合においても射出ス
クリュー8や他の構成部材の損傷が抑制される。
【0059】そして、例えば、射出材料の計量が正常に
行なわれた場合、射出スクリュー8は、圧力制御の後半
において、加熱筒6の内部前端に存在する材料の圧力に
よってその移動が減速され、前記制動開始位置に至る前
に十分な減速がなされることとなり、この結果、射出ス
クリュー8が正常に動作させられている場合においては
制動制御が開始されず、成形条件に悪影響を与えること
はない。
【0060】ついで、本発明の第2実施例について、図
2ないし図4に基づき説明する。なお、以下の説明中、
図1と共通する部分については同一符号を用いて説明を
簡略化する。本実施例は、金型2・3の開閉操作におけ
る可動金型3の移動制御に適用した例である。
【0061】詳述すれば、前記固定金型2は、射出成形
機1のベースに固定された固定盤40に取り付けられ、
可動金型3は、前記ベースと固定盤40との間に架設さ
れたタイバー等によって摺動自在に保持された可動盤4
1に取り付けられることにより、両金型2・3が対向状
態で、相互に接近離間可能に保持されている。
【0062】そして、前記可動盤41には、その移動位
置を検出するための位置センサー42が連結されている
とともに、これらの固定盤40および可動盤41は、後
述する前記可動金型3の開閉移動をなすシリンダーとと
もに、型締め装置43を構成している。
【0063】この型締め装置43を構成するシリンダー
は、前記可動盤41が一体に取り付けられた型締めラム
44が摺動自在に装着された型締めシリンダー45と、
この型締めシリンダー45の内部に設けられた早送りシ
リンダー46と、これらの型締めシリンダー45や早送
りシリンダー46への作動油の供給を制御する開閉弁4
7、サーボ弁48、および、型開閉弁49と、これらの
各弁47〜49の作動を制御する制御ユニット50とに
よって概略構成されている。
【0064】さらに詳述すれば、前記型締めシリンダー
45は、その内部に、前記型締めラム44によって区画
された第1の油圧室45aと第2の油圧室45bが形成
されており、前記第1の油圧室45aへの作動油の供給
により、型締めラム44を突出させるように移動させて
前記可動盤41を型閉じ方向に移動させ、また、第2の
油圧室45bへの作動油の供給により、型締めラム44
を引き込むように移動させて、前記可動盤41を型開き
方向に移動させるようになっている。また、この型締め
シリンダー45には、前記第1の油圧室45aの圧力を
検出する圧力センサー51が設けられている。
【0065】前記早送りシリンダー46は、前記型締め
シリンダー45と一体に設けられているとともに、前記
型締めラム44が、その型締め方向後方から摺動自在に
挿入され、この型締めラム44との間に油圧室46aを
形成するようになされている。そして、この油圧室46
aに作動油が供給されることにより、前記型締めラム4
4を型締め方向に移動させるようになっている。また、
この油圧室46aの容積が、前記第1の油圧室45aに
比して小さく形成されおり、これによって、この油圧室
46aへの作動油の供給により、前記型締めラム44が
高速で移動させられるようになっている。
【0066】前記型開閉弁49は、加圧油を生成する油
圧ポンプ54と、前記型締め装置43から排出される作
動油を回収して貯溜する作動油タンク55とが接続され
ていおり、前記油圧ポンプ54から供給される作動油の
前記サーボ弁48への供給および停止を行うとともに、
前記サーボ弁48を介して回収される作動油を前記作動
油タンク55へ導くようになっている。
【0067】前記サーボ弁48は、前記型締めシリンダ
ー45の第2の油圧室45bと早送りシリンダー46の
油圧室46aへ接続されており、これらの両油圧室45
b・46aへ作動油を選択的に供給することにより、前
記型締めラム44の型締め方向および型開き方向とに往
復移動させるようになっているとともに、両油圧室45
b・46aへ供給する作動油圧力のバランスを調整する
ことにより、その移動速度を調整するようになってい
る。
【0068】また、このサーボ弁48に接続されている
開閉弁47は、型締め時において前記サーボ弁48から
供給される作動油を、前記型締めシリンダー45の第1
の油圧室45aへ供給するとともに、型開き時におい
