JP3951910B2 - 多層射出成形装置の制御方法 - Google Patents

多層射出成形装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動式射出装置を複数機備えて樹脂の多層成形品を製造する多層射出成形装置の制御方法に関して、特にスクリュ停止位置の制御性に優れた多層射出成形装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来技術】
樹脂の多層成形品を製造する電動式多層射出成形装置に関する従来技術として、例えば、特開平6−170888号公報に開示されている構造のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−170888号公報
【0004】
前記公報に開示される多層射出成形装置は、型締装置、射出装置、及び制御装置等とを備えて、射出装置は第1の射出装置と第2の射出装置から構成されている。2機の射出装置は、バレル、スクリュ、スクリュを前後進させる射出用サーボモータ、スクリュを回転させるスクリュ回転用モータ、射出用サーボモータ及びとスクリュ回転用電動モータをそれぞれ制御して駆動するドライバ等を備えている。
【0005】
前記公報に記載された多層成形装置は、第1の射出装置から樹脂を射出して金型に樹脂を充填するとともに、第2の射出装置から他の樹脂を金型に射出して充填し、金型内に多層の成形品を製造する。
前記多層成形品の製造方法によれば、多層構造成形品の成形を同一の金型内で行うため、工程の省略化によるサイクルタイムの短縮によってコストダウンが可能であると同時に、高い品質の製品を得ることができる。
【0006】
ここで、従来の射出成形装置における射出時のスクリュ制御は、速度制御と圧力制御が主流であって、スクリュ位置は速度制御と圧力制御の切替タイミング、又は速度を検出するための測定信号として使用されている。
また、前述した多層射出成形装置は、第1の射出装置と第2の射出装置を連続動作させる必要があるため、第1の射出装置と第2の射出装置を連動制御しているが、従来の多層射出成形装置の制御方法は、第1の射出装置と第2の射出装置のスクリュ位置を検出して行なわれることが一般的であり、例えば、第1の射出装置のスクリュ位置が予め設定した所定の位置になった時点でインターロック信号を発信して、該インターロック信号を受信した第2の射出装置が射出動作を始めるといった制御方法が主流である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したように従来の多層射出成形装置の制御方法において射出時のスクリュ制御は、速度制御と圧力制御が基本である。そのため、スクリュ位置は速度制御と圧力制御の切替タイミング、あるいは速度検出のための測定信号として使用されている過ぎず、スクリュが停止位置に達した際に単にスクリュ前進指令を切るだけの制御方法であったので、スクリュはオーバランして、設定した位置に精度良く停止しなかった。
【0008】
射出装置を一機しか有しない通常の射出成形装置は、通常クッション量を残して射出終了するため、スクリュ停止位置を厳密に制御する必要はなく、前記したような制御方法が主流であるが、前述した従来の多層射出成形装置において停止位置を正確に制御しないと、第1の樹脂と第2の樹脂の充填割合が変わって境界位置が変わる等、多層成形品の外観に影響をおよぼすことも多く、成形品の品質に悪影響があって問題となる。
【0009】
スクリュの停止精度を良くするために、スクリュ位置の測定信号をフィードバックしてクローズド制御する電動式射出成形装置も一部には見られるが、単にスクリュ位置などの測定信号をフィードバックしてクローズド制御するだけでは、スクリュの重量による慣性力やモータの制動特性等によって生じるオーバラン特性をすぐに修正できないため、成形開始の数ショットはスクリュが大きくオーバランして設定した位置に停止せず、その結果として良品を製造できないという問題を生ずる。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電動式射出装置を複数機備えて品質の良い樹脂の多層成形品を製造することのできる多層射出成形装置の制御方法に関する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明による多層射出成形装置の制御方法は、
