JP2794094B2 - 新規ペプチド及び血圧降下剤 - Google Patents

新規ペプチド及び血圧降下剤

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JP2794094B2 JP1104265A JP10426589A JP2794094B2 JP 2794094 B2 JP2794094 B2 JP 2794094B2 JP 1104265 A JP1104265 A JP 1104265A JP 10426589 A JP10426589 A JP 10426589A JP 2794094 B2 JP2794094 B2 JP 2794094B2
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康子 吉沢
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はいちじく樹木由来の新規オリゴペプチド、及
びそれらのオリゴペプチド、またはいちじく樹液もしく
は果肉由来の物質を含有する液またはその濃縮物を有効
成分として含有する血圧降下剤に関する。上記有効成分
は一般に安全性が極めて高く、安価かつ大量に供給でき
るので、本血圧降下剤は医薬品としてのみならず、血圧
降下作用を持たせた機能性食品として用いることができ
る。
〔従来の技術〕
高血圧症は近年増加の傾向にあり対策が望まれてい
る。従来、高血圧症の予防、治療に有効な物質は数多く
知られている。また一方、日常の食物の摂取を通じて病
気の主として予防に役立てようとする機能性食品に対す
る関心が高まっている。
これらの観点から安全性の高い食品またはそれらの加
水分解物等から血圧降下作用を有する物質を見い出すこ
とが行われている。例えば牛乳カゼインのトリプシン加
水分解物から単離されたアンジオテンシン変換酵素(AC
E)阻害物質またはそのペプチダーゼ処理物を血圧降下
剤として用いることが提案されている(特公昭60-23085
号、同60-23086号、同60-23087号、特開昭61-36226号、
同61-36227号)。また最近では、魚類タンパク質または
大豆タンパク質のバチルス属細菌由来のセリンプロテア
ーゼ、バチルス属細菌由来の金属プロテアーゼまたは植
物由来のチオールプロテアーゼによる加水分解物を血圧
降下剤として用いることが提案されている(特開昭62-1
69732号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
新規有用な血圧降下剤は常に求められている。また医
薬品としてのみならず、日常の摂取を通して高血圧等の
種々の症状の予防等を図る機能性食品も求められる昨今
である。
本発明は優れたACE阻害作用ならびに血圧降下作用を
有し、安全性が極めて高く、医薬品としてのみならず機
能性食品としても使用可能な特定のオリゴペプチド及び
それらを含有する血圧降下剤を提供することを目的とす
る。また本発明は、優れたACE阻害作用ならびに血圧降
下作用を有し、安全性が極めて高く、安価かつ大量に供
給でき、医薬品としてのみならず機能性食品としても有
用な血圧降下剤を提供することをも目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、血圧降下作用を有する物質を種々検索
した結果、いちじく樹木に由来する特定新規オリゴペプ
チド、いちじく樹液もしくはいちじく樹液由来画分例え
ばいちじく樹液の比較的低分子量画分、及びいちじく果
肉(いわゆる可食部としてのいちじく)由来画分、例え
ばいちじく果肉液の比較的低分子量画分が血圧降下作用
を有すること、及びこれらを用いることによって上記課
題を解決できることを見い出した。
すなわち請求項1記載の本発明は新規なオリゴペプチ
ドであるL-Ala-L-Val-L-Asn-L-Pro-L-Ile-L-Arg、L-Leu
-L-Tyr-L-Pro-L-Val-L-LysもしくはL-Leu-L-Val-L-Arg
またはその酸付加塩を提供し、請求項2記載の本発明は
L-Ala-L-Val-L-Asn-L-Pro-L-Ile-L-Arg、L-Leu-L-Tyr-L
-Pro-L-Val-L-Lys及びL-Leu-L-Val-L-Arg及びそれらの
