JP2797897B2 - コーヒーホワイトナー - Google Patents

コーヒーホワイトナー

Info

Publication number
JP2797897B2
JP2797897B2 JP5118942A JP11894293A JP2797897B2 JP 2797897 B2 JP2797897 B2 JP 2797897B2 JP 5118942 A JP5118942 A JP 5118942A JP 11894293 A JP11894293 A JP 11894293A JP 2797897 B2 JP2797897 B2 JP 2797897B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coffee
hlb
whitener
coffee whitener
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5118942A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06303901A (ja
Inventor
朋彦 足立
修 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP5118942A priority Critical patent/JP2797897B2/ja
Publication of JPH06303901A publication Critical patent/JPH06303901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2797897B2 publication Critical patent/JP2797897B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コーヒーに添加して
マイルド感を与えるコーヒーホワイトナーに係り、特
に、コーヒーに添加した場合にコーヒーの風味を損なわ
なず、また乳化安定性が良くて、コーヒー中においてう
まく分散される純植物性のコーヒーホワイトナーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来においては、コーヒーに添加してマ
イルド感を与えるコーヒーホワイトナーとして、一般
に、乳を原料とした動物性のコーヒーホワイトナーが使
用されてきた。
【0003】しかし、最近においては、動物性のコーヒ
ーホワイトナーの原料となる乳の品不足が問題となって
おり、また上記のような動物性のコーヒーホワイトナー
をコーヒーに添加した場合、コーヒーに乳風味が加わ
り、コーヒー自体の風味が損なわれたり、またこのよう
な動物性のコーヒーホワイトナーを用いた場合、コレス
テロールがたまる等の健康上の問題もあった。
【0004】また、近年においては、一部植物性蛋白質
を利用してコーヒーホワイトナーを製造することが試み
られるようになり、例えば、特開昭51−144764
号公報に示されるように、動物性の蛋白質であるカゼイ
ンと大豆蛋白質とを用いたコーヒーホワイトナーが開発
された。
【0005】しかし、このコーヒーホワイトナーは動物
性の蛋白質であるカゼインを含んでおり、このコーヒー
ホワイトナーをコーヒーに添加した場合、カゼイン臭に
よってコーヒーの風味が損なわれる等の問題があった。
【0006】そこで、上記のカゼインを除いて、大豆蛋
白質だけを用いた純植物性のコーヒーホワイトナーの製
造が試みられたが、このような純植物性のコーヒーホワ
イトナーをコーヒーに添加した場合、このコーヒーホワ
イトナーがコーヒー中においてうまく乳化分散されず、
凝集物を形成するという問題があった。
【0007】また、このような純植物性のコーヒーホワ
イトナーとして、例えば、特公平4−9504号公報に
示されるように、コーヒー用豆乳クリームを用いた純植
物性のコーヒーホワイトナーが開発された。
【0008】しかし、このコーヒーホワイトナーにおい
ては、その原料として使用される豆乳にホエー成分が含
まれているため、このコーヒーホワイトナーをコーヒー
に添加した場合、ホエー成分独特の風味がコーヒーに付
与されて、コーヒー自体の風味が損なわれるという問題
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、コーヒー
に添加してマイルド感を与えるコーヒーホワイトナーに
おける上記のような問題を解決することを課題とするも
のである。
【0010】すなわち、この発明においては、純植物性
の原料を用いたコーヒーホワイトナーであって、これを
コーヒーに添加した場合に、このコーヒーホワイトナー
がうまくコーヒー中に乳化分散されて、均一な分散状態
が得られると共に、このコーヒーホワイトナーによって
コーヒー自身の風味が損なわれたりすることがないよう
にすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、分離大豆蛋白が0.3
〜3.0重量%、植物性油脂が10〜40重量%、燐酸
塩が0.2〜1.5重量%、乳化剤が0.4〜1.5重
量%の割合で含まれたコーヒーホワイトナーにおいて、
上記乳化剤として、親水性乳化剤である有機酸モノグリ
セリドとシュガーエステルとを併用させるようにしたの
である。
【0012】ここで、この発明におけるコーヒーホワイ
トナーにおいて、分離大豆蛋白を用いるようにしたの
は、大豆中に含まれるホエー成分を除き、コーヒーに添
加した場合に、このコーヒーホワイトナーによってコー
ヒーの風味が損なわれないようにするためであり、さら
にコーヒーの風味を良くすると共にこのコーヒーホワイ
トナーの乳化性をより向上させるためには、分離大豆蛋
白を酵素分解させたものを用いることが好ましく、一般
には、0.22モルのトリクロロ酢酸可溶性蛋白率が1
0〜60%程度になるように酵素分解した分離大豆蛋白
を用いることが好ましい。
【0013】そして、この分離大豆蛋白の添加量を0.