(1) 電動式の駆動機構によりスクリュをバレル内で前後進させるインラインスクリュ式の電動式射出装置を複数機備えた樹脂の多層射出成形装置の制御方法において、多層射出成形装置の制御装置に、射出前進時におけるスクリュ停止位置を設定した際に、スクリュが設定した位置で停止するプロファイルを制御装置で作成し、該スクリュの位置データを制御装置にフィードバックしながら、該スクリュが該プロファイルとおりに減速して停止するようクローズド制御した。
【0012】
(2) 上記(1)記載の多層射出成形装置の制御方法において、前記プロファイルは、前記設定した停止位置の手前からスクリュ速度を減じてスクリュを停止するプロファイルであって、最高速度で前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでの最短時間を多層射出成形装置の制御装置に予め記憶データとして記憶しておき、該スクリュが停止信号を受けてから停止するまでに要する最短時間を該記憶データから算出することにより、該算出した時間に基づいて、前記設定した停止位置の手前からスクリュ速度を減じるプロファイルとした。
【0013】
(3) 上記(1)記載の多層射出成形装置の制御方法において、前記プロファイルは、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップと順次進行する3段階の速度勾配を有して、第1ステップ及び第3ステップにおけるスクリュ速度の減速率が、第2第ステップにおけるスクリュ速度の減速率より小さくした。
【0014】
(4) 上記(3)記載の多層射出成形装置の制御方法において、多層射出成形装置の制御装置に最高速度で前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでの最短時間を記憶データとして記憶しておき、スクリュが停止信号を受けてから最短時間で停止するための減速率を該記憶データから算出するとともに、該算出した減速率を前記第2ステップにおけるスクリュ速度の減速率とした。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の1例を詳細に説明する。
図1〜図7は本発明の実施形態に係り、図1は第1の実施形態による射出装置の速度線図であり、図2は第2の実施形態による射出装置の速度線図であり、図3は第3の実施形態による射出装置の速度線図である。図4は本発明方法に使用する多層射出成形装置の構成概略を概念的に図示した全体構成図である。
また、図5は、モーションコントローラとサーボアンプの関係を説明する図であり、図6はクローズド制御の制御回路を説明する図であり、図7は制御装置に記憶した記憶データから停止時間を算出する方法を概念的に説明する図である。
【0016】
本実施形態に係わる多層成形方法に使用される多層射出成形装置100は図4に示すように、金型10と型締装置210と、多層射出装置30と制御装置60とを備えて構成される。
多層射出装置30は第1の射出装置30Aと第2の射出装置30Bから構成され、金型10は固定盤1に取り付けられた固定型3と可動盤2に取り付けられた可動型4とからなる。
【0017】
型締装置210は、可動盤2と固定盤1と型締サーボモータ212と、型締サーボモータ212を制御して駆動する図示しないモータ用のドライバを備え、可動盤2は図示しないタイバーに案内されて、型締サーボモータ212の駆動により可動型4とともに前後進できるよう構成されている。
また、図4に示した多層射出成形装置100は、位置センサHが、可動盤2の位置を検出できるようにして配されており、測定結果は制御装置60に伝えられる構成となっている。
【0018】
なお、本実施形態においては図4に示すようなトグルタイプの電動式の型締装置210を使用したが、金型に十分な型締力を負荷することのできる型締装置であれば本実施形態に限らないことは勿論であり、油圧式であっても良く、またタイプもトグルタイプに限らず直圧タイプ、又は他のタイプの型締装置を本発明に用いても良い。
【0019】
次に、多層射出装置30の構成について説明する。
図4に示す射出装置30A、および、射出装置30Bは、バレルとバレルに内装されスクリュフライトを有するスクリュと、該バレル内に第1樹脂を供給するホッパと、該スクリュを前後進させる射出用サーボモータ(35A、35B)と、該スクリュを回転させるスクリュ回転用モータ(37A、37B)と、前記射出用サーボモータ(35A、35B)とスクリュ回転用電動モータ(37A、37B)をそれぞれ制御して駆動するモーションコントローラ、サーボアンプ、又図示しないモータ用のドライバ等を備えており、前記バレル外周面には、図示しないヒータが取付けられている。後述する制御装置60に備えられたモーションコントローラとサーボアンプの配列を概念的に図5に図示する。射出用サーボモータ(35A、35B)は、後制御装置60により、その回転速度、回転角度、電流値等を制御される。