酸付加塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効
成分として含有する血圧降下剤を提供し、請求項3記載
の本発明はいちじく樹液、いちじく果肉を粉砕し固液分
離して得られる液、またはいちじく樹液もしくはいちじ
く果肉を粉砕し固液分離して得られる液を分別して得ら
れる分子量10000以下の物質を含有する液、またはそれ
らのいずれかの濃縮物を有効成分として含有する血圧降
下剤を提供する。
以下、本発明を請求項1及び2の発明と請求項3の発
明とに分けて説明する。
請求項1及び2の発明における酸付加塩は、製薬上許
容される酸(無機酸及び有機酸)付加塩、例えば塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、安息香酸
塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸
塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、ト
ルエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸
塩等を包含する。
請求項1及び2のオリゴペプチドはイチジク樹木特に
イチジク樹液中に存在するので、そこから単離精製する
か有機化学的な合成方法によりアミノ酸を段階的に導入
することによって製造される。また、加水分解酵素の逆
反応を利用したペプチド合成法、遺伝子工学的手法等に
よっても製造することができる。
すなわち、いちじくの木に傷をつけて得られる乳液状
のイチジク樹液を好ましくは含有されるフィシン等のプ
ロテアーゼの作用を封じるため加熱処理(例えば100
℃、15分)し、操作性の観点から必要に応じ水で希釈
し、濾過、遠心分離等適当な手段で固液分離し、得られ
る液を限外濾過、ゲル濾過等の分離処理に付して高分子
物質(例えば分子量10000より大の物質)を除外し、得
られる水溶液をペプチドの分離精製、分別に通常用いら
れるカラムクロマトグラフィー(例えばSP−セファデッ
クスC25カラムクロマトグラフィー、セファデックスLH-
20カラムクロマトグラフィー(ファルマシア社製)
等)、高速液体クロマトグラフィー〔例えばアクアポア
TM prep-10(アプライド・バイオシステムズ社製)カラ
ム、リクロソルブRP-セレクトB(メルク社製)カラム
等を用いる高速液体クロマトグラフィー〕で分離精製、
分別して目的とする個々のオリゴペプチドを得ることが
できる。
有機化学的合成法としては液相法、固相法の2種があ
り、前者ではBoc(ターシャリーブチルオキシカルボニ
ル)基などで保護したアミノ酸をDMF(ジメチルホルム
アミド)に溶解し、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド)及びHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)
の存在下で一昼夜反応させ、カルボキシ末端側から順次
結合させる。また、後者ではアプライド・バイオシステ
ムズ社製ペプチド合成装置(430A 型)などで、PAM(フ
ェニルアセタミドメチル)樹脂にアミノ酸を順次伸長さ
せ、フッ化水素などにより樹脂及び各種保護基を切断
し、目的とするオリゴペプチドを得る。
本オリゴペプチドの酸付加塩は常法により製造するこ
とができる。例えば上記により製造したいずれかのオリ
ゴペプチドとそれに対し1当量の前記したような適当な
酸とを水またはエタノール等の溶媒中で反応させて溶媒
を真空あるいは凍結乾燥により除去することにより製造
することができる。
本オリゴペプチド及びその酸付加塩はACE阻害作用な
らびに血圧降下作用を有し、ヒトをはじめとする哺乳動
物の高血圧症の治療、予防に有効であると期待される。
本オリゴペプチド及びその酸付加塩はそのまま、また
は通常少なくとも1つの製薬補助剤と製薬組成物にして
使用する。
本オリゴペプチド及びその酸付加塩は非経口的(すな
わち、静脈注射、直腸投与等)または経口的に投与し、
各投与方法に適した形態に製剤することができる。
注射剤としての製剤形態は、通常滅菌水水溶液を包含
する。上記形態の製剤はまた緩衝剤pH調節剤(リン酸水
素ナトリウム、クエン酸等)、等張化剤(塩化ナトリウ
ム、グルコース等)、保存剤(パラオキシ安息香酸メチ