3重量%〜3.0重量%の範囲にしたのは、分離大豆蛋
白の添加量が0.3重量%より少ないと、コーヒーホワ
イトナーの乳化安定性が悪くなり、粘度が急激に上昇し
てボテ状態が生じる一方、この分離大豆蛋白の添加量が
3.0重量%より多いと、コーヒーに添加した場合にこ
のコーヒーホワイトナーがコーヒー中にうまく乳化分散
されず、凝集物を形成するためである。
【0014】また、この発明において使用する植物性油
脂としては、菜種油,パーム油,パーム核油等の純植物
性の油脂及び/又はこれらの水添油脂を使用することが
でき、コーヒーホワイトナーとして使用するため、一般
にはその融点が10℃〜50℃のものを用いるようにす
る。
【0015】そして、このような植物性油脂の添加量を
10重量%〜40重量%の範囲にしたのは、この植物性
油脂の添加量が10重量%より少ないと、コーヒーに添
加した場合にこのコーヒーホワイトナーがコーヒー中に
うまく乳化分散されなくなる一方、この植物性油脂の添
加量が40重量%より多いと、コーヒーホワイトナーの
乳化安定性が悪くなるためである。
【0016】また、この発明において使用する燐酸塩と
しては、食品添加物に認められている燐酸塩であればど
のようなものであってもよく、例えば、燐酸二カリウ
ム,燐酸二ナトリウム,ポリリン酸ナトリウム等を使用
することができる。
【0017】そして、このような燐酸塩の添加量を0.
2重量%〜1.5重量%の範囲にしたのは、この燐酸塩
の添加量が0.2重量%より少ないと、このコーヒーホ
ワイトナーをコーヒーに添加した場合に、蛋白のコロイ
ドがコーヒー中にうまく分散されず、凝集物が形成され
る一方、この燐酸塩の添加量が1.5重量%より多い
と、このコーヒーホワイトナーをコーヒーに添加した場
合に、燐酸塩自身の独自のエグ味がコーヒーに付与さ
れ、コーヒーの風味が著しく悪くなるためである。
【0018】また、この発明において使用する乳化剤
は、上記のように親水性乳化剤である有機酸モノグリセ
リドとシュガーエステルとを併用したものであればよい
が、コーヒーホワイトナーの乳化安定性をさらに向上さ
せるため、上記シュガーエステルとしては、HLBが1
2以上のものを用いるようにすることが好ましく、より
好ましくはHLBが15以上のシュガーエステルを用い
るようにし、また有機酸モノグリセリドとしては、HL
Bが7以上のものを用いるようにすることが好ましく、
具体的には、ジアセチル酒石酸モノグリセリドやクエン
酸モノグリセリド等を用いるようにする。
【0019】さらに、コーヒーに添加した場合に、この
コーヒーホワイトナーがコーヒー中においてよりうまく
乳化分散されるようにするためには、上記2種類の乳化
剤のHLB加重平均が10〜14になるようにすること
が好ましく、より好ましくは、上記2種類の乳化剤のH
LB加重平均が11〜13になるようにする。
【0020】そして、このような乳化剤の添加量を0.