【0020】
以下、多層射出装置30の機能を簡略に説明する。
前記射出装置30A、および、射出装置30Bは、スクリュ回転用電動モータ(37A、37B)によってスクリュが回転することにより、ホッパからペレット形状の樹脂がバレル内に供給される構造となっており、該供給されたペレット形状の樹脂は、バレルに取付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュの回転によって混練圧縮作用を受けることによって溶融し、スクリュ前方に送られる。
【0021】
また、前記射出装置30Aのバレル先端部にあるノズル部には回転式のバルブ31Aが配され、バルブ31Aが回転することによって、樹脂流路の開閉をおこなうことができ、スクリュの前方に送られた第1樹脂はバルブ31Aが開の状態となっている場合にのみ、射出用サーボモータ35Aの駆動により前進するスクリュによって、バレルの先端部にあるノズルから押出す(射出と称することもある)ことができる。
【0022】
また、同様に射出装置30Bについてもバレル先端部にあるノズル部には回転式のバルブ31Bが配され、バルブ31Bが回転することによって、樹脂流路の開閉をおこなうことができ、スクリュの前方に送られた第2樹脂はバルブ31Bが開の状態となっている場合にのみ、射出サーボモータ35Bの駆動により前進するスクリュによって、バレルの先端部にあるノズルから押出すことができる。
【0023】
制御装置60は、型締装置210を制御する構成として型締制御装置61と型締条件設定器62を有し、多層射出装置30を制御する構成として、射出装置制御装置64とそれに接続された射出条件設定器66、第1射出装置制御部72、及び第2射出装置制御部74を有している。
また、図4に示した多層射出成形装置100は、スクリュの位置を制御するため、サーボモータの回転角度等によって、スクリュ位置が正確に測定できる構成となっている。
なお、図4に示した多層射出成形装置100は、サーボモータの回転角度によりスクリュ位置を測定できる構成となっているが、スクリュ位置を測定する構成が本実施形態に限らず他の方式であっても良く、例えばスクリュ位置をセンサで直接測定する方式であっても良いことは勿論である。
【0024】
本実施形態による多層射出成形の工程の1例を図1を用いて簡略に説明する。なお、以下に説明する工程は、第1樹脂の内部に第2樹脂を充填して多層成形品を製造する工程の1例であるが、本発明の適応の範囲は、これに限るものでないことは勿論であり、スクリュの停止位置を精度良く制御する必要がある多層射出成形装置ならば適応可能である。
第1の工程として、成形開始(サイクルスタート)を始めた多層射出成形装置は、型締装置210の作動により金型10を型閉する。
型閉した金型10が、所定の圧力で型締力を負荷された後、切替バルブ31Aが閉から開に切替わる。そして、射出条件設定器66に設定した初期射出条件で射出サーボモータ35Aを駆動して射出装置30Aを射出動作することにより、第1樹脂を金型10のキャビティ空間内に射出充填する。
【0025】
第1射出装置30Aのスクリュ位置が、予め射出条件設定器66に設定した第1の設定位置となった際に、第1射出装置制御部72は、射出制御装置64に対して第1のインターロック信号を発信する。
第1のインターロック信号を受信した射出制御装置64は、第2の射出装置制御部74に対して、射出開始信号を送信する。射出開始信号を受信した第2の射出装置制御部74は、切替バルブ31Bを閉から開に切替えるとともに、射出サーボモータ35Bを駆動して射出装置30Bを射出動作することにより、第2樹脂を金型10のキャビティ空間内に射出充填する。
【0026】
そして、第1射出装置30Aのスクリュ位置が予め射出条件設定器66に設定した第2の設定位置に近づくと、第1射出装置制御部72は、射出サーボモータ35Aの駆動速度を落として、第1射出装置30Aのスクリュ速度を減速させて、設定した位置で停止させる。
【0027】
以下、前記第2の設定位置で、第1射出装置30Aのスクリュを停止する際の制御方法を説明する。