ル、P−ヒドロキシ安息香酸プロピル等)等の水以外の
他の製薬補助剤を含有することができる。該製剤は細菌
保持フィルターを通す濾過、組成物への殺菌剤の混入、
組成物の照射や加熱によって滅菌することができる。該
製剤はまた殺菌固体組成物として製造し、用時滅菌水等
に溶解して使用することもできる。
直腸投与剤は坐剤の形態をとることができ、活性成分
に加え、種々の坐剤用賦形剤、例えばカカオ脂、ワック
ス等を含有することができる。
経口投与剤は胃腸器官による吸収に適した形に製剤す
る。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、粉末剤は常用
の製薬補助剤、例えば結合剤(シロップ、アラビアゴ
ム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニル
ピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)、賦形
剤(ラクトース、シュガー、コーンスターチ、リン酸カ
ルシウム、ソルビット、グリシン等)、滑沢剤(ステア
リン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ等)、崩壊剤(ポテトスターチ、カルボキシ
メチルセルロース等)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウ
ム等)を包含することができる。錠剤は常法によりコー
ティングすることができる。経口液剤は水溶液等にした
り、ドライプロダクトにすることができる。そのような
経口液剤は常用の添加剤例えば保存剤(p−ヒドロキシ
安息香酸メチルもしくはプロピル、ソルビン酸等)を包
含していてもよい。本血圧降下剤中の本オリゴペプチド
またはその酸付加塩の量は種々かえることができるが、
通常5〜100%(w/w)、特に10〜60%(w/w)が適当で
ある。本血圧降下剤の投与量は有効成分として10〜200m
g/kg/dayが適当である。なお、本オリゴペプチドの急性
毒性はLD50(ICR系マウス、経口投与)>3g/kgである。
また、本オリゴペプチドは多量に摂取しても生体に悪
影響を与えない利点を有することから、そのまま、また
は種々の栄養分等を加えて、もしくは飲食品中に含有せ
しめて血圧降下作用、高血圧予防の機能をもたせた機能
性食品、健康食品として食してもよい。すなわち、例え
ば各種ビタミン類、ミネラル類等の栄養分を加えて、例
えば栄養ドリンク、豆乳、スープ等の液状の食品や各種
形状の固形食品、さらには粉末状としてそのままあるい
は各種食品へ添加して用いることもできる。かかる機能
性食品、健康食品としての本血圧降下剤中の有効成分の
含有量、摂取量はそれぞれ上記製薬における含有量、投
与量と同様でよい。
次に請求項3記載の発明について説明する。
いちじく樹液としてはいちじくの木に傷を付して得ら
れる乳液を用いることができる。いちじく樹液は含有さ
れるプロテアーゼを失活させるため分別に先立ち加熱処
理(例えば100℃、10分)するのが好ましい。一方、い
ちじく果肉を操作上の観点から必要に応じ水を加え、含
有されるプロテアーゼを失活させるため好ましくは加熱
処理(例えば100℃、20分)し、粉砕し、濾過、遠心分
離等により固液分離して液を回収する。いちじく樹液ま
たはいちじく果肉からの上記固液分離液を、限外濾過、
ゲル濾過等の分別手段に付して分子量10000以下の物質
を含有する液を得る。上記いちじく樹液、いちじく果肉
由来固液分離液、もしくはそれらの分別液、またはそれ
らのいずれかの濃縮物(例えば濃縮液、濃縮固体、噴霧
乾燥物、凍結乾燥物等)(以下、これらを包括して分別
液等またはその濃縮物という)を請求項3の血圧降下剤
の有効成分として用いることができる。なお、上記濃縮
は常法により行って差し支えない。
この分別液等またはその濃縮物はそのまま製薬組成物
として、または少なくとも1つの製剤補助剤と製薬組成
物にして使用する。この分別液等またはその濃縮物は経
口的または非経口的(例えば直腸投与)にヒトをはじめ
とする哺乳類に投与し、各投与方法に適した形態に製剤
化することができる。
経口投与剤及び直腸投与剤の製造、製剤補助剤例は請
求項2の発明と同様でよい。
請求項3の血圧降下剤中の分別液等またはその濃縮物