4重量%〜1.5重量%の範囲にしたのは、乳化剤の添
加量が0.4重量%より少ないと、コーヒーホワイトナ
ーの乳化安定性が悪くなり、コーヒーに添加した場合に
このコーヒーホワイトナーがうまく乳化分散されずに凝
集物が形成されやすくなるためであり、一方この乳化剤
の添加量を1.5重量%より多くしても、このコーヒー
ホワイトナー自身の性能には変化がなく、コストが高く
なるためである。
【0021】
【作用】この発明におけるコーヒーホワイトナーにおい
ては、上記のように分離大豆蛋白と植物性油脂と燐酸塩
と乳化剤とが含まれた純植物性のものであるため、乳を
原料とした動物性のコーヒーホワイトナーのようにコレ
ステロールがたまる等の健康上の問題はなく、また乳や
動物性の蛋白質やホエー成分を含んだ豆乳等を原料とし
たコーヒーホワイトナーのように、コーヒーに添加した
際に、コーヒー自身の風味がコーヒーホワイトナーによ
って損なわれるということがなく、コーヒーの風味を維
持したままで味をマイルドにすることができる。
【0022】また、この発明のコーヒーホワイトナーに
おいては、分離大豆蛋白が0.3〜3.0重量%、植物
性油脂が10〜40重量%、燐酸塩が0.2〜1.5重
量%、乳化剤が0.4〜1.5重量%の割合で含まれる
ようにすると共に、上記乳化剤として、親水性乳化剤で
ある有機酸モノグリセリドとシュガーエステルとを併用
するようにしたため、このコーヒーホワイトナーをコー
ヒーに添加した場合に、このコーヒーホワイトナーがコ
ーヒー中にうまく乳化分散され、凝集物が形成されると
いうことがない。
【0023】さらに、上記乳化剤として、HLB12以
上のシュガーエステルとHLBが7以上の有機酸モノグ
リセリドとを併用すると、このコーヒーホワイトナーの
乳化安定性が良くなり、凝集物の形成がより一層抑制さ
れると共に、このコーヒーホワイトナー自体の粘度が急
激に上昇するということもなくなる。
【0024】さらに、上記2種類の乳化剤のHLB加重
平均が10〜14になるようにした場合、このコーヒー
ホワイトナーの乳化安定性がさらに良くなり、このコー
ヒーホワイトナーをコーヒーに添加した際に、コーヒー
中にフェザリングが生じるということもなくなる。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例に係るコーヒーホワ
イトナーについて具体的に説明するとともに、比較例を
挙げて、この実施例のコーヒーホワイトナーをコーヒー
に添加した場合に、乳化分散性が優れているだけでな
く、コーヒーの風味を損なうことがないことを明らかに
する。
【0026】(実施例1〜3)これらの実施例のものに
おいては、水77重量部を60〜70℃に加熱しなが
ら、燐酸二カリウムを0.4重量部を溶解させ、さらに
この溶液に、分離大豆蛋白(フジプロ−CL,不二製油
株式会社製)1.8重量部と、シュガーエステルと有機
酸モノグリセリドとからなる下記の乳化剤を表1に示す
割合で加えて撹拌し、上記分離大豆蛋白とこれらの乳化
剤を上記溶液中において溶解或いは分散させた後、この
溶液に融点22℃の菜種硬化油20重量部を少しずつ添
加して、水中油型乳化物を得た。
【0027】ここで、上記乳化剤として、実施例1にお
いては、HLBが15のシュガーエステル(DXエステ
ルF160,第一工業製薬株式会社製)とHLBが9の
ジアセチル酒石酸エステル(サンソフト641D,太陽
化学株式会社製)とを、実施例2においては、HLBが
15の上記シュガーエステルとHLBが9のクエン酸エ
ステル(サンソフト621B,太陽化学株式会社製)と
を、実施例3においては、HLBが15の上記シュガー
エステルとHLBが3の乳酸エステル(サンソフト66
1AS,太陽化学株式会社製)とを用いるようにした。
【0028】
【表1】
【0029】次に、上記のようにして得られた各水中油
型乳化物をホモゲナイザーを用いて30〜150Kg/
cm2 の圧力で均質化させた後、これらを80℃で10
分間加熱して殺菌処理した。