成形開始前に、予め第1射出装置30Aのスクリュ位置を射出条件設定器66に設定すると、射出制御装置64で第1の射出装置30Aのスクリュが設定位置で停止するプロファイルを作成する。
このプロファイルの一例を、図1に示した第1の実施形態によるプロファイルを用いて説明すると、図1に示したプロファイルは、設定した停止位置の手前から停止位置まで一定の減速率でスクリュ速度を減じてスクリュを停止するプロファイルである。
【0028】
プロファイルの作成方法を簡略に説明する。
成形開始する前に、最高速度で前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでの最短時間を射出装置制御装置64に予め記憶データとして記憶しておき、該スクリュが停止信号を受けてから停止するまでに要する最短時間と最短時間で停止するための減速率を該記憶データから算出する。
図7に計算方法の概略を示す。最高速度Vmaxで前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでの最短時間Tを射出装置制御装置に予め記憶データとして記憶する。速度Vxで前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでに要する最短時間はTxは下記の数式1で算出される。
【0029】
【数1】
Figure 0003951910
【0030】
なお、図1に示す実施形態においては、スクリュが停止信号を受けてから停止するまでに要する最短時間Txは、T1である。
【0031】
その際におけるスクリュ速度の減速率αは、下記の数式2で算出される。
【0032】
【数2】
Figure 0003951910
【0033】
多層射出成形装置の射出制御装置64は、前記算出した時間Txと減速率αに基づいて、前記設定した停止位置の手前からに一定の減速率αで減速して停止位置で停止するプロファイルを作成する。
そして、スクリュの位置データを多層射出制御装置64にフィードバックしながら、スクリュがプロファイルとおりに前進して停止するようクローズド制御する。クローズド制御の制御回路の1例を図6に示す。図6に示したような制御回路を使用しながら、プロファイルとおりにスクリュが減速して所望の位置に停止するよう制御する。
なお、第1の射出装置30Aのスクリュが設定位置で停止した後、切替バルブ31Aを開から閉に切替える。
【0034】
そして、第2の射出装置のスクリュ位置が予め射出条件設定器66に設定した第3の設定位置となった際に、第2射出装置制御部74は、射出制御装置64に対して第2のインターロック信号を発信する。
第2のインターロック信号を受信した射出制御装置64は、第1の射出装置制御部72に対して、射出開始信号を送信する。射出開始信号を受信した第1の射出装置制御部72は、切替バルブ31Aを閉から開に切替えて、射出サーボモータ35Aを駆動して射出装置30Aを射出動作することにより、第1樹脂を金型10のキャビティ空間内に射出充填する。
【0035】
次に、第2の射出装置のスクリュ位置が予め射出条件設定器66に設定した第4の設定位置に近づくと、第2射出装置制御部74は、射出サーボモータ35Bの駆動速度を落として、第2の射出装置のスクリュ速度を減速させて、設定した停止位置で停止させる。
なお、この際の停止制御方法は、前述した第1射出装置30Aのスクリュ停止制御と同様である。
第2樹脂の射出充填完了後、切替バルブ31Bを開から閉に切替える。
【0036】
そして、第1の射出装置のスクリュ位置が予め射出条件設定器66に設定した第5の設定位置となった際に、第1射出装置制御部72は、射出サーボモータ35Aを駆動速度を落として、スクリュの圧力制御に切りかえられた後、減速して保圧工程に入る。
保圧工程終了後は、成形品の冷却工程に入り、成形を完了する。その後、第1及び第2の射出装置の計量工程を行うと同時に、型締サーボモータ212の作動させて、金型10を大きく型開きし、成形品を金型から取出して1サイクルを終了する。その結果、高級感のある多層成形品を得ることができた。
【0037】
以上説明した工程を前述した制御方法に行うことにより、予め設定した停止位置に停止しなければならない第1、第2射出装置のスクリュがオーバランして、設定した位置に停止しないという従来技術の問題点を防止して、品質の良い多層成形品を製造することができる。
図1の実施形態において説明した制御方法であれば、第1、第2射出装置の停止位置を射出条件設定機66に設定するだけで、予め記憶したデータから自動的にスクリュが停止するプロファイルを作成するため、成形開始の早い段階から所望した位置に精度良くスクリュを停止することができる。
【0038】
なお、成形開始する前に予め記憶データとして記憶する最短時間は、実際に樹脂を射出した状態で測定することが好ましいが、射出用サーボモータ35A、35Bの制動特性やスクリュの慣性などを勘案して計算で算出した最短時間を使用しても良い。また、図1に示した実施形態においては、第1、第2射出装置のスクリュを所望する停止位置で精度良く停止する方法を用いたが、本発明の適応できる範囲はこれに限らないことは勿論であって、スクリュの停止位置を精度の良く制御することが必要な多層射出成形装置に用いることができ、スクリュ停止位置が品質に悪影響を与える可能性がある場合のスクリュ停止位置制御に用いれば良く、また後述する他の実施形態等に用いることも可能である。
また、図1に示したように多層射出成形装置では、成形途中で一旦停止させたスクリュを、その停止した位置から再度始動させて射出動作することがある。この場合にはスクリュの一旦停止位置を非常に精度良く制御する必要があるので、本発明を適応することが非常に効果的である。
【0039】
次に、図2に基づき本発明の第2実施形態による多層射出成形装置の制御方法を、先に説明した図1の実施形態と異なる点について簡略に説明する。
第2の実施形態でも第1の実施形態と同様に、成形開始前に予め第2の射出装置のスクリュ位置を射出条件設定器66に設定すると、射出制御装置64でスクリュが設定位置で停止するプロファイルを作成する。
ただ、第2の実施形態によるプロファイルは、図1に示した第1の実施形態によるプロファイルと異なり、第2射出装置停止のためのプロファイルが、設定した停止位置の手前から停止位置まで3段階の減速率でスクリュ速度を減じてスクリュを停止するプロファイルである。
【0040】
第2の実施形態においても前述した実施形態と同様の方法で、成形開始する前に、最高速度で前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでの最短時間を射出装置制御装置に予め記憶データとして記憶しておき、スクリュが停止信号を受けてから停止するまでに要する最短時間と最短時間で停止するための減速率を該記憶データから算出する。
第2の実施形態による第2射出装置停止プロファイルの特徴は、ここでスクリュ減速開始(第1ステップ:ad領域)時とスクリュ減速後期(第3ステップ:cf領域)に、スクリュ減速中期(第2ステップ:be領域)より、やや減速率の小さい領域をプロファイルとして形成したことにある。
【0041】
第1の実施形態においては、最短時間でスクリュを減速停止しようとしているが、装置によっては衝撃が発生して異音や振動が発生する場合ある。また製造する製品によってはスクリュの急激な速度変化が製品にフローマーク等を欠陥を引き起こす場合も有る。それを防止するため、第2の実施形態によるプロファイルは、スクリュ減速開始(第1ステップ)とスクリュ減速後期(第3ステップ)に減速率の小さい領域をプロファイルとして形成し、前記急激な変化を緩和させて、前記問題を防止する。なお、第2ステップは、できるだけ早い時間でスクリュを減速させるといった点で、前記数式1、2から求められる減速率αで減速するようプロファイルを決定することが好ましい。
【0042】
スクリュ減速開始(第1ステップ)とスクリュ減速後期(第3ステップ)の減速率の好適な範囲がどこにあるかは、基本的に装置の特性や製品によって異なるが、装置の特性によって起こる異音や振動を防止するためであれば、一度好適な減速率を見つければ、自動的にその減速率となるよう射出制御装置64のプロファイル作成プログラムを変更すれば良い。また、製品に発生するフローマーク等を欠陥を防止することが目的であれば、製品の外観を観察しながらその減速率を調整すれば良い。
【0043】
第3の実施形態も第2の実施形態と同様に、スクリュ停止の際に発生する急激な速度変化を小さくすることに特徴をもった実施形態であって、第2射出装置停止のためのプロファイルを、スクリュ減速開始(第1ステップ:a1d1)とスクリュ減速後期(第3ステップc1f1)に減速率の小さい領域をプロファイルとして形成することによって、スクリュの急激な速度変化を緩和させて、前記問題を防止できる。
【0044】