の量は種々かえることができるが、通常固形物基準で1
〜100%が適当である。本血圧降下剤の投与量は活性成
分(固形物)として0.5〜500mg/kg/dayが適当である。
本活性成分は毒性を有さない。例えば実施例4で得られ
るいちじく樹液低分子画分凍結乾燥品及び実施例5で得
られるいちじく果肉液低分子画分凍結乾燥品の急性毒性
はいずれもLD50(ラット、経口投与)>5g/kgである。
また、請求項3の分別液等またはその濃縮物は多量に
摂取しても生体に悪影響を与えない利点を有することか
ら、請求項1のオリゴペプチドと同様、そのまま、また
は種々の栄養分等を加えて、もしくは飲食品中に含有せ
しめて血圧降下作用、高血圧予防の機能をもたせた機能
性食品、健康食品として食してもよい。かかる食品とし
ての請求項3の血圧降下剤中の活性成分(固形物)の含
有量及び摂取量は製薬におけると同様でよい。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1 いちじく樹液からの新規オリゴペプチドの精
製 いちじく樹液200mlを100℃15分間加熱処理し、蒸留水
600mlを加えた後不溶物を濾去した。ついで、濾液をア
ミコン社製限外濾過膜(PM-10)(分画分子量10000)に
通して高分子物質を除去した。得られた水溶液10mlをフ
ァルマシア社製イオン交換樹脂SP-セファデックスC25の
カラム(2×47cm)に添加し、300mlの蒸留水、ついで1
30mlの0.1Mギ酸アンモニウム(pH7.0)で溶出した。次
に、溶出液を0.5Mギ酸アンモニウム(pH7.0)に切り換
え、52〜104mlの溶出画分をA液、130ml付近の溶出画分
をB液とした。A液、B液をそれぞれ減圧濃縮後、セフ
ァデックスLH-20カラム(2×62cm)に添加し、30%メ
タノールで溶出して脱塩した。
脱塩後のA液をさらにアプライド・バイオシステムズ
社のセミ分取用高速液クロ装置で分画した。溶出条件は
下記による。
カラム:アクアポアTM Prep-10 溶出液:0.1%TFA 存在下、3.5から67%のアセトニトリ
ルグラジエント(所用時間40分) 流 速:6ml/min 検 出:UV210nm この条件下で、5.4分付近に溶出されてくるACE阻害物
質をFLP-1(Fig tree Latex Peptide)とした。また、
6.5分付近に溶出されてくるACE阻害物質をFLP-2とし
た。FLP-1、FLP-2を減圧乾固し、高速液クロで分析した
ところ、FLP-1は単一の物質であることが判明した。FLP
-2は若干の夾雑物をふくみ再度アプライド・バイオシス
テムズ社のセミ分取用高速液クロ装置で単一物質に精製
した。
前記脱塩後のB液はメルク社の分析用カラム(リクロ
ソルブRP−セレクトB)を用いた高速液クロにより更に
分画した。溶出条件は下記による。
溶出液:0.1%TFA 存在下、14から56%のアセトニトリル
グラジエント(所用時間20分) 流 速:1ml/min 検 出:UV210nm この条件下で4.5分に溶出されてくるACE阻害物質をFL
P-3とした。上記溶出液を減圧乾固し、高速液クロで分
析したところFLP-3は単一の物質であることが判明し
た。
次に上記FLP-1,2,3の構造解析を行った。表1に6N塩
酸による加水分解後のアミノ酸分析値(日立835型アミ
ノ酸分析計による)、質量分析値(日本電子HX-110によ
る)、アミノ酸配列分析(アプライドバイオシステムズ
社477Aプロテインシークエンサーによる)を示す。
実施例2 いちじく樹液由来新規ペプチドの化学合成 a)L-Ala-L-Val-L-Asn-L-Pro-L-Ile-L-Arg(FLP-1)の
合成 アプライド・バイオシステムズ社製ペプチド合成装置
(430A型)に0.5ミリモルのBoc-L-Arg(Tos)‐O-CH2
PAM樹脂及び各2ミリモルのBoc-L-Ile、Boc-L-Pro、Boc
-L-Asn、Boc-L-Val、Boc-L-Alaを装填し、DCCによる無
水対称法により、L-Ala-L-Val-L-Asn-L-Pro-L-Ile-L-Ar
g(Tos)‐OCH2PAMを合成した。次に、ペプチド研究所
製フッ化水素処理装置に上記合成ペプチド樹脂を導入
し、アニソール1.5mlを添加後、液体フッ化水素10mlを
導入した。−20℃30分、0℃30分の反応後、フッ化水素