【0030】そして、このように殺菌処理された各水中
油型乳化物を、再度ホモゲナイザーを用いて30〜15
0Kg/cm2 の圧力でさらに均質化させた後、これら
を冷却して、各実施例のコーヒーホワイトナーを得た。
【0031】(比較例1〜5)これらの比較例において
は、上記実施例1〜3のものと使用する乳化剤だけを変
更させ、それ以外は、上記実施例1〜3の場合と同様に
して各コーヒーホワイトナーを得た。
【0032】ここで、上記乳化剤として、比較例1及び
比較例2においては、HLBが15の上記シュガーエス
テルだけを、比較例3においては、HLBが15の上記
シュガーエステルとHLBが8のポリグリセリン脂肪酸
エステル(MS310,阪本薬品工業株式会社製)と
を、比較例4においては、HLBが15の上記シュガー
エステルとHLBが9のソルビタン脂肪酸エステル(エ
マゾールL10F,花王株式会社製)とを、比較例5に
おいては、HLBが15の上記シュガーエステルとHL
Bが8のシュガーエステル(DXエステルF90,第一
工業製薬株式会社製)とを用いるようにし、これらの乳
化剤を下記の表2に示す割合で加えるようにした。
【0033】
【表2】
【0034】次に、上記のようにして得た実施例1〜3
及び比較例1〜5の各コーヒーホワイトナーを、冷蔵庫
で1晩冷蔵保存させた後、酸度中等品の市販されている
レギュラーコーヒーに添加して、その分散状態を調べる
と共に、上記の各コーヒーホワイトナーを40℃で2時
間保存した後、4℃で22時間保存させた場合における
各コーヒーホワイトナーの粘度状態の変化を調べてその
乳化安定性を求め、これらの結果を下記の表3に示し
た。なお、各コーヒーホワイトナーの分散状態について
は、コーヒー中に凝集物が形成された場合を5、コーヒ
ー中にフェザリングが激しく認められた場合を4、コー
ヒー中にフェザリングが認められた場合を3、コーヒー
中にフェザリングがやや認められた場合を2、コーヒー
中にフェザリングが認められず良好である場合を1とし
て評価し、また各コーヒーホワイトナーの乳化安定性に
ついては、ボテ状態となっていない場合を良好、ボテ状
態となった場合を不良として評価した。
【0035】
【表3】
【0036】この結果から明らかなように、1種類のシ
ュガーエステルだけを使用した比較例1,2、シュガー
エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとを併用した
比較例3、シュガーエステルとソルビタン脂肪酸エステ
ルとを併用した比較例4及び2種類のシュガーエステル
を用いた比較例5の各コーヒーホワイトナーにおいて
は、コーヒーに添加した場合における分散状態が悪くて
凝集物を形成し、またいずれも乳化安定性が不良であっ
たのに対して、乳化剤として、シュガーエステルと有機
酸モノグリセリドとを併用した実施例1〜3の各コーヒ
ーホワイトナーにおいては、これらをコーヒーに添加し
た場合における分散状態が良く、フェザリングが全く認
めらなかった。
【0037】また、上記実施例1〜3の各コーヒーホワ
イトナーを比較した場合、HLBが15のシュガーエス
テルと併用させる有機酸モノグリセリドに、HLBが9
のジアセチル酒石酸エステルを用いた実施例1及びHL
Bが9のクエン酸エステルとを用いた実施例2の各コー
ヒーホワイトナーにおいては、乳化安定性も良好であっ
たのに対し、HLBが3の乳酸エステルを用いた実施例
3のコーヒーホワイトナーにおいては、その乳化安定性
が悪くなっており、乳化安定性の点から、シュガーエス
テルと併用する有機酸モノグリセリドとしては、HLB
が高いものを用いるようにする方が好ましいということ
がわかった。
【0038】(実施例4〜7)これらの実施例において
は、乳化剤として、上記実施例1において用いたものと
同じHLBが15のシュガーエステルとHLBが9のジ
アセチル酒石酸エステルとを用いるようにし、これらの
乳化剤の添加量だけを下記の表4に示すように変更さ
せ、それ以外は、上記実施例1の場合と同様にして各コ