て、第1の油圧室45a内の作動油を前記型締めシリン
ダー45および型開閉弁49を介して作動油タンク55
へ導くようになっている。そして、この開閉弁47によ
って型締めシリンダー45の第1の油圧室45aへ作動
油が供給されると、前述した早送りシリンダー46の油
圧室46aで発生させられる加圧力に加えて、第1の油
圧室45aにおいて発生させられる加圧力が前記型締め
ラム44へ作用させられることにより、射出に必要な高
圧の型締めが行なわれる。
【0069】前記制御ユニット50は、前記型締めシリ
ンダー45の第1の圧力室45aに併設された圧力セン
サー51からフィードバックされる圧力信号と、入力さ
れた圧力指令との比較に基づき、前記サーボ弁48の作
動をフィードバック制御する圧力制御部56と、前記位
置センサー42からの位置信号と入力された位置指令と
の比較に基づき、前記サーボ弁48の作動をフィードバ
ック制御する位置制御部57と、前記位置信号に基づき
前記可動盤41の移動速度を演算する速度変換部58
と、この速度変換部58からの速度信号と入力された速
度信号との比較に基づき、前記サーボ弁48の作動をフ
ィードバック制御する速度制御部59と、これらの各制
御部56・57・59による制御を切り換えるループき
り換え部60と、このループ切り換え部60から出力さ
れる各制御信号を増幅する電流増幅部61とによって構
成されている。
【0070】ついで、このように構成された型締め装置
43における可動盤41の制御方法について説明する。
【0071】まず、型締め操作について説明する。この
型締め操作が開始されると、ループ制御切り換え部60
において速度制御が選択されて、開閉弁47がOFFの
状態に保持されるとともに、型開閉弁49が作動させら
れることにより、油圧ポンプ54から供給される作動油
がサーボ弁48へ導かれ、また、速度制御部59からの
制御信号によってサーボ弁48が作動させられることに
より、早送りシリンダー46の油圧室46aへ作動油が
供給される。これによって、型締めラム44が型締め方
向へ高速移動させられることにより、可動盤41が可動
金型3とともに、固定金型2へ向けて移動させられる。
そして、この可動盤41の移動速度が位置センサー42
および速度変換部58を介してフィードバックされてい
ることにより、前記速度制御部59において、前記可動
盤41の移動速度が、速度指令によって設定された所定
の速度となるように、前記サーボ弁48の作動が制御さ
れる(ここでは、図3に示すように、高速型締1の場合
について説明する)。
【0072】そして、可動盤41が減速開始位置1に到
達した時点で減速制御へ移行することにより、可動盤4
1の減速が開始されるが、この減速制御は、以下の条件
で行なわれる。
【0073】すなわち、減速に要する距離をXmc、現在
速度をVf、減速後における速度をVf0、現在速度Vfか
ら減速後における速度Vf0とするのに要する時間をTと
した場合、 Xmc=(Vf-Vf0)÷2×T ・・・・・・・・・・・(3式) により、減速に要する距離Xmcを算出し、この距離Xmc
と、速度Vf0としなければならない位置(図3に、低速
型締位置として示してある)Xsと、現在位置Pとの関
係がつぎの4式を満足する状態となった際に減速制御が
開始される。換言すれば、4式を満足させるような位置
Pが減速開始位置1となる。 P≦Xmc+Xs ・・・・・・・・・・・(4式)
【0074】このような減速制御により、型締操作の途
中における現在速度Vfと減速後における速度Vf0とか
ら、減速に必要な距離Xmcが算出され、速度Vf0としな
ければならない位置Xsから手前の距離Xmcに至った時
点で減速制御が開始されることとなる。そして、型締め
装置43の減速能力によって一義的に決まるものであ
り、この減速率と現在速度および減速すべき目標速度と
の既知の値に基づいて、減速に要する距離Xmcが手前に
設定されるから、前記4式による減速開始位置1の設定
により、可動盤41が速度Vf0としなければならない位
置Xsに至るまでに、確実に前記速度Vf0に減速され
る。
【0075】しかも、減速後の目標速度Vf0ならびにそ
の位置Xsを一定とした場合、前記減速開始位置1の設
定が、減速開始前の現在速度Vfに応じて設定される。
したがって、現在速度Vfが大きければ大きい分、前記