を減圧下に除去し、ペプチドを無水エーテル、クロロホ
ルムで交互に3回洗浄し、2N酢酸60mlにペプチドを溶解
させ、凍結乾燥した。この方法によりL-Ala-L-Val-L-As
n-L-Pro-L-Ile-L-Argの白色粉末185mgを得た。
本オリゴペプチドの分析値を表2に示す。
b)L-Leu-L-Tyr-L-Pro-L-Val-L-Lys(FLP-2)の合成ア
プライド・バイオシステムズ社製ペプチド合成装置(43
0A型)に0.5ミリモルのBoc-L-Lys(Cl-z)‐O-CH2‐PAM
樹脂及び各2ミリモルのBoc-L-Val、Boc-L-Pro、Boc-L-
Tyr(Br-z)、Boc-L-Leuを装填し、DCCによる無水対称
法により、L-Leu-L-Tyr(Br-z)‐L-Pro-L-Val-L-Lys
(Cl-z)‐OCH2PAMを合成した。次に、ペプチド研究所
製フッ化水素処理装置に上記合成ペプチド樹脂を導入
し、アニソール1.5mlを添加後、液体フッ化水素10mlを
導入した。−20℃30分、0℃30分の反応後、フッ化水素
を減圧下に除去し、ペプチドを無水エーテル、クロロホ
ルムで交互に3回洗浄し、2N酢酸60mlにペプチドを溶解
させ、凍結乾燥した。この方法により、L-Leu-L-Tyr-L-
Pro-L-Val-L-Lysの白色粉末160mgを得た。
本オリゴペプチドの分析値を表2に示す。
c)L-Leu-L-Val-L-Arg(FLP-3)の合成 アプライド・バイオシステムズ社製ペプチド合成装置
(430A型)に0.5ミリモルのBoc-L-Arg(Tos)‐O-CH2
PAM樹脂及び各2ミリモルのBoc-L-Val、Boc-L-Leuを装
填し、DCCによる無水対称法により、L-Leu-L-Val-L-Arg
(Tos)‐OCH2PAMを合成した。次に、ペプチド研究所製
フッ化水素処理装置に上記合成ペプチド樹脂を導入し、
アニソール1.5mlを添加後、液体フッ化水素10mlを導入
した。−20℃30分、0℃30分の反応後、フッ化水素を減
圧下に除去し、ペプチドを無水エーテル、クロロホルム
で交互に3回洗浄し、2N酢酸60mlにペプチドを溶解さ
せ、凍結乾燥した。この方法によりL-Leu-L-Val-L-Arg
の白色粉末60mgを得た。
本ペプチドの分析値を表2に示す。
実施例3 いちじく樹液由来オリゴペプチド及び合成オ
リゴペプチドのACE阻害効果の検討 いちじく樹液由来新規オリゴペプチドFLP-1、2、3
及びそれらの合成オリゴペプチドについてACE阻害活性
を以下のごとく測定した。すなわちまず、5gのラビット
ラングアセトンパウダーを50mlの0.1Mホウ酸ナトリウム
緩衝液(pH8.3)に溶かし、40,000G、40分の条件下で遠
心処理し、その上澄液をさらにハイドロキシアパタイト
で精製し、1unit/mg proteinのアンジオテンシン変換酵
素液を得た。
本オリゴペプチドの種々の濃度の水溶液をそれぞれ試
験管に0.03ml入れ、これに基質として、0.25mlのヒプリ
ルヒスチジルロイシン(最終濃度5mM、NaCl300mM含む)
を添加し、ついで上記アンジオテンシン変換酵素液0.1m
lを加え、37℃で30分間反応させた。その後、1N塩酸0.2
5mlを添加して反応を停止させた後、1.5mlの酢酸エチル
を加え、酢酸エチル中に抽出されたヒプリル酸の228nm
での吸収値を測定し、これを酵素活性とした。なお、こ
の条件で本オリゴペプチドを含まない場合の228nmの吸
収値は0.35であった。
このような実験を複数行い、阻害率を次の式より算出
した。
A:阻害剤を含まない場合の228nmの吸収値 B:阻害剤添加の場合の228nm吸収値 上記阻害率が50%のときの本オリゴペプチドの濃度IC
50値を求めた。結果を表3に示す。
実施例4 FLP-1,FLP-2の血圧降下作用 体重200gのWistar系雄性ラット(日本ラット(株)、
1群6〜8匹)をウレタン1.25g/kg腹腔内投与により麻
酔し、常法に従って総頸動脈圧をトランスデューサー
(SKU-590.日本光電(株))を介して連続的に記録し
た。下腿静脈より、生理食塩水に溶解したFLP-1またはF
LP-2を投与し、その5、15、25及び35分後にアンジオテ
ンシンI(ヒト配列、シグマ社)100ng/kgを繰り返し投