ーヒーホワイトナーを得た。
【0039】
【表4】
【0040】次に、上記のようにして得た実施例4〜7
の各コーヒーホワイトナーについて、前記の場合と同様
にして、その分散状態及び乳化安定性を調べ、これらの
結果を下記の表5に示した。
【0041】
【表5】
【0042】この結果から明らかなように、乳化剤とし
てHLBが15のシュガーエステルとHLBが9のジア
セチル酒石酸エステルとを併用させた実施例1,4〜7
の各コーヒーホワイトナーを比較した場合、この2種類
の乳化剤のHLB加重平均が12.5と11.5になっ
た実施例1,6の各コーヒーホワイトナーにおいては、
フェザリングがなく分散状態が良好であり、また粘度変
化もなかったのに対し、この2種類の乳化剤のHLB加
重平均が10以下になると、その分散状態が次第に悪く
なり、HLB加重平均が9.5になった実施例4のコー
ヒーホワイトナーにおいてはフェザリングが認められ、
またこの2種類の乳化剤のHLB加重平均が14.5に
なった実施例7のコーヒーホワイトナーにおいては、粘
度が変化して乳化安定性が悪くなっていた。
【0043】このため、乳化剤として、HLBが15の
シュガーエステルとHLBが9のジアセチル酒石酸エス
テルとを併用した場合においても、そのHLB加重平均
が10〜14程度になったものを用いるようにすること
が好ましいということがわかった。
【0044】(実施例8〜11)これらの実施例におい
ては、乳化剤として、上記実施例2において用いたもの
と同じHLBが15のシュガーエステルとHLBが9の
クエン酸エステルとを用い、これらの乳化剤の添加量だ
けを下記の表6に示すように変更させ、それ以外は、上
記実施例2の場合と同様にして各コーヒーホワイトナー
を製造した。
【0045】
【表6】
【0046】次に、上記のようにして得た実施例8〜1
1の各コーヒーホワイトナーについて、前記の場合と同
様にして、その分散状態及び乳化安定性を調べ、これら
の結果を下記の表7に示した。
【0047】
【表7】
【0048】この結果から明らかなように、乳化剤とし
てHLBが15のシュガーエステルとHLBが9のクエ
ン酸エステルとを併用させた実施例2,8〜11の各コ
ーヒーホワイトナーを比較した場合、この2種類の乳化
剤のHLB加重平均が12.5と11.5になった実施
例2,10の各コーヒーホワイトナーにおいては、フェ
ザリングがなく分散状態が良好であり、また粘度変化も
なかったのに対し、この2種類の乳化剤のHLB加重平
均が10以下になると、その分散状態が次第に悪くな
り、HLB加重平均が9.5になった実施例8のコーヒ
ーホワイトナーにおいてはフェザリングが認められ、ま
たこの2種類の乳化剤のHLB加重平均が14.5にな
った実施例11のコーヒーホワイトナーにおいては、粘
度が変化してその乳化安定性が悪くなっていた。
【0049】このため、このように乳化剤としてHLB
が15のシュガーエステルとHLBが9のクエン酸エス
テルとを併用させた場合においても、上記の実施例の場
合と同様に、そのHLB加重平均が10〜14程度にな
ったものを用いるようにすることが好ましかった。
【0050】(実施例12〜14)これらの実施例にお
いては、乳化剤として、上記実施例3において用いたも
のと同じHLBが15のシュガーエステルとHLBが3
の乳酸エステルとを用い、これらの乳化剤の添加量だけ
を下記の表8に示すように変更させ、それ以外は、上記
実施例3の場合と同様にして各コーヒーホワイトナーを
製造した。
【0051】
【表8】
【0052】次に、上記のようにして得た実施例12〜
15の各コーヒーホワイトナーについて、前記の場合と
同様にして、その分散状態及び乳化安定性を調べ、これ
らの結果を下記の表9に示した。
【0053】
【表9】
【0054】この結果から明らかなように、シュガーエ
ステルと併用させる有機酸モノグリセリドとして、HL
Bが3の乳酸エステルを用いた場合、コーヒーホワイト
ナーの分散状態は、これらの乳化剤の添加量を変更させ