減速に要する距離Xmcも大きくなり、また、減速開始位
置1もさらに長くなり、また、現在速度Vfが小さくな
る分、減速に要する距離Xmcは短くなる。
【0076】すなわち、本実施例においても、可動盤4
1の現在速度Vfに応じた減速開始位置1が自動的に最
適位置に設定され、設定された所定の位置において確実
な減速が行なわれる。たとえば、図3に示すように、可
動盤41を、高速型締1よりも低速な高速型締2で示す
速度で移動させた場合、低速型締位置Xsにより近い位
置にその減速開始位置2が設定されて、この位置より減
速制御が開始され、本実施例では、前記高速型締1にお
ける直線状の減速曲線(減速領域)Aに沿った減速が行
なわれる。このように、両減速曲線が直線状となるの
は、型締め装置43の減速率を一定とし、また、最終減
速速度Vf0となる位置を一定に設定したためである。
【0077】そして、本実施例においては、可動盤41
が、前述した減速速度Vf0まで減速されたのちに、その
速度でさらに型締め方向へ移動させられることにより、
この可動盤41に取り付けられている可動金型3が、低
速状態で固定金型2へ当接させられることによりその移
動が停止させられる。この低速移動領域Bを設定するの
は、金型に設けられているガイドピン等の保護を行なう
ためのもので、その移動距離は金型の種類に応じて適宜
変更されるものである。
【0078】また、前述した両金型2・3の当接がなさ
れたのちにおいては、ループ切替部60において、型締
め装置43の制御ループが圧力制御に切り替えられると
ともに、開閉弁47が作動させられて、前記サーボ弁4
8と型締めシリンダー45の第1の油圧室45aが連通
させられることにより、サーボ弁48から供給される作
動油の一部が前記第1の油圧室45aへ供給されて、型
締めラム44へ大きな圧力が負荷される。そして、前記
第1の油圧室45a内の作動油圧力が圧力センサー51
を介して制御ユニット50へフィードバックされるとと
もに、前記圧力制御部56から出力される制御信号に基
づき、前記サーボ弁48の作動が制御されることによ
り、両金型2・3の型締め圧力がフィードバック制御さ
れる。
【0079】さらに、前述した減速領域Aから低速移動
領域Bへの移行をより円滑に行なわせるために、図3に
曲線Cで示すように、S字状の減速曲線とすることも可
能である。
【0080】また、本実施例に示す可動金型3の型開き
時においても、本発明の制御方法が適用される。型締め
装置43は、射出完了時点において、図4に示すよう
に、高圧型締め状態にあるが、これより、サーボ弁48
が作動させられることにより、型締めラム44に作用す
る型閉じ方向の圧力と型開き方向の圧力とをバランスさ
せるべく、型締めシリンダー45の第1の油圧室45a
および早送りシリンダー46の油圧室46a内の作動油
が、型開閉弁49を介して徐々に作動油タンク55へ排
出されることにより、型締め圧力が除去される(図4に
圧抜領域Dとして示した)。この圧抜き操作も前記第1
の油圧室45aからの圧力信号に基づき、圧力制御部に
おけるフィードバック制御によって行なわれる。
【0081】このような圧抜が完了したのちに、再度サ
ーボ弁48が作動させられて、型締めシリンダー45
第2の油圧室45bへ作動油が供給されるとともに、第
1の油圧室45aおよび早送りシリンダー46の油圧室
46a内の作動油が作動油タンク55へ排出されること
により、型締めラム44が型開き方向に低速で所定位置
まで移動させられる(この低速型開領域を図4にEで示
した)。
【0082】さらに、可動盤41が所定位置まで低速移
動させられたのちに、前記サーボ弁48による第2の油
圧室45bへの作動油供給量が増加させられることによ
り、図4に示す高速型開1の速度まで加速されつつ型開
きが行なわれ、この高速型開1における速度の状態で、
型開きが継続される。
【0083】そして、可動盤41が減速開始位置1に到
達すると減速が開始されて、可動盤41の移動停止位
置、すなわち、型開き停止位置Xmsに至った時点で可動
盤が41が停止される。
【0084】この可動盤41の減速開始位置1は、高速
型開1における現在速度をVf、この現在速度Vfから停
止させるまでに必要な距離をXmoおよび停止に必要な時
間をTとした場合、つぎの(5式)で演算される。 Xmo=Vf÷2×T ・・・・・・・・・・・(5式)