なお、本実施形態においては、射出装置を2機備える多層射出成形装置100を用いて制御の方法を説明したが、本発明に適応できる多層射出成形装置100は本実施形態に限らず、少なくとも射出装置が2機以上有れば適応可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、多層射出成形装置の制御装置に停止位置を設定すれば、予め記憶したデータから自動的にスクリュが停止する理想的なプロファイルを作成して、成形開始の早い段階から所望した位置に精度良くスクリュを停止することができ、射出装置のスクリュがオーバランして、設定した位置に停止しないという従来技術の問題点を防止して、品質の良い多層成形品を製造することができる。
【0046】
また、スクリュ減速開始(第1ステップ)とスクリュ減速後期(第3ステップ)に減速率の小さい領域をプロファイルとして形成することによって、スクリュ停止の際の急激な速度変化を緩和させて、スクリュの急激な速度変化によって発生する装置の異音や製品のフローマーク等といった問題を防止することができる。なお、最短時間でスクリュを停止させるためには、前記数式1、2から求められる減速率で減速するようプロファイルを決定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態による射出装置の速度線図である。
【図2】本発明に係わる第2の実施形態による射出装置の速度線図である。
【図3】本発明に係わる第3の実施形態による射出装置の速度線図である。
【図4】本発明に用いた多層射出成形装置の構成概略を概念的に図示した全体構成図である。
【図5】本発明に用いたモーションコントローラとサーボアンプの関係を説明する図である。
【図6】本発明に用いた制御回路の説明する図である。
【図7】制御装置に記憶した記憶データから停止時間を算出する方法を概念的に説明する図である。
【符号の説明】
1 固定盤
2 可動盤
3 固定型
4 可動型
10 金型
30 多層射出装置
30A 第1射出装置
30B 第2射出装置
31A 切替バルブ
31B 切替バルブ
35A 射出用サーボモータ
35B 射出用サーボモータ
37A スクリュ回転用モータ
37B スクリュ回転用モータ
60 制御装置
61 型締制御装置
62 型締条件設定器
64 射出制御装置
66 射出条件設定器
72 第1射出装置制御部
74 第2射出装置制御部
100 多層射出成形装置
210 型締装置
212 型締サーボモータ

Claims (4)

  1. 電動式の駆動機構によりスクリュをバレル内で前後進させるインラインスクリュ式の電動式射出装置を複数機備えた樹脂の多層射出成形装置の制御方法において、多層射出成形装置の制御装置に、射出前進時におけるスクリュ停止位置を設定した際に、スクリュが設定した位置で停止するプロファイルを制御装置で作成し、該スクリュの位置データを制御装置にフィードバックしながら、該スクリュが該プロファイルとおりに減速して停止するようクローズド制御する多層射出成形装置の制御方法。
  2. 前記プロファイルは、前記設定した停止位置の手前からスクリュ速度を減じてスクリュを停止するプロファイルであって、最高速度で前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでの最短時間を多層射出成形装置の制御装置に予め記憶データとして記憶しておき、該スクリュが停止信号を受けてから停止するまでに要する最短時間を該記憶データから算出することにより、該算出した時間に基づいて、前記設定した停止位置の手前からスクリュ速度を減じるプロファイルである請求項1記載の多層射出成形装置の制御方法。
  3. 前記プロファイルは、第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップと順次進行する3段階の速度勾配を有して、第1ステップ及び第3ステップにおけるスクリュ速度の減速率が、第2第ステップにおけるスクリュ速度の減速率より小さい請求項1記載の多層射出成形装置の制御方法。
  4. 多層射出成形装置の制御装置に最高速度で前進するスクリュが停止信号を受けてから停止するまでの最短時間を記憶データとして記憶しておき、スクリュが停止信号を受けてから最短時間で停止するための減速率を該記憶データから算出するとともに、該算出した減速率を前記第2ステップにおけるスクリュ速度の減速率とする請求項3記載の多層射出成形装置の制御方法。
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