て、そのHLB加重平均を調整することにより改善する
ことができたが、コーヒーホワイトナーの乳化安定性
は、HLB加重平均を変化させても改善されなかった。
【0055】このため、前記の実施例1〜3のコーヒー
ホワイトナーを比較したところで述べたように、シュガ
ーエステルと併用する有機酸モノグリセリドとしては、
HLBが高いものを用いるようにすることが好ましいと
いうことがわかった。
【0056】(比較例6)この比較例においては、上記
実施例1で用いた分離大豆蛋白の代わりにナトリウムカ
ゼイネート(サンラクトS−12,太陽化学株式会社
製)を用いるようにし、それ以外は、上記実施例1の場
合と同様にして、コーヒーホワイトナーを製造した。
【0057】そして、この比較例6のコーヒーホワイト
ナーと実施例1のコーヒーホワイトナーとを、それぞれ
1晩冷蔵保存した後、酸度中等品の市販されているレギ
ュラーコーヒーに添加して、その風味を比較した。
【0058】この結果、分離大豆蛋白を用いた実施例1
のコーヒーホワイトナーの場合、コーヒー自身の風味を
損なわず、あっさりした味であったのに対して、ナトリ
ウムカゼイネートを用いた比較例6のコーヒーホワイト
ナーの場合、カゼイン臭があり、コーヒーの風味が損な
われ、いやみのある味になった。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係るコ
ーヒーホワイトナーにおいては、その原料に分離大豆蛋
白と植物性油脂と燐酸塩と乳化剤とが含まれた純植物性
のものを用いるようにしたため、乳を原料とした動物性
のコーヒーホワイトナーのようにコレステロールがたま
る等の健康上の問題はなく、また乳や動物性の蛋白質や
ホエー成分を含んだ豆乳等を原料としたコーヒーホワイ
トナーのように、コーヒーに添加した際に、コーヒー自
身の風味がコーヒーホワイトナーによって損なわれると
いうことがなく、コーヒーの風味を維持したままで味を
マイルドにすることができた。
【0060】さらに、この発明のコーヒーホワイトナー
においては、分離大豆蛋白が0.3〜3.0重量%、植
物性油脂が10〜40重量%、燐酸塩が0.2〜1.5
重量%、乳化剤が0.4〜1.5重量%の割合で含まれ
るようにすると共に、上記乳化剤として、親水性乳化剤
である有機酸モノグリセリドとシュガーエステルとを併
用するようにしたため、このコーヒーホワイトナーをコ
ーヒーに添加した場合に、このコーヒーホワイトナーが
コーヒー中にうまく乳化分散され、凝集物が形成された
りするということがなく、純植物性のコーヒーホワイト
ナーとして好適に使用することができるようになった。
【0061】さらに、上記乳化剤として、HLB12以
上のシュガーエステルとHLBが7以上の有機酸モノグ
リセリドとを併用すると、このコーヒーホワイトナーの
乳化安定性が良くなり、凝集物の形成がより一層抑制さ
れると共に、このコーヒーホワイトナー自体の粘度が急
激に上昇するということもなくなり、また上記2種類の
乳化剤のHLB加重平均が10〜14になるようにした
場合には、このコーヒーホワイトナーの乳化安定性がさ
らに良くなり、このコーヒーホワイトナーをコーヒーに
添加した際に、コーヒー中にフェザリングが生じるとい
うこともなく、純植物性のコーヒーホワイトナーとして
より好適に使用することができるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−144764(JP,A) 特開 昭53−145960(JP,A) 特開 昭56−42546(JP,A) 特開 昭62−95133(JP,A) 特公 平4−9504(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23C 11/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離大豆蛋白が0.3〜3.0重量%、
    植物性油脂が10〜40重量%、燐酸塩が0.2〜1.