与して、前後の最高血圧の変化を測定した。対照として
は生理食塩水を投与したものを用いた。結果を表4及び
表5に示した。
実施例5 FLP-3の血圧降下作用 体重150gのWistar系雄性ラット(日本ラット(株)、
1群3匹)をウレタン1.25g/kg腹腔内投与により麻酔
し、常法に従って総頸動脈圧をトランスデューサー(SK
U-590.日本光電(株))を介して連続的に記録した。
下腿静脈より、ヘキサメトニウム5mg/kgを投与し、自
律神経系の影響を抑えた後、同じく下腿静脈より生理食
塩水に溶解したFLP-3(100mg/kg)を投与した結果、投
与直後に約20mmHg血圧降下が見られた。
実施例6 いちじく樹液低分子画分の血圧降下作用 いちじくの樹皮に傷をつけて流れ出る樹液(乳液)を
収集した。樹液200mlを100℃で10分煮沸し、分画分子量
10,000の限外濾過膜(アミコンPM-10)を用いる限外濾
過に付して、浸出してくる低分子画分を回収し、凍結乾
燥して白色粉末25gを得た。
次にこの粉末の血圧降下作用を調べた。動物は10週令
自然発症高血圧ラット(SHR)(日本ラット(株)
(♂、体重240〜280g、1群5匹)を用いた。試料は生
理食塩水に溶解し、有効成分として2g/kg腹腔内に投与
した。対照として生理食塩水を腹腔内に投与した。投与
直前及び投与1、3、5、7時間後に、ラット・マウス
用非観血血圧計TK-350(ユニコム社製)を用い、Tail-C
uff法で血圧を測定した。
結果を最高血圧±S.E.で表6に示した。表6より明ら
かなごとく、いちじく樹液低分子画分が投与後1、3時
間の血圧を有意に低下させた。
実施例7 いちじく果肉液低分子画分の血圧降下作用 いちじく1250g及び水2000mlの混合物を100℃で20分煮
沸し、粉砕して、2500rpmで20分遠心分離した。上清を
限外濾過(分画分子量10,000、アミコンPM-10)し、濾
液を凍結乾燥して凍結乾燥品23gを得た。
凍結乾燥品の血圧降下作用を動物を1群6匹とした以
外実施例6と同様にして調べた。
結果を最高血圧±S.E.で表7に示した。表7より明ら
かなごとく、いちじく果肉液低分子画分は投与後1〜7
時間の血圧を有意に低下させた。
〔発明の効果〕 請求項1及び2記載の本発明によれば優れた血圧降下
作用を有するいちじくの樹木由来の新規オリゴペプチド
及びそれを有効成分とする血圧降下剤がそれぞれ提供さ
れる。
請求項3記載の本発明によればいちじく樹液もしくは
果肉由来の物質を有効成分とする血圧降下剤が提供され
る。
フロントページの続き (72)発明者 三吉 新介 千葉県船橋市日の出2丁目20番2号 昭 和産業日の出寮 (72)発明者 金子 俊之 千葉県市川市南大野1丁目40番12号 昭 和産業市川社宅210号 (72)発明者 吉沢 康子 埼玉県北葛飾郡吉川町川藤850番 (72)発明者 福井 史生 千葉県成田市中台1丁目2番117号 審査官 藤森 知郎 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 5/083 C07K 7/06 A61K 37/02 A61K 35/78 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】L-Ala-L-Val-L-Asn-L-Pro-L-Ile-L-Arg、L
    -Leu-L-Tyr-L-Pro-L-Val-L-LysもしくはL-Leu-L-Val-L-
    Argまたはその酸付加塩。
  2. 【請求項2】L-Ala-L-Val-L-Asn-L-Pro-L-Ile-L-Arg、L
    -Leu-L-Tyr-L-Pro-L-Val-L-Lys及びL-Leu-L-Val-L-Arg
    及びそれらの酸付加塩からなる群から選ばれる少なくと
    も1つを有効成分として含有する血圧降下剤。
  3. 【請求項3】いちじく樹液、いちじく果肉を粉砕し固液
    分離して得られる液、またはいちじく樹液もしくはいち
    じく果肉を粉砕し固液分離して得られる液を分別して得
    られる分子量10000以下の物質を含有する液、またはそ
    れらのいずれかの濃縮液を有効成分として含有する血圧
    降下剤。
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