【0085】そして、現在位置をPとし、可動盤41の
移動を停止させる位置をXmsとすると、現在位置Pが、
つぎの(6式)を満足した場合に前記減速開始位置1と
なる。 P≧Xms−Xmo ・・・・・・・・・・・(6式)
【0086】すなわち、予め設定されている停止位置か
ら型開き方向において停止に必要な距離Xmo手前に至っ
た時点で減速が開始される。ここで、前記減速開始位置
1が、現在速度Vfに基づいて決定されていることか
ら、型閉じ操作と同様の理由により、可動盤41が、そ
の移動速度に拘りなく設定された停止位置に確実に停止
させられる。また、このような停止操作に際しても、図
4にFで示すような直線的な減速処理と、同図にGで示
すようなS字状の減速処理とが可能である。
【0087】このように本実施例においては、金型2・
3の開閉操作においても、所定の位置において所定の速
度に到達させあるいは停止させることができるので、ハ
イサイクルの成形が可能となるばかりでなく、型閉じ時
においては金型の衝突やガイドピンの損傷等が防止さ
れ、また、減速開始位置を手探りで設定する必要がなく
なり操作性が向上する。さらに、型開き時においては、
可動金型3の停止位置が高精度に行なわれることによ
り、成形品の取り出しを行なう取り出し機との位置関係
が正確にセッティングされて、その調整が容易になり、
かつ、取り出し不良による成形トラブルがなくなる。
【0088】なお、前記実施例は一例であって、適用す
る射出成形機の種類や可動部材の種類に応じ、あるい
は、設計要求等に種々変更可能である。例えば、射出ス
クリュー8や可動盤41の駆動手段として油圧シリンダ
ー9を用いた例について示したが、これに限られるもの
ではなく、ボール螺子機構や電動式の駆動手段を駆動手
段とした射出成形機にも適用可能である。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の成形機における可動部材の制御方法は、進退移動
する可動部材の移動速度と、この移動速度から所定速度
まで減速させられるのに要する時間とにより、制動開始
から所定速度に至る間に移動するオーバーラン距離を求
め、可動部材の移動限界位置から前記オーバーラン距離
分手前に制動開始位置を設定し、この設定した制動開始
位置に可動部材が至った時点で制動制御を開始するよう
にしたから、つぎのような優れた効果を奏する。
【0090】可動部材が前記制動開始位置に至った時点
で制動を開始することにより、この可動部材を、制動開
始位置から前記オーバーラン距離移動した時点、すなわ
ち、移動限界位置に達した時点において所定の速度に減
速させることができる。そして、前記移動限界位置を可
動部材と固定部材との当接位置から若干手前に設定する
とともに、前記所定速度を零とすることにより、前記可
動部材を、固定部材と当接する前に停止させることがで
き、あるいは、前記所定速度を零に近い値とすることに
より、移動限界位置の手前において、可動部材の十分な
減速を行なって、固定部材との衝突時の速度を十分に小
さくすることができる。また、可動部材の移動限界位置
を、固定部材との当接位置に設定した場合においては、
減速後の速度を零あるいはそれに近い速度に設定してお
けば、可動部材と固定部材との当接速度を十分に小さく
することができる。
【0091】したがって、可動部材と固定部材との当接
を回避し、あるいは、可動部材の十分な減速により両者
の衝突時における衝撃力を緩和し、これによって、可動
部材や固定部材あるいはその他の構成部材の損傷を防止
することができる。しかも、前述の制動開始位置を可動
部材の移動速度に応じて設定するものであるから、移動
速度の大きさに応じた制動開始位置が適確に設定され、
移動速度に拘りなく、前述した移動限界位置に至るまで
に、確実な減速あるいは停止を行なうことができる。し
たがって、制動開始位置の設定ミス等の不具合が生じる
こともない。
【0092】そして、前記減速時間およびオーバーラン
距離が、射出成形機の能力によってほぼ一義的に設定さ
れるものであるから、前述した制動開始位置の設定を高
精度に実施することができる。
【0093】しかも、制動開始をぎりぎりの位置まで延
ばすことが可能であるから、ハイサイクルの成形が可能
となるばかりでなく、たとえば、可動部材としての可動
金型の型開き操作に適用した場合においては、可動金型
の停止位置を高精度に制御することにより、製品取りだ
し時における取り出し機と可動金型との位置関係を高精
度に設定することができ、これによって、取り出し機の
調整を容易にすることができるとともに、取り出し不良
による成形トラブルを解消することができる。
【0094】そして、進退移動する可動部材の移動速度
の検出、オーバーラン距離の演算、および、制動開始位
置の演算を、可動部材の進退移動中連続して行なうこと
により、制動制御を成形機の動作状況に即した形態で行
なうことができ、これによって制動開始位置が適確に設
定されるとともに、不要な制動制御が行なわれることが
防止される。
【0095】さらに、成形機における可動部材の最大速
度から所定速度までに至る最小減速時間を基準として、
任意の移動速度からの減速時間を求め、この減速時間に
基づいて、前記任意の移動速度における減速時間を求め
るものであるから、成形機の能力によってほぼ一義的に
決まる値(最小減速時間)を基準にして前記減速時間の
演算を行なうことにより、高精度の減速時間の演算を行
なうことができる。また、この減速時間に基づいてオー
バーラン距離ならびに制動開始位置を演算するものであ
るから、これらも、同様に高精度の演算が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を好適に実施するための射出
成形機の制御ブロック図である。
【図2】本発明を金型の開閉操作に適用した第2実施例
を示すもので、型締め装置の制御ブロック図である。
【図3】本発明の第2実施例における可動盤の型閉じ時
における速度や圧力と位置との関係を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例における可動盤の型開き時
における速度や圧力と位置との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 射出成形機 2 固定金型 3 可動金型 4 射出装置 5 制御ユニット 6 加熱筒(固定部材) 8 射出スクリュー(可動部材) 9 油圧シリンダー(駆動手段) 11 サーボ弁 15 圧力センサー 16 圧力センサー 17 位置検出器 23 速度設定部 24 速度変換部 25 強制ブレーキモニター 25a 演算部 26 速度比較部 27 速度演算部 41 可動盤 42 位置センサー 43 型締め装置 47 開閉弁 48 サーボ弁 49 型開閉弁 50 制御ユニット 56 圧力制御部 57 位置制御部 58 速度変換部 59 速度制御部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/76 - 45/82 B22D 17/26,17/32 B29C 45/47 - 45/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動部材がフィードバック制御されるも
    のにおいて、成形機の駆動手段によって進退移動させら
    れる可動部材の移動速度を常時検出し、この検出した移
    動速度をVf、停止または停止に近い減速後の速度をV
    f0、移動速度をVfからVf0とするのに要する減速時間
    をT、可動部材の最大移動速度をVfmax、また、この最
    大移動速度Vfmaxから前記移動速度Vf0とするまでに要
    する最小減速時間をTminとした場合、前記可動部材の
    制動を開始した位置からのオーバーラン距離Xを以下の
    1式および2式によって連続的に求めて、前記可動部材
    の移動限界位置から前記オーバーラン距離だけ手前
    に、前記可動部材の前記検出した移動速度Vfに応じた
    制動開始位置を繰り返し設定し、この設定した制動開始
    位置に前記可動部材が達した時点で、前記駆動手段を制
    動制御に切り換えることを特徴とする成形機における可
    動部材の制御方法。 X=(Vf×T)÷2 ・・・・・・・・(1式) T=Tmin×(Vf―Vf0)÷(Vfmax―Vf0) ・・・・・・・・(2式)
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