    5重量%、乳化剤が0.4〜1.5重量%の割合で含ま
    れたコーヒーホワイトナーであって、上記乳化剤とし
    て、親水性乳化剤である有機酸モノグリセリドとシュガ
    ーエステルとが併用されてなることを特徴とするコーヒ
    ーホワイトナー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコーヒーホワイトナー
    において、上記乳化剤として、HLBが7以上の有機酸
    モノグリセリドと、HLBが12以上のシュガーエステ
    ルとが併用されてなることを特徴とするコーヒーホワイ
    トナー。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のコーヒーホワイトナー
    において、上記の有機酸モノグリセリドとシュガーエス
    テルとのHLB加重平均が10〜14であることを特徴
    とするコーヒーホワイトナー。
JP5118942A 1993-04-21 1993-04-21 コーヒーホワイトナー Expired - Fee Related JP2797897B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5118942A JP2797897B2 (ja) 1993-04-21 1993-04-21 コーヒーホワイトナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5118942A JP2797897B2 (ja) 1993-04-21 1993-04-21 コーヒーホワイトナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06303901A JPH06303901A (ja) 1994-11-01
JP2797897B2 true JP2797897B2 (ja) 1998-09-17

Family

ID=14749054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5118942A Expired - Fee Related JP2797897B2 (ja) 1993-04-21 1993-04-21 コーヒーホワイトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2797897B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005341933A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Kirin Beverage Corp 植物油脂組成物およびそれを含有する飲料

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004242670A (ja) * 2003-01-20 2004-09-02 Mitsubishi Chemicals Corp 乳化安定剤およびこれを含有する乳飲料
US7989015B2 (en) 2007-01-11 2011-08-02 Kraft Foods Global Brands Llc Methods of forming heat stable soy milk concentrates
EP2227967A4 (en) * 2007-12-27 2012-06-27 Fuji Oil Co Ltd NOVEL SOYA PROTEIN MATERIAL AND METHOD FOR PRODUCING SAME
KR101042403B1 (ko) * 2008-09-29 2011-06-17 허의종 전두부를 이용한 커피 크리머의 제조방법
JP5673103B2 (ja) * 2008-12-27 2015-02-18 不二製油株式会社 豆乳を用いたコーヒーホワイトナーの製造方法
EP2978320B1 (en) 2013-03-28 2018-05-02 Nestec S.A. Liquid creamer composition comprising oleosomes as replacement for oil and method of making the same
CN107708426A (zh) * 2015-07-14 2018-02-16 不二制油集团控股株式会社 粉末状乳化组合物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005341933A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Kirin Beverage Corp 植物油脂組成物およびそれを含有する飲料
JP4508729B2 (ja) * 2004-06-07 2010-07-21 キリンビバレッジ株式会社 植物油脂組成物およびそれを含有する飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06303901A (ja) 1994-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0327225B1 (en) Low fat spread
JPS6342647A (ja) 低脂肪スプレッドおよびその製造方法
JP2797897B2 (ja) コーヒーホワイトナー
CA2390823A1 (en) Process cheese containing increased levels of whey protein
JP5132539B2 (ja) 濃厚乳及び濃厚乳用乳化剤
JP2800050B2 (ja) 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品
JP6371779B2 (ja) 乳化塩フリーのチーズ、およびせん断された脂肪とせん断されていない脂肪の調合物を有する乳化塩フリーのチーズの製造方法
JP2965285B2 (ja) チーズ及びその製造方法
CN100366183C (zh) 水包油型乳化物和利用其生产食品的方法
JP3206507B2 (ja) 水中油型乳化物の製造法
JP2539839B2 (ja) 水中油型乳化油脂組成物
JP3485706B2 (ja) クリームチーズ様食品及びその製造法
JP3029519B2 (ja) ケーキ類用起泡性乳化油脂組成物
JPH07177858A (ja) 水中油型乳化物の製造方法
JPS596840A (ja) クリ−ムチ−ズ様食品の製法
JPS61162148A (ja) クリ−ム状乳化油脂組成物の製造法
JP2008011756A (ja) 酸性の起泡性水中油型乳化物
JP2000139344A (ja) 耐酸、耐熱性を有する水中油型エマルション
JPWO2010084541A1 (ja) カルシウムイオンにより乳風味が改善された水中油型乳化物
JP3421475B2 (ja) 水中油型油脂乳化組成物及びその製造方法
JPH10165092A (ja) プロセスチーズ類およびその製造方法
JP3509467B2 (ja) 乳蛋白質含有水中油型乳化物及びその製造法
JP3464152B2 (ja) 耐熱性酸性水中油型乳化食品
JP2975050B2 (ja) 加熱耐性を有する加熱料理用クリーム及びその製造法
JP2782373B2 (ja) タンパク質凍結ゲルを用いたドレッシングとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080703

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090703

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090703

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100703

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110703

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees